JPH08291462A - ポリエステル中空太細繊維及びその製造法 - Google Patents
ポリエステル中空太細繊維及びその製造法Info
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- JPH08291462A JPH08291462A JP11764095A JP11764095A JPH08291462A JP H08291462 A JPH08291462 A JP H08291462A JP 11764095 A JP11764095 A JP 11764095A JP 11764095 A JP11764095 A JP 11764095A JP H08291462 A JPH08291462 A JP H08291462A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い吸水性を有すると共に、優れた接触涼感
とドライ感のある風合いを有し、白度の良好なポリエス
テル中空太細繊維を提供し、かつ、かかる繊維を安定性
よく得る。 【構成】 一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μｍ
のコロイド状炭酸カルシウム粒子を０．４〜５重量％含
有のポリエステルからなる中空太細繊維であって、中空
率が２５％以上の中空部、繊維表面に微細凹凸構造及び
その少なくとも一部に繊維軸方向の径が１〜１５μｍ、
幅方向の径が１〜７μｍの繊維表面から中空部への貫通
孔を有するポリエステル中空太細繊維を、コロイド状炭
酸カルシウム粒子を含有するポリエステルポリマーを溶
融紡糸して未延伸繊維とし、最大延伸倍率の０．４５〜
０．５５倍の延伸倍率、結晶化温度以下の温度で不均一
延伸し、ガラス転移温度以上結晶化温度以下の温度で熱
セットした後、減量率１０％以上のアルカリ減量して得
る。
とドライ感のある風合いを有し、白度の良好なポリエス
テル中空太細繊維を提供し、かつ、かかる繊維を安定性
よく得る。 【構成】 一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μｍ
のコロイド状炭酸カルシウム粒子を０．４〜５重量％含
有のポリエステルからなる中空太細繊維であって、中空
率が２５％以上の中空部、繊維表面に微細凹凸構造及び
その少なくとも一部に繊維軸方向の径が１〜１５μｍ、
幅方向の径が１〜７μｍの繊維表面から中空部への貫通
孔を有するポリエステル中空太細繊維を、コロイド状炭
酸カルシウム粒子を含有するポリエステルポリマーを溶
融紡糸して未延伸繊維とし、最大延伸倍率の０．４５〜
０．５５倍の延伸倍率、結晶化温度以下の温度で不均一
延伸し、ガラス転移温度以上結晶化温度以下の温度で熱
セットした後、減量率１０％以上のアルカリ減量して得
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル中空太細
繊維及びその製造法に関する。
繊維及びその製造法に関する。
【０００２】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、多くの優れた特性
を有し、衣料用途をはじめ各種用途に用いられている。
しかしながら、ポリエステル繊維は、溶融紡糸法により
製造されるため、一般に繊維状面が平滑であり、手触り
が硬く、独特のヌメリ感があるという風合い面での欠点
を有している。
を有し、衣料用途をはじめ各種用途に用いられている。
しかしながら、ポリエステル繊維は、溶融紡糸法により
製造されるため、一般に繊維状面が平滑であり、手触り
が硬く、独特のヌメリ感があるという風合い面での欠点
を有している。
【０００３】また、ポリエステル繊維は、綿、絹、羊毛
等の天然繊維、レーヨン、アセテート繊維等の半合成繊
維に比べ、吸水性、吸汗性に劣るという機能面での欠点
も有している。これら欠点のうち、特にこの機能面での
欠点を改良するものとして、有機スルホン酸金属塩を添
加したポリエステルからなる中空繊維をアルカリ水溶液
で処理することによる、一部が中空部まで連通している
微細孔を繊維表面に有する吸水性ポリエステル繊維が特
公昭６１−６０１８８号公報、特公昭６２−４４０６５
号公報等で既に提案されている。
等の天然繊維、レーヨン、アセテート繊維等の半合成繊
維に比べ、吸水性、吸汗性に劣るという機能面での欠点
も有している。これら欠点のうち、特にこの機能面での
欠点を改良するものとして、有機スルホン酸金属塩を添
加したポリエステルからなる中空繊維をアルカリ水溶液
で処理することによる、一部が中空部まで連通している
微細孔を繊維表面に有する吸水性ポリエステル繊維が特
公昭６１−６０１８８号公報、特公昭６２−４４０６５
号公報等で既に提案されている。
【０００４】しかしながら、繊維表面を微多孔化した従
来のポリエステル中空繊維は、吸水性は改良されたもの
であるが、風合いの改良としては満足できるものでもの
ではなかった。
来のポリエステル中空繊維は、吸水性は改良されたもの
であるが、風合いの改良としては満足できるものでもの
ではなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い吸水性
を有すると共に、優れた接触涼感とドライ感のある風合
いを有し、白度の良好なポリエステル中空太細繊維を提
供し、かつ、かかるポリエステル中空太細繊維を安定性
よく得ることを目的とする。
を有すると共に、優れた接触涼感とドライ感のある風合
いを有し、白度の良好なポリエステル中空太細繊維を提
供し、かつ、かかるポリエステル中空太細繊維を安定性
よく得ることを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、一次粒子の平
均粒径が０．０２〜０．３μｍのコロイド状炭酸カルシ
ウム粒子を０．４〜５重量％含有する主たる繰り返し単
位がエチレンテレフタレートであるポリエステルからな
る中空太細繊維であって、中空率が２５％以上の中空
部、繊維表面に微細凹凸構造及び繊維表面の少なくとも
一部に繊維軸方向の径が１〜１５μｍ、幅方向の径が１
〜７μｍの繊維表面から中空部へ貫通する細孔を有する
ことを特徴とするポリエステル中空太細繊維、及び、
均粒径が０．０２〜０．３μｍのコロイド状炭酸カルシ
ウム粒子を０．４〜５重量％含有する主たる繰り返し単
位がエチレンテレフタレートであるポリエステルからな
る中空太細繊維であって、中空率が２５％以上の中空
部、繊維表面に微細凹凸構造及び繊維表面の少なくとも
一部に繊維軸方向の径が１〜１５μｍ、幅方向の径が１
〜７μｍの繊維表面から中空部へ貫通する細孔を有する
ことを特徴とするポリエステル中空太細繊維、及び、
【０００７】一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μ
ｍのコロイド状炭酸カルシウム粒子を０．４〜５重量％
含有する主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート
であるポリエステルポリマーを溶融紡糸して中空繊維の
未延伸繊維とし、該未延伸繊維を下記（１）〜（２）の
条件で不均一延伸し、下記（３）の条件で熱セットして
中空率が２０％以上の中空太細繊維とした後、アルカリ
性化合物の水溶液で減量率１０％以上のアルカリ減量処
理を施すことを特徴とするポリエステル中空太細繊維の
製造法にある。
ｍのコロイド状炭酸カルシウム粒子を０．４〜５重量％
含有する主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート
であるポリエステルポリマーを溶融紡糸して中空繊維の
未延伸繊維とし、該未延伸繊維を下記（１）〜（２）の
条件で不均一延伸し、下記（３）の条件で熱セットして
中空率が２０％以上の中空太細繊維とした後、アルカリ
性化合物の水溶液で減量率１０％以上のアルカリ減量処
理を施すことを特徴とするポリエステル中空太細繊維の
製造法にある。
【０００８】 （１） ＭＤＲ×０．４５≦ＤＲ≦ＭＤＲ×０．５５ （２） ＨＲＴ≦Ｔｃ （３） Ｔｇ≦ＨＰＴ≦Ｔｃ 但し、ＭＤＲは未延伸繊維の最大延伸倍率、ＤＲは延伸
倍率、ＨＲＴは延伸温度（℃）、ＨＰＴは熱セット温度
（℃）、Ｔｃは未延伸繊維の結晶化温度（℃）、Ｔｇは
未延伸繊維のガラス転移温度（℃）を示す。
倍率、ＨＲＴは延伸温度（℃）、ＨＰＴは熱セット温度
（℃）、Ｔｃは未延伸繊維の結晶化温度（℃）、Ｔｇは
未延伸繊維のガラス転移温度（℃）を示す。
【０００９】本発明のポリエステル中空太細繊維は、一
次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μｍのコロイド状
炭酸カルシウム粒子を０．４〜５重量％含有する主たる
繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエス
テルから構成される。基体となるポリエステルは、テレ
フタル酸またはそのエステル形成性誘導体をジカルボン
酸成分とし、エチレングリコールまたはそのエステル形
成性誘導体をグリコール成分としたエチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするもので、ジカルボン酸
成分及びまたはグリコール成分の一部を他のジカルボン
酸成分及びまたはグリコール成分で置き換えたものであ
ってもよい。
次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μｍのコロイド状
炭酸カルシウム粒子を０．４〜５重量％含有する主たる
繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエス
テルから構成される。基体となるポリエステルは、テレ
フタル酸またはそのエステル形成性誘導体をジカルボン
酸成分とし、エチレングリコールまたはそのエステル形
成性誘導体をグリコール成分としたエチレンテレフタレ
ートを主たる繰り返し単位とするもので、ジカルボン酸
成分及びまたはグリコール成分の一部を他のジカルボン
酸成分及びまたはグリコール成分で置き換えたものであ
ってもよい。
【００１０】他のジカルボン酸成分としては、例えばア
ジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、５−スルホイソ
フタルアルカリ金属塩等が、また、他のグリコール成分
としては、例えばプロピレングリコール、ブチレングリ
コール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
ジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、５−スルホイソ
フタルアルカリ金属塩等が、また、他のグリコール成分
としては、例えばプロピレングリコール、ブチレングリ
コール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【００１１】かかるポリエステルは、公知の任意の方法
で合成されたものでよく、例えばポリエチレンテレフタ
レートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレング
リコールを直接エステル化反応させるか、ジメチルテレ
フタレートとエチレングリコールをエステル交換反応さ
せるかしてテレフタル酸のグリコールエステルまたはそ
の低縮合物を作り、次いで重縮合させる方法により合成
される。さらに、合成に際し、任意の触媒を用いた、ま
た抗酸化剤、着色防止剤、エーテル結合副生防止剤、難
燃剤等が添加されたものでもよい。
で合成されたものでよく、例えばポリエチレンテレフタ
レートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレング
リコールを直接エステル化反応させるか、ジメチルテレ
フタレートとエチレングリコールをエステル交換反応さ
せるかしてテレフタル酸のグリコールエステルまたはそ
の低縮合物を作り、次いで重縮合させる方法により合成
される。さらに、合成に際し、任意の触媒を用いた、ま
た抗酸化剤、着色防止剤、エーテル結合副生防止剤、難
燃剤等が添加されたものでもよい。
【００１２】ポリエステルに０．４〜５重量％、好まし
くは０．６〜４重量％含有されるコロイド状炭酸カルシ
ウム粒子は、一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μ
ｍの炭酸カルシウム粒子であることが必要である。な
お、一次粒子の平均粒径とは、一次粒子と同一容積の仮
想的な球の直径を意味する。
くは０．６〜４重量％含有されるコロイド状炭酸カルシ
ウム粒子は、一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μ
ｍの炭酸カルシウム粒子であることが必要である。な
お、一次粒子の平均粒径とは、一次粒子と同一容積の仮
想的な球の直径を意味する。
【００１３】本発明のポリエステル中空太細繊維は、中
空率が２５％以上の中空部を有する太細繊維であって、
その繊維表面に微細凹凸構造と繊維表面の少なくとも一
部に繊維軸方向の径が１〜１５μｍ、幅方向の径が１〜
７μｍの繊維表面から中空部へ貫通する細孔を有する。
中空率が２５％未満では、高い吸水性が得られない。
空率が２５％以上の中空部を有する太細繊維であって、
その繊維表面に微細凹凸構造と繊維表面の少なくとも一
部に繊維軸方向の径が１〜１５μｍ、幅方向の径が１〜
７μｍの繊維表面から中空部へ貫通する細孔を有する。
中空率が２５％未満では、高い吸水性が得られない。
【００１４】本発明のポリエステル中空太細繊維におい
ては、繊維表面に水が存在すると、水は、繊維表面から
貫通孔を通って中空部へ移動し、中空部の毛細管現象で
拡散され、また、繊維表面からの急速な水の吸収と共に
繊維表面の微細凹凸構造とによって、優れた接触涼感と
ドライ感のある風合いを与え、さらに、白度が良好で、
しかも織物等としたときの透け防止効果を有するもので
ある。
ては、繊維表面に水が存在すると、水は、繊維表面から
貫通孔を通って中空部へ移動し、中空部の毛細管現象で
拡散され、また、繊維表面からの急速な水の吸収と共に
繊維表面の微細凹凸構造とによって、優れた接触涼感と
ドライ感のある風合いを与え、さらに、白度が良好で、
しかも織物等としたときの透け防止効果を有するもので
ある。
【００１５】図１に本発明のポリエステル中空太細繊維
の例の繊維表面の走査型電子顕微鏡写真（倍率２０００
倍）を示す。
の例の繊維表面の走査型電子顕微鏡写真（倍率２０００
倍）を示す。
【００１６】本発明のポリエステル中空太細繊維は、以
下説明する方法により製造される。本発明においては、
ポリエステルポリマーとして、炭酸カルシウム粒子をポ
リエステルの合成反応が完結する任意の段階で添加含有
させた主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートで
あるポリエステルポリマーを用い、ポリエステルポリマ
ーを中空繊維製造用の任意の中空紡糸口金を用いて溶融
紡糸して中空繊維の未延伸繊維とする。
下説明する方法により製造される。本発明においては、
ポリエステルポリマーとして、炭酸カルシウム粒子をポ
リエステルの合成反応が完結する任意の段階で添加含有
させた主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートで
あるポリエステルポリマーを用い、ポリエステルポリマ
ーを中空繊維製造用の任意の中空紡糸口金を用いて溶融
紡糸して中空繊維の未延伸繊維とする。
【００１７】用いるコロイド状炭酸カルシウム粒子は、
一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μｍであり、
０．０２μｍ未満では、ポリエステルポリマー及び繊維
の製造工程において粒子が二次凝集し易くなり、製糸工
程の安定性を低下させ、また、０．３μｍを超えると、
繊維表面の微細凹凸構造が形成されず、十分なドライ感
を得ることができない。コロイド状炭酸カルシウム粒子
は、ポリエステルに０．４〜５重量％、好ましくは０．
６〜４重量％添加含有される。含有量が０．４重量％未
満では、繊維表面の微細凹凸構造が形成されず、また、
繊維表面から中空部へ貫通する細孔が形成されず、良好
な吸水性が得られず、５重量％を超えると、製糸工程の
安定性及び高次加工工程の通過安定性を悪化させる。
一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３μｍであり、
０．０２μｍ未満では、ポリエステルポリマー及び繊維
の製造工程において粒子が二次凝集し易くなり、製糸工
程の安定性を低下させ、また、０．３μｍを超えると、
繊維表面の微細凹凸構造が形成されず、十分なドライ感
を得ることができない。コロイド状炭酸カルシウム粒子
は、ポリエステルに０．４〜５重量％、好ましくは０．
６〜４重量％添加含有される。含有量が０．４重量％未
満では、繊維表面の微細凹凸構造が形成されず、また、
繊維表面から中空部へ貫通する細孔が形成されず、良好
な吸水性が得られず、５重量％を超えると、製糸工程の
安定性及び高次加工工程の通過安定性を悪化させる。
【００１８】次いで、この未延伸繊維を、延伸倍率ＤＲ
をＭＤＲ（未延伸繊維の最大延伸倍率）×０．４５〜Ｍ
ＤＲ×０．５５の範囲の倍率、延伸温度ＨＲＴを未延伸
繊維の結晶化温度Ｔｃ以下の温度に設定して、不均一延
伸し、所定の収縮率となるよう熱セット温度ＨＰＴを未
延伸繊維のガラス転移温度Ｔｇ〜結晶化温度Ｔｃに設定
して熱セットして中空率が２０％以上の中空太細繊維と
する。中空率が２０％未満では、後のアルカリ減量での
２５％以上の中空率、貫通孔の形成が困難となる。本発
明においては、中空太細繊維を、後の工程での通過安定
性、ドライ感の風合いを得る上で、破断伸度５０〜１２
０％、沸水収縮率１０〜７０％とすることが好ましい。
をＭＤＲ（未延伸繊維の最大延伸倍率）×０．４５〜Ｍ
ＤＲ×０．５５の範囲の倍率、延伸温度ＨＲＴを未延伸
繊維の結晶化温度Ｔｃ以下の温度に設定して、不均一延
伸し、所定の収縮率となるよう熱セット温度ＨＰＴを未
延伸繊維のガラス転移温度Ｔｇ〜結晶化温度Ｔｃに設定
して熱セットして中空率が２０％以上の中空太細繊維と
する。中空率が２０％未満では、後のアルカリ減量での
２５％以上の中空率、貫通孔の形成が困難となる。本発
明においては、中空太細繊維を、後の工程での通過安定
性、ドライ感の風合いを得る上で、破断伸度５０〜１２
０％、沸水収縮率１０〜７０％とすることが好ましい。
【００１９】さらに、本発明においては、この中空太細
繊維に、必要に応じ熱処理または仮撚加工を施した後、
或いはさらに布帛とした後、アルカリ性化合物の水溶液
で減量率１０％以上のアルカリ減量処理を施す。
繊維に、必要に応じ熱処理または仮撚加工を施した後、
或いはさらに布帛とした後、アルカリ性化合物の水溶液
で減量率１０％以上のアルカリ減量処理を施す。
【００２０】アルカリ減量処理には、アルカリ性化合物
の水溶液が用いられ、アルカリ性化合物として、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド
等が用いられ、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
が好ましく用いられる。水溶液濃度は、アルカリ性化合
物の種類、処理条件等により異なるが、０．１〜３０重
量％の濃度とし、処理は、処理温度を常温〜１００℃、
好ましくは７０〜１００℃、処理時間を１分〜４時間、
好ましくは３０〜９０分とし、好ましくはアルカリ性化
合物水溶液に浸漬することにより行う。
の水溶液が用いられ、アルカリ性化合物として、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド
等が用いられ、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
が好ましく用いられる。水溶液濃度は、アルカリ性化合
物の種類、処理条件等により異なるが、０．１〜３０重
量％の濃度とし、処理は、処理温度を常温〜１００℃、
好ましくは７０〜１００℃、処理時間を１分〜４時間、
好ましくは３０〜９０分とし、好ましくはアルカリ性化
合物水溶液に浸漬することにより行う。
【００２１】アルカリ減量処理による減量率１０％以上
の減量により、中空率２５％以上の中空部の形成、コロ
イド状炭酸カルシウム粒子の脱落と共に、繊維表面全体
に微細凹凸構造の形成と繊維表面の少なくとも一部に繊
維軸方向の径が１〜１５μｍ、幅方向の径が１〜７μｍ
の中空部へ通ずる貫通孔が形成される。
の減量により、中空率２５％以上の中空部の形成、コロ
イド状炭酸カルシウム粒子の脱落と共に、繊維表面全体
に微細凹凸構造の形成と繊維表面の少なくとも一部に繊
維軸方向の径が１〜１５μｍ、幅方向の径が１〜７μｍ
の中空部へ通ずる貫通孔が形成される。
【００２２】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の各特性値は、下記の方法或いは基
準により測定或いは判定した。また、実施例中の％、部
は、重量％、重量部を意味する。
る。なお、実施例中の各特性値は、下記の方法或いは基
準により測定或いは判定した。また、実施例中の％、部
は、重量％、重量部を意味する。
【００２３】 （製糸安定性、吸水性能及び風合い、白度） ○： 良好 △： やや良好 ×： 不良
【００２４】（滴下法による吸水性能）原糸の中空太細
糸を次の条件、 経糸：ポリエステル通常糸５０デニール／２４フィラメ
ント 緯糸：中空太細ポリエステル繊維糸１００デニール／３
０フィラメント 経糸密度：５９．１本／ｃｍ 緯糸密度：２５．５本／ｃｍ で製織した後、精練、プリセットし、水酸化ナトリウム
３％水溶液を用い沸騰温度で所定時間アルカリ減量処理
した。この織物を試料として直径１５ｃｍの刺しゅう用
丸枠に取り付け、水滴滴下法により滴下した試料上の水
滴の消失時間を測定した。水滴には蒸留水を用い、水滴
量を０．０３３ｍｌ、ビューレット先端と試料表面との
距離を１ｃｍ、室温２２℃、相対湿度５５〜６０％で測
定、５〜７回測定の平均水滴消失時間を求めた。
糸を次の条件、 経糸：ポリエステル通常糸５０デニール／２４フィラメ
ント 緯糸：中空太細ポリエステル繊維糸１００デニール／３
０フィラメント 経糸密度：５９．１本／ｃｍ 緯糸密度：２５．５本／ｃｍ で製織した後、精練、プリセットし、水酸化ナトリウム
３％水溶液を用い沸騰温度で所定時間アルカリ減量処理
した。この織物を試料として直径１５ｃｍの刺しゅう用
丸枠に取り付け、水滴滴下法により滴下した試料上の水
滴の消失時間を測定した。水滴には蒸留水を用い、水滴
量を０．０３３ｍｌ、ビューレット先端と試料表面との
距離を１ｃｍ、室温２２℃、相対湿度５５〜６０％で測
定、５〜７回測定の平均水滴消失時間を求めた。
【００２５】（バイレック法による吸水性能）前記のア
ルカリ減量処理した織物を経１５ｃｍ×緯３ｃｍの試料
片とし、蒸留水を入れたバット上の一定の高さの位置に
試料片の上端を止め、下端が蒸留水に接するようにし、
試料片が吸水を始めてから１０分後に水の上昇した高さ
（上昇距離）を測定した。測定は室温２２℃、相対湿度
５５〜６０％で行い、５〜７回測定の平均上昇距離を求
めた。
ルカリ減量処理した織物を経１５ｃｍ×緯３ｃｍの試料
片とし、蒸留水を入れたバット上の一定の高さの位置に
試料片の上端を止め、下端が蒸留水に接するようにし、
試料片が吸水を始めてから１０分後に水の上昇した高さ
（上昇距離）を測定した。測定は室温２２℃、相対湿度
５５〜６０％で行い、５〜７回測定の平均上昇距離を求
めた。
【００２６】（実施例１）テレフタル酸１００部とエチ
レングリコール５２部をエステル化槽に仕込み、４ｋｇ
／ｃｍ2の加圧下、２６０℃でエステル化反応を行っ
た。引き続き、得られた反応生成物に、トリメチルホス
フェイト０．０１％（対生成ポリマー）、三酸化アンチ
モン０．０４％（対生成ポリマー）、一次粒子の平均粒
径が０．０７μｍのコロイド状炭酸カルシウム粒子を
０．８％をそれぞれエチレングリコール溶液或いは分散
液として加え、重合槽にて、高真空下、２８５℃で重縮
合反応を行い、フェノール／テトラクロルエタン＝１／
１の混合溶媒中２５℃でオストワルド型粘度計で測定の
極限粘度が０．６８のポリエステルポリマーを得た。
レングリコール５２部をエステル化槽に仕込み、４ｋｇ
／ｃｍ2の加圧下、２６０℃でエステル化反応を行っ
た。引き続き、得られた反応生成物に、トリメチルホス
フェイト０．０１％（対生成ポリマー）、三酸化アンチ
モン０．０４％（対生成ポリマー）、一次粒子の平均粒
径が０．０７μｍのコロイド状炭酸カルシウム粒子を
０．８％をそれぞれエチレングリコール溶液或いは分散
液として加え、重合槽にて、高真空下、２８５℃で重縮
合反応を行い、フェノール／テトラクロルエタン＝１／
１の混合溶媒中２５℃でオストワルド型粘度計で測定の
極限粘度が０．６８のポリエステルポリマーを得た。
【００２７】このポリマーを常法によりチップ化し、乾
燥した後、孔数３０の円形中空紡糸口金を用いて、紡糸
温度２８５℃にて紡出した。紡出糸条を冷却固化した
後、油剤を付与し、１８００ｍ／分の巻取り速度で巻取
った。この未延伸糸を延伸倍率１．７５倍、温度１１０
℃で延伸し、引き続き緊張比１．０１、温度１２０℃で
熱セットして繊維の中空率が３０％の１００デニール／
３０フィラメントの中空太細糸を得た。
燥した後、孔数３０の円形中空紡糸口金を用いて、紡糸
温度２８５℃にて紡出した。紡出糸条を冷却固化した
後、油剤を付与し、１８００ｍ／分の巻取り速度で巻取
った。この未延伸糸を延伸倍率１．７５倍、温度１１０
℃で延伸し、引き続き緊張比１．０１、温度１２０℃で
熱セットして繊維の中空率が３０％の１００デニール／
３０フィラメントの中空太細糸を得た。
【００２８】得られた中空太細糸を製織した後、水酸化
ナトリウム３％水溶液を用い、沸騰温度でアルカリ減量
処理して減量率２０％に減量した。得られたこの織物の
中空太細糸構成繊維は、中空率が４８％であり、繊維表
面全体に微細凹凸構造と繊維軸方向の径が１〜１５μ
ｍ、幅方向の径が１〜７μｍの繊維表面から中空部への
貫通孔を有していた。得られた織物は、ヌメリ感のない
ドライな優れた風合いを呈し、良好な白度を有し、表１
に示したような優れた吸水性能を有するものであった。
また、表１に中空太細糸を得る際の製糸安定性も示し
た。
ナトリウム３％水溶液を用い、沸騰温度でアルカリ減量
処理して減量率２０％に減量した。得られたこの織物の
中空太細糸構成繊維は、中空率が４８％であり、繊維表
面全体に微細凹凸構造と繊維軸方向の径が１〜１５μ
ｍ、幅方向の径が１〜７μｍの繊維表面から中空部への
貫通孔を有していた。得られた織物は、ヌメリ感のない
ドライな優れた風合いを呈し、良好な白度を有し、表１
に示したような優れた吸水性能を有するものであった。
また、表１に中空太細糸を得る際の製糸安定性も示し
た。
【００２９】（実施例２〜３、比較例１〜４）実施例１
において、表１に示すようにコロイド状炭酸カルシウム
粒子添加量、繊維断面、延伸方法を変更した以外は、実
施例１と同様にしてポリエステルポリマーを紡糸、延伸
し中空太細糸とし、得られた中空太細糸を製織し、減量
率２０％にアルカリ減量処理した。表１に中空太細糸を
得る際の製糸安定性及び得られた織物の吸水性能を示
す。
において、表１に示すようにコロイド状炭酸カルシウム
粒子添加量、繊維断面、延伸方法を変更した以外は、実
施例１と同様にしてポリエステルポリマーを紡糸、延伸
し中空太細糸とし、得られた中空太細糸を製織し、減量
率２０％にアルカリ減量処理した。表１に中空太細糸を
得る際の製糸安定性及び得られた織物の吸水性能を示
す。
【００３０】
【表１】
【００３１】
【発明の効果】本発明のポリエステル中空太細繊維は、
高中空率及び繊維表面から中空部への貫通孔を有するこ
とから、高い吸水性を有し、優れた接触涼感を呈し、ま
た、繊維表面全体に微細凹凸構造を有することから、ヌ
メリ感のないドライ感のある風合い、炭酸カルシウムに
よる良好な白度を呈し、布帛としたときの透け防止効果
を奏し、特に衣料分野において好適なるものである。ま
た、本発明によれば、かかるポリエステル中空太細繊維
を安定性よく得ることができる。
高中空率及び繊維表面から中空部への貫通孔を有するこ
とから、高い吸水性を有し、優れた接触涼感を呈し、ま
た、繊維表面全体に微細凹凸構造を有することから、ヌ
メリ感のないドライ感のある風合い、炭酸カルシウムに
よる良好な白度を呈し、布帛としたときの透け防止効果
を奏し、特に衣料分野において好適なるものである。ま
た、本発明によれば、かかるポリエステル中空太細繊維
を安定性よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のポリエステル中空太細繊維の例の繊維
表面の走査型電子顕微鏡写真（倍率２０００倍）であ
る。
表面の走査型電子顕微鏡写真（倍率２０００倍）であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｄ０１Ｆ 6/92 ３０１ Ｄ０１Ｆ 6/92 ３０１Ｍ ３０６ ３０６Ｂ // Ｄ０６Ｍ 101:32
Claims (2)
- 【請求項１】 一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３
μｍのコロイド状炭酸カルシウム粒子を０．４〜５重量
％含有する主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
トであるポリエステルからなる中空太細繊維であって、
中空率が２５％以上の中空部、繊維表面に微細凹凸構造
及び繊維表面の少なくとも一部に繊維軸方向の径が１〜
１５μｍ、幅方向の径が１〜７μｍの繊維表面から中空
部へ貫通する細孔を有することを特徴とするポリエステ
ル中空太細繊維。 - 【請求項２】 一次粒子の平均粒径が０．０２〜０．３
μｍのコロイド状炭酸カルシウム粒子を０．４〜５重量
％含有する主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
トであるポリエステルポリマーを溶融紡糸して中空繊維
の未延伸繊維とし、該未延伸繊維を下記（１）〜（２）
の条件で不均一延伸し、下記（３）の条件で熱セットし
て中空率が２０％以上の中空太細繊維とした後、アルカ
リ性化合物の水溶液で減量率１０％以上のアルカリ減量
処理を施すことを特徴とするポリエステル中空太細繊維
の製造法。 （１） ＭＤＲ×０．４５≦ＤＲ≦ＭＤＲ×０．５５ （２） ＨＲＴ≦Ｔｃ （３） Ｔｇ≦ＨＰＴ≦Ｔｃ 但し、ＭＤＲは未延伸繊維の最大延伸倍率、ＤＲは延伸
倍率、ＨＲＴは延伸温度（℃）、ＨＰＴは熱セット温度
（℃）、Ｔｃは未延伸繊維の結晶化温度（℃）、Ｔｇは
未延伸繊維のガラス転移温度（℃）を示す。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11764095A JPH08291462A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | ポリエステル中空太細繊維及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11764095A JPH08291462A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | ポリエステル中空太細繊維及びその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08291462A true JPH08291462A (ja) | 1996-11-05 |
Family
ID=14716705
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11764095A Pending JPH08291462A (ja) | 1995-04-20 | 1995-04-20 | ポリエステル中空太細繊維及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08291462A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112301506A (zh) * | 2020-11-12 | 2021-02-02 | 浙江贝隆纺织有限公司 | 一种吸湿排汗防辐射涤纶面料的制备方法 |
| CN112708958A (zh) * | 2020-12-17 | 2021-04-27 | 吴江精美峰实业有限公司 | 一种导电聚酯纤维及其制备方法 |
-
1995
- 1995-04-20 JP JP11764095A patent/JPH08291462A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112301506A (zh) * | 2020-11-12 | 2021-02-02 | 浙江贝隆纺织有限公司 | 一种吸湿排汗防辐射涤纶面料的制备方法 |
| CN112708958A (zh) * | 2020-12-17 | 2021-04-27 | 吴江精美峰实业有限公司 | 一种导电聚酯纤维及其制备方法 |
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