JPH08134693A - 高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の製造方法 - Google Patents

高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の製造方法

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JPH08134693A
JPH08134693A JP27784294A JP27784294A JPH08134693A JP H08134693 A JPH08134693 A JP H08134693A JP 27784294 A JP27784294 A JP 27784294A JP 27784294 A JP27784294 A JP 27784294A JP H08134693 A JPH08134693 A JP H08134693A
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JP
Japan
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dielectric constant
aluminum oxide
salicylate
composite aluminum
coating film
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JP27784294A
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English (en)
Inventor
Makoto Ue
誠 宇恵
Bunichi Mizutani
文一 水谷
Takako Takahashi
孝子 高橋
Sachie Sekikawa
佐千江 関川
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 サリチル酸塩を含んでなる実質的に無水の非
水系電解液中でアルミニウムを電解陽極酸化することを
特徴とする、炭素を1〜50重量%含有し、比誘電率2
0以上の高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の製造方
法。 【効果】 本発明の方法によれば、従来の水系化成用電
解液で形成した酸化皮膜よりも2倍以上高い比誘電率の
皮膜を形成でき、本発明の高誘電率複合酸化アルミニウ
ム皮膜を用いることにより、同一サイズで高い静電容量
あるいは同一静電容量で小さいサイズの電解コンデンサ
を実現することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高誘電率複合酸化アルミ
ニウム皮膜の製造方法に関する。高誘電率複合酸化アル
ミニウム皮膜は、高い静電容量の要求される電解コンデ
ンサやプリント基板上の印刷コンデンサ、マイクロ波用
の誘電体共振器、IC、液晶TFTの誘電体、絶縁体と
して利用される。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムの陽極酸化は古くから良く
知られた原理であり、工業的に多方面に利用されてい
る。陽極酸化は通常、水系の電解液中で実施され、使用
する電解液の種類によってポーラス型とバリアー型とい
われる大別して2種類の酸化皮膜が形成されることが知
られている。バリアー型皮膜は撤密で電気絶縁性が高い
ので、電解コンデンサの誘電膜や半導体上のアルミニウ
ム配線の絶縁膜等に応用されている。
【0003】アルミニウム電解コンデンサは、電気化学
的あるいは化学的に表面を粗面化したアルミニウム箔を
ほう酸系、リン酸系あるいはアジピン酸系の水溶液で陽
極酸化処理し、酸化アルミニウム皮膜層を形成した化成
箔を陽極側電極に用いている(金属表面技術 671頁
(1976)日刊工業新聞社、実験表面技術 35
(6)、261(1988))。
【0004】一般に、平行板コンデンサの静電容量C
は、 C=ε0・εr・A/d (ただし、ε0;真空の誘電率、εr;比誘電率、A;電
極面積、d;誘電体の厚み)によって定義される。高い
静電容量のコンデンサを得るためには、(1)誘電体の
比誘電率を向上させるか、(2)表面積を拡大するかあ
るいは薄くするかのいずれかの方法になる。酸化アルミ
ニウムの比誘電率は7〜10であり、また、酸化皮膜を
薄くすると耐電圧が低下するので、電極表面積を電解エ
ッチングで拡大することで高静電容量化が達成されてき
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
電子機器の軽薄短小化の流れのなかで、電解コンデンサ
もチップ化、小型化の要求が強く、そのためには電極箔
のさらなる高静電容量化が望まれている。また、プリン
ト基板回路あるいは半導体回路上の誘電膜や絶縁膜にも
同様な課題がある。本発明は、このような要請に応え得
る高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の製造方法を提供
しようというものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、炭素を
含有し、比誘電率20以上の高誘電率複合酸化アルミニ
ウム皮膜の製造方法を提供するものである。
【0007】
【作用】水が存在しない系あるいは微量な系での陽極酸
化においては、サリチル酸塩中のサリチル酸の酸素が酸
素源となりうる。そのため陽極酸化により、サリチル酸
塩中のサリチル酸の酸素原子とともにサリチル酸を形成
する炭素が含有され、従来の酸化アルムニウム皮膜に比
べ比誘電率が2倍以上高い、即ち比誘電率が20以上に
大幅に増加する。
【0008】(発明の概要)本発明の高誘電率複合酸化
アルミニウム皮膜は、サリチル酸塩を含んでなる実質的
に無水の非水系電解液中でアルミニウムを電解陽極酸化
することにより得られる。本発明の方法に用いる非水系
電解液としては、サリチル酸塩の非水系溶媒溶液が用い
られる。上記サリチル酸塩としては、サリチル酸の1、
2、3または4級のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、
四級ホスホニウム塩、スルホニウム塩等を例示すること
ができる。
【0009】非水系溶媒としては、エチレングリコー
ル、メチルセロソルブ等のアルコール系溶媒;γ−ブチ
ロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン
等のラクトン系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート等のカーボネー
ト系溶媒;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルム
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエ
チルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のア
ミド系溶媒;3−メトキシプロピオニトリル、グルタロ
ニトリル等のニトリル系溶媒;トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート等のリン酸エステル系溶
媒;及び、これらの2種以上の溶媒の混合物等の極性溶
媒、並びに、ヘキサン、トルエン、シリコンオイル等の
非極性溶媒を例示することが出来るが、サリチル酸塩を
溶解し易い極性溶媒が好ましい。
【0010】使用するサリチル酸塩の濃度は、得るべき
電解液の電導度、火花電圧により異なるが、一般的に飽
和濃度以下、好ましくは0.1〜2mol/lである。
また、高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜を得るために
は、電解液は実質的に無水である必要があり、具体的に
は、電解液の水分量は0.1重量%以下、好ましくは
0.05重量%以下にする必要がある。水分量を減らす
ことにより高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の比誘電
率をさらに高くすることができる。水分量が多すぎると
水分を酸素源とする通常の酸化皮膜を形成するため、得
られる酸化皮膜の比誘電率は向上しない。
【0011】陽極酸化は一般的に、上記の電解浴中で、
室温〜150℃の温度範囲で、電流密度0.5〜50mA
/cm2 の範囲で行われる。電解陽極酸化時間は電極面積
により定められる。上記の方法により、炭素を1〜50
重量%含有し、比誘電率20以上、好ましくは30〜3
00の高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜を得ることが
できる。
【0012】本発明の高誘電率複合酸化アルミニウム皮
膜の膜厚は化成電圧により任意に定められ、10〜10
00nmのものが得られる。
【0013】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明する。 (実施例1)1モル濃度のサリチル酸テトラエチルアン
モニウムを含むγ−ブチロラクトン溶液を調製し、減圧
加熱して脱水した。このときの電解液の水分は20pp
mであった。この電解液を使用して、アルミニウム箔を
5mA/cm2 の定電流で75Vまで陽極酸化して化成箔を
得た。得た化成箔のTEM(走査透過型電子顕微鏡)に
よる断面の観察の結果、皮膜はほぼ平滑で、表面積は陽
極酸化前とほとんど変化しておらず、膜厚は80nmで
あった。得られた化成箔を、10重量%のアジピン酸ア
ンモニウム水溶液に浸し、LCRメータで120Hzに
おける静電容量を測定した。120Hzにおける静電容
量は1.9μF/cm2 であった。静電容量と膜厚から
求めた比誘電率を表1に示す。
【0014】(実施例2)1モル濃度のサリチル酸のテ
トラエチルアンモニウム塩を含むプロピレンカーボネー
ト溶液を調製し、減圧加熱して脱水した。このときの電
解液の水分は30ppmであった。この電解液を使用し
て、アルミニウムを5mA/cm2 の定電流で50Vまで陽
極酸化して化成箔を得た。得た化成箔を、10重量%の
アジピン酸アンモニウム水溶液に浸し、LCRメータで
静電容量を測定した。実施例1と同様にして求めた比誘
電率を表1に示す。
【0015】(比較例1)化成用電解液としてアルミニ
ウム電解コンデンサ用化成箔の製造に使用されている1
0重量%のアジピン酸アンモニウム水溶液を用い、化成
電圧を75Vとした他は実施例1と同様にしてアルミニ
ウム箔を陽極酸化した。得た化成箔を、10重量%のア
ジピン酸アンモニウム水溶液に浸し、LCRメータで静
電容量を測定した。120Hzにおける静電容量は0.
088μF/cm2 であった。また、TEMによる断面
の観察から皮膜の膜厚は80nmであり、静電容量と膜
厚から算出した比誘電率は8.0であった。
【0016】(比較例2)化成用電解液として、水分9
00ppmで1モル濃度のフタル酸水素テトラメチルア
ンモニウムを含むγ−ブチロラクトン溶液を用い、化成
電圧を75Vとした他は実施例1と同様にしてアルミニ
ウム箔を陽極酸化した。得た化成箔を、10重量%のア
ジピン酸アンモニウム水溶液に浸し、LCRメータで静
電容量を測定した。実施例1と同様にして求めた比誘電
率を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明の方法によれば、得られる高誘電
率複合酸化アルミニウム皮膜は、従来の水系化成用電解
液で形成した絶縁皮膜よりも2倍以上高い、20以上の
比誘電率の皮膜を形成でき、本発明により得られた高誘
電率複合酸化アルミニウム皮膜を用いることにより、同
一サイズで高い静電容量あるいは同一静電容量で小さい
サイズの電解コンデンサを実現することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関川 佐千江 茨城県稲敷郡阿見町中央8丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サリチル酸塩を含んでなる実質的に無水
    の非水系電解液中でアルミニウムを電解陽極酸化するこ
    とを特徴とする、炭素を1〜50重量%含有し、比誘電
    率20以上の高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の製造
    方法。
JP27784294A 1994-11-11 1994-11-11 高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の製造方法 Pending JPH08134693A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27784294A JPH08134693A (ja) 1994-11-11 1994-11-11 高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の製造方法
US08/551,999 US5733661A (en) 1994-11-11 1995-11-02 High-permittivity composite oxide film and uses thereof

Applications Claiming Priority (1)

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JP27784294A JPH08134693A (ja) 1994-11-11 1994-11-11 高誘電率複合酸化アルミニウム皮膜の製造方法

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JP (1) JPH08134693A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100354456C (zh) * 2004-04-20 2007-12-12 中国科学院理化技术研究所 可控制孔径的氧化铝模板的制备方法
JP2015046633A (ja) * 2005-09-13 2015-03-12 ハー.ツェー.スタルク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングH.C. Starck GmbH 高公称電圧を有する電解質キャパシタを製造する方法
CN113512744A (zh) * 2021-06-30 2021-10-19 西南电子技术研究所(中国电子科技集团公司第十研究所) 高耐蚀机载铝基lrm模块的防护方法

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