JPH08332786A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙

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JPH08332786A
JPH08332786A JP16463295A JP16463295A JPH08332786A JP H08332786 A JPH08332786 A JP H08332786A JP 16463295 A JP16463295 A JP 16463295A JP 16463295 A JP16463295 A JP 16463295A JP H08332786 A JPH08332786 A JP H08332786A
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JP
Japan
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film
base paper
heat
thermoplastic resin
porous support
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Application number
JP16463295A
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English (en)
Inventor
Yukio Kawazu
幸雄 河津
Kenji Kida
健次 喜田
Hideyuki Yamauchi
英幸 山内
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性樹脂フィルムとインキ透過性の多孔
性支持体とを貼り合わせてなり、サーマルヘッドによっ
て穿孔製版される感熱孔版印刷用原紙において、該サー
マルヘッドの印加エネルギーが10〜50μJ/ドット
の範囲で、穿孔される熱可塑性樹脂フィルム面の開孔面
積率が10〜60%の範囲にあることを特徴とする感熱
孔版印刷用原紙。 【効果】 本発明の原紙は、高感度でかつ高解像度を有
するので、得られる印刷物は高精細で高画像性を有す
る。また、本発明の原紙は低エネルギーで製版できるの
で、製版時間の短縮が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱孔版印刷用原紙に
関する。さらに詳しくはハロゲンランプ、キセノンラン
プ、フラッシュバルブなどによる閃光照射や赤外線照
射、あるいはレーザー光線等のパルス的照射、さらには
サーマルヘッド等によって穿孔製版される感熱孔版印刷
用原紙に関するものであり、特にサーマルヘッド等によ
る穿孔製版性に優れた、高感度の感熱孔版印刷用原紙に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より複写機に代わる簡便な印刷方式
として、感熱孔版印刷がある。感熱孔版印刷は、インキ
透過性の多孔性支持体に感熱穿孔性の熱可塑性樹脂フィ
ルムを貼り合わせたものを原紙として用い、センサーで
読み取った原稿の画像をデジタル信号としてサーマルヘ
ッドに送り、サーマルヘッドの熱素子の発熱によって熱
可塑性樹脂フィルムを加熱溶融せしめて穿孔製版し、該
穿孔部に多孔性支持体側から印刷インキを浸出せしめて
印刷用紙に印刷するものである。
【0003】従来より感熱孔版印刷用原紙としては、ア
クリロニトリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、
塩化ビニリデン系フィルム等の熱可塑性樹脂フィルム
に、天然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれら
を混抄した薄葉紙、不織布、紗等によって構成された多
孔性支持体を接着剤で貼り合わせた構造のものが知られ
ている(例えば、特開昭51−2512号公報、特開昭
51−2513号公報、特開昭57−182495号公
報)。
【0004】近年、感熱孔版印刷ではオフセット印刷な
みの高精細で高画質な印刷性が要求されており、また、
製版時間の短縮が要求されている。このため、サーマル
ヘッドの熱素子を高密度化して解像度を高めたり、印加
エネルギーを低エネルギー化して製版速度の短縮を図っ
た全自動感熱孔版印刷機が開発されている。しかしなが
ら、従来の感熱孔版印刷用原紙では、これらの要求を満
足するには限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の感熱
孔版印刷用原紙では実現できなかった高感度で高解像度
を有する感熱孔版印刷用原紙を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、特定の開孔特性を有す
ることにより、従来原紙の欠点を改良できることを見い
だし、本発明を完成したものである。
【0007】すなわち本発明は、熱可塑性樹脂フィルム
とインキ透過性の多孔性支持体とを貼り合わせてなり、
サーマルヘッドによって穿孔製版される感熱孔版印刷用
原紙において、該サーマルヘッドの印加エネルギーが1
0〜50μJ/ドットの範囲で、穿孔される熱可塑性樹
脂フィルム面の開孔面積率が10〜60%の範囲にある
ことを特徴とする感熱孔版印刷用原紙とするものであ
る。
【0008】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン樹脂
フィルム、またはその共重合体樹脂など従来公知の熱可
塑性樹脂フィルムを用いることができるが、穿孔性の点
からポリエステルフィルムが特に好ましく用いられる。
【0009】ポリエステルフィルムに用いられるポリエ
ステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレー
ト、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレート
との共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートとシクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体等を使
用することができる。穿孔感度を向上するために特に好
ましくは、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタ
レートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレートと
シクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重合体
等を用いることができる。
【0010】本発明における熱可塑性樹脂フィルムに
は、必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステ
ル、ワックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の
消泡剤等を配合することができる。さらには必要に応じ
て易滑性を付与することもできる。易滑性付与方法とし
ては特に制限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化
チタン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式ある
いは乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸類、スチレ
ン等を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、ポリ
エステル重合反応時に添加する触媒等を析出する、いわ
ゆる内部粒子による方法、界面活性剤を塗布する方法等
がある。
【0011】本発明における多孔性支持体は、印刷イン
キの透過が可能で、フィルムが加熱穿孔される時に熱変
形を起こさないものであれば特に限定されない。例えば
天然繊維、再生繊維、合成繊維等の単体またはこれらを
混合したものを原料とした不織布、織布、薄葉紙、スク
リーン紗等が挙げられる。本発明においてはインキ透過
の均一性の点から合成繊維を主体とする不織布が好まし
く用いられる。合成繊維としては、例えばポリエステ
ル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリア
クリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレンまたは
その共重合体などが用いられる。これらの合成繊維は単
体で用いてもよいし、2種以上を併用してもよく、ま
た、天然繊維や再生繊維を含んでいてもよいが、支持体
強度の点からポリエステル繊維を主体とするものが特に
好ましく用いられる。ポリエステル繊維に用いられるポ
リエステルとして、好ましくは、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート
とエチレンイソフタレートとの共重合体等を使用するこ
とができる。熱寸法安定性の点から特に好ましくは、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等を用いることができる。
【0012】本発明における合成繊維には必要に応じ
て、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックス等の
有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合す
ることができる。
【0013】本発明のフィルムおよび支持体繊維に好ま
しく用いられるポリエステルとは、いずれも、芳香族ジ
カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボ
ン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステルで
ある。ここで、芳香族ジカルボン酸成分としては例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジ
フェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテル
ジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸等を用いることができ、中でも好ましくはテレフタ
ル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸
等を用いることができる。脂肪族ジカルボン酸成分とし
ては例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ド
デカンジオン酸等を用いることができ、中でも好ましく
はアジピン酸等を用いることができる。また脂環族ジカ
ルボン酸成分としては例えば、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸等を用いることができる。これらの酸成分
は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよく、さ
らには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重
合してもよい。また、ジオール成分としては例えば、エ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2
−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリアルキレングリコール、2,2′ビス(4′−β−
ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を用いること
ができる。中でもエチレングリコールが好ましく用いら
れる。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、
2種以上併用してもよい。
【0014】本発明に好ましく用いられるポリエステル
は次のような方法で製造することができる。例えば、酸
成分をジオール成分と直接エステル化反応させた後、こ
の反応の生成物を減圧下で加熱して余剰のジオール成分
を除去しつつ重縮合させることによって製造する方法
や、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとジ
オール成分とでエステル交換反応させた後、上記と同様
に重縮合させることによって製造する方法等がある。こ
の際、必要に応じて、反応触媒として従来公知のアルカ
リ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等を用い
ることもできる。
【0015】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは延
伸配向フィルムが望ましく、配向度(Δn)が好ましく
は0.05以上、より好ましくは0.08以上、特に好
ましくは0.10以上である。配向度が0.05以上で
あると、穿孔時の孔拡大が良好となる。
【0016】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
結晶化度が好ましくは35%以下、より好ましくは30
%以下、特に好ましくは25%以下である。結晶化度が
35%以下であれば、穿孔形状が良好となる。
【0017】本発明における熱可塑性樹脂フィルムの厚
さ(t)は、通常0. 1〜10μmであり、好ましくは
0. 1〜5. 0μm、より好ましくは0.1〜3. 0μ
m、特に好ましくは0.1〜2μmである。厚さが10
μm以下であれば穿孔感度が低下することがなく、0.
1μm以上であれば搬送時にフィルムが破れたりするこ
とがない。
【0018】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
結晶融解エネルギー(ΔHu)が3〜11cal/gで
あるのが好ましく、より好ましくは5〜10cal/g
である。ΔHuが3cal/gで以上であるとフィルム
の穿孔感度が良好であり、また、ΔHuが11cal/
g以下であるとフィルムの穿孔形状が安定する。
【0019】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
フィルム厚さ(t)と結晶融解エネルギー(ΔHu)と
の積(ΔHu×t)が好ましくは50cal・μm/g
以下、より好ましくは40cal・μm/g以下、特に
好ましくは30cal・μm/g以下である。ΔHu×
tが50cal・μm/g以下であれば、穿孔感度が良
好である。
【0020】本発明における熱可塑性樹脂フィルムの融
点(Tm1 )は、通常260℃以下であり、好ましくは
250℃以下、より好ましくは240℃以下、特に好ま
しくは230℃以下である。フィルムの融点が260℃
以下であれば、サーマルヘッドの低印加エネルギー領域
でも穿孔感度が低下することがない。
【0021】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
加熱収縮率が好ましくは120℃で10%以上、より好
ましくは20%以上、特に好ましくは30%以上であ
る。加熱収縮率が10%以上であればフィルム穿孔後の
孔の拡大が良好である。
【0022】本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、
加熱収縮応力が好ましくは100℃で300g/mm2
以上、より好ましくは350g/mm2 以上、特に好ま
しくは400g/mm2 以上である。加熱収縮応力が3
00g/mm2 以上であれば、溶融穿孔後の孔形状が均
一となる。
【0023】本発明における多孔性支持体の繊維目付量
は、通常1〜20g/m2 であり、好ましくは2〜16
g/m2 、より好ましくは2〜14g/m2 である。目
付量が20g/m2 以下であれば、インキの保持性が良
好となり、印刷速度を早くしても印刷画像がかすれたり
することがない。また目付量が1g/m2 以上であれ
ば、インキの透過性が良好であり、鮮明な画像が得られ
るとともに、搬送性に優れた原紙とすることができる。
【0024】本発明の多孔性支持体を構成する繊維の平
均直径は、通常0.5〜30μm、好ましくは1〜20
μm、より好ましくは1〜10μm、特に好ましくは1
〜5μmである。平均直径が30μm以下であれば、支
持体として十分な強度が得られるので搬送性に優れる。
また、平均直径が0.5μm以上であれば繊維分布の均
一な支持体が得られるので、インキ透過性の均一な原紙
とすることができる。
【0025】本発明の多孔性支持体を構成する繊維は全
て同一直径のものであってもよいし、異なる繊維径の繊
維が混繊されたものであってもよい。また、繊維径の異
なる繊維を段階的に積層した多層構造としてもよい。多
層構造の場合、少なくともフィルムに面した層を10μ
m以下の繊維で構成し、残りの層を10μm以上の繊維
で構成すると画像鮮明性と支持体強度とのバランスの点
でより好適である。多層構造の場合、フィルムに面した
層の繊維目付量は1〜5g/m2 とするのがより好まし
い。
【0026】本発明の多孔性支持体を構成する繊維は延
伸配向されているのが特に好ましい。繊維の配向度(Δ
n)は通常0.1以上、好ましくは0.12以上、より
好ましくは0.14以上である。配向度が0.1以上で
あると、繊維強度が高く、十分な支持体強度が得られる
ので、搬送性に優れたマスタとすることができる。
【0027】本発明の多孔性支持体を構成する繊維の結
晶化度は、通常好ましくは20%以上であり、より好ま
しくは25%以上、特に好ましくは30%以上である。
結晶化度が20%以上であれば、支持体としての十分な
耐熱性が得られる。
【0028】本発明の多孔性支持体を構成する繊維は、
インキとの親和性を付与するために必要に応じて繊維の
表面に酸、アルカリ等の化学処理あるいはコロナ処理、
低温プラズマ処理等を施してもよい。
【0029】本発明原紙のフィルム面側の王研式平滑度
は、好ましくは1000秒以上、より好ましくは200
0秒以上、さらに好ましくは3000秒以上、特に好ま
しくは4000秒以上である。王研式平滑度が1000
秒以上であれば、サーマルヘッドとの密着性が良好とな
るので、穿孔不良を生じることがない。
【0030】本発明の原紙を構成する熱可塑性樹脂フィ
ルムと多孔性支持体の剥離強度は好ましくは1g/cm
以上、より好ましくは5g/cm以上、特に好ましくは
10g/cm以上である。剥離強度が1g/cm以上で
あると、フィルム搬送時にシワや破れが生じにくく、走
行安定性に優れる。
【0031】本発明の原紙を構成する熱可塑性樹脂フィ
ルムの融点(Tm1 )と多孔性支持体を構成する繊維の
融点(Tm2 )とは、好ましくはTm1 ≦Tm2 であ
り、より好ましくはその温度差が5℃以上、特に好まし
くは10℃以上である。Tm1≦Tm2 であると、フィ
ルムの穿孔時に支持体が熱変形することがない。
【0032】本発明の原紙は、サーマルヘッドの印加エ
ネルギーが10〜50μJ/ドットで穿孔製版でき、好
ましくは10〜40μJ/ドット、より好ましくは10
〜30μJ/ドットで穿孔製版できる。また本発明の原
紙は、上記サーマルヘッドの印加エネルギー範囲におい
て、フィルム面の開孔面積率が10〜60%の範囲にあ
る。好ましくは10〜50%である。開孔面積率が10
%未満であると、インキ透過が不十分となり、印字がか
すれたりする。また、開孔面積率が60%を越えると独
立穿孔性が低下してインキが過剰に流出し、印字が滲ん
だり、裏写りが発生しやすくなる。
【0033】本発明の原紙を上記範囲にするために任意
の方法が採用できるが、特に、未延伸のポリエステルフ
ィルムと未延伸の合成繊維からなる多孔性支持体とを熱
接着し、共延伸することにより最も好ましく達成でき
る。
【0034】本発明に好ましく用いられる合成繊維から
なる多孔性支持体は、従来公知のメルトブロー法やスパ
ンボンド法などの直接溶融紡糸法によって製造すること
ができる。用いられるポリマーの固有粘度は、通常好ま
しくは0.4以上、さらに好ましくは0.45以上であ
る。
【0035】例えば、メルトブロー紡糸法では、溶融し
たポリマーを口金から吐出するに際して、口金周辺部か
ら熱風を吹き付け、該熱風によって吐出したポリマーを
細繊度化せしめ、次いで、しかるべき位置に配置したネ
ットコンベア上に吹き付けて捕集し、ウエブを形成して
製造される。該ウエブはネットコンベアに設けた吸引装
置によって熱風と一緒に吸引されるので、繊維が完全に
固化する前に補集される。つまり、ウエブの繊維は互い
に融着した状態で補集される。口金とネットコンベア間
の捕集距離を適宜設定することによって、繊維の融着度
合を調整することができる。また、ポリマー吐出量、熱
風温度、熱風流量を適宜設定することにより、ウエブの
繊維径を任意に設定でき、また、コンベア速度を適宜調
整することにより、ウエブの繊維目付量を任意に設定で
きる。メルトブロー紡糸された繊維は、熱風圧力で細繊
度化されるが延伸はされず、いわゆる無配向に近い状態
で固化される。
【0036】同様にスパンボンド法では、口金から吐出
したポリマーをエアエジェクターによって牽引し、得ら
れたフィラメントを衝突板に衝突させて繊維を開繊し、
コンベア状に捕集してウエブを形成して製造される。エ
ジェクターの圧力と流量を適宜設定することにより、繊
維の配向度を調整することができ、圧力と流量を絞って
紡糸速度を低くすることにより、配向度の低い繊維ウエ
ブを得ることができる。また、吐出したポリマーの冷却
速度を調整することにより、結晶性の異なる繊維ウエブ
を得ることができる。
【0037】例えば、本発明に好ましく用いられる未延
伸繊維の結晶化度は、フィルムとの接着を容易にするた
め、通常好ましくは20%以下、より好ましくは15%
以下、特に好ましくは10%以下である。また、未延伸
繊維の配向度は共延伸性の点から通常好ましくはΔn=
0.03以下(ΔM:複屈折)、より好ましくは0.0
2以下、特に好ましくは0.01以下である。
【0038】本発明に好ましく用いられるポリエステル
フィルムは、上記ポリエステルを用いて、例えば、Tダ
イ押し出し法によってポリマーをキャストドラム上に押
し出すことによって未延伸フィルムを製造できる。口金
のスリット幅、ポリマーの吐出量、キャストドラムの回
転数を調整することによって、所望の厚さの未延伸フィ
ルムを作ることができる。ポリエステルの固有粘度は、
通常好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上
である。固有粘度が0.5以上であれば、製膜安定性が
良好で、特に薄物のキャストが容易となる。
【0039】本発明に好ましく用いられるポリエステル
フィルムと合成繊維からなる多孔性支持体とは、互いに
融着していることが望ましい。融着させるには通常、ポ
リエステルフィルムと多孔性支持体とを加熱しつつ、加
圧する熱圧着により行うのが好ましい。熱圧着の方法は
特に限定されないが、加熱ロールによる熱圧着がプロセ
ス性の点から特に好ましい。この場合、加熱ロールは金
属ロールとシリコーンなどのゴムロールとを組み合わせ
たものが好ましい。熱圧着時の温度はポリエステルフィ
ルムの場合、ガラス転移点(Tg)と冷結晶化温度(T
cc)との間が好ましい。また、圧力はロール線圧で
0.1〜10kg/cmの範囲で行うのが好ましい。
【0040】本発明においては、上記未延伸ポリエステ
ルフィルムと未延伸多孔性支持体とを熱圧着した状態で
共延伸することが好ましい。熱圧着した状態で共延伸す
ることにより、フィルムと支持体とは、剥離することな
く好適に延伸される。
【0041】また、この時、支持体の繊維は繊維同士の
接点の一部において互いに融着した網状体が形成され
る。さらに、これら融着点のうち、一部の融着点におい
て、繊維間にまたがる薄い膜が形成される。すなわち、
多孔性支持体をこのように形成せしめることによって、
支持体強度が安定する。さらにまた、両者を一体で共延
伸することにより、支持体の繊維が補強体の役目をする
ので、フィルムが破れたりすることがなく、極めて製膜
安定性に優れる。
【0042】共延伸の方法は特に限定されるものではな
く、一軸延伸、二軸延伸いずれの方法でもよいが、本発
明にあってはフィルムの配向度および支持体繊維の均一
分散性の点で二軸延伸がより好ましい。二軸延伸は逐次
二軸延伸法または同時二軸延伸法のいずれの方法であっ
てもよいが、本発明にあっては逐次二軸延伸が好まし
い。逐次二軸延伸の場合、通常加熱ロール群による縦延
伸の後、テンターにより横延伸を行うのが一般的である
が、逆に行ってもよい。加熱ロールには金属ロール、セ
ラミックロール、シリコーンゴムロールなどが用いられ
るが、延伸はセラミックロール間、セラミックとゴムロ
ール間またはゴムロール間で行うのが好ましい。また、
延伸時のニップ圧力は線圧で0.1〜10kg/cmの
範囲で行うのが好ましい。延伸温度はポリエステル樹脂
の場合、ガラス転移温度(Tg)と冷結晶化温度(Tc
c)との間であるのが好ましい。また、延伸時の加熱を
均一に行うため、支持体繊維のみを予熱してから供給し
てもよい。延伸倍率は特に限定されないが、ポリエステ
ルフィルムの場合、通常好ましくは縦、横それぞれ2〜
8倍、より好ましくは3〜8倍が適当である。また、二
軸延伸後、縦または横、あるいは縦横に再延伸してもか
まわない。
【0043】さらにその後、二軸延伸後の本発明原紙を
熱処理してもよい。熱処理温度は特に限定されるもので
はなく、用いるポリマーの種類によって適宜決定される
が、ポリエステルフィルムの場合、通常はポリマのガラ
ス転移温度(Tg)と融点(Tm)との間が好ましく、
処理時間は通常0. 5〜60秒程度が適当である。
【0044】また、熱処理して得られた原紙を一旦室温
程度まで冷却した後、さらに40〜90℃の比較的低温
で、5分から1週間程度エージングすることもできる。
このようなエージングを採用すると、原紙の保管時ある
いは印刷機の中でのカール、シワの発生が少なく特に好
ましい。
【0045】本発明の原紙を構成する多孔性支持体は、
好ましくは繊維同士がその交絡点や接点において互いに
融着した融着点を有する網状体を形成してなる。特に好
ましくは、網状体中の融着点のうちの一部の融着点にお
いて、2本以上の繊維間にまたがる薄い膜を形成してな
る。つまり、支持体の繊維同士が、薄い膜を形成してな
る融着点を持つた網状体とすることにより、支持体の強
度が安定するとともに、均一な開孔形態を形成すること
ができるので、搬送性に優れ、かつ印刷インキの保持性
と透過性のバランスのとれた原紙とすることができるも
のである。
【0046】本発明でいう融着点の薄い膜とは、いわゆ
る「あひるの足の水掻き」状、あるいは「蛙の足の水掻
き」状、または「ひだ」状のものを言い、通常2本以上
の繊維間にまたがって形成される。
【0047】本発明の原紙においては、サーマルヘッド
等との融着防止のため、フィルム面に、離型剤を塗布す
るのが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイル、
シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤、ワック
ス系離型剤等からなるものを用いることができる。これ
ら離型剤中には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各
種添加剤を併用することができる。例えば、帯電防止
剤、耐熱剤、耐酸化防止剤、有機粒子、無機粒子、顔料
等を用いることができる。
【0048】離型剤層の厚みは好ましくは0. 005μ
m以上0. 4μm以下、より好ましくは0. 01μm以
上0. 4μm以下である。離型剤層の厚みが0. 4μm
以下であれば穿孔時の走行性が良好でヘッドの汚染も少
ない。
【0049】離型剤の塗布は、フィルムの延伸前あるい
は延伸後、いずれの段階で行ってもよい。塗布方法は特
に限定されないが、ロールコーター、グラビアコータ
ー、リバースコーター、バーコーター等を用いて塗布す
るのが好ましい。また、離型剤を塗布する前に必要に応
じて、塗布面に空気中その他種々の雰囲気中でコロナ放
電処理を施してもよい。
【0050】[特性の測定方法] (1)印加エネルギー(μJ/ドット) 印加エネルギーQ(μJ/ドット)は、サーマルヘッド
の印加電圧をV(v)、抵抗をR(Ω)、印加時間をT
(μsec)とし、次式により求めた。 Q=V2 ・T/R (μJ/ドット)
【0051】(2)開孔面積率(%) 作製した原紙を理想科学工業(株)製、印刷機リソグラ
フ(GR275)に供給し、A4サイズに一辺10mm
の黒ベタ(■)を格子状に配したものを原稿として、サ
ーマルヘッドの印加エネルギーを5〜70μJ/ドット
の間で変更して製版した。印加エネルギーの変更はサー
マルヘッドの印加電圧を変更して行った。製版マスタの
フィルム面を、(株)トプコン製、走査型電子顕微鏡D
S130で倍率100倍で写真撮影した。次いで、
(株)ピアス製、ハイビジョン画像解析装置を用いて、
サーマルヘッドの素子数150個に対応する穿孔部分の
総開孔面積S(μm2 )を測定し、サーマルヘッドの素
子ピッチをP1 (μm)、走行ピッチをP2 (μm)と
し、次式により開孔面積率を算出した。 開孔面積率=S×100/(P1 ・P2 ×150)
【0052】(3)印刷性評価 [階調性]上記印刷機を用いて、各種記号およびマトリ
ックスの組み合わせによる24階調のベタパターンを原
稿として、印加エネルギー30μJ/ドットで印刷し、
次の基準により階調性を評価した。 ◎ : 19〜24階調が判別可能なもの ○ : 13〜18階調が判別可能なもの △ : 7〜12階調が判別可能なもの × : 6階調以下の判別しかできないもの
【0053】[解像度]同様に、一辺10mmの黒ベタ
(■)、5本/mmの細線を原稿として印刷し、印刷物
の細線を目視により次のように判定した。 ◎ : 細線に全く切れのないもの ○ : 切れがわずかに見られるもの △ : 明らかに切れが見られるもの × : 切れの著しいもの
【0054】[画質]上記印刷物の黒ベタ部の光学濃度
をマクベス濃度計により測定した。
【0055】(4)融点(Tm、℃) セイコー電子工業(株)製、示差走査熱量計RDC22
0型を用い、試料5mgを採取し、室温より昇温速度2
0℃/分で昇温した時の吸熱曲線のピークの温度より求
めた。
【0056】(5)結晶融解エネルギー(ΔHu、ca
l/g) セイコー電子工業(株)製、示差走査熱量計RDC22
0型を用いて、フィルムの融解時の面積から求める。こ
の面積は、昇温することによりベースラインから吸収側
にずれ、さらに昇温を続けるとベースラインの位置まで
戻るまでの面積であり、融解開始温度位置から終了位置
までを直線で結び、この面積(a)を求める。同じDS
Cの条件でIn(インジウム)を測定し、この面積
(b)を6.8cal/gとして次式により求めた。 6.8×a/b=ΔHu (cal/g)
【0057】(6)固有粘度〔η〕 試料を105℃×20分乾燥した後、6.8±0.00
5gを秤量し、o−クロロフェノール中で160℃×1
5分間撹拌して溶解した。冷却後、ヤマトラボティック
AVM−10S型自動粘度測定器により25℃における
粘度を測定した。
【0058】(7)結晶化度(%) n−ヘプタンと四塩化炭素の混合液からなる密度勾配管
に試料を投入し、10時間以上経過後の値を読んで密度
を求めた。ポリエステル樹脂の場合、結晶化度0%の密
度を1.335g/cm3 、結晶化度100%の密度を
1.455g/cm3 として、サンプルの結晶化度を算
出した。
【0059】(8)加熱収縮率(%) 15cm角のサンプルに10cm角のマーキングをし
て、所定の温度に設定した熱風循環恒温糟中に入れ、1
20℃で10分間放置した後の寸法を測定し、寸法変化
量を元の寸法で除して百分率で表した。
【0060】(9)加熱収縮応力(g/mm2 ) 幅2cm長さ10cmのサンプルを採取し、ロードセル
付きのチャックにチャック間距離5cmに固定する。次
いで、熱風循環により室温から所定の温度まで加熱す
る。加熱によるサンプル長の変化と収縮による荷重の変
化をレコーダーに記録し、荷重を加熱前のサンプル断面
積で除して収縮応力を求めた。
【0061】(10)繊維径(μm) サンプルの任意の箇所を電子顕微鏡で倍率2000倍で
写真撮影を行い、1枚の写真につき任意の5本の繊維の
直径を測定し、合計150本の繊維径を測定して、その
平均値を求めた。
【0062】(11)繊維目付(g/m2 ) サンプルを20cm×20cmに裁断し、その重さをm
2 当たりの重量に換算した。
【0063】(12)剥離強度(g/cm) フィルム面にセロハンテープを貼って補強し、フィルム
と多孔性支持体間との剥離強度をJIS−K−6854
に準拠した180度剥離試験法により測定した。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 孔径0.3mm、孔数900個の矩形紡糸口金を用い
て、口金温度290℃、熱風温度295℃、熱風流量4
00Nm3 /hで、 ポリエチレンテレフタレート樹脂
原料(〔η〕=0.5、Tm=256℃)をメルトブロ
ー法にて紡出し、捕集距離18cmでコンベア上に繊維
を捕集して巻取り、繊維目付100g/m2 の未延伸不
織布を作製した。
【0065】次いで、ポリエチレンテレフタレート85
モル%、ポリエチレンイソフタレート15モル%からな
る共重合ポリエステル樹脂原料(〔η〕=0.65、T
m=226℃)と、実質的に非晶質な共重合ポリエステ
ル(イーストマンコダック社製のKODAR DETG
6763、1,4−シクロヘキサジメタノール33モル
%)を重量比で80:20にブレンドし、スクリュ径4
0mmの押出機を用いて、Tダイ口金温度270℃で押
し出し、直径300mmの冷却ドラム上にキャストして
未延伸フィルムを作製した。
【0066】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度75℃、線圧1k
g/cmで熱接着し、次いで90℃の加熱ロール(ゴム
ロール)間で、ニップ圧0.5kg/cmで長さ方向
(MD方向)に3.6倍延伸した後、テンター式延伸機
に送り込み、95℃で幅方向(TD方向)に4.3倍延
伸し、さらにテンター内で120℃で熱処理して、感熱
孔版用原紙を作製した。該原紙のフィルム面には、シリ
コーン離型剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社
製、SH−200)を、乾燥後の重さで0.06g/m
2 塗布した。得られた原紙の繊維目付量は8.2g/m
2 、平均繊維径は3.3μm、フィルムの厚さは0.6
μmであった。
【0067】実施例2 実施例1で、ポリエチレンテレフタレート76モル%、
ポリエチレンイソフタレート24モル%からなる共重合
ポリエステル樹脂原料(〔η〕=0.66、Tm=19
6℃)をスクリュ径40mmの押出機を用いて、Tダイ
口金温度270℃で押し出し、直径300mmの冷却ド
ラム上にキャストして未延伸フィルムを作製した。
【0068】該未延伸フィルム上に、実施例1の不織布
を重ね、加熱ロールに供給してロール温度75℃、線圧
0.5kg/cmで熱接着し、次いで90℃の加熱ロー
ル(ゴムロール)間で、ニップ圧1kg/cmで長さ方
向に3.5倍延伸した後、テンター式延伸機に送り込
み、95℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらにテンター
内で100℃で熱処理して、感熱孔版用原紙を作製し
た。該原紙のフィルム面には、シリコーン離型剤(東レ
・ダウコーニング・シリコーン社製、SH−200)
を、乾燥後の重さで0.06g/m2 塗布した。得られ
た原紙の繊維目付量は9.8g/m2 、平均繊維径は
4.0μm、フィルムの厚さは0.8μmであった。
【0069】実施例3 孔径0.30mm、孔数120個の口金を用いて、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂原料(〔η〕=0.65、
Tm=261℃)を溶融温度290℃で紡出し、エアエ
ジェクターにて、紡糸速度850m/分でコンベア上に
分散捕集して繊維目付100g/m2 の不織布を作製し
た。
【0070】次いで、ポリエチレンテレフタレート55
重量%、ポリブチレンテレフタレート45重量%をブレ
ンドしたポリエステル樹脂原料(〔η〕=0.63、T
m=220℃、251℃)をスクリュ径40mmの押出
機を用いて、Tダイ口金温度280℃で押し出し、直径
300mmの冷却ドラム上にキャストして未延伸フィル
ムを作製した。
【0071】該未延伸フィルム上に、前記の不織布を重
ね、加熱ロールに供給してロール温度80℃、線圧2k
g/cmで熱圧着して、積層シートを作製した。該積層
シートを95℃の加熱ロール(ゴムロール)間で、ニッ
プ圧3kg/cmで長さ方向に3.3倍延伸した後、テ
ンタ式延伸機に送り込み、95℃で幅方向に4.0倍延
伸した。さらにテンター内部で100℃で熱処理し、感
熱孔版用原紙を作製した。該原紙のフィルム面には、シ
リコーン離型剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社
製、SH−200)を、乾燥後の重さで0.06g/m
2 塗布した。得られた原紙の繊維目付量は11.0g/
2 、平均繊維径は4.8μm、フィルムの厚さは1.
2μmであった。
【0072】実施例4 実施例3で、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂原
料(〔η〕=0.66、Tm=145℃)をスクリュ径
40mmの押出機を用いて、Tダイ口金温度200℃で
押し出し、直径300mmの冷却ドラム上にキャストし
て未延伸フィルムを作製した。
【0073】該未延伸フィルム上に、実施例3の不織布
を重ね、加熱ロールに供給してロール温度60℃、線圧
0.3kg/cmで熱接着し、次いで70℃の加熱ロー
ル(ゴムロール)間で、ニップ圧0.5kg/cmで長
さ方向に3.3倍延伸した後、テンター式延伸機に送り
込み、80℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらにテンタ
ー内で100℃で熱処理して、感熱孔版用原紙を作製し
た。該原紙のフィルム面には、シリコーン離型剤(東レ
・ダウコーニング・シリコーン社製、SH−200)
を、乾燥後の重さで0.06g/m2 塗布した。得られ
た原紙の繊維目付量は9.0g/m2 、平均繊維径は
5.4μm、フィルムの厚さは1.0μmであった。
【0074】比較例1 実施例1で平均繊維径は2.7μm、目付18g/m2
の不織布を作成した。次いで、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂原料(〔η〕=0.65、Tm=261℃)を
スクリュ径40mmの押出機を用いて、Tダイ口金温度
290℃で押し出し、直径300mmの冷却ドラム上に
キャストして未延伸フィルムを作製した。
【0075】該未延伸フィルムを長さ方向に3.0倍延
伸した後、テンター式延伸機に送り込み、95℃で幅方
向に3.8倍延伸し、さらにテンター内で160℃で熱
処理して、厚さ2.2μmの二軸延伸フィルムを作製し
た。前記不織布とフィルムとを重ねて、80℃のラミネ
ーターで熱接着し、フィルム面にシリコーン系離型剤を
塗布して感熱孔版用原紙を作製した。
【0076】比較例2 実施例3で紡糸速度を4000m/分で、平均繊維径1
0μm、目付15g/m2 の不織布からなる多孔性支持
体を作製した。次に、実施例1で採取したポリエチレン
テレフタレート85モル%、ポリエチレンイソフタレー
ト15モル%からなる共重合ポリエステル樹脂フィルム
をストレッチャーで縦横3×3倍延伸して、160℃×
10秒熱処理し、厚さ2.5 μmの二軸延伸フィルムを
作製した。上記多孔性支持体とポリエステルフィルムと
を酢酸ビニル樹脂系接着剤を用いて貼り合わせた。次
に、フィルム面にシリコーン系離型剤を塗布し、感熱孔
版用原紙を作製した。
【0077】表1に上記各実施例、比較例の原紙の構成
を示す。また、評価結果を表2(開孔面積率)、表3
(印刷性)に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】表1、表2、表3からわかるように、本発
明に係る原紙はサーマルヘッドによる製版エネルギー1
0〜50μJ/ドットの範囲で、原紙フィルム面の開孔
面積率は10〜60%である。本発明の原紙を用いて印
刷したものは、階調性に優れ、かつ高解像度である。ま
た、本発明の原紙は低エネルギーで製版できるので、製
版時間の短縮が可能である。
【0082】
【発明の効果】本発明は、上記構成としたことにより、
サーマルヘッド等の製版において、低印加エネルギーで
製版することができるので高感度であり、かつ、フィル
ムの開孔面積率を特定したものであるため、原稿に忠実
な高解像度の製版マスターが得られる。従って、この原
紙を用いた孔版印刷で得られる印刷物は高精細で高画像
性を有し、印刷鮮明性に優れる。また、本発明の原紙は
低エネルギーで製版できるので、製版時間の短縮が可能
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムとインキ透過性の
    多孔性支持体とを貼り合わせてなり、サーマルヘッドに
    よって穿孔製版される感熱孔版印刷用原紙において、該
    サーマルヘッドの印加エネルギーが10〜50μJ/ド
    ットの範囲で、穿孔される熱可塑性樹脂フィルム面の開
    孔面積率が10〜60%の範囲にあることを特徴とする
    感熱孔版印刷用原紙。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂フィルムがポリエステルを
    主体とする樹脂からなる、請求項1に記載の感熱孔版印
    刷用原紙。
  3. 【請求項3】 多孔性支持体がポリエステル繊維を主体
    としてなる、請求項1または2に記載の感熱孔版印刷用
    原紙。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6571700B2 (en) 2000-05-17 2003-06-03 Riso Kagaku Corporation Method for making a heat-sensitive stencil
US6629495B2 (en) 2000-05-17 2003-10-07 Riso Kagaku Corporation Method of and apparatus for making heat-sensitive stencil and heat-sensitive stencil material
US6807904B2 (en) 2000-05-17 2004-10-26 Riso Kagaku Corporation Method and apparatus for making heat-sensitive stencil and heat-sensitive stencil material

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