JPH0734915Y2 - 木炭燃料セット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、燃料コンロなどに使用する簡便で性能の優れ
た木炭燃料セットに関する。

〈従来の技術〉 従来、燃料コンロなどに使用する燃料は、木炭などの固
体燃料、あるいは燃料の粉末を粘結剤と共に混合成形し
た固形燃料をバラで袋又は箱に詰め、使用に際して燃料
を袋などから取出して紙、木片などと共にコンロ内に投
入し、火をつけて燃焼させていた。

〈考案が解決しようとする課題〉 上述の固体燃料あるいは固形燃料は、バラ詰めした袋、
箱等から使用時に火箸などで１個づつ取出してコンロ内
に移さなければならず、特に遠出の野外では手で扱った
りするので手を汚す欠点があり、さらに燃焼させる術に
習熟していないと火付が悪く、途中で消えたり片燃えな
どを生じる欠点がある。

本考案の目的は、携帯に便利で、手を汚す恐れもなくコ
ンロ内に移すことが可能で、着火、燃焼も容易な木炭燃
料セットを提供することにある。

〈課題を解決するための手段〉 本考案の木炭燃料セットは、木炭粉を主可燃材とし、粘
結剤その他の添加剤を加えて混練成形した複数個の柱状
固形燃料を、中心部の燃料とそれ囲む周囲部の燃料群と
に区分し、中心部の柱状固形燃料の高さを周囲部の柱状
固形燃料の高さより低くして各柱状固形燃料の中心軸を
ほぼ平行直立させて配置し、前記中心部の柱状固形燃料
上に着火線を接続した着火剤を載置し、コンロ内に載置
した際に各柱状固形燃料間に空気が流通する間隙を生じ
得る大きさの可燃性材料よりなる袋に入れ、袋上部を閉
じた構成としたものである。

さらに詳述すれば、本考案に用いる柱状固形燃料は、木
炭粉を主可燃材とし、必要に応じて他の固体燃料粉を加
え、粘結剤その他の添加剤、水分などとともに混練し、
柱状に成形したもので、柱状の断面積の大きさ、断面の
形状、高さ等は特に制限されない。また、中心部、周囲
部に配する柱状固形燃料は同質、同形断面でもよく異
質、異形断面としてもよい。さらに、中心部に配する柱
状固形燃料は１個に限らず複数でもよく、周囲部に配す
る柱状固形燃料は一重でもよく、二重、三重としてもよ
い。中心部の柱状固形燃料上には着火剤を載せるため、
その高さは周囲部の柱状固形燃料の高さより低くするこ
とが好ましい。

柱状固形燃料を収納する袋は、可燃性で、木炭燃料セッ
トを運んだり、コンロ内に置く場合に柱状固形燃料群の
配置をほとんど崩すことなく、コンロ内では各柱状固形
燃料間に空気が流通する間隙を生じ得る大きさとする。
この袋としては可燃性の材料よりなる網、布、紙あるい
はフィルム性の袋を用いることができるが、特に網袋は
内容物がよく見え、持ち運び時には配置を崩すことなく
保持することができ、使用時には各燃料間の緊縛がゆる
み空気の流通がよくなり、良好な燃焼状態をもたらすの
で好適である。可撓性が小さい材料の袋を用いる場合に
は通気孔と寸法を充分考慮することが必要である。

着火線を接続した着火剤は通常使用されている易燃材に
助燃剤を混合したものでよく、断面の形状も特に制限は
ない。

〈作用〉 本考案の木炭燃料セットは、先端が袋外に出るように着
火線を接続した着火剤を載せた柱状固形燃料を中心軸が
互いに平行になるように直立させてセットし、可燃かつ
通気性の袋に入れ袋上端を閉じた構成となっているの
で、手を汚すことなく携帯と取扱いに便利であると共
に、予め設計された柱状固形燃料群の配置をほとんど崩
すことなく保持することができる。また使用時には、着
火線、着火剤を備えており、コンロ内に載置したときに
は各燃料間の緊縛がゆるみ空気の流通路が確保できるよ
うにしてあるので、着火線にマッチなどで点火するだけ
で柱状固形燃料に容易に着火でき、中心部から底辺及び
外周部の柱状固形燃料へと順調に燃焼が拡がるので、燃
焼の初期から終わりまでほぼ均一な火力を保持すること
ができる。

＜実施例＞ 次に、本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案の木炭燃料セットの１実施例についての
斜視図、第２図は第１図の網の部分を除いた平面図、第
３図は第２図のＡ−Ａ線の縦断面図である。

この木炭燃料セットは、直径40mm、高さ36mmの柱状固形
燃料１を中心に置き、周囲部に直径35mmで高さ60mmの柱
状固形燃料２〜７を配し、柱状固形燃料１の上には着火
線９を接続した32mm角、高さ10mmの大きさの着火剤８を
載せたものを大きめの網袋に入れ、着火線の先端を網目
より袋外に出して網の上端を閉じた構成としたものであ
る。

この木炭燃料セットに使用した各柱状固形燃料１〜７
は、75重量部の木炭粉に25重量部の粘土、澱粉及び水を
混練・成形し、乾燥したものである。

この木炭燃料セットは、携帯に便利で、網の上端を手で
持ってコンロ内に移し、マッチで着火線に点火するだけ
で、手を汚すことなく容易に着火し、順調に燃焼させる
ことができた。

〈考案の効果〉 以上説明したとおり、本考案の木炭燃料セットは、着火
線を接続した着火剤を載せた中心部の柱状固形燃料の周
囲に複数個の柱状固形燃料を中心軸が互いに平行になる
ように直立させて配置し、やや大きめの可燃性材料の袋
に入れ、着火線の先端を袋外に出したセットとすること
により、携帯と取扱いに便利で手を汚すことなく、容易
に着火でき、順調な燃焼が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の木炭燃料セットの１実施例について
の斜視図、第２図は第１図の網の部分を除いた平面図、
第３図は第２図のＡ−Ａ線の縦断面図である。 １〜７……柱状固形燃料 ８……着火剤、９……着火線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】木炭粉を主可燃材とし、粘結剤その他の添
   加剤を加えて混練成形した複数個の柱状固形燃料を、中
   心部の燃料とそれを囲む周囲部の燃料群とに区分し、中
   心部の柱状固形燃料の高さを周囲部の柱状固形燃料の高
   さより低くして各柱状固形燃料の中心軸をほぼ平行直立
   させて配置し、前記中心部の柱状固形燃料上に着火線を
   接続した着火剤を載置し、コンロ内に載置した際に各柱
   状固形燃料間に空気が流通する間隙を生じ得る大きさの
   可燃性材料よりなる袋に入れ、袋上部を閉じた構成とし
   た木炭燃料セット。