JP2006330742A - 反射防止フイルム - Google Patents

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Abstract

【課題】反射防止フイルムにおいて、その最表層の低屈折率層がハードコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを提供すること。
【解決手段】透明基材フイルム上に、高屈折率を有するハードコート層及び低屈折率層を積層してなる反射防止フイルムにおいて、上記高屈折率層が、液媒体中にチタン又はタンタルの酸化物ゾルと、メチルトリメトキシシラン等の反応性有機珪素化合物とを含むゾル液から形成された屈折率1.65以上のゲル膜からなることを特徴とする反射防止フイルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワープロ、コンピュータ、テレビ、プラズマディスプレイパネル等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透明プラスチック類からなるサングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等の光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラス等の表面の反射防止に優れた反射防止フイルムに関する。
従来、カーブミラー、バックミラー、ゴーグル、窓ガラス、パソコン、ワープロ、プラズマディスプレイ等のディスプレイ、その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプラスチック等の透明基板が用いられており、これらの透明基板を通して物体や文字、図形等の視覚情報を観察する場合、或いはミラーでは透明基板を通して反射層からの像を観察する場合に、これらの透明基板の表面が外光で反射して内部の視覚情報が見えにくいという問題があった。
このような透明基板の反射を防止する方法としては、従来、ガラスやプラスチックの表面に反射防止塗料を塗布する方法、ガラス・プラスチック基材等の透明基板の表面に、必要に応じてハードコート層を介して膜厚0.1μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を蒸着やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成する方法があった。
しかしながら、プラスチックレンズ等のプラスチック製品の表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工してハードコート層とし、得られたハードコート層上に膜厚0.1μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を蒸着によって形成して反射防止フイルムを形成する方法では、ハードコート層に対するMgF2やSiO2等の蒸着薄膜の密着性が不十分であり、反射防止フイルムを繰り返し屈曲させると、これらの薄膜にクラックが入ったり、薄膜が剥離したりする等の問題がある。
近年、塗布法によって優れた品質の薄膜を得る方法として、無機又は有機超微粒子を酸性及び又はアルカリ水溶液中に分散した分散液を、基板上に塗布し、焼成する方法が提案されている。この製造方法によると、大量生産や設備コスト面では有利であるが、製造工程中に高温での焼成過程を必要とするため、プラスチック基材には成膜が不可能なこと、又、基板と塗布膜との収縮度の違い等により皮膜の均一性が十分でなく、気相法により得られる薄膜に比較した場合に、基材に対する密着性等において依然として性能が劣り、又、熱処理に長時間(例えば、数十分間以上)を要し、生産性に劣ると云う欠点を有する。
従って、本発明の目的は、反射防止フイルムにおいて、その最表層の低屈折率層がハードコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、透明基材フイルム上に、高屈折率を有するハードコート層及び低屈折率層を積層してなる反射防止フイルムにおいて、上記高屈折率層が、液媒体中にチタン又はタンタルの酸化物ゾルと、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン及びヘキシルトリメトキシシランから選ばれる反応性有機珪素化合物とを含むゾル液から形成された屈折率1.65以上のゲル膜からなることを特徴とする反射防止フイルムである。
本発明によれば、反射防止フイルムの高屈折率ハードコート層を、液媒体中にチタン又はタンタルの酸化物ゾルと反応性有機珪素化合物とを含むゾル液から屈折率1.65以上のゲル膜として形成することによって、低屈折率層が高屈折ハードコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを、高価で複雑な設備等を使用することなく経済的に提供することができる。
次に実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明の反射防止フイルムの1例の断面を図解的に示す図である。この例の反射防止フイルムは、透明基材フイルム1上に、高屈折率を有するハードコート層2と低屈折率層3を積層した例であり、図中の符号4は必要に応じて積層される接着層又はプライマー層である。
図2に示す例は、上記図1に示す例における高屈折率を有するハードコート層2を、ハードコート層5とその上に形成した高屈折率層6とに機能分離した例である。
図3に示す例は、上記図1に示す例において、表面に微細凹凸形状を設け、反射防止フイルムに防眩性を付与した例である。
本発明において、上記透明基材フイルムとしては、透明性のあるフイルムであればいずれのフイルムでもよく、例えば、トリアセチルセルロースフイルム、ジアセチルセルロースフイルム、アセテートブチレートセルロースフイルム、ポリエーテルサルホンフイルム、ポリアクリル系樹脂フイルム、ポリウレタン系樹脂フイルム、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリスルホンフイルム、ポリエーテルフイルム、トリメチルペンテンフイルム、ポリエーテルケトンフイルム、(メタ)アクリロニトリルフイルム等が使用できるが、一軸又は二軸延伸ポリエステルが透明性及び耐熱性に優れ、光学的に異方性が無い点で好適に用いられる。その厚みは、通常は8μm〜1000μm程度のものが好適に用いられる。
図1の例において、上記透明基材フイルムの面に形成する高屈折率を有するハードコート層は、液媒体中にチタン又はタンタルの酸化物ゾルと反応性有機珪素化合物とを含むゾル液、又は該ゾル液とハードコート層を形成し得る熱硬化性樹脂や電離放射線硬化型樹脂との混合物から形成された屈折率1.65以上のゲル膜である。
上記のチタン又はタンタルの金属酸化物ゾルは、それらの金属アルコキシドを加水分解することによって形成することが好ましい。ここで使用する金属アルコキシドは、RmTi(OR´)n(Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、R’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは4の整数である)又はRmTa(OR´)n(Rは炭素数1〜10のアルキル基を表し、R’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは5の整数である)で表される金属アルコキシドである。更に具体的には、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec−ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタ−i−プロポキシド、タンタルペンタ−n−プロポキシド、タンタルペンタ−n−ブトキシド、タンタルペンタ−sec−ブトキシド、タンタルペンタ−tert−ブトキシド等が挙げられる。
上記金属アルコキシドの加水分解は、上記金属アルコキシドを適当な溶媒中に溶解して行う。使用する溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のアルコール、ケトン、エステル類、ハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、或いはこれらの混合物が挙げられる。
上記アルコキシドは上記溶媒中に、該アルコキシドが100%加水分解及び縮合したとして生じる金属酸化物換算で0.1重量%以上、好ましくは0.1〜10重量%になるように溶解する。金属酸化物ゾルの濃度が0.1重量%未満であると形成される機能膜が所望の特性が充分に発揮できず、一方、10重量%を越えると透明均質膜の形成が困難となる。
又、上記範囲内において、金属酸化物ゲル濃度を変化させることによって、ゲル濃度に比例して、得られるゲル膜の屈折率を調整することができる。又、本発明においては、以上の固形分以内であるならば、有機物や無機物バインダーを併用することも可能である。
上記アルコキシド溶液に加水分解に必要な量以上の水を加え、15〜35℃、好ましくは22〜28℃の温度で、0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間撹拌を行う。該加水分解においては、触媒を用いることが好ましく、これらの触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、酢酸等の酸が好ましく、これらの酸を約0.1〜20.0N、好ましくは0.5〜7.0N程度の水溶液として加え、該水溶液中の水分を加水分解用の水分とすることができる。
加水分解に際して上記範囲において触媒の濃度を変化させることによって、触媒の濃度に比例して、得られるゲル膜の屈折率を調整することができる。
以上の如くして得られた金属酸化物ゾルは、無色透明な液体であり、ポットライフが約1ケ月の安定な溶液であり、基材に対して濡れ性が良く、塗布適性に優れている。
更に最終的に得られるゲル膜の屈折率を調整する必要がある場合、例えば、屈折率を下げるためにフッ素系有機珪素化合物、有機珪素化合物、硼素系有機化合物等を添加することができる。具体的には、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、コルコート40(コルコート社製)、MS51(三菱化学製)、スノーテックス(日産化学製)等の有機珪素化合物、ザフロンFC−110,220,250(東亜合成化学製)、セクラルコートA−402B(セントラル硝子製)、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフッ素化合物、硼酸トリエチル、硼酸トリメチル、硼酸トリプロピル、硼酸トリブチル等の硼素系化合物が挙げられる。これらの添加剤はゾルの調製時に加えてもよいし、ゾルの形成後に加えてもよい。
屈折率を上げるためには、加える触媒の濃度、水の量或いは固形分濃度を変化させる必要があり、これらの各因子を上げると屈折率が高くなる。これらの添加剤を用いることによって、金属アルコキシドの加水分解時、或いはその後にゲルの水酸基と反応して更に均一で透明なゾル溶液が得られ、且つ形成されるゲル膜の屈折率をある程度の範囲で変化させることができる。
本発明においては、上記のチタン又はタンタルの酸化物ゾルに反応性有機珪素化合物又はその部分加水分解物を添加する。該反応性有機珪素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
更に好ましい反応性有機珪素化合物としては、熱又は電離放射線によって反応架橋する複数の基、例えば、重合性二重結合基を有する分子量5000以下の有機珪素化合物が好ましい材料として挙げられる。このような反応性有機珪素化合物は、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能ポリシロキサン、或いはこれらの化合物を反応させたビニル官能ポリシラン、又はビニル官能ポリシロキサン等が挙げられる。
具体的な化合物を例示すれば下記の通りである。
CH2=CH−(R12Si)n−CH=CH2 (A)
Figure 2006330742
その他の化合物しては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン化合物が挙げられる。
以上の如き反応性有機珪素化合物は、前記チタン又はタンタルの酸化物ゾル(固形分)100重量部当り約0.1〜50重量部の割合で使用することが好ましい。
上記の反応性有機珪素化合物を含むチタン又はタンタルの酸化物ゾル溶液を用いて高屈折率層を形成する方法は、該チタン又はタンタルの酸化物ゾル溶液を、前記透明基材フイルムの表面に対し、塗布法を用いて塗布し、その後塗布物を活性エネルギー線照射処理するか或いは熱処理することにより、チタン又はタンタルの酸化物ゾル膜を形成することができ、その上に形成する低屈折率層との密着性は著しく改善される。
前記チタン又はタンタルの酸化物ゾル溶液の透明基材フイルムへの塗布方法としては、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等が挙げられる。
上記ゾル溶液の塗布後に行う塗布層の熱処理は、前記透明基材フイルムの熱変形温度以下の温度で行う。例えば、透明基材フイルムがポリエチレンテレフタレートフイルム(PET)である場合には、約80〜150℃の温度で約1分〜1時間熱処理を行ってチタン又はタンタルの酸化物ゲル膜を形成することができる。このような熱処理条件は、使用する透明基材フイルムの種類及び厚みによって異なるので、使用する透明基材フイルムの種類に応じて決定すればよい。
ゾル溶液の塗布後の硬化に使用する活性エネルギー線としては、電子線又は紫外線が挙げられ、特に電子線が好ましい。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される50〜1,000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から発する紫外線等が利用される。活性エネルギー線の総照射量として、活性エネルギー線が電子線である場合に0.5Mrad以上、好ましくは0.5〜50Mradの範囲である。
電子線照射は、空気を酸素で置換しながら、或いは十分な酸素雰囲気中で行うことが好ましく、酸素雰囲気中で行うことによりチタン又はタンタルの酸化物ゾルの生成、重合・縮合が促進され、より均質且つ高品質のゲル層を形成することができる。
上記熱処理は、空気を酸素で置換しながら、或いは十分な酸素雰囲気中で行うことが好ましく、酸素雰囲気中で行うことによりチタン又はタンタルの酸化物ゲルの生成、重合・縮合が促進され、より均質且つ高品質のゲル層を形成することができる。
又、上記ゾル液と併用して高屈折率ハードコート層を形成することができる熱硬化性樹脂や電離放射線硬化型樹脂は、前記透明基材フイルムが熱可塑性樹脂からなるので、硬化時に高温を必要としない電離放射線硬化型樹脂を使用することが好ましい。尚、本明細書において、「ハードコート層」或いは「ハード性を有する」とは、JIS K5400で示される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものをいう。又、本発明において「高屈折率」及び「低屈折率」とは、互いに隣接する層同士の相対的な屈折率の高低をいう。
ハードコート層を形成するのに好適な電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくはアクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー又はプレポリマー、及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
更に本発明では、ハードコート層を形成する硬化性樹脂として、前記の分子量5000以下の反応性有機珪素化合物を単独で又は上記の硬化性樹脂と混合して使用することができる。該有機珪素化合物をハードコート形成材料の少なくとも一部として使用することによって、ハードコート層と低屈折率層との密着性を著しく向上させることができる。
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂とするには、この中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
ハードコート層を、上記の電離放射線硬化性樹脂単独で形成する場合、硬化時に架橋密度が高くなりすぎると、可撓性が低下し、得られる反射防止フイルムの屈曲時にハードコート層にクラック等が入り易くなる場合がある。
この場合にはハードコート層形成用組成物に、非反応性の熱可塑性樹脂を組成物全体中で約50重量%を占めるまでの量で混合することが好ましい。非反応性樹脂の添加量が多すぎるとハードコート性が不十分になる場合がある。
非反応性樹脂としては主として熱可塑性樹脂が用いられる。特に、電離放射線硬化型樹脂にポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートの混合物を使用した場合には、使用する熱可塑性樹脂にはポリメタクリル酸メチルアクリレート又はポリメタクリル酸ブチルアクリレートが塗膜の硬度を高く保つことができる。しかも、この場合、主たる電離放射線硬化型樹脂との屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透明性、特に、低ヘイズ値、高透過率、又、相溶性の点において有利である。
以上の成分からなるハードコート層の屈折率は通常1.49〜1.51程度であるが、ハードコート層の屈折率を更に向上させるために、ハードコート層形成用樹脂組成物中に、高屈折率の金属や金属酸化物の超微粒子を添加することができる。ハードコート層の好ましい屈折率は1.50〜2.10である。
反射防止効果は、光緩衝膜の屈折率と膜厚とにより決定される為、両パラメーターを調整することにより、反射防止効果を高めることができる。
前記高屈折率を有する材料としては、例えば、ZnO(屈折率1.90)、TiO2(屈折率2.3〜2.7)、CeO2(屈折率1.95)、Sb25(屈折率1.71)、SnO2、ITO(屈折率1.95)、Y23(屈折率1.87)、La23(屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)、Al23(屈折率1.63)等の微粉末が挙げられる。
又、ハードコート層の屈折率を更に向上させるために、ハードコート層形成用樹脂組成物中に、高屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂を用いてもよい。前記屈折率を向上させる成分の分子及び原子としては、芳香族環、F以外のハロゲン原子、S、N、Pの原子等が挙げられる。
以上の成分からなるハードコート層は、以上の成分を適当な溶剤に溶解又は分散させて塗工液とし、この塗工液を前記基材フイルムに直接塗布して硬化させるか、或いは離型フイルムに塗布して硬化させた後、適当な接着剤を用いて前記透明基材フイルムに転写させて形成することもできる。ハードコート層の厚みは通常約3〜10μm程度が好ましい。
上記ハードコート層の硬化には、通常の電離放射線硬化型樹脂の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化する方法を用いることができる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
次に上記高屈折率ハードコート層の面に、低屈折率層を形成することにより本発明の反射防止フイルムが得られる。
低屈折率層としては、膜厚0.08〜0.2μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を蒸着やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成する方法、或いは前記の有機珪素化合物を液媒体中で加水分解して得られるSiO2ゾルを含むゾル液から屈折率1.44以下のSiO2ゲル膜を形成する方法等が挙げられるが、特に上記SiO2ゾル中に前記の分子量5000以下の反応性有機珪素化合物を添加したゾル液から屈折率層を形成することによって、形成される低屈折率層とハードコート層との密着性が一層向上する。
図2に示す例は、図1に示す例における高屈折率を有するハードコート層をハードコート層5と高屈折率層6に機能分離した例であり、この例において使用する材料、各層を形成する方法等は図1に示す例の場合と同様である。図2に示す反射防止フイルムは、図1に示す反射防止フイルムに比較して、可視光領域での最低反射率が低く、反射防止効率が大きい。
図3に示す例は、反射防止フイルムの表面に微細凹凸形状7を設けて反射防止フイルムに防眩性を付与したものである。微細凹凸形状の形成は、従来公知のいずれの方法でもよいが、例えば、好ましい方法として、高屈折率ハードコート層を転写法で形成する場合に、転写材の基材フイルムとして表面に微細凹凸形状を有するマットフイルムを用い、該フイルム上に高屈折率ハードコート層用塗工液を塗布及び硬化させ、その後該ハードコート層を、必要に応じて接着剤等を介して前記透明基材フイルム面に転写させ、微細凹凸形状を高屈折率ハードコート層の表面に付与する方法が挙げられる。その他の方法としては、前記基材フイルム面に高屈折率ハードコート層用塗工液を塗布及び乾燥させ、その状態で前記の如きマットフイルムをその樹脂層の面に圧着させ、その状態で樹脂層を硬化させ、次いでマットフイルムを剥離し、マットフイルムの微細凹凸形状を高屈折率ハードコート層の表面に転写させる方法が挙げられる。いずれにしても、このような微細凹凸形状を有する高屈折率層の表面に形成する低屈折率層は薄膜であるので、低屈折率層の表面には上記の微細凹凸形状7が現れる。
本発明の反射防止フイルムは、以上説明した各層の他に、各種機能を付与するための層を更に設けることができる。例えば、透明基材フイルムと高屈折率ハードコート層(高屈折率層)との密着性を向上させるために接着剤層やプライマー層を設けたり、又、ハード性能を向上させるためにハードコート層を複数層とすることができる。上記のように透明基材フイルムとハードコート層との中間に設けられるその他の層の屈折率は、透明基材フイルムの屈折率とハードコート層の屈折率の中間の値とすることが好ましい。
上記他の層の形成方法は、上記のように透明基材フイルム上に、所望の塗工液を直接又は間接的に塗布して形成してもよく、又、透明基材フイルム上にハードコート層を転写により形成する場合には、予め離型フイルム上に形成したハードコート層上に他の層を形成する塗工液を塗布して形成し、その後、透明基材フイルムと離型フイルムとを、離型フイルムの塗布面を内側にしてラミネートし、次いで離型フイルムを剥離することにより、透明基材フイルムに他の層を転写してもよい。又、本発明の反射防止フイルムの下面には、粘着剤が塗布されていてもよく、この反射防止フイルムは反射防止すべき対象物、例えば、偏光素子に貼着して用いることができる。
以上の如くして得られる本発明の反射防止フイルムは、ワープロ、コンピュータ、テレビ、プラズマディスプレイパネル等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透明プラスチック類からなるサングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等の光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車等の窓ガラス等の表面の反射防止に有用である。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
テトラブトキシチタン(Ti(OR4))が理想的にTiO2に加水分解及び縮合したと仮定した時の固形分濃度が3重量%となるように、テトラブトキシチタンを溶媒であるエチルセロソルブに溶解し、液温が25℃に安定するまで30分間撹拌した(A液)。
A液中に、触媒である濃度3Nの塩酸をテトラブトキシチタンのアルコキシド基に対して2.5倍モル量加え、25℃で3時間加水分解を行い、TiO2ゾル溶液を得た(B液)。
上記B液中に分子量5000以下のビニル基含有シラン(X−12−2400:商品名、信越化学工業製)を、B液100重量部(固形分3%)に対して5重量部の割合で添加し、高屈折率層用塗布液(屈折率1.9)を得た。
表面が平滑なPETフイルム(T−60:商品名、ダイヤホイル株式会社製、厚さ50μm)上に、電離放射線硬化型フォスファゼン変性アクリレート(PPZ−N−2000:商品名、大阪共栄社化学製)と上記高屈折率層用塗布液とを重量比2:1に配合した液状樹脂組成物を7μm/dryになるようにグラビアリバースコートにより塗工し、電子線を加速電圧175kVで5Mrad照射した後、120℃で1時間熱処理して硬化させ、高屈折率ハードコート層(屈折率1.75)を形成した。
この高屈折率ハードコート層上に2液硬化型接着剤(LX660(主剤)、KW75(硬化剤):商品名、大日本インキ化学工業製)をグラビアリバースコートにより塗工して接着剤層を形成した。次いで、この接着剤層を介してPETフイルム(A−4300:商品名、東洋紡製、厚さ100μm)をラミネートし、40℃で4日間エージングした後、上記PETフイルム(T−60)を剥離して、高屈折率ハードコート層をPETフイルム(A−4300)上に転写させた。
得られたPETフイルム(A−4300)上の高屈折率ハードコート層上に、更にSiOxをプラズマCVD法にて蒸着して、膜厚100nmのSiOx層(屈折率1.46)を形成して本発明の反射防止フイルムを得た。
得られた反射防止フイルムの全光線透過率は94.0%、ヘイズ値0.5、可視光線の波長領域での最低反射率は0.4であり、反射防止性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハードコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は、碁盤目テープ剥離試験で100/100であり、密着性にも優れていた。
実施例2
メチルトリエトキシシラン(MTEOS)が理想的にSiO2又はMeSiO1.5に加水分解及び縮合したと仮定した時の固形分濃度が3重量%となるように、MTEOSを溶媒であるメチルエチルケトンに溶解し、液温が25℃に安定するまで30分間撹拌した。
この溶液中に、触媒である濃度0.005Nの塩酸をMTEOSのアルコキシド基と等モル量加え、25℃で3時間加水分解を行った。この溶液に更に硬化剤として酢酸ナトリウムと酢酸とを混合したものを加え、25℃で1時間撹拌しSiO2ゾル溶液を得た。
上記溶液中に分子量5000以下のビニル基含有シラン(X−12−2400:商品名)を、SiO2ゾル液100重量部(固形分3%)に対して10重量部の割合で添加し、低屈折率層用塗布液を得た。
表面に微細な凹凸が形成されているマットPETフイルム(ルミラーE−06、:商品名、東レ製、厚さ50μm)上に電離放射線硬化型フォスファゼン変性アクリレート(PPZ−N−2000:商品名)と実施例1と同じ高屈折率層用塗布液とを重量比2:1に配合した液状樹脂組成物を7μm/dryになるようにグラビアリバースコートにより塗工し、電子線を加速電圧175kVで5Mrad照射した後、120℃で1時間熱処理して硬化させ、高屈折率防眩性ハードコート層を形成した(屈折率1.65)。次いでこの高屈折率ハードコート層上に2液硬化型接着剤(LX660(主剤)、KW75(硬化剤):商品名)をグラビアリバースコートにより塗工して接着剤層を形成した。次いで、この接着剤層を介してPETフイルム(A−4300)をラミネートし、40℃で4日間エージングした後、上記PETフイルム(ルミラーE−06)を剥離して、高屈折率防眩性ハードコート層をPETフイルム(A−4300)上に転写させた。この高屈折率防眩層の表面は、前記PETフイルム(ルミラーE−06)の表面形状と同じ微細な凹凸形状となっている。
得られたPETフイルム(A−4300)上の高屈折率ハードコート層上に、前記の低屈折率層用塗布液(屈折率1.42)を、乾燥後の膜厚が0.1μmになるように塗工し、120℃で1時間の熱処理を行い、本発明の防眩性反射防止フイルムを得た。
得られた反射防止フイルムの全光線透過率は92.5%、ヘイズ値1.0であり、反射防止性及び防眩性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハードコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は、碁盤目テープ剥離試験で100/100であり、密着性にも優れていた。
実施例3
透明基材フイルムとして厚さ50μmのPETフイルム(ルミラーT−60:商品名)を用意した。一方、実施例1の高屈折率層用塗布液(屈折率1.9)と電離放射線硬化型樹脂とを該塗布液中のチタン酸化物ゾル15重量部に対して電離放射線硬化型樹脂1重量部になるように配合した。この液状樹脂組成物を、前記PETフイルム上に乾燥後の膜厚0.1μm/dryになるようにグラビアリバースコートにより塗工し、120℃で1時間熱処理を行い、高屈折率層(屈折率1.9)を形成した。この高屈折率層上にハードコート樹脂(PPZ−N−2000:商品名)を7μm/dryになるようにグラビアリバースコートにより塗工し、電子線を加速電圧175kVで5Mrad照射して塗膜を硬化させ、ハードコート層を形成した(屈折率1.55)。
この高屈折率ハードコート層上に2液型硬化型接着剤(LX660(主剤)、KW75(硬化剤):商品名)をグラビアリバースコートにより塗工して接着剤層を形成した。次いで、この接着剤層を介してPETフイルム(A−4300:商品名)をラミネートし、40℃で4日間エージングした後、上記PETフイルム(T−60)を剥離して、高屈折率防眩性ハードコート層をPETフイルム(A−4300)上に転写させた。
得られたPETフイルム(A−4300)上の高屈折率ハードコート層上に、更にプラズマCVD法にてSiOxを蒸着して、膜厚0.1μmのSiOx層(屈折率1.46)を形成して本発明の反射防止フイルムを得た。
得られた反射防止フイルムの全光線透過率は94.0%、ヘイズ値0.5であり、反射防止性及び防眩性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハードコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は、碁盤目テープ剥離試験で100/100であり、密着性にも優れていた。
実施例4
前記実施例3において、PETフイルム(A−4300)上に形成されている高屈折率のハードコート層(屈折率1.9)上に、前記実施例2の低屈折率層用塗工液(屈折率1.42)を、乾燥後の膜厚が0.1μmになる用に塗工し、120℃で1時間の熱処理を行い、本発明の反射防止フイルムを得た。
得られた反射防止フイルムの全光線透過率は94.5%、ヘイズ値0.4であり、可視光線の波長領域での最低反射率は0.2であり、反射防止性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハードコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は碁盤目テープ剥離試験で100/100であり、密着性にも優れていた。
実施例5
表面が平滑なPETフイルム(A−4300:商品名)上に、前記高屈折率層用塗布液とハードコート樹脂(PPZ−N−2000:商品名)とを重量比2:1に配合した液状樹脂組成物を7μm/dryになるようにグラビアリバースコートにより塗工し、溶媒を乾燥除去した。次いでこの高屈折率ハードコート層を介して表面に微細な凹凸が形成されているマットPETフイルム(ルミラーE−06:商品名、厚さ50μm)をラミネートし、電子線を加速電圧175kVで5Mrad照射して塗膜を硬化させ、上記PETフイルム(ルミラーE−06)を剥離して、高屈折率防眩性ハードコート層を形成した。このPETフイルム(A−4300)上の高屈折率防眩性ハードコート層の表面は、前記PETフイルム(ルミラーE−06)の表面形状と同じ微細な凹凸形状となっている。
得られたPETフイルム(A−4300)上の高屈折率ハードコート層上に、更にプラズマCVD法にてSiOxを蒸着して、膜厚0.1μmのSiOx層(屈折率1.46)を形成して本発明の反射防止フイルムを得た。
得られた反射防止フイルムの全光線透過率は92.5%、ヘイズ値1.0であり、反射防止性及び防眩性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハードコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は、碁盤目テープ剥離試験で100/100であり、密着性にも優れていた。
実施例6
前記実施例4の防眩性高屈折率ハードコート層上に前記実施例2の低屈折率層塗工液(屈折率1.42)を乾燥後の膜厚が0.1μmになるように塗工し、120℃で1時間の熱処理を行い、本発明の反射防止フイルムを得た。
得られた反射防止フイルムの全光線透過率は93.5%、ヘイズ値1.0であり、反射防止性及び防眩性に優れていた。又、その表面鉛筆硬度は3Hであり、ハードコート性能にも優れていた。更に高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は、碁盤目テープ剥離試験で100/100であり、密着性にも優れていた。
実施例7
ペンタエトキシタンタル(PEOT)が理想的にTa25に加水分解及び縮合したと仮定した時の固形分濃度が3重量%となるように、溶媒であるイソプロピルアルコール(IPA)に溶解し、液温が25℃に安定するまで30分間撹拌した。
上記溶液中に、触媒である濃度1Nの塩酸を溶解した水をPEOT1モル対して5モル加え、室温で3時間加水分解を行ってゾル液を得た。このゾル液に分子量5000以下のビニル基含有シラン(X−12−2400:商品名)を、ゾル液固形分100重量部に対して5重量部の割合で添加し、高屈折率層用塗布液(屈折率1.9)を得た。
この高屈折率層用塗布液を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の反射防止フイルムを得た。この反射防止フイルムは実施例1の場合と同様に優れた 全光線透過率、ヘイズ値、反射防止性、表面鉛筆硬度及び高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性を有していた。
比較例1
前記実施例1の反射防止フイルムにおいて、反応性珪素有機化合物(X−12−2400)を添加しないTiO2ゾル溶液を用いて屈折率層を形成した以外は、実施例1と同様にして反射防止フイルムを作製した。この反射防止フイルムの全光線透過率は94.5%、ヘイズ値0.5であり、反射防止性は前記実施例1と同様であるが、高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は碁盤目テープ剥離試験で80/100であった。
比較例2
前記実施例1の反射防止フイルムにおいて、真空蒸着法により形成したTiOx膜を高屈折率層とした以外は、実施例1と同様にして反射防止フイルムを作製した。この反射防止フイルムの全光線透過率は93.7%、ヘイズ値0.7であり、反射防止性は前記各実施例に比較して低下している。又、その表面鉛筆硬度は2Hであり、高屈折率ハードコート層と低屈折率層との密着性は碁盤目テープ剥離試験で60/100であった。
以上の如く、本発明によれば、反射防止フイルムの高屈折率ハードコート層を、液媒体中にチタン又はタンタルの酸化物ゾルと反応性有機珪素化合物とを含むゾル液から屈折率1.65以上のゲル膜として形成することによって、低屈折率層が高屈折ハードコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを、高価で複雑な設備等を使用することなく経済的に提供することができる。
本発明の反射防止フイルムの1例の断面を説明する図。 本発明の反射防止フイルムの他の例の断面を説明する図。 本発明の反射防止フイルムの他の例の断面を説明する図。
符号の説明
1:透明基材フイルム
2:高屈折率ハードコート層
3:低屈折率層
4:接着剤層
5:ハードコート層
6:高屈折率層
7:微細凹凸形状

Claims (8)

  1. 透明基材フイルム上に、高屈折率を有するハードコート層及び低屈折率層を積層してなる反射防止フイルムにおいて、上記高屈折率層が、液媒体中にチタン又はタンタルの酸化物ゾルと、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン及びヘキシルトリメトキシシランから選ばれる反応性有機珪素化合物とを含むゾル液から形成された屈折率1.65以上のゲル膜からなることを特徴とする反射防止フイルム。
  2. ゾル液が、チタン又はタンタルの酸化物ゾル(固形分)100重量部当り反応性有機珪素化合物0.1〜50重量部を含む請求項1に記載の反射防止フイルム。
  3. 反応性有機珪素化合物が、熱及び/又は電離放射線によって硬化可能な複数の官能基を有する有機珪素化合物又はその部分加水分解物である請求項1に記載の反射防止フイルム。
  4. 高屈折率を有するハードコート層が、ハードコート層と高屈折率層とに機能分離されている請求項1に記載の反射防止フイルム。
  5. 表面に微細凹凸形状が形成されて、防眩性が付与されている請求項1に記載の反射防止フイルム。
  6. チタン又はタンタルの酸化物ゾルが、金属アルコキシドの塗布に適した有機溶剤に溶解し、一定量の水を添加して加水分解を行って調製したものである請求項1に記載の反射防止フイルム。
  7. 低屈折率層が、蒸着、スパッタリング、プラズマCVD法により形成されたMgF2或いはSiO2の薄膜である請求項1に記載の反射防止フイルム。
  8. 低屈折率層が、SiO2ゾル溶液から形成されたSiO2の薄膜である請求項1に記載の反射防止フイルム。
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