JPWO2008001675A1 - 光学多層薄膜、光学素子、及び光学多層薄膜の製造方法 - Google Patents

光学多層薄膜、光学素子、及び光学多層薄膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008001675A1
JPWO2008001675A1 JP2008522515A JP2008522515A JPWO2008001675A1 JP WO2008001675 A1 JPWO2008001675 A1 JP WO2008001675A1 JP 2008522515 A JP2008522515 A JP 2008522515A JP 2008522515 A JP2008522515 A JP 2008522515A JP WO2008001675 A1 JPWO2008001675 A1 JP WO2008001675A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
optical
layer
thin film
multilayer thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008522515A
Other languages
English (en)
Inventor
均 石沢
均 石沢
俊輔 新坂
俊輔 新坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Publication of JPWO2008001675A1 publication Critical patent/JPWO2008001675A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/113Anti-reflection coatings using inorganic layer materials only
    • G02B1/115Multilayers
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B2207/00Coding scheme for general features or characteristics of optical elements and systems of subclass G02B, but not including elements and systems which would be classified in G02B6/00 and subgroups
    • G02B2207/107Porous materials, e.g. for reducing the refractive index

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

光学基材(10)の光学面(11)に積層され、光学基材(10)より小さい屈折率を有する最外層(13)と、光学基材(10)と最外層(13)との間に配置され、屈折率が最外層(13)より高い所定範囲で調整可能とされた少なくとも一層の任意屈折率層(14)とを備えた光学多層薄膜であり、最外層(13)が光学基材(10)より小さい屈折率を有する低屈折率材料からなる低屈折率微粒子(15)と第1のバインダ(16)とから湿式成膜法により形成されてなり、任意屈折率層(14)が低屈折率材料より大きい屈折率を有する高屈折率材料からなる高屈折率微粒子(18)と、高屈折率材料と異なる屈折率を有する第2のバインダ(19)とから湿式成膜法により形成されている。

Description

本発明は、高屈折率材料を用いた層と、低屈折率材料を用いた最外層とを有する光学多層薄膜と、その光学多層薄膜が積層されて、カメラ、顕微鏡、双眼鏡、プロジェクターなどの光学機器に用いる光学素子と、その光学多層薄膜を製造するための製造方法に関する。
カメラレンズや顕微鏡対物レンズなどの光学系を構成する個々のレンズ表面には、反射を低減するために反射防止膜がコーティングされている。一般に、光学薄膜は乾式法(ドライプロセス)で製造され、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法(Chemical Vapor Deposition)などが用いられている。広い波長帯域あるいは広い角度帯域において低い反射率を有する高性能な反射防止膜を得るには、異なる屈折率を有する複数のコーティング材料を組み合わせて多層膜を形成すれば良いことが知られている。
真空蒸着法で多層反射防止膜を設計・成膜する場合、各種の屈折率をもつ蒸着物質が選択され使用される。通常は最高屈折率物質として屈折率が2.4〜2.7のTiOが、最低屈折率物質として屈折率が1.38のMgFが利用される。その間の屈折率と蒸着物質の関係は、Alの1.65、ZrOの2.0、Taの2.16が代表的である。1.65−2.0の間の屈折率を有し、しかも実用的な蒸着物質は未だ知られていない。
混合物を用いることにより、1.65−2.0の間の中間屈折率膜が得られることが、例えば特開2000−171609号公報(文献1)に提案されている。ここでは、酸化サマリウムと酸化アルミニウムからなる蒸着物質を用いれば1.6−1.9の範囲の中間屈折率膜が得られるとされている。
しかし、混合物を用いて1.65−2.0の間の屈折率を得る場合、屈折率を連続的に変化させて任意の屈折率を得るには、蒸着物質の組成から変更しなければならず非常に困難であった。更に、混合物を用いた場合でも実現が困難な屈折率範囲もあった。
また、反射防止膜を湿式成膜法により形成することが、例えば特開平8−122501号公報(文献2)等に提案されている。この湿式成膜法では、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコート法などにより、液体を基板に塗布してから乾燥・熱処理して成膜する方法である。特長としては、ドライプロセスと異なり大型の装置が不要で、しかも大気中で成膜できるのでコストを大幅に低下できることが挙げられる。
しかし、湿式成膜法では、真空蒸着法等に比べて屈折率や膜厚を精度よく調整し難く、優れた反射防止特性を得ようとすると多数の層を積層しなければならないが、塗布・乾燥工程を1層ずつ行う必要があるため、多層膜を成膜するには手間がかかる。湿式成膜法で多層成膜する場合、積層できる層数は現実には3層程度が限界である。
合計層数が2層又は3層のような少ない層数で優れた特性を得ようとすると、少なくとも最上層には屈折率が1.30以下の低屈折率膜が必須となる。最上層を屈折率が1.30以下の低屈折率膜にすることによって、光学性能を極めて高くできることがシュミレ−ションの結果明らかになっている。具体的には、広い波長域にわたって反射率を低く抑えることができる広帯域化、および直入射光だけでなく広い角度範囲から入射する光に対して反射率を低く抑えることができる広入射化に対して極めて効果を高くできる。
このような低屈折率膜は多孔質に形成することで得られることが知られており、一般的に、多孔質な膜を得るには湿式法が適していることが知られている。
例えば、国際公開WO02/18982号パンフレット(文献3)には、多孔質MgF膜の製造方法が開示されている。この方法では、調製したMgFのゾル溶液をオートクレーブを用いて高温高圧下で熱処理することにより、MgF微粒子を粒成長および結晶化させ、堆積して膜にしても微粒子間の気孔が潰れずに高い気孔率を確保でき、その結果、膜が多孔質になり、緻密な膜より屈折率を著しく低下することができることが開示されている。
しかしながら、文献3のように、最外層を屈折率が1.30以下の低屈折率膜にしたものであっても、より優れた反射防止特性を得るには、最外層の下に他の屈折率を有する1層又は複数層の膜が必要となる。その場合、個々の層に求められる屈折率は、用いた光学ガラスに対して一義的に決定される。例えば、2層構成とすると、最上層の屈折率を1.25とすれば、一般的な光学ガラス(屈折率:約1.5−2.0)に対して反射防止膜の設計を行うと、内層の屈折率は1.45−1.70の範囲の値に決定される。しかも、このような内層の屈折率の許容誤差は小さい。そのため、内層には、光学ガラスと最外層との屈折率に基づいて設定される所望の屈折率を精度よく実現できることが要求される。ところが、乾式成膜法では、屈折率を任意に精度よく調整できる膜を形成することは容易ではなく、湿式製膜法では精度よく調整することはできなかった。
そこで、本発明は、所望の屈折率範囲に容易に精度よく調整できる層を有し、より少ない積層数で所望の反射防止特性を得易い光学多層薄膜を提供することを課題とする。また、そのような光学多層薄膜を有してより反射防止特性の優れた光学素子を提供すること、更に、そのような光学多層薄膜を製造できる方法を提供することを他の課題とする。
上記課題を解決する本発明の光学多層薄膜は、光学基材の光学面に積層され、前記光学基材より小さい屈折率を有する最外層と、前記光学基材の光学面と前記最外層との間に配置され、屈折率が前記最外層より高い所定範囲で調整可能とされた少なくとも一層の任意屈折率層とを備えた光学多層薄膜であり、前記最外層は、前記光学基材より小さい屈折率を有する低屈折率材料からなる低屈折率微粒子と、該低屈折率微粒子間を結合する第1のバインダとから湿式成膜法により形成されてなり、前記任意屈折率層は、前記低屈折率材料より大きい屈折率を有する高屈折率材料からなる高屈折率微粒子と、前記高屈折率材料と異なる屈折率を有し、前記高屈折率微粒子間を結合する第2のバインダとから湿式成膜法により形成されてなるものである。
また、本発明の光学多層薄膜においては、前記任意屈折率層が前記高屈折率材料と前記第2のバインダとの間の屈折率を有することが好ましい。
さらに、本発明の光学多層薄膜においては、前記高屈折材料がTiO又はZrOであることが好ましい。
また、本発明の光学多層薄膜においては、前記低屈折率材料がMgFであることが好ましい。
さらに、本発明の光学多層薄膜においては、前記第1のバインダと前記第2のバインダとが、前記低屈折率材料と前記高屈折率材料との間の屈折率を有する同一の中間屈折率材料からなることが好ましい。
また、本発明の光学多層薄膜においては、前記中間屈折率材料がSiOであることが好ましい。
さらに、本発明の光学多層薄膜においては、前記任意屈折率層の屈折率が1.45以上1.9以下であると共に、前記最外層の屈折率が1.20以上1.40以下であることが好ましい。
本発明の光学素子は、屈折率が1.5以上2.1以下の光学基材と、該光学基材の光学面に積層された前記本発明の光学多層薄膜とを備えるものである。
また、本発明の光学素子においては、400nm以上1100nm以下の波長範囲における反射率が、前記光学面の実質的に全面で2%以下であることが好ましい。
さらに、本発明の光学素子においては、前記光学面は、(有効直径D)/(半径R)が、1.2以上の凸面又は凹面からなることが好ましい。
本発明の光学多層薄膜の製造方法は、高屈折率材料からなる高屈折率微粒子が該高屈折率材料と異なる屈折率を有する第2のバインダ成分と共にアルコール分散媒に分散された第2のゾル溶液を調製する工程と、低屈折率材料からなる低屈折率微粒子が第1のバインダ成分と共にアルコール分散媒に分散された第1のゾル溶液を調製する工程と、光学基材の光学面に前記第2のゾル溶液を用いて湿式成膜法により成膜して、少なくとも表面が硬化した任意屈折率層を形成する工程と、該任意屈折率層の外側に前記第1のゾル溶液を用いて湿式成膜法により成膜すると共に硬化して最外層を形成する工程とを備え、前記第2のゾル溶液の前記高屈折率微粒子と第2のバインダ成分との成分比を、前記任意屈折率層の屈折率が前記最外層より高い所定範囲となるように調整する方法である。
また、本発明の光学多層薄膜の製造方法においては、前記第2のゾル溶液の前記高屈折率微粒子及び前記第2のバインダ成分の濃度を、前記任意屈折率層の膜厚が所定範囲となるように調整することが好ましい。
さらに、本発明の光学多層薄膜の製造方法においては、前記湿式成膜法が、スピンコート法又はディップコート法により前記第1及び/又は第2のゾル溶液を塗布する方法であることが好ましい。
また、本発明の光学多層薄膜の製造方法においては、前記高屈折率微粒子の前駆体となるアルコキシドをキレート化処理した後、前記アルコール分散媒中で加水分解することにより前記高屈折率微粒子を含有する高屈折率微粒子ゾル液を形成し、該高屈折率微粒子ゾル液に前記第2のバインダ成分を混合することにより前記第2のゾル溶液を調製することが好ましい。
本発明の光学多層薄膜によれば、任意屈折率層が互いに異なる屈折率を有する高屈折率微粒子と第2のバインダとから湿式成膜法により形成されることで、屈折率が調整可能とされているので、これらの成分比を調整することにより容易に屈折率を任意に精度よく調整することが可能である。しかも、最外層が光学基材より小さい屈折率を有する低屈折率微粒子と第1のバインダとから湿式成膜法により形成されているため、これらの成分比を調整することにより、最外層の屈折率を出来るだけ低く形成し易い。その結果、より少ない積層数で所望の反射防止特性を得易い。
本発明の光学素子によれば、屈折率が1.5以上2.1以下の光学基材の光学面に前記本発明の光学多層薄膜が積層されているので、所望の反射防止特性を有する光学多層薄膜により反射率を高度に低減することが可能な光学素子を提供できる。しかも、その光学多層薄膜を湿式成膜法により少ない積層数で形成することが可能であるため、製造も容易である。
本発明の製造方法によれば、任意屈折率層を形成する第2のゾル溶液の高屈折率微粒子と第2のバインダ成分との成分比を調整することで、任意屈折率層の屈折率を所定範囲に調整するので、精度よく所望の屈折率を有する任意屈折率層を容易に形成し易い。また、この任意屈折率層と最外層とを何れも湿式成膜法により形成するため、各層の形成も容易である。その結果、所望の反射防止特性を有する光学多層薄膜を容易に製造することができる。
図1は、本発明の実施の形態による2層構成の光学多層薄膜の構造を示す模式図である。 図2は、実施例1の2層構成の反射防止膜の設計データによる分光反射特性を示す図である。 図3は、実施例1の任意屈折率層となるTiO−SiO光学薄膜の断面及び表面の電子顕微鏡写真である。 図4は、実施例1の最外層となるMgF−SiO光学薄膜の断面及び表面の電子顕微鏡写真である。 図5は、実施例1の2層構成の光学多層薄膜としての反射防止膜の実測データによる分光反射特性を示す図である。 図6は、実施例1の2層構成の光学多層薄膜としての反射防止膜の耐環境性試験後における分光反射特性を示す図である。 図7は、実施例2の2層構成の反射防止膜の設計データによる分光反射特性を示す図である。 図8は、実施例2の2層構成の光学多層薄膜としての反射防止膜の実測データによる分光反射特性を示す図である。 図9は、実施例3の2層構成の光学多層薄膜としての反射防止膜の実測データによる分光反射特性(初期及び耐環境性試験後)を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態の光学多層薄膜を有する光学素子を示す。
図1の光学素子は、光学基材10の光学面11に、最外層13及び任意屈折率層14からなる反射防止のための光学多層薄膜12が積層された構成を有している。
光学素子は、例えば、カメラ、顕微鏡、双眼鏡、プロジェクター、眼鏡等の精密光学機器、液晶表示装置、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、陰極管表示装置等のディスプレイ、窓ガラス、ショーウィンドウなど各種の光学機器に使用される各種のレンズ、フィルタ、プリズム、板材など、光が照射される各種の部材であればよく、特に限定されるものではない。
これらの光学素子に使用される光学基材10としては、例えば、BSC7、BAC4、F2、DF5、DF13、LAF103、LADF41等のガラス、ウレタンアクリレートとメタクリレートを主成分とするプラスチックなどが挙げられ、主として400nm以上1100nm以下の波長範囲で使用されるものが好ましく、550nmの光により測定される屈折率が1.5以上2.1以下、好ましくは、1.6〜1.8の材料などである。
このような光学基材10の形状は特に限定されるものではなく、一面又は複数面の光学面11を有していればよい。このような光学面11としては、平面状であってもよいが、この実施の形態では、凸形、凹形等の曲面形状を有し、特に、(有効直径D)/(半径R)が、1.2以上となるものに適用することが可能である。このようにD/Rはレンズの曲面の程度を示し、2が完全な半球で、値が小さい程曲面が穏やかになる。
光学面11に積層された光学多層薄膜12は、光学基材10より小さい屈折率を有する最外層13と、光学基材10の光学面11と最外層13との間に配置され、最外層13より高い屈折率を有する任意屈折率層14とを備えている。任意屈折率層14は、1層又は2層備えるのが好ましく、この実施の形態では1層積層されている。
ここでは、最外層13は光学基材10より小さい屈折率を有する低屈折率材料からなる低屈折率微粒子15と、低屈折率微粒子15間を結合するための第1のバインダ16とから湿式成膜法により形成された膜からなり、多数の低屈折率微粒子15が集合した多孔質状の層が第1のバインダ16により強化された構造を有している。
このような最外層13は、550nmの光により測定される屈折率が1.20以上1.40以下となるのが好ましく、出来るだけ小さい屈折率とするのが好適で、特に、1.30以下とするのがよい。最外層13の屈折率が低い程、反射防止特性を向上し易いからである。
このような最外層13の低屈折率微粒子15は、光学基材10より小さい屈折率を有するフッ化物等の低屈折率材料からなる。このような低屈折率材料としては、真空蒸着法等の乾式成膜法により緻密な膜に形成されたときの屈折率が出来るだけ低く、例えば、1.40以下であるものが好ましい。屈折率の調整範囲を広く確保し易いからである。特に、最低屈折率材料であるMgFが好適である。
このように低屈折率材料から形成される低屈折率微粒子15は、1nm以上100nm以下の平均粒径を有する微粒子、特に、結晶性の高い微粒子であるのが好ましい。このような微粒子であれば、微粒子間に形成される間隙を大きくし易く、製造過程における微粒子同士の癒着等による緻密化を抑制し易いからである。
第1のバインダ16は、低屈折率微粒子15間及び低屈折率微粒子15と任意屈折率層14との間を結合可能な光学材料からなる。この第1のバインダ16は、屈折率が低屈折率材料と異なるものが好ましい。これらの成分比で最外層13の屈折率が調整可能となるからである。
低屈折率材料に出来るだけ小さい屈折率の材料を選択すると、通常、この第1のバインダ16の屈折率は低屈折率材料より高くなる。ここでは、第1のバインダ16としては、低屈折率材料と任意屈折率層14の後述する高屈折率材料との間の屈折率を有する中間屈折率材料を用いるのが好適であり、特に、光学基材10と同等の屈折率を有するものが好ましい。屈折率を調整し易いからである。
このような第1のバインダ16としては、例えば、非晶質酸化珪素系バインダSiOが挙げられる。このバインダの原料物質は液体であり、加熱によりSiOに変化するが、多数の低屈折率微粒子15間に非晶質な状態で形成され、これらを一体的に結合することができる。
このような第1のバインダ16は、低屈折率微粒子15に対して任意の割合で使用することが可能である。このように割合に応じて最外層13の屈折率を調整することができ、低屈折率微粒子15に対する第1のバインダ16の成分比が小さい程、最外層13の屈折率を小さくすることができる。
ここでは、低屈折率微粒子15に対する第1のバインダ16の成分比を小さくすれば、多数の低屈折率微粒子15間に形成される間隙を気体が残留した状態の空孔として存在させることができ、これにより、最外層13の屈折率を低屈折率材料の屈折率より低い屈折率にすることが可能である。その場合、低屈折率微粒子15と、第1のバインダ16と、空気との組合せにより、最外層13の屈折率が調整できる。
低屈折率微粒子15に対する第1のバインダ16の成分比が小さすぎると、最外層13の機械的強度が低下し易く、手拭きや超音波洗浄等により剥がれ易くなる。そのため、低屈折率微粒子15に対する第1のバインダ16の成分比は、十分な膜強度が得られる範囲で小さくすることが好適である。例えば、マイクロインデンテーション法により測定される膜強度が30MPa以上となるようにするのがよい。
低屈折率微粒子15がMgFからなると共に第1のバインダ16がSiOからなる場合、SiO濃度を低くするほど屈折率が低下し、SiOを全く用いない多孔質状のMgF微粒子からなる膜の屈折率である1.19まで低下する。一方、SiO濃度を高くするほど屈折率は高くなり、SiOだけで成膜したSiO膜の屈折率である1.45まで上昇する。従って、1.19−1.45の範囲で任意の屈折率に設定することが可能である。
このような場合、MgFからなる低屈折率微粒子15に対するSiOからなる第1のバインダ16の量が30wt%以下であれば、最外層13内部に不規則な多数の空孔を形成して屈折率をより低下させることができ、また、10wt%以上、或いは、得られる最外層13の屈折率が1.23以上となる範囲であれば十分な膜強度を確保し易い。
なお、このような最外層13の厚さは、90nm〜110nmとするのが好適であり、この最外層13の厚さと屈折率とにより所望の波長範囲における反射率ができるだけ低くなるように調整されるのが好ましい。
一方、任意屈折率層14は、低屈折率材料より大きい屈折率を有する高屈折率材料からなる高屈折率微粒子18と、高屈折率材料とは異なる屈折率を有して、高屈折率微粒子18間を結合する第2のバインダ19とから湿式成膜法により形成された膜からなり、内部に存在する空孔が少なくなるように高屈折率微粒子18及び第2のバインダ19が比較的緻密に存在する構造を有するのが好ましい。
このような任意屈折率層14は、550nmの光により測定される屈折率が1.45以上1.9以下となるのが好ましい。特に、任意屈折率層14の屈折率は、光学多層薄膜12が適用される光学基材10の屈折率と最外層13の屈折率とから一義的に決定されるため、この範囲内の所定の屈折率範囲に調整される必要がある。
このような任意屈折率層14の高屈折率微粒子18は、低屈折率材料より大きい屈折率を有する酸化物等の高屈折率材料からなる。この高屈折率材料としては、真空蒸着法等の乾式成膜法により緻密な膜に形成されたときの屈折率が出来るだけ高く、例えば、1.9以上であるものが好ましい。屈折率の調整範囲を広く確保し易いからである。
このような高屈折率材料としては、例えばLa、HfO、ZrO、Ta、Nb、TiO等が挙げられる。特に、最高屈折率材料であるTiOが好適である。
また、このように高屈折率材料から形成される高屈折率微粒子18の平均粒径は、0.1nm〜10nmとするのが好ましい。高屈折率微粒子18間に形成される間隙を小さくし易く、比較的緻密な層を形成し易いからである。
第2のバインダ19は、高屈折率微粒子18間、高屈折率微粒子18と光学基材10若しくは最外層13との間を結合可能な光学材料からなる。このような第2のバインダ19は、高屈折率微粒子18間に形成される多数の間隙の略全てに充填されていてもよい。
このような第2のバインダ19は、真空蒸着法等の乾式成膜法により緻密な膜に形成されたときの屈折率が高屈折率材料とは異なる材料である必要がある。成分比により任意屈折率層14の屈折率を調整可能にするためである。
高屈折率材料として出来るだけ屈折率の高いものを用いる場合、通常、第2のバインダ19の屈折率が高屈折率材料より低い材料からなる。このように第2のバインダ19は、高屈折率材料と最外層13の低屈折率材料との間の屈折率を有する中間屈折率材料からなるのが好適であり、光学基材10と同等の屈折率を有するものが特に好ましい。
このような第2のバインダ19としては、上述の第1のバインダ16と同様のものを例示でき、特に、第1のバインダ16と同一のものを使用するのが好適である。使用する材料の種類を少なく抑えることができ、製造し易いからである。また、任意屈折率層14の屈折率の調整範囲を最外層13の屈折率に対応した広い範囲に確保し易く、任意屈折率層14の屈折率の調整が容易だからである。
特に、第1及び第2のバインダ16、19にSiOを使用すると、光学基材10と同等の屈折率を有するため、光学基材10の屈折率を基準に設定されるそれぞれの層13、14の屈折率を調整し易い。
このような第2のバインダ19は、高屈折率微粒子18に対して任意の割合で使用することが可能である。このように割合に応じて任意屈折率層14の屈折率を調整することができ、高屈折率微粒子18に対する第2のバインダ19の成分比の小さい範囲では、任意屈折率層14の屈折率を大きくすることができる。
例えば、高屈折率微粒子18がTiOからなると共に第2のバインダ19がSiOからなる場合、SiO濃度を低くするほど屈折率が上昇し、SiOを全く用いず比較的緻密な多孔質状のTiO微粒子からなる膜とすれば屈折率である1.90まで上昇する。一方、SiO濃度を高くするほど屈折率は低くなり、SiOだけで成膜すればSiO膜の屈折率である1.45まで低下する。従って、これらの成分比によって、1.45−1.90の範囲で任意の屈折率に設定することが可能である。
なお、このような任意屈折率層14の厚さは、60nm〜100nmとするのが好適であり、この任意屈折率層14の厚さと屈折率とにより所望の波長範囲における反射率ができるだけ低くなるように調整されるのが好ましい。
以上のような構成を有する光学多層薄膜12によれば、最外層13が光学基材10より小さい屈折率を有する低屈折率微粒子15と第1のバインダ16とから湿式成膜法により形成されているため、これらの成分比を調整することで、膜強度を確保しつつ最外層13の屈折率を出来るだけ低く形成できる。同時に、任意屈折率層14が互いに異なる屈折率を有する高屈折率微粒子18と第2のバインダ19とから湿式成膜法により形成され、最外層13より高い範囲で屈折率を調整可能としているので、これらの成分比を調整することにより屈折率を任意に精度よく調整することができ、真空蒸着法等の乾式成膜法により容易に得られないような屈折率範囲であっても容易に形成できる。その結果、より少ない積層数で光学多層薄膜12の所望の反射防止特性を得易い。
また、このような光学多層薄膜12の任意屈折率層14が高屈折率微粒子18と第2のバインダ19との間の屈折率を有すれば、上述のように内部に存在する空孔が少なくて高屈折率微粒子18及び第2のバインダ19が比較的緻密に配置された構造とすることができ、そのため、高屈折率微粒子18と第2のバインダ19との成分比により容易に精度よく屈折率を調整可能である。しかも、そのような構造であれば、湿式成膜法で形成されていても、層間の界面を明確に形成し易く、反射防止特性を向上させ易い。
そして、このような光学多層薄膜12を光学基材10の光学面11に積層した光学素子10によれば、光学面11の実質的に全面において、400nm以上1100nm以下の波長範囲における反射率を2%以下とすることが可能である。
更に、光学面11が凸面又は凹面の曲面となっていても、湿式成膜法で光学多層薄膜12を形成できるので、曲率の大きい曲面での全面に光学多層薄膜12を均一に、しかも容易に形成することが可能で、光学面11全面で精度よく所望の反射防止特性が得られる。
なお、上記では、任意屈折率層14を一層備えた光学多層薄膜12について説明したが、任意屈折率層14を2層設けることも可能であり、上記と同様の効果を得ることが可能である。
次に、以上のような光学多層薄膜12を製造する方法について説明する。
この実施の形態では、任意屈折率層14を形成するための第2のゾル溶液を調製すると共に、最外層13を形成するための第1のゾル溶液を調製し、これらの第1及び第2のゾル溶液を光学基材10の光学面11に順に塗布して成膜し、硬化することにより製造することができる。
まず、第2のゾル溶液を調製するには、この実施の形態では、高屈折率微粒子18の前駆体となるアルコキシドをキレート化処理した後、アルコール分散媒中で水及び触媒の存在下に加水分解することにより高屈折率微粒子18を含有する高屈折率微粒子ゾル液を形成するのが好ましい。
このような実施の形態で使用するアルコキシドは、高屈折率微粒子18の前駆体となる物質であり、例えば、La、Hf、Zr、Ta、Nb、Ti等のアルコキシドである。例えば、高屈折率材料としてTiOを得る場合にはチタニウムイソプロポキシド等を用いることができる。
アルコキシドをキレート化処理するには、例えば、酢酸又はアセチルアセトンをアルコキシドに加え、攪拌して反応させることにより行うことができる。
このようなキレート化処理の条件としては、アルコキシドに対して等モルの酢酸又はアセチルアセトンを加えるのがよい。
このようにアルコキシドをキレート化処理した後で加水分解すると、高屈折率微粒子18の平均粒径を小さく、しかも均一にすることができ、その結果、任意屈折率層14の光散乱を最小限に抑えることができる。
キレート化処理されたアルコキシドを加水分解して高屈折率微粒子ゾル液を形成するには、例えば、水及び触媒が添加されたアルコール分散媒中にキレート化処理されたアルコキシドを徐々に滴下し、1時間以上攪拌することにより行うことができる。
このとき、アルコール分散媒としては、メタノール、エタノール等の低級アルコールを使用することができ、特にメタノールが好適である。また、触媒としては、硝酸等の無機酸を使用することができる。
その後、得られた高屈折率微粒子ゾル液に第2のバインダ成分を混合し、高屈折率微粒子が第2のバインダ成分と共にアルコール分散媒に分散された第2のゾル溶液を調製する。この第2のバインダ成分としては、熱処理、反応等により第2のバインダ19を形成可能な物質である。例えば、SiOの非晶質構造を熱処理等で形成可能なアルコキシシラン、ポリシラザン等を必要により触媒と共に使用することができる。
このような実施の形態では、この第2のゾル溶液の調製において、高屈折率微粒子18と第2のバインダ成分との成分比と、高屈折率微粒子18及び第2のバインダ成分の濃度とを調整する。
成分比を調整するのは、第2のゾル溶液中の高屈折率微粒子と第2のバインダ成分との成分比が、得られる任意屈折率層14の成分比と同等であるため、任意屈折率層14の屈折率を調整できるからである。ここでは、少なくとも最外層13より高く、前述のように最外層13と光学基材10との屈折率により一義的に定まる所定範囲の屈折率となるように調整する。
このように成分比を調整するには、例えば、第2のバインダ溶液に少量の第2のゾル溶液を添加し、膜の屈折率が所定の値になるように添加量を決定する。
また、高屈折率微粒子18及び第2のバインダ成分の濃度を調整するのは、得られる任意屈折率層14の膜厚を調整できるからである。この膜厚は、60nm〜100nmとなるように調整する。
このように濃度を調整するには、例えば、ロータリーエバポレータを用いて混合溶液を一旦濃縮し、次に高級アルコールなどで希釈して濃度を調整する。
次に、このような実施の形態で第1のゾル溶液を調製するには、例えば、反応により低屈折率材料が得られる複数の成分をアルコール分散媒中で反応させ、微粒子を合成して析出させることにより得ることができる。具体的には、低屈折率材料としてMgFを用いる場合、マグネシウム化合物とフッ素化合物とをアルコール溶媒中で混合して反応させることで、低屈折率微粒子がアルコール分散媒に分散された低屈折率微粒子ゾル液を形成することができる。
ここで、マグネシウム化合物としては、酢酸塩、塩化物、アルコシキド等を用いることができ、酢酸マグネシウムが好適である。
また、フッ素化合物としては、フッ化水素酸水溶液(フッ酸)、無水フッ化水素、トリフルオロ酢酸等を用いることができ、フッ化水素酸が好適である。
更に、アルコール分散媒としては、各種のアルコールが使用でき、メタノールが好適である。
このような反応時にはマグネシウム化合物のマグネシウムに対するフッ素化合物のフッ素のモル比(F/Mg比)を1.9以上2.0以下とすれば、得られる最外層13の屈折率を低く抑えることができて好ましい。
このようにして得られるMgF微粒子は結晶性を高くすることが好ましく、得られた反応生成物を加圧処理及び/又は加熱処理するのが好適である。
その後、得られた低屈折率微粒子ゾル液に第1のバインダ成分又はそのアルコール分散液を混合し、低屈折率微粒子が第1のバインダ成分と共にアルコール分散媒に分散された第1のゾル溶液を調製する。この第1のバインダ成分は前述の第2のバインダ成分と同様に、熱処理、反応等により第1のバインダ16が形成できる物質である。
次に、上記のようにして得られた第2のゾル溶液を、光学基材10の光学面11に湿式成膜法により塗布して成膜する。このような湿式成膜法としては、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法、ロールコート法などが挙げられる。このような実施の形態では、スピンコート法又はディップコート法により行う。
真空蒸着法およびスパッタ法等の乾式成膜法の場合、曲面レンズに成膜すると膜厚が均一になりにくく、一般的にはレンズ周辺部が薄くなる。そのため、乾式成膜法で光学多層薄膜を成膜するとすれば、レンズ中心部と周辺部で反射率が異なる場合がある。
ところが、このような実施の形態におけるスピンコート法又はディップコート法では、光学基材10の光学面11上に液体を塗布して成膜するため、光学面11が曲面であっても液体が曲面に追従して流れる性質を利用することにより、曲率が大きくてD/Rが1.2以上の曲面であっても、全面に比較的容易に均一に成膜することができ、真空蒸着法およびスパッタ法等に比べて格段に容易に任意屈折率層14を形成することが可能である。
このとき、アルコール分散媒がメタノールの場合、蒸発速度が速すぎるため、均一に成膜することが容易でない。そのため、塗布前に、アルコール分散媒の半分以上を蒸気圧の低いプロパノール、ブタノール、ペンタノール等の高級アルコールで置換して塗布するのが好ましい。このようにアルコールで置換するには、第2のゾル溶液をロータリーエバポレータ等を用いて濃縮した後、より蒸気圧の低いアルコールで希釈するなどにより行うことができる。このように置換することにより、蒸発速度が抑えられ、均一な厚さに塗布することが容易になる。
成膜後、未硬化の任意屈折率層14に、他の任意屈折率層14のための第2のゾル溶液や後述する最外層13のための第1のゾル溶液を塗布するのではなく、加熱して硬化させる。この加熱温度としては、光学基材10がガラスの場合、50℃以上200℃以下とするのが好ましく、プラスチック基材の場合、30℃以上150℃以下とするのが好ましい。
このように硬化させる際には、任意屈折率層14を完全に硬化させてもよいが、時間短縮等のために短時間加熱して表面のみを硬化させる程度であってもよい。
なお、任意屈折率層14を複数形成する場合には、このような操作を複数繰り返せばよい。その場合、各任意屈折率層14を形成するための第2のゾル溶液には、成分比や濃度などを異ならせた液を用いる必要がある。
次に、上記のようにして得られた第1のゾル溶液を、任意屈折率層14の表面に湿式成膜法により塗布して成膜し、硬化させることにより最外層13を形成する。このような最外層13の形成方法は、任意屈折率層14の形成方法と同様に行うことができる。
そして、このような最外層13を完全に硬化させると共に、任意屈折率層14を完全に硬化させていない場合には同時に任意屈折率層14をも硬化させることにより、光学素子の製造を完了する。
以上のような製造方法によれば、任意屈折率層14を形成する第2のゾル溶液の高屈折率微粒子18と第2のバインダ成分との成分比を調整することで、任意屈折率層14の屈折率を所定範囲に容易に調整でき、また、第2のゾル溶液中の高屈折率微粒子18及び第2のバインダ成分の濃度を調整することで、その膜厚を容易に調整できるので、精度よく所望の反射率を得るための任意屈折率層14を容易に形成できる。
また、最外層13においても、第1のゾル溶液の低屈折率微粒子15と第1のバインダとの成分比並びに濃度を調整することで、最外層の屈折率及び膜厚を容易に調整できるので精度よく所望の反射率を得るための最外層13を容易に形成できる。その結果、所望の反射防止特性を有する光学多層薄膜を容易に製造することができる。
以下、実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(TiOゾル溶液の調製)
チタニウムイソプロポキシドに等モルの酢酸を加え、よく攪拌する。反応により発熱するが、室温になるまで攪拌を続け、チタニウムイソプロポキシドをキレート化処理を行い、加水分解に必要な量の水と触媒として少量の硝酸を加えたメタノール溶媒に、キレート処理したチタニウムイソプロポキシドをよく攪拌しながらゆっくり滴下して加水分解して、TiO微粒子を調製した。
滴下終了後6時間攪拌を続け、大きな凝集粒子を破壊して高屈折率微粒子ゾル溶液としてのTiOゾル溶液を調製した。
調製直後は無色透明なゾル溶液が得られたが、数日たつとやや白濁しその後安定した。ゾル溶液に含まれるTiO濃度は3wt%とした。
(MgFゾル溶液の調製)
低屈折率微粒子ゾル溶液としてのMgFゾル溶液は、フッ化水素酸(フッ酸)と酢酸マグネシウムを原料にして調製した。50%フッ酸と酢酸マグネシウム4水和物をそれぞれメタノールに溶解し、酢酸マグネシウムメタノール溶液を攪拌しながらフッ酸メタノール溶液を滴下した。合成されたMgF微粒子を含むゾル溶液をテフロン(登録商標)製オートクレーブに入れて密封し、容器ごと140℃に加熱してMgF微粒子を含むゾル溶液に対して高温高圧処理を行った。MgFの濃度は2wt%とした。
(SiOバインダ溶液)
第1及び第2のバインダ成分を含む溶液として市販のSiOバインダ溶液(住友大阪セメント(株)製、スミセファインG−200B(SiO換算濃度:1.63wt%))を使用した。
(塗布溶液の調製)
得られたTiOゾル溶液およびMgFゾル溶液の分散媒はほぼメタノールであるため、そのまま塗布してもメタノールの蒸発速度が速すぎて均一に成膜することが困難であった。そこで、ゾル溶液をロータリーエバポレータを用いて濃縮した後、メタノール分散媒の半分以上をより蒸気圧の低いプロパノ−ルやブタノ−ルなどのアルコ−ル分散媒に置換した。それぞれのゾル溶液にはあらかじめSiOバインダ溶液を添加してからアルコール分散媒を置換して塗布液を調製した。
このようにして蒸気圧の低い有機溶媒で希釈することによりメタノール分散媒の一部を置換すると蒸発速度が抑えられ、むらなく均一な厚さに塗布することができた。
(実施例1)
DF13光学ガラス(nd=1.74)に対して2層構成の広帯域反射防止膜の設計を行った。300−1100nmの波長範囲で設計したところ、図2に示すように、350−1100nmで反射率はほぼ1%以下となった。550nmにおける各層の屈折率と膜厚は以下の表1の通りである。
まず、BSC7光学ガラスに各層が所定の屈折率と膜厚で成膜されたとしてシュミレーションし、分光反射率特性を計算で求めた。その結果は以下の表2の通りである。表中、第1層が任意屈折率層14であり、第2層が最外層13である。
次に、実際にTiOゾル溶液とSiOバインダ溶液の比率、およびMgFゾル溶液とSiOバインダ溶液の比率を変えて屈折率を追い込み、それぞれの成分比となる混合比率を決定した。
さらに全体の膜厚も設計値と合うように追い込み、最終的な成膜条件を決定した。
任意屈折率層14である第1層については、SiOバインダ溶液にTiOゾル溶液を4.54%添加し、ロータリーエバポレータを用いて重量が1/2.34になるまで濃縮した後、プロパノールを加えて元の重量まで希釈した。
最外層13である第2層については、MgFゾル溶液にSiOバインダ溶液を20%添加し、最終的な塗布液のMgF濃度を3.0%とした。これらを表3に示す。
回転数を2000rpmにしてTiO―SiO塗布液をDF13光学ガラス基板にスピンコートした。160℃で1時間加熱ベークしてから室温まで冷却した。次に、MgF―SiO塗布液を同様にスピンコートして成膜した。
図3に、任意屈折率層14を構成するTiOーSiO膜の断面14aおよび表面14bの走査型電子顕微鏡写真を示す。膜はTiOの微粒子から構成され、比較的緻密な構造をしていた。膜断面のエッジが鋭利であることからも膜が緻密で屈折率が高いことを示していた。
図4に最外層13を構成するMgFーSiO膜の断面13aおよび表面13bの走査型電子顕微鏡写真を示す。膜はMgFの微粒子から構成された多孔質構造をしており、低屈折率であることを示していた。
屈折率の異なるこれらの2層を積層し、分光反射特性を測定した結果を図5に示す。
図2と比較すると、波長500nm付近で設計より反射率がやや高くなっているが、全体的な特性は設計とよく一致していた。350nmから1100nmの可視域から近赤外域にかけて反射率は約1%以下となり、たった2層からなる光学多層薄膜12でも優れた性能の広帯域反射防止膜を作製することができた。
光学基材10に光学多層薄膜12であるこの反射防止膜を成膜した光学素子を用いて耐環境性試験(70℃、相対湿度80%で40時間)を実施した。そして、耐環境性試験後において分光反射特性を測定した結果を図6に示す。
分光反射特性は耐環境性試験後も大きく変化しておらず、この反射防止膜は十分な耐環境性をもっていた。
この2層からなる光学多層薄膜12である広帯域反射防止膜を、D/Rが1.52の凸面レンズに成膜した。その結果、レンズの頂点と周辺部で図3と同じ分光反射特性が得られ、本発明による方法で曲率半径の小さい凸面レンズにも上記の広帯域反射防止膜を均一に成膜することができた。
(実施例2)
DF13光学ガラス(nd=1.74)に対して2層構成の反射防止膜の設計を行った。350−800nmの波長範囲で設計したところ、図7に示すように、380−800nmで反射率はほぼ1%以下となった。550nmにおける各層の屈折率と膜厚は以下の表4の通りである。表中、第1層が任意屈折率層14であり、第2層が最外層13である。
まず、DF13光学ガラスに各層が所定の屈折率と膜厚で成膜されたとしてシュミレーションし、分光反射率特性を計算で求めた。その結果は以下の表5の通りである。表中、第1層が任意屈折率層14であり、第2層が最外層13である。
次に、実際にTiOゾル溶液とSiOバインダ溶液の比率、およびMgFゾル溶液とSiOバインダ溶液の比率を変えて屈折率を追い込み、それぞれの成分比となる混合比率を決定した。
さらに全体の膜厚も設計値と合うように追い込み、最終的な成膜条件を決定した。
任意屈折率層14である第1層については、SiOバインダ溶液にTiOゾル溶液を19.6%添加し、ロータリーエバポレータを用いて重量が1/4.831になるまで濃縮した後、プロパノールを加えて元の重量まで希釈した。
最外層13である第2層については、MgFゾル溶液にSiOバインダ溶液を20%添加し、最終的な塗布液のMgF濃度を2.87%とした。これらを表6に示す。
回転数を2000rpmにしてTiO―SiO塗布液をDF13光学ガラス基板にスピンコートした。160℃で1時間加熱ベークしてから室温まで冷却した。次に、MgF―SiO塗布液を同様にスピンコートして成膜した。
屈折率の異なる任意屈折率層14及び最外層13としてのこれらの2層を積層し、分光反射特性を測定した結果を図8に示す。
図7と比較すると、設計と非常によく一致していた。400nmから750nmにかけて反射率は0.5%以下となり、たった2層からなる光学多層薄膜12でも極めて低反射な反射防止膜を作製することができた。
この2層からなる光学多層薄膜12である広帯域反射防止膜を、D/Rが1.52の凹面レンズに成膜した。レンズの頂点と周辺部で図8と同じ分光反射特性が得られ、本発明による方法で曲率半径の小さい凹面レンズにも多層反射防止膜を均一に成膜することができた。
(実施例3)
DF13光学ガラス(nd=1.74)に対して2層構成の反射防止膜の設計を行った。350−800nmの波長範囲で設計したところ、図7に示すように、380−800nmで反射率はほぼ1%以下となった。550nmにおける各層の屈折率と膜厚は以下の表7の通りである。表中、第1層が任意屈折率層14であり、第2層が最外層13である。
まず、DF13光学ガラスに各層が所定の屈折率と膜厚で成膜されたとしてシュミレーションし、分光反射率特性を計算で求めた。その結果は以下の表8の通りである。表中、第1層が任意屈折率層14であり、第2層が最外層13である。
次に、実際にZrOゾル溶液(住友大阪セメント(株)製、ナノジルコニア分散液)とSiOバインダ溶液の比率、およびMgFゾル溶液とSiOバインダ溶液の比率を変えて屈折率を追い込み、それぞれの成分比となる混合比率を決定した。
さらに全体の膜厚も設計値と合うように追い込み、最終的な成膜条件を決定した。
任意屈折率層14である第1層については、SiOバインダ溶液にZrOゾル溶液を14.4%添加し、ロータリーエバポレータを用いて重量が1/4.65になるまで濃縮した後、プロパノールを加えて3倍に希釈した。
最外層13である第2層については、MgFゾル溶液にSiOバインダ溶液を20%添加し、最終的な塗布液のMgF濃度を2.87%とした。これらを表9に示す。
回転数を2000rpmにしてZrO―SiO塗布液をDF13光学ガラス基板にスピンコートした。160℃で1時間加熱ベークしてから室温まで冷却した。次に、MgF―SiO塗布液を同様にスピンコートして成膜した。
屈折率の異なる任意屈折率層14及び最外層13としてのこれらの2層を積層し、分光反射特性を測定した結果を図9に示す。
図7と比較すると、設計と非常によく一致していた。400nmから750nmにかけて反射率は0.5%以下となり、たった2層からなる光学多層薄膜12でも極めて低反射な反射防止膜を作製することができた。
また、光学基板10に光学多層薄膜12であるこの反射防止膜を成膜した光学素子を用いて耐環境性試験(85℃、相対湿度85%で24時間)を実施した。そして、耐環境性試験後において分光反射特性を測定した結果を図9に示す。
分光反射特性は耐環境性試験後も大きく変化しておらず、この反射防止膜は十分な耐環境性をもっていた。
この2層からなる光学多層薄膜12である広帯域反射防止膜を、D/Rが1.52の凹面レンズに成膜した。レンズの頂点と周辺部で図9と同じ分光反射特性が得られ、本発明による方法で曲率半径の小さい凹面レンズにも多層反射防止膜を均一に成膜することができた。

Claims (14)

  1. 光学基材の光学面に積層され、前記光学基材より小さい屈折率を有する最外層と、前記光学基材の光学面と前記最外層との間に配置され、屈折率が前記最外層より高い所定範囲で調整可能とされた少なくとも一層の任意屈折率層とを備えた光学多層薄膜であり、
    前記最外層は、前記光学基材より小さい屈折率を有する低屈折率材料からなる低屈折率微粒子と、該低屈折率微粒子間を結合する第1のバインダとから湿式成膜法により形成されてなり、
    前記任意屈折率層は、前記低屈折率材料より大きい屈折率を有する高屈折率材料からなる高屈折率微粒子と、前記高屈折率材料と異なる屈折率を有し、前記高屈折率微粒子間を結合する第2のバインダとから湿式成膜法により形成されてなる、光学多層薄膜。
  2. 前記任意屈折率層は、前記高屈折率材料と前記第2のバインダとの間の屈折率を有する、請求項1に記載の光学多層薄膜。
  3. 前記高屈折材料は、TiO又はZrOである、請求項1に記載の光学多層薄膜。
  4. 前記低屈折率材料は、MgFである、請求項1に記載の光学多層薄膜。
  5. 前記第1のバインダと前記第2のバインダとが、前記低屈折率材料と前記高屈折率材料との間の屈折率を有する同一の中間屈折率材料からなる、請求項1に記載の光学多層薄膜。
  6. 前記中間屈折率材料は、SiOである、請求項5に記載の光学多層薄膜。
  7. 前記任意屈折率層の屈折率が1.45以上1.9以下であると共に、前記最外層の屈折率が1.20以上1.40以下である、請求項1に記載の光学多層薄膜。
  8. 屈折率が1.5以上2.1以下の光学基材と、該光学基材の光学面に積層された請求項1乃至7の何れか一つに記載の光学多層薄膜とを備える、光学素子。
  9. 400nm以上1100nm以下の波長範囲における反射率が、前記光学面の実質的に全面で2%以下である、請求項8に記載の光学素子。
  10. 前記光学面は、(有効直径D)/(半径R)が、1.2以上の凸面又は凹面からなる、請求項8に記載の光学素子。
  11. 高屈折率材料からなる高屈折率微粒子が該高屈折率材料と異なる屈折率を有する第2のバインダ成分と共にアルコール分散媒に分散された第2のゾル溶液を調製する工程と、
    低屈折率材料からなる低屈折率微粒子が第1のバインダ成分と共にアルコール分散媒に分散された第1のゾル溶液を調製する工程と、
    光学基材の光学面に前記第2のゾル溶液を用いて湿式成膜法により成膜して、少なくとも表面が硬化した任意屈折率層を形成する工程と、
    該任意屈折率層の外側に前記第1のゾル溶液を用いて湿式成膜法により成膜すると共に硬化して最外層を形成する工程とを備え、
    前記第2のゾル溶液の前記高屈折率微粒子と第2のバインダ成分との成分比を、前記任意屈折率層の屈折率が前記最外層より高い所定範囲となるように調整する、光学多層薄膜の製造方法。
  12. 前記第2のゾル溶液の前記高屈折率微粒子及び前記第2のバインダ成分の濃度を、前記任意屈折率層の膜厚が所定範囲となるように調整する、請求項11に記載の光学多層薄膜の製造方法。
  13. 前記湿式成膜法は、スピンコート法又はディップコート法により前記第1及び/又は第2のゾル溶液を塗布する、請求項11に記載の光学多層薄膜の製造方法。
  14. 前記高屈折率微粒子の前駆体となるアルコキシドをキレート化処理した後、前記アルコール分散媒中で加水分解することにより前記高屈折率微粒子を含有する高屈折率微粒子ゾル液を形成し、該高屈折率微粒子ゾル液に前記第2のバインダ成分を混合することにより前記第2のゾル溶液を調製する、請求項11に記載の光学多層薄膜の製造方法。
JP2008522515A 2006-06-27 2007-06-21 光学多層薄膜、光学素子、及び光学多層薄膜の製造方法 Pending JPWO2008001675A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006176967 2006-06-27
JP2006176967 2006-06-27
PCT/JP2007/062518 WO2008001675A1 (fr) 2006-06-27 2007-06-21 mince film MULTICOUCHE OPTIQUE, élément optique et procédé de fabrication de mince film multicouche optique

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008001675A1 true JPWO2008001675A1 (ja) 2009-11-26

Family

ID=38845442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008522515A Pending JPWO2008001675A1 (ja) 2006-06-27 2007-06-21 光学多層薄膜、光学素子、及び光学多層薄膜の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8098432B2 (ja)
JP (1) JPWO2008001675A1 (ja)
TW (1) TWI435856B (ja)
WO (1) WO2008001675A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5621636B2 (ja) * 2010-03-15 2014-11-12 株式会社ニコン 撮影レンズ、この撮影レンズを備えた光学機器、撮影レンズの製造方法
US9470827B2 (en) * 2010-10-27 2016-10-18 Konica Minolta, Inc. Near-infrared reflective film, method for producing same, and near-infrared reflector provided with near-infrared reflective film
JP5786865B2 (ja) * 2010-12-09 2015-09-30 コニカミノルタ株式会社 近赤外反射フィルム及びそれを設けた近赤外反射体
KR20130140030A (ko) * 2010-12-24 2013-12-23 우베 에쿠시모 가부시키가이샤 반사 방지 재료
JP5878429B2 (ja) * 2012-05-29 2016-03-08 ステラケミファ株式会社 フッ化マグネシウム粒子、フッ化マグネシウム粒子の製造方法、フッ化マグネシウム粒子分散液、フッ化マグネシウム粒子分散液の製造方法、低屈折率層形成用組成物、低屈折率層形成用組成物の製造方法、低屈折率層付基材及び低屈折率層付基材の製造方法
US10908320B2 (en) 2015-10-01 2021-02-02 Nippon Sheet Glass Company, Limited Coated glass sheet and method for producing same
JP6740762B2 (ja) * 2016-07-13 2020-08-19 日亜化学工業株式会社 発光装置およびその製造方法
JP7057525B2 (ja) * 2020-07-21 2022-04-20 日亜化学工業株式会社 発光装置およびその製造方法、ならびに表示装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0482145A (ja) * 1990-07-24 1992-03-16 Toshiba Corp 表示装置
JPH04155731A (ja) * 1990-10-19 1992-05-28 Toshiba Corp 反射防止膜および陰極線管
JPH04334853A (ja) * 1991-05-13 1992-11-20 Mitsubishi Electric Corp 低反射膜付陰極線管
JPH07272646A (ja) * 1994-03-31 1995-10-20 Hitachi Ltd 超微粒子膜及びその形成方法、及び、透光板並びに画像表示板
JPH08122501A (ja) * 1994-10-20 1996-05-17 Nissan Chem Ind Ltd 低屈折率反射防止膜
JPH09222504A (ja) * 1996-02-16 1997-08-26 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止フイルム
WO2006030848A1 (ja) * 2004-09-16 2006-03-23 Nikon Corporation 非晶質酸化珪素バインダを有するMgF2光学薄膜、及びそれを備える光学素子、並びにそのMgF2光学薄膜の製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63139302A (ja) * 1986-04-22 1988-06-11 Seiko Epson Corp 反射防止膜を有する光学成形物品
KR940011569B1 (ko) * 1990-10-24 1994-12-21 미쯔비시덴끼 가부시끼가이샤 저 반사막을 갖는 음극선관
JP3472169B2 (ja) 1998-12-09 2003-12-02 株式会社オプトロン 中間屈折率の光学薄膜用蒸着材料および該蒸着材料を用いた光学薄膜
JP4457557B2 (ja) 2000-08-30 2010-04-28 株式会社ニコン 光学薄膜の形成方法及び光学薄膜を備えた光学素子
DE102004027842A1 (de) 2004-06-08 2006-01-12 Institut für Neue Materialien Gemeinnützige GmbH Abrieb- und kratzfeste Beschichtungen mit niedriger Brechzahl auf einem Substrat

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0482145A (ja) * 1990-07-24 1992-03-16 Toshiba Corp 表示装置
JPH04155731A (ja) * 1990-10-19 1992-05-28 Toshiba Corp 反射防止膜および陰極線管
JPH04334853A (ja) * 1991-05-13 1992-11-20 Mitsubishi Electric Corp 低反射膜付陰極線管
JPH07272646A (ja) * 1994-03-31 1995-10-20 Hitachi Ltd 超微粒子膜及びその形成方法、及び、透光板並びに画像表示板
JPH08122501A (ja) * 1994-10-20 1996-05-17 Nissan Chem Ind Ltd 低屈折率反射防止膜
JPH09222504A (ja) * 1996-02-16 1997-08-26 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止フイルム
WO2006030848A1 (ja) * 2004-09-16 2006-03-23 Nikon Corporation 非晶質酸化珪素バインダを有するMgF2光学薄膜、及びそれを備える光学素子、並びにそのMgF2光学薄膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8098432B2 (en) 2012-01-17
WO2008001675A1 (fr) 2008-01-03
TWI435856B (zh) 2014-05-01
TW200811074A (en) 2008-03-01
US20090161219A1 (en) 2009-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4858170B2 (ja) 非晶質酸化珪素バインダを有するMgF2光学薄膜の製造方法
JPWO2008001675A1 (ja) 光学多層薄膜、光学素子、及び光学多層薄膜の製造方法
CN100480736C (zh) MgF2光学薄膜和具备该薄膜的光学组件以及该薄膜的制造方法
JP4182236B2 (ja) 光学部材および光学部材の製造方法
JP4520418B2 (ja) 光学用透明部材及びそれを用いた光学系
JP5063926B2 (ja) 反射防止基材の製造方法
JP3628692B2 (ja) 高屈折率を有する複合材料、該複合材料の製造方法及び該複合材料を含む光学活性材料
TWI375048B (en) Anti-reflection coating, and optical element and optical system with anti-reflection coating
TWI518156B (zh) 抗反射及抗炫塗佈組成物、抗反射及抗炫薄膜以及其製備方法
JP6903994B2 (ja) 光学素子及びその製造方法
US20090205536A1 (en) Coating Composition for Low-Refractive Index Anti-Reflection Film
JP5683146B2 (ja) 光学膜の製造方法および光学素子の製造方法
JP2009008901A (ja) 反射防止膜、光学素子及び光学系
JP5665404B2 (ja) 光学膜の製造方法、光学膜および光学部品
JP2010250069A (ja) 反射防止膜、及びこれを有する光学素子
JP2013217977A (ja) 反射防止膜及び光学素子
JP2010169940A (ja) 光学多層薄膜、光学素子およびその製造方法
WO2012053427A1 (ja) 光学薄膜、光学多層薄膜、光学素子、光学素子の製造方法および光学薄膜形成用の塗布液
TWI413667B (zh) 製備可調折射率光學膜之藥水

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120229

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120426

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120528

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120907