JPH0857718A - 線材把持装置 - Google Patents

線材把持装置

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JPH0857718A
JPH0857718A JP19665294A JP19665294A JPH0857718A JP H0857718 A JPH0857718 A JP H0857718A JP 19665294 A JP19665294 A JP 19665294A JP 19665294 A JP19665294 A JP 19665294A JP H0857718 A JPH0857718 A JP H0857718A
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JP
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wire
hand member
hand
gripping
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JP19665294A
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English (en)
Inventor
Kazuya Oyama
和也 尾山
Yuichi Yamamoto
裕一 山本
Takeshi Kakebe
健 掛部
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 線材を正確・確実に把持でき、把持状態の把
握も容易に認識できる線材把持装置を提供する。 【構成】 第1のハンド部材11は縦方向の軸部11a
と軸部11aの下端から斜め上方へ延出の線材ガイド部
11bとからなり、第2のハンド部材12は水平な板体
で、軸部11aを挿通する軸部挿通孔12aと線材ガイ
ド部11bのほぼ全体を通す矩形孔12bからなる。軸
部11aと線材ガイド部11bとのつなぎ目の部分およ
び軸部挿通孔12aと矩形孔12bとの間の部分はそれ
ぞれ線材把持部11c,12cとなっている。大きく開
いた差し入れ口13から線材1を線材把持用領域14内
に差し入れ、両ハンド部材11,12を接近させて閉じ
ることにより、両ハンド部材11,12の線材把持部1
1c,12cで線材1を安定良く確実に把持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コイルのリード線やハ
ーネスなどのような柔軟性をもった(フレキシブルな)
線材を組み立て等のために把持する装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般的に、コイルのリード線やハーネス
などのフレキシブルな線材をロボット等により自動組立
する場合、予めその線材を正確な位置に固定しておき、
その状態で把持するようにしている。従来例として、例
えば、特開昭58−90428号公報に示されたよう
に、フレキシブルな部品を空気で吸い込んで決められた
位置に固定するようなものがあった。
【0003】また、線材を把持したあとその線材を移動
させる場合などでは、予め線材のたるみも含めて計算し
ておき、線材を必要以上に引っ張ることのないように制
御しながら移動させるようにして、断線を防ぐようにし
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来例においては、次
のような問題点があった。
【0005】 線材の位置が不明確なため把持でき
ず、あるいは把持しても正確な位置ではない。
【0006】 線材の固定のために治具等が必要であ
り、固定のための処理が複雑になることがある。
【0007】 線材を損傷せずに、ハンド部材を制御
するのが困難である。
【0008】 線材のテンションの調整が困難であ
る。
【0009】 線材の位置確認のために画像処理が必
要となる場合がある。
【0010】 所定の位置に正確に線材を移動させる
のが困難である。
【0011】 線材の切断が困難である。
【0012】以下、順次、具体的に説明する。
【0013】 図14(a)のように、位置が分かっ
ている2点A,Bでそれぞれ線材1をたるみなしに固定
した場合は、2点間の線材1の位置は明確である。しか
し、図14(b),(c)のように、2点間にたるみが
存在する場合は、どのようにたるむか分からないので、
2点間の線材1の位置は不定である。したがって、通常
のハンドを決められた位置で閉じるだけでは把持できな
い場合がある。
【0014】また、図14(d)に示すような通常のロ
ボットの2指ハンド2a,2bで、(b),(c)のよ
うにたるんだ線材1を把持する場合に、同じ位置に2指
ハンド2a,2bを移動させてそれぞれを把持すると、
図14(e),(f)のように異なった位置を把持する
ことが多く、2指ハンド2a,2bのどの位置で線材1
を把持しているかは画像処理装置等の検出手段を用意し
なければならない。
【0015】 上記の理由から、通常のロボットのハ
ンドで部品を把持するためには、部品を予め決められた
位置に正確に固定しておくか、正確な位置を検出する必
要がある。また、検出してから把持するまでは位置が変
化しないようにしておく必要がある。したがって、通常
のハンドで線材を把持し組み立てを行うに当たっても、
線材の位置が明確に分かるように線材を固定する必要が
ある。
【0016】しかし、線材などのフレキシブルな部品で
は、置いただけでは位置は不定な場合が多く、位置が正
確に分かるように固定するためには治具などが必要にな
ってくる。例えば、線材を固定する方法として、線材の
端部を棒状の治具等に巻き付ける等の処理を行う必要が
ある。しかし、この方法では、線材を把持して移動させ
る前や線材を接続する前後に、前に巻き付けた線材を外
す処理が必要となるなど、処理が煩雑になってしまうと
いう欠点がある。
【0017】 線材を数点で固定しても、その固定し
た点の間で線材がたるんでいる場合は、固定された点の
間の線材の位置が不明確であるため、ロボットの通常の
ハンドでは線材を正確に把持することができない。この
ため、フレキシブルな線材の位置決めをする場合には、
線材の長さを計算して、固定された点の間がちょうど直
線状になるように線材を移動させるか適当なテンション
で引っ張るような工夫が必要となる。しかし、位置を計
算して線材をハンドリングする場合は、計算と少しでも
違うと、線材がたるんだり切れてしまったりする場合が
ある。
【0018】 テンションを制御しながら線材を張る
ためには、力センサ等を用いた力制御が必要となり、制
御がむずかしいだけでなく、装置が高価になる。また、
ハンドで把持する力を弱めた場合には、一定以上のテン
ションでは線材がすべり切れることはないが、ハンドか
ら線材が外れたり、把持している位置がずれるという問
題が発生する。
【0019】 フレキシブルな線材を固定する場合、
正確な固定が行えたかどうかを判定する装置が必要とな
ることもある。画像処理等を用いて線材の位置を検出
し、ロボットのハンドで把持する方法もあるが、3次元
の位置認識では高価な装置が必要であり、認識の速度が
遅く、線材が複雑な形をしている場合は処理できないこ
とが多いため、あまり実用的ではない。しかも、位置を
計測したとしても、軽量の線材の場合は、空気の流れな
どで位置がずれる場合もあり、画像処理し実際に把持す
るまでの間に線材が位置ずれしてしまい、正確に把持で
きない場合も考えられる。
【0020】 図14(e),(f)のように2指ハ
ンド2a,2bのどこで線材1を把持しているかが不明
確な場合では、線材1の一部もしくは全体を目的とする
位置に正確に移動させることができない。
【0021】 線材の位置が正確に分からない場合に
は、線材を切る手段をどこに設けるかが問題であり、ま
た、線材を切断できるかどうかも分からない。
【0022】以上のような各種の問題があり、フレキシ
ブルな線材の自動組立にはコストおよび時間がかかるこ
とが多く、条件によっては組み立てが不可能な場合も発
生していたのである。
【0023】本発明は、このような事情に鑑みて創案さ
れたものであって、線材を正確・確実に把持でき、把持
状態の把握も容易に認識できる線材把持装置を提供する
ことを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明に係る請求項1の線材把持装置は、相対
的に接近・離間して閉じ状態と開き状態とに切り換えら
れる第1および第2のハンド部材を有し、開き状態では
第1のハンド部材と第2のハンド部材との間にたるみ状
態にあるフレキシブルな線材を側方から差し入れる差し
入れ口と、この差し入れ口から差し入れられた線材を位
置させる線材把持用領域とを有し、前記第1および第2
のハンド部材の相対的接近に伴って前記線材把持用領域
を縮小し最終的に線材を前記両ハンド部材により両ハン
ド部材の所定位置において挟持固定することを特徴とす
るものである。
【0025】(2) 本発明に係る請求項2の線材把持
装置は、上記請求項1の線材把持装置において、第1の
ハンド部材は鉛直な軸部と、この軸部の下端から斜め上
方に延出された線材ガイド部とからなり、第2のハンド
部材は水平な板体と、前記軸部を通す軸部挿通孔と、前
記線材ガイド部の大部分を通す矩形孔または切り込みと
からなっていることを特徴とするものである。
【0026】(3) 本発明に係る請求項3の線材把持
装置は、上記請求項1または請求項2の線材把持装置に
おいて、第1のハンド部材または第2のハンド部材に、
両ハンド部材により把持された線材を切断するカッター
を取り付けたことを特徴とするものである。
【0027】
【作用】
(1) 請求項1の線材把持装置においては、フレキシ
ブルな線材でもある一定の領域(存在可能領域)に存在
することが分かっていれば、その存在可能領域を差し入
れ口から線材把持用領域に差し入れることで、線材を包
み込むようにして線材把持用領域内に位置させることが
できる。そして、第1および第2のハンド部材を接近さ
せることで線材把持用領域を縮小し線材に対して絞り込
むようにしながら閉じていくと、両ハンド部材の所定位
置において線材を挟持固定することとなる。すなわち、
線材を確実に把持することができ、かつ、その把持した
線材位置を明確にすることができる。
【0028】(2) 請求項2の線材把持装置において
は、シンプルな形状、構造でありながら、線材を確実か
つ強力に把持することができる。把持点も明確になる。
【0029】(3) 請求項3の線材把持装置において
は、把持後の線材を切断するのに引っ張って切断するの
ではなく、カッターによって切断するため、切断が確実
であり、かつ、切断箇所が一定となって、残り代が一定
となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明に係る線材把持装置の各種の実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】図1(a)に示すように、位置が分かって
いる2点A,Bでたるみのない状態で線材1を固定した
場合、2点A,B間で線材1の位置は明確に決定され
る。しかし、たるみが存在する場合には、線材1の位置
は不定となる。
【0032】図1(b)に示すように、線材1がたるん
でいる場合には、最大のたるみ分を半径rとした領域3
のどこかを線材1が通過していることが分かるが、正確
な位置は不定である。しかし、これは言い換えれば、正
確な位置は分からないが、線材1が存在し得る領域3は
分かるということである。したがって、その存在可能領
域3の全体を包み込むようにして把持すれば、存在可能
領域3内に存在する線材1を把持することができる。
【0033】存在可能領域3内に存在する線材1を把持
するための線材把持装置の一例を図1(c)に示す。1
1は第1のハンド部材、12は第2のハンド部材であ
る。第1のハンド部材11は、垂直に配置された軸部1
1aと、軸部11aの下端から斜め上方に突設された線
材ガイド部11bとからなり、軸部11aと線材ガイド
部11bとの交点が線材把持部11cとなっている。第
2のハンド部材12は、水平に配置された板体で構成さ
れており、第1のハンド部材11の軸部11aを挿通す
る軸部挿通孔12aと、線材ガイド部11bの大部分を
挿入する矩形孔12bとが形成されており、軸部挿通孔
12aと矩形孔12bとの間の部分が線材把持部12c
となっている。
【0034】第1のハンド部材11と第2のハンド部材
12とは相対的に接近および離間自在であり、接近によ
り線材ガイド部11bが矩形孔12bに近づき、さらに
矩形孔12bに挿入されていって閉じ状態となり、離間
により線材ガイド部11bが矩形孔12bから下側へ抜
け、さらに矩形孔12bから離れて開き状態となる。
【0035】開き状態において、軸部11aとは反対側
で第1のハンド部材11と第2のハンド部材12との間
にたるみ状態にあるフレキシブルな線材の存在可能領域
3を側方から差し入れる差し入れ口13があり、その差
し入れ口13と軸部11aと線材ガイド部11bと第2
のハンド部材12との間に、そこに差し入れられる存在
可能領域3を位置させる線材把持用領域14を有してい
る。
【0036】図1(d)に示すように、第1のハンド部
材11と第2のハンド部材12とを開いたときの状態
で、差し入れ口13の開口高さhは、線材1の存在可能
領域3である円の直径2rよりも大きく設定される。線
材把持装置を線材1の存在可能領域3に近づけ、差し入
れ口13を通して存在可能領域3を包み込むようにして
線材把持用領域14に差し入れる。このとき、線材把持
用領域14内に線材1が確実に存在するように、図1
(e)のように存在可能領域3のほぼ右側半分を軸部1
1aを超えて通過するように差し入れる。もし、右側半
分に線材1が位置していたときは、その線材1は軸部1
1aによって左側へ押される。線材ガイド部11bの水
平方向寸法wを円の半径rよりも大きく設定しておけ
ば、線材1の存在可能領域3は線材把持用領域14内に
確実に存在する状態で差し入れられたことになる。
【0037】この状態で第1のハンド部材11と第2の
ハンド部材12とを相対的に接近させて閉じ状態へと移
行すると、図1(f)に示すように、存在可能領域3を
包み込むようにしながら線材把持用領域14が次第に縮
小し、線材ガイド部11bの大部分が矩形孔12bに入
り込み、線材1は線材ガイド部11bによって第1のハ
ンド部材11の屈折点である線材把持部11cに向か
い、この線材把持部11cと第2のハンド部材12の線
材把持部12cとで線材1を挟持固定することとなる。
【0038】ここで問題がある。もし、線材にたるみが
ない場合は線材を切断してしまうおそれが考えられるこ
とである。
【0039】図2(a)〜(d)、図3(a)〜(d)
はそれぞれ、たるみによる線材の存在可能領域3の円が
半径r以下の場合のすべてにおいて、線材を把持する方
法の例を示している。言い換えれば、線材のたるみがま
ったくない場合、存在可能領域3がrとなるすべての場
合で把持できる方法である。
【0040】図2(a),図3(a)のように、線材の
存在可能領域3に対して第1および第2のハンド部材1
1,12の全体を接近させる。線材が円中央にある場合
に、線材に第1のハンド部材11が接触する位置となる
まで移動させる。この状態が図2(b),図3(b)で
ある。このとき、線材が右側にずれていた場合はハンド
部材によって押されて左側に移動するため、線材の存在
する領域は黒い部分に限定される。
【0041】図2(b)の状態からさらに第1および第
2のハンド部材11,12の全体を、線材が円中央にあ
る場合に線材に第2のハンド部材12が接触する位置と
なるまで下方向に移動させる。これの状態が、図2
(c)である。また、図3(b)の状態からさらに第1
および第2のハンド部材11,12の全体を、線材が円
中央にある場合に線材に第1のハンド部材11の線材ガ
イド部11bが接触する位置となるまで上方向に移動さ
せる。これの状態が、図3(c)である。これらの場合
も、線材がハンド部材により押されて移動するため、線
材の存在する領域は黒い部分に限定される。
【0042】次に、第1のハンド部材11を上向きに移
動させて閉じた状態が図2(d)であり、第2のハンド
部材12を下向きに移動させた閉じた状態が図3(d)
である。これらの場合に、両ハンド部材11,12によ
る線材把持点は円の中心と一致している。
【0043】以上のようにハンド部材11,12を動作
させて線材のある領域を限定していくことで、線材を追
い込むようにして把持する。これにより、線材が存在可
能領域3を示す円のどこにあっても線材を把持すること
ができる。また、把持点が円の中心になるように動作さ
せることで、線材にたるみのない場合であっても、線材
にストレスを与えることなく、したがって、線材に損傷
や切断を与えることなく、線材を安全に把持することが
できる。
【0044】第1および第2のハンド部材11,12に
よって線材1を把持したときの詳しい状態を図4(a)
〜(d)に示す。第1のハンド部材11の屈折点である
軸部11aと線材ガイド部11bとのつなぎ目の線材把
持部11cと、第2のハンド部材12の軸部挿通孔12
aと矩形孔12bとの間の線材把持部12cとによっ
て、線材1を3点で挟持固定し、把持している。
【0045】このときの把持力を充分に強力にすれば両
ハンド部材11,12に対して線材1が滑ることはない
が、把持力を適当に調整することにより、両ハンド部材
11,12に対して線材1を滑る状態で保持することが
できる。言い換えれば、線材1に対して両ハンド部材1
1,12を滑らせて移動させ、線材1に張力(テンショ
ン)を与えることができる。
【0046】詳しい動作を図5を用いて説明する。図5
(a)は点Aに固定され、点Bに仮止めされた線材1
と、第1および第2のハンド部材11,12からなる線
材把持装置とを示している。まだ、差し入れていない状
態である。線材1にはたるみがある。両ハンド部材1
1,12を横方向に移動させて線材1に接近させ、線材
1を側方から差し入れた状態が図5(b)である。
【0047】図5(b)より両ハンド部材11,12の
全体を上昇させて第1のハンド部材11の線材把持部1
1cに線材1を位置させた状態が図5(c)である。次
に、第2のハンド部材12を下向きに移動させて両ハン
ド部材11,12を閉じ、線材1を挟持固定した状態が
図5(d)である。この把持状態では把持力は両ハンド
部材11,12に対して線材1が滑る程度とする。
【0048】両ハンド部材11,12で線材1を把持し
た状態で両ハンド部材11,12を点Bに近づく方向に
移動させると、線材1のたるみが次第になくなり、直線
状となる。これが図5(e)の状態である。さらに、両
ハンド部材11,12を移動させると、今度は、直線状
の線材1に対して両ハンド部材11,12が滑るように
して移動することになる。これが図5(f)の状態であ
る。滑るので線材1が切断されることはない。線材1の
長さ方向をZ方向とすると、把持位置はZ方向で変化す
るが、それに直交するX方向,Y方向では把持位置は一
定である。点Aと両ハンド部材11,12との直線距離
が小さくならないような方向へ両ハンド部材11,12
を移動させても、線材1は直線状態を保ち、たるみが生
じることはない。したがって、線材1の位置は明確に把
握することができる。図5(g)はそのような方向に移
動させた状態を示す。線材1は点Bから離れる。図5
(h)のように、点Aと両ハンド部材11,12とを結
ぶ直線が点Cと重なるように両ハンド部材11,12を
移動させることにより、直線状の線材1を点Cに接触さ
せることができる。あとはハンダ付けなど適当な手段で
固定する。
【0049】このように、適当な力で線材を把持するこ
とで線材に対して両ハンド部材を滑らせることができる
ようにし、両ハンド部材を移動させることにより線材に
適当な張力を与えて線材を直線状にしたまま、線材を移
動させることができる。このとき、線材が直線状である
ため線材の位置が明確に分かり、また、線材の位置が明
確に分かるので線材を特定の位置に移動させることがで
きる。
【0050】また、両ハンド部材に与える把持力を変化
させることで線材とハンド部材の把持点での摩擦力が変
化するが、これにより、ハンド部材を移動させ線材を滑
らせた場合の摩擦抵抗が変化し、線材に与えるテンショ
ンが変化する。
【0051】また、強く把持することで滑らないように
してからハンド部材を移動させることにより、線材を切
ることもできる。
【0052】図6(a)は線材1を両ハンド部材11,
12で把持した状態を示す平面図であり、図6(e)は
それを斜め下から見た状態の斜視図である。両ハンド部
材11,12を円弧矢印のように回転させることで、図
6(b),(c),(d)のように変化する。
【0053】図6(a)のようにハンド部材11,12
に対して線材1が垂直であり、線材1を滑らせた場合の
摩擦抵抗は最も低い。図6(b)から(d)にかけて線
材1がハンド部材11,12に絡んでいる度合いが大き
くなり、これにつれて摩擦抵抗も大きくなるし、テンシ
ョンも強くなる。さらに、ハンド部材を何回か回転させ
て線材をハンド部材に巻き付け、滑らないようにしてハ
ンド部材を移動させることにより線材を切断することも
できる。
【0054】図7は線材を切断するための手段を備えた
場合の実施例を示す。第2のハンド部材12において、
軸部挿通孔12aの横脇部にカッター15を取り付けて
ある。このカッター15はナイフ状のものである。図7
(b)に示すように、両ハンド部材11,12で線材1
を把持した状態ではカッター15は線材1に接触してい
ない。線材1の右側の端点は固定されていて線材1に適
当なテンションがかけられているとする。この状態で円
弧矢印の向きにハンド部材11,12を回転させると、
テンションのかかった線材1にカッター15が作用し、
線材1を切断する。これが図7(c)である。
【0055】図8の場合は、第1のハンド部材11の軸
部11a自体にカッター16を取り付けたものである。
このカッター16は先端が先鋭な突起状になっている。
図8(c)に示すように、両ハンド部材11,12で線
材1を把持した状態ではカッター16は線材1に接触し
ていない。線材1の右側の端点は固定されていて線材1
に適当なテンションがかけられているとする。この状態
で円弧矢印の向きにハンド部材11,12を回転させる
と、軸部11aに巻き付こうとする線材1にカッター1
6が作用し、線材1を切断する。これが図8(d)であ
る。
【0056】図7や図8のようにカッター15,16で
線材1を切断するようにすると、単純に引きちぎる場合
に比べて、線材やハンド部材に与えるストレスが小さい
状態でかつ所定の位置で切断することができる。
【0057】以下、より詳しく実施例を説明する。
【0058】図9(a)は線材把持装置100の外観を
示す斜視図、図9(b)は内部を示す一部破断の斜視図
である。シリンダ部21の内周面に磁界を発生するソレ
ノイド22が内嵌され、さらにソレノイド22の内側に
磁石23が摺動自在に内嵌されている。磁石23に第1
のハンド部材24の軸部24aの上端が固定されてい
る。シリンダ部21の下端に第2のハンド部材25が取
り付けられている。シリンダ部21の軸心に相当する第
2のハンド部材25の箇所に軸部挿通孔25aが形成さ
れ、この軸部挿通孔25aに前記の第1のハンド部材2
4の軸部24aが挿通されている。第2のハンド部材2
5にはその端縁から軸部挿通孔25aに向けて切り込み
25bが入れられ、一方、この切り込み25bに対応す
る状態で第1のハンド部材24の軸部24aの下端から
斜め上方に向けて線材ガイド部24bが突出されてい
る。軸部24aと線材ガイド部24bとのつなぎ部分が
線材把持部24cとなっており、軸部挿通孔25aと切
り込み25bとの間の部分が線材把持部25cとなって
いる。26は差し入れ口、27は線材把持用領域であ
る。ソレノイド22に流す電流の向きを正逆にすること
で、磁石23とともに第1のハンド部材24を上下に運
動させ、両ハンド部材24,25の開閉を行う。
【0059】図9(c)のように、シリンダ部21の内
部において磁石23とシリンダ部21のヘッドとの間に
スプリング28を介在させるものでもよい。ハンド部材
24,25を閉じるときはスプリング28に抗して閉
じ、ハンド部材24,25を開くときはスプリング28
の付勢力を利用する。このように構成された線材把持装
置100は、図示しないロボットに取り付けられてい
る。
【0060】いずれも流す電流の大きさにより把持力を
調整することができる。なお、ソレノイドに代えてエア
シリンダとすることも考えられ、この場合はエア圧力を
調整するものとする。
【0061】以下、線材を把持する動作を説明する。
【0062】図10の(a),(b),(c)は線材1
がコイル1Aのリードである場合を示す。線材1がコイ
ル1Aから出ている位置Pは常に一定であるとする。線
材1の出ている方向や位置は変わっているが、線材1の
根元付近はほぼ一定範囲内にあるとすることができる。
【0063】図11(a)〜(f)はコイル1Aから出
ているリード線である線材1を接続する様子を示してい
る。コイル1Aは固定されており、線材1はコイル1A
のうちのある決まった位置から出ている。29は線材1
を接続すべき端子である。
【0064】図11(a)のように、線材把持装置10
0を、線材1を引っ掛けられる方向から移動させ、図1
1(b)のように線材1が差し入れ口26を通して線材
把持用領域27に位置するように線材把持装置100を
移動させる。このとき差し入れ口26および線材把持用
領域27は、線材1の根元付近がばらつき得る全範囲
(存在可能領域)に対応できるような充分な大きさをも
つものとし、コイル1Aに対して一定の位置に線材把持
装置100を移動させるだけで、線材1を把持し得る位
置となるようにしてある。第1のハンド部材24が線材
1に当たっても線材1にはたるみがあるので、多少の当
たりは問題はない。
【0065】この状態でソレノイド22に通電し、第1
のハンド部材24を磁石23とともに上昇させることに
より、図11(c)のように線材1を第1のハンド部材
24と第2のハンド部材25とで確実に把持することが
できる。このとき、両ハンド部材24,25により線材
1が把持されている位置(座標)は、両線材把持部24
c,25cの位置であって一定である。したがって、線
材1が軽量で柔らかいために周囲の空気の流れで振動し
たり移動していても同じように一定の位置で把持するこ
とができる。
【0066】上記の説明とは別に、図10(d),
(e)に線材1を把持するときの詳しい状態を示す。a
は線材1を端子29との間で直線状に張っている状態、
bは線材1がたるんでいる状態、cは線材1の一端が固
定されていない状態をそれぞれ示す。線材把持装置10
0を→→の順序で移動させる。cの状態にある線
材1はからにかけてc′のように位置が変化する
が、この線材はフリーであるためストレスを与える心配
はない。その後、図10(d)に示すように、線材把持
装置100の全体を下方に移動させて第2のハンド部材
25の下面に線材1が接触するようにする。そして、図
10(e)に示すように、第1のハンド部材24を上方
に移動させることにより、一定位置において両ハンド部
材24,25により線材1を把持する。これにより、ス
トレスを与えることなく線材1を把持することができ
る。
【0067】次に、図11(c)に戻って、矢印の方向
に線材把持装置100を移動させることで把持している
線材1を直線状にする。両ハンド部材24,25が線材
1を把持する力が適当になるように電流もしくはエア圧
力を調整することにより、さらに同じ方向に線材把持装
置100を移動させても、把持点で線材1が滑り、線材
1は切れることなく直線状態を保ってしごかれるように
して延びていく。これが図11(d)の状態である。線
材1の長さ方向をZ方向とすると、把持位置はZ方向で
変化するが、それに直交するX方向,Y方向では把持位
置は一定であり、座標は変化しない。コイル1Aは固定
されており、線材1がコイル1Aから出ている位置が分
かっているし、両ハンド部材24,25が線材1を把持
している位置も一般に分かるため、コイル1Aと両ハン
ド部材24,25との間での線材1の位置はすべて分か
ることとなる。以降、コイル1Aから線材1が出ている
位置と線材1を把持する位置の2点間の距離が縮まらな
いようにして線材把持装置100を端子29に向けて移
動させる。このとき、常に線材1は直線状態を保ち、そ
の位置も正確に計算することができる。図11(e)に
示すように、線材1を端子29の上方まで移動させる。
そこから線材1を下方に移動させることで図11(f)
のように端子29に線材1を接触させる。このとき、線
材1が端子29に接触した後もさらに下方へ移動させて
も、線材1を把持している両ハンド部材24,25は滑
るだけで、線材1は切れることはなく、適当な圧力で線
材1を確実に端子29に接触させることができる。
【0068】図12は線材1を端子29に接続する例を
示す。30はハンダ線、31はハンダゴテである。端子
29と線材1との接触点にハンダ線30を当ててハンダ
ゴテ31によりハンダ付けを行う。図12において、3
2をもってハンダ接続点を示す。その後、ソレノイド2
2に流す電流を増大させて両ハンド部材24,25によ
る把持力を増し、両ハンド部材24,25に対して線材
1が滑らないようにしてから、線材把持装置100を図
12(b)の矢印の方向に移動させる。すると、図12
(c)のように、ハンダ接続点32と把持点との間にお
いて線材1が切断される。
【0069】電流を増加して把持力を増す代わりに、図
12(d)のように線材把持装置100を回転させてハ
ンド部材24,25に線材1を絡ませ、図12(e)の
方向に線材把持装置100を移動させることにより、図
12(f)のように線材1を切断するのでもよい。な
お、回転させる手法と把持力を増す手法とを併用しても
よい。
【0070】図13は接続後の線材の切断の別の手法を
示す。33は第2のハンド部材25の側面に取り付けら
れたカッターである。図13(a)のように、ハンダ線
30とハンダゴテ31を用いて端子29に線材1を接続
した後、図13(b)のように線材把持装置100を回
転させ、図13(b),(c)のようにカッター33を
線材1に接触させる。そして、矢印の方向に移動させる
ことにより、カッター33で線材1を切断する。図13
(d)はその状態を示す。この手法によると、切断され
る線材1の位置は、カッター33と接触した位置である
ので、線材の残り代1aの長さは毎回同じになる。
【0071】なお、ハンダゴテによるハンダ付けに代え
て、ビーム加熱によるハンダ付けや、レーザー溶接など
の方法で接続してもよい。
【0072】
【発明の効果】
(1) 請求項1の線材把持装置によれば、線材の正確
な位置決めや位置検出を行わなくても線材を把持できる
ため、把持すべき線材の位置認識のための画像処理装
置、固定のための治具などの装置や作業が不要となり、
確実・正確な把持を安価に実現できる。また、線材を把
持した段階で、把持したことおよび把持位置が明確にな
るため、把持している状態の判定や把持した線材の位置
を認識するための画像処理装置が不要となり、装置を安
価に提供できる。
【0073】(2) 請求項2の線材把持装置によれ
ば、シンプルな形状、構造でありながら、線材を確実か
つ強力に把持することができ、把持点も明確にできる。
【0074】(3) 請求項3の線材把持装置によれ
ば、把持後の線材を切断するのに引っ張って切断するの
ではなく、カッターによって切断するため、切断が確実
であり、かつ、切断箇所が一定となって残り代を一定と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理の説明図である。
【図2】線材にたるみがない状態での把持手法の説明図
である。
【図3】線材にたるみがない状態での別の把持手法の説
明図である。
【図4】第1および第2の両ハンド部材で線材を把持し
た状態を示す図である。
【図5】線材を把持し固定するまでの動作を示す図であ
る。
【図6】把持した線材が滑らないようにする手法を示す
図である。
【図7】把持した線材を切断する手法を示す図である。
【図8】把持した線材を切断する別の手法を示す図であ
る。
【図9】より詳しい実施例の構造を示す図である。
【図10】コイルから出ている線材を把持する様子を示
す図である。
【図11】コイルからの線材を端子に接続する様子を示
す図である。
【図12】線材を端子に接続してから切断する様子を示
す図である。
【図13】線材を端子に接続してから切断する様子を示
す図である。
【図14】従来例の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1……線材 1A…コイル 1a…残り代 11……第1のハンド部材 11a…軸部 11b…線材ガイド部 11c…線材把持部 12……第2のハンド部材 12a…軸部挿通孔 12b…矩形孔 12c…線材把持部 13……差し入れ口 14……線材把持用領域 15……カッター 16……カッター 21……シリンダ部 22……ソレノイド 23……磁石 24……第1のハンド部材 24a…軸部 24b…線材ガイド部 24c…線材把持部 25……第2のハンド部材 25a…軸部挿通孔 25b…切り込み 25c…線材把持部 26……差し入れ口 27……線材把持用領域 28……スプリング 29……端子 30……ハンダ線 31……ハンダゴテ 32……ハンダ接続点 33……カッター 100……線材把持装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に接近・離間して閉じ状態と開き
    状態とに切り換えられる第1および第2のハンド部材を
    有し、開き状態では第1のハンド部材と第2のハンド部
    材との間にたるみ状態にあるフレキシブルな線材を側方
    から差し入れる差し入れ口と、この差し入れ口から差し
    入れられた線材を位置させる線材把持用領域とを有し、
    前記第1および第2のハンド部材の相対的接近に伴って
    前記線材把持用領域を縮小し最終的に線材を前記両ハン
    ド部材により両ハンド部材の所定位置において挟持固定
    することを特徴とする線材把持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の線材把持装置におい
    て、第1のハンド部材は鉛直な軸部と、この軸部の下端
    から斜め上方に延出された線材ガイド部とからなり、第
    2のハンド部材は水平な板体と、前記軸部を通す軸部挿
    通孔と、前記線材ガイド部の大部分を通す矩形孔または
    切り込みとからなっていることを特徴とする線材把持装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の線材把
    持装置において、第1のハンド部材または第2のハンド
    部材に、両ハンド部材により把持された線材を切断する
    カッターを取り付けたことを特徴とする線材把持装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010069587A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Yaskawa Electric Corp ロボットシステム
JP2017113853A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 富士通株式会社 ロボットハンドおよびケーブル手繰り方法

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