JPH0880100A - 誘導電動機の制御装置及びその制御方法 - Google Patents

誘導電動機の制御装置及びその制御方法

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JPH0880100A
JPH0880100A JP7066351A JP6635195A JPH0880100A JP H0880100 A JPH0880100 A JP H0880100A JP 7066351 A JP7066351 A JP 7066351A JP 6635195 A JP6635195 A JP 6635195A JP H0880100 A JPH0880100 A JP H0880100A
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JP7066351A
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Akira Imanaka
晶 今中
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/14Estimation or adaptation of machine parameters, e.g. flux, current or voltage
    • H02P21/16Estimation of constants, e.g. the rotor time constant
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P2207/00Indexing scheme relating to controlling arrangements characterised by the type of motor
    • H02P2207/01Asynchronous machines

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  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘導電動機の1次抵抗,1次自己インダクタ
ンス,漏れ係数等の設定に誤差があっても,トルク不足
や過電流にならず,回転速度を常に安定した状態で制御
する。 【構成】 誘導電動機1の1次電流を検出し,1次磁束
の実際値がI1d * と1次自己インダクタンスL1 の積で
与えられる設定値に一致したとき零となる誤差電流を誤
差電流演算回路15bにより求め,該誤差電流から誘導
電動機1の1次抵抗,1次自己インダクタンス,漏れ係
数の補正を実行し,さらに,誘導電動機1の1次磁束が
その設定値と一致するために影響力のある設定誤差が優
先して補正されるような補正部制御回路18aを設けた
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,誘導電動機の1次周
波数を制御する制御装置及びその制御方法に関し,特
に,制御定数または誘導電動機の回路定数の補正を実行
する誘導電動機の制御装置及びその制御方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来,この種の制御装置としては図30
に示される構成のものがあった。図において,1は誘導
電動機,21は誘導電動機1を可変周波数で駆動するた
めのトランジスタインバータ回路,22は周波数指令発
生器,23は関数発生器,24は1次電圧指令発生回
路,25はPWM回路である。
【0003】ここで,上記制御装置による誘導電動機の
周波数制御の原理について説明する。図31は,公知の
誘導電動機の一相当たりのT形等価回路である。図にお
いて,R1 は1次抵抗,R2 は2次抵抗,l1 は1次漏
れインダクタンス,l2 は2次漏れインダクタンス,M
は1次2次相互インダクタンス,ω1 は1次周波数,ω
S はすべり周波数,V1 は1次電圧,E0 は空隙誘起電
圧,I1 は1次電流,I2 は2次電流である。
【0004】まず,空隙磁束Φ0 は,誘起電圧E0 と1
次周波数ω1 とから決まり,電圧の時間積分が磁束とな
るから,(1)式が成立する。
【0005】
【数1】
【0006】この磁束Φ0 に作用してトルクを発生する
電流I2rは,2次電流I2 のうちの有効分,即ち,誘起
電圧E0 と同相成分であることに注意すると,I2rは図
31より,(2)式となる。
【0007】
【数2】
【0008】また,誘導電動機の発生トルクTe は磁束
Φ0 と電流I2rの積に比例することから(3)式が成立
する。
【0009】
【数3】
【0010】次に,(1)式および(2)式を(3)式
に代入すると(4)式が得られる。
【0011】
【数4】
【0012】(4)式より,E0 /ω1 を一定に制御す
ると発生トルクTe はすべり周波数ωS に依存して変化
する。このとき,最大トルクTmax は(4)式をすべり
周波数ωS で微分し,その分子を零とすれば得られ,そ
れは(5)式となる。
【0013】
【数5】
【0014】したがって,最大トルクTmax は,E0
ω1 が一定であれば,ω1 の変化に無関係となる。
【0015】ところで,実際には,誘起電圧E0 を簡単
に検出することができないので,一般的に1次電圧V1
をω1 に比例させ,V1 /ω1 の値を一定に制御する,
いわゆる,V/F一定制御方式が用いられる。
【0016】この場合,1次周波数ω1 が低い領域で
は,1次抵抗R1 による電圧降下が1次電圧V1 に対し
て無視できないので,低い周波数領域ではR1 1 に相
当する電圧分だけ予めV1 を大きくする方法が用いられ
ている。
【0017】次に,図30に示した制御装置の動作につ
いて説明する。関数発生器23は,上記の理由により図
32の実線で示すような関数関係に基づいて,周波数指
令発生器22から出力される1次周波数指令ω1 * を入
力して,1次電圧の振幅指令V1 * を出力する。
【0018】次に,1次電圧指令発生回路24は,1次
電圧の振幅指令V1 * と1次周波数指令ω1 * とから
(6)式の演算を行なって,誘導電動機1の各1次巻線
に印加すべき1次電圧指令V1u * ,V1v * ,V1w * をそ
れぞれ出力する。
【0019】
【数6】
【0020】次に,PWM回路25は,これらの1次電
圧指令V1u * ,V1v * ,V1w * に応じてトランジスタイ
ンバータ回路21を構成するトランジスタ(図示せず)
のON/OFF動作を制御するベース信号を発生し,そ
の結果,実際に誘導電動機1に印加される1次電圧
1u,V1v,V1wはそれぞれの指令に追従するように制
御される。したがって,1次周波数指令ω1 * に応じ
て,誘導電動機1の周波数,即ち,回転速度を制御する
ことが可能となる。
【0021】従来における誘導電動機の制御装置は,以
上のように構成されているので,低速回転時に大きな発
生トルクが必要な場合には,1次抵抗R1 による電圧降
下分を補正するために図32に示すように1次電圧指令
1 * を電圧降下分だけ予め高く設定する必要がある。
【0022】しかし,1次抵抗R1 は温度により値が変
化するため,電圧降下分を正確に補正することが困難で
ある。そのため,電圧補正分が実際の電圧降下分より小
さい場合,誘導電動機に定常的に負荷トルクが印加され
ていると低速回転時の発生トルクが不足するので誘導電
動機を起動できず,逆に電圧補正分が大きい場合は,低
速回転時に大きな1次電流が流れ過電流からインバータ
回路を保護するために,インバータ回路の動作を停止さ
せなければならないという問題点があった。
【0023】また,発生トルクは同じでも,誘導電動機
により駆動される機械が異なると全体の慣性モーメント
が異なるので,誘導電動機の回転速度の変化率が異な
る。このため,1次周波数指令ω1 * の変化率を適切に
調整しないと誘導電動機の加減速がω1 * にしたがって
正常に行なえず,大きな1次電流が流れ,過電流からイ
ンバータ回路を保護するためにインバータ回路の動作を
停止させなければならないという問題点があった。
【0024】そこで,上記に列挙したような問題点を解
決し,誘導電動機の1次抵抗R1 の値が温度により変化
しても,トルク不足や過電流の問題を生じず,また,誘
導電動機によって駆動される機械や1次周波数指令ω1
* の変化率に依らず,誘導電動機の回転速度を常に安定
状態に制御できる誘導電動機の制御装置(特開平5−3
0792号)が,同一発明者により提案されている。
【0025】図33は,上記誘導電動機の制御装置(特
開平5−30792号)の全体構成を示すブロック図で
あり,図33において,2は誘導電動機1に流れる1次
電流を検出する電流検出器,3は誘導電動機1の前段に
設けられた可変周波数電力交換回路,4は誘導電動機1
の励磁電流を設定する励磁電流指令設定器,5aは励磁
電流指令設定器4および周波数指令発生器9に接続さ
れ,無負荷電圧指令を出力する無負荷電圧演算回路,6
は電流検出器2,励磁電流指令設定器4および周波数指
令発生部9に接続され,誘導電動機1の1次電流と1次
周波数指令値とから互いに90度位相の異なる1次電流
成分を演算し,さらに励磁電流指令値と1次電流に基づ
いて誤差電流を演算する誤差電流成分演算回路,7aは
誤差電流成分演算回路6,周波数指令発生器9,1次抵
抗設定器10および1次抵抗補正回路11aに接続さ
れ,補正電圧を演算する補正電圧演算回路,8は補正電
圧演算回路7a,無負荷電圧演算回路5aおよび周波数
指令発生器9に接続され,無負荷電圧指令と補正電圧と
に基づいて1次電圧指令を出力する1次電圧指令演算回
路である。
【0026】次に,動作について説明する。無負荷電圧
演算回路5aにより,その内部の係数器に予め設定され
ている1次自己インダクタンスの設定値であるL
1 * と,励磁電流指令設定器4から入力された励磁電流
指令I1d * と,周波数指令発生器9から入力された1次
周波数指令ω1 * とから(7)式に基づいて無負荷電圧
指令V1q0 * が演算されて1次電圧指令演算回路8に出
力される。
【0027】
【数7】
【0028】また,誤差電流成分演算回路6により,電
流検出器2によって検出された誘導電動機1の1次電流
1uおよびI1vが1次周波数指令ω1 * で回転する回転
座標軸(d−q座標軸とする)上に変換されて1次電流
のd軸およびq軸成分I1dおよびI1qとして求められ
る。さらに,上記I1dおよびI1qと,誤差電流成分演算
回路6の内部の係数器に予め設定されている誘導電動機
1の等価回路定数である漏れ係数設定値σ* と,励磁電
流指令設定器4から出力された励磁電流指令I1d * によ
り,誘導電動機1の内部で発生する1次磁束の実際値
が,励磁電流指令I 1d * と誘導電動機1の1次自己イン
ダクタンスL1 との積で与えられる1次磁束の指令値と
一致したときに零となるような誤差電流成分Ierr
(8)式にしたがって演算される。
【0029】
【数8】
【0030】ここで,誘導電動機1の漏れ係数設定値で
あるσ* は,誘導電動機1の1次自己インダクタンスL
1 の設定値であるL1 * ,2次自己インダクタンスL2
の設定値であるL2 * ,1次2次相互インダクタンスM
の設定値であるM* から(9)式にて計算され,誤差電
流成分演算回路6の内部にある係数器の係数として設定
されている。
【0031】
【数9】
【0032】次に,1次抵抗補正回路11aによって,
上記誤差電流成分演算回路6から出力された誤差電流成
分Ierr が(10)式にしたがって演算され,1次抵抗
設定値R1 * の補正量ΔR1 ^として出力される。
【0033】
【数10】
【0034】次に,補正電圧演算回路7aによって,上
記誤差電流成分Ierr を零に近づけるようなd軸および
q軸の補正電圧成分ΔV1d,ΔV1qが出力される。すな
わち,1次抵抗設定器10から入力された1次抵抗設定
値R1 * と1次抵抗補正回路11aから入力された1次
抵抗設定値R1 * の補正量ΔR1 ^が加算されて1次抵
抗推定値R1 ^となり,誤差電流成分演算回路6から入
力された1次電流のd軸成分I1d,1次電流のq軸成分
1q,誤差電流成分Ierr および周波数指令発生器9か
ら入力された1次周波数指令ω1 * を用いて(11)式
にしたがってd軸の補正電圧成分ΔV1dおよびq軸の補
正電圧成分ΔV1qが演算されて出力される。
【0035】
【数11】
【0036】ここで,Kcd,Kcq,K0 は予め補正電圧
演算回路7aの内部にある係数器に設定されている比例
ゲインである。
【0037】次に,1次電圧指令V1u * ,V1v * および
1w * が1次電圧指令演算回路8から出力される。すな
わち,補正電圧演算回路7aからの入力であるd軸およ
びq軸の補正電圧成分ΔV1d,ΔV1qおよび無負荷電圧
演算回路5aからの入力である無負荷電圧指令V1q0 *
を用いて(12)式にしたがって1次電圧のd軸および
q軸成分指令V1d * ,V1q * が演算されて出力される。
さらに,1次電圧指令演算回路8により,周波数指令発
生器9からの入力である1次周波数指令ω1 *を用いて
1次電圧指令V1u * ,V1v * およびV1w * に変換されて
出力される。
【0038】
【数12】
【0039】続いて,これらの1次電圧指令V1u * ,V
1v * およびV1w * を可変周波数電力変換回路3に入力す
ると,誘導電動機1に印加される1次電圧の実際値がこ
れらの1次電圧指令値に追従するように制御される。
【0040】その他,この発明に関連する参考技術文献
としては,特開平2−299493号公報に開示されて
いる「誘導電動機の制御方法」,特開平3−24578
9号公報に開示されている「誘導電動機のベクトル制御
方式」,特開平4−261384号公報に開示されてい
る「トルク制御インバータ制御方法およびその装置」,
特開昭62−135288号公報に開示されている「誘
導電動機の磁束ベクトル演算器」,特開平1−2068
88号公報に開示されている「誘導電動機の制御装
置」,特開昭59−21293号公報に開示されている
「誘導電動機のトルク制御装置」,特開昭61−623
92号公報に開示されている「誘導電動機のベクトル制
御装置」がある。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】従来における誘導電動
機の制御装置の問題点を解決するために提案された誘導
電動機の制御装置(特開平5−30792号)は,以上
のように構成されているので,誘導電動機の回路定数で
ある1次抵抗R1 ,1次自己インダクタンスL1,漏れ
係数σ(=1−M2/(L1 2 ))等の設定値であるR
1 * ,L1 * ,σ * がその真値に等しい場合において
は,誘導電動機の内部で発生する1次磁束の実際値が励
磁電流指令値と誘導電動機の1次自己インダクタンスの
積で与えられる1次磁束の設定値と一致するように動作
し,トルク不足や過電流が生じず,また,誘導電動機の
回転速度を常に安定して制御できる。
【0042】この誘導電動機の制御装置において,設定
が必要となる誘導電動機の回転定数,すなわち,1次抵
抗R1 ,1次自己インダクタンスL1 ,漏れ係数σ(=
1−M2/(L1 2 ))等は,一般には,誘導電動機の
設計書あるいは抵抗測定試験,拘束試験,無負荷試験等
の定数測定試験により得ることができる。しかし,同じ
設計書により製造された誘導電動機であっても,その回
路定数は製造誤差によりばらつきが大きい場合がある。
また,設計書が入手できない場合には,運転の対象とな
る個々の誘導電動機毎に定数測定試験をする必要があ
る。
【0043】また,通常の一定励磁電流指令による運転
ではなく,可変励磁,弱め励磁等,励磁電流指令を変化
させる制御を行うこともあるが,この場合,誘導電動機
によっては磁気飽和の影響で1次自己インダクタンスが
大きく変化するものがある。ここで,1次自己インダク
タンスの設定値がその真値と異なると,(8)式で与え
られている誤差電流成分Ierr に定常偏差を生じる。1
次自己インダクタンスの設定誤差により誤差電流成分I
err の定常偏差が大きく発生した場合,出力電圧が理想
的な状態よりも小さくなってトルク不足を生じることが
ある。そのため,この誘導電動機の制御装置にあって
は,1次自己インダクタンス変化曲線を実測して記憶す
るというような煩雑な作業を必要とする場合がある。
【0044】さらに,誘導電動機が,特に全閉スロット
形状の場合においては,1次および2次電流が大きいと
磁気飽和が生じて漏れ係数が大きく変化するものがあ
る。ここで,漏れ係数の設定値がその真値と大きく異な
ると,特に重負荷時において(8)式で与えられている
誤差電流成分Ierr に大きく定常偏差を生じる。この誤
差電流成分Ierr の定常偏差が,例えば,負に大きく発
生すると,(11)式で与えられているd軸およびq軸
の補正電圧成分ΔV1d,ΔV1qが理想的な値よりも小さ
くなってトルク不足を生じる場合がある。この漏れ係数
の磁気飽和による変化曲線を測定することは困難であ
り,提案されている誘導電動機の制御装置では,漏れ係
数が大きく変化するような誘導電動機を駆動したような
場合にあっては,漏れ係数の変化曲線を記憶することが
できずに,その設定誤差がトルク不足を招く可能性があ
る。
【0045】なお,1次抵抗に関しては,上記提案され
た制御装置においても,その補正はなされ,一般的な運
転状態である力行負荷時においては,良好な制御を可能
としている。しかし,回生負荷時の考慮がなされていな
いため,例えば,昇降機負荷のように,大きな低速回生
トルクを必要とする特別な負荷に適用する場合,その低
速回生負荷時においてはトルク不足を生じる場合があ
る。
【0046】また,上記特開平2−299493号公報
に開示されている「誘導電動機の制御方法」においても
1次抵抗設定値の補正に関する方法が述べられている。
この制御方法にあっては,電圧センサと電流センサによ
って検出された電動機の電圧と電流から二次鎖交磁束を
演算し,その指令値と演算値の振幅偏差に基づいて1次
抵抗値を補正している。ところが,この従来技術におい
ては,電動機の端子電圧から1次回路での電圧降下を差
し引き,これを時間積分して二次鎖交磁束を演算してい
る。この時間積分のため,正確な電動機電圧値が必要と
なり,電圧センサが不可欠であるという問題点があっ
た。したがって,二次鎖交磁束等,磁束演算手段の必要
がない制御方法が要求される。
【0047】この発明は,上記のような課題を解決する
ためになされたもので,誘導電動機の回路定数である1
次抵抗R1 ,1次自己インダクタンスL1 ,漏れ係数σ
(=1−M2/(L1 2 ))等の設定値がその実際値に
対して誤差を持っていても,トルク不足や過電流が生じ
ず,また,誘導電動機の回転速度を常に安定,かつ,高
精度に制御できる誘導電動機の制御装置及びその制御方
法を得ることを第1の目的とする。
【0048】また,可変励磁,弱め励磁等,励磁電流指
令を変化させる制御等を行った場合でも,磁気飽和によ
って変化する1次自己インダクタンスの値を自動的に補
正し,トルク不足や過電流が生じず,また,誘導電動機
の回転速度を常に安定,かつ,高精度に制御できる誘導
電動機の制御装置及びその制御方法を得ることを第2の
目的とする。
【0049】さらに,1次電流の大きさにより変化する
漏れ係数の値を自動的に補正し,トルク不足や過電流が
生じず,また,誘導電動機の回転速度を常に安定,か
つ,高精度に制御できる誘導電動機の制御装置及びその
制御方法を得ることを第3の目的とする。
【0050】また,回生負荷時においても1次抵抗の補
正を安定的に行うことができ,昇降機負荷のような大き
な低速回生トルクを必要とするような特別な負荷におい
ても,トルク不足や過電流の問題を生じず,かつ,誘導
電動機の回転速度を常に安定,かつ,高精度に制御でき
る誘導電動機の制御装置及びその制御方法を得ることを
第4の目的とする。
【0051】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係る誘導電動機の制御装置は,誘導電
動機の1次電流を検出するための電流検出手段と,前記
電流検出手段により検出された1次電流と1次周波数指
令値とから互いに90度位相の異なる1次電流成分を演
算する1次電流成分演算手段と,前記1次周波数指令値
と励磁電流指令値と前記1次電流成分演算手段からの出
力を入力して前記誘導電動機内部において発生する1次
磁束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよ
うな誤差電流を演算する誤差電流演算手段と,前記誤差
電流演算手段からの出力を入力して前記誘導電動機の回
路定数である1次自己インダクタンス設定値の補正量を
演算する1次自己インダクタンス補正手段と,前記1次
周波数指令値と前記1次電流成分演算手段からの出力と
前記誤差電流演算手段からの出力を入力して前記誤差電
流の値を零に近づけるような補正電圧を演算する補正電
圧演算手段と,前記1次周波数指令値と前記励磁電流指
令値と前記1次自己インダクタンス補正手段からの出力
を入力して前記誘導電動機の無負荷電圧指令値を出力す
る無負荷電圧演算手段と,前記1次周波数指令値と前記
無負荷電圧指令値と前記補正電圧を入力し,前記誘導電
動機の1次電圧指令値を演算して可変周波数電力変換手
段へ出力する1次電圧指令演算手段とを具備するもので
ある。
【0052】また,請求項2に係る誘導電動機の制御方
法は,誘導電動機の1次電流を検出し,前記検出された
1次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の
異なる1次電流成分を演算し,前記1次周波数指令値と
励磁電流指令値と前記1次電流成分を入力して前記誘導
電動機内部において発生する1次磁束の実際値がその設
定値と一致したときに零となるような誤差電流を演算
し,前記誤差電流を入力して前記誘導電動機の回路定数
である1次自己インダクタンス設定値の補正量を演算
し,前記1次周波数指令値と前記1次電流成分と前記誤
差電流を入力して前記誤差電流の値を零に近づけるよう
な補正電圧を演算し,前記1次周波数指令値と前記励磁
電流指令値と前記1次自己インダクタンス設定値の補正
量を入力して前記誘導電動機の無負荷電圧指令値を出力
し,前記1次周波数指令値と前記無負荷電圧指令値と前
記補正電圧を入力し,前記誘導電動機の1次電圧指令値
を演算して可変周波数電力変換手段へ出力するものであ
る。
【0053】また,請求項3に係る誘導電動機の制御装
置は,誘導電動機の1次電流を検出するための電流検出
手段と,前記電流検出手段により検出された1次電流と
1次周波数指令値とから互いに90度位相の異なる1次
電流成分を演算する1次電流成分演算手段と,前記1次
周波数指令値と励磁電流指令値を入力して前記誘導電動
機の無負荷電圧指令値を出力する無負荷電圧演算手段
と,前記1次周波数指令値と前記励磁電流指令値と前記
1次電流成分演算手段からの出力と漏れ係数設定値の補
正量を入力して,前記誘導電動機内部で発生する1次磁
束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよう
な誤差電流を演算する誤差電流演算手段と,前記誤差電
流演算手段からの出力を入力して漏れ係数設定値の補正
量を演算する漏れ係数補正手段と,前記1次周波数指令
値と前記1次電流成分演算手段からの出力と前記誤差電
流演算手段からの出力を入力して前記誤差電流の値を零
に近づけるような補正電圧を演算する補正電圧演算手段
と,前記1次周波数指令値と前記無負荷電圧指令値と前
記補正電圧を入力し,前記誘導電動機の1次電圧指令値
を演算して可変周波数電力変化手段へ出力する1次電圧
指令演算手段とを具備するものである。
【0054】また,請求項4に係る誘導電動機の制御方
法は,誘導電動機の1次電流を検出し,前記検出された
1次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の
異なる1次電流成分を演算し,前記1次周波数指令値と
励磁電流指令値を入力して前記誘導電動機の無負荷電圧
指令値を出力し,前記1次周波数指令値と前記励磁電流
指令値と前記1次電流成分と漏れ係数設定値の補正量を
入力して,前記誘導電動機内部で発生する1次磁束の実
際値がその設定値と一致したときに零となるような誤差
電流を演算し,前記誤差電流を入力して漏れ係数設定値
の補正量を演算し,前記1次周波数指令値と前記1次電
流成分と前記誤差電流を入力して前記誤差電流の値を零
に近づけるような補正電圧を演算し,前記1次周波数指
令値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電圧を入力し,
前記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して可変周波数
電力変化手段へ出力するものである。
【0055】また,請求項5に係る誘導電動機の制御装
置は,誘導電動機の1次電流を検出するための電流検出
手段と,前記電流検出手段により検出された1次電流と
1次周波数指令値とから互いに90度位相の異なる1次
電流成分を演算する1次電流成分演算手段と,前記1次
電流成分演算手段からの出力と1次周波数指令値と励磁
電流指令値と漏れ係数設定値の補正量を入力して,前記
誘導電動機内部で発生する1次磁束の実際値がその設定
値と一致したときに零となるような誤差電流を演算する
誤差電流演算手段と,前記誤差電流演算手段からの出力
を入力して前記誘導電動機の回路定数である1次抵抗設
定値の補正量を演算する1次抵抗補正手段と,前記誤差
電流演算手段からの出力を入力して前記誘導電動機の回
路定数である1次自己インダクタンス設定値の補正量を
演算する1次自己インダクタンス補正手段と,前記誤差
電流演算手段からの出力を入力して前記誘導電動機の回
路定数である漏れ係数設定値の補正量を演算する漏れ係
数補正手段と,前記1次周波数指令値と前記誤差電流演
算手段からの出力と前記1次電流成分演算手段からの出
力と前記1次抵抗補正手段からの出力を入力して前記誤
差電流の値を零に近づけるような補正電圧を演算する補
正電圧演算手段と,前記1次周波数指令値と前記励磁電
流指令値と前記1次自己インダクタンス補正手段からの
出力を入力して前記誘導電動機の無負荷電圧指令値を出
力する無負荷電圧演算手段と,前記1次抵抗補正手段,
前記1次自己インダクタンス補正手段および前記漏れ係
数補正手段を制御する補正部制御手段と,前記1次周波
数指令値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電圧を入力
し,前記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して可変周
波数電力変換手段へ出力する1次電圧指令演算手段とを
具備するものである。
【0056】また,請求項6に係る誘導電動機の制御装
置は,前記補正部制御手段が,前記1次周波数指令値を
入力とし,前記1次周波数指令値が小さいときには前記
1次自己インダクタンス補正手段および前記漏れ係数補
正手段の動作を停止させ,前記1次周波数指令値が大き
いときには前記1次抵抗補正手段の動作を停止させるも
のである。
【0057】また,請求項7に係る誘導電動機の制御装
置は,前記補正部制御手段が,前記1次電流成分演算手
段からの出力により,軽負荷時と重負荷時を判断し,軽
負荷時には前記漏れ係数補正手段の動作を停止させ,重
負荷時には前記1次自己インダクタンス補正手段の動作
を停止させるものである。
【0058】また,請求項8に係る誘導電動機の制御装
置は,前記補正部制御手段が,前記1次電流成分演算手
段からの出力により,前記1次抵抗補正手段の補正ゲイ
ンの極性を反転するものである。
【0059】また,請求項9に係る誘導電動機の制御装
置は,前記補正部制御手段が,前記1次周波数指令手段
と前記1次電流成分演算手段からの出力により,予め設
定されたゲイン関数にしたがって,前記1次抵抗補正手
段,前記1次自己インダクタンス補正手段,前記漏れ係
数補正手段の補正ゲインを制御するものである。
【0060】また,請求項10に係る誘導電動機の制御
方法は,誘導電動機の1次電流を検出し,前記検出され
た1次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相
の異なる1次電流成分を演算し,前記1次電流成分と1
次周波数指令値と励磁電流指令値と漏れ係数設定値の補
正量を入力して,前記誘導電動機内部で発生する1次磁
束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよう
な誤差電流を演算し,前記誤差電流を入力して前記誘導
電動機の回路定数である1次抵抗設定値の補正量を演算
し,前記誤差電流を入力して前記誘導電動機の回路定数
である1次自己インダクタンス設定値の補正量を演算
し,前記誤差電流を入力して前記誘導電動機の回路定数
である漏れ係数設定値の補正量を演算し,前記1次周波
数指令値と前記誤差電流と前記1次電流成分と前記1次
抵抗補正値の補正量を入力して前記誤差電流の値を零に
近づけるような補正電圧を演算し,前記1次周波数指令
値と前記励磁電流指令値と前記1次自己インダクタンス
設定値の補正量を入力して前記誘導電動機の無負荷電圧
指令値を出力し,前記1次抵抗設定値の補正量,前記1
次自己インダクタンス設定値の補正量および前記漏れ係
数設定値の補正量を制御し,前記1次周波数指令値と前
記無負荷電圧指令値と前記補正電圧を入力し,前記誘導
電動機の1次電圧指令値を演算して可変周波数電力変換
手段へ出力するものである。
【0061】また,請求項11に係る誘導電動機の制御
装置は,誘導電動機の1次電流を検出するための電流検
出手段と,前記電流検出手段により検出された1次電流
と1次周波数指令値とから互いに90度位相の異なる1
次電流成分を演算する1次電流成分演算手段と,前記1
次周波数指令値と前記1次電流成分演算手段からの出力
と補正された励磁電流指令値を入力して前記誘導電動機
内部で発生する1次磁束の実際値がその設定値と一致し
たときに零となるような誤差電流を演算する誤差電流演
算手段と,前記誤差電流演算手段からの出力を入力して
励磁電流指令値の補正量を演算する励磁電流指令補正手
段と,前記1次周波数指令値と前記誤差電流演算手段か
らの出力を入力して前記誤差電流の値を零に近づけるよ
うな補正電圧を演算する補正電圧演算手段と,前記1次
周波数指令値を入力して前記誘導電動機の無負荷電圧指
令値を出力する無負荷電圧演算手段と,前記1次周波数
指令値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電圧を入力
し,前記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して可変周
波数電力変換手段へ出力する1次電圧指令演算手段とを
具備するものである。
【0062】また,請求項12に係る誘導電動機の制御
方法は,誘導電動機の1次電流を検出し,前記検出され
た1次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相
の異なる1次電流成分を演算し,前記1次周波数指令値
と前記1次電流成分と補正された励磁電流指令値を入力
して前記誘導電動機内部で発生する1次磁束の実際値が
その設定値と一致したときに零となるような誤差電流を
演算し,前記誤差電流を入力して励磁電流指令値の補正
量を演算し,前記1次周波数指令値と前記誤差電流を入
力して前記誤差電流の値を零に近づけるような補正電圧
を演算し,前記1次周波数指令値を入力して前記誘導電
動機の無負荷電圧指令値を出力し,前記1次周波数指令
値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電圧を入力し,前
記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して可変周波数電
力変換手段へ出力するものである。
【0063】
【作用】この発明に係る誘導電動機の制御装置(請求項
1)にあっては,1次電流成分演算手段により,1次電
流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の異なる
1次電流成分が演算され,また誤差電流演算手段によ
り,1次周波数指令値と励磁電流指令値と1次電流成分
演算手段の出力を用いて誘導電動機内部で発生する1次
磁束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよ
うな誤差電流が出力され,次に,1次自己インダクタン
ス補正手段によって,誤差電流から誘導電動機の回路定
数である1次自己インダクタンス設定値の補正量が演算
される。さらに,補正電圧演算手段によって,1次周波
数指令値と1次電流成分演算手段の出力と誤差電流演算
手段の出力を用いて誤差電流の値を零に近づけるような
補正電圧を演算し,無負荷電圧演算手段にて,1次周波
数指令値と励磁電流指令値と1次自己インダクタンス補
正手段を用いて誘導電動機の無負荷電圧指令値が出力さ
れ,1次電圧指令演算回路手段によって,誘導電動機の
1次電圧指令値が出力される。次に,可変周波数電力変
換手段によって,誘導電動機に印加される1次電圧の実
際値が1次電圧指令値に追従するように制御される。
【0064】この発明に係る誘導電動機の制御方法(請
求項2)にあっては,誘導電動機の1次電流を検出し,
該検出された1次電流と1次周波数指令値とから互いに
90度位相の異なる1次電流成分を演算し,上記1次周
波数指令値と励磁電流指令値と上記1次電流成分を入力
して上記誘導電動機内部において発生する1次磁束の実
際値がその設定値と一致したときに零となるような誤差
電流を演算し,上記誤差電流を入力して上記誘導電動機
の回路定数である1次自己インダクタンス設定値の補正
量を演算し,上記1次周波数指令値と上記1次電流成分
と上記誤差電流を入力して上記誤差電流の値を零に近づ
けるような補正電圧を演算し,上記1次周波数指令値と
上記励磁電流指令値と上記1次自己インダクタンス設定
値の補正量を入力して上記誘導電動機の無負荷電圧指令
値を出力し,上記1次周波数指令値と上記無負荷電圧指
令値と上記補正電圧を入力し,上記誘導電動機の1次電
圧指令値を演算して可変周波数電力変換手段へ出力し,
該可変周波数電力変換手段によって,誘導電動機に印加
される1次電圧の実際値が1次電圧指令値に追従するよ
うに制御される。
【0065】この発明に係る誘導電動機の制御装置(請
求項3)にあっては,無負荷電圧演算手段により,誘導
電動機の無負荷電圧が出力され,1次電流成分演算手段
により,1次電流と1次周波数指令値とから互いに90
度位相の異なる1次電流成分が演算され,また誤差電流
演算手段により,1次周波数指令値と励磁電流指令値と
1次電流成分演算手段の出力と後述の漏れ係数補正手段
の出力を用いて誘導電動機内部で発生する1次磁束の実
際値がその設定値と一致したときに零となるような誤差
電流が出力される。次に,漏れ係数補正手段によって,
誤差電流から誘導電動機の回路定数である漏れ係数設定
値の補正量が演算される。さらに,補正電圧演算手段に
よって,1次周波数指令値と1次電流成分演算手段の出
力と誤差電流演算手段の出力を用いて誤差電流の値を零
に近づけるような補正電圧を演算し,1次電圧指令演算
回路手段によって,誘導電動機の1次電圧指令値が出力
される。次に,可変周波数電力変換手段によって,誘導
電動機に印加される1次電圧の実際値が1次電圧指令値
に追従するように制御される。
【0066】この発明に係る誘導電動機の制御方法(請
求項4)にあっては,誘導電動機の1次電流を検出し,
該検出された1次電流と1次周波数指令値とから互いに
90度位相の異なる1次電流成分を演算し,上記1次周
波数指令値と励磁電流指令値を入力して上記誘導電動機
の無負荷電圧指令値を出力し,上記1次周波数指令値と
上記励磁電流指令値と上記1次電流成分と漏れ係数設定
値の補正量を入力して,上記誘導電動機内部で発生する
1次磁束の実際値がその設定値と一致したときに零とな
るような誤差電流を演算し,上記誤差電流を入力して漏
れ係数設定値の補正量を演算し,上記1次周波数指令値
と上記1次電流成分と上記誤差電流を入力して上記誤差
電流の値を零に近づけるような補正電圧を演算し,上記
1次周波数指令値と上記無負荷電圧指令値と上記補正電
圧を入力し,上記誘導電動機の1次電圧指令値を演算し
て可変周波数電力変化手段へ出力し,該可変周波数電力
変換手段によって,誘導電動機に印加される1次電圧の
実際値が1次電圧指令値に追従するように制御される。
【0067】この発明に係る誘導電動機の制御装置(請
求項5)にあっては,1次電流成分演算手段により,1
次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の異
なる1次電流成分が演算され,また誤差電流演算手段に
よって,1次電流成分演算手段の出力と1次周波数指令
値と励磁電流指令値と後述の漏れ係数補正手段の出力を
用いて,誘導電動機内部で発生する1次磁束の実際値が
その設定値と一致したときに零となるような誤差電流が
演算される。さらに,1次抵抗補正手段と1次自己イン
ダクタンス補正手段と漏れ整数補正手段とによって,誤
差電流を用いて誘導電動機の回路定数である1次抵抗設
定値と1次自己インダクタンス設定値と漏れ係数設定値
のそれぞれの補正量が演算され出力される。次に,補正
電圧演算手段により,1次周波数指令値と誤差電流と1
次電流成分演算手段の出力と1次抵抗補正量を用いて誤
差電流の値を零に近づけるような補正電圧が出力され,
無負荷電圧演算手段により,1次周波数指令値と励磁電
流指令値と1次自己インダクタンス補正量を入力して誘
導電動機の無負荷電圧指令値が出力され,さらに補正部
制御手段により,1次抵抗補正手段,1次自己インダク
タンス補正手段および漏れ係数補正手段が制御され,1
次電圧指令演算回路手段によって,誘導電動機の1次電
圧指令値が出力される。次に,可変周波数電力変換手段
によって,誘導電動機に印加される1次電圧の実際値が
1次電圧指令値に追従するように制御される。
【0068】この発明に係る誘導電動機の制御装置(請
求項6)にあっては,補正部制御手段が,1次周波数指
令値を用いて,1次周波数指令値が小さいときには1次
自己インダクタンスの補正および漏れ係数の補正の動作
を停止させ,1次周波数指令値が大きいときには1次抵
抗の補正の動作を停止させるようにする。
【0069】この発明に係る誘導電動機の制御装置(請
求項7)にあっては,補正部制御手段が,1次電流成分
演算手段の出力により軽負荷時と重負荷時を判断し,軽
負荷時には漏れ係数の補正の動作を停止させ,重負荷時
には1次自己インダクタンスの補正の動作を停止させる
ようにする。
【0070】この発明に係る誘導電動機の制御装置(請
求項8)にあっては,補正部制御手段が,1次電流成分
演算手段の出力により1次抵抗の補正ゲインの極性を反
転する。
【0071】この発明に係る誘導電動機の制御装置(請
求項9)にあっては,補正部制御手段が,1次周波数指
令手段と1次電流成分演算手段の出力により,予め設定
されたゲイン関数にしたがって,1次抵抗補正手段,1
次自己インダクタンス補正手段および漏れ係数補正手段
の補正ゲインを制御する。
【0072】この発明に係る誘導電動機の制御方法(請
求項10)にあっては,誘導電動機の1次電流を検出
し,該検出された1次電流と1次周波数指令値とから互
いに90度位相の異なる1次電流成分を演算し,上記1
次電流成分と1次周波数指令値と励磁電流指令値と漏れ
係数設定値の補正量を入力して,上記誘導電動機内部で
発生する1次磁束の実際値がその設定値と一致したとき
に零となるような誤差電流を演算し,上記誤差電流を入
力して上記誘導電動機の回路定数である1次抵抗設定値
の補正量を演算し,上記誤差電流を入力して上記誘導電
動機の回路定数である1次自己インダクタンス設定値の
補正量を演算し,上記誤差電流を入力して上記誘導電動
機の回路定数である漏れ係数設定値の補正量を演算し,
上記1次周波数指令値と上記誤差電流と上記1次電流成
分と上記1次抵抗補正値の補正量を入力して上記誤差電
流の値を零に近づけるような補正電圧を演算し,上記1
次周波数指令値と上記励磁電流指令値と上記1次自己イ
ンダクタンス設定値の補正量を入力して上記誘導電動機
の無負荷電圧指令値を出力し,上記1次抵抗設定値の補
正量,上記1次自己インダクタンス設定値の補正量およ
び上記漏れ係数設定値の補正量を制御し,上記1次周波
数指令値と上記無負荷電圧指令値と上記補正電圧を入力
し,上記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して可変周
波数電力変換手段へ出力し,該可変周波数電力変換手段
によって,誘導電動機に印加される1次電圧の実際値が
1次電圧指令値に追従するように制御される。
【0073】この発明に係る誘導電動機の制御装置(請
求項11)にあっては,1次電流成分演算手段により,
1次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の
異なる1次電流成分が演算され,また誤差電流演算手段
により,1次周波数指令値と励磁電流指令値と1次電流
成分演算手段の出力を用いて誘導電動機内部で発生する
1次磁束の実際値がその設定値と一致したときに零とな
るような誤差電流が出力され,次に,励磁電流指令補正
手段によって,誤差電流から励磁電流設定値の補正量が
演算される。さらに,補正電圧演算手段によって,1次
周波数指令値と1次電流成分演算手段の出力と誤差電流
演算手段の出力を用いて誤差電流の値を零に近づけるよ
うな補正電圧を演算し,無負荷電圧演算手段にて,1次
周波数指令値から誘導電動機の無負荷電圧指令値が出力
され,1次電圧指令演算回路手段によって,誘導電動機
の1次電圧指令値が出力される。次に,可変周波数電力
変換手段によって,誘導電動機に印加される1次電圧の
実際値が1次電圧指令値に追従するように制御される。
【0074】この発明に係る誘導電動機の制御方法(請
求項12)にあっては,誘導電動機の1次電流を検出
し,該検出された1次電流と1次周波数指令値とから互
いに90度位相の異なる1次電流成分を演算し,上記1
次周波数指令値と上記1次電流成分と補正された励磁電
流指令値を入力して上記誘導電動機内部で発生する1次
磁束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよ
うな誤差電流を演算し,上記誤差電流を入力して励磁電
流指令値の補正量を演算し,上記1次周波数指令値と上
記誤差電流を入力して上記誤差電流の値を零に近づける
ような補正電圧を演算し,上記1次周波数指令値を入力
して上記誘導電動機の無負荷電圧指令値を出力し,上記
1次周波数指令値と上記無負荷電圧指令値と上記補正電
圧を入力し,上記誘導電動機の1次電圧指令値を演算し
て可変周波数電力変換手段へ出力し,該可変周波数電力
変換手段によって,誘導電動機に印加される1次電圧の
実際値が1次電圧指令値に追従するように制御される。
【0075】
【実施例】
〔実施例1〕以下,この発明に係る誘導電動機の制御装
置及びその制御方法の実施例を図について説明する。ま
ず,実施例1について説明する。図1は,実施例1の全
体構成を示すブロック図であり,図において,1は誘導
電動機,2は電流検出器,3は可変周波数電力変換回
路,4は励磁電流指令設定器,5bは無負荷電圧演算回
路,7bは補正電圧演算回路,8は1次電圧指令演算回
路,9は周波数指令発生器,12は1次自己インダクタ
ンス設定器,13aは1次自己インダクタンス補正回
路,14は1次電流成分演算回路,15は誤差電流成分
演算回路である。
【0076】図2は,上記した無負荷電圧演算回路5b
の詳細な構成を示すブロック図であり,図において,無
負荷電圧演算回路5bは,周波数指令発生器9に接続さ
れた入力端子30と,励磁電流指令設定器4に接続され
た入力端子36と,1次自己インダクタンス設定器12
に接続された入力端子31と,1次自己インダクタンス
補正回路13aに接続された入力端子32と,加算器3
3と,乗算器34,35と,出力端子37とから構成さ
れている。
【0077】図3は,上記した補正電圧演算回路7bの
詳細な構成を示すブロック図であり,図において,補正
電圧演算回路7bは,1次電流成分演算回路14に接続
された入力端子38,39と,誤差電流演算回路15a
に接続された入力端子39と,周波数指令発生器9に接
続された入力端子40と,係数器42,46,49と,
増幅器43,45と,加算器44,48および50と,
乗算器47と,出力端子51および52とから構成され
ている。
【0078】図4は,上記した1次電圧指令演算回路8
の詳細な構成を示すブロック図であり,図において,1
次電圧指令演算回路8は,補正電圧演算回路7bに接続
された入力端子80および81と,無負荷電圧演算回路
5bに接続された入力端子82と,周波数指令発生器9
に接続された入力端子83と,加算器84,93および
96と,V/Fコンバータ85と,カウンタ86と,R
OM87と,乗算形D/Aコンバータ88〜91と,減
算器92および95と,係数器94,97〜99と,出
力端子100〜102とから構成されている。
【0079】図5は,上記した1次自己インダクタンス
補正回路13aの詳細な構成を示すブロック図であり,
図において,1次自己インダクタンス補正回路13a
は,誤差電流演算回路15aに接続された入力端子53
と,増幅器54と,増幅形積分器55と,加算器56
と,出力端子57とから構成されている。
【0080】図6は,上記した1次電流成分演算回路1
4の詳細な構成を示すブロック図であり,図において,
1次電流成分演算回路14は,電流検出器2に接続され
た入力端子58および59と,周波数指令発生器9に接
続された入力端子60と,係数器61,62および63
と,加算器64,72と,V/Fコンバータ65と,カ
ウンタ66と,ROM67と,乗算形D/Aコンバータ
68〜71と,減算器73と,出力端子74,75とか
ら構成されている。
【0081】図7は,上記した誤差電流演算回路15a
の詳細な構成を示すブロック図であり,図において,誤
差電流演算回路15aは,励磁電流指令設定器4に接続
された入力端子103と,1次電流成分演算回路14に
接続された入力端子104,105と,係数器106,
108と,乗算器107と,除算器110と,減算器1
09,111と,加算器112と,出力端子113とか
ら構成されている。
【0082】次に,上記実施例1の動作の説明に移る前
に,この実施例1に係る誘導電動機の制御方式について
説明する。1次周波数ω1 で回転する回転座標軸(d−
q座標軸とする)上の誘導電動機の電圧電流方程式は,
公知のように(13)式で示される。
【0083】
【数13】
【0084】但し,L1 ,L2 はそれぞれ誘導電動機の
1次,2次自己インダクタンス,Mは1次,2次の相互
インダクタンス,I2d,I2qはそれぞれ2次電流のd
軸,q軸成分,ωs は,誘導電動機のすべり周波数,P
は微分演算子(=d/dt)である。
【0085】次に,1次磁束Φ1 のd,q軸成分Φ1d
Φ1qは公知のように(14)式で示される
【0086】
【数14】
【0087】(14)式を(13)式に代入してI2d
2qを消去すると(15)式および(16)式が得られ
る。
【0088】
【数15】
【0089】
【数16】
【0090】
【数17】
【0091】ここで,1次磁束Φ1 は設定通り一定に制
御されているものとし,(18)式を仮定する。
【0092】
【数18】
【0093】但し,I1d * は励磁電流指令値である。さ
らに,定常状態を考え,微分演算子P=0とする。する
と,(18)式を(15)式に代入すれば(19)式が
得られる。また,(18)式を(16)式に代入すれば
(20)式が得られる。
【0094】
【数19】
【0095】
【数20】
【0096】したがって,V1dおよびV1qを(19)式
で与えれば定常状態では(18)式が成立し,1次磁束
Φ1 は設定値通り一定に制御される。
【0097】ここで,制御系のダンピング特性を改善
し,安定性を向上させるために,(18)式が成り立て
ばI1dとその指令値I1d * が(20)式を成立させるこ
とを利用して,(20)式の右辺が零となるように制御
する項を付加する。これにより,(21)式が得られ
る。
【0098】
【数21】
【0099】但し,(21)式において,K0 ,Ierr
は,それぞれ(22)式,(23)式となる。
【0100】
【数22】
【0101】
【数23】
【0102】ところで,(21)式には1次自己インダ
クタンスL1 の設定値L1 * が含まれている。通常の誘
導電動機においては,製造誤差により,1次自己インダ
クタンスL1 の実際値は設計値と一致せず,バラツキを
生じている。また,可変励磁,弱め励磁等の制御を行っ
た場合,磁気飽和の影響が生じ,励磁電流の大きさによ
って1次自己インダクタンスL1 は大きく変化してしま
う。この変化曲線を実測して記憶させることは非常に煩
雑である。本発明では,1次自己インダクタンスの設定
値L1 * がその真値L1 に対して誤差をもっている場
合,(23)式で示される電流誤差Ierr が零とならな
いことを利用して,Ierr を予め設定したゲインで(比
例+積分)し,これを1次自己インダクタンスの設定値
1 * の補正量ΔL1 ^として演算する。
【0103】つまり,(24)式で1次自己インダクタ
ンスの設定値L1 * の補正量ΔL1^を演算し,次に,
(25)式において示すようにL1 * を加算して1次自
己インダクタンス推定値L1 ^を求める。そして,(2
1)式のL1 * を,(25)式で得られたL1 ^に置き
換えて(26)式が成立する。
【0104】
【数24】
【0105】
【数25】
【0106】
【数26】
【0107】以上が,実施例1に係る誘導電動機の制御
方式であり,1次自己インダクタンスの設定に誤差があ
っても,また,磁気飽和の影響により1次自己インダク
タンスの実際値が変化しても,その補正を自動的に行う
ため,常に1次磁束Φ1 は設定値通り一定に制御され,
良好な誘導電動機の制御が実現する。
【0108】次に,上記実施例1の動作を図2〜図7を
参照しながら図8に示すフローチャートに基づいて説明
する。まず,ΔL1 の初期値を設定する(S1)。次
に,図6に示すように,1次電流のd軸およびq軸成分
1dおよびI1qが,1次電流成分演算回路14から出力
される(S2)。すなわち,電流検出器2によって検出
された誘導電動機1の1次電流I1uおよびI1vをそれぞ
れ入力端子58および59に入力すると,係数器61〜
63および加算器64によって(27)式の演算が行わ
れ,係数器61および加算器64からそれぞれ1次電流
の直交座標軸(α−β座標軸とする)上のα軸およびβ
軸成分I1 αおよびI1 βが出力される。
【0109】
【数27】
【0110】一方,周波数指令発生器9から出力された
アナログ量の1次周波数指令ω1 *を入力端子60を経
由してV/Fコンバータ65に入力すると,周波数が1
次周波数指令ω1 * に比例したパルス列の信号が得ら
れ,カウンタ66によって1次周波数指令ω1 * の時間
積分値であるディジタル量の角度指令θ1 * が求めら
れ,sinθ1 * およびcosθ1 * の値が記憶された
ROM67のアドレスとして入力される。すると,RO
M67からsinθ1 * およびcosθ1 * のディジタ
ル量が出力される。続いて,係数器61および加算器6
4から出力されたI 1 αおよびI1 βと,sinθ1 *
およびcosθ1 * のディジタル量を乗算形D/Aコン
バータ68〜71に入力して乗算,アナログ変換した
後,加算器72および減算器73に入力すると(28)
式の演算が行われ,加算器72および減算器73の出力
として得られる1次電流のd軸およびq軸成分I1dおよ
びI1qが出力端子74,75から出力される。
【0111】
【数28】
【0112】次に,図7に示すように,誤差電流Ierr
が誤差電流演算回路15aから出力される(S3)。す
なわち,励磁電流指令設定器4から入力端子103を経
由して出力された励磁電流指令I1d * と,1次電流成分
演算回路14から入力端子104,105を経由して出
力された1次電流のd軸およびq軸成分I1dおよびI 1q
と,係数器106および108と,乗算器107と,割
算器110と,加算器112と減算器109,111と
によって(23)式の演算が行われ,加算器112の出
力として得られる誤差電流Ierr が出力端子113から
出力される。
【0113】次に,図3に示すように,d軸およびq軸
の補正電圧成分ΔV1d,ΔV1qが補正電圧演算回路7b
から出力される。すなわち,1次電流成分演算回路14
から入力端子38,41を経由して1次電流のd軸成分
1d,および1次電流のq軸成分I1qが出力され,ま
た,誤差電流演算回路15aから入力端子39を経由し
て誤差電流成分Ierr が出力される。その結果,係数器
42と,増幅器43および加算器44によって(26)
式のV1dの式の右辺の演算が行われ,d軸の補正電圧成
分ΔV1dとして出力端子51から出力される。一方,誤
差電流成分Ierrと,周波数指令発生器9から入力端子
40を経由して出力された1次周波数指令ω1 * とか
ら,増幅器45,係数器46,乗算器47および加算器
48とによって(26)式のV1qの式の右辺の第3項の
演算が行われ,係数器49によって(26)式のV1q
式の右辺の第1項の演算が行われる。続いて,加算器4
8および係数器49の出力を加算器50で加算すると,
(26)式のV1qの式の右辺の第2項の電圧,すなわ
ち,無負荷電圧を除く電圧成分がq軸の補正電圧成分Δ
1qとして出力端子52から出力される。
【0114】次に,図5に示すように,1次自己インダ
クタンス設定値L1 * の補正量ΔL 1 ^が,1次抵抗補
正回路9から出力される(S4)。すなわち,誤差電流
成分演算回路15aから入力端子53を経由して誤差電
流成分Ierr が出力される。その後,増幅器54,増幅
形積分器55および加算器56によって(24)式の演
算が行われ,1次自己インダクタンス設定値L1 * の補
正量ΔL1 ^として出力端子57から出力される。
【0115】続いて,図2に示すように,無負荷電圧指
令V1q0 * が,無負荷電圧演算回路5bによって出力さ
れる。すなわち,1次自己インダクタンス設定器12か
ら入力端子31を経由して出力された1次自己インダク
タンス設定値L1 * と,1次自己インダクタンス補正回
路13aから入力端子32を経由して出力された1次自
己インダクタンスの補正量ΔL1 ^が加算器33によっ
て加算されて1次自己インダクタンスの推定値L1 ^と
なる(S5)。また,周波数指令発生器9から入力端子
30を経由して出力された1次周波数指令ω1 * と加算
器33の出力である1次自己インダクタンスの推定値L
1 ^を乗算器34によって乗算し,さらに励磁電流指令
設定器4から入力端子36を経由して出力された励磁電
流指令I 1d * と乗算器35によって乗算すると(26)
式のV1qの式の右辺の第2項に相当する無負荷電圧指令
1q0 * (=L1 ^ω1 * 1d * )が求められ出力端子
37から出力される(S6)。
【0116】次に,図4に示すように,1次電圧指令V
1u * ,V1V * およびV1w * が1次電圧指令演算回路8か
ら出力される。すなわち,補正電圧演算回路7bから入
力端子80および81を経由して,それぞれd軸および
q軸の補正電圧成分ΔV1d,ΔV1qが出力される(S
7)。ここで,一次電圧のd軸成分の無負荷電圧指令V
1d0 * は零となるので,(26)式よりΔV1dは1次電
圧のd軸成分指令V1d *とみなすことができる。一方,
加算器84によって,無負荷電圧演算回路5から入力端
子82を経由して出力された無負荷電圧指令V
1q0 * と,q軸の補正電圧成分ΔV1qとが加算され,
(26)式のV1qの式の右辺の演算が行われ,1次電圧
のq軸成分指令V1q * として出力される。続いて,入力
端子83を経由して周波数指令発生器9から1次周波数
指令ω1 * を入力すると,上記した1次電流成分演算回
路14と同じ動作によって,ROM87から出力sin
θ1 * およびcosθ1 * のディジタル量を乗算形D/
Aコンバータ88〜91に入力して乗算,アナログ変換
した後,減算器92および加算器93に入力すると(2
9)式の演算が行われ,1次電圧のα軸成分指令V1 α
* およびβ軸成分指令V1 β* が求められる。
【0117】
【数29】
【0118】続いて,係数器94,97〜99と,減算
器95および加算器96によって(30)式の演算が行
われ,出力端子100〜102からそれぞれ,1次電圧
指令V1u * ,V1V * およびV1w * が出力される(S
8)。
【0119】
【数30】
【0120】続いて,これらの1次電圧指令V1u * ,V
1V * およびV1w * を可変周波数電力変換回路3に入力す
ると,従来装置と同様の動作によって,誘導電動機1に
印加される1次電圧の実際値がそれぞれ,これらの1次
電圧指令に追従するように制御される。
【0121】なお,上記の実施例1では,1次自己イン
ダクタンス補正回路13aを,増幅器と増幅形積分によ
り構成したものを示したが,増幅形積分器だけの構成に
してもよい。さらに,上記の実施例においては,1次電
流I1wはI1uおよびI1vから演算により求められている
が,電流検出器により検出した値を用いることもでき
る。
【0122】また,1次自己インダクタンス設定値L1
* と1次自己インダクタンスの補正量ΔL1 ^は無負荷
電圧演算回路5bにおいて加算されて1次自己インダク
タンス推定値L1 ^となるが,この加算動作を1次自己
インダクタンス補正回路13aにより行ってもよい。さ
らに,1次自己インダクタンス設定値L1 * は1次自己
インダクタンス設定器12からの出力ではなく,定数発
生器として無負荷電圧演算回路5bあるいは1次自己イ
ンダクタンス補正回路13aに含めてもよい。
【0123】〔実施例2〕次に,実施例2について説明
する。図9は,実施例2の全体構成を示すブロック図で
あり,1は誘導電動機,2は電流検出器,3は可変周波
数電力変換回路,4は励磁電流指令設定器,5aは無負
荷電圧演算回路,7bは補正電圧演算回路,8は1次電
圧指令演算回路,9は周波数指令発生器,14は1次電
流成分演算回路,15bは誤差電流演算回路,16は漏
れ係数設定器,17aは漏れ係数補正回路である。
【0124】図10は,上記した無負荷電圧演算回路5
aの詳細な構成を示すブロック図であり,図において,
無負荷電圧演算回路5aは,周波数指令発生器9に接続
された入力端子200と,励磁電流指令設定器4に接続
された入力端子201と,係数器202と,乗算器20
3と,出力端子204とから構成される。
【0125】図11は,上記した誤差電流演算回路15
bの詳細な構成を示すブロック図であり,図において,
誤差電流演算回路15bは,励磁電流指令設定器4に接
続された入力端子205と,1次電流成分演算回路14
に接続された入力端子206,207と,漏れ係数設定
器16に接続された入力端子212と,漏れ係数補正回
路17aに接続された入力端子213と,乗算器208
〜210と,除算器216と,減算器214,215
と,加算器211,217と,出力端子218とから構
成されている。
【0126】図12は,上記した漏れ係数補正回路17
aの詳細な構成を示すブロック図であり,図において,
漏れ係数補正回路17aは,誤差電流演算回路15bに
接続された入力端子219と,増幅器220と,増幅形
積分器221と,加算器222と,出力端子223とか
ら構成されている。
【0127】次に,この実施例2に係る誘導電動機の制
御方式について説明する。上記実施例1において説明し
たように,V1dおよびV1qを(21)〜(23)式で与
えれば,1次磁束Φ1 は設定値通り一定に制御される。
ところで,(21)式には漏れ係数σの設定値σ* が含
まれている。通常の誘導電動機においては,製造誤差に
より,漏れ係数σの実際値は設計値と一致せず,バラツ
キを生じている。また,通常の誘導電動機においては,
磁気飽和が生じ,1次および2次電流の大きさによって
漏れ係数は大きく変化してしまう。この変化曲線を実測
して記憶させることは非常に困難である。本発明では,
漏れ係数の設定値σ* がその真値σに対して誤差をもっ
ている場合,(23)式で示される電流誤差Ierr が零
とならないことを利用して,Ierr を予め設定したゲイ
ンで(比例+積分)し,これを漏れ係数の設定値σ*
補正量Δσ^として演算する。
【0128】すなわち,(31)式で漏れ係数の設定値
σ* の補正量Δσ^を演算し,次に(32)式において
示すようにσ* を加算して漏れ係数推定値σ^を求め
る。その後,(23)式のσ* を,(32)式で得られ
たσ^に置き換えて(33)式が成立する。
【0129】
【数31】
【0130】
【数32】
【0131】
【数33】
【0132】以上が,実施例2に係る本発明における制
御方式であり,漏れ係数の設定値に誤差があっても,ま
た,磁気飽和の影響により漏れ係数の実際値が変化して
も,その補正を自動的に行うため,常に1次磁束Φ1
設定値通り一定に制御され,良好な誘導電動機の制御が
できる。
【0133】次に,上記した実施例2の動作を図10〜
図12を参照しながら図13のフローチャートに基づい
て説明する。まず,Δσの初期値を設定する(S1
1)。次に,図10において示すように,無負荷電圧指
令V1q0 * が,無負荷電圧演算回路5aによって出力さ
れる。すなわち,励磁電流指令設定器4から入力端子2
01を経由して出力された励磁電流指令I1d * を係数器
202に入力した後,周波数指令発生器9から入力端子
200を経由して出力された1次周波数指令ω1 *と乗
算器203によって乗算すると(26)式のV1qの式の
右辺の第2項に相当する無負荷電圧指令V1q0 * (=L
1 * ω1 * 1d * )が求められ,出力端子204から出
力される。
【0134】また,図12において示すように,漏れ係
数設定値σ* の補正量Δσ^が,漏れ係数補正回路17
aから出力される(S14)。すなわち,誤差電流成分
演算回路15bから入力端子219を経由して誤差電流
成分Ierr が出力される。その結果,増幅器220,増
幅形積分221および加算器222によって(31)式
の演算が行われ,漏れ係数設定値σ* の補正量Δσ^と
して出力端子223から出力される。
【0135】次に,図11に示すように,誤差電流I
err が誤差電流演算回路15bから出0される。つま
り,漏れ係数設定器16から入力端子212を経由して
出力された漏れ係数の設定値σ* と,漏れ係数補正回路
17aから入力端子213を経由して出力された漏れ係
数の補正量Δσ^が加算器211によって加算されて漏
れ係数推定値σ^となる(S15)。さらに,励磁電流
指令設定器4から入力端子205を経由して出力された
励磁電流指令I1d * と,1次電流成分演算回路14から
入力端子206,207を経由して出力された1次電流
のd軸およびq軸成分I1dおよびI1qと,乗算器208
〜210と,割算器216と,加算器217と減算器2
14,215によって(33)式の演算が行われ,加算
器217の出力として得られる誤差電流Ierr が出力端
子218から出力される。
【0136】その他,上記実施例1と同一符号は同一の
構成であり,同一の動作をするため,ここでは説明を省
略する。なお,上記の実施例では,漏れ係数補正回路1
7aを,増幅器と増幅形積分器により構成したものを示
したが,増幅形積分器だけの構成にしてもよい。さら
に,上記の実施例においては,1次電流I1wはI1uおよ
びI1vから演算により求めているが,電流検出器により
検出した値を用いることもできる。また,図13におけ
るステップS12,S13およびS16〜S18は図8
に示した動作と同様であるため,その説明を省略する。
【0137】また,漏れ係数の設定値σ* と漏れ係数の
補正量Δσ^は誤差電流演算回路15bにおいて加算さ
れて漏れ係数の推定値σ^となるが,この加算動作を漏
れ係数補正回路17aにより行ってもよい。さらに,漏
れ係数の設定値σ* は漏れ係数設定器16からの出力で
はなく,定数発生器として誤差電流演算回路15bある
いは漏れ係数補正回路17aに含めてもよい。
【0138】〔実施例3〕次に,実施例3について説明
する。図14は,実施例3の全体構成を示すブロック図
であり,1は誘導電動機,2は電流検出器,3は可変周
波数電力変換回路,4は励磁電流指令設定器,5bは無
負荷電圧演算回路,7aは補正電圧演算回路,8は1次
電圧指令演算回路,9は周波数指令発生器,10は1次
抵抗設定器,11bは1次抵抗補正回路,12は1次自
己インダクタンス設定器,13bは1次自己インダクタ
ンス補正回路,14は1次電流成分演算回路,15bは
誤差電流演算回路,16は漏れ係数設定器,17bは漏
れ係数補正回路,18aは補正部制御回路である。
【0139】図15は,上記した補正電圧演算回路7a
の詳細な構成を示すブロック図であり,図において,補
正電圧演算回路7aは,1次抵抗設定器10に接続され
た入力端子150と,1次抵抗補正回路11bに接続さ
れた入力端子151と,1次電流成分演算回路14に接
続された入力端子38,39と,誤差電流演算回路15
bに接続された入力端子39と,周波数指令発生器9に
接続された入力端子40と,係数器46と,増幅器4
3,45と,加算器44,48,50および152と,
乗算器47,153,154と,出力端子51および5
2とから構成されている。
【0140】図16は,上記した1次抵抗補正回路11
bの詳細な構成を示すブロック図であり,図において,
1次抵抗補正回路11bは,誤差電流演算回路15bに
接続された入力端子301と,補正部制御回路18aに
接続された入力端子300と,乗算器302と,増幅器
303と,増幅形積分器304と,加算器305と,出
力端子306とから構成されている。
【0141】図17は,上記した1次自己インダクタン
ス補正回路13bの詳細な構成を示すブロック図であ
り,図において,1次自己インダクタンス補正回路13
bは,誤差電流演算回路15bに接続された入力端子3
08と,補正部制御回路18aに接続された入力端子3
07と,乗算器309と,増幅器54と,増幅形積分器
55と,加算器56と,出力端子310とから構成され
ている。
【0142】図18は,上記した漏れ係数補正回路17
bの詳細な構成を示すブロック図であり,図において,
漏れ係数補正回路17bは,誤差電流演算回路15bに
接続された入力端子312と,補正部制御回路18aに
接続された入力端子311と,乗算器313と,増幅器
220と,増幅形積分器221と,加算器222と,出
力端子314とから構成されている。
【0143】図19は,上記した補正部制御回路18a
の詳細な構成を示すブロック図であり,図において,補
正部制御回路18aは,周波数指令発生器9に接続され
た入力端子315と,1次電流成分演算回路14に接続
された入力端子316と,補正信号作成回路317と,
補正信号作成回路317から補正部制御信号を出力する
出力端子318,319および320とから構成されて
いる。
【0144】次に,この実施例3に係る誘導電動機の制
御方式について説明する。上記実施例1にて説明したよ
うに,V1dおよびV1qを(21)〜(23)式で与えれ
ば,1次磁束Φ1 は設定値通り一定に制御される。そし
て,上記したように,(21)〜(23)式には誘導電
動機の回路定数である1次抵抗R1 ,1次自己インダク
タンスL1 ,漏れ係数σ(=1−M2 /(L1 2 ))
等の設定値が含まれている。これらは,以前に提案され
た技術(特開平5−30792号)およびこの発明の上
記実施例1,実施例2の方法を用いることにより補正で
きる。しかしながら,これらの補正はすべて誤差電流演
算回路15aもしくは15bの出力である誤差電流を用
いているため,すべての補正回路を同時に動作できると
補正が不安定になる。特に,或る定数が誤差電流に対し
て与える影響が小さい領域にて補正を行うと,他の定数
で誤差電流が生じていた場合には,その定数の誤差まで
補正を行うために大きく実際値とずれてしまうことが起
こる。
【0145】そこで,1次周波数指令ω1 が大きいとき
には,(21)式のV1qの右辺第2項のL1 * ω1 1d
* の電圧が相対的に大きくなり,V1dおよびV1qの右辺
第1項のR1 * 1d,R1 * 1qの電圧が相対的に小さ
くなることを利用して,低速時には1次自己インダクタ
ンスの設定値と漏れ係数の設定値の補正動作を停止さ
せ,高速時には1次抵抗の設定値の補正動作を停止さ
せ,低速時においては誘導電動機の1次磁束がその設定
値と一致するために最も影響のある1次抵抗の設定誤差
が選択して補正され,逆に高速時においては誘導電動機
の1次磁束がその設定値と一致するために影響力のある
1次自己インダクタンスおよび漏れ係数の設定誤差が選
択して補正され,安定,かつ,高精度な制御が達成でき
るように構成する。すなわち,(34)式の補正信号を
作成する。
【0146】
【数34】
【0147】また,(23)式のIerr の右辺第3項の
σ* 1q 2 /(I1d * −σ* 1d)がI1qの2乗に比例
することを利用して,軽負荷時つまりI1qが小さいとき
には漏れ係数の設定値の補正動作を停止させ,重負荷時
つまりI1qが大きいときには1次自己インダクタンスの
設定値の補正動作を停止させ,軽負荷時においては誘導
電動機の1次磁束がその設定値と一致するために影響力
のある1次自己インダクタンスの設定誤差が選択して補
正され,逆に重負荷時においては誘導電動機の1次磁束
がその設定値と一致するために影響力のある漏れ係数の
設定誤差が選択して補正され,安定,かつ,高精度な制
御が達成できるように構成する。つまり,(35)式の
補正信号を作成する。
【0148】
【数35】
【0149】次に,実施例3の動作について説明する。
図15において示すように,d軸およびq軸の補正電圧
成分ΔV1d,ΔV1qが補正電圧成分演算回路7aから出
力される。すなわち,1次抵抗補正回路10から入力端
子150を経由して1次抵抗設定値R1 * が出力され,
また1次抵抗補正回路11bから入力端子151を経由
して1次抵抗設定値R1 * の補正量ΔR1 ^が出力され
る。すると,(10)式の演算が行われ,1次抵抗推定
値R1 ^が加算器152から出力される。また,誤差電
流演算回路15bから入力端子39を経由して誤差電流
成分Ierr が出力され,1次電流成分演算回路14から
1次電流のd軸成分I1dおよびq軸成分I1qが出力され
る。
【0150】その結果,加算器152で入力端子150
からの入力である1次抵抗設定値R 1 * と入力端子15
1からの入力である1次抵抗設定値R1 * の補正量ΔR
1 ^が加算されて1次抵抗の推定値R1 ^として出力さ
れ,乗算器153と,増幅器43および加算器44によ
って(26)式のV1dの式の右辺の演算が行われ,d軸
の補正電圧成分ΔV1dとして出力端子51から出力され
る。一方,誤差電流成分Ierr と,周波数指令発生器9
から入力端子40を経由して出力された1次周波数指令
ω1 * と,加算器152の出力である1次抵抗の推定値
1 ^から,増幅器45,係数器46,乗算器47およ
び加算器48とによって(26)式のV 1qの式の右辺の
第3項の演算が行われ,乗算器154によって(26)
式のV1qの式の右辺の第1項の演算が行われる。続い
て,加算器48および係数器49の出力を加算器50で
加算すると,(26)式のV1qの式の右辺の第2項の電
圧,すなわち,無負荷電圧を除く電圧成分がq軸の補正
電圧成分ΔV1qとして出力端子52から出力される。
【0151】次に,図19において示されている補正部
制御回路18aにより,周波数指令発生器9から入力端
子315を経由して1次周波数指令値ω1 * が入力さ
れ,また1次電流成分演算回路14から入力端子316
を経由して1次電流のq軸成分I1qが入力され,補正信
号作成回路317によって上記(34),(35)式の
処理が行われ,1次抵抗補正回路11b,1次自己イン
ダクタンス補正回路13b,漏れ係数補正回路17bの
補正部制御信号として出力端子318,319,320
からSW.1,SW.2,SW.3がそれぞれ出力され
る。
【0152】さらに,図16において示されている1次
抵抗補正回路11bにより,上記補正部制御回路18a
から入力端子300を経由して入力された補正部制御信
号SW.1と,誤差電流演算回路15bから入力端子3
01を経由して入力された誤差電流Ierr が乗算器30
2にて乗算され,増幅器303,増幅形積分器304お
よび加算器305によって1次抵抗設定値R1 * の補正
量ΔR1 ^として出力端子306から出力される。
【0153】同様に,図17において示されている1次
自己インダクタンス補正回路13bにより,上記補正部
制御回路18aから入力端子307を経由して入力され
た補正部制御信号SW.2と,誤差電流演算回路15b
から入力端子308を経由して入力された誤差電流I
err が乗算器309にて乗算され,増幅器54,増幅形
積分器55および加算器56によって1次自己インダク
タンス設定値L1 * の補正量ΔL1 ^として出力端子3
10から出力される。
【0154】さらに,図18において示されている漏れ
係数補正回路17bにより,上記補正部制御回路18a
から入力端子311を経由して入力された補正部制御信
号SW.3と,誤差電流演算回路15bから入力端子3
12を経由して入力された誤差電流Ierr が乗算器31
3にて乗算され,増幅器220,増幅形積分器221お
よび加算器222によって漏れ係数設定値σ* の補正量
Δσ^として出力端子314から出力される。
【0155】なお,他の実施例として,図19に示した
補正部制御回路18aを,図20に示すような補正部制
御回路18bとしてもよい。図20に示した補正部制御
回路18bでは,周波数指令発生器9から入力端子31
5を経由して1次周波数指令値ω1 * を入力し,(3
4)式を用いて1次抵抗補正回路11b,1次自己イン
ダクタンス補正回路13b,漏れ係数補正回路17bの
補正部制御信号を作成し,SW.1,SW.2,SW.
3として出力端子318,319,320からそれぞれ
出力される。
【0156】さらに,他の実施例として,図19に示し
た補正部制御回路18aを,図21に示すような補正部
制御回路18cとしてもよい。図21に示した補正部制
御回路18cでは,1次電流成分演算回路14から入力
端子315を経由して1次電流のq軸成分I1qを入力
し,(35)式を用いて1次自己インダクタンス補正回
路13b,漏れ係数補正回路17bの補正部制御信号を
作成し,SW.2,SW.3として出力端子319,3
20からそれぞれ出力される。
【0157】また,同一発明者により以前に提案された
装置においても,1次抵抗に関しては,その補正はなさ
れるが,回生負荷時については考慮されていないため,
回生負荷時においては1次抵抗の補正が安定的に行えな
いという問題点があった。そこで,他の実施例として,
図19に示した補正部制御回路18aを,図22に示す
ような補正部制御回路18dとしてもよい。図22に示
した補正部制御回路18dでは,1次電流成分演算回路
14から入力端子316を経由して1次電流のq軸成分
1qを入力し,I1qが正のときは“1”を,負のときは
“−1”となるように切換回路321で1次抵抗補正回
路17bの補正部制御信号を作成し,SW.1として出
力端子318から出力される。
【0158】なお,これら図20,図21,図22にお
いて示した補正部制御回路18b,18c,18dを適
当に組み合わせて補正部制御回路としてもよい。また,
上記実施例において,1次電流成分演算回路14からの
出力であるI1qの代わりに電流検出器2の出力であるI
1u,I1vを用いてもよい。
【0159】さらに,他の実施例として,図19の補正
部制御回路18aの出力信号SW.1,SW.2,S
W.3を,“1”,“0”,“−1”のディジタル信号
とせず,図23に示すような中間値を持った信号として
もよい。図23の補正部制御回路18eの詳細な構成を
示すブロック図において,315,315は入力端子,
321,322は絶対値回路,323〜326は関数発
生器,327,328は乗算器,318〜320は出力
端子である。
【0160】次に,動作について説明する。図23にお
いて示されている補正部制御回路18eにより,周波数
指令発生器9から入力端子315を経由して1次周波数
指令値ω1 * が入力され,また,1次電流成分演算回路
14から入力端子316を経由して1次電流のq軸成分
1qが入力される。この1次周波数指令値ω1 * は絶対
値回路321にて絶対値がとられ,関数発生器323お
よび326に出力される。同様にして,1次電流のq軸
成分I1qは絶対値回路322にて絶対値がとられ,関数
発生器324および325に出力される。
【0161】また,関数発生器323〜326では,予
め設定されている関数にしたがって,絶対値回路321
および322の出力に対応した値が出力される。まず,
関数発生器323は絶対値回路321の出力に対応した
信号AN.1を発生し,出力端子318から1次抵抗補
正回路11bに出力する。次に,関数発生器326も絶
対値回路321の出力に対応した信号AN.12を出力
する。
【0162】さらに,関数発生器324および325は
絶対値回路322の出力に対応した信号AN.21,A
N.22をそれぞれ発生し,乗算器327で関数発生器
326の出力である信号AN.12と関数発生器324
の出力であるAN.21の出力が乗算されて信号AN.
2となり出力端子319から1次自己インダクタンス補
正回路13bに出力され,乗算器328で関数発生器3
26の出力である信号AN.12と関数発生器325の
出力である信号AN.22が乗算器328で乗算されて
信号AN.3となり出力端子320から漏れ係数補正回
路17bに出力される。
【0163】図24は,上記実施例3のアルゴリズムを
フローチャートにより示したものであり,以下,その手
順について説明する。最初に,1次自己インダクタンス
の補正量ΔL1 ^,漏れ係数の補正量Δσ^,1次抵抗
の補正量ΔR1 ^を零クリアする。さらに,1次自己イ
ンダクタンスの初期設定値L1 * ,漏れ係数の初期設定
値σ* ,1次抵抗の初期設定値R1 * をそれぞれの推定
値であるL1 ^,σ^,R1 ^に初期として設定する
(S21)。次に,(27),(28)式により,1次
電流のd軸およびq軸成分I1d,I1qを計算する。さら
に,(33)式により誤差電流Ierr を計算する(S2
2)。
【0164】次に,(34),(35)式の条件判断に
より,補正する設定値を選択する。そして,(10),
(25),(31)式のいずれかを用いて誤差電流I
err が零となるように選択された設定値の補正量が計算
される(S23)。なお,ここで選択されなかった設定
値の補正量は,前回の値をそのまま保持しておくことに
なる。その後,上記ステップS23において計算された
補正量ΔL1 ^,Δσ^,ΔR1 ^を,それぞれ初期設
定値L1 * ,σ* ,R1 * に加算し,その推定値L
1 ^,σ^,R1 ^として設定する(S24)。
【0165】さらに,上記ステップS24において得ら
れた推定値を用いて,1次電流のd軸成分指令V1d *
よびq軸成分指令V1q * を計算し(S25),さらに,
(29),(30)式により,1次電圧のd軸成分指令
1d * およびq軸成分指令V 1q * から1次電圧の三相指
令V1u * ,V1v * ,V1w * を計算する(S26)。
【0166】なお,上記ステップS22〜ステップS2
6は,ループになっており,繰り返し計算されるため,
これらの順序は異なってもよい。例えば,ステップS2
2とS23の順序が逆になっても,また,ステップS2
5がS23の手前で実行されるようなアルゴリズムでも
よい。
【0167】また,図25も実施例3の動作を示すフロ
ーチャートであり,ステップS31〜S33およびS3
5〜S40の内容は,上記図24に示した内容と同様で
あり,その説明を省略する。ここでは,ステップS33
の動作後,補正部制御回路18aにより(KRP,KRI
SP,KSI,KLP,KLI)を設定する(S34)。
【0168】〔実施例4〕次に,実施例4について説明
する。図26は,実施例4の全体構成を示すブロック図
であり,1は誘導電動機,2は電流検出器,3は可変周
波数電力変換回路,4は励磁電流指令設定器,5cと無
負荷電圧演算回路,7bは補正電圧演算回路,8は1次
電圧指令演算回路,9は周波数指令発生器,14は1次
電流成分演算回路,15aは誤差電流演算回路,19は
励磁電流指令補正回路,20は減算器である。
【0169】図27は,上記した無負荷電圧演算回路5
cの詳細な構成を示すブロック図であり。図において,
無負荷電圧演算回路5cは,周波数指令発生器9に接続
された入力端子410と,係数器411と,出力端子4
12とから構成されている。
【0170】図28は,上記した励磁電流指令補正回路
19の詳細な構成を示すブロック図であり,図におい
て,励磁電流指令補正回路19は,誤差電流演算回路1
5aに接続された入力端子413と,増幅器414と,
増幅形積分器415と,加算器416と,出力端子41
7とから構成されている。
【0171】次に,この実施例4に係る誘導電動機の制
御方式について説明する。上記実施例1にて説明したよ
うに,V1dおよびV1qを(21)〜(23)式で与えれ
ば,1次磁束Φ1 は設定値通り一定に制御される。そし
て,上記したように,(21)式には誘導電動機の回路
定数である1次自己インダクタンスL1 の設定値が含ま
れている。この1次自己インダクタンスの設定誤差は,
この発明の実施例1の方法を用いることにより補正でき
る。しかしながら,1次自己インダクタンスL 1 が補正
されてその設定値或L1 * より大きくなった場合,(2
6)式で制御される無負荷電圧であるところのV1q *
右辺第2項で示されるL1 ^ω1 1d *が,もとの1次
自己インダクタンスの設定値L1 * で計算された無負荷
電圧設定値であるL1 * ω1 1d * よりも大きくなって
しまう。この無負荷電圧がもとの設定値よりも大きい場
合,電圧不足を生じて良好な制御性能を得られない場合
がある。そこで,(36)式のようにV1d * およびV1q
* を制御する。
【0172】
【数36】
【0173】このとき,1次自己インダクタンスL1
設定値がその実際値に対して誤差を持っている場合,
(23)式で示される電流誤差Ierr が零とならないこ
とを利用して,Ierr を予め設定したゲインで(比例+
積分)し,これを励磁電流指令I1d * の補正量ΔI1d
として演算する。つまり,(37)式で励磁電流指令I
1d * の補正量ΔI1d^を演算し,次に(38)式におい
て示すようにI1d * を加算して補正された励磁電流指令
値I1d * ^を求める。
【0174】
【数37】
【0175】
【数38】
【0176】さらに,(23)式の誤差電流Ierr を求
める式のI1d * を,(38)式で得られた補正された励
磁電流指令値I1d * ^に置き換えて(39)式が成立す
る。
【0177】
【数39】
【0178】以上が,実施例4における制御方式であ
り,1次自己インダクタンスの設定に誤差があっても,
無負荷電圧を一定に保った状態でその補正を自動的に行
うため,常に1次磁束Φ1 は設定通り一定に制御され,
電圧が不足せずに安定,かつ,良好な誘導電動機の制御
が実現できる。
【0179】次に,上記した実施例4の動作を図27,
図28を参照しながら図29のフローチャートに基づい
て説明する。まず,励磁電流指令値ΔI1d * ^の初期値
を設定する(S41)。次に,図27の無負荷電圧演算
回路5cにおいて,周波数指令発生器9から入力端子4
10を経由して1次周波数指令値ω1 * が出力され,係
数器411で係数倍されて出力端子412からV1d0 *
として出力される。
【0180】また,図28の励磁電流指令補正回路19
において,誤差電流演算回路15aから入力端子413
を経由して入力された誤差電流Ierr が,増幅器41
4,増幅形積分器415および加算器416によって
(37)式の演算が行われ,励磁電流指令I1d * の補正
量ΔI1d * ^として出力端子417から出力される(S
44)。
【0181】さらに,減算器20によって励磁電流指令
設定器40から出力された励磁電流指令I1d * から,上
記励磁電流指令補正回路19によって演算された励磁電
流指令I1d * の補正量ΔI1d * ^が減算されて補正され
た励磁電流指令値I1d * ^となり,誤差電流演算回路1
5aに出力される(S45)。その他,ステップS4
2,S43およびS46〜S48は上記各実施例の動作
と同様であるので,その説明を省略する。
【0182】なお,上記実施例1〜4で説明した構成に
限定されることなく,特許請求の範囲における請求項1
〜8に記載の手段を用いた誘導電動機の制御装置及びそ
の制御方法であれば,上記実施例と同様の効果を奏する
ことができる。
【0183】さらに,特許請求の範囲における請求項1
〜8記載の各手段は,ハードウェアを用いて実現して
も,マイコンのソフトウェアを用いて実現しても同様の
効果を奏する。
【0184】
【発明の効果】以上のように,この発明に係る誘導電動
機の制御装置(請求項1)は,誘導電動機の内部で発生
する1次磁束の実際値がその設定値と一致したときに零
となるような誤差電流を用いて1次自己インダクタンス
の設定値を補正し,その補正された1次自己インダクタ
ンスの値を用いて誘導電動機の1次磁束がその設定値と
一致するように構成したので,設計値等による1次自己
インダクタンスの設定値がその実際値に対して誤差を生
じていた場合においても,安定,かつ,高精度な制御が
達成できる効果がある。
【0185】さらに,可変励磁,弱め励磁等,励磁電流
指令を変化させる制御を行った場合においても,磁気飽
和による1次自己インダクタンスの変化曲線を実測して
記憶する必要がなく煩雑な手間を省くことができ,安
定,かつ,高精度な制御が達成できる効果がある。
【0186】また,この発明に係る誘導電動機の制御方
法(請求項2)は,誘導電動機の内部で発生する1次磁
束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよう
な誤差電流を用いて1次自己インダクタンスの設定値を
補正し,その補正された1次自己インダクタンスの値を
用いて誘導電動機の1次磁束がその設定値と一致するよ
うに構成したので,設計値等による1次自己インダクタ
ンスの設定値がその実際値に対して誤差を生じていた場
合においても,安定,かつ,高精度な制御が達成できる
効果があり,加えて,可変励磁,弱め励磁等,励磁電流
指令を変化させる制御を行った場合においても,磁気飽
和による1次自己インダクタンスの変化曲線を実測して
記憶する必要がなく煩雑な手間を省くことができ,安
定,かつ,高精度な制御が達成できる効果がある。
【0187】また,この発明に係る誘導電動機の制御装
置(請求項3)は,誘導電動機の内部で発生する1次磁
束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよう
な誤差電流を用いて漏れ係数の設定値を補正し,その補
正された漏れ係数の値を用いて誘導電動機の1次磁束が
その設定値と一致するように制御されるように構成した
ので,設計値等による漏れ係数の設定値がその実際値に
対して誤差を生じていた場合においても,安定,かつ,
高精度な制御が達成できる効果がある。
【0188】さらに,磁気飽和の影響で漏れ係数が変化
する場合においては,従来漏れ係数の磁気飽和による変
化曲線を実測することは困難であり,漏れ係数の変化曲
線を記憶することができずにその決定誤差が制御の安定
正および精度を悪化させていたが,この発明において漏
れ係数を補正することにより,安定,かつ,高精度な制
御が達成できる効果がある。
【0189】また,この発明に係る誘導電動機の制御方
法(請求項4)は,誘導電動機の内部で発生する1次磁
束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよう
な誤差電流を用いて漏れ係数の設定値を補正し,その補
正された漏れ係数の値を用いて誘導電動機の1次磁束が
その設定値と一致するように制御されるように構成した
ので,設計値等による漏れ係数の設定値がその実際値に
対して誤差を生じていた場合においても,安定,かつ,
高精度な制御が達成できる効果があり,加えて,磁気飽
和の影響で漏れ係数が変化する場合においては,従来漏
れ係数の磁気飽和による変化曲線を実測することは困難
であり,漏れ係数の変化曲線を記憶することができずに
その決定誤差が制御の安定正および精度を悪化させてい
たが,この発明において漏れ係数を補正することによ
り,安定,かつ,高精度な制御が達成できる効果があ
る。
【0190】また,この発明に係る誘導電動機の制御装
置(請求項5)は,誘導電動機の内部で発生する1次磁
束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよう
な誤差電流を用いて1次抵抗の設定値と1次自己インダ
クタンスの設定値と漏れ係数の設定値を補正し,その補
正された1次抵抗と1次自己インダクタンスと漏れ係数
の値を用いて誘導電動機の1次磁束がその設定値と一致
するように制御され,さらに誘導電動機の1次電流と1
次周波数によりそれぞれの補正動作を制御するようにし
たので,設計値等による1次抵抗,1次自己インダクタ
ンスおよび漏れ係数等の設定値がその実際値に対して誤
差を生じていた場合においても,誘導電動機の1次磁束
がその設定値と一致するために最も影響のある設定誤差
が選択して補正され,安定,かつ,高精度な制御が達成
できる効果がある。
【0191】また,この発明に係る誘導電動機の制御装
置(請求項6)は,低速時には1次自己インダクタンス
の設定値と漏れ係数の設定値の補正動作を停止させ,高
速時には1次抵抗の設定値の補正動作を停止させるよう
にしたので,低速時においては誘導電動機の1次磁束が
その設定値と一致するために最も影響のある1次抵抗の
設定誤差が選択して補正され,逆に高速時においては誘
導電動機の1次磁束がその設定値と一致するために影響
力のある1次自己インダクタンスおよび漏れ係数の設定
誤差が選択して補正され,安定,かつ,高精度な制御が
達成できる効果がある。
【0192】また,この発明に係る誘導電動機の制御装
置(請求項7)は,誘導電動機の1次電流により,軽負
荷と重負荷を判断し,軽負荷時には漏れ係数の設定値の
補正動作を停止させ,重負荷時には1次自己インダクタ
ンスの設定値の補正動作を停止させるようにしたので,
軽負荷時においては誘導電動機の1次磁束がその設定値
と一致するために影響力のある1次自己インダクタンス
の設定誤差が選択して補正され,逆に重負荷時において
は誘導電動機の1次磁束がその設定値と一致するために
影響力のある漏れ係数の設定誤差が選択して補正され,
安定,かつ,高精度な制御が達成できる効果がある。
【0193】また,この発明に係る誘導電動機の制御装
置(請求項8)は,誘導電動機の1次電流により,力行
負荷と回生負荷を判断し,回生負荷時には1次抵抗補正
ゲインの極性を反転させるように構成したため,回生負
荷時においても安定,かつ,高精度な制御が達成できる
効果がある。
【0194】また,この発明に係る誘導電動機の制御装
置(請求項9)は,誘導電動機の1次電流と1次周波数
指令値を用いて,予め設定された,もしくはそれらを用
いて計算された関数パターンにしたがって1次抵抗補正
手段,1次自己インダクタンス補正手段および漏れ係数
補正手段の補正ゲインを制御するようにしたので,低速
時においては誘導電動機の1次磁束がその設定値と一致
するために最も影響のある1次抵抗の設定誤差が優先し
て補正され,逆に高速時においては誘導電動機の1次磁
束がその設定値と一致するために影響力のある1次自己
インダクタンスおよび漏れ係数の設定誤差が優先して補
正され,さらに,軽負荷時においては誘導電動機の1次
磁束がその設定値と一致するために影響力のある1次自
己インダクタンスの設定誤差が優先して補正され,逆に
重負荷時においては誘導電動機の1次磁束がその設定値
と一致するために影響力のある漏れ係数の設定誤差が優
先して補正され,安定,かつ,高精度な制御が達成でき
る効果がある。
【0195】また,この発明に係る誘導電動機の制御方
法(請求項10)は,誘導電動機の内部で発生する1次
磁束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよ
うな誤差電流を用いて1次抵抗の設定値と1次自己イン
ダクタンスの設定値と漏れ係数の設定値を補正し,その
補正された1次抵抗と1次自己インダクタンスと漏れ係
数の値を用いて誘導電動機の1次磁束がその設定値と一
致するように制御され,さらに誘導電動機の1次電流と
1次周波数によりそれぞれの補正動作を制御するように
したので,設計値等による1次抵抗,1次自己インダク
タンスおよび漏れ係数等の設定値がその実際値に対して
誤差を生じていた場合においても,誘導電動機の1次磁
束がその設定値と一致するために最も影響のある設定誤
差が選択して補正され,安定,かつ,高精度な制御が達
成できる効果がある。
【0196】また,この発明に係る誘導電動機の制御装
置(請求項11)は,誘導電動機の内部で発生する1次
磁束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよ
うな誤差電流を用いて励磁電流の設定値を補正し,その
補正された励磁電流設定値を用いて誘導電動機の1次磁
束がその設定値と一致するように構成したので,設計値
等による1次自己インダクタンスの設定値がその実際値
に対して誤差を生じていた場合においても,無負荷電圧
を一定に保ったままで励磁電流設定値を補正することが
できるため,電圧が不足することなく,安定,かつ,構
成度な制御が達成できる効果がある。
【0197】また,この発明に係る誘導電動機の制御装
置(請求項12)は,誘導電動機の内部で発生する1次
磁束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよ
うな誤差電流を用いて励磁電流の設定値を補正し,その
補正された励磁電流設定値を用いて誘導電動機の1次磁
束がその設定値と一致するように構成したので,設計値
等による1次自己インダクタンスの設定値がその実際値
に対して誤差を生じていた場合においても,無負荷電圧
を一定に保ったままで励磁電流設定値を補正することが
できるため,電圧が不足することなく,安定,かつ,高
精度な制御が達成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に係る誘導電動機の制御装置の全体
構成を示すブロック図である。
【図2】 実施例1に係る無負荷電圧演算回路の構成を
示すブロック図である。
【図3】 実施例1に係る補正電圧演算回路の構成を示
すブロック図である。
【図4】 実施例1に係る1次電圧指令演算回路の構成
を示すブロック図である。
【図5】 実施例1に係る1次自己インダクタンス補正
回路の構成を示すブロック図である。
【図6】 実施例1に係る1次電流成分演算回路の構成
を示すブロック図である。
【図7】 実施例1に係る誤差電流演算回路の構成を示
すブロック図である。
【図8】
【図9】 実施例2に係る誘導電動機の制御装置の全体
構成を示すブロック図である。
【図10】 実施例2に係る無負荷電圧演算回路の構成
を示すブロック図である。
【図11】 実施例2に係る誤差電流演算回路の構成を
示すブロック図である。
【図12】 実施例2に係る漏れ係数補正回路の構成を
示すブロック図である。
【図13】
【図14】 実施例3に係る誘導電動機の制御装置の全
体構成を示すブロック図である。
【図15】 実施例3に係る補正電圧演算回路の構成を
示すブロック図である。
【図16】 実施例3に係る1次抵抗補正回路の構成を
示すブロック図である。
【図17】 実施例3に係る1次自己インダクタンス補
正回路の構成を示すブロック図である。
【図18】 実施例3に係る漏れ係数補正回路の構成を
示すブロック図である。
【図19】 実施例3に係る補正部制御回路の構成を示
すブロック図である。
【図20】 実施例3に係る別の発明の補正部制御回路
の構成を示すブロック図である。
【図21】 実施例3に係る別の発明の補正部制御回路
の構成を示すブロック図である。
【図22】 実施例3に係る別の発明の補正部制御回路
の構成を示すブロック図である。
【図23】 実施例3に係る別の発明の補正部制御回路
の構成を示すブロック図である。
【図24】 実施例3に係るアルゴリズムを示すフロー
チャートである。
【図25】
【図26】 実施例4に係る誘導電動機の制御装置の全
体構成を示すブロック図である。
【図27】 実施例4に係る無負荷電圧演算回路の構成
を示すブロック図である。
【図28】 実施例4に係る励磁電流指令補正回路の構
成を示すブロック図である。
【図29】
【図30】 従来における誘導電動機の制御装置の概略
構成を示すブロック図である。
【図31】 誘導電動機の1相あたりのT形等価回路で
ある。
【図32】 従来の誘導電動機の制御装置における関数
発生器のパターンを示すグラフである。
【図33】 同一発明者により以前に提案された誘導電
動機の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 誘導電動機,2 電流検出器,3 可変周波数電力
変換回路,4 励磁電流指令設定器,5a,5b,5c
無負荷電圧演算回路,7a,7b 補正電圧演算回
路,8 1次電圧指令演算回路,9 周波数指令発生
器,10 1次抵抗設定器,11 1次抵抗補正回路,
12 1次自己インダクタンス設定器,13a,b 1
次自己インダクタンス補正回路,14 1次電流成分演
算回路,15a,b 誤差電流演算回路,16 漏れ係
数設定器,17a,b 漏れ係数補正回路,18a 補
正部制御回路,19 励磁電流指令補正回路 20 減
算器
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】
【数7】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【数8】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【数9】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【数10】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】
【数11】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【数12】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】変更
【補正内容】
【0083】
【数13】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正内容】
【0086】
【数14】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】
【数15】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正内容】
【0089】
【数16】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正内容】
【0090】
【数17】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】
【数18】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0094
【補正方法】変更
【補正内容】
【0094】
【数19】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】
【数20】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】
【数21】
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】
【数22】
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正内容】
【0101】
【数23】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】
【数24】
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正内容】
【0105】
【数25】
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正内容】
【0106】
【数26】
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正内容】
【0109】
【数27】
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正内容】
【0111】
【数28】
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正内容】
【0117】
【数29】
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正内容】
【0119】
【数30】
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正内容】
【0129】
【数31】
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0130
【補正方法】変更
【補正内容】
【0130】
【数32】
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正内容】
【0131】
【数33】
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0146
【補正方法】変更
【補正内容】
【0146】
【数34】
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正内容】
【0148】
【数35】
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0172
【補正方法】変更
【補正内容】
【0172】
【数36】
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0174
【補正方法】変更
【補正内容】
【0174】
【数37】
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0175
【補正方法】変更
【補正内容】
【0175】
【数38】
【手続補正33】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0177
【補正方法】変更
【補正内容】
【0177】
【数39】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】 実施例1に係る誘導電動機の制御方法の処理
動作を示すフローチャートである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】 実施例2に係る誘導電動機の制御方法の処
理動作を示すフローチャートである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図25
【補正方法】変更
【補正内容】
【図25】 実施例3に係る誘導電動機の制御方法の処
理動作を示すフローチャートである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図29
【補正方法】変更
【補正内容】
【図29】 実施例4に係る誘導電動機の制御方法の処
理動作を示すフローチャートである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機の1次電流を検出するための
    電流検出手段と,前記電流検出手段により検出された1
    次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の異
    なる1次電流成分を演算する1次電流成分演算手段と,
    前記1次周波数指令値と励磁電流指令値と前記1次電流
    成分演算手段からの出力を入力して前記誘導電動機内部
    において発生する1次磁束の実際値がその設定値と一致
    したときに零となるような誤差電流を演算する誤差電流
    演算手段と,前記誤差電流演算手段からの出力を入力し
    て前記誘導電動機の回路定数である1次自己インダクタ
    ンス設定値の補正量を演算する1次自己インダクタンス
    補正手段と,前記1次周波数指令値と前記1次電流成分
    演算手段からの出力と前記誤差電流演算手段からの出力
    を入力して前記誤差電流の値を零に近づけるような補正
    電圧を演算する補正電圧演算手段と,前記1次周波数指
    令値と前記励磁電流指令値と前記1次自己インダクタン
    ス補正手段からの出力を入力して前記誘導電動機の無負
    荷電圧指令値を出力する無負荷電圧演算手段と,前記1
    次周波数指令値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電圧
    を入力し,前記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して
    可変周波数電力変換手段へ出力する1次電圧指令演算手
    段とを具備することを特徴とする誘導電動機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 誘導電動機の1次電流を検出し,前記検
    出された1次電流と1次周波数指令値とから互いに90
    度位相の異なる1次電流成分を演算し,前記1次周波数
    指令値と励磁電流指令値と前記1次電流成分を入力して
    前記誘導電動機内部において発生する1次磁束の実際値
    がその設定値と一致したときに零となるような誤差電流
    を演算し,前記誤差電流を入力して前記誘導電動機の回
    路定数である1次自己インダクタンス設定値の補正量を
    演算し,前記1次周波数指令値と前記1次電流成分と前
    記誤差電流を入力して前記誤差電流の値を零に近づける
    ような補正電圧を演算し,前記1次周波数指令値と前記
    励磁電流指令値と前記1次自己インダクタンス設定値の
    補正量を入力して前記誘導電動機の無負荷電圧指令値を
    出力し,前記1次周波数指令値と前記無負荷電圧指令値
    と前記補正電圧を入力し,前記誘導電動機の1次電圧指
    令値を演算して可変周波数電力変換手段へ出力すること
    を特徴とする誘導電動機の制御方法。
  3. 【請求項3】 誘導電動機の1次電流を検出するための
    電流検出手段と,前記電流検出手段により検出された1
    次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の異
    なる1次電流成分を演算する1次電流成分演算手段と,
    前記1次周波数指令値と励磁電流指令値を入力して前記
    誘導電動機の無負荷電圧指令値を出力する無負荷電圧演
    算手段と,前記1次周波数指令値と前記励磁電流指令値
    と前記1次電流成分演算手段からの出力と漏れ係数設定
    値の補正量を入力して,前記誘導電動機内部で発生する
    1次磁束の実際値がその設定値と一致したときに零とな
    るような誤差電流を演算する誤差電流演算手段と,前記
    誤差電流演算手段からの出力を入力して漏れ係数設定値
    の補正量を演算する漏れ係数補正手段と,前記1次周波
    数指令値と前記1次電流成分演算手段からの出力と前記
    誤差電流演算手段からの出力を入力して前記誤差電流の
    値を零に近づけるような補正電圧を演算する補正電圧演
    算手段と,前記1次周波数指令値と前記無負荷電圧指令
    値と前記補正電圧を入力し,前記誘導電動機の1次電圧
    指令値を演算して可変周波数電力変化手段へ出力する1
    次電圧指令演算手段とを具備することを特徴とする誘導
    電動機の制御装置。
  4. 【請求項4】 誘導電動機の1次電流を検出し,前記検
    出された1次電流と1次周波数指令値とから互いに90
    度位相の異なる1次電流成分を演算し,前記1次周波数
    指令値と励磁電流指令値を入力して前記誘導電動機の無
    負荷電圧指令値を出力し,前記1次周波数指令値と前記
    励磁電流指令値と前記1次電流成分と漏れ係数設定値の
    補正量を入力して,前記誘導電動機内部で発生する1次
    磁束の実際値がその設定値と一致したときに零となるよ
    うな誤差電流を演算し,前記誤差電流を入力して漏れ係
    数設定値の補正量を演算し,前記1次周波数指令値と前
    記1次電流成分と前記誤差電流を入力して前記誤差電流
    の値を零に近づけるような補正電圧を演算し,前記1次
    周波数指令値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電圧を
    入力し,前記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して可
    変周波数電力変化手段へ出力することを特徴とする誘導
    電動機の制御方法。
  5. 【請求項5】 誘導電動機の1次電流を検出するための
    電流検出手段と,前記電流検出手段により検出された1
    次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の異
    なる1次電流成分を演算する1次電流成分演算手段と,
    前記1次電流成分演算手段からの出力と1次周波数指令
    値と励磁電流指令値と漏れ係数設定値の補正量を入力し
    て,前記誘導電動機内部で発生する1次磁束の実際値が
    その設定値と一致したときに零となるような誤差電流を
    演算する誤差電流演算手段と,前記誤差電流演算手段か
    らの出力を入力して前記誘導電動機の回路定数である1
    次抵抗設定値の補正量を演算する1次抵抗補正手段と,
    前記誤差電流演算手段からの出力を入力して前記誘導電
    動機の回路定数である1次自己インダクタンス設定値の
    補正量を演算する1次自己インダクタンス補正手段と,
    前記誤差電流演算手段からの出力を入力して前記誘導電
    動機の回路定数である漏れ係数設定値の補正量を演算す
    る漏れ係数補正手段と,前記1次周波数指令値と前記誤
    差電流演算手段からの出力と前記1次電流成分演算手段
    からの出力と前記1次抵抗補正手段からの出力を入力し
    て前記誤差電流の値を零に近づけるような補正電圧を演
    算する補正電圧演算手段と,前記1次周波数指令値と前
    記励磁電流指令値と前記1次自己インダクタンス補正手
    段からの出力を入力して前記誘導電動機の無負荷電圧指
    令値を出力する無負荷電圧演算手段と,前記1次抵抗補
    正手段,前記1次自己インダクタンス補正手段および前
    記漏れ係数補正手段を制御する補正部制御手段と,前記
    1次周波数指令値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電
    圧を入力し,前記誘導電動機の1次電圧指令値を演算し
    て可変周波数電力変換手段へ出力する1次電圧指令演算
    手段とを具備することを特徴とする誘導電動機の制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記補正部制御手段は,前記1次周波数
    指令値を入力とし,前記1次周波数指令値が小さいとき
    には前記1次自己インダクタンス補正手段および前記漏
    れ係数補正手段の動作を停止させ,前記1次周波数指令
    値が大きいときには前記1次抵抗補正手段の動作を停止
    させることを特徴とする請求項5記載の誘導電動機の制
    御装置。
  7. 【請求項7】 前記補正部制御手段は,前記1次電流成
    分演算手段からの出力により,軽負荷時と重負荷時を判
    断し,軽負荷時には前記漏れ係数補正手段の動作を停止
    させ,重負荷時には前記1次自己インダクタンス補正手
    段の動作を停止させることを特徴とする請求項5記載の
    誘導電動機の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記補正部制御手段は,前記1次電流成
    分演算手段からの出力により,前記1次抵抗補正手段の
    補正ゲインの極性を反転することを特徴とする請求項5
    記載の誘導電動機の制御装置。
  9. 【請求項9】 前記補正部制御手段は,前記1次周波数
    指令手段と前記1次電流成分演算手段からの出力によ
    り,予め設定されたゲイン関数にしたがって,前記1次
    抵抗補正手段,前記1次自己インダクタンス補正手段,
    前記漏れ係数補正手段の補正ゲインを制御することを特
    徴とする請求項5記載の誘導電動機の制御装置。
  10. 【請求項10】 誘導電動機の1次電流を検出し,前記
    検出された1次電流と1次周波数指令値とから互いに9
    0度位相の異なる1次電流成分を演算し,前記1次電流
    成分と1次周波数指令値と励磁電流指令値と漏れ係数設
    定値の補正量を入力して,前記誘導電動機内部で発生す
    る1次磁束の実際値がその設定値と一致したときに零と
    なるような誤差電流を演算し,前記誤差電流を入力して
    前記誘導電動機の回路定数である1次抵抗設定値の補正
    量を演算し,前記誤差電流を入力して前記誘導電動機の
    回路定数である1次自己インダクタンス設定値の補正量
    を演算し,前記誤差電流を入力して前記誘導電動機の回
    路定数である漏れ係数設定値の補正量を演算し,前記1
    次周波数指令値と前記誤差電流と前記1次電流成分と前
    記1次抵抗補正値の補正量を入力して前記誤差電流の値
    を零に近づけるような補正電圧を演算し,前記1次周波
    数指令値と前記励磁電流指令値と前記1次自己インダク
    タンス設定値の補正量を入力して前記誘導電動機の無負
    荷電圧指令値を出力し,前記1次抵抗設定値の補正量,
    前記1次自己インダクタンス設定値の補正量および前記
    漏れ係数設定値の補正量を制御し,前記1次周波数指令
    値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電圧を入力し,前
    記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して可変周波数電
    力変換手段へ出力することを特徴とする誘導電動機の制
    御方法。
  11. 【請求項11】 誘導電動機の1次電流を検出するため
    の電流検出手段と,前記電流検出手段により検出された
    1次電流と1次周波数指令値とから互いに90度位相の
    異なる1次電流成分を演算する1次電流成分演算手段
    と,前記1次周波数指令値と前記1次電流成分演算手段
    からの出力と補正された励磁電流指令値を入力して前記
    誘導電動機内部で発生する1次磁束の実際値がその設定
    値と一致したときに零となるような誤差電流を演算する
    誤差電流演算手段と,前記誤差電流演算手段からの出力
    を入力して励磁電流指令値の補正量を演算する励磁電流
    指令補正手段と,前記1次周波数指令値と前記誤差電流
    演算手段からの出力を入力して前記誤差電流の値を零に
    近づけるような補正電圧を演算する補正電圧演算手段
    と,前記1次周波数指令値を入力して前記誘導電動機の
    無負荷電圧指令値を出力する無負荷電圧演算手段と,前
    記1次周波数指令値と前記無負荷電圧指令値と前記補正
    電圧を入力し,前記誘導電動機の1次電圧指令値を演算
    して可変周波数電力変換手段へ出力する1次電圧指令演
    算手段とを具備することを特徴とする誘導電動機の制御
    装置。
  12. 【請求項12】 誘導電動機の1次電流を検出し,前記
    検出された1次電流と1次周波数指令値とから互いに9
    0度位相の異なる1次電流成分を演算し,前記1次周波
    数指令値と前記1次電流成分と補正された励磁電流指令
    値を入力して前記誘導電動機内部で発生する1次磁束の
    実際値がその設定値と一致したときに零となるような誤
    差電流を演算し,前記誤差電流を入力して励磁電流指令
    値の補正量を演算し,前記1次周波数指令値と前記誤差
    電流を入力して前記誤差電流の値を零に近づけるような
    補正電圧を演算し,前記1次周波数指令値を入力して前
    記誘導電動機の無負荷電圧指令値を出力し,前記1次周
    波数指令値と前記無負荷電圧指令値と前記補正電圧を入
    力し,前記誘導電動機の1次電圧指令値を演算して可変
    周波数電力変換手段へ出力することを特徴とする誘導電
    動機の制御方法。
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