JPH09222504A - 反射防止フイルム - Google Patents

反射防止フイルム

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JPH09222504A
JPH09222504A JP8052600A JP5260096A JPH09222504A JP H09222504 A JPH09222504 A JP H09222504A JP 8052600 A JP8052600 A JP 8052600A JP 5260096 A JP5260096 A JP 5260096A JP H09222504 A JPH09222504 A JP H09222504A
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JP
Japan
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refractive index
film
hard coat
antireflection film
layer
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Application number
JP8052600A
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English (en)
Inventor
Yurie Oota
友里恵 太田
Norinaga Nakamura
典永 中村
Mitsuru Tsuchiya
充 土屋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射防止フイルムにおいて、その最表層の低
屈折率層がハードコート層に対して優れた密着性を有す
る反射防止フイルムを提供すること。 【解決手段】 透明基材フイルム上に、高屈折率を有す
るハードコート層及び低屈折率層を積層してなる反射防
止フイルムにおいて、上記高屈折率層が、液媒体中にチ
タン又はタンタルの酸化物ゾルと反応性有機珪素化合物
とを含むゾル液から形成されたゲル膜からなることを特
徴とする反射防止フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワープロ、コンピ
ュータ、テレビ、プラズマディスプレイパネル等の各種
ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透
明プラスチック類からなるサングラスレンズ、度付メガ
ネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等の光学レン
ズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラス等の
表面の反射防止に優れた反射防止フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カーブミラー、バックミラー、ゴ
ーグル、窓ガラス、パソコン、ワープロ、プラズマディ
スプレイ等のディスプレイ、その他種々の商業ディスプ
レイ等には、ガラスやプラスチック等の透明基板が用い
られており、これらの透明基板を通して物体や文字、図
形等の視覚情報を観察する場合、或いはミラーでは透明
基板を通して反射層からの像を観察する場合に、これら
の透明基板の表面が外光で反射して内部の視覚情報が見
えにくいという問題があった。
【0003】このような透明基板の反射を防止する方法
としては、従来、ガラスやプラスチックの表面に反射防
止塗料を塗布する方法、ガラス・プラスチック基材等の
透明基板の表面に、必要に応じてハードコート層を介し
て膜厚0.1μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を蒸
着やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法によ
り形成する方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラス
チックレンズ等のプラスチック製品の表面に電離放射線
硬化型樹脂を塗工してハードコート層とし、得られたハ
ードコート層上に膜厚0.1μm程度のMgF2やSi
2等の薄膜を蒸着によって形成して反射防止フイルム
を形成する方法では、ハードコート層に対するMgF2
やSiO2等の蒸着薄膜の密着性が不十分であり、反射
防止フイルムを繰り返し屈曲させると、これらの薄膜に
クラックが入ったり、薄膜が剥離したりする等の問題が
ある。
【0005】近年、塗布法によって優れた品質の薄膜を
得る方法として、無機又は有機超微粒子を酸性及び又は
アルカリ水溶液中に分散した分散液を、基板上に塗布
し、焼成する方法が提案されている。この製造方法によ
ると、大量生産や設備コスト面では有利であるが、製造
工程中に高温での焼成過程を必要とするため、プラスチ
ック基材には成膜が不可能なこと、又、基板と塗布膜と
の収縮度の違い等により皮膜の均一性が十分でなく、気
相法により得られる薄膜に比較した場合に、基材に対す
る密着性等において依然として性能が劣り、又、熱処理
に長時間(例えば、数十分間以上)を要し、生産性に劣
ると云う欠点を有する。従って、本発明の目的は、反射
防止フイルムにおいて、その最表層の低屈折率層がハー
ドコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイ
ルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、透明基材フイル
ム上に、高屈折率を有するハードコート層及び低屈折率
層を積層してなる反射防止フイルムにおいて、上記高屈
折率層が、液媒体中にチタン又はタンタルの酸化物ゾル
と反応性有機珪素化合物とを含むゾル液から形成された
屈折率1.65以上のゲル膜からなることを特徴とする
反射防止フイルムである。本発明によれば、反射防止フ
イルムの高屈折率ハードコート層を、液媒体中にチタン
又はタンタルの酸化物ゾルと反応性有機珪素化合物とを
含むゾル液から屈折率1.65以上のゲル膜として形成
することによって、低屈折率層が高屈折ハードコート層
に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを、高
価で複雑な設備等を使用することなく経済的に提供する
ことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に実施の形態を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。図1は、本発明の反射防止フイル
ムの1例の断面を図解的に示す図である。この例の反射
防止フイルムは、透明基材フイルム1上に、高屈折率を
有するハードコート層2と低屈折率層3を積層した例で
あり、図中の符号4は必要に応じて積層される接着層又
はプライマー層である。図2に示す例は、上記図1に示
す例における高屈折率を有するハードコート層2を、ハ
ードコート層5とその上に形成した高屈折率層6とに機
能分離した例である。図3に示す例は、上記図1に示す
例において、表面に微細凹凸形状を設け、反射防止フイ
ルムに防眩性を付与した例である。
【0008】本発明において、上記透明基材フイルムと
しては、透明性のあるフイルムであればいずれのフイル
ムでもよく、例えば、トリアセチルセルロースフイル
ム、ジアセチルセルロースフイルム、アセテートブチレ
ートセルロースフイルム、ポリエーテルサルホンフイル
ム、ポリアクリル系樹脂フイルム、ポリウレタン系樹脂
フイルム、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフ
イルム、ポリスルホンフイルム、ポリエーテルフイル
ム、トリメチルペンテンフイルム、ポリエーテルケトン
フイルム、(メタ)アクリロニトリルフイルム等が使用
できるが、一軸又は二軸延伸ポリエステルが透明性及び
耐熱性に優れ、光学的に異方性が無い点で好適に用いら
れる。その厚みは、通常は8μm〜1000μm程度の
ものが好適に用いられる。
【0009】図1の例において、上記透明基材フイルム
の面に形成する高屈折率を有するハードコート層は、液
媒体中にチタン又はタンタルの酸化物ゾルと反応性有機
珪素化合物とを含むゾル液、又は該ゾル液とハードコー
ト層を形成し得る熱硬化性樹脂や電離放射線硬化型樹脂
との混合物から形成された屈折率1.65以上のゲル膜
である。上記のチタン又はタンタルの金属酸化物ゾル
は、それらの金属アルコキシドを加水分解することによ
って形成することが好ましい。ここで使用する金属アル
コキシドは、R mTi(OR´)n(Rは炭素数1〜10
のアルキル基を表し、R’は炭素数1〜10のアルキル
基を表し、m+nは4の整数である)又はR mTa(O
R´)n(Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、
R’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは5
の整数である)で表される金属アルコキシドである。更
に具体的には、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ
−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシ
ド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−s
ec−ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシ
ド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタ−i−
プロポキシド、タンタルペンタ−n−プロポキシド、タ
ンタルペンタ−n−ブトキシド、タンタルペンタ−se
c−ブトキシド、タンタルペンタ−tert−ブトキシ
ド等が挙げられる。
【0010】上記金属アルコキシドの加水分解は、上記
金属アルコキシドを適当な溶媒中に溶解して行う。使用
する溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、イソ
プロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチル
イソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルコ
ール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、或いはこれらの混
合物が挙げられる。上記アルコキシドは上記溶媒中に、
該アルコキシドが100%加水分解及び縮合したとして
生じる金属酸化物換算で0.1重量%以上、好ましくは
0.1〜10重量%になるように溶解する。金属酸化物
ゾルの濃度が0.1重量%未満であると形成される機能
膜が所望の特性が充分に発揮できず、一方、10重量%
を越えると透明均質膜の形成が困難となる。又、上記範
囲内において、金属酸化物ゲル濃度を変化させることに
よって、ゲル濃度に比例して、得られるゲル膜の屈折率
を調整することができる。又、本発明においては、以上
の固形分以内であるならば、有機物や無機物バインダー
を併用することも可能である。
【0011】上記アルコキシド溶液に加水分解に必要な
量以上の水を加え、15〜35℃、好ましくは22〜2
8℃の温度で、0.5〜10時間、好ましくは1〜5時
間撹拌を行う。該加水分解においては、触媒を用いるこ
とが好ましく、これらの触媒としては、塩酸、硝酸、硫
酸、ギ酸、酢酸等の酸が好ましく、これらの酸を約0.
1〜20.0N、好ましくは0.5〜7.0N程度の水
溶液として加え、該水溶液中の水分を加水分解用の水分
とすることができる。加水分解に際して上記範囲におい
て触媒の濃度を変化させることによって、触媒の濃度に
比例して、得られるゲル膜の屈折率を調整することがで
きる。以上の如くして得られた金属酸化物ゾルは、無色
透明な液体であり、ポットライフが約1ケ月の安定な溶
液であり、基材に対して濡れ性が良く、塗布適性に優れ
ている。
【0012】更に最終的に得られるゲル膜の屈折率を調
整する必要がある場合、例えば、屈折率を下げるために
フッ素系有機珪素化合物、有機珪素化合物、硼素系有機
化合物等を添加することができる。具体的には、テトラ
エトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポ
キシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリアル
コキシシラン、コルコート40(コルコート社製)、M
S51(三菱化学製)、スノーテックス(日産化学製)
等の有機珪素化合物、ザフロンFC−110,220,
250(東亜合成化学製)、セクラルコートA−402
B(セントラル硝子製)、ヘプタデカフルオロデシルト
リメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメト
キシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン
等のフッ素化合物、硼酸トリエチル、硼酸トリメチル、
硼酸トリプロピル、硼酸トリブチル等の硼素系化合物が
挙げられる。これらの添加剤はゾルの調製時に加えても
よいし、ゾルの形成後に加えてもよい。
【0013】屈折率を上げるためには、加える触媒の濃
度、水の量或いは固形分濃度を変化させる必要があり、
これらの各因子を上げると屈折率が高くなる。これらの
添加剤を用いることによって、金属アルコキシドの加水
分解時、或いはその後にゲルの水酸基と反応して更に均
一で透明なゾル溶液が得られ、且つ形成されるゲル膜の
屈折率をある程度の範囲で変化させることができる。
【0014】本発明においては、上記のチタン又はタン
タルの酸化物ゾルに反応性有機珪素化合物又はその部分
加水分解物を添加する。該反応性有機珪素化合物として
は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n
−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テ
トラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブ
トキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペ
ンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−
プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラ
ン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペ
ンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポ
キシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエ
トキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロ
ポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメト
キシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメ
トキシシラン等が挙げられる。
【0015】更に好ましい反応性有機珪素化合物として
は、熱又は電離放射線によって反応架橋する複数の基、
例えば、重合性二重結合基を有する分子量5000以下
の有機珪素化合物が好ましい材料として挙げられる。こ
のような反応性有機珪素化合物は、片末端ビニル官能性
ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビ
ニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能ポリシロキ
サン、或いはこれらの化合物を反応させたビニル官能ポ
リシラン、又はビニル官能ポリシロキサン等が挙げられ
る。具体的な化合物を例示すれば下記の通りである。
【0016】 CH2=CH−(R12Si)n−CH=CH2 (A)
【0017】その他の化合物しては、3−(メタ)アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メ
タ)アクリロキシシラン化合物が挙げられる。以上の如
き反応性有機珪素化合物は、前記チタン又はタンタルの
酸化物ゾル(固形分)100重量部当り約0.1〜50
重量部の割合で使用することが好ましい。
【0018】上記の反応性有機珪素化合物を含むチタン
又はタンタルの酸化物ゾル溶液を用いて高屈折率層を形
成する方法は、該チタン又はタンタルの酸化物ゾル溶液
を、前記透明基材フイルムの表面に対し、塗布法を用い
て塗布し、その後塗布物を活性エネルギー線照射処理す
るか或いは熱処理することにより、チタン又はタンタル
の酸化物ゾル膜を形成することができ、その上に形成す
る低屈折率層との密着性は著しく改善される。前記チタ
ン又はタンタルの酸化物ゾル溶液の透明基材フイルムへ
の塗布方法としては、スピンコート法、ディップ法、ス
プレー法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、
フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法
等が挙げられる。
【0019】上記ゾル溶液の塗布後に行う塗布層の熱処
理は、前記透明基材フイルムの熱変形温度以下の温度で
行う。例えば、透明基材フイルムがポリエチレンテレフ
タレートフイルム(PET)である場合には、約80〜
150℃の温度で約1分〜1時間熱処理を行ってチタン
又はタンタルの酸化物ゲル膜を形成することができる。
このような熱処理条件は、使用する透明基材フイルムの
種類及び厚みによって異なるので、使用する透明基材フ
イルムの種類に応じて決定すればよい。
【0020】ゾル溶液の塗布後の硬化に使用する活性エ
ネルギー線としては、電子線又は紫外線が挙げられ、特
に電子線が好ましい。例えば、電子線硬化の場合にはコ
ックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、
絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波
型等の各種電子線加速機から放出される50〜1,00
0KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギ
ーを有する電子線が使用され、紫外線硬化の場合には超
高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源か
ら発する紫外線等が利用される。活性エネルギー線の総
照射量として、活性エネルギー線が電子線である場合に
0.5Mrad以上、好ましくは0.5〜50Mrad
の範囲である。
【0021】電子線照射は、空気を酸素で置換しなが
ら、或いは十分な酸素雰囲気中で行うことが好ましく、
酸素雰囲気中で行うことによりチタン又はタンタルの酸
化物ゾルの生成、重合・縮合が促進され、より均質且つ
高品質のゲル層を形成することができる。上記熱処理
は、空気を酸素で置換しながら、或いは十分な酸素雰囲
気中で行うことが好ましく、酸素雰囲気中で行うことに
よりチタン又はタンタルの酸化物ゲルの生成、重合・縮
合が促進され、より均質且つ高品質のゲル層を形成する
ことができる。
【0022】又、上記ゾル液と併用して高屈折率ハード
コート層を形成することができる熱硬化性樹脂や電離放
射線硬化型樹脂は、前記透明基材フイルムが熱可塑性樹
脂からなるので、硬化時に高温を必要としない電離放射
線硬化型樹脂を使用することが好ましい。尚、本明細書
において、「ハードコート層」或いは「ハード性を有す
る」とは、JIS K5400で示される鉛筆硬度試験
でH以上の硬度を示すものをいう。又、本発明において
「高屈折率」及び「低屈折率」とは、互いに隣接する層
同士の相対的な屈折率の高低をいう。
【0023】ハードコート層を形成するのに好適な電離
放射線硬化性樹脂としては、好ましくはアクリレート系
の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリ
エステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセ
タール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエ
ン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)ア
クリレート等のオリゴマー又はプレポリマー、及び反応
性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレ
ン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに
多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較
的多量に含有するものが使用できる。
【0024】更に本発明では、ハードコート層を形成す
る硬化性樹脂として、前記の分子量5000以下の反応
性有機珪素化合物を単独で又は上記の硬化性樹脂と混合
して使用することができる。該有機珪素化合物をハード
コート形成材料の少なくとも一部として使用することに
よって、ハードコート層と低屈折率層との密着性を著し
く向上させることができる。更に、上記の電離放射線硬
化型樹脂を紫外線硬化型樹脂とするには、この中に光重
合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン
類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシ
ムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリーn−ブチルホスフィン等
を混合して用いることができる。
【0025】ハードコート層を、上記の電離放射線硬化
性樹脂単独で形成する場合、硬化時に架橋密度が高くな
りすぎると、可撓性が低下し、得られる反射防止フイル
ムの屈曲時にハードコート層にクラック等が入り易くな
る場合がある。この場合にはハードコート層形成用組成
物に、非反応性の熱可塑性樹脂を組成物全体中で約50
重量%を占めるまでの量で混合することが好ましい。非
反応性樹脂の添加量が多すぎるとハードコート性が不十
分になる場合がある。
【0026】非反応性樹脂としては主として熱可塑性樹
脂が用いられる。特に、電離放射線硬化型樹脂にポリエ
ステルアクリレートとポリウレタンアクリレートの混合
物を使用した場合には、使用する熱可塑性樹脂にはポリ
メタクリル酸メチルアクリレート又はポリメタクリル酸
ブチルアクリレートが塗膜の硬度を高く保つことができ
る。しかも、この場合、主たる電離放射線硬化型樹脂と
の屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透明性、
特に、低ヘイズ値、高透過率、又、相溶性の点において
有利である。
【0027】以上の成分からなるハードコート層の屈折
率は通常1.49〜1.51程度であるが、ハードコー
ト層の屈折率を更に向上させるために、ハードコート層
形成用樹脂組成物中に、高屈折率の金属や金属酸化物の
超微粒子を添加することができる。ハードコート層の好
ましい屈折率は1.50〜2.10である。反射防止効
果は、光緩衝膜の屈折率と膜厚とにより決定される為、
両パラメーターを調整することにより、反射防止効果を
高めることができる。前記高屈折率を有する材料として
は、例えば、ZnO(屈折率1.90)、TiO2(屈
折率2.3〜2.7)、CeO2(屈折率1.95)、
Sb25(屈折率1.71)、SnO2、ITO(屈折
率1.95)、Y23(屈折率1.87)、La2
3(屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)、A
23(屈折率1.63)等の微粉末が挙げられる。
【0028】又、ハードコート層の屈折率を更に向上さ
せるために、ハードコート層形成用樹脂組成物中に、高
屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂を用いてもよい。
前記屈折率を向上させる成分の分子及び原子としては、
芳香族環、F以外のハロゲン原子、S、N、Pの原子等
が挙げられる。以上の成分からなるハードコート層は、
以上の成分を適当な溶剤に溶解又は分散させて塗工液と
し、この塗工液を前記基材フイルムに直接塗布して硬化
させるか、或いは離型フイルムに塗布して硬化させた
後、適当な接着剤を用いて前記透明基材フイルムに転写
させて形成することもできる。ハードコート層の厚みは
通常約3〜10μm程度が好ましい。
【0029】上記ハードコート層の硬化には、通常の電
離放射線硬化型樹脂の硬化方法、即ち、電子線又は紫外
線の照射によって硬化する方法を用いることができる。
例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン
型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、
直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加
速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは
100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が
使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水
銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、
メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利
用できる。
【0030】次に上記高屈折率ハードコート層の面に、
低屈折率層を形成することにより本発明の反射防止フイ
ルムが得られる。低屈折率層としては、膜厚0.08〜
0.2μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を蒸着やス
パッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成
する方法、或いは前記の有機珪素化合物を液媒体中で加
水分解して得られるSiO2ゾルを含むゾル液から屈折
率1.44以下のSiO2ゲル膜を形成する方法等が挙
げられるが、特に上記SiO2ゾル中に前記の分子量5
000以下の反応性有機珪素化合物を添加したゾル液か
ら屈折率層を形成することによって、形成される低屈折
率層とハードコート層との密着性が一層向上する。
【0031】図2に示す例は、図1に示す例における高
屈折率を有するハードコート層をハードコート層5と高
屈折率層6に機能分離した例であり、この例において使
用する材料、各層を形成する方法等は図1に示す例の場
合と同様である。図2に示す反射防止フイルムは、図1
に示す反射防止フイルムに比較して、可視光領域での最
低反射率が低く、反射防止効率が大きい。
【0032】図3に示す例は、反射防止フイルムの表面
に微細凹凸形状7を設けて反射防止フイルムに防眩性を
付与したものである。微細凹凸形状の形成は、従来公知
のいずれの方法でもよいが、例えば、好ましい方法とし
て、高屈折率ハードコート層を転写法で形成する場合
に、転写材の基材フイルムとして表面に微細凹凸形状を
有するマットフイルムを用い、該フイルム上に高屈折率
ハードコート層用塗工液を塗布及び硬化させ、その後該
ハードコート層を、必要に応じて接着剤等を介して前記
透明基材フイルム面に転写させ、微細凹凸形状を高屈折
率ハードコート層の表面に付与する方法が挙げられる。
その他の方法としては、前記基材フイルム面に高屈折率
ハードコート層用塗工液を塗布及び乾燥させ、その状態
で前記の如きマットフイルムをその樹脂層の面に圧着さ
せ、その状態で樹脂層を硬化させ、次いでマットフイル
ムを剥離し、マットフイルムの微細凹凸形状を高屈折率
ハードコート層の表面に転写させる方法が挙げられる。
いずれにしても、このような微細凹凸形状を有する高屈
折率層の表面に形成する低屈折率層は薄膜であるので、
低屈折率層の表面には上記の微細凹凸形状7が現れる。
【0033】本発明の反射防止フイルムは、以上説明し
た各層の他に、各種機能を付与するための層を更に設け
ることができる。例えば、透明基材フイルムと高屈折率
ハードコート層(高屈折率層)との密着性を向上させる
ために接着剤層やプライマー層を設けたり、又、ハード
性能を向上させるためにハードコート層を複数層とする
ことができる。上記のように透明基材フイルムとハード
コート層との中間に設けられるその他の層の屈折率は、
透明基材フイルムの屈折率とハードコート層の屈折率の
中間の値とすることが好ましい。
【0034】上記他の層の形成方法は、上記のように透
明基材フイルム上に、所望の塗工液を直接又は間接的に
塗布して形成してもよく、又、透明基材フイルム上にハ
ードコート層を転写により形成する場合には、予め離型
フイルム上に形成したハードコート層上に他の層を形成
する塗工液を塗布して形成し、その後、透明基材フイル
ムと離型フイルムとを、離型フイルムの塗布面を内側に
してラミネートし、次いで離型フイルムを剥離すること
により、透明基材フイルムに他の層を転写してもよい。
又、本発明の反射防止フイルムの下面には、粘着剤が塗
布されていてもよく、この反射防止フイルムは反射防止
すべき対象物、例えば、偏光素子に貼着して用いること
ができる。
【0035】以上の如くして得られる本発明の反射防止
フイルムは、ワープロ、コンピュータ、テレビ、プラズ
マディスプレイパネル等の各種ディスプレイ、液晶表示
装置に用いる偏光板の表面、透明プラスチック類からな
るサングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファ
インダーレンズ等の光学レンズ、各種計器のカバー、自
動車、電車等の窓ガラス等の表面の反射防止に有用であ
る。
【0036】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 実施例1 テトラブトキシチタン(Ti(OR4))が理想的にT
iO2に加水分解及び縮合したと仮定した時の固形分濃
度が3重量%となるように、テトラブトキシチタンを溶
媒であるエチルセロソルブに溶解し、液温が25℃に安
定するまで30分間撹拌した(A液)。A液中に、触媒
である濃度3Nの塩酸をテトラブトキシチタンのアルコ
キシド基に対して2.5倍モル量加え、25℃で3時間
加水分解を行い、TiO2ゾル溶液を得た(B液)。
【0037】上記B液中に分子量5000以下のビニル
基含有シラン(X−12−2400:商品名、信越化学
工業製)を、B液100重量部(固形分3%)に対して
5重量部の割合で添加し、高屈折率層用塗布液(屈折率
1.9)を得た。表面が平滑なPETフイルム(T−6
0:商品名、ダイヤホイル株式会社製、厚さ50μm)
上に、電離放射線硬化型フォスファゼン変性アクリレー
ト(PPZ−N−2000:商品名、大阪共栄社化学
製)と上記高屈折率層用塗布液とを重量比2:1に配合
した液状樹脂組成物を7μm/dryになるようにグラ
ビアリバースコートにより塗工し、電子線を加速電圧1
75kVで5Mrad照射した後、120℃で1時間熱
処理して硬化させ、高屈折率ハードコート層(屈折率
1.75)を形成した。
【0038】この高屈折率ハードコート層上に2液硬化
型接着剤(LX660(主剤)、KW75(硬化剤):
商品名、大日本インキ化学工業製)をグラビアリバース
コートにより塗工して接着剤層を形成した。次いで、こ
の接着剤層を介してPETフイルム(A−4300:商
品名、東洋紡製、厚さ100μm)をラミネートし、4
0℃で4日間エージングした後、上記PETフイルム
(T−60)を剥離して、高屈折率ハードコート層をP
ETフイルム(A−4300)上に転写させた。
【0039】得られたPETフイルム(A−4300)
上の高屈折率ハードコート層上に、更にSiOxをプラ
ズマCVD法にて蒸着して、膜厚100nmのSiOx
層(屈折率1.46)を形成して本発明の反射防止フイ
ルムを得た。得られた反射防止フイルムの全光線透過率
は94.0%、ヘイズ値0.5、可視光線の波長領域で
の最低反射率は0.4であり、反射防止性に優れてい
た。又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハードコート
性能にも優れていた。更に高屈折率ハードコート層と低
屈折率層との密着性は、碁盤目テープ剥離試験で100
/100であり、密着性にも優れていた。
【0040】実施例2 メチルトリエトキシシラン(MTEOS)が理想的にS
iO2又はMeSiO1.5に加水分解及び縮合したと仮定
した時の固形分濃度が3重量%となるように、MTEO
Sを溶媒であるメチルエチルケトンに溶解し、液温が2
5℃に安定するまで30分間撹拌した。この溶液中に、
触媒である濃度0.005Nの塩酸をMTEOSのアル
コキシド基と等モル量加え、25℃で3時間加水分解を
行った。この溶液に更に硬化剤として酢酸ナトリウムと
酢酸とを混合したものを加え、25℃で1時間撹拌しS
iO2ゾル溶液を得た。上記溶液中に分子量5000以
下のビニル基含有シラン(X−12−2400:商品
名)を、SiO2ゾル液100重量部(固形分3%)に
対して10重量部の割合で添加し、低屈折率層用塗布液
を得た。
【0041】表面に微細な凹凸が形成されているマット
PETフイルム(ルミラーE−06、:商品名、東レ
製、厚さ50μm)上に電離放射線硬化型フォスファゼ
ン変性アクリレート(PPZ−N−2000:商品名)
と実施例1と同じ高屈折率層用塗布液とを重量比2:1
に配合した液状樹脂組成物を7μm/dryになるよう
にグラビアリバースコートにより塗工し、電子線を加速
電圧175kVで5Mrad照射した後、120℃で1
時間熱処理して硬化させ、高屈折率防眩性ハードコート
層を形成した(屈折率1.65)。次いでこの高屈折率
ハードコート層上に2液硬化型接着剤(LX660(主
剤)、KW75(硬化剤):商品名)をグラビアリバー
スコートにより塗工して接着剤層を形成した。次いで、
この接着剤層を介してPETフイルム(A−4300)
をラミネートし、40℃で4日間エージングした後、上
記PETフイルム(ルミラーE−06)を剥離して、高
屈折率防眩性ハードコート層をPETフイルム(A−4
300)上に転写させた。この高屈折率防眩層の表面
は、前記PETフイルム(ルミラーE−06)の表面形
状と同じ微細な凹凸形状となっている。
【0042】得られたPETフイルム(A−4300)
上の高屈折率ハードコート層上に、前記の低屈折率層用
塗布液(屈折率1.42)を、乾燥後の膜厚が0.1μ
mになるように塗工し、120℃で1時間の熱処理を行
い、本発明の防眩性反射防止フイルムを得た。得られた
反射防止フイルムの全光線透過率は92.5%、ヘイズ
値1.0であり、反射防止性及び防眩性に優れていた。
又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハードコート性能
にも優れていた。更に高屈折率ハードコート層と低屈折
率層との密着性は、碁盤目テープ剥離試験で100/1
00であり、密着性にも優れていた。
【0043】実施例3 透明基材フイルムとして厚さ50μmのPETフイルム
(ルミラーT−60:商品名)を用意した。一方、実施
例1の高屈折率層用塗布液(屈折率1.9)と電離放射
線硬化型樹脂とを該塗布液中のチタン酸化物ゾル15重
量部に対して電離放射線硬化型樹脂1重量部になるよう
に配合した。この液状樹脂組成物を、前記PETフイル
ム上に乾燥後の膜厚0.1μm/dryになるようにグ
ラビアリバースコートにより塗工し、120℃で1時間
熱処理を行い、高屈折率層(屈折率1.9)を形成し
た。この高屈折率層上にハードコート樹脂(PPZ−N
−2000:商品名)を7μm/dryになるようにグ
ラビアリバースコートにより塗工し、電子線を加速電圧
175kVで5Mrad照射して塗膜を硬化させ、ハー
ドコート層を形成した(屈折率1.55)。
【0044】この高屈折率ハードコート層上に2液型硬
化型接着剤(LX660(主剤)、KW75(硬化
剤):商品名)をグラビアリバースコートにより塗工し
て接着剤層を形成した。次いで、この接着剤層を介して
PETフイルム(A−4300:商品名)をラミネート
し、40℃で4日間エージングした後、上記PETフイ
ルム(T−60)を剥離して、高屈折率防眩性ハードコ
ート層をPETフイルム(A−4300)上に転写させ
た。
【0045】得られたPETフイルム(A−4300)
上の高屈折率ハードコート層上に、更にプラズマCVD
法にてSiOxを蒸着して、膜厚0.1μmのSiOx層
(屈折率1.46)を形成して本発明の反射防止フイル
ムを得た。得られた反射防止フイルムの全光線透過率は
94.0%、ヘイズ値0.5であり、反射防止性及び防
眩性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであ
り、ハードコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハ
ードコート層と低屈折率層との密着性は、碁盤目テープ
剥離試験で100/100であり、密着性にも優れてい
た。
【0046】実施例4 前記実施例3において、PETフイルム(A−430
0)上に形成されている高屈折率のハードコート層(屈
折率1.9)上に、前記実施例2の低屈折率層用塗工液
(屈折率1.42)を、乾燥後の膜厚が0.1μmにな
る用に塗工し、120℃で1時間の熱処理を行い、本発
明の反射防止フイルムを得た。得られた反射防止フイル
ムの全光線透過率は94.5%、ヘイズ値0.4であ
り、可視光線の波長領域での最低反射率は0.2であ
り、反射防止性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は
3Hであり、ハードコート性能にも優れていた。更に高
屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は碁盤目
テープ剥離試験で100/100であり、密着性にも優
れていた。
【0047】実施例5 表面が平滑なPETフイルム(A−4300:商品名)
上に、前記高屈折率層用塗布液とハードコート樹脂(P
PZ−N−2000:商品名)とを重量比2:1に配合
した液状樹脂組成物を7μm/dryになるようにグラ
ビアリバースコートにより塗工し、溶媒を乾燥除去し
た。次いでこの高屈折率ハードコート層を介して表面に
微細な凹凸が形成されているマットPETフイルム(ル
ミラーE−06:商品名、厚さ50μm)をラミネート
し、電子線を加速電圧175kVで5Mrad照射して
塗膜を硬化させ、上記PETフイルム(ルミラーE−0
6)を剥離して、高屈折率防眩性ハードコート層を形成
した。このPETフイルム(A−4300)上の高屈折
率防眩性ハードコート層の表面は、前記PETフイルム
(ルミラーE−06)の表面形状と同じ微細な凹凸形状
となっている。
【0048】得られたPETフイルム(A−4300)
上の高屈折率ハードコート層上に、更にプラズマCVD
法にてSiOxを蒸着して、膜厚0.1μmのSiOx層
(屈折率1.46)を形成して本発明の反射防止フイル
ムを得た。得られた反射防止フイルムの全光線透過率は
92.5%、ヘイズ値1.0であり、反射防止性及び防
眩性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであ
り、ハードコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハ
ードコート層と低屈折率層との密着性は、碁盤目テープ
剥離試験で100/100であり、密着性にも優れてい
た。
【0049】実施例6 前記実施例4の防眩性高屈折率ハードコート層上に前記
実施例2の低屈折率層塗工液(屈折率1.42)を乾燥
後の膜厚が0.1μmになるように塗工し、120℃で
1時間の熱処理を行い、本発明の反射防止フイルムを得
た。得られた反射防止フイルムの全光線透過率は93.
5%、ヘイズ値1.0であり、反射防止性及び防眩性に
優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハー
ドコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハードコー
ト層と低屈折率層との密着性は、碁盤目テープ剥離試験
で100/100であり、密着性にも優れていた。
【0050】実施例7 ペンタエトキシタンタル(PEOT)が理想的にTa2
5に加水分解及び縮合したと仮定した時の固形分濃度
が3重量%となるように、溶媒であるイソプロピルアル
コール(IPA)に溶解し、液温が25℃に安定するま
で30分間撹拌した。上記溶液中に、触媒である濃度1
Nの塩酸を溶解した水をPEOT1モル対して5モル加
え、室温で3時間加水分解を行ってゾル液を得た。この
ゾル液に分子量5000以下のビニル基含有シラン(X
−12−2400:商品名)を、ゾル液固形分100重
量部に対して5重量部の割合で添加し、高屈折率層用塗
布液(屈折率1.9)を得た。この高屈折率層用塗布液
を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の反射防
止フイルムを得た。この反射防止フイルムは実施例1の
場合と同様に優れた全光線透過率、ヘイズ値、反射防止
性、表面鉛筆硬度及び高屈折率ハードコート層と低屈折
率層との密着性を有していた。
【0051】比較例1 前記実施例1の反射防止フイルムにおいて、反応性珪素
有機化合物(X−12−2400)を添加しないTiO
2ゾル溶液を用いて屈折率層を形成した以外は、実施例
1と同様にして反射防止フイルムを作製した。この反射
防止フイルムの全光線透過率は94.5%、ヘイズ値
0.5であり、反射防止性は前記実施例1と同様である
が、高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は
碁盤目テープ剥離試験で80/100であった。
【0052】比較例2 前記実施例1の反射防止フイルムにおいて、真空蒸着法
により形成したTiOx膜を高屈折率層とした以外は、
実施例1と同様にして反射防止フイルムを作製した。こ
の反射防止フイルムの全光線透過率は93.7%、ヘイ
ズ値0.7であり、反射防止性は前記各実施例に比較し
て低下している。又、その表面鉛筆硬度は2Hであり、
高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は碁盤
目テープ剥離試験で60/100であった。
【0053】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、反射防止
フイルムの高屈折率ハードコート層を、液媒体中にチタ
ン又はタンタルの酸化物ゾルと反応性有機珪素化合物と
を含むゾル液から屈折率1.65以上のゲル膜として形
成することによって、低屈折率層が高屈折ハードコート
層に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを、
高価で複雑な設備等を使用することなく経済的に提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射防止フイルムの1例の断面を説
明する図。
【図2】 本発明の反射防止フイルムの他の例の断面を
説明する図。
【図3】 本発明の反射防止フイルムの他の例の断面を
説明する図。
【符号の説明】
1:透明基材フイルム 2:高屈折率ハードコート層 3:低屈折率層 4:接着剤層 5:ハードコート層 6:高屈折率層 7:微細凹凸形状

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材フイルム上に、高屈折率を有す
    るハードコート層及び低屈折率層を積層してなる反射防
    止フイルムにおいて、上記高屈折率層が、液媒体中にチ
    タン又はタンタルの酸化物ゾルと反応性有機珪素化合物
    とを含むゾル液から形成された屈折率1.65以上のゲ
    ル膜からなることを特徴とする反射防止フイルム。
  2. 【請求項2】 ゾル液が、チタン又はタンタルの酸化物
    ゾル(固形分)100重量部当り反応性有機珪素化合物
    0.1〜50重量部を含む請求項1に記載の反射防止フ
    イルム。
  3. 【請求項3】 反応性有機珪素化合物が、熱及び/又は
    電離放射線によって硬化可能な複数の官能基を有する有
    機珪素化合物又はその部分加水分解物である請求項1に
    記載の反射防止フイルム。
  4. 【請求項4】 高屈折率を有するハードコート層が、ハ
    ードコート層と高屈折率層とに機能分離されている請求
    項1に記載の反射防止フイルム。
  5. 【請求項5】 表面に微細凹凸形状が形成されて、防眩
    性が付与されている請求項1に記載の反射防止フイル
    ム。
  6. 【請求項6】 チタン又はタンタルの酸化物ゾルが、金
    属アルコキシドの塗布に適した有機溶剤に溶解し、一定
    量の水を添加して加水分解を行って調製したものである
    請求項1に記載の反射防止フイルム。
  7. 【請求項7】 低屈折率層が、蒸着、スパッタリング、
    プラズマCVD法により形成されたMgF2或いはSi
    2の薄膜である請求項1に記載の反射防止フイルム。
  8. 【請求項8】 低屈折率層が、SiO2ゾル溶液から形
    成されたSiO2の薄膜である請求項1に記載の反射防
    止フイルム。
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