JPH0867079A - 感熱孔版印刷用原紙およびその製造方法 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙およびその製造方法

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JPH0867079A
JPH0867079A JP6205165A JP20516594A JPH0867079A JP H0867079 A JPH0867079 A JP H0867079A JP 6205165 A JP6205165 A JP 6205165A JP 20516594 A JP20516594 A JP 20516594A JP H0867079 A JPH0867079 A JP H0867079A
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JP
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film
porous support
base paper
polypropylene
heat
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JP6205165A
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Inventor
Kenji Kida
健次 喜田
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Masayoshi Asakura
正芳 朝倉
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリプロピレンフィルムとポリプロピレン繊維
からなる多孔性支持体とが直接固着してなり、かつ該フ
ィルムと多孔性支持体間の剥離強度が1g/cm以上で
あることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙とする。 【効果】接着剤を使用しないため、接着剤によって印刷
インキの透過性が阻害されるということがないので、こ
の原紙を用いた孔版印刷で得られる印刷物は非常に高画
像性であり、接着剤使用による、耐インキ性の低下、サ
ーマルヘッドへの融着、有毒な塩素の放出等も防止で
き、さらに製膜安定性にも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱孔版印刷用原紙に
関する。さらに詳しくは、閃光照射、赤外線照射、レー
ザー光線等のパルス的照射や、サーマルヘッドの接触に
より穿孔製版される感熱孔版印刷用原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱孔版印刷用原紙(以下単に原
紙という)としては、アクリロニトリル系フィルム、ポ
リエステル系フィルム、塩化ビニリデン系フィルム等の
熱可塑性樹脂フィルムと、天然繊維、合成繊維を主成分
とする薄葉紙、不織布、織物等からなる多孔性支持体と
を接着剤で貼り合わせた構造のものが知られている。例
えば、特開昭51−2512号公報には、アクリロニト
リル系フィルムとインキ透過性支持体を貼り合わせた構
造のもの、特開昭51−2513号公報には、ポリエチ
レンテレフタレートからなる延伸フィルムとインキ透過
性支持体を貼り合わせた構造のもの、特開昭57−18
2495号公報にはポリエステル系フィルムと多孔性薄
葉紙あるいはメッシュ状シートを貼り合わせたものが開
示されている。さらに、特開平2−107488号公報
には、熱可塑性フィルムと合成繊維を主体とする不織布
とを貼り合わせたものが開示されている。
【0003】しかし、これらの原紙は印刷画像の鮮明性
の点で必ずしも満足のいくものではなかった。その理由
としては種々考えられるが、その大きな要因の一つにい
わゆる白抜け(印刷物の黒ベタ部に白い欠点が発生する
こと)がある。これは原紙を構成するフィルムが熱エネ
ルギーの印加によって溶融穿孔されても、その開孔部分
にフィルムと支持体とを接着する接着剤がある場合、そ
の接着剤によって印刷インキの透過性が阻害され、印刷
用紙に画線を構成する点を形成できない等の原因により
起きる現象である。
【0004】よって、得られる印刷画像の印刷品位、鮮
明性等を高めるためには、使用する接着剤の量をできる
だけ少なくすることが要求されている。
【0005】このような要求に対しては、今までにも種
々の提案がなされてきた。例えば、特開昭58−147
396号公報には、多孔性薄葉紙と合成樹脂フィルムと
の間に網状接着剤層を形成する如くなしたもの、特開平
4−232790号公報には、接着面積を特定の範囲と
するものが記載されている。しかしながら、いずれの方
法によっても実用上充分満足する結果は得られていない
のが現状である。
【0006】更に現在使用されている接着剤自体につい
ても、例えばアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂の接着
剤を使用する場合には、これらの接着剤は印刷インクに
よって、軟化、膨潤、溶解しやすいため耐インク性に劣
り、また、硬化性の接着剤を使用する場合には、未硬化
物が残存しやすいために製版時にサーマルヘッドに融着
を生じやすく、また、塩素化樹脂系の接着剤を使用する
場合には、製版時にサーマルヘッドに有毒な塩素を放出
する等、それぞれの問題点がある。
【0007】したがって、現在、感熱孔版印刷用原紙と
して接着剤を全く用いないものが望まれている。
【0008】このような問題点を解決するため、特開平
4−212891号公報においては熱可塑性樹脂フィル
ムの片面に合成繊維が散布され熱圧着されてなる繊維層
が形成されていることを特徴とする感熱性孔版原紙によ
り解決を図っている。しかし、この方法では、樹脂フィ
ルムと繊維層との接着性あるいは繊維同志の接着性が不
十分で、フィルム搬送時に剥離し、シワや破れ等が生じ
たり、あるいはバインダー繊維を用いた場合に、加熱ロ
ールに粘着してしまい安定して製膜できないなどの問題
点があった。
【0009】一方、特開昭48−23865号公報、特
開昭49−34985号公報には、ポリエステルフィル
ムと不織布とを熱接着、共延伸することの記載はあるも
のの、剥離強度の特定範囲が感熱孔版印刷用原紙として
優れることは全く知られていなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の各種の問題点を解決し、接着剤を用いず、印刷
性、製膜安定性に優れた感熱孔版印刷用原紙およびその
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、ポリプロピレンフィルムとポリプロピ
レン繊維からなる多孔性支持体とが直接固着してなり、
かつ該フィルムと多孔性支持体間の剥離強度が1g/c
m以上である感熱孔版印刷用原紙に関する。
【0012】さらにまた本発明は、ポリプロピレンフィ
ルムとポリプロピレン繊維からなる多孔性支持体とを熱
接着した後、共延伸することを特徴とする感熱孔版印刷
用原紙の製造方法に関する。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明におけるポリプロピレンフィルムお
よびポリプロピレン繊維に用いられるポリプロピレンと
は、いずれも結晶性ポリプロピレンであり、プロピレン
の単独重合体、あるいはエチレン、ブテン−1などのα
−オレフィンを30重量%以下共重合した共重合体も含
まれる。特に、ポリプロピレンに、エチレン−α−オレ
フィン共重合体を、好ましくは0.5〜10重量%、よ
り好ましくは1.0〜7.0重量%の範囲で配合するこ
とが良く、また、エチレン−α−オレフィン共重合体に
おけるエチレンの共重合は70〜90重量%の範囲が好
ましい。α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、
ブテン−1、ヘキセンなどのモノマーが挙げられる。
【0015】該ポリプロピレンの極限粘度[η]は、
1.1〜2.9が好ましく、さらに好ましくは1.1〜
2.3である。また、メルトフローインデックス(MF
I)は、1〜100g/10分が好ましく、さらに好ま
しくは1〜80g/10分である。
【0016】本発明におけるポリプロピレンには必要に
応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワック
ス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤さら
に少量であれば他のポリマ等を配合することができる。
【0017】さらには用途に応じて易滑性を付与するこ
ともできる。易滑性付与方法としては特に制限はない
が、例えば、クレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、カオリン、タルク、湿式あるいは乾式シリカなど
の無機粒子、アクリル酸類、スチレン等を構成成分とす
る有機粒子等を配合する方法、界面活性剤を塗布する方
法等がある。
【0018】本発明のポリプロピレンフィルムは、少な
くとも一軸に延伸されていることが好ましく、二軸に延
伸されていることがより好ましい。
【0019】本発明のフィルムと固着される多孔性支持
体としては、不織布、織物等を挙げることができ、好ま
しくは不織布を挙げることができる。この多孔性支持体
に用いられるポリプロピレン繊維は1種であっても、2
種以上であってもよい。また、ポリプロピレンフィルム
との充分な接着性が維持し得る範囲であれば、ポリエス
テル等の他の合成繊維、再生繊維、半合成繊維、天然繊
維、無機繊維を一部組み合わせて用いてもよい。
【0020】本発明におけるポリプロピレンフィルムと
ポリプロピレン繊維からなる多孔性支持体とが直接固着
してなるとは、両者を接着剤を用いず直接接着させるこ
とをいう。固着するには、通常、ポリプロピレンフィル
ムと多孔性支持体とを加熱しつつ両者を直接接着させ
る、熱接着により行われる。熱接着の方法は、一旦ポリ
プロピレンフィルムを製膜した後に、該フィルムと多孔
性支持体とを熱接着する方法であっても、ポリプロピレ
ンの製膜工程中の任意の段階において熱接着する方法で
あっても、いずれの方法であってもよいが、好ましくは
後者の方法であり、特に好ましい方法はポリプロピレン
フィルムを延伸する場合において、この延伸工程の前の
段階で該フィルムと多孔性支持体とを熱接着し、その後
の延伸工程において、さらにこの熱接着されたポリプロ
ピレンフィルムとポリプロピレン繊維からなる多孔性支
持体とを共延伸する方法である。上記共延伸を行う場合
において、共延伸に供するフィルムは未配向もしくは低
配向であることが好ましく、多孔性支持体として不織布
を用いる場合、延伸性を良好に保つため共延伸に供する
不織布も未配向もしく低配向のものであることが好まし
い。
【0021】この場合、未配向もしくは低配向の不織布
として、メルトブロー紡糸法、スパンボンド紡糸法によ
るものが特に好ましく用いられる。メルトブロー紡糸法
では、溶融したポリマーを口金から吐出するに際して、
口金周辺部から熱風を吹き付け、該熱風によって吐出し
たポリマーを細繊度化せしめ、次いで、しかるべき位置
に配置したネットコンベア上に吹き付けて捕集し、ウエ
ブを形成して製造される。
【0022】同様にスパンボンド法では、口金から吐出
したポリマーをエアエジェクターによって牽引し、得ら
れたフィラメントを衝突板に衝突させて開繊し、コンベ
ア上に捕集してウエブを形成して製造される。
【0023】熱接着のための手段は特に限定されるもの
ではないが、該フィルムと多孔性支持体との密着性を高
めるためには、好ましくは加熱ロールによる熱圧着が用
いられる。また、熱接着温度は80〜150℃の範囲で
あるのが好ましい。
【0024】また、延伸方法としては、一軸または二軸
に延伸する方法があり、二軸に延伸する方法としては逐
次二軸延伸法または同時二軸延伸法がある。逐次二軸延
伸法の場合、長手方向、幅方向の順に延伸するのが一般
的であるが、この順を逆にして延伸してもよい。逐次二
軸延伸法の場合、ポリプロピレンフィルムとポリプロピ
レン繊維からなる多孔性支持体との熱接着は前述の通
り、第1段の延伸前、第1段の延伸後で第2段の延伸前
のいずれの段階において行っても良い。逐次延伸方法と
しては、まず、未延伸フィルムを90〜140℃の温度
に加熱し、長手方向に4〜7倍延伸した後、冷却し、次
いで、テンター式延伸機に導き、100〜170℃の温
度に加熱し、幅方向に5〜12倍に延伸した後、100
〜160℃の温度で弛緩熱処理し、冷却する。延伸倍率
は特に限定されるものではなく、用いるポリプロピレン
フィルム用ポリマの種類や原紙に要求される感度等によ
って適宜決定されるが、通常は縦、横それぞれ4〜12
倍程度が適当である。また、二軸延伸後、縦あるいは横
のいずれかの方向に再延伸してもかまわない。
【0025】熱処理して得られた原紙を一旦室温程度ま
で冷却した後、さらにもう一度40〜90℃の比較的低
温で10分から1週間エージングすることもできる。こ
のようなエージングを採用すると、保管時あるいは印刷
機の中でのカール、シワの発生が少なく特に好ましい。
【0026】本発明においては該フィルムと多孔性支持
体間の剥離強度が1g/cm以上であることが必要であ
り、好ましくは3g/cm以上、さらに好ましくは10
g/cm以上、より好ましくは30g/cm以上であ
る。剥離強度が1g/cmより小さいとフィルム搬送時
に剥離し、シワや破れ等が生じたりして安定して製膜す
ることができない。
【0027】得られる本発明原紙中のポリプロピレンフ
ィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、用いる
ポリプロピレンフィルム用ポリマの種類や原紙に要求さ
れる感度等によって適宜決定されるが、通常、好ましく
は0.1〜15μmであり、さらに好ましくは0.3〜
10μm、より好ましくは0.5〜7μmである。15
μmを超えると穿孔性が悪化する場合があり、0.1μ
mよりも薄いと製膜安定性が悪化する場合があるからで
ある。
【0028】また、得られる本発明原紙中の多孔性支持
体の繊維秤量は、特に限定されるものではなく、用いる
ポリプロピレン繊維用ポリマの種類、繊度、原紙に要求
される強度等によって適宜決定されるが、通常、好まし
くは1〜30g/m2 であり、さらに好ましくは2〜2
5g/m2 、より好ましくは3〜20g/m2 である。
30g/m2 を超えると画像鮮明性が悪化する場合があ
り、また1g/m2 よりも小さいと支持体として充分な
強度を得られない場合や耐刷性が低下する場合があるか
らである。繊度の好ましい範囲としては、0.01〜5
デニール、さらに好ましくは0.05〜3デニール、よ
り好ましくは0.1〜2デニールである。
【0029】さらに、該多孔性支持体がスクリーン紗の
場合、網目の大きさも特に限定されるものではないが、
通常、好ましくは30〜300メッシュであり、さらに
好ましくは80〜250メッシュである。
【0030】さらに、サーマルヘッドや他の方法で該ポ
リプロピレンフィルムを加熱して穿孔を形成する際、条
件によってはサーマルヘッド等がポリプロピレンフィル
ムに融着して原紙の安定した走行性を阻害する恐れが生
じる場合があるが、この欠点を解決するために、該ポリ
プロピレンフィルム上にシリコーンオイル、シリコーン
系樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤等からなる従来公知
の熱融着防止層を設けることもできる。
【0031】さらにまた、優れた帯電防止性を原紙に与
えるために、熱融着防止層の中に従来公知の帯電防止剤
を添加することもできる。
【0032】
【特性の測定方法及び評価方法】次に、本発明における
特性の測定方法及び評価方法について説明する。
【0033】(1)繊維径 ポリプロピレン繊維の任意の20箇所を電子顕微鏡で倍
率1000倍で写真撮影を行い、1枚の写真につき任意
の10本の繊維の直径を測定し、これを20枚の写真に
ついて行い、合計200本の繊維径を測定し、その平均
値を求めた。
【0034】(2)アイソタクティック指数 ポリマを130℃で2時間真空乾燥する。これから重量
W(mg)をとり、ソックスレー抽出器に入れ沸騰n−
ヘプタンで12時間抽出する。次にこの試料を取り出し
アセトンで十分に洗浄した後、130℃で6時間真空乾
燥し、その後残存重量W’(mg)を測定し、次式で求
める。
【0035】II(%)=(W’/W)×100
【0036】(3)製膜安定性 製膜時における、フィルムの加熱ロールへの粘着、し
わ、破れ等を目視観察により評価した。
【0037】(4)剥離強度 フィルム面にセロハンテープを貼り裏打ちした後、フィ
ルムと多孔性支持体間との剥離強度をJIS−K−68
54に準拠したT形剥離試験法を用いて測定した。
【0038】(5)原紙の印刷性 直径20mmの円形黒ベタを原稿とし、原紙を“RIS
OGRAPH”RA205(理想科学工業(株)製)に
装着して製版、印刷し、光学濃度計“Macbeth”
TR927にて、黒ベタ部分の光学濃度を測定した。こ
の数値の大きいものほど印刷性が良好である。
【0039】
【実施例】
実施例1 (多孔性支持体の製造)0.35mm、孔数100個の
矩形紡糸口金を用いて、口金温度260℃、吐出量30
g/分で、極限粘度1.5dl/gのポリプロピレン
(II=96%、MFI=20g/10分)をメルトブ
ロー法にて紡出し、コンベア上に繊維を捕集して巻取
り、繊維坪量400g/m2 の未延伸不織布を作成し
た。該不織布の平均繊維径は0.5デニールであった。
【0040】(原紙の製造)極限粘度1.9dl/gの
ポリプロピレン(II=97%、MFI=2g/10
分)樹脂を押出機に供給し、表面温度70℃のドラムに
巻き付けてシート状(厚さ80μm)に冷却固化した。
このとき、タングステン線を電極とした静電印加装置を
併用、該タングステン線に7kVの電圧を印加した。こ
うして得られた未延伸シート上に、前記の未延伸不織布
を重ね、加熱ロールに供給してロール温度110℃で熱
圧着した。こうして得られた積層シートを120℃の温
度に予熱した後、130℃の温度で周速の異なるロール
間で長手方向に5倍延伸し、ただちに室温に冷却した。
次に該延伸シートをテンターに導き、160℃の温度に
予熱し、引き続いて160℃の温度で幅方向に10倍延
伸し、原紙とした。
【0041】該原紙はフィルム部分の厚みが1.6μ
m、不織布部分の繊維坪量が8g/m2 、平均繊維径
0.2デニールであった。
【0042】(各評価結果)表1にまとめたように、製
膜時の加熱ロールへの粘着、しわ、破れ等は観察され
ず、製膜性は良好であり、また、得られた原紙の剥離強
度は20g/cmであった。さらに、最終的に得られた
原紙を用いて、上記の方法で印刷性の評価を行ったとこ
ろ、この原紙を用いて印刷した印刷物は、細線のムラも
なくきれいに印刷され、かつ黒ベタ部の白抜けもなく、
印刷性の評価は良好であった。
【0043】比較例1 未延伸不織布を用いないこと以外は実施例1の(原紙の
製造)と同様な方法で厚さ1.6μmの単独のポリプロ
ピレンフィルムを製膜した。製膜の際、破れが多発し収
率は極めて低かった。また、得られたフィルムも多数の
しわを含んでいた。
【0044】得られたフィルムと、マニラ麻を主成分と
した坪量10g/m2 の薄葉紙とを酢酸ビニル樹脂を用
いて貼り合わせ、原紙を得た。
【0045】得られた原紙は、黒ベタ部の光学濃度が低
く、印刷性は不十分であった。
【0046】比較例2 実施例1の(多孔性支持体の製造)で得られた未延伸不
織布だけを、実施例1の製膜ラインの加熱ロールに供給
してロール温度110℃で熱圧着した。得られた不織布
シートを120℃の温度に予熱した後、130℃の温度
で周速の異なるロール間で長手方向に5倍延伸し、ただ
ちに室温に冷却した。次いでテンターに導いて、160
℃の温度に予熱し、引き続いて160℃の温度で幅方向
に10倍延伸し、ポリプロピレン延伸不織布を得た。該
不織布の繊維坪量は8g/m2 、平均繊維径0.2デニ
ールであった。
【0047】一方、未延伸不織布を用いないこと以外は
実施例1の(原紙の製造)と同様な方法で厚さ1.6μ
mの単独のポリプロピレンフィルムを製膜した。製膜の
際、破れが多発し収率は極めて低かった。また、得られ
たフィルムも多数のしわを含んでいた。
【0048】上記で得られたポリプロピレン延伸不織布
と、ポリプロピレンフィルムとを、酢酸ビニル樹脂を用
いて貼り合わせ、原紙を得た。
【0049】得られた原紙は、黒ベタ部に白抜けがあ
り、印刷性は悪かった。
【0050】比較例3 比較例2でポリプロピレン延伸不織布と、ポリプロピレ
ンフィルムとを、酢酸ビニル樹脂を用いず、直接加圧ロ
ールを用いて貼り合わせた。得られた原紙の剥離強度は
1gより低く、フィルム搬送時にしわや破れが観察され
た。
【0051】実施例2〜実施例4 不織布の繊維径および繊維坪量を表1のように変更した
以外は実施例1と同様にして原紙を得た。
【0052】得られた原紙は、表1に合わせて示したよ
うに製膜安定性、印刷性とも良好であった。
【0053】実施例5 (多孔性支持体の製造)孔径0.25mm、孔数100
0個の矩形紡糸口金を用いて、ポリプロピレン(極限粘
度2.0dl/gのポリプロピレン(II=97%、M
FI=5g/10分)をスパンボンド法で紡出し、紡糸
口金の直下に置かれたエアエジェクタにてエア流量を調
節して、紡糸速度1500m/分でコンベア上に分散捕
集して繊維坪量300g/m2 、繊維径2デニールの低
配向不織布を作成した。
【0054】(原紙の製造)メルトブロー法で作成した
未延伸不織布のかわりに、上記のスパンボンド法低配向
不織布を用いたこと以外は実施例1の(原紙の製造)と
同様にして、原紙を得た。
【0055】該原紙はフィルム部分の厚みが1.6μ
m、不織布部分の繊維坪量が6g/m2 、平均繊維径
0.8デニールであった。
【0056】(各評価結果)表1にまとめたように、製
膜性は良好であり、また、得られた原紙の剥離強度は1
0g/cmであった。さらに、最終的に得られた原紙を
用いて、上記の方法で印刷性の評価を行ったところ、黒
ベタ部の白抜けもなく、印刷性の評価は良好であった。
【0057】比較例4 実施例5の(多孔性支持体の製造)で得られた低配向不
織布だけを、実施例1の製膜ラインの加熱ロールに供給
してロール温度110℃で熱圧着した。得られた不織布
シートを120℃の温度に予熱した後、130℃の温度
で周速の異なるロール間で長手方向に5倍延伸し、ただ
ちに室温に冷却した。次いでテンターに導いて、170
℃の温度に予熱し、引き続いて160℃の温度で幅方向
に10倍延伸し、ポリプロピレン延伸不織布を得た。該
不織布の繊維坪量は6g/m2 、平均繊維径0.8デニ
ールであった。
【0058】一方、未延伸不織布を用いないこと以外は
実施例1の(原紙の製造)と同様な方法で厚さ1.6μ
mの単独のポリプロピレンフィルムを製膜した。製膜の
際、破れが多発し収率は極めて低かった。また、得られ
たフィルムも多数のしわを含んでいた。
【0059】上記で得られたポリプロピレン延伸不織布
と、ポリプロピレンフィルムとを、酢酸ビニル樹脂を用
いて貼り合わせ、原紙を得た。
【0060】得られた原紙は、黒ベタ部に白抜けがあ
り、印刷性は悪かった。
【0061】実施例6、実施例7 不織布の繊維径および繊維坪量を表1のように変更した
以外は実施例5と同様にして原紙を得た。
【0062】得られた原紙は、表1に合わせて示したよ
うに製膜安定性、印刷性とも良好であった。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷原紙は、接着剤を
使用しないため、接着剤によって印刷インキの透過性が
阻害されるということがないので、この原紙を用いた孔
版印刷で得られる印刷物は非常に高画像性であり、接着
剤使用による、耐インキ性の低下、サーマルヘッドへの
融着、有毒な塩素の放出等も防止でき、さらに製膜安定
性にも優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレンフィルムとポリプロピレ
    ン繊維からなる多孔性支持体とが直接固着してなり、か
    つ該フィルムと多孔性支持体間の剥離強度が1g/cm
    以上であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
  2. 【請求項2】 多孔性支持体が不織布であることを特徴
    とする請求項1に記載の感熱孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】 不織布の繊維径が0.01〜5デニール
    であることを特徴とする請求項2に記載の感熱孔版印刷
    用原紙。
  4. 【請求項4】 多孔性支持体の繊維坪量が1〜30g/
    2 であることを特徴とする請求項1に記載の感熱孔版
    印刷用原紙。
  5. 【請求項5】 ポリプロピレンフィルムとポリプロプレ
    ン繊維からなる多孔性支持体とを熱接着した後、共延伸
    することを特徴とする請求項1に記載の感熱孔版印刷用
    原紙の製造方法。
JP6205165A 1994-08-30 1994-08-30 感熱孔版印刷用原紙およびその製造方法 Pending JPH0867079A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008302605A (ja) * 2007-06-08 2008-12-18 Toray Ind Inc 感熱孔版用ポリプロピレンフイルム及びこれからなる感熱孔版原紙

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