JPH08260343A - 中空ポリエステル繊維及びその製造方法 - Google Patents

中空ポリエステル繊維及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08260343A
JPH08260343A JP9319195A JP9319195A JPH08260343A JP H08260343 A JPH08260343 A JP H08260343A JP 9319195 A JP9319195 A JP 9319195A JP 9319195 A JP9319195 A JP 9319195A JP H08260343 A JPH08260343 A JP H08260343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
hollow
polyester
glass transition
transition point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9319195A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Akita
隆 秋田
Juetsu Fukui
寿悦 福井
Hideo Sakakura
秀夫 坂倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP9319195A priority Critical patent/JPH08260343A/ja
Publication of JPH08260343A publication Critical patent/JPH08260343A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 手触りが柔らかく、繊維表面のヌメリ感のな
い優れた風合いを有し、かつ優れた吸水性を有する中空
ポリエステル繊維を安定かつ低コストで提供する。 【構成】 式R−SO3Mで表される有機スルホン酸金
属塩を0.5〜5重量%含有するエチレンテレフタレー
トを主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる中
空繊維であって、中空率が25%以上であり、繊維表面
の外表面及び中空内壁面の全面に0.1〜5μmの溝間
隔で繊維軸方向に配向する連続筋状溝を有する中空ポリ
エステル繊維を、ポリエステルを中空紡糸口金より紡出
し、ポリエステルのガラス転移点以下の温度に一旦冷却
した後、ガラス転移点以上融点未満の温度の加熱帯域中
を走行させ、3500〜6000m/分の速度で巻取
り、得られた繊維を減量率10%以上のアルカリ減量処
理して得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空ポリエステル繊維
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、多くの優れた特性
を有し、衣料用途等各種用途の広く用いられている。し
かしながら、ポリエステル繊維は、溶融紡糸法により製
造されるため、一般に繊維表面が平滑であり、手触りが
硬く、独特のヌメリ感があるという風合い面での欠点を
有する。このような欠点を改良したものとしてフィブリ
ル状繊維があり、その製造方法として、ポリエステルと
ポリエステルに非相溶性のポリマーをブレンドして溶融
紡糸する方法(特開昭55−16906号公報等)やポ
リエステルとポリアミドを複合紡糸してポリアミドの膨
潤剤で処理する方法(特公昭61−9427号公報等)
が提案されている。
【0003】また、ポリエステル繊維は、棉、絹、羊毛
等の天然繊維、レイヨン、アセテート等の半合成繊維に
比べ、吸水性、吸汗性に劣るという機能面での欠点を有
する。これらの欠点を改良するため、有機スルホン酸金
属塩を添加したポリエステルの中空繊維をアルカリ水溶
液で処理し、一部が中空部まで連通した微細孔を有する
吸水性ポリエステル繊維が特公昭61−60188号公
報、特公昭62−44065号公報等で提案されてい
る。
【0004】しかしながら、従来のフィブリル状繊維で
は、風合いは改良されるものの、吸水性の面で劣り、ま
た、繊維表面を微多孔化した従来の中空繊維では、吸水
性は改良されるものの、風合いの面での改良まで伴うも
のではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、手触りが柔
らかく、繊維表面のヌメリ感のない優れた風合いを有
し、かつ優れた吸水性を有する中空ポリエステル繊維を
安定かつ低コストで提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、式R−SO3
M(R:炭素数3〜30のアルキル基または炭素数7〜
40のアリール基若しくはアルキルアリール基、M:ア
ルカリ金属)で表される有機スルホン酸金属塩を0.5
〜5重量%含有するエチレンテレフタレートを主たる繰
り返し単位とするポリエステルからなる中空繊維であっ
て、中空率が25%以上であり、繊維表面の外表面及び
中空内壁面の全面に0.1〜5μmの溝間隔で繊維軸方
向に配向する連続筋状溝を有する中空ポリエステル繊
維、
【0007】及び、式R−SO3M(R:炭素数3〜3
0のアルキル基または炭素数7〜40のアリール基若し
くはアルキルアリール基、M:アルカリ金属)で表され
る有機スルホン酸金属塩を0.5〜5重量%含有するエ
チレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリ
エステルポリマーを溶融紡糸してポリエステル繊維を製
造する際、中空紡糸口金より紡出した糸条を、ポリエス
テルのガラス転移点以下の温度に一旦冷却した後、ガラ
ス転移点以上融点未満の温度の加熱帯域中を走行させ、
3500〜6000m/分の速度で巻取り、得られた繊
維を減量率10%以上のアルカリ減量処理することを特
徴とする中空ポリエステル繊維の製造方法にある。
【0008】本発明の中空ポリエステル繊維は、前記式
R−SO3Mで表される有機スルホン酸金属塩を0.5
〜5重量%含有するエチレンテレフタレートを主たる繰
り返し単位とするポリエステルから構成される。ポリエ
ステルは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導
体をジカルボン酸成分とし、エチレングリコールまたは
そのエステル形成性誘導体をグリコール成分としたエチ
レンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするもの
で、ジカルボン酸成分及びまたはグリコール成分の一部
を他のジカルボン酸成分及びまたはグリコール成分で置
き換えたものでもよい。
【0009】他のジカルボン酸成分としては、例えばイ
ソフタル酸、5−スルホイソフタルアルカリ金属塩、ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフ
ェニルスルホンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボ
ン酸またはそのエステル、p−オキシ安息香酸、p−β
−オキシエトキシ安息香酸等のオキシカルボン酸または
そのエステルが挙げられる。
【0010】また、他のグリコール成分としては、例え
ば炭素数2〜10のアルキレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ビス(β−オキシエトキシ)ベンゼン、ビスフ
ェノールAのビスグリコールエーテル、ポリアルキレン
グリコールが挙げられる。
【0011】さらに、ポリエステルが実質的に線状であ
れば、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボ
ン酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン等のポリオール、モノハイドリックポリ
アルキレンオキサイド、フェニル酢酸等の重合禁止剤が
含まれていてもよい。
【0012】かかるポリエステルは、公知の任意の方法
で合成されたものでよく、例えばポリエチレンテレフタ
レートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレング
リコールを直接エステル化反応させるか、ジメチルテレ
フタレートとエチレングリコールをエステル交換反応さ
せるかしてテレフタル酸のグリコールエステルまたはそ
の低縮合物を作り、次いで重縮合させる方法により合成
され、合成に際し、公知の触媒、抗酸化剤、着色防止
剤、エーテル結合副生防止剤、難燃剤等が添加されたも
のでよい。
【0013】ポリエステルに含有される前記式R−SO
3Mで表される有機スルホン酸金属塩としては、例えば
炭素数3〜30のアルキルスルホン酸のナトリウム塩、
カリウム塩、リチウム塩、または、トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、カリ
ウム塩、リチウム塩或いはこれらの同種または異種の混
合物が挙げられ、ポリエステルに0.5〜5重量%、好
ましくは1〜4重量%含まれ、有機スルホン酸金属塩の
含有は、ポリエステル繊維の親水性の改善に寄与する。
【0014】本発明の中空ポリエステル繊維は、有機ス
ルホン酸金属塩を含有するポリエステルからなり、繊維
断面における中空部の割合である中空率が25%以上で
あり、さらに、繊維表面の外表面及び中空内壁面の全面
に0.1〜5μmの溝間隔で繊維軸方向に配向する連続
筋状溝を有する。中空率が25%未満では、吸水性が不
十分であり、溝間隔が0.1μm未満でも5μmを超え
ても、手触りの柔らかさの付与、ヌメリ感の解消は不十
分である。本発明の中空ポリエステル繊維における高中
空率は、繊維表面の水分を繊維内部に取り込み、繊維表
面の外表面及び中空内壁面の連続筋状溝は手触りを柔ら
かくし、ヌメリ感を改善し、さらに表面のフィブリル化
による毛細管現象により吸水性を改善する。
【0015】図1に本発明の中空ポリエステル繊維の一
例の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【0016】本発明の中空ポリエステル繊維の製造につ
いて、以下説明する。用いるポリエステルポリマーは、
前記のように、エチレンテレフタレートを主たる繰り返
し単位とするポリエステルであり、ポリエステルへの前
記式R−SO3Mで表される有機スルホン酸金属塩の添
加は、ポリエステルの溶融紡糸工程が終了する以前の任
意の段階でよく、例えば、ポリエステルの原料中に添加
配合してもよく、ポリエステルの合成中に添加してもよ
く、また合成後溶融紡糸するまでの間に添加してもよい
が、添加後に溶融状態で充分に混合されるような添加手
段を用いることが好ましい。
【0017】ポリエステルへの有機スルホン酸金属塩の
添加量は、0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%
とし、添加量が0.5重量%未満では、親水性付与及び
後の工程でのアルカリ減量処理による連続筋状溝の形成
が不充分となり、5重量%を超えると、製糸工程におけ
る通過性が悪化する。
【0018】有機スルホン酸金属塩の添加に際しては、
通常市販されている有機スルホン酸金属塩には、塩化ナ
トリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩の不純物が含まれ
ているが、これら不純物は、背圧上昇や糸切れ等の溶融
紡糸の安定性を阻害するので、有機スルホン酸金属塩中
の不純物を予め少なくすることが望ましく、好ましくは
有機スルホン酸金属塩に含まれる塩化ナトリウムを0.
5重量%以下、硫酸ナトリウムを0.1重量%以下とす
る。
【0019】有機スルホン酸金属塩を含有するポリエス
テルポリマーの溶融紡糸においては、紡糸口金として、
中空繊維製造用の中空紡糸口金を用い、公知の任意の紡
糸条件で紡糸口金より紡出する。用いる中空紡糸口金
は、円形中空繊維用のみならず、異形中空繊維用の中空
紡糸口金であってもよい。
【0020】紡出後、紡出糸条を、ポリエステルのガラ
ス転移点以下の温度に一旦冷却する。この冷却は、得ら
れる繊維の染色性を優れたものとし、繊維物性を実用上
充分ものとするために不可欠である。冷却後、引き続
き、糸条をガラス転移点以上融点未満の温度、好ましく
は120〜130℃の温度の加熱帯域中を走行させ再加
熱する。加熱帯域の温度がガラス転移点未満の温度で
は、繊維物性が実用に耐え得ない著しく劣ったものとな
り、融点以上の温度では、単繊維間の融着や糸切れを招
き、製糸上問題となるだけでなく、得られた繊維を製編
織して得た布帛の風合いを著しく劣るものとする。
【0021】加熱帯域を形成する装置は、高速で走行す
る糸条が加熱部との接触の起因する糸斑等を発生させな
いため、糸条と接触しない間接加熱型の装置が好まし
く、また、糸条に随伴する高速気流に起因する温度斑、
熱効率低下を防ぐため、糸条の出入口部の開口面積をで
きる限り小さくした装置であることが好ましい。
【0022】加熱帯域における加熱方法としては、空気
等の気体を予め加熱して装置内へ供給する方法、走行す
る糸条の周囲に設置した加熱ヒーターで直接雰囲気を加
熱する方法等いずれの方法であってもよい。また、加熱
帯域は、2つ以上に分割され、各々異なる温度雰囲気下
にあるものであってもよい。加熱帯域を走行する糸条
は、熱処理され、実質的な延伸が施される。
【0023】加熱帯域を通過した糸条は、糸条に適宜油
剤を付与した後、引き取りローラーにより引き取られ、
巻取り機にて巻取られるが、本発明においては、巻取り
は、3500〜6000m/分、好ましくは4000〜
6000m/分の速度で行う。巻取り速度が3500m
/分未満では、得られる繊維の染色性が劣り、また繊維
物性が実用に耐え得ない著しく劣ったものとなり、60
00m/分を超えると、加熱帯域で充分に熱処理され延
伸された糸条とすることができない。なお、引き取り速
度は、巻取り速度より0.5〜1%大とすることが好ま
しい。
【0024】引き取りローラーを介しての糸条の巻取り
に際しては、2つの引き取りローラー間に熱緩和処理装
置を設け、オーバーフィード下で加熱することにより糸
条の応力を緩和させることが好ましい。またこの熱緩和
処理装置の前または後に流体交絡処理装置を設けて糸条
の緩和率を増大させることもできる。
【0025】本発明においては、得られた繊維を、必要
に応じて仮撚加工或いは熱処理した後の任意の工程で、
アルカリ減量処理するが、アルカリ減量処理するに先立
ち、120℃以上、好ましく140℃以上の温度で、1
0秒以上、好ましくは20秒以上乾熱処理する。この乾
熱処理は、後のアルカリ減量処理による繊維表面及び中
空内壁面の連続筋状溝の形成及びフィブル化のため必要
であり、得られた繊維を製編織して布帛とした後に施す
ことが好ましい。
【0026】さらに、本発明においては、乾熱処理後、
アルカリ減量処理を施す。アルカリ減量処理は、減量率
で10%以上、好ましくは15%以上の減量する。この
アルカリ減量処理により、繊維表面及び中空内壁面の全
面に0.1〜5μmの溝間隔で繊維軸方向に配向する連
続筋状溝を形成し、さらに図2の走査型電子顕微鏡拡大
写真に示すように繊維内部に微多孔質構造を形成する。
アルカリ減量処理においては、繊維に含有される配向さ
れた有機スルホン酸金属塩がアルカリ減量の活性点とな
り、連続筋状溝、微多孔質構造の形成とフィブリル化を
ひき起こす。
【0027】アルカリ減量処理においては、アルカリ化
合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等が用いられ、特に水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムが好ましく用いられ、アルカリ化合
物の種類、処理条件等により異なるが、0.1〜30重
量%の濃度のアルカリ化合物水溶液で、常温〜100℃
の処理温度、1分〜4時間の処理時間で行う。このアル
カリ減量処理は、布帛とした後に施すことが好ましい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中、部、%とあるは重量部、重量%を
意味する。また、実施例中の各特性値は下記の方法によ
り測定した。
【0029】(極限粘度)フェノール/テトラクロルエ
タン(50/50)を用いウベローデ粘度計で25℃で
測定した。
【0030】(吸水性能)得られた原糸を次の条件 経糸:ポリエステル通常糸50デニール/18フィラメ
ント 緯糸:本発明中空ポリエステル繊維糸100デニール/
30フィラメント 経糸密度:40本/cm 緯糸密度:29.1本/cm で製織した後、精練、プリセットし、水酸化ナトリウム
2%水溶液を用い沸騰温度で所定時間アルカリ減量処理
した。この織物を試料とし直径15cmの刺繍用丸枠に
取り付け、水滴滴下法により滴下した水滴の消失時間を
計測した。水滴には蒸留水を用い、水滴量を0.039
ml、ビューレット先端と試料表面との距離を1cm、
室温下相対湿度55〜60%で測定、5〜7回測定の平
均水滴消失時間を求めた。
【0031】(実施例1)テレフタル酸100部とエチ
レングリコール52部をエステル化槽に仕込み、4kg
/cm2の加圧下、260℃でエステル化反応を行っ
た。引き続き得られた反応生成物に、トリメチルホスフ
ェイト0.01%(対生成ポリマー)、三酸化アンチモ
ン0.04%(対生成ポリマー)、二酸化チタン0.5
%(対生成ポリマー)をエチレングリコール分散液とし
て加え、さらに平均の炭素数が15のアルキルスルホン
酸ナトリウム(塩化ナトリウム0.02%、硫酸ナトリ
ウム0.05%含有)2.0%をエチレングリコール分
散液として加え、重合槽に移し、高真空下、285℃で
重縮合反応を行い、極限粘度0.69のポリエステルポ
リマーを得た。
【0032】このポリマーを常法によりチップ化し、乾
燥した後、孔数30の円形中空紡糸口金を用いて、紡糸
温度284℃にて紡出した。紡出糸条を冷却空気で冷却
固化した後、210℃に設定した円筒型間接加熱処理装
置中を走行させ、次いで油剤を付与し、引き取りローラ
ー間に設けた流体交絡処理装置で流体交絡処理し、35
0℃に設定した熱処理装置をオーバーフィード率0.5
%の条件下で通過させ、4000m/分の巻取り速度で
巻取り、100デニール/36フィラメントの延伸繊維
を得た。
【0033】得られた繊維は、強度が3.8g/d、残
留伸度が34%であり、染色したときに染色斑のない均
質なものであった。得られた繊維を用い製織した後、織
物を180℃で1分間乾熱処理し、引き続き、アルカリ
減量処理により減量率31%に減量した。減量後の織物
を構成する繊維は、中空率が36%の中空繊維であっ
て、溝間隔が0.3〜3μmで繊維軸方向に配向した連
続筋状溝を繊維表面及び中空内壁面の全面に有するもの
であった。得られた織物は、柔軟でありながらドライな
優れた風合いを呈し、水滴消失時間が2分37秒と良好
な吸水性能を有していた。
【0034】(比較例1)実施例1において、アルキル
スルホン酸ナトリウムを添加しないポリエステルポリマ
ーを用いた以外は、実施例1と同様にして織物を得た
が、減量後の織物を構成する中空繊維は、繊維表面及び
中空内壁面の全面には連続筋状溝が全く形成されず、中
空率も17%と低いものであり、また、水滴消失時間が
45分29秒と吸水性能に劣るものであった。
【0035】
【発明の効果】本発明の中空ポリエステル繊維は、高い
中空率と繊維表面及び中空内壁面の連続筋状溝さらに繊
維内部の微多孔質構造によりフィブリル化が容易に生ず
ることから、手触りが柔らかく、繊維表面のヌメリ感の
ない優れた風合いと優れた吸水性を有しており、本発明
の中空ポリエステル繊維からなる織編物においては、優
れた風合いと吸水性を奏する。また、本発明によれば、
かかる中空ポリエステル繊維を安定かつ低コストで得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空ポリエステル繊維の一例の走査型
電子顕微鏡写真(倍率500倍)である。
【図2】本発明の中空ポリエステル繊維の一例の走査型
電子顕微鏡拡大写真(倍率1000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/62 303 D01F 6/62 303B 6/84 305 6/84 305A 6/86 301 6/86 301J 6/92 306 6/92 306A // D06M 101:32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式R−SO3M(R:炭素数3〜30の
    アルキル基または炭素数7〜40のアリール基若しくは
    アルキルアリール基、M:アルカリ金属)で表される有
    機スルホン酸金属塩を0.5〜5重量%含有するエチレ
    ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエス
    テルからなる中空繊維であって、中空率が25%以上で
    あり、繊維表面の外表面及び中空内壁面の全面に0.1
    〜5μmの溝間隔で繊維軸方向に配向する連続筋状溝を
    有する中空ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 式R−SO3M(R:炭素数3〜30の
    アルキル基または炭素数7〜40のアリール基若しくは
    アルキルアリール基、M:アルカリ金属)で表される有
    機スルホン酸金属塩を0.5〜5重量%含有するエチレ
    ンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエス
    テルポリマーを溶融紡糸してポリエステル繊維を製造す
    る際、中空紡糸口金より紡出した糸条を、ポリエステル
    のガラス転移点以下の温度に一旦冷却した後、ガラス転
    移点以上融点未満の温度の加熱帯域中を走行させ、35
    00〜6000m/分の速度で巻取り、得られた繊維を
    減量率10%以上のアルカリ減量処理することを特徴と
    する中空ポリエステル繊維の製造方法。
JP9319195A 1995-03-28 1995-03-28 中空ポリエステル繊維及びその製造方法 Pending JPH08260343A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9319195A JPH08260343A (ja) 1995-03-28 1995-03-28 中空ポリエステル繊維及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9319195A JPH08260343A (ja) 1995-03-28 1995-03-28 中空ポリエステル繊維及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08260343A true JPH08260343A (ja) 1996-10-08

Family

ID=14075695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9319195A Pending JPH08260343A (ja) 1995-03-28 1995-03-28 中空ポリエステル繊維及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08260343A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0953660A1 (en) * 1998-04-30 1999-11-03 Teijin Limited Divisible hollow copolyester fibers and divided copolyester fibers, woven or knitted fabric, artificial leather and nonwoven fabric comprising same
JP2002266167A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Teijin Ltd 分割性中空ポリエステル繊維
CN110670159A (zh) * 2019-09-30 2020-01-10 安徽农业大学 一种高吸湿再生pet纤维长丝制备工艺
CN115038830A (zh) * 2020-01-29 2022-09-09 瑟迪亚国际有限公司 用于非织造产品的含乙酸纤维素的纤维材料
WO2024036929A1 (zh) * 2022-08-16 2024-02-22 深圳麦克韦尔科技有限公司 聚酯纤维及其制备方法和应用

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0953660A1 (en) * 1998-04-30 1999-11-03 Teijin Limited Divisible hollow copolyester fibers and divided copolyester fibers, woven or knitted fabric, artificial leather and nonwoven fabric comprising same
KR100557271B1 (ko) * 1998-04-30 2006-03-07 데이진 가부시키가이샤 분리가능한 중공 코폴리에스테르 섬유 및 분리된 코폴리에스테르 섬유, 이를 포함하는 직물 또는 편직물, 인조 가죽 및 부직포
JP2002266167A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Teijin Ltd 分割性中空ポリエステル繊維
JP4495874B2 (ja) * 2001-03-13 2010-07-07 帝人ファイバー株式会社 分割性中空ポリエステル繊維
CN110670159A (zh) * 2019-09-30 2020-01-10 安徽农业大学 一种高吸湿再生pet纤维长丝制备工艺
CN115038830A (zh) * 2020-01-29 2022-09-09 瑟迪亚国际有限公司 用于非织造产品的含乙酸纤维素的纤维材料
WO2024036929A1 (zh) * 2022-08-16 2024-02-22 深圳麦克韦尔科技有限公司 聚酯纤维及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100364302B1 (ko) 가공성이 우수한 폴리에스테르 섬유 및 그의 제조방법
JP5813747B2 (ja) カチオン可染ポリエステル繊維及び複合繊維
JP3226931B2 (ja) ポリエステル繊維及びそれを用いた布帛
JPH08260343A (ja) 中空ポリエステル繊維及びその製造方法
JP3583248B2 (ja) ポリエステルとポリアミドからなる分割型複合繊維およびその製造方法
JPS59204919A (ja) 細繊度ポリエステル繊維の製造方法
JP3293704B2 (ja) ポリエステル繊維及びその製造方法
JPH08260344A (ja) フィブリル化ポリエステル繊維及びその製造方法
JP2691855B2 (ja) ポリエステル繊維及びその製造方法
JP3207968B2 (ja) 混繊糸
JPH03113070A (ja) ポリエステル繊維の製造法
JP2852920B2 (ja) 制電性ポリエステル繊維
JPH03241024A (ja) カチオン可染極細仮撚加工糸の製造方法
JPH09291419A (ja) 改質ポリエステル繊維前駆体及び改質ポリエステル繊維並びにその製造方法
JP2896953B2 (ja) 極細ポリエステル繊維の製造方法
JP2772926B2 (ja) 制電性ポリエステル繊維の製造方法
JP2939688B2 (ja) フィブリル状ポリエステル繊維及びその製造方法
JP2555136B2 (ja) 微細孔ポリエステル繊維の製造法
JPH11107048A (ja) 染色性及び紫外線遮蔽性に優れた芯鞘型ポリエステル繊維及びその製造方法
JP2896204B2 (ja) 制電性能に優れたポリエステル繊維及びその製造方法
JPH08291463A (ja) ポリエステル中空太細繊維及びその製造方法
JP3574543B2 (ja) ポリエステル太細糸の製造方法
JPH08291462A (ja) ポリエステル中空太細繊維及びその製造法
JPH0835114A (ja) 発色性に優れた繊維
JPH0978357A (ja) 改質ポリエステル繊維及びその中間体並びにその製造方法