JPS601895B2 - 難燃性シリコ−ンゴム組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は改良された難燃性を有するシリコーンゴム組成
物に関する。

シリコーンェラストマ一は種々のすぐれた性質を有して
いるが可燃性であるという欠点を有しているため、これ
までに難燃性にする方法が種々提案されている。

例えばその代表的なものとしてシリコーンゴムパウンド
‘こ白金含有材料を配合したもの（樽公昭４４一２５９
１号）が知られている。しかし、白金含有材料だけでは
自己梢炎性が十分でないため、これと他の化合物を組合
せて自己消炎性を向上させる研究が数多くなされている
。例えば、シリコーンゴムコンパウンドもこ白金化合物
とヒューム二酸化チタンを配合したもの（特公昭４７−
２１８２６号）、シリコーンゴムコンパウンド‘こ白金
化合物と微粉状炭酸マンガンを配合したもの（椿公昭５
１一２３９７計号）、シリコーンゴムコンパウンドに白
金化合物と（Ｆｅ○）ｘ（Ｆｅ２０３）ｙ（ただし、式
中又とｙの比は０．０５〜１．０を配合したもの（特公
昭５１一３５５０１号）などが知られている。しかしな
がら、これら公知のものは十分満足すべき自己消炎性を
示さず、上記した白金化合物とヒューム二酸化チタンを
配合したものは湿気によってシリコーンヱラストマ一の
電気的特性が低下し、白金化合物と炭酸マンガンを配合
したものを加硫剤ととしてアシル系有機過酸化物を使用
した場合に加硫阻害をひきおこして十分に加硫せず、白
金化合物とくＦｅ○）ｘ（Ｆｅ２０３）ｙを配合したも
のは（Ｆｅ○）ｘ（Ｆｅ２０３）ｙの添加量を多くしな
いと自己消炎性の効果は薄く、添加量を多くするとシリ
コーンェラストマ−の機械的性質が低下するのみならず
、赤茶〜茶黒色に着色するので別の色に着色できないと
いう欠点がある。本発明はかかる従来の欠点を改良した
。

しかも機械的強度、耐熱性、着色性にすぐれた成形品を
与える難燃性シリコーンゴム組成物を提供しようとする
ものである。すなわち、本発明は 蜘 平均単位式ＲａＳｉ０４‐ａ（式中Ｒは置換または
非置換の一価炭化水素基、ａ＝１．９５〜２．０５）を
有するオルガノポリシロキサン １０の重量部佃
微粉状シリカ系充填剤 Ｏ〜１５の重量部｛Ｃ
｝ 風成分に対し１〜２００ｐｐｍの白金または同量の
白金を含む白金化合物（Ｄ｝ カルボン酸アミド
０．０１〜５重量部｛Ｅ’ 有機過酸化物
０．１〜５重量部より成ることを特徴とする難
燃性シリコーンゴム組成物。

及び 風 平均単位式ＲａＳｉ０４−ａ（式中Ｒは置換または
非置換の一価炭化水素基、ａ＝１．９５〜２．０５）を
有するオルガノポリシロキサン １０の重量部｛
Ｂ｝ 微粉状シリカ系充填剤 ０〜１５の重量部
｛Ｃ｝ 凶成分に対し１〜２００ｐｐｍの白金または同
量の白金を含む白金化合物助 力ルボン酸アミド
０．０１〜５重量部【Ｅ｝ 有機過酸化物
０．１〜５重量部｛Ｆ｝ 酸化セリウムまたは
水酸化セリウム０．１〜ｉ■重量部より成ることを特徴
とする難燃性シリコーンゴム組成物に関するものである
。

本発明に使用される■成分としてのオルガノポリシロキ
サンは平均単位式ＲａＳｉ０４‐ａ（Ｒはメチル基、エ
チル基、プロピル基、フェニル基およびそれらのハロゲ
ン置換炭化水素基、ビニル基、アリル基などから選択さ
れる置換または非置換の一価炭化水素基Ｌ ａ＝１．９
５〜２．０５）を有する、主として直鎖状のジオルガノ
ポリシロキサンである。

ジオルガノポリシロキサンを構成する具体的な単位の例
としてはジメチルシロキサン、メチルフエニルシロキサ
ン、ジフエニルシロキサン、メチルビニルシロキサン、
フエニルビニルシロキサンなどがあげられる。ジオルガ
ノポリシロキサンはシリコーンゴム生ゴムと称される高
分子量のものが好ましいが、これに限定する必要はなく
、常温で液状であってもよい。風成分は単一重合体また
は共重合体あるいはこれらの重合体の混合物である。ま
た、これらの構造中にＲａＳ０，．５（Ｒは上記を同じ
）の単位が少量含有していてもよく′、分子鎖末端はヒ
ドロキシル基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジ
メチルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、メ
チルフヱニルビニルシリル基などがあげられ、特に限定
するものではない。

本発明に使用される曲成分としての微粉状シリカ系充填
剤としては従来からシリコーンェラストマ一に使用され
ているものでよく、フヱームドシリカ、沈降法シリカ、
石英微粉末、けし、藻士などが例示される。これらは粒
子径が５０ミクロン以下、以表面積が１００で′タ以上
の微分状のものが好ましく、表面処理されていないもの
、あるいはオルガノシラン、オルガノシロキサン、オル
ガノシラザンなどの有機けし・素化合物であらかじめ表
面処理されたもののいずれでもよい。｛Ｂ）成分の配合
量は多すぎると、作業性が低下し、加硫して得られるシ
リコーンゴムェラストマーの機械的性質が低下するので
ｍ成分１０の重量部に対し、０〜１５の重量部の範囲と
する。本発明に使用される（Ｃ｝成分は風成分に対して
１〜２０のｐｍ、好ましくは５〜１００ｐｐｍの白金ま
たは同量の白金を含む白金系化合物であり、シリコーン
ェラストマ一に難燃性を付与する必須の成分である。

白金としては白金微粉末あるいはアルミナ、シリカゲル
、アスベストなどの担体に白金粉末を担持させたもの、
白金系化合物としては塩化白金酸、あるいは塩化白金酸
とアルコール、エーテル、アルデヒド、ビニルシロキサ
ンなどとの鈴体が例示される。これらの白金または白金
系化合物はシリコーンゴム組成物中に均一に分散させる
ことが、これを加稀して得られるシリコーンェラストマ
一に難燃性を付与するのに重要であり、このためにイン
プロピルアルコール、エタノール、ベンゼン、トルェン
、キシレンなどの有機溶媒、あるいはオルガノポリシロ
キサン油に溶解ないし分散させて使用してもよい。本発
明に使用される【Ｄ｝成分としてのカルボン酸アミドは
上記した‘Ｃ｝成分との相乗的効果によってシリコーン
ェラストマ−に難燃性を付与する重要な成分である。

このカルボン酸アミド‘こは大別して第一アミド、第二
アミド、第三アミドがあり、第一アミドと第二アミドの
窒素原子結合水素原子はアルキル基やアリール基によっ
て置換されていてもよい。また、カルボン酸アミドを構
成するカルボン酸はギ酸や炭酸のような無機酸でも脂肪
族カルボン酸や芳香族カルボン酸のような有機酸でもよ
く、また、一塩基酸でも多塩基酸でもよい。また、オキ
シカルボン酸でもよい。ただし、分子中にイオウ原子や
リン原子を含有しないことが好ましい。

具体例として、ホルムアミド、尿素、Ｎ−メチルホルム
アミド、Ｎ・Ｎ−ジメチルホルムアミド、アセトアミド
、Ｎ−メチルアセトアミド、Ｎ・Ｎ−ジエチルアセトア
ミド、プロピオンアミド、ブチロアミド、ベンズアミド
、フエナセトアミド、ニコチンアミド、Ｎーメチルベン
ズアミド、オキサミド、マロンアミド、スタシンアミド
、アジピンアミド、フタルアミド、０−アセトァミド安
息香酸、アセトアニリド、オキシアセトアミド、１１−
ァセトアミドステアリン酸などが例示される。

カルボン酸ァミドは凶成分や‘Ｂ）成分中に直接添加し
てもよいし、融点の高いものはエチルアルコールなどで
溶解して添加してもよい。この【Ｄ’成分は少なすぎる
場合はシリコーンゴムの難燃性を低下し、多すぎる場合
はシリコーンゴムの加工性および如硫効率を低下するの
で０．０１〜５重量部の添加が好ましい。１種だけ添加
してもよいし、２種以上を混合して添加してもよい。

｛Ｅ’成分の有機過酸化物は本組成物の硬化剤であり、
これにはペンゾイルバーオキサイド、２・４ージクロル
、ベソゾイル／ぐーオキサイド、２・５−ビス（ｔーブ
チルパーオキシ）一２・５ージメチルヘキサン、ジクミ
ルパーオキサイド、モ／クロルベンゾイルパーオキサイ
ド、ｔーブチルバーベンゾェートなどが例示され、用途
に応じて適宜選択して使用される。

この添加量は的成分１０の重量部に対し０．１〜５重量
部の範囲で使用する。側成分の酸化セリウムおよび水酸
化セリウムは、■〜‘Ｅ｝成分からなるシリコーンゴム
組成物の難燃性をさらに高めるための成分であり、に’
成分の白金または白金化合物と■成分のカルボン酸アミ
ドと作用して相乗的に難燃性を高める。酸化セリウムは
酸化第一セリウム（Ｃｅ２Ｑ）でも酸化第二セリウム（
Ｃｅ０２）のいずれでもよく、水酸化セリウムは水酸化
第一セリウムでも水酸化第二セリウムのいずれでもよく
、後者は一水化物、１．５水化物、二水化物のいずれで
もよい。

酸化セリウム、水酸化セリウムのいずれも微粒子状であ
ることが好ましい。０．１重量部未満では難燃性を高め
る効果が乏しく、１の重量部を越えても難燃性の効果上
意味がないので添加量は０．１〜１０重量部とされる。

本発明の難燃性シリコーンゴム組成物は上記した■〜‘
Ｅ｝成分または■〜‘Ｆ｝以外に必要に応じて、末端に
水酸基を有するジメチルシロキサン、ジフエニルシラン
ジオール、アルコキシシランなどの低分子量の有機けし
、素化合物を配合してもよい。

また、タルク、マィカ、炭酸カルシウム、ジルコン酸カ
ルシウム、けし、酸ジルコニウムなどの充てん剤、有機
酸コバルト塩、ァゾ化合物、トリアゾール化合物、本質
的にィオウを含まないカーボンブラック、フュームド二
酸化チタン、炭酸金属塩、ｙ−Ｆｅ２０３などの雛燃化
剤、二酸化チタン、酸化鉄などの顔料、オクチル酸セＩ
Ｊゥム、酸化鉄などの耐熱剤、酸化防止剤などを適宜配
合してもよい。これらの配合物はロール混綾やニーダミ
キサーなどで均一に混合された後１００〜４５００Ｃで
数秒間〜１時間、加圧または非加圧下に加熱し、さらに
必要に応じて２００〜２５０ｑｏで１〜４劉時間二次加
熱することにより、難燃性のすぐれたシリコーンゴム製
品が得られる。

次に、本発明の実施例をあげて説明するが、例中部とあ
るのは重量部を示す。なお、難燃性の測定はＵＬ７５８
に準じ、加熱硬化させて得られたシリコーンゴム電線（
芯線構成０．２６柳×７本、外径３．２肌）を長さ約３
５柳に切断して試験片とし、これを無風下に垂直に固定
し「試験片の下端が２０度の角度をなすブンゼンバーナ
の炎（炎径１１側、内炎高さ３８側、外炎高さ１２７帆
）の内炎上部にわずかに接する位置で１９秒間炎をあて
て着火し、ついでブンゼンバーナーを遠ざけ、消炎する
までの時間（秒）を測定した。

試験片１０本について各２回の薮炎試験を行ない、合計
２０回の平均値（秒）をもつて難燃性のデータとした。
なお、試験片が２７仇吻燃えたものについては６硯砂以
上と表記した。実施例 １ ジメチルシロキサン単位９９．８モル％、メチルビニル
シロキサン単位０．２モル％からなるオルガノポリシロ
キサン生ゴム（重合度３０００）１００部、両末端に水
酸基を有するジメチルポリシロキサン（重合度１０）５
部、ジフェニルシランジオール３部、比表面積２００の
／夕のフュームドシリカ（Ａｅｒｏｓｈ２００）５碇部
を均一になるまで混練し、これを１５０００で２時間加
熱処理してベースコンパウンドとした。

このベースコンパウンド１００部に２・４ジクロルベン
ゾイル／ゞーオキサイド１．０部、塩化白金酸の２％イ
ンプロピルアルコール溶液０．１７部およびＮ・Ｎ−ジ
メチルホルムアミド１．礎都を添加し、２本ロールで均
一に混合した後２インチの押出機を使用して、電線被覆
を行ない、これを４００ｏｏで１９砂間、非加圧下で加
硫を行ない、外径３．２肋の電線を得た。これについて
前記した条件で難燃性試験を行なった。

その結果をまとめて第１表に示した。第１表のとおり塩
化白金酸のみまたはＮ・Ｎ−ジメチルホルムアミドのみ
では満足すべき難燃性は得られないが、塩化白金酸とＮ
・Ｎ−ジメチルホルムアミドを組合せることにより、難
燃性が大中に改良された。第 １ 表 実施例 ２ 実施例１と同じベースコンパウンドを使用し、Ｎ・Ｎ−
ジメチルホルムアミドの代りにＮ・Ｎ−ジメチルアセト
アミドおよび１１−アセトアミドステアリン酸をそれぞ
れ使用し、さらに難燃性を向上させる目的で水酸化セリ
ウムを加え、実施例１と同じ条件でシリコーンゴム電線
を作製した。

これについて難燃性の試験を行ない、この結果を第２表
に示した。Ｎ・Ｎ−ジメチルアセトアミド、１１ーアセ
トアミドステアリン酸とも塩化白金酸と併用したときす
ぐれた難燃性効果を示している。

第 ２ 表 実施例 ３ ジメチルシロキサン単位９６．５モル％とメチルビニル
シロキサン単位０．５モル％とメチルフェニルシロキサ
ン単位３モル％からなるオルガノポリシロキサン生ゴム
（重合度３５００）１００部、両末端に水酸基を有する
ジメチルポリシロキサン（重合度１０）５部、ジフヱニ
ルシランジオール４部、比表面積２００め′夕のフュー
ムドシリカ（Ａｅｒｏｓｊｌ２００）５５部を均一にな
るまで混練し、これを１５０℃で２時間加熱処理してベ
ースコンパウンドとした。

このベースコンパウンド１０碇轍こ２・４−ジクロルベ
ンゾイルパーオキサイド０．８部、パラクロルベンゾィ
ルパーオキサィド１．０部を添加し、さらに、第３表に
示す成分を加えて、２本ロールで均一に混合した後、実
施例１と同様、加稀してシリコーンゴム電線を作製し、
これについて難燃性試験を行なった。この結果を第３表
に示した。

豹 −３ 表

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ （Ａ） 平均単位式 ▲数式、化学式、表等があります▼ （式中Ｒは置換 または非置換の一価炭化水素基、ａ＝１．９５〜２．０
   ５）を有するオルガノポリシロキサン１００重量部（Ｂ
   ） 微粉状シリカ系充填剤 ０〜１５０重量部（Ｃ）
   （Ａ）成分に対し１〜２００ｐｐｍの白金または同量の
   白金を含む白金化合物（Ｄ） カルボン酸アミド ０．
   ０１〜５重量部（Ｅ） 有機過酸化物 ０．１〜５重量
   部より成ることを特徴とする難燃性シリコーンゴム組成
   物。 ２ （Ａ） 平均単位式 ▲数式、化学式、表等があります▼ （式中Ｒは置換 または非置換の一価炭化水素基、ａ＝１．９５〜２．０
   ５）を有するオルガノポリシロキサン１００重量部（Ｂ
   ） 微粉状シリカ系充填剤 ０〜１５０重量部（Ｃ）
   （Ａ）成分に対し１〜２００ｐｐｍの白金または同量の
   白金を含む白金化合物（Ｄ） カルボン酸アミド ０．
   ０１〜５重量部（Ｅ） 有機酸化物 ０．１〜５重量部
   （Ｆ） 酸化セリウムまたは水酸化セリウム０．１〜１
   ０重量部より成ることを特徴とする難燃性シリコーンゴ
   ム組成物。