JPH09272359A

JPH09272359A - 作業用車輛の変速操作装置

Info

Publication number: JPH09272359A
Application number: JP8853796A
Authority: JP
Inventors: Masanori Ishikawa; 昌範石川; Yoshiyuki Obata; 佳之小畑; Eiji Harada; 英二原田; Kazunari Ikeda; 和成池田; Akemasa Kimura; 明正木村; Yoichi Nakasa; 陽一仲佐; Masaaki Ito; 正明伊藤
Original assignee: Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Priority date: 1996-04-10
Filing date: 1996-04-10
Publication date: 1997-10-21

Abstract

(57)【要約】【課題】原動機からの動力を走行系と動力取出系の２
系統に伝達し、走行系に静油圧駆動変速装置を備えた作
業用車輛において、低速走行域も高速走行域も兼用した
１つの操作手段で切換可能にして構造を簡素化し、変速
操作を容易にする。【解決手段】前記作業用車輛において、低速走行域は
前記静油圧駆動変速装置を使用し、高速走行域は前記動
力取出系の変速装置に切替え、前記静油圧駆動変速装置
と前記動力取出系の変速装置への切替えを、前記静油圧
駆動変速装置の変速操作手段と前記動力取出系の変速操
作手段とを兼用した１つの操作手段で切換可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】原動機からの動力を走行系と
動力取出系の２系統に伝達し、走行系に静油圧駆動変速
装置を備えた作業用車輛の変速操作装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、原動機からの動力を走行系と動力
取出系の２系統に伝達し、走行系に静油圧駆動変速装置
を備えた作業用車輛において、同じ走行系に前記静油圧
駆動変速装置とは別個に、副変速装置を備え、副変速装
置の変速操作手段で低速側と高速側を切換え、更に、前
記静油圧駆動変速装置の変速操作手段で無段変速走行を
する変速操作装置は、既に知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来知られているよう
な、同じ走行系に前記静油圧駆動変速装置とは別個に、
副変速装置を備え、副変速装置の変速操作手段で低速側
と高速側を切換え、更に、前記静油圧駆動変速装置の変
速操作手段で無段変速走行をする変速操作装置では、同
じ走行系に静油圧駆動変速装置と副変速装置との２系統
の装置を装着しなければならず、高価になるばかりでな
く、それそれ、別個の操作手段を必要とするので、変速
操作も複雑になった。

【０００４】そこで、本発明は、原動機からの動力を走
行系と動力取出系の２系統に伝達し、走行系に静油圧駆
動変速装置を備えた作業用車輛において、既に装着され
ている動力取出系の変速装置を利用し、低速走行域も高
速走行域も、兼用した１つの操作手段で操作可能にし
て、構造の簡素化と変速操作の容易化を計ることを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、原動機からの動力を走行系と
動力取出系の２系統に伝達し、走行系に静油圧駆動変速
装置（２）を備えた作業用車輛において、低速走行域は
前記静油圧駆動変速装置（２）を使用し、高速走行域は
前記動力取出系の変速装置（３）に切替え、前記静油圧
駆動変速装置（２）と前記動力取出系の変速装置（３）
への切替えを、前記静油圧駆動変速装置（２）の変速操
作手段と前記動力取出系（３）の変速操作手段とを、兼
用した１つの操作手段（６）で切換可能にして上述の課
題を解決した。

【０００６】（作用）上記構造に基づき、前記兼用した
１つの操作手段（６）で、低速走行域は前記静油圧駆動
変速装置（２）を使用して無段階に前後進走行をし、高
速走行域使用時は、前記共通の変速操作手段（６）で、
前記動力取出系の変速装置（３）に切替えると、原動機
からの走行系への動力は、前記静油圧駆動変速装置
（２）系から断たれ、前記動力取出系の変速装置（３）
に切替えられ、高速走行域で前進走行を行なう。再び、
低速走行域で使用するには、前記兼用した１つの変速操
作手段（６）で、前記静油圧駆動変速装置（２）に切替
えると、原動機からの走行系への動力は、前記動力取出
系の変速装置（３）系から断たれ、前記静油圧駆動変速
装置（２）系のみを経由して低速走行域で無段階に前後
進走行を行なうことができる。

【０００７】なお、上述カッコ内の符号は、図面と対照
するものであるが、何ら本発明の構成を限定するもので
はない。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態例について説明する。

【０００９】作業用車輛の原動機からの動力は、図１に
示すように、主クラッチ１、静油圧駆動変速装置２及び
トランスミッシヨン３を経由して走行車輪を駆動する走
行系と、主クラッチ１及びトランスミッシヨン３を経由
して動力取出しのＰＴＯ軸４を駆動する動力取出系の２
系統に伝達される。

【００１０】静油圧駆動変速装置２は、可変容量型油圧
ポンプと油圧モータを閉回路で連結してなり、油圧ポン
プ内の斜板角を制御するトラニオン軸５と連動連結する
変速レバー６の回動角によって、走行速度を低速走行域
で無段階に変速すると共に、前記変速レバー６の前傾、
後傾によって、作業用車輛を前進、後進させることがで
きる。

【００１１】トランスミッシヨン３は、図２に示すよう
に、前記静油圧駆動変速装置２の後段に位置し、静油圧
駆動変速装置２の入力軸２ａから前記静油圧駆動変速装
置２内で変速されて出力される第１出力軸２ｂと同芯の
ピニオン軸３ａ及びピニオン軸３ａと噛合するギヤ３ｂ
を経由して走行車輪を駆動する走行系と、一方、静油圧
駆動変速装置２の入力軸２ａと同軸の第２出力軸２ｃか
ら動力を受け、ＰＴＯ伝動軸３ｃ，接手及びＰＴＯ変速
歯車列３ｄを経由して前記ＰＴＯ軸４を駆動する動力取
出系の２系統の軸、歯車からなりたっている。

【００１２】また、前記ＰＴＯ伝動軸３ｃから前記ピニ
オン軸３ａに設けられた歯車を経由して下部の前輪駆動
軸３ｅをも駆動している。

【００１３】前記変速レバー６は、図１に示すように、
前記トランスミッシヨン３の上方の運転席近傍に位置
し、レバーガイド８のガイド溝８ａ，８ｂに案内され、
ほぼ垂直の中立位置を中心に前傾すると作業用車輛を前
進、後傾すると後進させると共に、その傾斜角によって
低速走行域で無段変速をする。

【００１４】一般作業時は、上記の静油圧駆動変速装置
２で得られる低速走行域の前後進無段変速の速度範囲で
充分有用であるが、路上走行時等の高速走行域は、静油
圧駆動変速装置２の速度範囲では不十分である。

【００１５】前記トランスミッシヨン３内の前記ピニオ
ン軸３ａ上に変速ギヤ１０を設け、前記ピニオン軸３ａ
のスプライン上を左右に摺動させ、左側にある時は、前
記第１出力軸２ｂとピニオン軸３ａは一体となって回転
し、低速走行域の前後進無段変速の速度範囲を分担し、
右側に摺動させ、ギヤ１１と直結した時は、前記第１出
力軸２ｂとの動力が断たれ、ＰＴＯ伝動軸３ｃのギヤ１
２からギヤ１１を介して直接ピニオン軸３ａを駆動する
ことによって前進側の一定の高速走行域が得られるよう
に構成されている。

【００１６】前記レバーガイド８は図３（ａ）に示すよ
うに、前記変速レバー６が貫通して案内されるガイド溝
８ａ，８ｂが明けられており、図の上側は前記静油圧駆
動変速装置２で得られる低速走行域のガイド溝８ａを示
し、Ｎ（中立）位置から分岐する図の下側は前記動力取
出系の変速装置３から得られる高速走行域のガイド溝８
ｂを示している。また、図の左側は前進方向を示し、右
側は後進方向を示している。

【００１７】前記レバーガイド８の下部は、図３
（ａ），（ｂ），（ｃ）に示すように、前記変速ギヤ１
０を図２の左右に摺動させるシフタ軸１３がトランスミ
ッション３のケースから外方に延出し、該シフタ軸１３
上に外から、シフタ軸１３と一体に回動し、上部に変速
レバー６と係合する切欠き１５ａを有するボスブラケッ
ト１５、シフタ軸１３に遊嵌する変速レバー６のボス６
ａ及びシフタ軸１３に遊嵌し、上部に変速レバー６と係
合する切欠き１７ａを有するボスブラケット１７の順に
配設されている。なお、変速レバー６の支持部には、図
３（ｃ）に示すように、捩りバネ１８が設けられ、常に
変速レバー６がレバーガイド８の幅の中心線に向かい、
前記ガイド溝８ａ，８ｂの内側に沿って案内されるよう
に付勢されている。

【００１８】前記レバーガイド８の下面中央部には、取
付板２０が固着され、該取付板２０にはスプリング２１
ａの付勢力に抗して前後に移動可能な牽制装置２１が支
持されている。前記牽制装置２１の後端２１ｂは図３
（ａ）に示すように、常に前記ガイド溝８ａ，８ｂのＮ
（中立）位置に臨み、変速レバー６がガイド溝８ａとガ
イド溝８ｂの間を移動することを妨げている。

【００１９】前記ボスブラケット１７の下部は、連結リ
ンク２２，レバー２３を介して前記トラニオン軸５と連
動連結し、変速レバー６をガイド溝８ａ側に倒して前後
に移動すると前記ボスブラケット１７の切欠き１７ａと
係合して、静油圧駆動変速装置２を通じ、作業用車輛を
低速走行域で前後に無段変速走行させることができる。

【００２０】一方、前記牽制装置２１の先端は、連結リ
ンク２４、レバー２５を介して前記主クラッチ１のクラ
ッチシフタ軸２７と連動連結し、該クラッチシフタ軸２
７はクラッチペダル２８に直結しているので、クラッチ
ペダル２８を踏むと、主クラッチ１の接続が断たれ、同
時に前記牽制装置２１の後端２１ｂは、スプリング２１
ａの付勢力に抗して前方に移動し、牽制作用を解除さ
れ、変速レバー６をガイド溝８ｂ側に倒すことが可能と
なり、ボスブラケット１５の切欠き１５ａと係合して前
記動力取出系の変速装置を通じ、作業用車輛を高速走行
域で前進させることができる。

【００２１】高速走行域から低速走行域に切換える時
も、上述と同様に、クラッチペダル２８を踏むことによ
り、前記牽制装置２１を解除し、変速レバー６をガイド
溝８ｂ側からガイド溝８ａ側に移動することにより作業
用車輛を低速走行域で前後に無段変速走行させることが
できる。

【００２２】更に、図４に示すように、前記牽制装置２
１を使用することにより、低速走行域中の最高速度位置
から前記動力取出系の変速装置を通じ、作業用車輛を高
速走行域へ切換えも可能である。

【００２３】次に本発明の実施の形態例の作用について
説明する。

【００２４】上記構造に基づき、作業用車輛で一般作業
時は、変速レバー６をガイド溝８ａ内で前後に倒すこと
により、連結リンク２２，レバー２３を介して前記静油
圧駆動変速装置２のトラニオン軸５を回動させ、静油圧
駆動変速装置２を通じ、作業用車輛を低速走行域で前後
に無段変速走行させることができる。

【００２５】一方、路上走行時は、クラッチペダル２８
を踏むことにより、前記牽制装置２１を解除し、変速レ
バー６をガイド溝８ａ側からガイド溝８ｂ側に移動し、
前記動力取出系の変速装置を通じ、高速走行域へ切換
え、作業用車輛を高速で前進させることができる。

【００２６】

【発明の効果】本発明は、原動機からの動力を走行系と
動力取出系の２系統に伝達し、走行系に静油圧駆動変速
装置を備えた作業用車輛において、低速走行域は前記静
油圧駆動変速装置を使用し、高速走行域は前記動力取出
系の変速装置に切替え、前記静油圧駆動変速装置と前記
動力取出系の変速装置への切替えを、前記静油圧駆動変
速装置の変速操作手段と前記動力取出系の変速操作手段
とを兼用した１つの操作手段で切換可能にしたので、構
造が簡素化され、変速操作が容易となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の形態の伝動装置の側面図である。

【図２】トランスミッションの断面図である。

【図３】本発明の形態の変速レバーを示し、（ａ）はレ
バーガイドの平面図、（ｂ）は変速レバーの後面図、
（ｃ）は変速レバーの側面図である。

【図４】本発明の別案の形態の変速レバーを示す図であ
る。

【符号の説明】

２静油圧駆動変速装置３トランスミッション５トラニオン軸６変速レバー８レバーガイド１０変速ギヤ１５ボスブラケット１７ボスブラケット２１牽制装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者原田英二島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地１三菱農機株式会社内 (72)発明者池田和成島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地１三菱農機株式会社内 (72)発明者木村明正島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地１三菱農機株式会社内 (72)発明者仲佐陽一島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地１三菱農機株式会社内 (72)発明者伊藤正明島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地１三菱農機株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】原動機からの動力を走行系と動力取出系
の２系統に伝達し、走行系に静油圧駆動変速装置を備え
た作業用車輛において、低速走行域は前記静油圧駆動変速装置を使用し、高速走行域は前記動力取出系の変速装置に切替え、前記静油圧駆動変速装置と前記動力取出系の変速装置へ
の切替えを、前記静油圧駆動変速装置の変速操作手段と前記動力取出
系の変速操作手段とを兼用した１つの操作手段で切替可
能にした、ことを特徴とする作業用車輛の変速操作装置。