JP2007190926A - 反射防止フイルム - Google Patents

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JP2007190926A JP2007113123A JP2007113123A JP2007190926A JP 2007190926 A JP2007190926 A JP 2007190926A JP 2007113123 A JP2007113123 A JP 2007113123A JP 2007113123 A JP2007113123 A JP 2007113123A JP 2007190926 A JP2007190926 A JP 2007190926A
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Abstract

【課題】反射防止フイルムにおいて、その最表層の低屈折率層がハードコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを提供すること。
【解決手段】透明基材フイルム上に、接着剤層またはプライマー層を介して高屈折率を有するハードコート層及び低屈折率層を順次積層してなる反射防止フイルムにおいて、上記高屈折率を有するハードコート層が、反応性有機珪素化合物を含有する電離放射線硬化型樹脂を主体として形成されていることを特徴とする反射防止フイルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワープロ、コンピュータ、テレビ、プラズマディスプレイパネル等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透明プラスチック類からなるサングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等の光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車の窓ガラス等の表面の反射防止に優れた反射防止フイルムに関する。
従来、カーブミラー、バックミラー、ゴーグル、窓ガラス、パソコン、ワープロ、プラズマディスプレイ等のディスプレイ、その他種々の商業ディスプレイ等には、ガラスやプラスチック等の透明基板が用いられており、これらの透明基板を通して物体や文字、図形等の視覚情報を観察する場合、或いはミラーでは透明基板を通して反射層からの像を観察する場合に、これらの透明基板の表面が外光で反射して内部の視覚情報が見えにくいという問題があった。
このような透明基板の反射を防止する方法としては、従来、ガラスやプラスチックの表面に反射防止塗料を塗布する方法、ガラス・プラスチック基材等の透明基板の表面に、必要に応じてハードコート層を介して膜厚0.1μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を蒸着やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成する方法があった。
しかしながら、プラスチックレンズ等のプラスチック製品の表面に電離放射線硬化型樹脂を塗工してハードコート層とし、得られたハードコート層上に膜厚0.1μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を蒸着によって形成して反射防止フイルムを形成する方法では、ハードコート層に対するMgF2やSiO2等の蒸着薄膜の密着性が不十分であり、反射防止フイルムを繰り返し屈曲させると、これらの薄膜にクラックが入ったり、薄膜が剥離したりする等の問題がある。
近年、塗布法によって優れた品質の薄膜を得る方法として、無機又は有機超微粒子を酸性及び又はアルカリ水溶液中に分散した分散液を、基板上に塗布し、焼成する方法が提案されている。この製造方法によると、大量生産や設備コスト面では有利であるが、製造工程中に高温での焼成過程を必要とするため、プラスチック基材には成膜が不可能なこと、又、基板と塗布膜との収縮度の違い等により皮膜の均一性が十分でなく、気相法により得られる薄膜に比較した場合に、基材に対する密着性等において依然として性能が劣り、又、熱処理に長時間(例えば、数十分間以上)を要し、生産性に劣ると云う欠点を有する。
従って、本発明の目的は、反射防止フイルムにおいて、その最表層の低屈折率層がハードコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、透明基材フイルム上に、接着剤層またはプライマー層を介して高屈折率を有するハードコート層(以下単に高屈折率ハードコート層という)及び低屈折率層を順次積層してなる反射防止フイルムにおいて、上記高屈折率ハードコート層が、反応性有機珪素化合物を含有する電離放射線硬化型樹脂を主体として形成されていることを特徴とする反射防止フイルムである。
本発明によれば、反射防止フイルムの高屈折率ハードコート層を、反応性有機珪素化合物を含有する電離放射線硬化型樹脂を主体として形成することによって、低屈折率層が高屈折率ハードコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイルムを、高価で複雑な設備等を使用することなく経済的に提供することができる。
次に実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明の反射防止フイルムの1例の断面を図解的に示す図である。この例の反射防止フイルムは、透明基材フイルム1上に、高屈折率ハードコート層2と低屈折率層3とを積層した例であり、図中の符号4は必要に応じて積層される接着層又はプライマー層である。
図2に示す例は、上記図1に示す例において、表面に微細凹凸形状5を設け、反射防止フイルムに防眩性を付与した例である。
本発明において、上記透明基材フイルムとしては、透明性のあるフイルムであればいずれのフイルムでもよく、例えば、トリアセチルセルロースフイルム、ジアセチルセルロースフイルム、アセテートブチレートセルロースフイルム、ポリエーテルサルホンフイルム、ポリアクリル系樹脂フイルム、ポリウレタン系樹脂フイルム、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフイルム、ポリスルホンフイルム、ポリエーテルフイルム、トリメチルペンテンフイルム、ポリエーテルケトンフイルム、(メタ)アクリロニトリルフイルム等が使用できるが、一軸又は二軸延伸ポリエステルが透明性及び耐熱性に優れ、光学的に異方性が無い点で好適に用いられる。その厚みは、通常は8μm〜1000μm程度のものが好適に用いられる。
図1の例において、上記透明基材フイルムの面に形成する高屈折率ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂を使用して形成する。尚、本明細書において、「ハードコート層」とは、JIS K5400で示される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものをいう。又、本発明において「高屈折率」及び「低屈折率」とは、互いに隣接する層同士の相対的な屈折率の高低をいう。
高屈折率ハードコート層を形成するのに好適な電離放射線硬化型樹脂としては、好ましくはアクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマー又はプレポリマー、及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂とするには、この中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
上記の電離放射線硬化型樹脂には、反応性有機珪素化合物を含有させる。該反応性有機珪素化合物としては、以下の如き化合物が挙げられる。
(1)珪素アルコキシド
例えば、RmSi(OR´)nで表される化合物であり、ここでR、R´は炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+nは4であり、m及びnはそれぞれ整数である。更に具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(2)シランカップリング剤
例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等が挙げられる。
(3)電離放射線硬化性珪素化合物
電離放射線によって反応架橋する複数の基、例えば、重合性二重結合基を有する分子量5,000以下の有機珪素化合物が挙げられる。このような反応性有機珪素化合物は、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能性ポリシロキサン、或いはこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシラン、又はビニル官能性ポリシロキサン等が挙げられる。
具体的な化合物を例示すれば下記の通りである。
CH2=CH−(R12Si)n−CH=CH2 (A)
Figure 2007190926
(上記式中、a〜d及びnは、分子量が5,000以下になる値である。)
その他の化合物としては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン化合物等が挙げられる。
本発明においては、高屈折率ハードコート層は、前記電離放射線硬化型樹脂に上記の反応性有機珪素化合物を添加して形成する。電離放射線硬化型樹脂に添加する反応性有機珪素化合物の量は、両者の合計のうちの10〜100重量%であり、使用量が10重量%未満であると、最表層に形成する低屈折率層の密着性向上の効果が十分ではない。又、前記(3)の電離放射線硬化性珪素化合物を電離放射線硬化型樹脂として用いる場合には、これらの化合物を単独で使用して高屈折率ハードコート層を形成することができる。
高屈折率ハードコート層を、上記の有機珪素化合物を含む電離放射線硬化型樹脂から形成する場合、硬化時に架橋密度が高くなりすぎると、可撓性が低下し、得られる反射防止フイルムの屈曲時に高屈折率ハードコート層にクラック等が入り易くなる場合がある。
この場合には高屈折率ハードコート層形成用組成物に、非反応性の熱可塑性樹脂を組成物全体中で約50重量%を占めるまでの量で混合することが好ましい。非反応性の熱可塑性樹脂の添加量が多すぎるとハードコート性が不十分になる場合がある。
非反応性樹脂としては主として熱可塑性樹脂が用いられる。特に、電離放射線硬化型樹脂としてポリエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートとの混合物を使用した場合には、使用する熱可塑性樹脂としてはポリメタクリル酸メチルアクリレート又はポリメタクリル酸ブチルアクリレートが、塗膜の硬度を高く保つことができる。しかも、この場合、主たる電離放射線硬化型樹脂との屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわず、透明性、特に、低ヘイズ値、高透過率、又、相溶性の点において有利である。
以上の成分からなる高屈折率ハードコート層の屈折率は通常1.48〜1.52程度であるが、高屈折率ハードコート層の屈折率を更に向上させるために、高屈折率ハードコート層形成用樹脂組成物中に高屈折率の金属や金属酸化物の超微粒子を添加することができる。これにより高屈折率ハードコート層は更に屈折率が向上するが、その好ましい値としては1.55〜2.50である。
前記高屈折率を有する超微粒子は、その粒径が5〜50nmで、屈折率が1.65〜2.7程度のものが好ましく、具体的には、例えば、ZnO(屈折率1.90)、TiO2(屈折率2.3〜2.7)、CeO2(屈折率1.95)、Sb25(屈折率1.71)、SnO2、ITO(屈折率1.95)、Y23(屈折率1.87)、La23(屈折率1.95)、ZrO2(屈折率2.05)、Al23(屈折率1.63)等の微粉末が挙げられる。
又、高屈折率ハードコート層の屈折率を更に向上させるために、高屈折率ハードコート層形成用樹脂組成物中に、高屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂を用いてもよい。前記屈折率を向上させる成分の分子及び原子としては、F以外のハロゲン原子、S、N、Pの原子、芳香族環等が挙げられる。
以上の成分からなる高屈折率ハードコート層は、以上の成分を適当な溶剤に溶解又は分散させて塗工液とし、この塗工液を前記基材フイルムに直接塗布して硬化させるか、或いは離型フイルムに塗布して硬化させた後、適当な接着剤を用いて前記透明基材フイルムに転写させて形成することもできる。高屈折率ハードコート層の厚みは通常約3〜20μm程度が好ましい。
上記高屈折率ハードコート層の硬化には、通常の電離放射線硬化型樹脂の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化する方法を用いることができる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
次に上記高屈折率高屈折率ハードコート層の面に、低屈折率層を形成することにより本発明の反射防止フイルムが得られる。
低屈折率層としては、膜厚0.08〜0.2μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を真空蒸着法やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法により形成する従来公知の方法、或いはSiO2ゾルを含むゾル液から屈折率1.44以下のSiO2ゲル膜を形成する方法等が挙げられる。本発明において低屈折率層は、特にSiO2よりなることが、高屈折率ハードコート層との密着性がより向上する為好ましい。
図2に示す例は、反射防止フイルムの表面に微細凹凸形状5を設けて反射防止フイルムに防眩性を付与したものである。微細凹凸形状の形成は、従来公知のいずれの方法でもよいが、例えば、好ましい方法として、高屈折率ハードコート層を転写法で形成する場合に、転写材の基材フイルムとして表面に微細凹凸形状を有するマットフイルムを用い、該フイルム上に高屈折率ハードコート層用塗工液を塗布及び硬化させ、その後該高屈折率ハードコート層を、必要に応じて接着剤等を介して前記透明基材フイルム面に転写させ、微細凹凸形状を高屈折率ハードコート層の表面に付与する方法が挙げられる。
その他の方法としては、前記透明基材フイルム面に高屈折率ハードコート層用塗工液を塗布及び乾燥させ、その状態で前記の如きマットフイルムをその樹脂層の面に圧着させ、その状態で樹脂層を硬化させ、次いでマットフイルムを剥離し、マットフイルムの微細凹凸形状を高屈折率ハードコート層の表面に転写させる方法が挙げられる。いずれにしても、このような微細凹凸形状を有する高屈折率ハードコート層の表面に形成する低屈折率層は薄膜であるので、低屈折率層の表面には上記の微細凹凸形状5が現れる。
本発明の反射防止フイルムは、以上説明した各層の他に、各種機能を付与するための層を更に設けることができる。例えば、透明基材フイルムと高屈折率ハードコート層との密着性を向上させるために接着層やプライマー層を設けたり、又、ハード性能を向上させるために高屈折率ハードコート層を複数層とすることができる。上記のように透明基材フイルムと高屈折率ハードコート層との中間に設けられるその他の層の屈折率は、透明基材フイルムの屈折率と高屈折率ハードコート層の屈折率の中間の値とすることが好ましい。
上記他の層の形成方法は、上記のように透明基材フイルム上に、所望の塗工液を直接又は間接的に塗布して形成してもよく、又、透明基材フイルム上に高屈折率ハードコート層を転写により形成する場合には、予め離型フイルム上に形成した高屈折率ハードコート層上に他の層(接着層等)となる塗工液を塗布し、その後、各層が積層された離型フイルムと透明基材フイルムとを、離型フイルムの積層面を内側にしてラミネートし、次いで離型フイルムを剥離することにより、透明基材フイルムに上記各層を転写してもよい。又、本発明の反射防止フイルムの下面には、粘着剤が塗布されていてもよく、この反射防止フイルムは反射防止すべき対象物、例えば、偏光素子に貼着して用いることができる。
以上の如くして得られる本発明の反射防止フイルムは、ワープロ、コンピュータ、テレビ、プラズマディスプレイパネル等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透明プラスチック類からなるサングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等の光学レンズ、各種計器のカバー、自動車、電車の窓ガラス等の表面の反射防止に有用である。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
高屈折率ハードコート層用組成物
ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、固形
分30%) 40部
シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分
30%) 10部
電離放射線硬化型樹脂(三菱化学製、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、固形分 90%) 2部
ニトロセルロース(ザ・インクテック製、固形分25%) 3部
上記組成物を離型フイルム(麗光社製、MC−19)上に乾燥時の膜厚が7μmになるように塗工し、320mJの紫外線を照射した後、更に175KeV、7.5Mradで電子線照射を行って塗膜を硬化させて高屈折率ハードコート層を形成した。この高屈折率ハードコート層の表面に下記組成の2液型熱硬化性ウレタン系接着剤を乾燥時の膜厚が3〜20μmになるように塗工して接着層を形成した。
接着剤組成(Tg43℃)
LX660(大日本インキ製) 4部
KW75(大日本インキ製、芳香族系ポリイソシアネート) 1部
酢酸エチル 16部
次に透明基材フイルムとしてTACフイルム(セルローストリアセテートフイルム)(FT−UV−80、富士写真フイルム製、厚さ80μm)を上記接着層を介してラミネートし、40℃で3日以上エージングして接着させた。接着後前記離型フイルムを剥離して、高屈折率ハードコート層をTACフイルムに転写した。この高屈折率ハードコート層上に低屈折率層としてSiOx膜を真空蒸着法により厚さ100nmになるように形成し、本発明の反射防止フイルムとした。
実施例2
下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用し、接着剤が湿気硬化型であるために接着剤塗工時に加湿した以外は実施例1と同様にして本発明の反射防止フイルムを得た。
高屈折率ハードコート層用組成物
ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、
固形分30%) 40部
シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分
30%) 12部
電離放射線硬化型樹脂(カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、三菱化学製、固形分 25%) 2部
HX620(化学名:カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステル ネオペンチルグリコールジアクリレート、日本化薬製、固形分100%) 3部
実施例3
下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の反射防止フイルムを得た。
高屈折率ハードコート層用組成物
シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分
30%) 70部
熱可塑性アクリル樹脂(カプロラクトン変性DPHA、日本化薬製、固形分
100%) 10部
実施例4
下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用し、接着層を厚さ3〜10μmとなるように塗工した以外は実施例1と同様にして本発明の反射防止フイルムを得た。
高屈折率ハードコート層用組成物
シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分
30%) 100部
実施例5
高屈折率ハードコート層用組成物
ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、
固形分30%) 40部
シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分
30%) 12部
電離放射線硬化型樹脂(カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、三菱化学
製、固形分90%) 2部
HX620(日本化薬製、固形分100%) 2部
離型フイルムとしてマットPETフイルム(商品名:ルミラーE06、東レ製、25μm)を使用し、その上に乾燥時の膜厚が7μmになるように上記組成物を塗工し、320mJの紫外線を照射した後、更に175KeV、7.5Mradで電子線照射を行って塗膜を硬化させて高屈折率ハードコート層を形成した。この高屈折率ハードコート層の表面に下記組成の2液型熱硬化性ウレタン系接着剤を乾燥時の膜厚が3〜20μmになるように塗工して接着層を形成した。
接着剤組成(Tg43℃)
LX660(大日本インキ製) 4部
KW75(大日本インキ製、芳香族系ポリイソシアネート) 1部
酢酸エチル 16部
次に透明基材フイルムとしてTACフイルム(FT−UV−80、富士写真フイルム製、厚さ80μm)を上記接着層を介してラミネートし、40℃で3日以上エージングして接着させた。接着後前記離型フイルムを剥離して、防眩性高屈折率ハードコート層をTACフイルムに転写した。この防眩性高屈折率ハードコート層上に低屈折率層としてSiOx膜を真空蒸着法により厚さ100nmになるように形成し、本発明のノングレア反射防止フイルムを得た。
実施例6
下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用した以外は実施例1と同様にして本発明の防眩性を有するノングレア反射防止フイルムを得た。
高屈折率ハードコート層用組成物
ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、
固形分30%) 40部
シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分
30%) 12部
電離放射線硬化型樹脂(三菱化学製、カルボキシル基含有(メタ)アクリレー
ト、固形分90%) 2部
ニトロセルロース(ザ・インクテック製、固形分25%) 12部
比較例1
下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用した以外は実施例1と同様にして比較例の反射防止フイルムを得た。
高屈折率ハードコート層用組成物
ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、
固形分30%) 40部
電離放射線硬化型樹脂(カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、三菱化学
製、固形分90%) 5部
HX620(日本化薬製、固形分100%) 1部
比較例2
下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用し、接着剤塗工時に加湿し、且つ接着層を3〜10μmとなるように塗工した以外は実施例1と同様にして比較例の反射防止フイルムを得た。
高屈折率ハードコート層用組成物
ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、
固形分30%) 40部
電離放射線硬化型樹脂(三菱化学製、カルボキシル基含有(メタ)アクリレー
ト、固形分90%) 5部
ニトロセルロース(ザ・インクテック製、固形分25%) 8部
比較例3
下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用した以外は実施例5と同様にして比較例の防眩性を有するノングレア反射防止フイルムを得た。
ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、
固形分30%) 40部
電離放射線硬化型樹脂(カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、三菱化学
製、固形分90%) 5部
HX620(日本化薬製、固形分100%) 1部
[評価試験]
得られた実施例及び比較例の各反射防止フイルムについて、以下に示す評価試験を行った。その結果を表1に示す。
[評価方法及び評価基準]
1.鉛筆硬度試験
JIS K5400に示された試験方法及び評価基準に従った。
2.反射率(%)
分光光度計にて測定した反射防止フイルムの最低反射率(%)を本評価における反射率とした。
3.密着性A
碁盤目クロスカットによるテープ剥離試験を連続5回行った時の低屈折率層の初期密着性の結果を本評価における密着性Aとした。
4.密着性B
65℃、95%RH、500hの耐湿熱試験後、碁盤目クロスカットによるテープ剥離試験を連続5回行った時の低屈折率層の密着性の結果を本評価における密着性Bとした。
Figure 2007190926
以上の如く、本発明によれば、特定の組成の電離放射線硬化型樹脂組成物を用いて高屈折率ハードコート層を形成することによって、その面に形成される低屈折率層の密着性を著しく向上させることができる。
本発明の反射防止フイルムの1例の断面を説明する図。 本発明の反射防止フイルムの他の例の断面を説明する図。
符号の説明
1:透明基材フイルム
2:高屈折率ハードコート層
3:低屈折率層
4:接着層又はプライマー層
5:微細凹凸形状

Claims (1)

  1. 透明基材フイルム上に、接着剤層またはプライマー層を介して高屈折率を有するハードコート層及び低屈折率層を順次積層してなる反射防止フイルムにおいて、上記高屈折率を有するハードコート層が、反応性有機珪素化合物を含有する電離放射線硬化型樹脂を主体として形成されていることを特徴とする反射防止フイルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101021606B1 (ko) * 2008-07-14 2011-03-17 주식회사 옴니켐 눈부심방지필름
JP2012022190A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体、偏光板及び画像表示装置

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