JPH09505010A - 電磁弁、特にスリップ制御装置を備えた油圧ブレーキ装置のための電磁弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、スリップ制御式ブレーキ装置のためのデジタル切り換え可能な電磁（入口）弁（１）に関する。この弁の後には、差圧に依存するオリフィス弁制御装置が接続配置されている。スリップのない普通の制動相において、切り換え可能なオリフィス（４）の不所望な早すぎる作用を阻止するために、弁（１）内に流入する圧力媒体柱の圧力エネルギーが横断面縮小部（１３０）内で運動エネルギーに変換される。この運動エネルギーは入口側の制御ポート（１２９）内で圧力降下を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】 電磁弁、特にスリップ制御装置を備えた油圧ブレーキ装置のための電磁弁 本発明は、請求の範囲第１項の上位概念記載の電磁弁、特にスリップ制御装置 を備えた油圧ブレーキ装置のための電磁弁に関し、特許・・・（ドイツ連邦共和 国特許出願第４３１９２２７．０号）による本発明の対象物の他の実施形を示す 。 デジタル切り換え可能な入口弁および出口弁によってスリップ制御式ブレーキ 装置の圧力を不連続的に制御すると、衝撃的な圧力のために、不所望な騒音を放 出する。 原特許出願に記載されたブレーキ装置の場合には、切り換え可能なオリフィス を備えた、入口弁内の環状ピストンの配置構造に関する提案された解決策が、ス リップのない手動ブレーキ操作時に環状ピストンがオリフィス位置へ不意に切り 換わることを常に回避できるとはかぎらないことが判った。特にブレーキの迅速 な操作時（パニックブレーキ時）に、入口弁に付設された切り換え可能なオリフ ィスの不所望な早すぎる作用を充分に確実に防止することができないので、ペダ ル感覚および車両特有の圧力上昇勾配が変化する。オリフィス作用によってもた らされる圧力上昇勾配の低減により必然的にブレーキ出力が弱まる。 従って、ドイツ連邦共和国特許出願第４３３２８１９．９号明細書では、電磁 弁（入口弁）の上流または下流に、付加的な固定オリフィスを設けることが提案 された。しかしながら、切り換え可能なオリフィスの切り換え圧力または切り換 え圧力差が比較的に高いままであり、それによってブレーキ圧力制御中、不所望 な流量変化が生じた。 そこで、本発明の課題は、原特許出願のブレーキ装置の簡単な構造をできるだ け変更しないで維持すると共に、スリップのない普通制動相において、切り換え 可能なオリフィスの早すぎる不所望な作用を阻止する解決策を提供することであ る。 この課題は本発明に従い、請求の範囲第１項記載の特徴によって解決される。 この特徴によれば、弁座の上流側に設けられた圧力媒体通路が通路縮小部を備え 、 環状ピストンの端面の方へ延びる小さな呼び幅の通路分岐部が横断面縮小部に開 口し、それによって電磁弁に流入する圧力媒体柱の圧力エネルギーが横断面縮小 部で運動エネルギーに変換され、この運動エネルギーが通路分岐部内で圧力降下 を開始する。 本発明による構造によって、狭い流れ横断面で直接発生する圧力降下が、環状 ピストンを非作用切り換え位置に保持するために利用され、それによってスリッ プのない普通制動中のオリフィス位置への環状ピストンの早すぎる切り換えが阻 止される。 本発明の他の特徴、効果および用途は、複数の実施の形態の次の説明から明ら かである。 図１は、弁閉鎖部材の下方に本発明による通路構造を有する電磁式入口弁の部 分拡大図、 図２は、入口弁内の細部の他の実施の形態を示す図、 図３は、図２に示した入口弁の、シール座とオリフィスピストンのオリフィス を変形した変形形態を示す図である。 図１は、スリップ制御式ブレーキ装置のための入口弁１の全体構造に関する構 造的な実施の形態の縦断面を示している。この入口弁１は弁支持体１０を備えて いる。この弁支持体は、弁閉鎖部材１１と、ブレーキ圧力供給装置５と補助圧力 ポンプ１８から来る主圧力管２の案内通路とを含んでいる。弁支持体１０は特に 、弁収容体９内にカートリッジ構造（ねじ込みカートリッジ、かしめカートリッ ジ、拡開リングを備えたカートリッジ）で組み込まれている。図示した弁固定シ ステムでは、弁支持体１０は２個所の自己かしめによって弁収容体９内で固定さ れている。弁収容体９内での弁支持体１０のシールは、自己かしめによって保証 される。ブレーキ圧力供給装置５と補助圧力ポンプ１８に接続された主圧力管２ と、弁支持体１０の突出部に掴むよう止められた板形フィルターと、基本位置で 開放するよう接続配置された弁閉鎖部材１１とを経て環状ピストン８に至る圧力 媒体接続部が設けられている。圧力媒体は環状ピストンから、磁石鉄心１２７の 開放した環状隙間を経ておよび少量がオリフィス４を経て、車輪ブレーキ３に通 じるポートの手前に接続配置された環状フィルター２２の方へ流れる。磁石鉄心 １２ ７から弁スリーブが突出している。この弁スリーブには、構造を明確に示してい ない弁コイルが被せられている。弁スリーブは磁石鉄心と共に、弁支持体１０に かしめられたユニットを形成する。磁石鉄心を備えた弁突棒は、磁石鉄心１２７ を通って弁座１１６まで突出し、端領域が弁閉鎖部材１１を形成している。 環状ピストン８は環状ピストン壁内に横孔を備えているので、切り換え可能な オリフィス機能を有する。環状ピストンは、環状室１２６内で、弁座１１６を備 えた回転対称の中心体１１４の突出部上を軸方向に移動可能に案内されている。 環状ピストン８は圧縮ばね７の作用を受けて、ストッパーとして作用するその外 側のつば１１９が、弁支持体１０の環状室１２６の穴段部に支持されている。環 状ピストン８はほぼスリーブの形をしている。このスリーブは磁石鉄心１２７側 のその端面が、ゴムシール座１１５を備えた磁石鉄心１２７の端領域に対向して いる。所望される場合あるいは必要な場合には、シールは金属の偏平シールとし てあるいは環状ピストンの端面領域に嵌め込まれたＯリングとして形成可能であ る。 磁石鉄心１２７と反対の環状ピストン８の端面側において、中間室１１７内に シールリング１２４が設けられている。このシールリングは、ブレーキ圧力供給 装置５から車輪ブレーキ３の方へのブレーキ圧力媒体のオーバーフローを阻止す る。 中間室１１７は、中心体１１４と弁支持体１０の間を延びる通路分岐部１２９ を介して、中心体１１４の下側領域に設けられた横断面縮小部１３０に連通して いる。この横断面縮小部は特にオリフィスインサート１３１によって形成されて いる。突出部が弁の内室に延びる回転対称の中心体１１４は、弁支持体１０の穴 段部に圧入またはかしめられている。図示の実施の形態では、弁座１１６は、閉 鎖部材１１と同軸に延びる中心体１１４の孔の一体構成部分として形成されてい る。中心体１１４は段付のスリーブとして、自己かしめによって弁支持体１０内 に保持されている。中心体１１４に対して斜めに弁支持体１０内を延びる圧力媒 体通路１３２は、車輪ブレーキ３の方へ遮断する逆止弁１３３を備えている。こ の逆止弁は弁支持体１０と弁収容体９の間に立設した環状フィルター２２を介し て、かつ環状フィルター２１の少なくとも一つの自由通過部によって、車輪ブレ ーキ３とブレーキ圧力供給装置または補助圧力ポンプの間の、液体を濾過する圧 力媒体接続を可能にする。 図２は図１と異なり、オリフィスインサート１３１による通路縮小部１３０の 特別な形成を示している。このオリフィスインサートはほぼノズルの輪郭を有し 、ベンチュリ管に似た薄壁状の成形体として形成されている。オリフィスインサ ート１３１は切欠き１３４を有するつば１３５を備えている。このつばは板形フ ィルター２１と弁支持体１０の間に挟持されている。切欠き１３４は、逆止弁１ ３３を圧力媒体通路１３２内に保持するために、圧力媒体通路１３２内の逆止弁 １３３に部分的に被さっている。オリフィスインサート１３１は特に、薄板プレ ス部品または合成樹脂射出成形部品として形成されている。通路縮小部は、オリ フィスインサート１３１内で円形横断面としてブレーキ圧力供給装置５または補 助圧力ポンプ１８の圧力媒体流れに作用し、ノズル口金としてのオリフィスイン サート１３１の形成は、主圧力管２の主流れへの通路分岐部１２９の開口部の範 囲に縮小した環状横断面を生じる。 図２に示した他のすべての要素は、図１の構造および機能にほぼ一致する。 図３は図２と異なり、環状ピストン８の端面の金属シールを示している。この 環状ピストンはその両端面の圧力差により、圧縮ばね７の作用に抗して磁石鉄心 １２７の方へ動かされる。磁石鉄心１２７のシール座１１５は特に中高状または 球状に環状ピストン８の方へ突出形成され、それによって環状シール面を備えて いる。孔の代わりにオリフィス４が環状ピストン８の端面に刻み目として形成さ れていると、環状ピストン８にオリフィス４がきわめて簡単に形成される。それ によって、環状ピストン８が金属シール座１１５に接触するや否や、環状ピスト ンの所望のオリフィス機能が生じる。摩耗片または汚染粒子は、図１，２のオリ フィス孔としての実施の形態と異なり、刻み目を閉塞しない。なぜなら、この刻 み目が環状ピストン８の開閉によって自己洗浄機能を有するからである。図３に 示した他のすべての細部は、前記の実施の形態の説明から明らかである。 次に、本発明の作用について説明する。 スリップがなく制御されない普通制動相の間は、入口弁は電磁的に励起されて いない開放した基本位置にある。ブレーキ圧力供給装置５が操作されると、増大 する圧力上昇勾配が入口弁１内で生じる。この圧力上昇勾配は、通路縮小部１３ ０内の流速を非常に高めることになる。この流速はほぼ隙間状の通路分岐部１２ ９内で中間室１１７の方向に圧力降下を生じる。この圧力降下はシールリング１ ２４を経て環状ピストン８に作用する。環状ピストン８の両端面の圧力差が増大 することにより、環状ピストン８を静止位置に保持する圧縮ばね７が流体動力学 的に補助されるので、迅速な制動開始相においても、シール座１１５と制御ピス トン８の端面との間の圧力媒体連通が妨害されない。それによって、環状ピスト ン８が図示の静止位置で穴段部に当接したままであるので、ブレーキ圧力は妨害 されずに車輪ブレーキ３に伝わる。環状ピストン８内に一体形成されたオリフィ ス４の不所望な早すぎる作用が生じない。 ブレーキペダルを離すと、ブレーキ圧力が開放した弁閉鎖部材１１と逆止弁１ ３３を経て逆方向に、ブレーキ圧力供給装置５の方へ再び低下する。 入口弁が閉じているときにブレーキスリップ制御中、弁入口（マスターシリン ダ圧力またはポンプ圧力）と弁出口（車輪ブレーキ圧力）との間の圧力差が、圧 縮ばね７によって調節された値を上回ると、環状ピストン８は押圧力の合力によ ってばね力に抗してシールリング１２４の方へ摺動し、磁石鉄心１２７に密封接 触する。それによって、車輪ブレーキ３に対する圧力媒体連通は専ら環状ピスト ン８のオリフィス４を介して行われる。 入口弁１が弁閉鎖部材１１を通るその普通の通路を再び開放すると、後続流の 液体は、ＡＢＳ運転中の補助圧力ポンプ１８から専ら環状ピストン８のオリフィ ス４を経て車輪ブレーキ３に達し、そして入口弁１の閉鎖が後で繰り返されると きに圧力衝撃ひいては騒音が小さくなるように抑制される。環状ピストン８の操 作のために必要な切り換え圧力差を下回るときにおよび制動過程を中断するとき には、環状ピストン８は流路を拡大する出発位置に再び戻る。 要約すると、手動ブレーキ操作時の圧力上昇速度の影響は本発明によって無視 できるほど小さくなる。なぜなら、圧力上昇速度の増大と共に必然的に、狭くな った流れ横断面ひいては狭くなった通路分岐部内での、環状ピストンで生じる圧 力低下または圧力差が増大し、それによっていかなる場合でも普通制動相におい て、ひいては弁閉鎖部材が開放しているときに、切り換え可能なオリフィスが作 用しないように同じ状態にとどまるからである。それによって、環状ピストンが ブレーキスリップ制御するよう作用する切り換え圧力を大幅に低下させることが でき、従ってブレーキスリップ制御中の制御精度を良好にするために流量変動を 小さく保つことができるという利点がある。必然的に、従来提案された解決策よ りも弁騒音が小さくなり、圧力上昇勾配が手動制御されるロックしないブレーキ 運転のための要望または要求を大きくすることができる。 参照符号一覧表 １ 入口弁 ２ 主圧力管 ３ 車輪ブレーキ ４ オリフィス ５ ブレーキ圧力供給装置 ７ 圧縮ばね ８ 環状ピストン ９ 弁収容体 １０ 弁支持体 １１ 弁閉鎖部材 ２１ 板形フィルター ２２ 環状フィルター １１４ 中心体 １１５ シール座 １１６ 弁座 １１７ 中間室 １２４ シールリング １２６ 環状室 １２７ 磁石鉄心 １２９ 通路分岐部 １３０ 通路縮小部 １３１ オリフィスインサート １３２ 圧力媒体通路 １３３ 逆止弁 １３４ 切欠き １３５ つば １３６ 固定オリフィス

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．弁支持体を具備し、この弁支持体が環状室内に弁閉鎖部材を備え、この弁閉 鎖部材が弁支持体内に設けられた弁座と協働し、更に、切り換え可能なオリフィ スを備え、このオリフィスが第１の切り換え位置で、電磁弁への油圧流通を妨害 せず、他の切り換え位置で電磁弁への圧力媒体流通を制限し、この場合切り換え 可能なオリフィスが電磁弁に統合された環状ピストンの構成要素である、特許・ ・・・（ドイツ連邦共和国特許出願第４３１９２２７．０号）による電磁弁、特 にスリップ制御装置を備えた油圧ブレーキ装置のための電磁弁において、弁座（ １１６）の上流側に設けられた圧力媒体通路が通路縮小部（１３０）を備え、弁 座（１１６）の上流において圧力媒体通路（２）に、環状ピストン（８）の中間 室（１１７）内まで延びる小さな呼び幅の通路分岐部（１２９）が開口し、それ によって通路縮小部（１３０）で圧力媒体柱の圧力エネルギーの一部が運動エネ ルギーに変換され、この運動エネルギーが環状ピストン（８）の端面に通じる通 路分岐部（１２９）内で圧力降下を開始することを特徴とする電磁弁。 ２．弁座（１１６）がスリーブ状の中心体（１１４）内に設けられ、この中心体 が弁支持体（１０）内に挿入され、中心体（１１４）が通路縮小部（１３０）を 収容していることを特徴とする請求の範囲第１項の電磁弁。 ３．中心体（１１４）と弁支持体（１０）の間を、特に圧力媒体隙間の形をした 通路分岐部が案内され、この通路分岐部が環状ピストン（８）の端面によって画 成された中間室（１１７）に開口していることを特徴とする請求の範囲第１項ま たは第２項の電磁弁。 ４．通路分岐部（１２９）寄りの環状ピストン（８）の端面が、中間室（１１７ ）内のリングシール（１２４）によって画成されていることを特徴とする請求の 範囲第１〜３項の少なくとも一つの電磁弁。 ５．通路分岐部（１２９）が、弁支持体（１０）内に設けられた固定オリフィス （１３６）と中心体（１１４）内を延びる通路縮小部（１３０）の間に開口して いることを特徴とする請求の範囲第１〜４項の少なくとも一つの電磁弁。 ６．通路縮小部（１３０）が弁収容体（９）内の主圧力管（２）内の上流側に設 けられていることを特徴とする請求の範囲第１項の電磁弁。 ７．通路縮小部（１３０）がオリフィスインサート（１３１）によって形成され ていることを特徴とする請求の範囲第１〜６項のいずれか一つの電磁弁。 ８．オリフィスインサート（１３１）がほぼノズルの輪郭を有する薄壁状成形体 からなり、この成形体が特に弁支持体（１０）内に摩擦連結的に固定されている ことを特徴とする請求の範囲第７項の電磁弁。 ９．オリフィスインサート（１３１）がつば（１３５）を備え、このつばが弁支 持体（１０）に固定された板形フィルター（２１）と弁支持体（１０）の間に挟 持されていることを特徴とする請求の範囲第７項の電磁弁。 10．つば（１３５）が少なくとも一つの切欠き（１３４）を有し、この切欠きが 弁閉鎖部材（１１）に対して平行に接続配置された圧力媒体通路（１３２）を開 放していることを特徴とする請求の範囲第９項の電磁弁。 11．つば（１３５）が圧力媒体通路（１３２）の一部にかぶさり、この圧力媒体 通路内に、つば（１３５）の方へ開放する逆止弁（１３３）が挿入されているこ とを特徴とする請求の範囲第１０項の電磁弁。