JPH07307983A - 車両用防盗装置 - Google Patents

車両用防盗装置

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JPH07307983A
JPH07307983A JP9671694A JP9671694A JPH07307983A JP H07307983 A JPH07307983 A JP H07307983A JP 9671694 A JP9671694 A JP 9671694A JP 9671694 A JP9671694 A JP 9671694A JP H07307983 A JPH07307983 A JP H07307983A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランキング状態が検出されると装置内の回
路間の相互の通信を停止し、所定時間後に相互の通信を
開始して使用キーのＩＤ照合を行う。 【構成】 車両のキーに内蔵されたＩＤ記憶回路１と通
信を行ってＩＤ番号を読み出すＩＤ読み出し回路２と、
このＩＤ読み出し回路２により読み出したＩＤ番号が予
め登録されたＩＤ番号である場合はエンジン制御装置５
と通信を行って作動許可信号を出力する防盗制御回路３
と、クランキング状態を検出するクランキング状態検出
回路５とを備え、ＩＤ記憶回路１、ＩＤ読み出し回路
２、防盗制御回路３およびエンジン制御装置５は、クラ
ンキング状態検出回路５によりクランキング状態が検出
されると相互の通信を停止し、所定時間後に相互の通信
を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、イグニッションキーの
ＩＤ番号の照合により車両の盗難を防止する車両用防盗
装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】車両のイグニッションキーのヘッド部に
埋め込まれたトランスポンダーに固有のＩＤ番号を設定
し、エンジンの始動の度にキーのＩＤ番号を読み込んで
車両に予め登録されているＩＤ番号と照合し、登録済み
のキーであればエンジンコントロールユニットへエンジ
ンの作動を許可する信号を送り、未登録キーであれば作
動許可信号を送らずに車両の走行を阻止する車両用防盗
装置が知られている（例えば、特開昭６４−５６２５３
号公報参照）。
【０００３】この車両用防盗装置からエンジンコントロ
ールユニットへ送信される作動許可信号は一定のコード
となっており、エンジンコントロールユニットは予め設
定され記憶しているコードと車両用防盗装置から送られ
たきたコードとを照合し、両者が一致していればエンジ
ンを始動するようにしている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バッテリー
からスターターモーターへ通電してエンジンを始動する
クランキング期間には、バッテリーからスターターモー
ターへ大きな始動電流が流れる上に、電流値が一定でな
いのでバッテリーの端子電圧が大きく変動し、電源電圧
が不安定になる。このようなクランキング期間に、キー
に内蔵されたトランスポンダーと通信を行ってＩＤ番号
を読み込んだり、エンジンコントロールユニットと通信
を行ってＩＤ番号の照合結果を送信したりすると、通信
エラーが発生して装置が誤動作するおそれがある。
【０００５】そこで、上述した従来の車両用防盗装置で
は、クランキング期間の通信エラーによる誤動作を避け
るために、エンジンコントロールユニットによってスタ
ーターモーターに印加される電圧（以下、クランキング
電圧と呼ぶ）をモニターし、クランキング期間には通信
を行わないようにしている。また、従来の車両用防盗装
置では、エンジンの始動性を考慮してＩＤ番号の照合前
はエンジンの始動を優先させている。
【０００６】このように、クランキング期間にはトラン
スポンダーとエンジンコントロールユニットとの通信を
行わないようにしているので、クランキング期間を継続
するような改造を行うと、防盗性が低下してしまう可能
性がある。
【０００７】本発明の目的は、クランキング状態が検出
されると装置内の回路間の相互の通信を停止し、所定時
間後に相互の通信を開始して使用キーのＩＤ照合を行う
車両用防盗装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図１に対
応づけて本発明を説明すると、請求項１の発明は、車両
のキーに内蔵されたＩＤ記憶回路１と通信を行ってＩＤ
番号を読み出すＩＤ読み出し回路２と、このＩＤ読み出
し回路２により読み出したＩＤ番号が予め登録されたＩ
Ｄ番号である場合はエンジン制御装置５と通信を行って
作動許可信号を出力する防盗制御回路３と、クランキン
グ状態を検出するクランキング状態検出回路５とを備
え、ＩＤ記憶回路１、ＩＤ読み出し回路２、防盗制御回
路３およびエンジン制御装置５は、クランキング状態検
出回路５によりクランキング状態が検出されると相互の
通信を停止し、所定時間後に相互の通信を開始すること
により、上記目的を達成する。請求項２の車両用防盗装
置は、クランキング状態検出回路５によって、スタータ
ーモーター６４に駆動電圧が印加されている状態を検出
するようにしたものである。請求項３の車両用防盗装置
は、エンジン制御装置５によって、所定時間後に通信が
開始された後、防盗制御回路３からＩＤ照合結果の作動
許可信号が得られない場合はスターターおよびエンジン
の作動を停止するようにしたものである。
【０００９】
【作用】例えばスターターモーターに駆動電圧が印加さ
れている状態をクランキング状態として検出し、そのよ
うなクランキング状態が検出されたら防盗装置内の各回
路間の相互の通信を停止し、所定時間後に通信を開始す
る。これにより、故意にクランキング状態にして各回路
間の通信を停止させ、未登録キーによりエンジンを始動
しようとしても、所定時間後に各回路間の通信が開始さ
れ、ＩＤ照合が行われて作動許可信号が得られない場
合、すなわち未登録キーが使用されている場合はスター
ターおよびエンジンの作動を停止する。
【００１０】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段および作用の項では、本発明を分り
やすくするために実施例の図を用いたが、これにより本
発明が実施例に限定されるものではない。
【００１１】
【実施例】図１は一実施例の構成を示す機能ブロック
図、図２はキーの外観を示す図である。一実施例の車両
用防盗装置は、トランスポンダー１、アンテナユニット
２、イモビライザーユニット３およびエンジンコントロ
ールユニット５から構成される。
【００１２】トランスポンダー１はキー４のヘッド部４
ａに埋め込まれており、キーごとに固有のＩＤ番号が予
め記憶されるＥＥＰＲＯＭなどの不揮発性メモリ１１
と、アンテナユニット２との通信を制御する制御回路１
２と、アンテナ１３を介してアンテナユニット２と通信
を行うインタフェース１４とを備えている。インタフェ
ース１４はコンデンサーを有しており、アンテナユニッ
ト２から送信される所定の周波数のパルス信号電波を受
信して整流し、コンデンサーへ蓄電してＩＤ番号送信時
の送信電力として利用する。制御回路１２は、アンテナ
ユニット２から所定の周波数のパルス信号電波を受信し
た時に、その送信電力を用いてメモリ１１からＩＤ番号
を読み出し、インタフェース１４を介して車両のアンテ
ナユニット２へ送信する。
【００１３】アンテナユニット２は車両の不図示のイグ
ニッションキーシリンダー内に設置され、アンテナ２１
と、トランスポンダー１へ送信するための所定の周波数
のパルス信号を発生する発振器２２と、トランスポンダ
ー１から受信した信号を増幅する増幅器２３と、受信信
号をＩＤ番号に復調する復調器２４と、送信時に発振器
２２をアンテナ２１へ接続し、受信時に増幅器２３をア
ンテナ２１へ接続するスイッチ２５と、イモビライザー
ユニット３からの指令にしたがってトランスポンダー１
との通信を制御する制御回路２６と、イモビライザーユ
ニット３と通信を行うインタフェース２７とを備えてい
る。制御回路２６は、イモビライザーユニット３からイ
ンタフェース２７を介して電力送信指令を受信すると、
スイッチ２５をＴ側に切り換え、発振器２２から発っせ
られた所定の周波数のパルス信号を所定時間、アンテナ
２１を介してトランスポンダー１へ送信する。この送信
時間は、トランスポンダー１のインタフェース１４に送
信電力が蓄電される十分な時間とする。送信終了後、直
ちにスイッチ２５をＲ側に切り換えてトランスポンダー
１から送信される信号電波を受信し、増幅器２３により
増幅して復調器２４によりＩＤ番号に復調する。
【００１４】イモビライザーユニット３は、マイクロコ
ンピューターと、メモリ３１やインタフェース３２、３
３などの周辺部品から構成され、防盗制御を行うととも
に、インタフェース３２を介してエンジンコントロール
ユニット５と、インタフェース３３を介してアンテナユ
ニット２とそれぞれ通信を行う。防盗制御では、キーが
イグニッションキーシリンダー差し込まれるとアンテナ
ユニット２を介してキーのＩＤ番号を読み込み、不揮発
性メモリ３１に予め登録されているＩＤ番号と照合す
る。そして、差し込まれたキーのＩＤ番号が登録されて
いればエンジンコントロールユニット５へエンジンの作
動許可信号を出力し、差し込まれたキーのＩＤ番号が登
録されていなければ作動許可信号を出力せずに車両の走
行を阻止する。イモビライザーユニット３には、キー４
がイグニッションキーシリンダーに差し込まれると閉路
するスイッチ３４が接続される。
【００１５】エンジンコントロールユニット５は、マイ
クロコンピューターとインタフェース５１やスイッチ５
２などの周辺部品とから構成され、不図示のエンジンの
始動、停止、速度調節などを行うとともに、イモビライ
ザーユニット３とインタフェース５１を介して通信を行
い、ＩＤ照合結果の送信要求を送信し、作動許可信号を
受信する。
【００１６】さらに、エンジンコントロールユニット５
は、後述する制御プログラムを実行してスターターモー
ター６４のクランキング電圧をモニター端子Ｓでモニタ
ーし、クランキング電圧が所定時間以上検出された場合
はクランキング期間中でもイモビライザーユニット３と
の通信を開始し、使用されているキーのＩＤ照合を要求
し、照合不能または登録ＩＤ番号でない場合は次のよう
なエンジン停止制御を行ってエンジンを停止させる。つ
まり、スイッチ５２を開路してスターターの作動を停止
し、不図示の燃料供給装置へ供給停止指令を出力してエ
ンジンへの燃料供給を停止し、さらにイグニッションコ
イルへの点火信号の出力を停止する。
【００１７】通常、エンジンを始動するためのスタータ
ーモーター６４の作動時間は数秒であるから、通信を開
始するまでの上記所定時間には通常の始動時間よりも十
分に長い時間を設定する。通常のエンジンの始動時に、
このような長い時間、モニター端子Ｓにクランキング電
圧が印加されることはないから、例えば故意にモニター
端子Ｓにクランキング電圧を印加してＩＤ照合を停止さ
せ、未登録キーによりエンジンを始動して車両を盗む窃
盗行為を容易に検知することができる。このような場合
は、実際にスターターモーター６４が作動していないの
で、バッテリーＢＡＴの電圧は安定しており、アンテナ
ユニット２、イモビライザーユニット３およびエンジン
コントロールユニット５へバッテリーＢＡＴからそれぞ
れ安定な電圧が供給されているので、各回路間の通信を
開始しても通信エラーが発生することはない。そこで、
モニター端子Ｓでクランキング電圧が検出されてから所
定時間後にイモビライザーユニット３との通信を開始
し、ＩＤ照合結果の送信要求を送る。ＩＤ照合結果の送
信要求を受信したイモビライザーユニット３は、アンテ
ナユニット２へ電力送信指令を出力してトランスポンダ
ー１からＩＤ番号を読み込ませ、入力したＩＤ番号を登
録ＩＤ番号と照合する。照合が不能または未登録ＩＤ番
号の場合は、エンジンコントロールユニット５へ作動許
可信号を出力しない。エンジンコントロールユニット５
は、ＩＤ照合結果の送信要求を送ったにもかかわらずイ
モビライザーユニット３から作動許可信号を受信できな
い場合はリレー５２を開路してスターターの作動を停止
するとともに、上述したエンジン停止制御を行ってエン
ジンを停止する。
【００１８】スターター駆動回路６は、キー４がＳＴ位
置に設定されるとスターターモーター６４を作動させて
エンジンを始動するための回路である。上述したよう
に、通常、スイッチ５２は閉路しているので、イグニッ
ションスタートスイッチ６２が閉路すると、バッテリー
ＢＡＴからヒューズ６１を介してリレーコイル６３ｃに
電流が流れ、リレー６３がオンする。これにより、リレ
ー接点６３ａが閉路し、バッテリーＢＡＴからヒューズ
６１、イグニッションスタートスイッチ６２およびリレ
ー接点６３ａを介してスターターモーター６４へ電力が
供給され、スターターモーター６４が起動する。エンジ
ンコントロールユニット５のリレー５２が開路するとリ
レー６３がオフし、リレー接点６３ａが開路してスター
ターモーター６４の作動が停止する。
【００１９】図３はエンジンコントロールユニット５の
クランキング電圧モニタープログラムを示すフローチャ
ート、図４はイモビライザーユニット３のＩＤ照合プロ
グラムを示すフローチャートである。これらのフローチ
ャートにより、実施例の動作を説明する。エンジンコン
トロールユニット５のマイクロコンピューターは、モニ
ター端子ＳにＨｉレベルの電圧、すなわち実際のクラン
キング電圧またはクランキング電圧に相当する電圧が印
加されると図３に示すプログラムの実行を開始する。ス
テップＳ１において、Ｓ端子にＨｉレベルの電圧が印加
されてＴ時間が経過したか否かを判別し、Ｔ時間が経過
したらステップＳ２へ進む。ステップＳ２で、インタフ
ェース５１を介してイモビライザーユニット３へエンジ
ンのＩＤ照合結果の送信要求を出力する。
【００２０】イモビライザーユニット３のマイクロコン
ピューターは、キー挿入検出スイッチ３４が閉路する
か、またはインタフェース３２を介してエンジンコント
ロールユニット５からＩＤ照合結果の送信要求を受信し
たら図４に示すプログラムの実行を開始する。ステップ
Ｓ１１において、アンテナユニット２の制御回路２６へ
電力送信指令を出力する。上述したように、電力送信指
令を受信したアンテナユニット２はスイッチ２５をＴ側
に切り換え、発振器２２から発っせられた所定の周波数
のパルス信号を所定時間、アンテナ２１を介してトラン
スポンダー１へ送信する。送信終了後、直ちにスイッチ
２５をＲ側に切り換えてトランスポンダー１から送信さ
れる信号電波を受信し、増幅器２３により増幅して復調
器２４によりＩＤ番号に復調する。
【００２１】ステップＳ１２で、アンテナユニット２の
復調器２４から、イグニッションキーシリンダーへ差し
込まれているキーのＩＤ番号を入力し、続くステップＳ
１３で、入力したＩＤ番号がメモリ３１に登録されてい
るか否かを照合する。ＩＤ番号の照合が不能な場合、あ
るいは照合の結果、登録ＩＤ番号でない場合はプログラ
ムの実行を終了してエンジンコントロールユニット５へ
作動許可信号を出力しない。一方、照合の結果、登録Ｉ
Ｄであればインタフェース３２を介してエンジンコント
ロールユニット５へエンジンの作動許可信号を出力す
る。
【００２２】ふたたび図３のステップＳ３へ戻り、エン
ジンの作動許可信号を受信したか否かを判別し、受信し
た時はプログラムの実行を終了してそのままエンジンを
作動させ、作動許可信号を受信しなかった時はステップ
Ｓ４へ進む。ステップＳ４で、リレー５２を開路してス
ターターモーター６４の作動を停止させるとともに、上
述したエンジン停止制御を実行してエンジンを停止させ
る。
【００２３】以上の実施例の構成において、トランスポ
ンダー１がＩＤ記憶回路を、アンテナユニット２がＩＤ
読み出し回路を、エンジンコントロールユニット５がエ
ンジン制御装置およびクランキング状態検出回路を、イ
モビライザーユニット３が防盗制御回路をそれぞれ構成
する。
【００２４】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、例
えばスターターモーターに駆動電圧が印加されている状
態をクランキング状態として検出し、そのようなクラン
キング状態が検出されたら防盗装置内の各回路間の相互
の通信を停止し、所定時間後に通信を開始するようにし
たので、故意にクランキング状態にして各回路間の通信
を停止させ、未登録キーによりエンジンを始動しようと
しても、所定時間後に各回路間の通信が開始され、ＩＤ
照合が行われて作動許可信号が得られない場合、すなわ
ち未登録キーが使用されている場合はスターターおよび
エンジンの作動を停止することができ、防盗性能を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】一実施例の構成を示す機能ブロック図。
【図２】キーの外観図。
【図３】クランキング電圧モニタープログラムを示すフ
ローチャート。
【図４】ＩＤ照合プログラムを示すフローチャート。
【符号の説明】
１ トランスポンダー ２ アンテナユニット ３ イモビライザーユニット ４ キー ４ａ ヘッド部 ５ エンジンコントロールユニット ６ スターター駆動回路 １１、３１ メモリ １２、２６ 制御回路 １３、２１ アンテナ １４、２７、３２、３３、５１ インタフェース ２２ 発振器 ２３ 増幅器 ２４ 復調器 ３４、５２、６２ スイッチ ６１ ヒューズ ６３ リレー ６３ｃ コイル ６３ａ 接点 ６４ スターターモーター

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 車両のキーに内蔵されたＩＤ記憶回路と
    通信を行ってＩＤ番号を読み出すＩＤ読み出し回路と、 このＩＤ読み出し回路により読み出したＩＤ番号が予め
    登録されたＩＤ番号である場合はエンジン制御装置と通
    信を行って作動許可信号を出力する防盗制御回路と、 クランキング状態を検出するクランキング状態検出回路
    とを備え、 前記ＩＤ記憶回路、前記ＩＤ読み出し回路、前記防盗制
    御回路および前記エンジン制御装置は、前記クランキン
    グ状態検出回路によりクランキング状態が検出されると
    相互の通信を停止し、所定時間後に相互の通信を開始す
    ることを特徴とする車両用防盗装置。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の車両用防盗装置におい
    て、 前記クランキング状態検出回路は、スターターモーター
    に駆動電圧が印加されている状態を検出することを特徴
    とする車両用防盗装置。
  3. 【請求項３】 請求項１または請求項２に記載の車両用
    防盗装置において、 前記エンジン制御装置は、前記所定時間後に通信が開始
    された後、前記防盗制御回路からＩＤ照合結果の作動許
    可信号が得られない場合はスターターおよびエンジンの
    作動を停止することを特徴とする車両用防盗装置。
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