JPH0734452Y2 - フックハンガー用アダプター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は量販店等において販売商
品を吊り下げ展示する際に、商品の品名や価格等を表示
するのに用いられるフックハンガー用アダプターに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、量販店等において商品を販売する
場合には、上下一対のバーからなるフックハンガーを被
取付面に固定し、上方のバーに価格表示板を取付け、下
方のバーに商品を吊り下げて展示することが広く行われ
ている。

【０００３】このような用途に使用されるフックハンガ
ー用アダプターとして、先に本出願人は、図１０に示す
ような商品の吊り下げ展示器を提案している（実願平４
−９１５６４号 以下先考案という）。すなわち、先考
案の吊り下げ展示器は、固定基板１に先端がそれぞれ上
方に折り曲げられた上下一対のバー２，３を有し、上方
のバー２の先端部に価格表示板４が取り付けられ、下方
のバー３に商品ａが吊り下げられる商品の吊り下げ展示
器において、上方のバー２の先端に、価格表示板４が自
重により垂下しているときはその下端が前記両バー２，
３の間にあり、価格表示板４がはね上げられたときはそ
の下端が前記両バー２，３の間隔以上の間隔となる位置
に価格表示板４の裏面上側を枢着したものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記先考案
のフックハンガー用アダプターでは、上方のバー２の先
端が直角に上方へ折り曲げられたＬ字状のものにしか取
付けることができず、これに対して、実際に店頭で使用
されているバーの中には、先端が直角に折り曲がったも
のの他に、斜めに折り曲がっているタイプのバーもあ
り、また直角に折り曲げられているものにあっても、折
曲部の長さに長短各種のものが存在するため、上記先考
案は取付可能なバーが限られ、汎用性が低いという問題
点があった。

【０００５】また上記先考案では、商品を吊り下げる場
合には価格表示板４を手前にはね上げて商品を吊り下げ
ていたが、はね上げた価格表示板４が落下してくるの
で、商品補充を行う間中ずっと手で押さえ続けなければ
ならず、作業性が悪いという問題点もあった。

【０００６】本考案は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、バーの先端部が上方に直角に折り曲げられたものや
斜めに折り曲げられたもの等、上方のバーの先端部の形
状にかかわらず汎用的に取付けることのできるフックハ
ンガー用アダプターを提供することを目的とする。

【０００７】本考案はさらに、商品の吊り下げ作業を行
う場合に、価格表示板をはね上げた状態のまま一時的に
固定することのできるフックハンガー用アダプターを提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案のフックハンガー用アダプターは、少なくとも
上方のバーの先端部が上方に折り曲げられた上下一対の
バーにより構成されるフックハンガーの上方のバー先端
に、脱着自在でかつ前後に移動自在なアダプター取付部
材と、価格表が取付けられる価格表示板と、前記アダプ
ター取付部材と価格表示板とを接続する連結片との３部
材からなり、前記アダプター取付部材には、アダプター
取付部材がバー先端の前方に移動させて取付けられたと
きのバー先端部の折曲部上面に開口部が形成されるとと
もに、アダプター取付部材の先端部上方両側面には連結
片係止軸が突設され、前記連結片には、前記アダプター
取付部材の係止軸と回動自在に係合される係止部と前記
価格表示板取付片とを備え、価格表示板には、その表面
に価格表取付面を有し、裏面に前記連結片の価格表示板
取付片をその上方及び下方のいずれかに切り替えて固定
する上下固定切替機構を備えてなることを特徴としてい
る。

【０００９】この場合において、アダプター取付部材の
連結片係止軸の下方には連結片が一時的に係止される隆
状突起を設けるとともに、連結片には前記アダプター取
付部材の隆状突起に、その弾性により一時的に係脱され
る係止片を設けるようにするとよい。

【００１０】また、上下固定切替機構は、価格表示板の
裏面に形成された連結片の価格表示板取付片の上下方向
のガイドレールと、連結片の価格表示板取付片の上端と
下端に衝合しその上下の移動幅を規制する移動幅規制ス
トッパーと、この上下の移動幅規制ストッパーの中間に
位置し、その弾性で常時連結片の価格表示板取付片の上
端と下端のいずれかに衝合する弾性ストッパーとから構
成するとよい。

【００１１】

【作用】上記構成からなる本考案のフックハンガー用ア
ダプターでは、バーの先端部が斜上方に折り曲げられて
いるとき、およびバーの先端が上方へ直角に折り曲げら
れているが、その長さが短かいときは、アダプター取付
部材の内面先端にバーの先端が衝合するように、アダプ
ター取付部材がバーに取りつけられ、バーの先端部が上
方へ直角に折り曲げられておりかつその長さが長いとき
は、その折り曲げ端をアダプター取付部材の開口部より
突出させた状態でアダプター取付部材がバーに取りつけ
られる。また価格表示板は、裏面に備えられた上下固定
切替機構により、連結片の価格表示板取付片に対して、
上方及び下方のいずれかに切り替えて固定される。さら
にアダプター取付部材の隆状突起は連結片の係止片に係
合して、はね上げ位置に一時的に係止される。

【００１２】

【実施例】以下、添付図面を参照して本考案に係るフッ
クハンガー用アダプターの実施例を説明する。図１はフ
ックハンガー用アダプターを示す分解斜視図である。図
示の通り、このフックハンガー用アダプターは、アダプ
ター取付部材１０と、価格表示板３０と、これらを接続
する連結片２０とから構成されている。

【００１３】アダプター取付部材１０は、フックハンガ
ーの上方のバー先端部に嵌着されるものであって、その
内部は長手方向の断面図（図２）に示される如く中空に
なっており、上面にはバー先端部２ａが貫通するための
２つの開口部１１，１２が形成されるとともに、底部内
面にはバー水平部２ｂを挟持すべく凸部１３が対向して
形成されている。また、アダプター取付部材１０の先端
部側面には連結片係止軸１４と隆状突起１５が突設さ
れ、連結片２０を取付けるようになっている。ここで、
開口部１１，１２中、先端部の開口部１１は必らずしも
必要ではない。

【００１４】連結片２０は、長方形の板状をなす価格表
示板取付片２１と、これに一体的に形成された係止片２
２，２２とから構成されており、この係止片２２，２２
の付根部分の対向面には係止溝２３，２３が設けられ、
前述のアダプター取付部材１０の連結片係止軸１４に係
合する。また係止片２２，２２の先端部は角状に突設さ
れ、連結片２０がアダプター取付部材１０に取りつけら
れたとき、前述の隆状突起１５に衝合する長さに形成さ
れている。

【００１５】価格表示板３０の表面には（図は裏面を手
前に示している）、透明アクリル板からなる価格表取付
面３１が上側を開放して被着され、商品の品名、価格等
を印刷したカードが、その開放面である間隙３２に挿入
できるようになっており、裏面に切欠３３を設けてカー
ドの交換が容易になるようにしている。

【００１６】価格表示板３０の裏面には、ガイドレール
３４，３４、移動幅規制ストッパー３５，３６、および
弾性ストッパー３７から構成される上下固定切替機構が
備えられており、後述するように価格表示板３０を連結
片２０に対して上位置と下位置に選択的に固定すること
ができるようになっている。

【００１７】ガイドレール３４，３４は、前記価格表示
板取付片２１の両縁を上下方向に案内するもので、左右
一対となって上下方向に並設されており、価格表示板取
付片２１が着脱できるよう凸縁２１ａ，２１ｃの形状に
合致した凹部３４ｂ，３４ｄが形成されている。またガ
イドレール３４，３４の中間位置には上下２つの移動幅
規制ストッパー３５，３６が突設され、ガイドレール３
４，３４により上下に案内される価格表示板取付片２１
を上端および下端位置にて規制する。より詳細には、価
格表示板取付片２１が上方にスライドすると、その上端
２１ｄが移動幅規制ストッパー３５と衝合し、反対に、
価格表示板取付片２１が下方にスライドすると、その下
端２１ｅが移動幅規制ストッパー３６と衝合する。さら
に、これら移動幅規制ストッパー３５，３６の中間には
弾性ストッパー３７が切込３８により形成され、その弾
性により常時突出するように付勢されており、価格表示
板取付片２１が上方にスライドしたときには下端２１ｅ
と、下方にスライドしたときには上端２１ｄと衝合し
て、前記移動幅規制ストッパー３５，３６と相俟って価
格表示板取付片を固定するようになっている。

【００１８】このように構成された実施例のフックハン
ガー用アダプターを組み立てる場合には、まず想像線に
て示されるように、連結片２０を反転して保持し、係止
溝２３にアダプター取付部材１０の連結片係止軸１４を
挿入し、矢印にて示されるように連結片２０を回転させ
る。つぎに、連結片２０の凸縁２１ａがガイドレール３
４の凹部３４ｂに、連結片２０の凸縁２１ｃがガイドレ
ール３４の凹部３４ｄに、それぞれ合致するようにはめ
込んで、弾性ストッパー３７の弾性力に抗して押しこ
み、上下いずれか所望の方向に連結片２０をスライドさ
せる。これにより、移動幅規制ストッパー３５，３６と
弾性ストッパー３７とにより連結片２０は固定される。

【００１９】このように構成された実施例のフックハン
ガー用アダプターの使用に際しては、図３に示すよう
に、固定基板１を所定の壁面に固定した後、上方のバー
２の先端にアダプター取付部材１０を嵌合して取付け、
価格表示板３０の間隙３２に商品名と価格が印刷された
カードを挿入する。そして下方のバー３には価格表示板
３０に表示された商品ａを吊下部ａ１により多数吊り下
げる。

【００２０】ここで、店員が下方のバー３に商品ａを吊
り下げる場合には、図４に示されるように、価格表示板
３０を手で持ち上げ、さらに若干の力を加えて係止片２
２が隆状突起１５を乗り越える位置にまではね上げる。
このようにすれば、価格表示板３０ははね上げた位置に
一時的に固定されるので、商品を吊り下げる作業の邪魔
になることがない。なお、係止片２２の隆状突起１５と
の衝合部にテーパ部２４を形成しておけば、小さな力で
スムースに係止片２２は隆状突起１５を乗り越えること
ができる。商品ａの吊り下げ作業終了後は価格表示板３
０を垂直位置（元位置）に戻す。

【００２１】一方、顧客が下方のバー３に吊り下げられ
た商品を取り出す場合には、商品をそのまま手前に移動
すれば、図５に示されるように、商品ａの上端部分にて
価格表示板３０がはね上げられ、価格表示板３０に邪魔
されることなく商品を取り出すことができる。そして、
このときには係止片２２が隆状突起１５を乗り越えるこ
とはなく、従って、はね上げられた価格表示板３０は、
商品ａ取り出し後は自重により落下して図３に示す元位
置に復帰する。

【００２２】また、この実施例のフックハンガー用アダ
プターを上方のバー２の先端に取付けるに際しては、上
方のバー２の折曲形状に応じて、図６乃至図９に示され
るように取付けることができる。すなわち、図６は上方
のバー２の折り曲げられた先端部２ａが長い場合の取付
状態を示しており、この場合にはアダプター取付け部材
１０の後方の開口１２を利用して手前にずらして取り付
ければ、図７に示されるように先端部２ａが価格表示板
３０のはね上げの邪魔になることはない。また、図８お
よび図９は上方のバー２の先端部２ａが斜めに折れ曲げ
られている場合の取付け状態を示しており、すでに図２
の断面にて説明したように、アダプター取付け部材１０
は中空状になっているので、対向する凸部１３が上方の
バー２の水平部２ｂを抱持して、取り付け可能になって
いる。

【００２３】この実施例では上記のように構成され、使
用されるものが示されているが、たとえば価格表示板３
０の価格表取付面３１はカード挿入方式に限らず、単な
る板状とし、これに商品名や価格等が印刷されたシール
を貼着するようにしてもよいことは勿論である。

【００２４】

【考案の効果】以上説明したように本考案のフックハン
ガー用アダプターによれば、上方のバーの先端が斜めに
折り曲げられたもの、あるいは直角に折り曲げられたも
のの長さに長短があるもの等、上方のバーの先端部の折
曲形状にかかわらず取り付けできるので、従来より使用
されているフックハンガーにも使用できて汎用的に使用
することができる。また商品の吊り下げ作業を行う場合
に、価格表示板をはね上げた状態のまま一時的に固定す
ることができるので、価格表示板が吊り下げ作業の邪魔
になることもなく、吊り下げ作業を効率的に行なうこと
ができる。

【００２５】アダプターはアダプター取付部材と、価格
表示板と、これら両者を接続する連結片との３部材のみ
で構成することができるので、これを実施例のように構
成して合成樹脂により成型すれば、金型代を可及的に節
減でき、しかも量産性に富むためコストを低廉とするこ
とができる等の効果を併有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るフックハンガー用アダプターを示
す分解斜視図である。

【図２】図１に示すアダプター取付部材の断面図であ
る。

【図３】フックハンガーのバー先端が直角に上方に折り
曲げられかつその長さが短かい場合のフックハンガー用
アダプターの使用状態を示すもので、連結片が価格表示
板の下方に固定されたときの吊り下げ状態図である。

【図４】図３における価格表示板のはね上げ状態図であ
る。

【図５】図３における商品取出時の価格表示板の揺動状
態図である。

【図６】フックハンガーのバーの先端が直角に上方に折
り曲げられかつその長さが長い場合のフックハンガー用
アダプターの使用状態を示すもので、連結片が価格表示
板の上方に固定されたときの吊り下げ状態図である。

【図７】図６における価格表示板のはね上げ状態図であ
る。

【図８】フックハンガーのバー先端が斜上方に折り曲げ
られている場合のフックハンガー用アダプターの使用状
態を示すもので、連結片が価格表示板の上方に固定され
たときの吊り下げ状態図である。

【図９】図８における価格表示板のはね上げ状態図であ
る。

【図１０】先考案に係るフックハンガー用アダプターの
説明図である。

【符号の説明】

２・・・上方のバー ２ａ・・・先端部 ３・・・下方のバー １０・・アダプター取付部材 １１，１２・・・開口部 １４・・・連結片係止軸 １５・・・隆状突起 ２０・・・連結片 ２１・・・価格表示板取付片 ２２・・・係止片（係止部） ３０・・・価格表示板 ３１・・・価格表取付面 ３４・・・ガイドレール ３５，３６・・・移動幅規制ストッパー ３７・・・弾性ストッパー

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも上方のバーの先端部が上方に
   折り曲げられた上下一対のバーにより構成されるフック
   ハンガーの上方のバー先端部に、脱着自在でかつ前後に
   移動自在なアダプター取付部材と、価格表が取付けられ
   る価格表示板と、前記アダプター取付部材と価格表示板
   とを接続する連結片との３部材からなり、 前記アダプター取付部材には、アダプター取付部材がバ
   ー先端の前方に移動させて取付けられたときのバー先端
   部の折曲部上面に開口部が形成されるとともに、アダプ
   ター取付部材の先端部上方両側面には連結片係止軸が突
   設され、 前記連結片には、前記アダプター取付部材の係止軸と回
   動自在に係合される係止部と前記価格表示板取付片とを
   備え、 価格表示板には、その表面に価格表取付面を有し、裏面
   に前記連結片の価格表示板取付片をその上方及び下方の
   いずれかに切り替えて固定する上下固定切替機構を備え
   てなることを特徴とするフックハンガー用アダプター。
2. 【請求項２】 アダプター取付部材の連結片係止軸の下
   方には連結片が一時的に係止される隆状突起が設けられ
   るとともに、連結片には前記アダプター取付部材の隆状
   突起に、その弾性により一時的に係脱される係止片が設
   けられたことを特徴とする請求項１記載のフックハンガ
   ー用アダプター。
3. 【請求項３】 上下固定切替機構が、価格表示板の裏面
   に形成された連結片の価格表示板取付片の上下方向のガ
   イドレールと、連結片の価格表示板取付片の上端と下端
   に衝合しかつその上下の移動幅を規制する移動幅規制ス
   トッパーと、この上下の移動幅規制ストッパーの中間に
   位置し、その弾性で常時連結片の価格表示板取付片の上
   端と下端のいずれかに衝合する弾性ストッパーとからな
   ることを特徴とする請求項１及び請求項２いずれか記載
   のフックハンガー用アダプター。