JPH10142152A - 蛍光体の量子効率測定方法および装置 - Google Patents

蛍光体の量子効率測定方法および装置

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JPH10142152A
JPH10142152A JP30147896A JP30147896A JPH10142152A JP H10142152 A JPH10142152 A JP H10142152A JP 30147896 A JP30147896 A JP 30147896A JP 30147896 A JP30147896 A JP 30147896A JP H10142152 A JPH10142152 A JP H10142152A
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Tomizo Matsuoka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体の量子効率の簡易で精度よい測定。 【解決手段】特定波長λ1の放射に対する吸収率と量子
効率が既知の測定対象蛍光体と、波長λ1の放射を発する
光源1と、波長λ2の放射を発する光源2と、波長λ1とλ2
の放射を蛍光体に導き、波長λ1とλ2に対し波長選択性
を持たない光学系と、波長λ1とλ2の放射量と反射量を
測定する検出器と、蛍光体のスヘ゜クトルを測定する分光測定
器を有し、波長λ2の放射と波長λ1の放射の蛍光体面で
の入射量を検出器で測定し、波長λ2での放射と波長λ1
での放射の光源1又は光源2の光軸と、検出器の入射面の
法線あるいは蛍光体面の法線とのなす入射角θ1と反射
角θ2の反射量を検出器で測定し、波長λ1とλ2の蛍光体
への入射量と、反射角θ2方向への反射量と、波長λ1にお
ける吸収率とから、蛍光体の波長λ2に対する放射の吸収
率を求め、波長λ1とλ2の入射量と吸収率から吸収量を
求め、波長λ1とλ2のスヘ゜クトルから発光量を求め、吸収量の
光量子と発光量の光量子を除算し、波長λ1の量子効率と
比較して、波長λ2の蛍光体の量子効率を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体の量子効率
を測定する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光体の量子効率は、例えばランプ用蛍
光体が到達し得る効率の極限を知る尺度として極めて重
要で、主として絶対値法と相対値法の二種類の測定方法
が用いられてきた。
【0003】絶対値法は、蛍光体に吸収される励起光の
光量子数(フォトン数)と蛍光の光量子数(フォトン
数)とを独立に測定し、その比から量子効率を求める方
法である。この方法では蛍光体に吸収される励起光のフ
ォトンの数は、以下の方法で求める。まず、単一波長の
励起放射に対して、サーモパイルなどの熱型放射検出器
や絶対放射計を使って、蛍光体面での放射照度を測定
し、絶対反射率が値付けされた硫酸バリウムなどを反射
率標準として、蛍光体面の反射率を測定して(1−反射
率)から吸収率を求め、両者の値から励起光の吸収エネ
ルギーのフォトン数を求める。次に、蛍光体からの相対
蛍光分光スペクトルを分光測光器で測定し、その絶対量
を、前述の熱型放射検出器や絶対放射計の前面に、励起
光を除去する光学フィルタを装着して、求め、相対蛍光
スペクトルと絶対量とからその蛍光フォトン数を導き、
吸収エネルギーのフォトン数との比から蛍光体の量子効
率を求める方法である。この方法では、励起光の吸収フ
ォトン数と蛍光フォトン数を定量的に測定する熱形放射
検出器や絶対放射計の感度が低いため、十分な測定精度
が得られない問題があった。
【0004】この問題を解決する手段として、図8に示
すような方法が提案されている。この方法は、まず、測
定しようとする蛍光体12の蛍光体面が積分球13の第
1の窓14に装着し、積分球13の第2の窓15から、
光源16、光学系17、光学フィルタ18から照射され
た蛍光体12の励起光19を入射させ、蛍光体12の蛍
光体面に前記励起光19を照射する。蛍光体12の蛍光
体面から発する励起光19の反射スペクトルと蛍光スペ
クトルを前記積分球13で積分し、積分球13の第3の
窓20に装着した分光測定器21で測定する。このとき
の分光測定器21の出力をそれぞれR(λ)、P(λ)
とする。このとき、積分球13の積分効率をη、分光測
定器21の効率の補正係数をK・f(λ)とすると、蛍
光体12の蛍光体面での励起光19の反射スペクトルは
η・K・f(λ)・R(λ)、蛍光スペクトルは、η・
K・f(λ)・P(λ)となる。次に、蛍光体12の代
わりに、反射率が既知の反射率標準22を積分球13の
第1の窓14に装着して前記と同様の測定を行なうこと
により、蛍光体12の蛍光体面に入射した励起光19の
分光放射照度η・K・f(λ)・1/α(λ)・E
(λ)が得られる。このとき、α(λ)は、反射率標準
22の分光反射率、E(λ)は、このときの分光測定器
21の読みである。この結果から、蛍光体12に吸収さ
れる励起光19の分光エネルギー分布は、
【0005】
【数1】 η・K・f(λ)・(1/α(λ))・E(λ)−η・K・f(λ)・R(λ) =η・K{f(λ)・(1/α(λ))・E(λ)−f(λ)・R(λ)} =η・K・A(λ) 但し、 A(λ)={f(λ)・(1/α(λ))・E(λ)−f
(λ)・R(λ)} となるため、量子効率εは
【0006】
【数2】
【0007】λ3,λ4:蛍光スペクトルが存在する波長
範囲 λ5,λ6:励起スペクトルの波長範囲 で与えられ、η、Kを絶対放射計などで求める必要がな
く、相対分光分布から高精度に蛍光体の量子効率を求め
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、特定波長λ1で
の量子効率が既知の蛍光体について別の波長λ2での量
子効率を求める場合が多い。例えば、蛍光灯などで使用
されている254nmからプラズマディスプレイで使用
されている147nmの量子効率を求める場合などがあ
る。このような場合、波長λ2に対し、前記量子効率測
定方法を用いる必要がある。この方法では、積分球が必
要になり、このため、光量が不足しがちであり、強力な
励起光や高精度の分光器が必要であった。また、積分球
と分光反射率標準を使用するため、測定系が複雑であ
る。
【0009】本発明は、上述した方法の課題を考慮し、
蛍光体の量子効率を簡易な構成で精度よく測定すること
ことができる蛍光体の量子効率測定方法および装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】特定波長λ1での放射に
対する吸収率と量子効率が既知の測定しようとする蛍光
体と、波長λ1の放射束を発生する光源1と、波長λ2の
放射を発生する光源2と、前記波長λ2の放射束を前記
蛍光体に導き波長λ1とλ2に対し波長選択性を持たない
光学系と、前記波長λ1とλ2の放射量と反射量を測定す
る放射検出器と、前記蛍光体の発光スペクトルを測定す
る分光測定器とからなり、前記蛍光体の波長λ2の放射
束と波長λ1の放射束の蛍光体面での入射量を放射検出
器で測定し、前記蛍光体の波長λ2での放射束と波長λ1
での放射束の光源1あるいは光源2の光軸と、放射検出
器の入射面の法線あるいは蛍光体面の法線とのなす入射
角θ1と反射角θ2の反射量を放射検出器で測定し、波
長λ1とλ2の前記蛍光体への入射量と、反射角θ2方向
への反射量と、波長λ1における吸収率とから、前記蛍
光体の波長λ2に対する放射束の吸収率を求め、波長λ1
とλ2の入射量と吸収率から吸収量を求め、波長λ1とλ
2の発光スペクトルから発光量を求め、吸収量の光量子
と発光量の光量子を除算し、さらに波長λ1の量子効率
と比較して、波長λ2の蛍光体の量子効率を求める。
【0011】また、波長λ1とλ2が紫外域の波長であ
り、測定雰囲気が窒素または真空である。
【0012】さらに、波長λ1が254nmの紫外光で
あり、波長λ2が波長200nm以下の真空紫外域であ
り、波長λ2の測定雰囲気が窒素または真空である。
【0013】加えて、入射角θ1が0゜、反射角θ2が
45゜である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0015】本実施の形態における測定方法は、図1に
示すように、測定1から測定6までの6つの測定と、こ
れらの測定結果を用いた量子効率算出過程からなる。図
2から図7は測定1から測定6の具体的な実施の形態を
示すもので、波長λ1は254nm、波長λ2は147n
mとし、光源の光軸と放射検出器の入射面の法線あるい
は蛍光体面の法線とのなす入射角θ1は0゜、反射角θ
2は45゜とし、光源には重水素ランプ、光学系には1
47nmと254nmに対して透過特性に波長依存性が
ないフッ化マグネシウムレンズ、放射検出器にはシリコ
ンホトダイオード、分光器としてマルチチャンネル分光
装置を用いた。
【0016】(I)まず、図2に示す測定1の構成によ
り、波長254nmの光の、測定しようとする蛍光体面
での入射量を測定する。図2における測定1は、重水素
ランプ1と、重水素ランプ1からの放射束を検出するた
め、光軸上に入射角0゜で置き、あらかじめ波長毎の絶
対入射量の値をつけたシリコンホトダイオード2と、シ
リコンホトダイオード2に重水素ランプ1からの放射束
を導くフッ化マグネシウムレンズ3と、波長254nm
のみを波長選択する干渉フィルタ4と、シリコンホトダ
イオード2に接続され、その出力信号を読み取るデジタ
ルマルチメータ5とから構成される。このとき、重水素
ランプ1とシリコンホトダイオード2との距離をL1と
する。ここで、重水素ランプ1と干渉フィルタ4が請求
項の光源1を、フッ化マグネシウムレンズが光学系を、
シリコンホトダイオード2とデジタルマルチメータ5が
放射検出器にそれぞれ対応する。
【0017】このように構成された測定1の動作を以下
説明する。重水素ランプ1を点灯し、安定するのを待
つ。重水素ランプ1から発せられた連続スペクトル光
は、干渉フィルタ4で主波長が254nmの照射光とな
ってフッ化マグネシウムレンズ3で集光された後、シリ
コンホトダイオード2に入射する。このとき、シリコン
ホトダイオード2の出力信号をデジタルマルチメータ5
で読み取る。シリコンホトダイオード2は波長毎にあら
かじめ入射量の値が付けられており、デジタルマルチメ
ータ5の読取値から254nmに対するシリコンホトダ
イオード2の位置における入射量Ein(254)が測定でき
る。
【0018】次に、図3に示す測定2の構成で、波長1
47nmの、測定しようとする蛍光体面での入射量を測
定する。図3において、測定2は、重水素ランプ1と、
重水素ランプ1からの放射束を検出するため、光軸上に
入射角0゜で置いたシリコンホトダイオード2と、重水
素ランプ1からの放射をシリコンホトダイオード2に導
くフッ化マグネシウムレンズ3と、147nmのみを波
長選択する干渉フィルタ6と、測定雰囲気を真空に保つ
真空チャンバ7と、真空チャンバ7に接続された真空ポ
ンプ8と、シリコンホトダイオード2に接続され、その
出力信号を読み取るデジタルマルチメータ5とから構成
される。このとき、重水素ランプ1とシリコンホトダイ
オード2との距離は測定1のL1と等しくする。なお、
真空紫外域での放射量を測定するため、重水素ランプ1
の出射窓(図示せず)、フッ化マグネシウムレンズ3、
干渉フィルタ6、およびシリコンホトダイオード2は真
空チャンバ7内に設置する。ここで、重水素ランプ1と
干渉フィルタ6が請求項の光源2を、フッ化マグネシウ
ムレンズ3が光学系を、シリコンホトダイオード2とデ
ジタルマルチメータ5が放射検出器にそれぞれ対応す
る。なお、光学系にフッ化マグネシウムレンズ3を用い
ているので、254nmと147nmで透過特性に波長
選択性はない。
【0019】このように構成された測定系2の動作を以
下に示す。まず、真空ポンプ8を動作させ、真空チャン
バ7内を10ー3〜10ー4Torr程度の真空に保つ。次
に、重水素ランプ1を点灯し、重水素ランプ1が安定点
灯するのを待って、測定1と同様の方法で147nmに
対するシリコンホトダイオード2の入射量Ein(147)を
測定する。このとき、測定1と異なるのは147nmの
光のみを照射するように、干渉フィルタ6を147nm
を透過させるものに変更している点と、147nm紫外
光の大気中での吸収減衰を防止するために、測定光学系
を真空チャンバ7内に設置している点である。
【0020】次に、図4に示す測定3の構成で、波長2
54nmに対する、測定しようとする蛍光体の蛍光体面
での反射率を測定する。図4において、測定3は、重水
素ランプ1と、光軸上に入射角0゜で設置した蛍光体9
と、重水素ランプ1からの波長254nmの放射を光軸
上の測定しようとする蛍光体9に導くフッ化マグネシウ
ムレンズ3と、254nmのみを波長選択する干渉フィ
ルタ4と、反射角θ2=45゜の方向の光軸上に置いた
シリコンホトダイオード2と、シリコンホトダイオード
2に接続され、その出力信号を読み取るデジタルマルチ
メータ5とから構成される。このとき、重水素ランプ1
の照射光光軸上で、重水素ランプ1から蛍光体9までの
距離をL2とする。距離L2は図2および図3で重水素
ランプ1とシリコンホトダイオード2までの距離L1に
対し、同一であっても、異なってもかわまわない。
【0021】このように構成された測定3の動作を以下
に示す。重水素ランプ1から発せられた連続スペクトル
光は、干渉フィルタ4で254nmのみの照射光とな
り、フッ化マグネシウムレンズ3で集光された後、測定
しようとする蛍光体9に入射する。254nmの照射光
は測定しようとする蛍光体9の表面で大部分吸収され、
残りの拡散反射された照射光の一部は反射角45゜方向
に反射され、その光軸上に設置したシリコンホトダイオ
ード2に入射する。シリコンホトダイオード2への入射
量を反射量Eout(254)としてデジタルマルチメータ5で
測定する。
【0022】同様に、図5に示す測定4の構成で、波長
147nmに対する、測定しようとする蛍光体9の蛍光
体面での反射率を測定する。図5では、測定4は、重水
素ランプ1と、147nmのみの照射を決定する干渉フ
ィルタ6と、重水素ランプ1からの波長147nmの放
射を、光軸上の測定しようとする蛍光体9に導くフッ化
マグネシウムレンズ3と、測定雰囲気を真空に保つ真空
チャンバ7と、真空チャンバ7に接続された真空ポンプ
8と、反射角45゜の方向の光軸上に置いたシリコンホ
トダイオード2と、シリコンホトダイオード2に接続さ
れ、その出力信号を読み取るデジタルマルチメータ5と
から構成される。このとき、重水素ランプ1の照射光光
軸上で、重水素ランプ1から蛍光体9までの距離L2
が、図2および図3で重水素ランプ1とシリコンホトダ
イオード2までの距離L1に対し、同一であっても、異
なっても問題はない。
【0023】このように構成された測定4の動作を以下
に示す。まず、真空ポンプ8を動作させ、真空チャンバ
8内を10ー3〜10ー4Torr程度の真空に保つ。つぎ
に、重水素ランプ1を点灯し、安定するのを待って、測
定3と同様の方法で147nmに対する蛍光体9の反射
角45゜方向の反射量Eout(147)を測定する。
【0024】次に、図6に示す測定5の構成で波長25
4nmに対する、測定しようとする蛍光体9の発光スペ
クトルを測定する。図6では、測定5は、重水素ランプ
1と、254nmのみを波長選択する干渉フィルタ4
と、重水素ランプ1からの波長254nmの放射を、光
軸上の測定しようとする蛍光体9に導くフッ化マグネシ
ウムレンズ3と、蛍光体9の蛍光体面の法線から45゜
方向の光軸上に設置した光ファイバ10と、光ファイバ
10に接続されたマルチチャンネル分光装置11とから
構成される。このとき、重水素ランプ1からの照射光軸
上で重水素ランプ1から蛍光体9までの距離L3が、図
4および図5で重水素ランプ1と蛍光体9までの距離L
2と等しく(L3=L2)なるように蛍光体9を配置す
る。
【0025】このように構成された測定5の動作を以下
に示す。重水素ランプ1から発せられた連続スペクトル
光は、干渉フィルタ4で254nmのみの照射光となっ
てフッ化マグネシウムレンズ3で集光された後、測定し
ようとする蛍光体9に入射する。254nmの照射光
(励起光)は測定しようとする蛍光体9に大部分吸収さ
れる。吸収された励起光により蛍光体9は特有の蛍光発
光スペクトル分布P(λ)(254)を持った拡散発光を示
す。蛍光体9からの蛍光発光は光ファイバ10に入射
し、光ファイバ10に接続されたマルチチャンネル分光
装置11で蛍光体9の発光スペクトル分布P(λ)(254)
を測定する。
【0026】同様に図7に示す構成の測定6で、波長1
47nmに対する、測定しようとする蛍光体9の発光ス
ペクトルを測定する。図7では、測定6は、重水素ラン
プ1と、147nmのみを波長選択する干渉フィルタ6
と、重水素ランプ1からの波長147nmの放射を、光
軸上の測定しようとする蛍光体9に導くフッ化マグネシ
ウムレンズ3と、測定雰囲気を真空に保つ真空チャンバ
7と、真空チャンバ7に接続された真空ポンプ8と、蛍
光体9の蛍光体面の法線から反射角45゜方向の光軸上
に設置した光ファイバ10と、光ファイバ10に接続さ
れたマルチチャンネル分光装置11とから構成される。
このとき、重水素ランプ1からの照射光軸上で重水素ラ
ンプ1から蛍光体9までの距離L3が、図4および図5
で重水素ランプ1と蛍光体9までの距離L2と等しく
(L3=L2)なるように蛍光体9を配置する。
【0027】このように構成された測定6の動作を以下
に示す。重水素ランプ1から発せられた連続スペクトル
光は干渉フィルタ6で147nmのみの照射光となって
フッ化マグネシウムレンズ3で集光された後、測定しよ
うとする蛍光体9に入射する。147nmの照射光(励
起光)は、測定しようとする蛍光体9に大部分吸収され
る。吸収された励起光により、蛍光体9は特有の蛍光発
光スペクトル分布P(λ)(147)を持つ拡散発光を示す。
蛍光体9からの蛍光発光は光ファイバ10に入射し、光
ファイバ10に接続されたマルチチャンネル分光装置1
1で測定する。
【0028】以上、測定1から測定6の波長254nm
における蛍光体9の入射量Ein(254)、蛍光体9の反射
量Eout(254)、蛍光体9の発光スペクトルP(λ)(254)
と、波長147nmにおける蛍光体9の入射量Ein(14
7)、蛍光体9の反射量Eout(147)蛍光体9の発光スペク
トルP(λ)(147)が求まる。
【0029】なお、本発明において光源に重水素ランプ
を使用したが、キセノンランプなどの紫外放射光源を使
用しても構わない。
【0030】また、本発明において、波長λ1に254
nm、波長λ2に147nmを例として挙げたが、特定
波長の吸収率と量子効率が既知であれば他の任意の波長
でも構わない。
【0031】更に、放射検出器にシリコンホトダイオー
ドを使用したが、熱形放射検出器を使用しても構わな
い。
【0032】なお、本発明において、入射角θ1を0
゜、反射角θ2を45゜としたが、入射角が45゜な
ど、任意の角度に設定しても構わない。
【0033】なお、本発明において、フッ化マグネシウ
ムレンズを光学系に用いたが、測定しようとする波長に
対し、波長選択性を持たない光学素子、例えばサファイ
アレンズなどを光学系に用いてもよい。
【0034】また、本発明において、254nmの測定
時に、測定雰囲気を大気中で行なったが、真空中もしく
は窒素中でもさしつかえない。
【0035】(II)次に、これらの測定値を用いて、
147nmにおける量子効率ε147を求める過程につい
て説明する。
【0036】まず、測定1で測定した254nmに対す
る、測定しようとする蛍光体面の入射量Ein(254)は、
測定1での入射光学系の測定値と真値との差を補正する
補正係数をK1とし、重水素ランプ1からの254nm
の照射量(干渉フィルタ5で254nmのみを透過)を
254とすると
【0037】
【数3】Ein(254)=K1・P254 となる。
【0038】次に、測定3の入射光学系の補正係数をK
2、反射光学系の補正係数をK3とすると、蛍光体面へ
の入射量Xは
【0039】
【数4】X=K2・P254 となり、測定3で測定した、254nmに対する蛍光体
9の反射量Eout(254)は、反射量をYとすると
【0040】
【数5】Eout(254)=K3・Y と表わせる。
【0041】ここで、254nmに対する蛍光体の反射
率をβ、吸収率をρとすると(数4)、(数5)式より
【0042】
【数6】
【0043】となる。(数3)、(数6)式からP254
を消去して
【0044】
【数7】
【0045】となり、
【0046】
【数8】
【0047】と表わせる。
【0048】(数8)式ではρは蛍光体の254nmに
対する吸収率であり、あらかじめわかっている量であ
り、Ein(254)、Eout(254)とも、測定1、測定3での
測定値であるので、(数8)式より放射量測定系の補正
係数K1と反射量測定系の補正係数K2、K3の合成値
(K1/(K2・K3))が求まる。
【0049】さらに、254nmにおける蛍光体の量子
効率ε254は測定5で求めた分光スペクトル分布P(λ)
(254)を用い、マルチチャンネル分光装置の入射光学系
の補正係数K4とすると、
【0050】
【数9】
【0051】で表わせる。(数9)式から、
【0052】
【数10】
【0053】となり、マルチチャンネル分光装置の入射
光学系の補正係数K4が求まる。
【0054】次に、測定2で測定した147nmに対す
る蛍光体面の入射量Ein(147)は測定光学系に波長選択
性がないので、重水素ランプの147nmの照射量をP
147とすると、
【0055】
【数11】Ein(147)=K1・P147 となる。さらに測定4で測定した147nmに対する蛍
光体面の反射量Eout(147)とすると、測定4でも測定光
学系に波長選択性をもたないものを用いているので、蛍
光体の147nmに対する反射率γは254nmの場合
と同様に、
【0056】
【数12】
【0057】と表わせる。ここで、(数12)式に(数
8)式を代入して
【0058】
【数13】
【0059】となり、蛍光体の147nmに対する反射
率γが求まる。
【0060】さらに、147nmにおける蛍光体の量子
効率ε147は、測定6で測定した分光スペクトル分布P
(λ)(254)を用い、マルチチャンネル分光装置の入射光
学系の補正係数K4が波長選択性を持たないとすると、
【0061】
【数14】
【0062】となり、(数14)式に(数10)式およ
び(数13)式を代入して、
【0063】
【数15】
【0064】となる。
【0065】(数15)式で、254nmに対する蛍光
体の量子効率ε254と蛍光体の254nmに対する吸収
率ρは既知であり、また、254nmに対する蛍光体へ
の入射量Ein(254)と蛍光体からの反射量Eout(254)、
分光スペクトルP(λ)(254)および147nmに対する
蛍光体への入射量Ein(147)と反射量Eout(147)、分光
スペクトルP(λ)(147)は、測定1から測定6の測定で
求まる。したがって、式(数15)を用いれば、147
nmに対する蛍光体の量子効率ε147を求めることがで
きる。
【0066】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、積分球と分光反射率標準を用いないで、簡素
な構成で光源からの放射の絶対量の測定をせずに、波長
λ1で量子効率が既知の蛍光体の波長λ2での量子効率の
測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の測定過程を示す測定流
れ図である。
【図2】本発明の一実施の形態の測定1を示す図であ
る。
【図3】本発明の一実施の形態の測定2を示す図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態の測定3を示す図であ
る。
【図5】本発明の一実施の形態の測定4を示す図であ
る。
【図6】本発明の一実施の形態の測定5を示す図であ
る。
【図7】本発明の一実施の形態の測定6を示す図であ
る。
【図8】従来の量子効率測定方法を示す図である。
【符号の説明】
1 重水素ランプ 2 シリコンホトダイオード 3 フッ化マグネシウムレンズ 4 干渉フィルタ(254nm) 5 デジタルマルチメータ 6 干渉フィルタ(147nm) 7 真空チャンバ 8 真空ポンプ 9 蛍光体 10 光ファイバ 11 マルチチャンネル分光装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松岡 富造 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】特定波長λ1での放射に対する吸収率と量
    子効率が既知の、測定しようとする蛍光体と、波長λ1
    の放射束を発生する光源(1)と、波長λ2の放射束を
    発生する光源(2)と、前記波長λ1とλ2の放射束を前
    記蛍光体に導き波長λ1とλ2に対し、波長選択性を持た
    ない光学系と、前記波長λ1とλ2の放射量と反射量を測
    定する放射検出器と、前記蛍光体の発光スペクトルを測
    定する分光測定器とを備え、前記蛍光体の波長λ2の放
    射束と波長λ1の放射束の蛍光体面での入射量を前記放
    射検出器で測定し、前記蛍光体の波長λ2での放射束と
    波長λ1での放射束の光源(1)あるいは光源(2)の
    光軸と、前記放射検出器の入射面の法線あるいは蛍光体
    面の法線とのなす入射角θ1と反射角θ2の反射量を前
    記放射検出器で測定し、波長λ1とλ2の前記蛍光体への
    入射量と、反射角θ2方向への反射量と、波長λ1にお
    ける吸収率とから、前記蛍光体の波長λ2に対する放射
    束の吸収率を求め、波長λ1とλ2の入射量と吸収率から
    吸収量を求め、波長λ1とλ2の発光スペクトルから発光
    量を求め、吸収量の光量子と発光量の光量子を除算し、
    さらに波長λ1の量子効率と比較して、波長λ2の蛍光体
    の量子効率を求めることを特徴とする蛍光体量子効率測
    定装置。
  2. 【請求項2】波長λ1とλ2が紫外域の波長であり、測定
    雰囲気が窒素または真空である請求項1記載の蛍光体量
    子効率測定装置。
  3. 【請求項3】波長λ1が254nmの紫外光であり、波
    長λ2が波長200nm以下の真空紫外域であり、波長
    λ2の測定雰囲気が窒素または真空である請求項1記載
    の蛍光体量子効率測定装置。
  4. 【請求項4】入射角θ1が0゜、反射角θ2が45゜で
    ある請求項1または2記載の蛍光体量子効率測定装置。
  5. 【請求項5】特定波長λ1での放射に対する吸収率と量
    子効率が既知の、測定しようとする蛍光体と、波長λ1
    の放射束を発生する光源(1)と、波長λ2の放射束を
    発生する光源(2)と、前記波長λ1とλ2の放射束を前
    記蛍光体に導き波長λ1とλ2に対し、波長選択性を持た
    ない光学系と、前記波長λ1とλ2の放射量と反射量を測
    定する放射検出器と、前記蛍光体の発光スペクトルを測
    定する分光測定器とを用いて蛍光体の量子効率を測定す
    る方法であって、前記蛍光体の波長λ2の放射束と波長
    λ1の放射束の蛍光体面での入射量を前記放射検出器で
    測定し、前記蛍光体の波長λ2での放射束と波長λ1での
    放射束の光源(1)あるいは光源(2)の光軸と、前記
    放射検出器の入射面の法線あるいは蛍光体面の法線との
    なす入射角θ1と反射角θ2の反射量を前記放射検出器
    で測定し、波長λ1とλ2の前記蛍光体への入射量と、反
    射角θ2方向への反射量と、波長λ1における吸収率と
    から、前記蛍光体の波長λ2に対する放射束の吸収率を
    求め、波長λ1とλ2の入射量と吸収率から吸収量を求
    め、波長λ1とλ2の発光スペクトルから発光量を求め、
    吸収量の光量子と発光量の光量子を除算し、さらに波長
    λ1の量子効率と比較して、波長λ2の蛍光体の量子効率
    を求めることを特徴とする蛍光体量子効率測定方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6632401B1 (en) 1998-04-14 2003-10-14 Bodenseewerk Perkin-Elmer Gmbh Device for the detection of a fluorescent dye
KR100420144B1 (ko) * 1998-06-30 2004-04-17 삼성에스디아이 주식회사 형광물질 광특성 측정장치
JP2007147305A (ja) * 2005-11-24 2007-06-14 Toshiba Corp 分析装置
JP2009031176A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Hitachi High-Technologies Corp 分光蛍光光度計
US8119996B2 (en) 2009-01-20 2012-02-21 Otsuka Electronics Co., Ltd. Quantum efficiency measurement apparatus and quantum efficiency measurement method
US8415639B2 (en) 2010-03-18 2013-04-09 Otsuka Electronics Co., Ltd. Quantum efficiency measurement method, quantum efficiency measurement apparatus, and integrator

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