JP2000198964A - 光学機能性膜及びその製造方法 - Google Patents

光学機能性膜及びその製造方法

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JP2000198964A
JP2000198964A JP11000622A JP62299A JP2000198964A JP 2000198964 A JP2000198964 A JP 2000198964A JP 11000622 A JP11000622 A JP 11000622A JP 62299 A JP62299 A JP 62299A JP 2000198964 A JP2000198964 A JP 2000198964A
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film
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Nobuko Takahashi
伸子 高橋
Yurie Ota
友里恵 太田
Toshio Yoshihara
俊夫 吉原
Noboru Kunimine
昇 国峯
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布法を採用し、加熱工程を必要としないで
屈折率1.38〜1.46の所謂低屈折率のゲル薄膜を
形成することができ、大量生産や設備コスト面で有利な
光学機能性膜の製造方法、及びその製造方法により得ら
れた光学機能性膜を提供する。 【解決手段】 基材上に直接又は他の層を介して支持さ
れているゲル層からなる光学機能性膜である。該光学機
能性膜は、Rm Si(OR’)n (Rは炭素数1〜1
0のアルキル基、又はビニル基、(メタ)アクリロイル
基、エポキシ基、アミド基、スルホニル基、水酸基、カ
ルボキシル基等の反応性基、R’は炭素数1〜10のア
ルキル基を表し、m+nは4の整数である)で表される
珪素アルコキシドを加水分解して調製してなるアルコキ
シシラン加水分解溶液が塗布法(溶液法)により塗布層
とされ、次いで、該塗布層が活性エネルギー線(例え
ば、紫外線)により硬化されてオルガノポリシロキサン
層となったものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線遮断効果、
熱線反射効果、反射防止効果等を有する各種光学機能性
膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紫外線遮断効果、熱線反射効果、
反射防止効果等を有する機能性薄膜の形成方法は、一般
に気相法と塗布法(溶液法)とに大別される。気相法に
よる機能性薄膜の製造方法には、真空蒸着法、スパッタ
リング法等の物理的方法と、CVD法等の化学的方法と
がある。また、塗布法による機能性薄膜の製造方法に
は、スプレー法、浸漬法及びスクリーン印刷法等があ
る。
【0003】気相法による機能性薄膜の製造方法は、高
機能且つ高品質な薄膜を得ることが可能であるが、高真
空系での精密な雰囲気の制御が必要であるといった問題
や、特殊な加熱装置又はイオン発生加速装置を必要と
し、製造装置が複雑で大型化する為に、必然的に製造コ
ストが高くなるという問題がある。また、気相法による
機能性薄膜の製造方法は、薄膜の大面積化或いは複雑な
形状のものを製造することが困難であるという問題があ
る。
【0004】他方、塗布法による機能性薄膜の製造方法
のうち、スプレー法によるものは、塗液の利用効率が悪
く、成膜条件の制御が困難である等の問題がある。ま
た、塗布法を利用する機能性薄膜の製造方法のうち、浸
漬法及びスクリーン印刷法等によるものは、成膜原料の
利用効率が良く、大量生産や設備コスト面での有利さが
あるが、一般的に塗布法により得られる機能性薄膜は、
気相法により得られる薄膜に比較して機能及び品質が劣
るという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、塗布法によって
優れた品質の薄膜を得る方法として、無機又は有機超微
粒子を酸性及び/又はアルカリ水溶液中に分散した分散
液を、基板上に塗布し、焼成する方法が提案されてい
る。この製造方法によると、大量生産や設備コスト面で
は有利であるが、製造工程中に高温での焼成過程を必要
とする為、プラスチック基材には成膜が不可能であると
いう問題や、基板と塗布膜との収縮度の違い等より得ら
れる薄膜の均一性が十分でないという問題や、気相法に
より得られる薄膜に比較した場合に依然として性能が劣
るという問題や、また、熱処理に長時間(例えば、数十
分間以上)を要し、生産性に劣るという問題を有する。
【0006】上記問題点に対し、本発明者等は既に、R
m Si(OR’)n (Rは炭素数1〜10のアルキル
基、又はビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ
基、アミド基、スルホニル基、水酸基、カルボキシル基
等の反応性基、R’は炭素数1〜10のアルキル基を表
し、m+nは4の整数である)で表される珪素アルコキ
シドを加水分解して調製したアルコキシシラン加水分解
溶液を、透明樹脂基材上に直接又は他の層を介して塗布
し、形成された塗布層を基材にダメージを与えない程度
の低温での加熱により、オルガノポリシロキサン層とす
ることで、屈折率1.38〜1.46の所謂低屈折率の
所望の高品質な機能性薄膜を効率よく生産する手法を提
案している(特許出願中)。
【0007】しかし、この方法では、比較的低温での加
熱に長時間を要し(例えば、100℃で4日間〜120
℃で1時間程度)、設備や製造コストにおいて不利であ
るという問題があった。また、オルガノポリシロキサン
層の支持基材として使用できる樹脂基材も、加熱処理の
ためある程度の耐熱性のある基材に限定されていた。こ
のため、例えば、光学特性の優れた、トリアセチルセル
ロースフィルム、ポリビニルアルコールフィルム等は、
熱に対して非常に弱いので、使用することができないと
いう問題があった。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、塗布法を採用する光学機能性膜の
製造方法、及びその製造方法により得られた光学機能性
膜において、加熱工程を必要としないで屈折率1.38
〜1.46の所謂低屈折率のオルガノポリシロキサン薄
膜を形成することができ、大量生産が容易で、設備コス
トや製造コスト面で有利な光学機能性膜の製造方法、及
びその製造方法により得られた光学機能性膜を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。
【0010】即ち、本発明の光学機能性膜は、基材上に
直接又は他の層を介して支持されているオルガノポリシ
ロキサン層からなる光学機能性膜であって、該光学機能
性膜は、 Rm Si(OR’)n 式(1) (Rは炭素数1〜10のアルキル基、又はビニル基、
(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スル
ホニル基、水酸基、カルボキシル基等の反応性基、R’
は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは4の整
数である)で表される珪素アルコキシドを加水分解して
調製してなるアルコキシシラン加水分解溶液が塗布法
(溶液法)により塗布層とされ、且つ該塗布層が活性エ
ネルギー線により硬化されてオルガノポリシロキサン層
とされたものであることを特徴とする。
【0011】本発明の光学機能性薄膜の好ましい態様
は、基材上に直接又は他の層を介して形成された高屈折
率層上に形成されたものであり、該高屈折率層の屈折率
はオルガノポリシロキサン層の屈折率よりも高いもので
ある。
【0012】本発明の光学機能性薄膜における屈折率に
ついては1.38〜1.46が達成される。一方、光学
機能性薄膜が接する前記高屈折率層の屈折率は1.60
以上が好ましく、このような範囲の屈折率の高屈折率
層、低屈折率層の組み合わせで、所望の屈折率を採用す
ることにより反射防止性、紫外線遮断性、熱線反射性等
の機能が発揮される。
【0013】また本発明の光学機能性膜の製造方法は、
透明樹脂基材上に直接又は他の層を介して後記するオル
ガノポリシロキサン層よりも高い屈折率を持つ高屈折率
層を形成し、次いで、前記式(1)で表される珪素アル
コキシドを加水分解して調製したアルコキシシラン加水
分解溶液を、該高屈折率層の上に塗布し、形成された塗
布層に活性エネルギー線を照射して該塗布層を硬化させ
オルガノポリシロキサン層とすることを特徴とする。
【0014】本発明では、透明樹脂基材上に直接又は他
の層を介して形成された前記塗布層を硬化させてオルガ
ノポリシロキサン層とするのに、加熱ではなく紫外線を
照射することによって、熱処理を省略することが可能と
なった。これにより、本発明では耐熱性の無い基材に対
しても本発明の光学機能性膜を形成することができ、し
かも、加熱工程を必要とするプロセス、特に低温加熱す
るプロセスに比べて、硬化時間が短時間となり、大量生
産や設備コスト面で有利である。
【0015】本発明の光学機能性膜の形成において、前
記式(1)で表される珪素アルコキシドを加水分解して
調製したアルコキシシラン加水分解溶液を塗布して形成
した塗布層が活性エネルギー線によりオルガノポリシロ
キサン層に変化するのは、他の層や高屈折率層内に含有
されている金属酸化物によるところが大きい。前記塗布
層に接する隣接層に、活性エネルギー線(例えば、紫外
線)の吸収効果に優れる金属酸化物が含有されている
と、金属酸化物含有層と、前記塗布層(アルコキシシラ
ン加水分解物層)との界面における硬化反応が促進する
ためである。このため、金属酸化物含有層とオルガノポ
リシロキサン層との密着性が向上し、表面硬度が高い、
高品質な光学機能性膜の薄膜が得られる。
【0016】本発明の光学機能性膜は、透明樹脂基材に
種々の光学機能特性を付与することができ、例えば、ワ
ープロ、コンピューター、テレビ等の各種ディスプレ
イ、液晶表示素子に用いる偏光板の表面、サングラスレ
ンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ
等の光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の
窓ガラス等に必要な機能、例えば、反射防止機能、紫外
線遮断機能、熱線反射機能等を付与する目的に有用であ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施態様を挙げて
本発明を更に詳しく説明する。
【0018】金属酸化物含有層 本発明の光学機能性膜において、隣接する他の層又は高
屈折率層中には紫外線吸収能に優れた金属酸化物が含ま
れることが望ましい。このような金属酸化物は、単一の
金属種からなるものでも、2種以上の金属種からなる複
合金属酸化物でもよい。金属酸化物には、例えば、酸化
ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化
セリウム、酸化アンチモン、酸化ランタン、酸化イット
リウム、酸化アルミニウム、ITO、ATO等が用いら
れる。
【0019】上記金属酸化物含有層は、金属酸化物の連
続膜でもよく、バインダー中に金属酸化物微粒子が分散
したものでもよい。金属酸化物含有層の形成方法は、気
相法、溶液法いずれの方法を用いてもよい。
【0020】気相法の場合は、蒸着法、スパッタ法、イ
オンプレーティング法、CVD法等の真空技術等により
金属酸化物膜を形成することが可能である。
【0021】塗布法(溶液法)の場合は、例えば金属酸
化物微粒子が有機バインダー中に分散されているコーテ
ィング液を各種コーティング手法を用いて塗布を行う。
この時に使用される有機バインダーは、塗膜の硬化時に
高温を必要としない電離放射線硬化型樹脂を使用するこ
とが好ましい。有機バインダーとして好適な電離放射線
硬化型樹脂としては、好ましくはアクリレート系の官能
基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステ
ル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール
樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹
脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリ
レート等のオリゴマー又はプレポリマー、及び反応性希
釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、
N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、ならびに多
官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
1、6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的
多量に含有するものが使用できる。
【0022】更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外
線硬化型樹脂とするには、この中に光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミルキシムエステル、テ
トラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類や、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチル
アミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用い
ることができる。
【0023】上記金属酸化物微粒子含有層の硬化には、
通常の電離放射線硬化型樹脂の硬化方法、即ち電子線又
は紫外線の照射によって硬化する方法を用いることがで
きる。例えば、電子線硬化の場合には、コックロフトワ
ルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧
器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電
子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ま
しくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子
線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、
高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンア
ーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線
等が利用できる。
【0024】また、溶液法で金属酸化物含有層を形成す
る際のコーティング液として、有機バインダーを用いず
に、金属酸化物前駆体溶液を使用してもよい。その際に
は、金属アルコキシド、金属塩等を溶媒中に溶解させた
ものが好適に用いられる。コーティング時には、金属ア
ルコキシド、金属塩等は、加水分解されていても、され
ていなくても良い。
【0025】また、光学性機能フィルムの機械的強度を
高めるために、樹脂基材と金属酸化物含有層との間にハ
ードコート層を設けることが好ましい。あるいは、金属
酸化物含有層がハードコート性を持ち合わせた、金属酸
化物含有ハードコート層を樹脂基材とオルガノポリシロ
キサン層との間に設けても良い。
【0026】ハードコート材料としては、上記金属酸化
物微粒子分散液のバインダーと同様の有機樹脂が好適に
用いられる。
【0027】アルコキシシラン加水分解溶液 本発明で使用する前記式(1)で示される珪素アルコキ
シドの具体的な化合物には、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブト
キシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ
−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシ
ラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テト
ラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−
ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラ
ン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、
ジメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、
メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘ
キシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−
(−2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシ
ラン等が挙げられる。
【0028】上記珪素アルコキシドの加水分解は、上記
珪素アルコキシドを適当な溶媒中に溶解して行う。使用
する溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、イソ
プロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチル
イソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルコ
ール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、あるいはこれらの
混合物が挙げられる。
【0029】上記珪素アルコキシドは、上記溶媒中に、
該アルコキシドが100%加水分解及び縮合したとして
生じるアルコキシシラン加水分解溶液の固形分換算濃度
が0.05%以上、好ましくは0.1〜30重量%にな
るように溶解する。アルコキシシラン加水分解溶液の濃
度が0.05重量%未満であると形成される機能膜が所
望の特性が充分に発揮できず、一方、30重量%を超え
ると透明均質膜の形成が困難となる。また、本発明にお
いては、前記アルコキシシラン加水分解溶液の濃度の範
囲内ならば、有機物や無機物バインダーを併用すること
も可能である。
【0030】上記珪素アルコキシドを上記溶媒中に溶解
した溶液に、加水分解に必要な量以上の水を加え、15
〜35℃、好ましくは22〜28℃の温度で、1〜12
時間、好ましくは2〜6時間攪拌を行う。
【0031】上記加水分解においては、触媒を用いるこ
とが好ましく、このような触媒としては、塩酸、硝酸、
硫酸又は酢酸等の酸が好ましく用いられる。これらの酸
は約0.001〜20.0N、好ましくは0.005〜
5.0N程度の水溶液にして用いる。該触媒水溶液中の
水分は加水分解用の水分とすることができる。すなわ
ち、珪素アルコキシド溶液に触媒水溶液を加え加水分解
を行って、アルコキシシラン加水分解溶液を得る。
【0032】上記アルコキシシラン加水分解溶液には、
各種の添加剤を添加することができる。最も重要な添加
剤としては、成膜を促進する硬化剤が挙げられ、これら
の硬化剤としては、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム等の
有機酸金属塩の酢酸、ギ酸等の有機酸溶液が挙げられ
る。該有機酸溶剤溶液の濃度は約0.01〜0.1重量
%程度であり、アルコキシシラン加水分解溶液に対する
添加量は、アルコキシシラン加水分解溶液中に存在する
固形分100重量部に対して上記有機酸塩として約0.
1〜1重量部程度の範囲が好ましい。
【0033】さらに最終的に得られるオルガノポリシロ
キサン層を、例えば、反射防止膜、熱線反射膜、散乱膜
等の目的に使用する場合には、その屈折率を調整する必
要があり、例えば、屈折率を下げるためにフッ素系有機
珪素化合物、屈折率を高めるために有機珪素化合物等を
添加することができる。
【0034】具体的には、テトラエトキシシラン、テト
ラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブ
トキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、コルコ
ート40(商品名:コルコート社製)、MS51(商品
名:三菱化学製)、HS56(商品名:三菱化学製)、
スノーテックス(商品名:日産化学製)等の有機珪素化
合物;ザフロンFC−110,220,250(商品
名:東亜合成化学製)、セクラルコートA−402B
(商品名:セントラル硝子製)、ヘプタデカフルオロデ
シルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルト
リメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシ
シラン等のフッ素系化合物;硼酸トリエチル、硼酸トリ
メチル、硼酸トリプロピル、硼酸トリブチル等の硼素系
化合物が挙げられる。
【0035】これらの添加剤は珪素アルコキシドの加水
分解時に加えてもよいし、加水分解後に加えてもよい。
これらの添加剤を用いることによって、珪素アルコキシ
ドの加水分解時、あるいはその後にシラノール基と反応
して更に均一で透明な溶液が得られ、且つ形成されるオ
ルガノポリシロキサン層の屈折率をある程度の範囲で変
化させることができる。
【0036】以上の如くして得られたアルコキシシラン
加水分解溶液は、無色透明な液体であり、ポットライフ
が約1ヶ月以上の安定な溶液であり、基材に対して漏れ
性がよく、塗布適正に優れており、その分子量は通常3
00〜100,000程度である。
【0037】基材 本発明の光学機能性膜が、直接又は他の層を介して支持
される基材には、透明樹脂基材が光学用途のために好適
である。このような透明樹脂基材としては、例えば、ア
クリル板等の板状のものでも、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムのようなフィルム状のものでも構わない。
本発明の光学機能性膜はその製造工程上加熱工程を必要
としないことから、耐熱性のないプラスチックフィルム
の使用も可能であり、本発明は、使用できる基材フィル
ムの種類が多い。したがって、従来、光学機能フィルム
の基材フィルムとして、一般的に使用されているトリア
セチルセルロースフィルム、ポリビニルアルコールフィ
ルム等は特に耐熱性が弱く、該フィルム上に塗布法によ
るオルガノポリシロキサン層の形成が不可能であった
が、本発明ではこのような樹脂フィルムまでも使用可能
となる。
【0038】本発明において使用可能なプラスチックフ
ィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム、
ポリエチレンフィルム、ナイロンフィルム、アセテート
ブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホン
フィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン
系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフ
ィルム、トリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケ
トンフィルム、(メタ)アクリロニトリルフィルム、ポ
リビニルアルコールフィルム、トリアセチルセルロース
フィルム等が挙げられる。特にポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、トリア
セチルセルロースフィルムが、光学用途として好適に用
いられる。透明樹脂基材フィルムの厚みは、通常は5μ
m〜1000μm程度のものが好適に用いられる。
【0039】オルガノポリシロキサン層(光学機能性
膜)の形成 本発明では、前記アルコキシシラン加水分解溶液を前記
透明樹脂基体の表面に対し、塗布法を用いて塗布して塗
布層を形成し、その後塗布層を活性エネルギー線照射処
理することにより、オルガノポリシロキサン層を形成す
る。
【0040】前記アルコキシシラン加水分解溶液の樹脂
基材への塗布方法としては、スピンコート法、ディップ
法、バーコート法、ダイコート法、スライドコート法、
スプレー法、ロールコート法、メニスカスコート法、フ
レキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコート法等が
挙げられる。
【0041】上記オルガノポリシロキサン層の形成に
は、活性エネルギー線の照射が効果的に用いられる。活
性エネルギー線は、電子線や電磁波であるγ線、X線、
紫外線、可視光、赤外線等を用いることができるが、紫
外線が好適に用いられる。
【0042】紫外線としては、超高圧水銀灯、高圧水銀
灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メ
タルハライドランプ、エキシマランプ、エキシマレーザ
等の光源から発する紫外線等が利用される。波長域は、
金属酸化物の吸収に対応したものであるのが好ましく、
例えば、ジルコニアの場合は約400nmより短波長領
域、チタニアの場合は、420nmより短波長の領域で
ある。活性エネルギー線の総照射量としては、50mJ
/cm2 以上、好ましくは100〜800mJ/cm2
の範囲が好ましい。
【0043】一般に、紫外線照射は、空気中で行うが、
本発明では十分な窒素雰囲気中で行うことが好ましく、
窒素雰囲気中で行うことによりSi−O−Si結合の生
成、重合・縮合が促進され、より均質且つ高品質のオル
ガノポリシロキサン層を形成することができる。
【0044】以上、本発明の光学機能性膜の製造方法に
おいては、用いる塗布材料の選択により所望の機能を持
つ光学機能性膜を得ることができる。又、本発明により
得られる光学機能性膜は、多層の反射防止膜における低
屈折率層として使用することができる。
【0045】本発明の光学機能性膜の膜厚は0.03〜
3μmの範囲が光学的特性を発揮させる上で好ましい。
【0046】
【実施例】以下に、本発明の光学機能性膜を実施例を用
いて説明する。
【0047】〔実施例1〕 アルコキシシラン加水分解溶液の調製 メチルトリエトキシシラン(MTEOS)が理想的に完
全に加水分解及び縮合したと仮定したときの固形分濃度
が6重量%となるように、MTEOSを溶媒であるメチ
ルエチルケトンに溶解し、液温が25℃に安定するまで
30分攪拌した(A液)。A液中に、触媒である濃度
0.005Nの塩酸をMTEOSのアルコキシ基と等モ
ル量加え、25℃で3時間、加水分解を行った(B
液)。このB液に、硬化剤として酢酸ナトリウムと酢酸
とを混合したものを加え、25℃で1時間攪拌し、アル
コキシシラン加水分解溶液を得た。固形分濃度が1.5
重量%となるように、イソプロピルアルコールで希釈
し、コーティング溶液とした。
【0048】ハードコート層の形成 表面が平滑なPETフィルム(A−4300:商品名、
東洋紡製、厚さ100μm)上に、ハードコート樹脂
(X−12−2400:商品名、信越化学工業製)を1
0μm/dryになるようにグラビアリバースコートに
より塗工し、電子線を加速電圧175KeVで5Mra
d照射して塗膜を硬化してハードコート層を形成した。
【0049】金属酸化物微粒子含有層の形成 前記の工程で得られたハードコート層の上に、屈折率
1.9のジルコニア微粒子(No.1275A:商品
名、住友大阪セメント製)の分散液を0.3μm/dr
yになるように塗工し、電子線を加速電圧175KeV
で5Mrad照射して塗膜を硬化して、ジルコニア微粒
子含有層を形成した。
【0050】オルガノポリシロキサン層の形成 前記の工程で得られたジルコニア微粒子含有層上に、
前記のアルコキシシラン加水分解溶液を0.1μm/
dryの膜厚で塗布した。この塗布膜に紫外線照射装置
を用いて240Wで1回の照射量を160mJ/cm2
として4回照射を行い、総照射量を640mJ/cm2
とし、オルガノポリシロキサン層を形成した。
【0051】オルガノポリシロキサン層の特性評価 このオルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42であ
った。表面硬度は、#0000のスチールウールによっ
て引っかき試験を行ったが、200g荷重で20回往復
後も塗膜に傷つきは生じなかった。また、そのテープ剥
離試験による密着性はどちらも100(100)%であ
り、ジルコニア微粒子含有層への密着性も良好であっ
た。
【0052】〔実施例2〕 アルコキシシラン加水分解溶液の調製 前記実施例1と同様にしてアルコキシシラン加水分解溶
液を調製した。
【0053】金属微粒子含有ハードコート層の形成 透明基材フィルムとして厚さ100μmのPETフィル
ム(A−4350:商品名、東洋紡製)を用意した。一
方、屈折率1.9のジルコニア微粒子(No.1275
A:商品名、住友大阪セメント製)の分散液と電離放射
線硬化型樹脂(X−12−2400−6:商品名、信越
化学工業製)を重量比で2:1に混合した。得られた樹
脂組成物をPETフィルム上に、膜厚7μm/dryと
なるようにグラビアリバースコートにより塗工し、溶媒
を乾燥除去した。その後、電子線を175KeVで5M
rad照射して塗膜を硬化し、ジルコニア微粒子含有ハ
ードコート層を形成した。
【0054】オルガノポリシロキサン層の形成 前記で得られたジルコニア微粒子含有ハードコート層
上に、のアルコキシシラン加水分解溶液を0.1μm
/dryの膜厚で塗布した。この塗布膜に紫外線照射装
置を用いて240Wで1回の照射量を160mJ/cm
2 として4回照射を行い、総照射量を640mJ/cm
2 とし、オルガノポリシロキサン層を形成した。
【0055】オルガノポリシロキサン層の特性評価 このオルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42であ
った。表面硬度は、#0000のスチールウールによっ
て引っかき試験を行ったが、200g荷重で20回往復
後も塗膜に傷つきは生じなかった。また、そのテープ剥
離試験による密着性はどちらも100(100)%であ
り、ジルコニア微粒子含有層への密着性も良好であっ
た。
【0056】〔実施例3〕 アルコキシシラン加水分解溶液の調製 前記実施例1と同様にしてアルコキシシラン加水分解溶
液を調製した。
【0057】金属酸化物含有微粒子層の形成 表面が平滑なPETフィルム(A−4300:商品名、
東洋紡製、厚さ100μm)上に、ジルコニア微粒子
(No.1275A:商品名、住友大阪セメント製)の
分散液を0.3μm/dryとなるように塗工し、電子
線を加速電圧175KeVで5Mrad照射して塗膜を
硬化して、ジルコニア微粒子含有層を形成した。
【0058】オルガノポリシロキサン層の形成 前記で得られたジルコニア微粒子含有層上に、前記
のアルコキシシラン加水分解溶液を0.1μm/dry
の膜厚で塗布した。この塗布膜に紫外線照射装置を用い
て240Wで1回の照射量を160mJ/cm2 として
4回照射を行い、総照射量を640mJ/cm2 とし、
オルガノポリシロキサン層を形成した。
【0059】オルガノポリシロキサン層の特性評価 このオルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42であ
った。表面硬度は、#0000のスチールウールによっ
て引っかき試験を行ったが、200g荷重で20回往復
後も塗膜に傷つきは生じなかった。また、そのテープ剥
離試験による密着性はどちらも100(100)%であ
り、ジルコニア微粒子含有層への密着性も良好であっ
た。
【0060】〔実施例4〕 アルコキシシラン加水分解溶液の調製 前記実施例1と同様にしてアルコキシシラン加水分解溶
液を調製した。
【0061】ハードコート層の形成 表面が平滑なトリアセチルセルロースフィルム(略語:
TACフィルム)上に、ハードコート樹脂(PET−D
31:商品名、日本化薬製)を5μm/dryになるよ
うにグラビアリバースコートにより塗工し、この塗布膜
に紫外線240Wで1回の照射量を30mJ/cm2
して3回照射を行い、総照射量を90mJ/cm2
し、ハードコート層を形成した。
【0062】金属酸化物微粒子含有層の形成 前記の工程で得られたハードコート層の上に、ジルコ
ニア微粒子(No.1275A:商品名、住友大阪セメ
ント製)の分散液を0.3μm/dryになるように塗
工し、紫外線240Wで1回の照射量を30mJ/cm
2 として2回照射を行い、総照射量60mJ/cm2
照射して塗膜を硬化して、ジルコニア微粒子含有層を形
成した。
【0063】オルガノポリシロキサン層の形成 前記の工程で得られたジルコニア微粒子含有層上に、
のアルコキシシラン加水分解溶液を0.1μm/dr
yの膜厚で塗布した。この塗布膜に紫外線照射装置を用
いて240Wで1回の照射量を30mJ/cm2 として
6回照射を行い、総照射量を180mJ/cm2 とし、
オルガノポリシロキサン層を形成した。
【0064】オルガノポリシロキサン層の特性評価 このオルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42であ
った。表面硬度は、#0000のスチールウールによっ
て引っかき試験を行ったが、200g荷重で20回往復
後も塗膜に傷つきは生じなかった。また、そのテープ剥
離試験による密着性はどちらも100(100)%であ
り、ジルコニア微粒子含有層への密着性も良好であっ
た。
【0065】〔実施例5〕 アルコキシシラン加水分解溶液の調製 前記実施例1と同様にしてアルコキシシラン加水分解溶
液を調製した。
【0066】金属酸化物微粒子含有ハードコート層の
形成 表面が平滑なトリアセチルセルロースフィルム(略語:
TACフィルム)を用意した。一方、屈折率1.9のジ
ルコニア微粒子(No.1275A:商品名、住友大阪
セメント製)と電離放射線硬化型樹脂(X−12−24
00−6:商品名、信越化学工業製)を重量比で2:1
に混合した。得られた樹脂組成物をPETフィルム上
に、膜厚7μm/dryとなるようにグラビアリバース
コートにより塗工し、この塗布膜に紫外線240Wで1
回の照射量を30mJ/cm2 として3回照射を行い、
総照射量を90mJ/cm2 とし、ジルコニア微粒子含
有ハードコート層を形成した。
【0067】オルガノポリシロキサン層の形成 前記の工程で得られたジルコニア微粒子含有ハードコ
ート層上に、のアルコキシシラン加水分解溶液を0.
1μm/dryの膜厚で塗布した。この塗布膜に紫外線
照射装置を用いて240Wで1回の照射量を30mJ/
cm2 として6回照射を行い、総照射量を180mJ/
cm2 とし、オルガノポリシロキサン層を形成した。
【0068】オルガノポリシロキサン層の特性評価 このオルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42であ
った。表面硬度は、#0000のスチールウールによっ
て引っかき試験を行ったが、200g荷重で20回往復
後も塗膜に傷つきは生じなかった。また、そのテープ剥
離試験による密着性はどちらも100(100)%であ
り、ジルコニア微粒子含有層への密着性も良好であっ
た。
【0069】〔比較例1〕ハードコート層上にジルコニ
ア微粒子含有層を形成しないこと以外は、前記実施例1
と同一の条件にてオルガノポリシロキサン層を形成し
た。このオルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42
であった。また、表面硬度が低いため、スチールウール
での引っかき試験によって、傷つきが生じた。さらに、
ハードコート層との密着性が低く、高機能な光学薄膜で
はなかった。
【0070】〔比較例2〕ハードコート層中にジルコニ
ア微粒子を含有しないこと以外は、前記実施例2と同一
の条件にてオルガノポリシロキサン層を形成した。この
オルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42であっ
た。また、表面硬度が低いため、スチールウールでの引
っかき試験によって、傷つきが生じた。さらに、ハード
コート層との密着性が低く、高機能な光学薄膜ではなか
った。
【0071】〔比較例3〕ジルコニア微粒子含有層を形
成しないこと以外は、前記実施例3と同一の条件にてオ
ルガノポリシロキサン層を形成した。このオルガノポリ
シロキサン層の屈折率は1.42であった。また、表面
硬度が低いため、スチールウールでの引っかき試験によ
って、傷つきが生じた。さらに、PETフィルムとの密
着性が低く、高機能な光学薄膜ではなかった。
【0072】〔比較例4〕ハードコート層上にジルコニ
ア微粒子含有層を形成しないこと以外は、前記実施例4
と同一の条件にてオルガノポリシロキサン層を形成し
た。このオルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42
であった。また、表面硬度が低いため、スチールウール
での引っかき試験によって、傷つきが生じた。さらに、
ハードコート層との密着性が低く、高機能な光学薄膜で
はなかった。
【0073】〔比較例5〕ハードコート層中にジルコニ
ア微粒子を含有しないこと以外は、前記実施例5と同一
の条件にてオルガノポリシロキサン層を形成した。この
オルガノポリシロキサン層の屈折率は1.42であっ
た。また、表面硬度が低いため、スチールウールでの引
っかき試験によって、傷つきが生じた。さらに、ハード
コート層との密着性が低く、高機能な光学薄膜ではなか
った。
【0074】
【発明の効果】以上、本発明によれば、出発物質にRm
Si(OR’)n (Rは炭素数1〜10のアルキル基、
又はビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、
アミド基、スルホニル基、水酸基、カルボキシル基等の
反応性基、R’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、
m+nは4の整数である)で表される珪素アルコキシド
を加水分解して得られたアルコキシシラン加水分解溶液
を用いることにより、加熱工程を必要としないで屈折率
1.38〜1.46の所謂低屈折率のオルガノポリシロ
キサン薄膜の光学用途に利用できる光学機能性膜を得る
ことができ、また、本発明の光学機能性膜の製造方法
は、活性エネルギー線の照射によって低温、短時間で、
光学的に高機能なオルガノポリシロキサン層が得られ、
大量生産が容易で、設備コストや製造コスト面で有利で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 83:04 (72)発明者 吉原 俊夫 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 国峯 昇 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H048 CA05 CA13 2K009 AA02 BB24 CC42 DD03 DD04 4F006 AA02 AA19 AB39 AB74 DA01 DA04 EA03 4J038 DL031 GA01 GA03 GA06 GA07 GA09 GA13 HA216 JC32 NA19 PA07 PA17 PC08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に直接又は他の層を介して支持さ
    れている光学機能性膜であって、 Rm Si(OR’)n (Rは炭素数1〜10のアルキル基、又はビニル基、
    (メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スル
    ホニル基、水酸基、カルボキシル基等の反応性基、R’
    は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは4の整
    数である)で表される珪素アルコキシドを加水分解して
    調製してなるアルコキシシラン加水分解溶液が塗布法に
    より塗布層とされ、次いで該塗布層が活性エネルギー線
    により硬化されてオルガノポリシロキサン層となったも
    のであることを特徴とする光学機能性膜。
  2. 【請求項2】 前記光学機能性膜が、基材上に直接又は
    他の層を介して形成された高屈折率層上に形成されたも
    のであり、該高屈折率層の屈折率はオルガノポリシロキ
    サン層の屈折率よりも高いものであることを特徴とする
    請求項1記載の光学機能性膜。
  3. 【請求項3】 前記高屈折率層の屈折率が1.60以上
    であることを特徴とする請求項1記載の光学機能性膜。
  4. 【請求項4】 前記オルガノポリシロキサン層の膜厚が
    0.03〜3μmの範囲であることを特徴とする請求項
    1記載の光学機能性膜。
  5. 【請求項5】 前記他の層又は高屈折率層中に、紫外線
    吸収能に優れた金属酸化物が含まれていることを特徴と
    する請求項1、2、3又は4記載の光学機能性膜。
  6. 【請求項6】 前記高屈折率層が、酸化ジルコニウム、
    酸化チタン、酸化スズ、ITO、酸化亜鉛及び酸化セリ
    ウムから選ばれた1種以上の金属酸化物を溶液法又は気
    相法で成膜したものであることを特徴とする請求項1記
    載の光学機能性膜。
  7. 【請求項7】 前記オルガノポリシロキサン層の屈折率
    が、1.38〜1.46の範囲であることを特徴とする
    請求項1記載の光学機能性膜。
  8. 【請求項8】 透明樹脂基材上に直接又は他の層を介し
    て後記するオルガノポリシロキサン層よりも高い屈折率
    を持つ高屈折率層を形成し、次いで、 Rm Si(OR’)n (Rは炭素数1〜10のアルキル基、又はビニル基、
    (メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アミド基、スル
    ホニル基、水酸基、カルボキシル基等の反応性基、R’
    は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは4の整
    数である)で表される珪素アルコキシドを加水分解して
    調製したアルコキシシラン加水分解溶液を、該高屈折率
    層の上に塗布し、形成された塗布層に活性エネルギー線
    を照射して該塗布層を硬化させオルガノポリシロキサン
    層とすることを特徴とする光学機能性膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記他の層又は高屈折率層中に、紫外線
    吸収能に優れた金属酸化物が含まれていることを特徴と
    する請求項8記載の光学機能性膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記活性エネルギー線が、紫外線であ
    ることを特徴とする請求項8記載の光学機能性膜の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記紫外線の照射量が50mJ/cm
    2 以上であることを特徴とする請求項8記載の光学機能
    性膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記透明樹脂基材がトリアセチルセル
    ロースフィルム又はポリビニルアルコールフィルムであ
    ることを特徴とする請求項8記載の光学機能性膜の製造
    方法。
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