JPH10119213A - 農業用フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

農業用フィルムおよびその製造方法

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JPH10119213A
JPH10119213A JP9229438A JP22943897A JPH10119213A JP H10119213 A JPH10119213 A JP H10119213A JP 9229438 A JP9229438 A JP 9229438A JP 22943897 A JP22943897 A JP 22943897A JP H10119213 A JPH10119213 A JP H10119213A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】エチレンと炭素原子数 4〜12のα-オレフィンとを共
重合して得られ、密度が0.885〜0.940g/cm3であり、MFR
が0.1〜10g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)また
は該共重合体(A)と40重量%以下の量の高圧法低密度ホ゜リ
エチレン(B)との混合物からなる樹脂(C)で形成された層を有
するフィルムであり、該フィルムの全体の厚みが60〜160μmであ
り、ヘイス゛(ASTM D 1003)が10%未満であり、ク゛ロス(ASTM D
523)が90%以上であることを特徴とする農業用フィルムお
よびその製造方法。 【効果】本発明によれば、従来のホ゜リオレフィン系樹脂製フィルム
からなる農業用フィルムと比べ、特に展張初期の光学特性お
よび展張作業性に優れた農業用フィルムが得られる。すなわ
ち、透明性および表面光沢性に優れるとともに柔軟性に
優れた農業用フィルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、農業用フィルムおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】農業上の促成栽培を目的としたハ
ウス栽培、トンネル栽培およびマルチ栽培などでは、一
般に被覆材として各種熱可塑性樹脂からなる農業用フィ
ルムが多量に使用されている。このような農業用フィル
ムの内、特にハウス用のフィルムとしては、従来ポリ塩
化ビニル(PVC)製フィルムが主に使用されて来た。
【0003】しかしながら、PVC製フィルムは、重く
て作業性が悪く、しかも低温時の強度が不足しており、
また、使用中に可塑剤がブリードアウトしてくるため、
埃が付着して時間とともに光線透過率が低下する。ま
た、PVC製フィルムは、焼却時にハロゲン系ガスを発
生させる。PVC製フィルムは、上記のような問題を抱
えていることから、近年は、PVC製フィルムに代わっ
てポリオレフィン系樹脂製のフィルムの使用が増えつつ
ある。
【0004】しかしながら、従来使用されているポリオ
レフィン系樹脂製フィルムは、PVC製フィルムの上記
問題に関しては、PVC製フィルムよりも優れているも
のの、展張初期の光学特性が、PVC製フィルム、特に
ハウス外側相当面にアクリル樹脂塗布などの方法で防塵
加工したPVC製フィルムに比べ劣っている。また、ポ
リオレフィン系樹脂製フィルムは、PVC製フィルムに
比べ、しなやかさに欠けているため、PVC製フィルム
に慣れた使用者にとっては、ゴワゴワした感触を持ち、
ハウスへの展張、固定がしにくいとの指摘もなされてい
る。
【0005】したがって、本願発明者らは、鋭意研究
し、特定の密度とメルトフローレートを有するエチレン
・α- オレフィン共重合体またはこの共重合体と40重
量%以下の高圧法低密度ポリエチレンとの混合物からな
る樹脂を用いてフィルム成形することにより、従来より
使用されているポリオレフィン系樹脂製フィルムの性能
が改良されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、従来のポリオレ
フィン系樹脂製フィルムからなる農業用フィルムと比
べ、特に展張初期の光学特性および展張作業性に優れた
農業用フィルムおよびその製造方法を提供することを目
的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る農業用フィルムは、エチレ
ンと炭素原子数4〜12のα- オレフィンとを共重合し
て得られ、密度が0.885〜0.940g/cm3
あり、メルトフローレートが0.1〜10g/10分で
あるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)からなる
樹脂(C)、または該エチレン・α- オレフィン共重合
体(A)と40重量%以下の量の高圧法低密度ポリエチ
レン(B)との混合物からなる樹脂(C)で形成された
層を有するフィルムであり、該フィルムは、(i) 厚みが
60〜200μmであり、(ii)ヘイズ(ASTM D 1
003)が10%未満であり、(iii) グロス(ASTM
D 523)が90%以上であることを特徴としてい
る。
【0008】本発明に係る農業用フィルムは、上記のよ
うな層を有する単層フィルムまたは2層以上の多層フィ
ルムである。前記樹脂(C)を構成するエチレン・α-
オレフィン共重合体(A)、またはエチレン・α- オレ
フィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン
(B)との混合物は、(i)GPCにおいて測定した分
子量分布(Mw/Mn:Mw=重量平均分子量、Mn=
数平均分子量)が1.5〜5.0の範囲にあり、(ii)
23℃におけるn-デカン可溶成分量分率(W(重量
%))と密度(d(g/cm3 ))とが、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
1 で示される関係を満たし、(iii) GPC−IRによる
高分子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐
数の平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 であることが好ましい。
【0009】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、メタロセン系触媒を用いて調製されたエチレ
ンと炭素原子数4〜12のα- オレフィンとの共重合体
であることが好ましい。
【0010】本発明に係る農業用フィルムは、水冷式イ
ンフレーション法で成形されることが望ましい。前記樹
脂(C)中に、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)またはエチレン・α- オレフィン共重合体(A)
と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物100重
量部に対して、アンチブロッキング剤(D)および/ま
たはスリップ剤(E)をそれぞれ0.01〜3.0重量
部含有させることが好ましい。
【0011】また、前記樹脂(C)中に、エチレン・α
- オレフィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレ
フィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン
(B)との混合物100重量部に対して、防曇剤(F)
を0.01〜5.0重量部含有させることが好ましい。
防曇剤(F)は、グリセリンアルキルエステル、ジグリ
セリンアルキルエステル、ジエタノールアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、およびこ
れらの混合物からなる群から選ばれることが好ましい。
【0012】本発明に係る農業用フィルムのうち、好ま
しい多層フィルムは、外層と内層とからなる2層、また
は外層と1層以上の中間層と内層とからなる3層以上の
多層フィルムであり、該外層および内層の少なくとも一
方は、エチレンと炭素原子数4〜12のα- オレフィン
とを共重合して得られ、密度が0.885〜0.940
g/cm3 であり、メルトフローレートが0.1〜10
g/10分であるエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)からなる樹脂(C)、または該エチレン・α- オ
レフィン共重合体(A)と40重量%以下の量の高圧法
低密度ポリエチレン(B)との混合物からなる樹脂
(C)で形成され、該多層フィルムは、(i) フィルム全
体の厚みが60〜200μmであり、(ii)ヘイズ(AS
TM D 1003)が10%未満であり、(iii) グロス
(ASTM D 523)が90%以上であることを特徴
としている。
【0013】前記外層または内層を形成する樹脂(C)
を構成するエチレン・α- オレフィン共重合体(A)、
またはエチレン・α- オレフィン共重合体(A)と高圧
法低密度ポリエチレン(B)との混合物は、(i)GP
Cにおいて測定した分子量分布(Mw/Mn:Mw=重
量平均分子量、Mn=数平均分子量)が1.5〜5.0
の範囲にあり、(ii)23℃におけるn-デカン可溶成分
量分率(W(重量%))と密度(d(g/cm3 ))と
が、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
1 で示される関係を満たし、(iii) GPC−IRによる
高分子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐
数の平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 であることが好ましい。
【0014】また、前記外層または内層の形成に用いら
れるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、メタ
ロセン系触媒を用いて調製されたエチレンと炭素原子数
4〜12のα- オレフィンとの共重合体であることが好
ましい。
【0015】前記多層フィルムからなる農業用フィルム
は、水冷式インフレーション法によりフィルム成形され
ることが望ましい。前記外層または内層を形成する樹脂
(C)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)ま
たはエチレン・α- オレフィン共重合体(A)と高圧法
低密度ポリエチレン(B)との混合物100重量部に対
して、アンチブロッキング剤(D)および/またはスリ
ップ剤をそれぞれ0.01〜3.0重量部含有している
ことが好ましい。
【0016】また、前記外層または内層を形成する樹脂
(C)は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)ま
たはエチレン・α- オレフィン共重合体(A)と高圧法
低密度ポリエチレン(B)との混合物100重量部に対
して、防曇剤(F)を0.01〜5.0重量部含有して
いることが好ましい。
【0017】前記多層フィルムを構成する中間層は、エ
チレン・α- オレフィン共重合体(A)、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、高圧法低密度ポリエチレン(B)、
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、およびアイオ
ノマー樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂で形
成されていることが好ましい。
【0018】本発明に係る農業用フィルムの製造方法
は、前記樹脂(C)で形成された層を有する単層または
多層構造の農業用フィルムを、バブルの膨比0.5〜
2.0、チューブラーフィルムの冷却水温度10〜60
℃およびバブルのドラフト率5〜100の条件で、水冷
インフレーション成形して得ることを特徴としている。
この製造方法において、特に、前記樹脂(C)で形成さ
れた層を有するフィルムを、サーキュラーダイからイン
フレーション成形法で下向きに押出し、次いで無機系防
曇剤組成物を添加した水槽に通して冷却しつつ引き取
り、その後フィルム表面を乾燥する方法を採用すること
が好ましい。
【0019】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る農業用フィル
ムおよびその製造方法について具体的に説明する。
【0020】本発明に係る農業用フィルムは、エチレン
・α- オレフィン共重合体(A)からなる樹脂(C)ま
たはエチレン・α- オレフィン共重合体(A)と高圧法
低密度ポリエチレン(B)との混合物からなる樹脂
(C)で形成された層を有する。この樹脂(C)中に、
アンチブロッキング剤(D)、スリップ剤(E)、防曇
剤(F)などの添加剤を配合することができる。本発明
に係る農業用フィルムは、このような層からなる単層フ
ィルムであってもよいし、また、このような層を有する
2層以上の多層フィルムであってもよい。さらに、本発
明に係る農業用フィルムは、上記樹脂(C)で形成され
た層を有する少なくとも一方の外表面に無機系防曇剤組
成物の被膜が設けられていてもよい。
【0021】エチレン・α- オレフィン共重合体(A) 本発明で用いられる樹脂(C)を構成するエチレン・α
- オレフィン共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数
4〜12のα- オレフィンとからなる共重合体である。
【0022】エチレンとの共重合に用いられる炭素原子
数4〜12のα- オレフィンとしては、具体的には、1-
ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテ
ン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどが挙げられ
る。これらの中では、炭素原子数4〜10のα- オレフ
ィン、特に炭素原子数4〜6のα- オレフィンが好まし
い。
【0023】本発明においては、上記のようなエチレン
・α- オレフィン共重合体(A)を単独で、または2種
以上組合わせて用いることができる。本発明で用いられ
るエチレン・α- オレフィン共重合体(A)は、エチレ
ンから導かれる構成単位が50重量%以上100重量%
未満、好ましくは55〜99重量%、さらに好ましくは
65〜98重量%、特に好ましくは70〜96重量%の
量で存在し、炭素原子数4〜12のα- オレフィンから
導かれる構成単位が50重量%以下、好ましくは1〜4
5重量%、さらに好ましくは2〜35重量%、特に好ま
しくは4〜30重量%の量で存在することが望ましい。
【0024】エチレン・α- オレフィン共重合体の組成
は、通常10mmφの試料管中で約200mgの共重合
体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させ
た試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120
℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅150
0Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μse
c.の条件下で測定して決定される。
【0025】また、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、密度が0.885〜0.940g/cm3
好ましくは0.890〜0.935g/cm3 、さらに
好ましくは0.895〜0.930g/cm3 の範囲に
ある。
【0026】なお、密度は、190℃における2.16
kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時に得
られるストランドを120℃で1時間熱処理し、1時間
かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定する。
【0027】また、このエチレン・α- オレフィン共重
合体(A)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 123
8-65T,190℃、荷重2.16kg)は、0.1〜10g/10
分、好ましくは0.1〜5g/10分、さらに好ましく
は0.5〜2g/10分の範囲にある。
【0028】このエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)のGPCにおいて測定した分子量分布(Mw/M
n:Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量)は、
1.5〜5.0、好ましくは1.8〜3.5、より好ま
しくは2.0〜3.0の範囲にある。
【0029】なお、分子量分布(Mw/Mn)は、ミリ
ポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測
定した。分離カラムは、TSK GNH HTであり、
カラムサイズは直径72mm、長さ600mmであり、
カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベン
ゼン[和光純薬工業(株)製]および酸化防止剤として
BHT[武田薬品工業(株)製]0.025重量%を用
い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量
%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検
出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、
分子量がMw<1000およびMw>4×106 につい
ては東ソー(株)製を用い、1000<Mw<4×10
6 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
【0030】また、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、23℃におけるn-デカン可溶成分量分率(W
(重量%))と密度(d(g/cm3 ))とが下記に示
される関係を満たしている。
【0031】 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
1 なお、エチレン・α- オレフィン共重合体のn-デカン可
溶成分量(可溶成分量の少ないもの程組成分布が狭い)
の測定は、エチレン・α- オレフィン共重合体約3gを
n-デカン450mlに加え、145℃で溶解した後23
℃まで冷却し、濾過によりn-デカン不溶部を除き、濾液
よりn-デカン可溶部を回収することにより行なわれる。
【0032】さらに、エチレン・α- オレフィン共重合
体(A)は、示差走査型熱量計(DSC)により測定し
た吸熱曲線の最大ピーク位置の温度〔Tm(℃)〕と密
度〔d(g/cm3 )〕とが、 で示される関係を満たしていることが望ましい。
【0033】なお、示差走査型熱量計(DSC)により
測定した吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm)は、
試料約5mgをアルミパンに詰め10℃/分で200℃
まで昇温し、200℃で5分間保持したのち20℃/分
で室温まで降温し、次いで、10℃/分で昇温する際の
吸熱曲線より求められる。測定は、パーキンエルマー社
製DSC-7 型装置を用いる。
【0034】このように、n-デカン可溶成分量分率
(W)と密度(d)との関係、そして示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線における最大ピーク
位置の温度(Tm)と密度(d)との関係が上記のよう
な関係を有するようなエチレン・α- オレフィン共重合
体は組成分布が狭いことを示している。
【0035】また、本発明で用いられるエチレン・α-
オレフィン共重合体(A)は、GPC−IRによる高分
子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐数の
平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 である。
【0036】ここに、GPC−IRによる高分子量側の
分岐数の平均値(B1 )とは、GPCによって分子量分
別された高分子溶出量の累積重量分率が15〜85%
(すなわち低分子量領域15%、高分子量領域15%を
除く高分子溶出成分)の範囲で各フラクション毎に測定
された分岐数の測定値群を、GPC溶出曲線のピーク位
置の分子量で2分割したもののうち、高分子量側の値の
平均値である。一方、低分子量側の分岐数の平均値(B
2 )とは、2分割したもののうち、低分子量側の平均値
である。
【0037】上記B1 およびB2 の測定条件は、次の通
りである。 測定装置:パーキン・エルマー 1760X カラム:東ソー(株)製TSKゲル GMH-HT(7.5mmI.
D.×600mm)×1 溶離剤(eluent):MP−Jを0.05%含有のo-ジク
ロロベンゼン(ODCB)[和光純薬工業(株)製、ex
tra pure grade] カラム温度:140℃ サンプル濃度:0.1%(weight/volume) 射出容量(inj.volume):100マイクロリットル 検出器:MCT 分解能:8cm-1 このB1 とB2 が上記のような関係にあるエチレン・α
- オレフィン共重合体(A)は、組成分布が狭く、しか
もローポリマーが少ないので、ベトツキが少ない。した
がって、上記のようなエチレン・α- オレフィン共重合
体(A)を用いると、防塵性に優れた農業用フィルムを
得ることができる。
【0038】また、このエチレン・α- オレフィン共重
合体(A)からなるフィルムは、光線透過率の経時的低
下が非常に小さいため、このようなフィルムを農業用フ
ィルムとして展張すると、長期に亘って使用することが
可能である。
【0039】上記のようなエチレン・α- オレフィン共
重合体(A)は、特開平6−9724号公報、特開平6
−136195号公報、特開平6−136196号公
報、特開平6−207057号公報等に記載されている
メタロセン触媒成分を含む、いわゆるメタロセン系オレ
フィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数4
〜12のα- オレフィンとを、得られる共重合体の密度
が0.885〜0.940g/cm3 となるように共重
合させることによって製造することができる。
【0040】このようなメタロセン系触媒は、通常、シ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1
個有する周期律表第IVB族の遷移金属化合物からなるメ
タロセン触媒成分(a)、有機アルミニウムオキシ化合
物触媒成分(b)、微粒子状担体(c)、および必要に
応じて有機アルミニウム化合物触媒成分(d)、イオン
化イオン性化合物触媒成分(e)から形成される。
【0041】本発明で好ましく用いられるメタロセン触
媒成分(a)としては、シクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を少なくとも1個有する周期律表第IVB族の
遷移金属化合物がある。このような遷移金属化合物とし
ては、たとえば下記の一般式[I]で示される遷移金属
化合物が挙げられる。
【0042】ML1 x ・・・ [I] 式中、xは、遷移金属原子Mの原子価である。Mは、周
期律表第IVB族から選ばれる遷移金属原子であり、具体
的には、ジルコニウム、チタン、ハフニウムである。中
でも、ジルコニウムが好ましい。
【0043】L1 は、遷移金属原子Mに配位する配位子
であり、これらのうち、少なくとも1個の配位子L1
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。
上記のような遷移金属原子Mに配位するシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子L1 としては、具体的には、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル
基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシク
ロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチルエ
チルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジ
エニル基等のアルキル置換シクロペンタジエニル基、あ
るいはインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル
基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの基は、
ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されて
いてもよい。
【0044】上記一般式[I]で表わされる化合物がシ
クロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合
には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有す
る基同士は、エチレン、プロピレン等のアルキレン基、
イソプロピリデンジフェニルメチレン等の置換アルキレ
ン基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニ
ルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリ
レン基などを介して結合されていてもよい。
【0045】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子L1 は、炭素原子数1〜12の炭化水素
基;メトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のア
リーロキシ基;トリメチルシリル基、トリフェニルシリ
ル基等のトリアルキルシリル基;SO3R (Rはハロゲ
ンなどの置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の
炭化水素基)、ハロゲン原子または水素原子である。
【0046】炭素原子数1〜12の炭化水素基として
は、メチル基等のアルキル基、シクロペンチル基等のシ
クロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル
基等のアラルキル基などが挙げられる。SO3R で表わ
される配位子としては、具体的には、P-トルエンスルホ
ナト基、メタンスルホナト基、トリフルオロメタンスル
ホナト基などが挙げられる。
【0047】有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)としては、アルミノオキサンが好ましく用いられ
る。具体的には、式 −Al(R)O− [ただし、Rはアルキル基である] で表わされる繰り返し単位が通常3〜50程度のメチル
アルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、メチルエ
チルアルミノオキサン等が用いられる。このようなアル
ミノオキサンは、従来公知の製法で調製することができ
る。
【0048】オレフィン重合用触媒の調製で用いられる
微粒子状担体(c)は、無機あるいは有機の化合物であ
って、粒径が通常10〜300μm程度であり、好まし
くは20〜200μmの顆粒状ないし微粒子状の固体で
ある。
【0049】無機担体としては多孔質酸化物が好まし
く、具体的には、SiO2、Al23、MgO、Zr
2、TiO2 、B23、CaO、ZnO、BaO、S
nO2等またはこれらの混合物を例示することができ
る。なお、上記無機酸化物には、少量のNa2CO3等の
炭酸塩、Al2(SO43 等の硫酸塩、KNO3 等の硝
酸塩、Li2O等の酸化物を含有していても差し支えな
い。
【0050】このような担体は、その種類および製法に
より性状は異なるが、本発明で好ましく用いられる担体
は、比表面積が50〜1000m2/g 、好ましくは1
00〜700m2/g であり、細孔容積が0.3〜2.
5cm3/g であることが望ましい。この担体は、必要
に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜70
0℃で焼成して用いられる。
【0051】また、微粒子状担体として用いられる有機
化合物としては、エチレン、4-メチル-1- ペンテン等の
炭素原子数2〜14のα- オレフィンを主成分として生
成される(共)重合体、あるいはビニルシクロヘキサ
ン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体を
例示することができる。
【0052】オレフィン重合用触媒の調製において必要
に応じて用いられる有機アルミニウム化合物触媒成分
(d)としては、具体的には、トリメチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム、イソプレニルアルミニ
ウム等のアルケニルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチ
ルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド等の
アルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウ
ムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライド
などを例示することができる。
【0053】イオン化イオン性化合物触媒成分(e)と
しては、たとえばUSP−5,321,106号公報に
記載されたトリフェニルボロン、MgCl2、Al
23、SiO2−Al23 等のルイス酸;トリフェニル
カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート等のイオン性化合物;ドデカボラン、ビスn-ブチ
ルアンモニウム(1-カルベドデカ)ボレート等のカルボ
ラン化合物が挙げられる。
【0054】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン共重合体(A)は、上記のようなメタロセン触媒成
分(a)、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分
(b)、微粒子状担体(c)、および必要に応じて有機
アルミニウム化合物触媒成分(d)、イオン化イオン性
化合物触媒成分(e)を含むオレフィン重合用触媒の存
在下に、気相、またはスラリー状あるいは溶液状の液相
で種々の条件で、エチレンと炭素原子数4〜12のα-
オレフィンとを共重合させることにより得ることができ
る。スラリー重合法または溶液重合法においては、不活
性炭化水素を溶媒としてもよいし、オレフィン自体を溶
媒とすることもできる。
【0055】重合を実施する際には、上記のようなメタ
ロセン系オレフィン重合用触媒は、重合反応系内の遷移
金属原子の濃度で、通常10-8〜10-3グラム原子/リ
ットル、好ましくは10-7〜10-4グラム原子/リット
ルの量で用いられることが望ましい。
【0056】また、重合に際して、担体に担持されてい
る有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および
有機アルミニウム化合物触媒成分(c)に加えて、さら
に担持されていない有機アルミニウムオキシ化合物触媒
成分(b)および/または有機アルミニウム化合物触媒
成分(c)を用いてもよい。この場合、担持されていな
い有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分(b)および
/または有機アルミニウム化合物触媒成分(c)に由来
するアルミニウム原子(Al)と、メタロセン触媒成分
(a)に由来する遷移金属原子(M)との原子比[Al
/M]は、5〜300、好ましくは10〜200、さら
に好ましくは15〜150の範囲である。
【0057】スラリー重合法における重合温度は、通常
−50〜100℃、好ましくは0〜90℃の範囲であ
り、溶液重合法における重合温度は、通常−50〜50
0℃、好ましくは0〜400℃の範囲である。また、気
相重合法における重合温度は、通常0〜120℃、好ま
しくは20〜100℃の範囲である。重合圧力は、通常
常圧ないし100kg/cm2 、好ましくは2〜50k
g/cm2 の加圧条件下である。
【0058】重合は、回分式、半連続式、連続式のいず
れの方式においても行なうことができる。本発明におい
ては、上記エチレン・α- オレフィン共重合体(A)の
調製に際し、必要に応じて(1) 多段重合、(2) 液相と気
相の多段重合、または(3) 液相での予備重合を行なった
後に気相での重合を行なう等の手段を採用することがで
きる。本発明においては、上記(1)の多段重合が好まし
い。
【0059】多段重合法としては、たとえば、次のよう
な多段重合法が挙げられる。 [1]上記一般式[I]で表わされるシクロペンタジエ
ニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IVB族の遷移
金属化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物からな
るメタロセン触媒成分と、有機アルミニウムオキシ化合
物触媒成分とを含むメタロセン系触媒の存在下に、エチ
レンと炭素原子数4〜12のα-オレフィンとを共重合
させ、エチレン・α- オレフィン共重合体(A−1)を
製造する工程と、[2]上記共重合反応が行なわれる重
合器とは異なる重合器において、上述した一般式[I]
で表わされるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IVB族の遷移金属化合物から選ばれる
少なくとも1種の化合物からなるメタロセン触媒成分
と、有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分とを含むメ
タロセン系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数4〜
12のα-オレフィンとを共重合させ、エチレン・α-
オレフィン共重合体(A−2)を製造する工程とを含む
オレフィンの多段重合法が挙げられる。ただし、工程
[1]における製造条件と工程[2]における製造条件
とは異なる。このような製造条件としては、たとえばメ
タロセン触媒成分の種類および量、有機アルミニウムオ
キシ化合物触媒成分の種類および量、あるいはエチレン
とα- オレフィンの供給量およびその割合(モル比)な
どが挙げられる。
【0060】上記共重合工程[1]および/または
[2]において用いられるメタロセン系触媒が、メタロ
セン触媒成分(a)および有機アルミニウムオキシ化合
物触媒成分(b)に加え、有機アルミニウム化合物触媒
成分(d)を含む触媒であってもよく、また、微粒子状
担体(c)にメタロセン触媒成分(a)および有機アル
ミニウム触媒成分(b)が担持された固体触媒であって
もよい。また、これらのメタロセン系触媒は、微粒子状
担体(c)にメタロセン触媒成分(a)および有機アル
ミニウム触媒成分(b)が担持された固体触媒成分にオ
レフィンが予備重合されてなる予備重合触媒であっても
よい。さらに、これらのメタロセン系触媒は、上記固体
触媒(固体触媒成分)と有機アルミニウム化合物触媒成
分(d)とからなる触媒、あるいは上記予備重合触媒
(予備重合触媒成分)と有機アルミニウム化合物触媒成
分(d)とからなる触媒であってもよい。
【0061】この多段重合法では、直列に結合した複数
の重合器を用いて、先ず上記のエチレン・α- オレフィ
ン共重合体(A−1)を製造し、次いで、エチレン・α
- オレフィン共重合体(A−1)の製造に用いた重合器
とは異なる重合器にエチレン・α- オレフィン共重合体
(A−1)を導入し、エチレン・α- オレフィン共重合
体(A−1)の存在下にエチレン・α- オレフィン共重
合体(A−2)を製造することができる。
【0062】また、複数の重合器を並列に結合し、各重
合器において、それぞれエチレン・α- オレフィン共重
合体(A−1)、(A−2)を製造し、次いで、両共重
合体をブレンドすることもできる。
【0063】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体(A)は、エチレン・α- オレフィン共重
合体(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合
計量100重量部に対して、60〜100重量部、好ま
しくは65〜99重量部、さらに好ましくは70〜95
重量部の割合で用いられる。
【0064】高圧法低密度ポリエチレン(B) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物を
構成する高圧法低密度ポリエチレン(B)は、メルトフ
ローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、荷重2.16k
g)が0.1〜100g/10分、密度が0.915〜
0.935g/cm3 、スウェル比が60%以下である
ことが好ましい。
【0065】なお、高圧法低密度ポリエチレン(B)の
密度は、上述したエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)の密度の測定方法と同じ方法で求められる。
【0066】また、スウェル比は、以下のようにして求
める。メルトフローレート測定時に得られるストランド
の先端から5mmの位置の直径をサンプルの径(mm)と
してマイクロメーターで測定する。そして、下式により
スウェル比を算出する。 スウェル比(%)=[(L1/L0)−1]×100 L1 :サンプルの径(mm) L0 :オリフィスの径(=2.0955mm)
【0067】上記のような高圧法低密度ポリエチレン
(B)は、従来公知の高圧法で製造することができる。
【0068】本発明においては、高圧法低密度ポリエチ
レン(B)は、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)および高圧法低密度ポリエチレン(B)の合計量
100重量%に対して、0〜40重量%、好ましくは1
〜35重量%、さらに好ましくは5〜30重量%の割合
で用いられる。
【0069】アンチブロッキング剤(D) 本発明に係る農業用フィルムは、水冷インフレーション
法等により成形されるが、成形後のフィルムがブロッキ
ングして開口性が低下する場合には、上記樹脂(C)中
に、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)またはエ
チレン・α- オレフィン共重合体(A)と高圧法低密度
ポリエチレン(B)との混合物100重量部に対して、
アンチブロッキング剤(D)を0.01〜3.0重量
部、好ましくは0.1〜2.5重量部、特に好ましくは
0.5〜1.5重量部添加するとよい。
【0070】アンチブロッキング剤としては、具体的に
は、天然シリカ、合成シリカ、ゼオライト、非晶質ゼオ
ライト、ケイソウ土、タルクなどが挙げられる。中で
も、シリカ、ゼオライトなどが好ましく用いられる。
【0071】スリップ剤(E) 本発明で必要に応じて用いられるスリップ剤(E)とし
ては、具体的には、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミド、ステアリン酸リチウム、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、12-
ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。
中でも、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミドなどが好
ましく用いられる。スリップ剤(E)は、エチレン・α
- オレフィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレ
フィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン
(B)との混合物100重量部に対して、0.01〜
3.0重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部、特に
好ましくは0.3〜1.5重量部添加するとよい。
【0072】防曇剤(F) 本発明で必要に応じて用いられる防曇剤(F)として
は、有機系防曇剤および無機系防曇剤がある。有機系防
曇剤の種類として次の例を挙げることができる。ソルビ
タンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソ
ルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテー
ト、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジベヘネー
ト、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレー
ト等のソルビタン系界面活性剤;グリセリンモノラウレ
ート、グリセリンジラウレート、ジグリセリンモノパル
ミテート、ジグリセリンジパルミテート、グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンジステアレート、ジグリセ
リンモノステアレート、ジグリセリンジステアレート等
のグリセリン系界面活性剤;ポリエチレングリコールモ
ノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミネ
ート等のポリエチレングリコール系界面活性剤;トリメ
チロールプロパンモノステアレート等のトリメチロール
プロパン系界面活性剤;ペンタエリスリトールモノパル
ミテート等のペンタエリスリトール系界面活性剤;ポリ
オキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンジステアレート、ソルビタン- ジ
グリセリン縮合体のモノおよびジステアレート、および
アルカノールアルキルアミン系界面活性剤など。これら
は、単独で、または2種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0073】また、防曇剤(F)の好ましい例として、
下式(I)で表わされるグリセリンアルキルエステル、
下式(II)で表わされるジグリセリンアルキルエステ
ル、下式(III) で表わされるジエタノールアルキルア
ミン、およびポリオキシエチレンソルビタンエステルか
らなる防曇剤を挙げることができる。
【0074】
【化1】
【0075】R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立
に、水素原子、または炭素原子数12〜22のアシル基
である。R1 、R2 およびR3 のアシル基としては、具
体的には、C1123CO−、C 1327CO−、C1531
CO−、C1735CO−、C1939CO−などが挙げら
れる。中でも、C1531CO−、C1735CO−が好ま
しい。本発明で好ましく用いられるグリセリンアルキル
エステルとしては、具体的には、グリセリンパルミテー
ト(モノ、ジおよびトリエステルを含む)、グリセリン
ステアレート(モノ、ジおよびトリエステルを含む)な
どが挙げられる。
【0076】
【化2】
【0077】式(II)中、R4 、R5 、R6 およびR7
は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数12〜
22のアシル基である。R4 、R5 、R6 およびR7
アシル基としては、具体的には、C1123CO−、C13
27CO−、C1531CO−、C1735CO−、C19
39CO−などが挙げられる。中でも、C1531CO−、
1735CO−が好ましい。
【0078】本発明で好ましく用いられるジグリセリン
アルキルエステルとしては、具体的には、ジグリセリン
パルミテート(モノ、ジ、トリおよびテトラエステルを
含む)、ジグリセリンステアレート(モノ、ジ、トリお
よびテトラエステルを含む)などが挙げられる。
【0079】
【化3】
【0080】R8 は、炭素原子数12〜22のアルキル
基であり、具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テ
トラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプ
タデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシ
ル基、ラウリル基、ステアリル基などが挙げられる。中
でも、オクタデシル基、ラウリル基、ステアリル基が好
ましい。
【0081】本発明で好ましく用いられるジエタノール
アルキルアミンとしては、具体的には、ジエタノールス
テアリルアミン、ジエタノールラウリルアミンなどが挙
げられる。
【0082】本発明で好ましく用いられるポリオキシエ
チレンソルビタンエステルとしては、具体的には、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンジステアレート、ポリオキシエチ
レンモノパルミテート、ポリオキシエチレンジパルミテ
ートなどが挙げられる。
【0083】これらの好ましい防曇剤の例において、た
とえばグリセリンアルキルエステルとジグリセリンアル
キルエステルとジエタノールアルキルアミンとが混合使
用される場合には、次の割合で使用される。グリセリン
アルキルエステル、ジグリセリンアルキルエステルおよ
びジエタノールアルキルアミンの合計量100重量部に
対して、グリセリンアルキルエステルは10〜40重量
部、好ましくは20〜30重量部の割合で含まれ、ジグ
リセリンアルキルエステルは20〜80重量部、好まし
くは30〜70重量部の割合で含まれ、ジエタノールア
ルキルアミンは1〜20重量部、好ましくは1〜10重
量部の割合で含まれている。
【0084】このような防曇剤の中でも、たとえば次の
ような組合せが好ましい。 (1)グリセリンステアレートと、ジグリセリンステア
レートと、ジエタノールステアリルアミンとからなる防
曇剤。 (2)グリセリンパルミテートと、ジグリセリンパルミ
テートと、ジエタノールステアリルアミンとからなる防
曇剤。 (3)グリセリンラウレートと、ジグリセリンラウレー
トと、ジエタノールステアリルアミンとからなる防曇
剤。 (4)グリセリンベヘネートと、ジグリセリンベヘネー
トと、ジエタノールステアリルアミンとからなる防曇
剤。 (5)上記(1)から(4)の任意の混合物。
【0085】防曇剤(F)は、エチレン・α- オレフィ
ン共重合体(A)またはエチレン・α- オレフィン共重
合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混合
物100重量部に対して、0.01〜5.0重量部、好
ましくは0.1〜4.0重量部、さらに好ましくは0.
5〜3.0重量部の割合で用いられる。
【0086】一方、無機系防曇剤の例として、無機親水
性コロイド物質とバインダー樹脂成分とを主成分とする
無機系防曇剤組成物を挙げることができる。
【0087】無機親水性コロイド物質としては、具体的
には、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイ
ド状のFe(OH)2 、コロイド状のSn(OH)4
コロイド状のTiO2 、コロイド状のBaSO4 、コロ
イド状のリチウムシリケートなどが挙げられる。これら
の内、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナが特に好
ましい。
【0088】上記バインダー樹脂成分としては、アクリ
ル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂などの水性エマルジョンなどを挙げることができる。
さらに必要に応じ界面活性剤を含有させることができ
る。
【0089】このような無機系防曇剤組成物は、フィル
ム成形時の冷却水中に添加しておくと、フィルム面上に
その無機系防曇剤組成物の層を形成することができるの
で好都合である。通常、厚みが0.1〜5μm、好まし
くは0.5〜2μmになるように無機系防曇剤組成物層
を形成すると高い防曇効果が得られる。したがって、そ
のような膜厚になるようにフィルム冷却水への添加量等
を調整すればよい。
【0090】その他の成分 上記の樹脂(C)中に、必要に応じて、従来公知の耐候
安定剤、酸化防止剤、防霧剤、無機化合物、帯電防止
剤、熱安定剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわな
い範囲で配合することができる。
【0091】耐候安定剤は、紫外線吸収剤と光安定剤と
に大別されるが、光安定剤の方が薄い農業用フィルムに
は有効であり、耐候安定性の改良効果が大きい。光安定
剤としては、従来公知の光安定剤を用いることができ、
中でもヒンダードアミン系光安定剤(HALS;Hinder
ed Amine Light Stabilizers)が好ましく用いられる。
【0092】ヒンダードアミン系安定剤としては、具体
的には、以下のような化合物が用いられる。 (1)ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)セ
バケート、(2)コハク酸ジメチル-1- (2-ヒドロキシ
エチル)-4- ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリ
ジン重縮合物、(3)テトラキス(2,2,6,6-テトラメチ
ル-4- ピペリジル)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシ
レート、(4)2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジニル
ベンゾエート、(5)ビス- (1,2,6,6-テトラメチル-4
- ピペリジニル)-2- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキ
シベンジル)-2-n- ブチルマロネート、(6)ビス(N-
メチル-2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジニル)セバ
ケート、(7)1,1'-(1,2- エタンジイル)ビス(3,3,
5,5-テトラメチルピペラジノン)、(8)(ミックスト
2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル/トリデシル)-
1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(9)(ミ
ックスト1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル/トリ
デシル)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、
(10)ミックスト{2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジ
ル/β,β,β',β'-テトラメチル-3-9-[2,4,8,10-テト
ラオキサスピロ(5,5) ウンデカン]ジエチル}-1,2,
3,4- ブタンテトラカルボキシレート、(11)ミックス
ト{1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル/β,β,
β',β'-テトラメチル-3-9-[2,4,8,10-テトラオキサス
ピロ(5,5) ウンデカン]ジエチル}-1,2,3,4- ブタン
テトラカルボキシレート、(12)N,N'- ビス(3-アミノ
プロピル)エチレンジアミン-2-4- ビス[N-ブチル-N-
(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル)アミノ]-6
- クロロ-1,3,5- トリアジン縮合物、(13)N,N'- ビス
(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)ヘキサメチレ
ンジアミンと1,2-ジブロモエタンとの縮合物、(14)
[N-(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジル)-2-メチ
ル-2- (2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)イミ
ノ]プロピオンアミドなど。(15)ポリ{[6-[(1,1,
3,3- テトラメチルブチル)イミノ]-1,3,5-トリアジン-
2,4- ジイル][4-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジ
ル)イミノ]ヘキサメチレン}(商品名 キマソーブ9
44、チバガイギー社製)
【0093】これらのヒンダードアミン系光安定剤は、
単独で、または2種以上組合わせて用いることができ
る。上記光安定剤は、エチレン・α- オレフィン共重合
体(A)またはエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物1
00重量部に対して、0.005〜5重量部、好ましく
は0.005〜2重量部、さらに好ましくは0.01〜
1重量部の割合で用いられる。
【0094】紫外線吸収剤としては、具体的には、フェ
ニルサリシレート、p-tert- ブチルフェニルサリシレー
ト、p-オクチルフェニルサリシレート等のサリチル酸系
紫外線吸収剤;2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒ
ドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4
- オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- ドデシ
ルオキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4- メト
キシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-4,4'-ジメト
キシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシ-5- ス
ルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収
剤;2-(2'- ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-5'-tert- ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'
-ジ-tert-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-
(2'- ヒドロキシ-3'-tert- ブチル-5'-メチルフェニ
ル)-5- クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキ
シ-3',5'- ジ-tert-ブチルフェニル)-5- クロロベンゾ
トリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-tert-ア
ミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾ
ール系吸収剤;2-エチルヘキシル-2- シアノ-3,3'-ジフ
ェニルアクリレート、エチル-2- シアノ-3,3'-ジフェニ
ルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤
などが挙げられる。
【0095】上記紫外線吸収剤は、エチレン・α- オレ
フィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレフィン
共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との
混合物100重量部に対して、0.005〜5重量部、
好ましくは0.005〜2重量部、さらに好ましくは
0.01〜1重量部の割合で用いられる。
【0096】添加使用できる無機化合物としては、保温
剤として有効なMg、Ca、AlおよびSiの少なくと
も1つの原子を含有する無機酸化物、無機水酸化物、無
機複合化合物、ハイドロタルサイト類などが挙げられ
る。
【0097】具体的には、SiO2 、Al23、Mg
O、CaO等の無機酸化物;Al(OH)3 、Mg(O
H)2 、Ca(OH)2 等の無機水酸化物; 式 M2+ 1-xAlx(OH)2(An-x/n・mH2O [式中、M2+は、Mg、CaまたはZnの二価金属イオ
ンであり、An-はCl- 、Br- 、I- 、NO3 2- 、C
lO4-、SO4 2- 、CO2 2- 、SiO3 2- 、HPO
4 2- 、HBO3 2- 、PO4 2- 等のアニオンであり、x
は、0<x<0.5 の条件を満足する数値であり、m
は、0≦m≦2 の条件を満足する数値である] で表わされる無機複合化合物、あるいはその焼成物等で
あるハイドロタルサイト類などが挙げられる。これらの
中でも、ハイドロタルサイト類が好ましく、特に上記式
で表わされる無機複合化合物の焼成物が好ましい。
【0098】上記のような無機化合物は、単独で、ある
いは2種以上組合わせて用いることができる。無機化合
物の平均粒径は、10μm以下、好ましくは5μm以
下、さらに好ましくは3μm以下であることが望まし
い。無機化合物の平均粒径が上記範囲以内であれば、透
明性が良好なフィルムを得ることができる。
【0099】上記無機化合物は、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレフィン共
重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混
合物100重量部に対して、1〜20重量部、好ましく
は1〜18重量部、さらに好ましくは2〜15重量部の
割合で用いられる。無機化合物を上記のような割合で用
いると、保温性に優れたフィルムを得ることができる。
【0100】本発明に係る農業用フィルムは、上記のよ
うな各種添加剤を含有することがある樹脂(C)で形成
された層を有する。本発明に係る農業用フィルムが上記
の樹脂(C)で形成された層からなる単層フィルムであ
る場合、この農業用フィルムは、厚みが60〜200μ
m、好ましくは60〜160μmの範囲にある。
【0101】このような単層フィルムである、本発明に
係る農業用フィルムは、ヘイズ(ASTM D 100
3)が10%未満であり、かつ、グロス(ASTM D
523)が90%以上である。
【0102】上記のような本発明に係る単層構造の農業
用フィルムは、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)、および必要に応じて高圧法低密度ポリエチレン
(B)、アンチブロッキング剤(D)、スリップ剤
(E)、防曇剤(F)、上述したその他の添加剤等の成
分を混合し、バンバリーミキサーまたはロールミル、押
出機等で溶融混合し、次いで、通常のフィルム成形法に
より製造することができる。
【0103】フィルム成形に際し、インフレーション法
あるいはTダイ法が使用でき、また冷却に際し空冷法あ
るいは水冷法が採用できる。特に、水冷インフレーショ
ン成形法を採用すると、光学特性および展張作業性に優
れた農業用フィルムを製造することができる。
【0104】この水冷インフレーション成形条件として
は、樹脂の溶融温度が通常150〜200℃であり、バ
ブルの膨比(ダイス口径と水冷ジャケット以降のバブル
径との比;バブル径/ダイス口径)が0.5〜2.0で
あり、冷却水温度が10〜60℃であり、バブルのドラ
フト率(ダイ出口での樹脂の流速と成形速度との比;成
形速度/樹脂の流速)が5〜100であることが好まし
い。バブルの膨比が上記範囲内であると、バブルが安定
し、成形性もよい。また、冷却水温度が上記範囲内であ
ると、フィルムがカールせず、しかもフィルムの光学特
性がよい。ドラフト率が上記範囲内であると、バブルが
安定し、しかもフィルムの光学特性がよい。
【0105】また、前記樹脂(C)で形成された層を有
するフィルムを、サーキュラーダイからインフレーショ
ン成形法で下向きに押出し、次いで、上述した無機系防
曇剤組成物を添加した水槽に通して冷却しつつ引き取
り、その後フィルム表面を乾燥し、フィルム表面に無機
系防曇剤組成物の被膜を形成することができる。
【0106】本発明に係る農業用フィルムは、上述した
単層フィルムの他に、上記のような樹脂(C)で形成さ
れた層を有する多層構造のフィルムであってもよい。本
発明に係る多層構造の農業用フィルムとしては、たとえ
ば次のような外層と1層以上の中間層と内層とからなる
多層フィルムが特に好ましい。
【0107】外層および内層 上記多層フィルムを構成する外層および/または内層
は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)からなる
樹脂(C)、またはエチレン・α- オレフィン(A)と
40重量%以下の高圧法低密度ポリエチレン(B)との
混合物からなる樹脂(C)で形成される。内層が樹脂
(C)で形成される場合、外層は樹脂(C)で形成して
もよいし、樹脂(C)以外の樹脂で形成してもよい。ま
た、外層が樹脂(C)で形成される場合、内層は樹脂
(C)で形成してもよいし、樹脂(C)以外の樹脂で形
成してもよい。本発明においては、外層も内層も、上記
樹脂(C)で形成されることが望ましい。
【0108】樹脂(C)については、既に上述した通り
であり、樹脂(C)中に、必要に応じて、前述したアン
チブロッキング剤(D)、スリップ剤(E)、防曇剤
(F)、さらには従来公知の耐候安定剤、酸化防止剤、
防霧剤、無機化合物、帯電防止剤、熱安定剤などの添加
剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することが
できる。
【0109】中間層 上記多層フィルムを構成する中間層は、エチレン・α-
オレフィン共重合体(A)、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、高圧法低密度ポリエチレン(B)、エチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体およびアイオノマー樹脂か
らなる群から選ばれる1種以上の樹脂で形成されている
ことが好ましい。ここで、エチレン・酢酸ビニル共重合
体は、酢酸ビニル含量が3〜50重量%、好ましくは5
〜30重量%であることが望ましく、エチレン・(メ
タ)アクリル酸共重合体は、エチレン含量が99〜70
重量%、好ましくは98〜75重量%であることが望ま
しい。また、アイオノマー樹脂としては、たとえば上記
エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体をNa+ 、Zn
++等の金属イオンで架橋した樹脂が挙げられる。本発明
においては、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)、またはエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物か
らなる樹脂(C)を使用することが特に好ましい。
【0110】この中間層を形成する樹脂は、前述した樹
脂単独で構成されていてもよいし、あるいは2種以上の
樹脂で構成されていてもよい。さらに、フィルム成形時
に発生する耳部や不良品等の成形屑を回収し、この中間
層に再使用することもできる。また、この中間層形成用
樹脂には、必要に応じて、防曇剤、酸化防止剤、耐候安
定剤、無機化合物等の、前述した添加剤を、本発明の目
的を損なわない範囲内で配合することができる。
【0111】上記のような外層、中間層および内層から
なる多層フィルムは、外層の厚みが通常3〜100μ
m、好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは20
〜70μmの範囲にあり、中間層全体の厚みが10〜1
50μm、好ましくは20〜120μm、さらに好まし
くは30〜100μmの範囲にあり、内層の厚みが3〜
100μm、好ましくは10〜80μm、さらに好まし
くは20〜70μmの範囲にあり、かつ、これらの層全
体の厚みが60〜200μm、好ましくは60〜160
μmの範囲にある。
【0112】このような多層フィルムにおいては、外層
[I]、中間層全体[II]および内層[III] の各層の
厚みの比(外層[I]/中間層全体[II]/内層[II
I] )は、0.2〜4/1〜10/1、好ましくは0.
5〜2/2〜6/1であることが望ましい。
【0113】上記のような多層フィルムは、ヘイズ(A
STM D 1003)が10%未満であり、かつ、グロ
ス(ASTM D 523)が90%以上である。
【0114】このような多層フィルムは、各層で使用す
るポリエチレン系樹脂および上述した添加剤等の成分を
それぞれ混合し、バンバリーミキサーまたはロールミ
ル、押出機等で溶融混合し、次いで、共押出しフィルム
成形法により、外層、中間層および内層を積層すること
によって調製することができる。この際、水冷インフレ
ーション成形法の採用が好ましく、その成形条件は、上
述した単層構造の農業用フィルムにおける水冷インフレ
ーション成形条件と同じである。
【0115】
【発明の効果】本発明によれば、従来のポリオレフィン
系樹脂製フィルムからなる農業用フィルムと比べ、特に
展張初期の光学特性および展張作業性に優れた農業用フ
ィルムが得られる。すなわち、透明性および表面光沢性
に優れるとともに柔軟性に優れた農業用フィルムが得ら
れる。
【0116】本発明に係る農業用フィルムは、上記のよ
うな効果を有するので、ハウス、トンネル等の農園芸施
設に展張し、有用作物の栽培に長期に亘って利用するこ
とができる。
【0117】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0118】なお、実施例および比較例における農業用
フィルムの評価は、下記のようにして行なった。 (1) ヘイズ(曇り度) フィルムの透明性の指標となるヘイズは、ASTM D
1003に準拠して測定した。 (2) グロス(光沢度) フィルムのグロスは、ASTM D 523に準拠して測
定した。なお、多層フィルム全体のグロスは、フィルム
の角度を20°にして本発明の樹脂(C)で形成された
内層側から測定した。 (3) 開口性 インフレーション成形後、2つのロール間で畳まれたチ
ューブ状のフィルムについて、その切り口を指で開けて
開口性の難易度を調べた。
【0119】
【参考例1】エチレン・1-ヘキセン共重合体の調製 [オレフィン重合用触媒の調製]250℃で10時間乾
燥したシリカ5.0kgを80リットルのトルエンで懸
濁状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチルアル
ミノオキサンのトルエン溶液(Al;1.33モル/リ
ットル)28.7リットルを1時間かけて滴下した。こ
の際、系内の温度を0℃に保った。引続き0℃で60分
間反応させ、次いで、1.5時間かけて95℃まで昇温
し、その温度で20時間反応させた。その後60℃まで
降温し上澄液をデカンテーション法により除去した。
【0120】このようにして得られた固体成分をトルエ
ンで2回洗浄した後、トルエン80リットルで再懸濁化
した。この系内へビス(1,3-n-ブチルメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液
(Zr;34.0ミリモル/リットル)7.4リットル
およびビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr;28.1ミ
リモル/リットル)1.0リットルを80℃で30分間
かけて滴下し、更に80℃で2時間反応させた。その
後、上澄液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することによ
り、1g当り3.6mgのジルコニウムを含有する固体
触媒を得た。 [予備重合触媒の調製]1.7モルのトリイソブチルア
ルミニウムを含有する85リットルのヘキサンに、上記
で得られた固体触媒0.85kgおよび1-ヘキセン25
5gを加え、35℃で12時間エチレンの予備重合を行
なうことにより、固体触媒1g当り10gのポリエチレ
ンが予備重合された予備重合触媒を得た。このエチレン
重合体の極限粘度[η]は1.74dl/gであった。 [重合]直列に結合した2器の連続式流動床気相重合装
置を用い、上記予備重合触媒の存在下に、エチレンと1-
ヘキセンとの共重合を行なってエチレン・1-ヘキセン共
重合体を得た。
【0121】上記のようにして得られたエチレン・1-ヘ
キセン共重合体は、1-ヘキセン含量が7.5重量%であ
り、密度が0.928g/cm3 であり、メルトフロー
レート(MFR;ASTM D 1238−65T,19
0℃、荷重2.16kg)が1.63g/10分であ
り、GPCにおいて測定した分子量分布(Mw/Mn)
が3.5であった。
【0122】また、この共重合体は、示差走査型熱量計
(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク一の温
度[Tm]が120℃であり、室温におけるn−デカン
可溶成分量分率[W]が0.25重量%であった。
【0123】この共重合体についてGPC−IR分析で
測定した上述のB1 は12.2/1000C(炭素原子
1000個当たり12.2)であり、B2 は9.9/1
000Cであった。
【0124】
【参考例2】参考例1と同様の方法で第1表に示すよう
なエチレン・1-ヘキセン共重合体を得た。
【0125】
【表1】
【0126】
【実施例1】第1表に示す樹脂、第2表に示すフェノー
ル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ステアリン酸カル
シウム、耐候安定剤、スリップ剤およびアンチブロッキ
ング剤を用いて、第2表に示す条件で、厚み100μm
の単層フィルムを水冷式インフレーション成形法により
下記の条件で成形した。ただし、下記の3層機のうち、
1層のみを使用した。 [水冷式インフレーション成形条件] 成形機 : プラコー社製水冷式3層機 ダイ口径 : 150mmφ リップ幅 : 2.5mm 成形温度 : 160℃ バブルの膨比 : 0.93 バブルのドラフト率 : 23 冷却水温度 : 25℃ サイジング高さ : 350mm 上記のようにして得られたフィルムの物性を第2表に示
す。
【0127】
【比較例1】第1表に示す樹脂、第2表に示すフェノー
ル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ステアリン酸カル
シウム、耐候安定剤、スリップ剤およびアンチブロッキ
ング剤を用いて、第2表に示す条件で、厚み100μm
の単層フィルムを空冷式インフレーション成形法により
下記の条件で成形した。ただし、下記3層機のうち、1
層のみを使用した。 [空冷式インフレーション成形条件] 成形機 : プラコー社製3層機 ダイ口径 : 75mmφ リップ幅 : 1.0mm 成形温度 : 190℃ バブルの膨比 : 1.8 白化高さ : 400mm 上記のようにして得られたフィルムの物性を第2表に示
す。
【0128】
【表2】
【0129】
【実施例2〜4】第1表に示す樹脂(フェノール系酸化
防止剤[商品名 イルガノックス 3114、チバガイ
ギー社製]0.05重量%、リン系酸化防止剤[商品名
イルガホス 168、チバガイギー社製]0.10重
量%、およびステアリン酸カルシウム[日本油脂(株)
製]0.10重量%を含む)を用いて、第3表に示す条
件で、厚み100μmの3層フィルムを水冷式インフレ
ーション成形法により下記の条件で成形した。 [水冷式インフレーション成形条件] 成形機 : プラコー社製水冷式3層機 ダイ口径 : 150mmφ リップ幅 : 2.5mm 成形温度 : 160℃ バブルの膨比 : 0.94 バブルのドラフト率 : 24 冷却水温度 : 25℃ サイジング高さ : 350mm 厚さ : 層全体100μm(内層/中間層/外層=20
μm/60μm/20μm) 上記のようにして得られたフィルムの物性を第3表に示
す。
【0130】
【比較例2および3】第1表に示す樹脂(フェノール系
酸化防止剤[商品名 イルガノックス 3114、チバ
ガイギー社製]0.05重量%、リン系酸化防止剤[商
品名 イルガホス 168、チバガイギー社製]0.1
0重量%、およびステアリン酸カルシウム[日本油脂
(株)製]0.10重量%を含む)を用いて、第3表に
示す条件で、厚み100μmの3層フィルムを空冷式イ
ンフレーション成形法により下記の条件で成形した。 [空冷式インフレーション成形条件] 成形機 : プラコー社製3層機 ダイ口径 : 75mmφ リップ幅 : 1.0mm 成形温度 : 190℃ バブルの膨比 : 1.8 白化高さ : 400mm 厚さ : 層全体100μm(内層/中間層/外層=20
μm/60μm/20μm) 上記のようにして得られたフィルムの物性を第3表に示
す。
【0131】
【表3】
【0132】第3表中の樹脂(I)および(II)は、フ
ェノール系酸化防止剤[商品名 イルガノックス 31
14、チバガイギー社製]0.05重量%、リン系酸化
防止剤[商品名 イルガホス 168、チバガイギー社
製]0.10重量%およびステアリン酸カルシウム[日
本油脂(株)製]0.10重量%を含む。
【0133】また、第3表における添加剤は次の通りで
ある。 耐候安定剤:商品名 キマソーブ 944、チバガイギ
ー社製;HALS系安定剤 ハイドロタルサイト:商品名 DHT−4A、協和化学
(株)製;保温剤 非イオン系界面活性剤(実施例2、3、比較例2、
3):グリセリンモノステアレート20%と、ジグリセ
リンモノおよびジステアレート60%と、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノおよびジステアレート20%とか
らなる混合物;防曇剤 非イオン系界面活性剤(実施例4):グリセリンモノス
テアレート25%と、ジグリセリンモノおよびジステア
レート70%と、ジエタノールステアリルアミン5%と
からなる混合物;防曇剤
【0134】
【実施例5】実施例1に記載の方法で単層フィルムの成
形を繰り返した。この際、インフレーションフィルムの
冷却水に、無機系防曇剤としてコロイダルシリカ[商品
名スノーテックス 20、日産化学工業(株)製]1%
とアクリル樹脂系エマルジョン(樹脂分30%)3%を
添加して、サーキュラーダイから下向きに押出されてき
たチューブ状フィルムを冷却した。その後、100℃に
設定した乾燥機中で30分間乾燥し、チューブ状フィル
ムの外表面に防曇剤組成物の被膜を形成させた。
【0135】このようにして得られたフィルムおよび実
施例1で得られたフィルムについて防曇性の評価を次の
ようにして行なった。すなわち、300ml容量のビー
カーに50℃の温水を100ml入れ、前記のフィルム
でビーカーの口を覆った。実施例5で得たフィルムで
は、防曇剤組成物の被膜が形成されている表面側をビー
カーの内面に向けてビーカーの口を覆った。その後、こ
のビーカーを5℃の冷蔵庫に入れ、10分後に冷蔵庫か
ら取り出し、ビーカー側のフィルム面への水滴状態を肉
眼で観察した。その結果を第4表に示す。
【0136】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/00 B32B 27/00 Z 27/18 27/18 C // B29C 55/28 B29C 55/28 C08L 23/08 C08L 23/08 B29K 23:00 B29L 7:00 9:00

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと炭素原子数4〜12のα- オレ
    フィンとを共重合して得られ、密度が0.885〜0.
    940g/cm3 であり、メルトフローレートが0.1
    〜10g/10分であるエチレン・α- オレフィン共重
    合体(A)からなる樹脂(C)、または該エチレン・α
    - オレフィン共重合体(A)と40重量%以下の量の高
    圧法低密度ポリエチレン(B)との混合物からなる樹脂
    (C)で形成された層を有するフィルムであり、 該フィルムは、(i) 厚みが60〜200μmであり、(i
    i)ヘイズ(ASTM D 1003)が10%未満であ
    り、(iii) グロス(ASTM D 523)が90%以上
    であることを特徴とする農業用フィルム。
  2. 【請求項2】前記樹脂(C)を構成するエチレン・α-
    オレフィン共重合体(A)、またはエチレン・α- オレ
    フィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン
    (B)との混合物が、(i)GPCにおいて測定した分
    子量分布(Mw/Mn:Mw=重量平均分子量、Mn=
    数平均分子量)が1.5〜5.0の範囲にあり、(ii)
    23℃におけるn-デカン可溶成分量分率(W(重量
    %))と密度(d(g/cm3 ))とが、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
    1 で示される関係を満たし、(iii) GPC−IRによる
    高分子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐
    数の平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 であることを特徴とする請求項1に記載の農業用フィル
    ム。
  3. 【請求項3】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
    (A)が、メタロセン系触媒を用いて調製されたエチレ
    ンと炭素原子数4〜12のα- オレフィンとの共重合体
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の農業
    用フィルム。
  4. 【請求項4】前記樹脂(C)が、水冷式インフレーショ
    ン法によりフィルム成形されていることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の農業用フィルム。
  5. 【請求項5】前記樹脂(C)が、エチレン・α- オレフ
    ィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレフィン共
    重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混
    合物100重量部に対して、アンチブロッキング剤
    (D)および/またはスリップ剤(E)をそれぞれ0.
    01〜3.0重量部含有していることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の農業用フィルム。
  6. 【請求項6】前記アンチブロッキング剤(D)が、シリ
    カまたはゼオライトであることを特徴とする請求項5に
    記載の農業用フィルム。
  7. 【請求項7】前記スリップ剤(E)が、ステアリン酸ア
    ミドまたはエルカ酸アミドであることを特徴とする請求
    項5に記載の農業用フィルム。
  8. 【請求項8】前記樹脂(C)が、エチレン・α- オレフ
    ィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレフィン共
    重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との混
    合物100重量部に対して、防曇剤(F)を0.01〜
    5.0重量部含有していることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の農業用フィルム。
  9. 【請求項9】前記防曇剤(F)が、グリセリンアルキル
    エステル、ジグリセリンアルキルエステル、ジエタノー
    ルアルキルアミン、ポリオキシエチレンソルビタンエス
    テル、およびこれらの混合物からなる群から選ばれるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の農業用フィルム。
  10. 【請求項10】前記樹脂(C)で形成された層を有する
    フィルムの少なくとも一方の外表面に、さらに無機系防
    曇剤組成物の被膜が設けられていることを特徴とする請
    求項1〜9のいずれかに記載の農業用フィルム。
  11. 【請求項11】前記無機系防曇剤組成物が、無機親水性
    コロイド物質からなることを特徴とする請求項10に記
    載の農業用フィルム。
  12. 【請求項12】前記無機系防曇剤組成物が、無機親水性
    コロイド物質とバインダー樹脂成分とからなることを特
    徴とする請求項10に記載の農業用フィルム。
  13. 【請求項13】前記無機親水性コロイド物質が、コロイ
    ダルシリカまたはコロイダルアルミナであることを特徴
    とする請求項11または12に記載の農業用フィルム。
  14. 【請求項14】外層と内層とからなる2層、または外層
    と1層以上の中間層と内層とからなる3層以上の多層フ
    ィルムであり、 該外層および内層の少なくとも一方は、 エチレンと炭素原子数4〜12のα- オレフィンとを共
    重合して得られ、密度が0.885〜0.940g/c
    3 であり、メルトフローレートが0.1〜10g/1
    0分であるエチレン・α- オレフィン共重合体(A)か
    らなる樹脂(C)、または該エチレン・α- オレフィン
    共重合体(A)と40重量%以下の量の高圧法低密度ポ
    リエチレン(B)との混合物からなる樹脂(C)で形成
    され、 該多層フィルムは、(i) フィルム全体の厚みが60〜2
    00μmであり、(ii)ヘイズ(ASTM D 1003)
    が10%未満であり、(iii) グロス(ASTM D 52
    3)が90%以上であることを特徴とする農業用フィル
    ム。
  15. 【請求項15】前記樹脂(C)を構成するエチレン・α
    - オレフィン共重合体(A)、またはエチレン・α- オ
    レフィン共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン
    (B)との混合物が、(i)GPCにおいて測定した分
    子量分布(Mw/Mn:Mw=重量平均分子量、Mn=
    数平均分子量)が1.5〜5.0の範囲にあり、(ii)
    23℃におけるn-デカン可溶成分量分率(W(重量
    %))と密度(d(g/cm3 ))とが、 W<80×exp(−100(d−0.88))+0.
    1 で示される関係を満たし、(iii) GPC−IRによる
    高分子量側の分岐数の平均値をB1 、低分子量側の分岐
    数の平均値をB2 とするとき、 B1 ≧ B2 であることを特徴とする請求項14に記載の農業用フィ
    ルム。
  16. 【請求項16】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
    (A)が、メタロセン系触媒を用いて調製されたエチレ
    ンと炭素原子数4〜12のα- オレフィンとの共重合体
    であることを特徴とする請求項14または15に記載の
    農業用フィルム。
  17. 【請求項17】前記樹脂(C)が外層および内層の少な
    くとも一方を形成する多層フィルムが、水冷式インフレ
    ーション法によりフィルム成形されていることを特徴と
    する請求項14〜16のいずれかに記載の農業用フィル
    ム。
  18. 【請求項18】前記樹脂(C)が、エチレン・α- オレ
    フィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレフィン
    共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との
    混合物100重量部に対して、アンチブロッキング剤
    (D)および/またはスリップ剤(E)をそれぞれ0.
    01〜3.0重量部含有していることを特徴とする請求
    項14〜17のいずれかに記載の農業用フィルム。
  19. 【請求項19】前記アンチブロッキング剤(D)が、シ
    リカまたはゼオライトであることを特徴とする請求項1
    8に記載の農業用フィルム。
  20. 【請求項20】前記スリップ剤(E)が、ステアリン酸
    アミドまたはエルカ酸アミドであることを特徴とする請
    求項18に記載の農業用フィルム。
  21. 【請求項21】前記樹脂(C)が、エチレン・α- オレ
    フィン共重合体(A)またはエチレン・α- オレフィン
    共重合体(A)と高圧法低密度ポリエチレン(B)との
    混合物100重量部に対して、防曇剤(F)を0.01
    〜5.0重量部含有していることを特徴とする請求項1
    4〜20のいずれかに記載の農業用フィルム。
  22. 【請求項22】前記多層フィルムを構成する中間層が、
    エチレン・α- オレフィン共重合体(A)、エチレン・
    酢酸ビニル共重合体、高圧法低密度ポリエチレン
    (B)、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、およ
    びアイオノマー樹脂からなる群から選ばれる1種以上の
    樹脂で形成されていることを特徴とする請求項14〜2
    1のいずれかに記載の農業用フィルム。
  23. 【請求項23】前記樹脂(C)で形成された外層および
    /または内層を有する多層フィルムの少なくとも一方の
    外表面に、さらに無機系防曇剤組成物の被膜が設けられ
    ていることを特徴とする請求項14〜22のいずれかに
    記載の農業用フィルム。
  24. 【請求項24】前記無機系防曇剤組成物が、無機親水性
    コロイド物質からなることを特徴とする請求項23に記
    載の農業用フィルム。
  25. 【請求項25】前記無機系防曇剤組成物が、無機親水性
    コロイド物質とバインダー樹脂成分とからなることを特
    徴とする請求項23に記載の農業用フィルム。
  26. 【請求項26】前記無機親水性コロイド物質が、コロイ
    ダルシリカまたはコロイダルアルミナであることを特徴
    とする請求項24または25に記載の農業用フィルム。
  27. 【請求項27】前記樹脂(C)で形成された層を有する
    請求項1または請求項14に記載の農業用フィルムを、
    バブルの膨比0.5〜2.0、チューブラーフィルムの
    冷却水温度10〜60℃およびバブルのドラフト率5〜
    100の条件で、水冷インフレーション成形して得るこ
    とを特徴とする農業用フィルムの製造方法。
  28. 【請求項28】前記樹脂(C)で形成された層を有する
    フィルムを、サーキュラーダイからインフレーション成
    形法で下向きに押出し、次いで無機系防曇剤組成物を添
    加した水槽に通して冷却しつつ引き取り、その後フィル
    ム表面を乾燥することを特徴とする請求項27に記載の
    農業用フィルムの製造方法。
  29. 【請求項29】前記無機系防曇剤組成物が、無機親水性
    コロイド物質からなることを特徴とする請求項28に記
    載の農業用フィルムの製造方法。
  30. 【請求項30】前記無機系防曇剤組成物が、無機親水性
    コロイド物質とバインダー樹脂成分とからなることを特
    徴とする請求項28に記載の農業用フィルムの製造方
    法。
  31. 【請求項31】前記無機親水性コロイド物質が、コロイ
    ダルシリカまたはコロイダルアルミナであることを特徴
    とする請求項29または30に記載の農業用フィルムの
    製造方法。
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