JPH0745401A - 正特性サーミスタの製造方法 - Google Patents
正特性サーミスタの製造方法Info
- Publication number
- JPH0745401A JPH0745401A JP19000493A JP19000493A JPH0745401A JP H0745401 A JPH0745401 A JP H0745401A JP 19000493 A JP19000493 A JP 19000493A JP 19000493 A JP19000493 A JP 19000493A JP H0745401 A JPH0745401 A JP H0745401A
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- JP
- Japan
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- melting point
- molded item
- sintering aid
- sintering
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐還元性能に優れた正特性サーミスタの製造
方法を提供することを目的とするものである。 【構成】 成形体を本焼成する前に、高酸素濃度化にお
いて、焼成助剤の融点以下の温度で加熱酸化処理を行
い、その後本焼成を行うことにより、成形体の内部が十
分かつ均一に酸化される。その結果、還元雰囲気や酸素
のない状態においても、性能劣化を防ぐことができる正
特性サーミスタを得ることができる。
方法を提供することを目的とするものである。 【構成】 成形体を本焼成する前に、高酸素濃度化にお
いて、焼成助剤の融点以下の温度で加熱酸化処理を行
い、その後本焼成を行うことにより、成形体の内部が十
分かつ均一に酸化される。その結果、還元雰囲気や酸素
のない状態においても、性能劣化を防ぐことができる正
特性サーミスタを得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば温風ヒータやパ
ッケージエアコンに用いられる正特性サーミスタの製造
方法に関するものである。
ッケージエアコンに用いられる正特性サーミスタの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン酸バリウムのバリウムの一部を鉛
で置換したチタン酸バリウム系の正特性サーミスタはま
ず材料を配合して、混合し、次に脱水、乾燥後、これら
の混合粉末を仮焼する。そしてこの仮焼粉末を粉砕し、
バインダーを加えて造粒して成形後、本焼成を行ってい
た。この得られた焼結体表面に電極を形成していた。ま
た焼成は大気中で行われるのが一般的であるが、低抵抗
化を求められるものについては、一度還元雰囲気中で熱
処理後、再酸化処理を行っているものもある。
で置換したチタン酸バリウム系の正特性サーミスタはま
ず材料を配合して、混合し、次に脱水、乾燥後、これら
の混合粉末を仮焼する。そしてこの仮焼粉末を粉砕し、
バインダーを加えて造粒して成形後、本焼成を行ってい
た。この得られた焼結体表面に電極を形成していた。ま
た焼成は大気中で行われるのが一般的であるが、低抵抗
化を求められるものについては、一度還元雰囲気中で熱
処理後、再酸化処理を行っているものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の正特性サーミス
タは機械油や食料油、調味料等の有機成分がサーミスタ
素子に付着すると、発熱状態では、これらの有機成分の
燃焼に伴い還元雰囲気下におかれることになる。還元雰
囲気下や、酸素のない状態で正特性サーミスタを使用し
た場合、抵抗値が大きく低下したり、抵抗温度係数も著
しく小さくなってしまう等の特性劣化を起こす。このた
め重大な事故につながる危険性があるので、その使用用
途が限定されるという問題点を有していた。
タは機械油や食料油、調味料等の有機成分がサーミスタ
素子に付着すると、発熱状態では、これらの有機成分の
燃焼に伴い還元雰囲気下におかれることになる。還元雰
囲気下や、酸素のない状態で正特性サーミスタを使用し
た場合、抵抗値が大きく低下したり、抵抗温度係数も著
しく小さくなってしまう等の特性劣化を起こす。このた
め重大な事故につながる危険性があるので、その使用用
途が限定されるという問題点を有していた。
【0004】本発明はこのような問題点を解決するもの
で、耐還元性能に優れた、安心して使用できる正特性サ
ーミスタの製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
で、耐還元性能に優れた、安心して使用できる正特性サ
ーミスタの製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、成形体を本焼成する前に、高酸素濃度下
において、焼結助剤の融点以下の温度で焼成し酸化処理
を行うことを特徴とするものである。
に、本発明は、成形体を本焼成する前に、高酸素濃度下
において、焼結助剤の融点以下の温度で焼成し酸化処理
を行うことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】この構成によると、焼結体の緻密化が進化して
いない、言い換えれば、まだ液相焼結が関与しない過程
で比較的多孔質な状態で成形体内部まで十分かつ均一に
酸化する。そして、本焼成により成形体内部が十分酸化
された状態のまま液相焼結が進行し、緻密になる。
いない、言い換えれば、まだ液相焼結が関与しない過程
で比較的多孔質な状態で成形体内部まで十分かつ均一に
酸化する。そして、本焼成により成形体内部が十分酸化
された状態のまま液相焼結が進行し、緻密になる。
【0007】その結果、還元雰囲気下におかれたとして
も、サーミスタ素子の内部までは還元されず抵抗値の大
きな低下等の特性劣化がおきるのを防止することができ
る特性サーミスタを得ることができる。
も、サーミスタ素子の内部までは還元されず抵抗値の大
きな低下等の特性劣化がおきるのを防止することができ
る特性サーミスタを得ることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
【0009】図1は本実施例における正特性サーミスタ
の斜視図である。まず、(Ba0.68Pb0.22Ca0.10)
TiO3+0.002Y2O3+0.0003MnO2+
0.02SiO2の組成となるようにBaCO3,Pb
O,CaCO3,TiO2,Y2O3,MnO2,SiO2を
それぞれ秤量し、ボールミルにて湿式混合する。次にこ
の混合物を乾燥した後、1050℃で2時間仮焼する。
その後再びボールミルにて湿式粉砕し、乾燥する。次に
この乾燥粉砕粉にポリビニルアルコールからなるバイン
ダーを添加し造粒し、1平方センチメートル当たり80
0Kgの圧力で直径20mm、厚さ2.5mmの円板状に成形
した。
の斜視図である。まず、(Ba0.68Pb0.22Ca0.10)
TiO3+0.002Y2O3+0.0003MnO2+
0.02SiO2の組成となるようにBaCO3,Pb
O,CaCO3,TiO2,Y2O3,MnO2,SiO2を
それぞれ秤量し、ボールミルにて湿式混合する。次にこ
の混合物を乾燥した後、1050℃で2時間仮焼する。
その後再びボールミルにて湿式粉砕し、乾燥する。次に
この乾燥粉砕粉にポリビニルアルコールからなるバイン
ダーを添加し造粒し、1平方センチメートル当たり80
0Kgの圧力で直径20mm、厚さ2.5mmの円板状に成形
した。
【0010】次に、この成形体1を(表1)(表2)に
示す条件で前処理を行った後、本焼成を行った。この成
形体上下両面にNiメッキを形成した後、銀ペーストを
印刷塗布、焼き付けし、電極2とした後に、側面の電極
を削除して試料を作製した。
示す条件で前処理を行った後、本焼成を行った。この成
形体上下両面にNiメッキを形成した後、銀ペーストを
印刷塗布、焼き付けし、電極2とした後に、側面の電極
を削除して試料を作製した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】以上の試料の抵抗値、温度特性を測定した
後、窒素ガス中で、100時間、100Vの電圧を印加
した後、試料を取り出して、再度抵抗値、温度特性を測
定した。その結果を(表3)(表4)に示す。
後、窒素ガス中で、100時間、100Vの電圧を印加
した後、試料を取り出して、再度抵抗値、温度特性を測
定した。その結果を(表3)(表4)に示す。
【0014】
【表3】
【0015】
【表4】
【0016】ここで(表3)(表4)における抵抗値変
化幅とは最大抵抗値を最小抵抗値で除算した数値の常用
対数値であり、下記の式で表される。
化幅とは最大抵抗値を最小抵抗値で除算した数値の常用
対数値であり、下記の式で表される。
【0017】 抵抗値変化幅=Log(最大抵抗値/最小抵抗値) 上記(表3)(表4)より明らかなように、資料番号
2,4,6,11および16では素子自体焼結しておら
ず絶縁体化した。これは焼結助剤SiO2の融点である
1240℃以下で本焼成を行うと焼結が進行せず半導体
化しないためである。従って、本焼成の温度は焼結助剤
の融点1240℃以上必要である。
2,4,6,11および16では素子自体焼結しておら
ず絶縁体化した。これは焼結助剤SiO2の融点である
1240℃以下で本焼成を行うと焼結が進行せず半導体
化しないためである。従って、本焼成の温度は焼結助剤
の融点1240℃以上必要である。
【0018】さらに前処理の温度としては、試料番号
1、21および21より1000℃未満または1240
℃を越えると、窒素ガス中での通電後の抵抗値並びに抵
抗値の変化幅が著しく低下するため、1000〜124
0℃が好ましい。
1、21および21より1000℃未満または1240
℃を越えると、窒素ガス中での通電後の抵抗値並びに抵
抗値の変化幅が著しく低下するため、1000〜124
0℃が好ましい。
【0019】一方、前処理を空気中で行った試料番号
2,3,10,13,16および17は、(表3)(表
4)より窒素ガス中での通電後の抵抗値並びに抵抗値の
変化幅が著しく低下していることがわかる。これに対し
て前処理を高濃度酸素中または空気中で処理した後高濃
度酸素中で処理した試料番号5,7〜9,12,14,
15および18〜20は、ほとんど特性が変化していな
い。
2,3,10,13,16および17は、(表3)(表
4)より窒素ガス中での通電後の抵抗値並びに抵抗値の
変化幅が著しく低下していることがわかる。これに対し
て前処理を高濃度酸素中または空気中で処理した後高濃
度酸素中で処理した試料番号5,7〜9,12,14,
15および18〜20は、ほとんど特性が変化していな
い。
【0020】さらに、本焼成の雰囲気としては試料番号
8,9,12,15,18および19より通常の空気中
で行っても、その特性の低下は認められなかった。
8,9,12,15,18および19より通常の空気中
で行っても、その特性の低下は認められなかった。
【0021】以上より、成形体を焼結助剤の融点以下の
温度、好ましくは1000〜1240℃で、高酸素濃度
下において、一旦前処理した後、焼結助剤の融点以上の
温度で本焼成を通常の雰囲気中あるいは高酸素濃度下で
行うことにより、酸素のない状態あるいは還元性雰囲気
で使用されても抵抗値の大きな低下等の特性劣化の少な
い正特性サーミスタを得ることができる。
温度、好ましくは1000〜1240℃で、高酸素濃度
下において、一旦前処理した後、焼結助剤の融点以上の
温度で本焼成を通常の雰囲気中あるいは高酸素濃度下で
行うことにより、酸素のない状態あるいは還元性雰囲気
で使用されても抵抗値の大きな低下等の特性劣化の少な
い正特性サーミスタを得ることができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法による
正特性サーミスタは成形体の本焼成前に、高酸素濃度下
において焼結助剤の融点以下の温度で、加熱酸化処理を
する。
正特性サーミスタは成形体の本焼成前に、高酸素濃度下
において焼結助剤の融点以下の温度で、加熱酸化処理を
する。
【0023】その結果、成形体内部が十分酸化されてい
るので、還元雰囲気下や、酸素のない状態においても特
性劣化の少ないサーミスタを得ることができる。
るので、還元雰囲気下や、酸素のない状態においても特
性劣化の少ないサーミスタを得ることができる。
【図1】本発明の一実施例における正特性サーミスタの
斜視図
斜視図
1 成形体 2 電極
Claims (2)
- 【請求項1】 チタン酸バリウムを主成分とする半導体
磁器材料に焼結助剤を加えて成形体を作り、次にこの成
形体を高酸素濃度下で前記焼結助剤の融点以下の温度で
加熱酸化処理し、その後この成形体を焼結助剤の融点以
上の温度で本焼成し、次にこの成形体の表面に電極を設
ける正特性サーミスタの製造方法。 - 【請求項2】 チタン酸バリウムを主成分とする半導体
磁器材料に焼結助剤を加えて成形体を作り、次にこの成
形体を前記焼結助剤の融点以下の温度で空気中で焼成
し、その後この成形体を高濃度酸素下において前記焼結
助剤の融点以下の温度で加熱酸化処理を行い、次にこの
成形体を焼結助剤の融点以上の温度で本焼成を行い、そ
の後この成形体の表面に電極を設ける正特性サーミスタ
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19000493A JPH0745401A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19000493A JPH0745401A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0745401A true JPH0745401A (ja) | 1995-02-14 |
Family
ID=16250783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19000493A Pending JPH0745401A (ja) | 1993-07-30 | 1993-07-30 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0745401A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06298643A (ja) * | 1987-07-02 | 1994-10-25 | Carl R Thornfeldt | 皺の治療剤 |
-
1993
- 1993-07-30 JP JP19000493A patent/JPH0745401A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06298643A (ja) * | 1987-07-02 | 1994-10-25 | Carl R Thornfeldt | 皺の治療剤 |
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