JPH09194453A - 多価フェノール系化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルおよびその用途 - Google Patents

多価フェノール系化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルおよびその用途

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JPH09194453A
JPH09194453A JP2608196A JP2608196A JPH09194453A JP H09194453 A JPH09194453 A JP H09194453A JP 2608196 A JP2608196 A JP 2608196A JP 2608196 A JP2608196 A JP 2608196A JP H09194453 A JPH09194453 A JP H09194453A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光剤として有効な化合物を提供し、それを
用いて、諸性能のバランスがとれたポジ型レジスト組成
物を提供する。 【解決手段】 式(I)で示される化合物が、感光剤と
して有効である。 式中、Q1 、Q2 およびQ3 の一つはo−キノンジアジ
ドスルホニルを表し、残りは互いに独立に、水素または
o−キノンジアジドスルホニルを表す。 Q1 、Q2
よびQ3 がすべてo−キノンジアジドスルホニルである
化合物が有利である。式(I)の化合物を感光剤として
用い、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と混合して、諸性
能のバランスに優れたポジ型レジスト組成物が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多価フェノール化
合物のキノンジアジドスルホン酸エステル、およびそれ
のレジスト分野への適用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、フェノール性水酸基を有する化
合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化して、半導
体微細加工用のレジスト組成物における感光剤として用
いることは公知である。すなわち、キノンジアジド基を
有する化合物とノボラック樹脂を含有する組成物を金属
基板上に塗布し、これに300〜500nmの波長の光を
照射すると、キノンジアジド基が分解してカルボキシル
基を生じ、アルカリ不溶の状態からアルカリ可溶の状態
になることを利用して、かかる組成物はポジ型レジスト
として用いられる。このポジ型レジストは、ネガ型レジ
ストに比べて解像力に優れるという特徴を有することか
ら、半導体用の各種集積回路の製作に利用されている。
【0003】そして、半導体産業における集積回路は近
年、高集積化に伴う微細化が進み、今やサブミクロンの
パターン形成が要求されるに至っている。そのなかで
も、リソグラフィープロセスは、集積回路作製時の重要
な地位を占めており、ポジ型レジストについても、一層
優れた解像度、すなわち高いγ値が求められるようにな
っている。
【0004】キノンジアジド化合物およびノボラック樹
脂を含有するレジスト材料については、各成分の組合せ
について従来から数多くの提案がなされてきている。例
えば特開平 1-189644 号公報(=USP 5,153,096)には、フ
ェノール性水酸基を少なくとも2個有するトリフェニル
メタン系の化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル
化したものを、感光剤として用いることが記載されてい
る。しかしながらこうした公知の感光剤を用いても、現
在の超高集積回路作製のための超微細加工用、いわゆる
サブミクロンリソグラフィー用のレジストとしては限界
があった。そこで、感度、解像度、耐熱性等のレジスト
性能を向上させるために、種々の研究が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の一つ
は、レジスト組成物における感光剤として用いることが
でき、それによって高性能なレジスト組成物を与えるキ
ノンジアジドスルホン酸エステルを提供することにあ
る。
【0006】本発明の別の目的は、このキノンジアジド
スルホン酸エステルを用いて、高い感度、高い解像力、
優れた耐熱性、良好なプロファイル、良好なフォーカス
許容性、少ない現像残渣など、レジスト諸性能のバラン
スがとれ、半導体微細加工用として好適なレジスト組成
物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、特定構造を有する多価フェノール化合物
をo−キノンジアジドスルホン酸エステル化したもの
が、ポジ型レジスト組成物の感光剤として用いた場合に
優れた結果を与えることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、下式(I)で示される
化合物を提供するものである。
【0009】
【0010】式中、Q1 、Q2 およびQ3 の一つはo−
キノンジアジドスルホニルを表し、残りは互いに独立
に、水素またはo−キノンジアジドスルホニルを表す。
【0011】また本発明は、式(I)で示される化合物
を有効成分とする感光剤を提供し、さらには、この感光
剤およびアルカリ可溶性ノボラック樹脂を含有するポジ
型レジスト組成物をも提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】式(I)において、Q1 、Q2
よびQ3 で表されるo−キノンジアジドスルホニルは、
例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニ
ル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル、
1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニルなどで
あることができ、それぞれ次式で示されるものである。
【0013】
【0014】これらのなかでも、1,2−ナフトキノン
ジアジド−4−または−5−スルホニル、とりわけ、
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルが一般
的である。また式(I)のなかでも、Q1 、Q2 および
3 のすべてがo−キノンジアジドスルホニルである化
合物は重要である。
【0015】式(I)で示される化合物は、下式(II)
で示される1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキ
シ−2,5−ジメチルベンジル)ベンゼン(以下、「ヒ
ドロキシ体(II)」ということがある)を、脱ハロゲン
化水素剤の存在下でo−キノンジアジドスルホン酸ハラ
イドと反応させることにより、製造できる。
【0016】
【0017】ヒドロキシ体(II)は、例えば、2,5−
キシレノールをホルムアルデヒドでモノメチロール化し
て得られる4−ヒドロキシメチル−2,5−キシレノー
ルをレゾルシンと反応させることにより、 容易に高純
度で製造することができる。2,5−キシレノールとホ
ルムアルデヒドの反応にあたっては、2,5−キシレノ
ールに対してホルムアルデヒドを0.9〜1.8モル倍程度
用い、水溶媒中、2,5−キシレノールに対して0.8〜
1.2モル倍の塩基触媒の存在下、比較的低温、例えば5
〜15℃の温度で反応させることにより、モノメチロー
ル体を選択的に製造することができる。
【0018】4−ヒドロキシメチル−2,5−キシレノ
ールとレゾルシンとの反応においては、4−ヒドロキシ
メチル−2,5−キシレノールに対して、レゾルシンを
1〜10のモル比で用いるのが好ましく、さらには1.5
〜6、とりわけ3〜5のモル比で用いるのがより好まし
い。この反応は、一般に酸触媒の存在下で行われる。酸
触媒は、無機酸、有機酸のいずれでもよく、例えば、塩
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる
が、なかでもp−トルエンスルホン酸が好ましく用いら
れる。酸触媒は、4−ヒドロキシメチル−2,5−キシ
レノールに対し、通常0.1〜1モル倍、好ましくは0.2
〜0.5モル倍の範囲で使用される。また、この反応は通
常、溶媒中で行われ、反応溶媒としては水が好ましく用
いられる。反応溶媒、特に水は、レゾルシンの量を基準
に、一般的には1〜5重量倍の範囲で、好ましくは2〜
5重量倍、さらに好ましくは2〜3重量倍の範囲で使用
される。この反応は、一般に大気圧下、例えば10℃か
ら沸点までの範囲の任意の温度で行うことができる。反
応を実施するにあたっては、レゾルシンおよび酸触媒を
含む水溶液に、4−ヒドロキシメチル−2,5−キシレ
ノールを徐々に、または分割して加えていくのが好まし
い。
【0019】こうした反応により、ヒドロキシ体(II)
が生成する。反応溶媒として水を用いた場合は、反応混
合物に、水と分液する性質を有する有機溶媒、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素
類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミルのよ
うな酢酸エステル類、メチルイソブチルケトン、2−ヘ
プタノンのようなケトン類などを加え、ヒドロキシ体
(II)を有機層へ移行させて分液し、次いで晶析などの
操作を施すことにより、ヒドロキシ体(II)を取り出す
ことができる。この際、有機層を水洗して、金属分を低
減させておくのが好ましい。また晶析には、ベンゼン、
トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素溶媒が好ま
しく用いられる。
【0020】こうして得られるヒドロキシ体(II)をo
−キノンジアジドスルホン酸エステル化して、式(I)
の化合物へと導くことができる。エステル化にあたって
は、1,2−キノンジアジド骨格を有する各種のスルホ
ン酸誘導体を用いることができるが、1,2−キノンジ
アジドスルホン酸ハライド、例えば、1,2−ナフトキ
ノンジアジド−4−または−5−スルホン酸ハライド、
1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸ハライ
ドなどが好ましく用いられる。スルホン酸ハライドを構
成するハロゲンは、例えば塩素や臭素などであることが
できるが、通常は塩素であるのが好ましい。エステル化
剤としては、特に、1,2−ナフトキノンジアジド−4
−または−5−スルホン酸クロライドが好ましく用いら
れる。また、2種以上の1,2−キノンジアジドスルホ
ン酸ハライドを併用することもできる。
【0021】エステル化反応において、エステル化剤と
しての1,2−キノンジアジドスルホン酸ハライドは、
ヒドロキシ体(II)に対し、通常1.2〜3.2のモル比で
用いられる。特に本発明においては、このモル比を2.8
〜3.2の範囲とし、式(I)中のQ1 、Q2 およびQ3
のほぼすべてがo−キノンジアジドスルホニルとなった
化合物にするのが好ましい。
【0022】この反応は、通常、脱ハロゲン化水素剤の
存在下で行われる。脱ハロゲン化水素剤としては、一般
的に塩基性の化合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウムのような無機塩基、エチルアミン、エタノー
ルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリ
エチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリンのようなアミン類が挙げられる。脱ハロ
ゲン化水素剤は、1,2−キノンジアジドスルホン酸ハ
ライドに対し、通常1.05〜1.5のモル比、好ましくは
1.05〜1.2、さらに好ましくは1.1〜1.2のモル比で
用いられる。
【0023】エステル化反応は通常、溶媒中で行われ
る。反応溶媒としては、エーテル類、ラクトン類、脂肪
族ケトン類などが挙げられ、 なかでも、ジオキソラ
ン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、アセトンおよび2
−ヘプタノンから選ぶのが好ましい。これらをそれぞれ
単独で、または2種以上組み合わせて用いることができ
るが、とりわけ1,4−ジオキサンが好ましい。反応溶
媒は、ヒドロキシ体(II)とキノンジアジドスルホン酸
ハライドの合計量を基準に、通常は2〜6重量倍の範囲
で、好ましくは3〜5重量倍、さらに好ましくは4〜5
重量倍の範囲で使用される。
【0024】このエステル化反応は、常圧下、常温付近
で十分進行し、一般には20〜30℃の範囲の温度が採
用され、2〜10時間程度行われる。反応終了後は、酢
酸のような酸で中和し、固形物を濾過したあと、濾液を
薄い酸水溶液、例えば0.1〜2重量%程度の濃度の酢酸
水溶液と混合すれば、目的物であるエステルが析出して
くる。これを濾過、洗浄および乾燥することにより、エ
ステルを取り出すことができる。このエステル化反応に
おいては、用いる1,2−キノンジアジドスルホン酸ハ
ライドのモル比によって、式(I)中のQ1 、Q2 およ
びQ3 のいずれか一つがキノンジアジドスルホニルとな
ったもの(モノエステル)、それらのいずれか二つがキ
ノンジアジドスルホニルとなったもの(ジエステル)、
ならびにそれらのすべてがキノンジアジドスルホニルと
なったもの(トリエステル)の混合物として得られるこ
とがあるが、この混合物は、通常そのまま感光剤として
用いることができる。なかでも感光剤として重要なの
は、式(I)中のQ1 、Q2およびQ3 がすべて1,2
−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルとなった、
2′,4,4′−トリス(6−ジアゾ−5,6−ジヒド
ロ−5−オキソ−1−ナフタレンスルホニルオキシ)−
2,5−ジメチルジフェニルメタンである。
【0025】式(I)の化合物は、近紫外線や遠紫外線
(エキシマーレーザー等を含む)などの放射線に感応す
る感光剤として、有利に使用することができる。この感
光剤は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と組み合わせ
て、ポジ型レジスト組成物とした場合に、特に高い効果
を発揮する。
【0026】式(I)で示される化合物を感光剤として
含有するポジ型レジスト組成物は、さらに別の感光剤と
して、芳香族ヒドロキシ化合物のo−キノンジアジドス
ルホン酸エステルを含んでもよい。特に、式(I)中の
1 、Q2 およびQ3 がすべてo−キノンジアジドスル
ホニルとなった化合物を用いる場合は、別の芳香族ポリ
ヒドロキシ化合物の部分o−キノンジアジドスルホン酸
エステルを併用するのが有利である。このような任意に
用いられる別の感光剤は、分子内にフェノール性水酸基
を少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個有する芳
香族ヒドロキシ化合物をo−キノンジアジドスルホン酸
ハライドと反応させて得られるエステルであることがで
きる。エステル化される芳香族ヒドロキシ化合物は、例
えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキ
シベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノンの
ようなポリヒドロキシベンゾフェノン類、2,4,4−
トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバ
ン、2,4,4−トリメチル−2′,3′,4′,7,
8−ペンタヒドロキシフラバン、4−(1′,2′,
3′,4′,4′a,9′a−ヘキサヒドロ−6′−ヒ
ドロキシ−5′−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,
9′−キサンテン]−4′a−イル)−2−メチルレゾ
ルシノール、 4−(1′,2′,3′,4′,4′
a,9′a−ヘキサヒドロ−6′−ヒドロキシスピロ
[シクロヘキサン−1,9′−キサンテン]−4′a−
イル)レゾルシノールのようなポリヒドロキシフラバン
類、その他、2〜6個のベンゼン環を脂肪族炭化水素系
の連結基で結合し、フェノール性水酸基を分子内に少な
くとも2個有する化合物などであることができる。
【0027】さらに具体的な感光剤としては、例えば、
特開平 2-32352号公報(=USP 5,124,228)、特開平 2-103
543号公報 (=EP-A-363,978)、特開平 2-269351号公報(=
USP5,290,656)、特開平 3-185447 号公報(=USP 5,283,1
55)、特開平 4-50851号公報(=USP 5,188,920)、特開平
4-295472号公報(=EP-A-505,987) 、特開平 5-323597号
公報(=EP-A-570,884) 、特開平 6-167805 号公報(=EP-A
-573,056) などに記載されるものが挙げられる。
【0028】式(I)で示される化合物とともに他の感
光剤を用いる場合、両者の割合は、本発明の目的を阻害
しない範囲で適宜設定される。本発明においては、こう
した他のキノンジアジドスルホン酸エステルを用いる場
合はその量も含めて、感光剤は、レジスト組成物中の全
固形分の量を基準に10〜50重量%の範囲で含有する
のが好ましい。
【0029】ポジ型レジスト組成物を構成するアルカリ
可溶性ノボラック樹脂は、フェノール性水酸基を少なく
とも1個有する化合物とアルデヒドとを、酸触媒の存在
下に縮合させて得られるものであって、その種類は特に
限定されず、レジスト分野で用いられる各種のものであ
ることができる。ノボラック樹脂の原料となるフェノー
ル系化合物としては、例えば、o−クレゾール、m−ク
レゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、
3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,
3,5−トリメチルフェノール、2−t−ブチル−5−
メチルフェノール、t−ブチルハイドロキノンなどが挙
げられる。また、ノボラック樹脂のもう一方の原料であ
るアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド、グリオキサールのような脂肪族アルデヒド類お
よび、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドのような
芳香族アルデヒド類が挙げられる。特にホルムアルデヒ
ドは、約37重量%の水溶液として工業的に量産されて
おり、好都合である。
【0030】こうしたフェノール系化合物の1種または
2種以上と、アルデヒド類の1種または2種以上とを、
酸触媒の存在下で縮合させることにより、ノボラック樹
脂が得られる。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸の
ような無機酸、シュウ酸、酢酸、p−トルエンスルホン
酸のような有機酸、酢酸亜鉛のような二価金属塩などが
挙げられる。縮合反応は常法に従って行うことができ、
例えば60〜120℃の範囲の温度で2〜30時間程度
行われる。また、反応はバルクで行っても、適当な溶媒
中で行ってもよい。
【0031】得られるノボラック樹脂は、レジストの現
像残渣を少なくするなどの目的で、例えば分別などの操
作を施して、 そのゲル浸透クロマトグラフィー(GP
C)(UV254nmの検出器を使用)によるパターンに
おいて、ポリスチレン換算分子量で900以下の成分の
面積比が、未反応のフェノール系化合物のパターン面積
を除く全パターン面積に対して25%以下、さらには2
0%以下となるようにしておくのが好ましい。分別を行
う場合は、縮合により得られたノボラック樹脂を、良溶
媒、例えばメタノールやエタノールのようなアルコール
類、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンのようなケトン類、エチルセロソルブのようなエ
チレングリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテ
ートのようなエチレングリコールエーテルエステル類、
テトラヒドロフランのようなエーテル類などに溶解し、
この溶液を水中に注いで高分子量成分を沈澱させる方
法、あるいはこの溶液を、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ンのような貧溶媒と混合して分液する方法などが採用で
きる。
【0032】こうした分別操作を施して高分子量成分を
多くしたノボラック樹脂に、分子量900以下のアルカ
リ可溶性フェノール系化合物を加えることも有効であ
る。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化
合物としては、分子内にフェノール性水酸基を少なくと
も2個有する多価フェノール化合物が好ましく、例えば
特開平 2-275955 号公報(=EP-A-358,871) や特開平 2-2
560 号公報に記載のものなどが挙げられる。分子量90
0以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を添加剤と
して用いる場合は、レジスト組成物中の全固形分の量を
基準に、3〜40重量%の範囲で含有させるのが好まし
い。
【0033】レジスト液の調製は、式(I)で示される
化合物および任意に使用される他のo−キノンジアジド
スルホン酸エステルからなる感光剤、アルカリ可溶性ノ
ボラック樹脂、任意に添加剤として使用される分子量9
00以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物などの固
形分を、溶剤に混合溶解することにより行われる。ここ
で用いる溶剤は、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発し
たあとに均一で平滑な塗膜を与えるものが好ましい。こ
のような溶剤としては、例えば、プロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、エチルセロソルブアセ
テート、メチルセロソルブアセテートのようなグリコー
ルエーテルエステル類、シクロヘキサノン、2−ヘプタ
ノンのようなケトン類、酢酸n−アミル、乳酸エチル、
ピルビン酸エチルのようなエステル類、γ−ブチロラク
トンのような環状エステル類、その他、特開平 2-22005
6 号公報に記載のもの、特開平 4-362645 号公報に記載
のもの、特開平 4-367863 号公報に記載のものなどが挙
げられる。溶剤としては、それぞれの化合物を単独で、
または2種以上混合して用いることができる。
【0034】こうして得られるレジスト組成物は、必要
に応じてさらに、ノボラック樹脂以外の樹脂や染料など
を、添加物として少量含有することもできる。
【0035】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら
限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を
表す%および部は、特にことわらないかぎり重量基準で
ある。
【0036】参考例1: 2,5−キシレノールのモノ
メチロール化 5リットルの四つ口フラスコに、2,5−キシレノール
610.9g、水酸化ナトリウム200gおよび水250
0gを仕込み、12℃で攪拌しながら、37%ホルマリ
ン565gを1時間30分かけて滴下し、引き続き同温
度で4時間反応させた。反応終了後、28%アンモニア
水89gを仕込み、30分攪拌してから酢酸400gを
仕込み、濾過した。得られた濾過物を水洗したあと乾燥
することにより、4−ヒドロキシメチル−2,5−キシ
レノール609gを得た。
【0037】参考例2: ヒドロキシ体(II)の合成 100mlの四つ口フラスコに、レゾルシン22.02g、
p−トルエンスルホン酸1.90gおよび水44.04gを
仕込み、そこへ室温で、4−ヒドロキシメチル−2,5
−キシレノール7.61gを30分で分割投入し、室温で
さらに3時間反応させた。その後、反応マスに酢酸エチ
ル50gおよびトルエン50gを投入して分液し、有機
層を水洗してから濃縮し、析出した結晶を濾過した。濾
過物をトルエンでリンスし、次に一昼夜減圧乾燥して、
1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,5
−ジメチルベンジル)ベンゼン〔ヒドロキシ体(II):
液体クロマトグラフィーによる純度99%〕を7.64g
得た。
【0038】質量分析値: MS 2441 H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :2.0
0 (s, 3H); 2.07 (s, 3H); 3.54 (s, 2H);6.08 (dd, J
= 8.3, 2.1 Hz, 1H);6.28 (d, J = 2.1 Hz, 1H);6.49
(d, J = 8.3 Hz, 1H); 6.56 (s, 1H);6.69 (s, 1H); 8.
80 (s, 1H); 8.91 (s, 1H);9.12 (s, 1H).
【0039】実施例1: キノンジアジドスルホン酸エ
ステル化 50mlの四つ口フラスコに、1,3−ジヒドロキシ−4
−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)ベン
ゼン1.22g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−ス
ルホン酸クロライド4.03g(モル比1:3)、および
1,4−ジオキサン26.26gを仕込んで完溶させ、そ
こへ20〜30℃で、トリエチルアミン1.82gを1時
間かけて滴下した。滴下終了後、30℃で1時間攪拌し
た。次いで酢酸0.45gを添加し、同温度で1時間攪拌
した。反応混合物を濾過し、濾過残渣を1,4−ジオキ
サン4.03gで洗浄した。濾液および洗液を、酢酸0.4
gおよびイオン交換水40gの混合液に注いで1時間攪
拌した。析出した結晶を濾過し、得られたウェットケー
キをイオン交換水50gで攪拌洗浄した。次いで濾過
し、得られたケーキを40℃で乾燥して、4.65gの感
光剤Aを得た。
【0040】質量分析値: MS 940
【0041】実施例2: レジストの調製および評価 m−クレゾール/p−クレゾール=55/45(モル
比)の混合物とホルムアルデヒドとを縮合させ、さらに
分別して得られた、GPCによるポリスチレン換算重量
平均分子量が 9,000、ポリスチレン換算分子量で900
以下の範囲の面積比が全パターン面積に対して14%で
あるノボラック樹脂の2−ヘプタノン溶液を固形分換算
で15部、 添加剤として4,4′−(2−ヒドロキシ
ベンジリデン)ジ−2,6−キシレノールを3.9部、実
施例1で得られた感光剤Aを1部、別の感光剤として
4,4′−メチレンビス〔2−(4−ヒドロキシベンジ
ル)−3,6−ジメチルフェノール〕と1,2−ナフト
キノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとのモル比
1:2の縮合物を5部、および2−ヘプタノンを用い、
2−ヘプタノンが合計で50部となるように混合し、溶
解した。 この液を孔径0.2μm のフッ素樹脂製フィル
ターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0042】常法により洗浄したシリコンウェハーに、
回転塗布機を用いて上記レジスト液を乾燥後の膜厚が
1.1μm となるように塗布し、ホットプレートにて90
℃で1分間ベークした。次いで、365nm(i線)の露
光波長を有する縮小投影露光機〔(株)ニコン製品、NS
R 1755i 7A、NA=0.5〕を用いて、露光量を段階的に変化
させて露光した。次にこのウェハーを、ホットプレート
にて110℃で1分間ベークした。これを現像液"SOPD"
〔住友化学工業(株)製品〕で1分間現像して、ポジ型
パターンを得た。このポジ型パターンにつき、以下のよ
うにして評価し、それぞれの結果を得た。
【0043】実効感度: 0.50μm のラインアンドス
ペースパターンが1:1になる露光量(実効感度)を測
定したところ、290msecであった。
【0044】解像度: ラインアンドスペースパターン
が1:1になる露光量(実効感度)で、膜減りなく分離
するラインアンドスペースパターンの最小寸法を、走査
型電子顕微鏡で観察し、測定したところ、0.35μm で
あった。
【0045】プロファイル: 実効感度における0.45
μm ラインアンドスペースパターンの断面形状を、走査
型電子顕微鏡で観察したところ、パターンが垂直に切れ
ていた。
【0046】フォーカス(焦点深度): 実効感度にお
いて0.40μm ラインアンドスペースパターンが膜減り
なく分離する焦点の幅を、走査型電子顕微鏡で観察し、
測定したところ、1.5μm であった。
【0047】スカム: 走査型電子顕微鏡でスカム(現
像残渣)の有無を観察したところ、スカムは認められな
かった。
【0048】γ値: 露光量の対数に対する規格化膜厚
(=残膜厚/初期膜厚)をプロットし、その傾きθを求
め、tan θをγ値として、このγ値は7.98であった。
【0049】
【発明の効果】本発明の式(I)で示される化合物は、
ポジ型レジストなどの感光剤として有用である。そし
て、この化合物を含有するポジ型レジスト組成物は、感
度、解像度、γ値、プロファイルなどの諸性能のバラン
スに優れ、また現像時のスカムがないなど、半導体の微
細加工に適したものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、Q1 、Q2 およびQ3 の一つはo−キノンジア
    ジドスルホニルを表し、残りは互いに独立に、水素また
    はo−キノンジアジドスルホニルを表す)で示される化
    合物。
  2. 【請求項2】Q1 、Q2 およびQ3 がすべてo−キノン
    ジアジドスルホニルである請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】o−キノンジアジドスルホニルが1,2−
    ナフトキノンジアジド−5−スルホニルである請求項1
    または2記載の化合物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を
    有効成分とする感光剤。
  5. 【請求項5】請求項4記載の感光剤およびアルカリ可溶
    性ノボラック樹脂を含有することを特徴とするポジ型レ
    ジスト組成物。
  6. 【請求項6】さらに、分子量900以下のアルカリ可溶
    性フェノール系化合物を含有する請求項5記載の組成
    物。
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KR100585303B1 (ko) * 2003-06-03 2006-06-01 도오꾜오까고오교 가부시끼가이샤 하나의 기판 위에 집적회로와 액정 디스플레이 부분이형성된 기판제조용 포지티브형 포토레지스트 조성물 및레지스트 패턴의 형성방법
EP3542780A1 (en) * 2008-07-21 2019-09-25 Unigen, Inc. Series of skin-whitening (lightening) compounds

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