JPH07292790A - セメント質基材の防水工法 - Google Patents

セメント質基材の防水工法

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JPH07292790A
JPH07292790A JP9186094A JP9186094A JPH07292790A JP H07292790 A JPH07292790 A JP H07292790A JP 9186094 A JP9186094 A JP 9186094A JP 9186094 A JP9186094 A JP 9186094A JP H07292790 A JPH07292790 A JP H07292790A
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JP
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adhesive
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waterproof sheet
solvent
cementitious base
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JP9186094A
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Atsushi Azuma
篤 東
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶剤の使用量を減少させることができ、
火災に対する安全性、人体に対する安全性、環境衛生面
などにすぐれ、しかも防水シートの接着後には、接着
力、耐水性にすぐれたセメント質基材の防水工法を提供
すること。 【構成】 ポリクロロプレンラテックスを主成分とする
水系接着剤を塗布し、乾燥させて形成された接着剤層を
少なくとも一面に有する防水シートを、該防水シートの
接着剤層がセメント質基材に接するように、該セメント
質基材にクロロプレンゴムを主成分とする溶剤系接着剤
を塗布したのちに接着することを特徴とするセメント質
基材の防水工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント質基材の防水
工法に関する。さらに詳しくは、建築物などに防水工事
を施す際に適用しうるセメント質基材の防水工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コンクリート建造物などのセメント質基
材の防水工法には、アスファルト防水工法、モルタル防
水工法、シート防水工法、塗膜防水工法などがあるが、
これらのなかではシート防水工法は、その施工が簡便で
あることから、近年いちじるしく普及している工法であ
る。
【0003】前記シート防水工法においては、防水シー
トをセメント質基材に接合させる際には、接着剤や金具
などが用いられているが、防水性能にすぐれる点から接
着剤が多用されている。
【0004】従来、前記接着剤として、主に溶剤系ポリ
クロロプレン接着剤が用いられており、通常、該ポリク
ロロプレン接着剤は、施行現場で防水シートとセメント
質基材の双方に直接塗布することにより、使用に供され
ている。
【0005】しかしながら、前記ポリクロロプレン接着
剤には、有機溶剤が用いられているため、施工時に有機
溶剤が揮散し、火災などを発生するおそれがあるのみな
らず、人体に対する安全衛生面、環境保護面で好ましく
ない。
【0006】このような観点から、充分な接着力、耐水
性を有し、乾燥性が良好な水性接着剤を用いたシート防
水工法の開発が待ち望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、有機溶剤の使用量を減
少させることができ、火災に対する安全性、人体に対す
る安全性、環境衛生面にすぐれ、しかも防水シートの接
着後には、接着力、耐水性にすぐれたシート防水工法を
提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リクロロプレンラテックスを主成分とする水系接着剤を
塗布し、乾燥させて形成された接着剤層を少なくとも一
面に有する防水シートを、該防水シートの接着剤層がセ
メント質基材に接するように、該セメント質基材にクロ
ロプレンゴムを主成分とする溶剤系接着剤を塗布したの
ちに接着することを特徴とするセメント質基材の防水工
法に関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明のセメント質基材の防水工
法によれば、ポリクロロプレンラテックスを主成分とす
る水系接着剤を塗布し、乾燥させて形成された接着剤層
を少なくとも一面に有する防水シートを、該防水シート
の接着剤層がセメント質基材に接するように、該セメン
ト質基材にクロロプレンゴムを主成分とする溶剤系接着
剤を塗布したのちに接着することにより、前記セメント
質基材と防水シートとを高接着力で接着させることがで
き、しかも形成された接着剤層は、耐水性にもすぐれた
ものとなる。また、一般に水系接着剤を用いたばあいに
は、有機溶剤系接着剤を用いたばあいと対比して、乾燥
に要する時間が長くなるが、本発明の防水工法によれ
ば、乾燥に要する時間は、従来の有機溶剤系接着剤を用
いたばあいと対比して大差がなく、接着剤を迅速に乾燥
させることができるという利点がある。
【0010】本発明のセメント質基材の防水工法に適用
しうるセメント質基材としては、たとえばセメント、モ
ルタル、コンクリートをはじめ、スレートなどのような
種々の素材からなるセメント質基材をあげることができ
る。前記セメント質基材を適用したものの代表例として
は、たとえば建造物などがあげられる。
【0011】本発明に用いられる防水シートとしては、
たとえばエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、
ブチルゴム、これらの混合物などからなる未加硫シート
や加硫シート、ポリクロロプレンシート、クロロスルホ
ン化ポリエチレンシート、エチレン−酢酸ビニル樹脂シ
ート、塩化ビニル樹脂シートをはじめ、これらのシート
に他のシートを積層加工したシート、前記シートを構成
する樹脂成分からなる基布にアスファルトを含浸させた
アスファルト含浸シートなどがあげられる。これらのな
かでは、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマーを
主成分としたシート、ブチルゴムを主成分としたシー
ト、とくにエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー
からなるシートは、耐久性、引張強度などの機械的強度
にすぐれているので好ましい。なお、ここで主成分と
は、その成分の含有量が50重量%以上であることをい
う。
【0012】前記防水シートの厚さは、とくに限定がな
く、目的、用途などに応じて適宜選定すればよいが、あ
まりにも厚いばあいには、取扱いが不便であり、防水シ
ートとしての用途を考慮すれば、過剰品質となる傾向が
あるので、3mm以下、なかんづく2mm以下であるこ
とが好ましく、またあまりにも薄いばあいには、取扱い
時や、人などの歩行時に破損するおそれが生じる傾向が
あるので、0.5mm以上、なかんづく1mm以上であ
ることが好ましい。
【0013】前記防水シートの少なくとも一面、すなわ
ち片面または両面には、ポリクロロプレンラテックスを
主成分とする水系接着剤をあらかじめ塗布し、乾燥させ
て接着剤層を形成させる。
【0014】このように、本発明においては、防水シー
トとしてあらかじめ少なくとも一面に接着剤層が形成さ
れたものが用いられるので、セメント質基材に対する接
着性にすぐれ、また施工時に水系接着剤に含有された溶
媒である水分を蒸発除去するという煩雑で長時間を要す
る操作が不要であり、しかもかかる接着剤層を形成させ
る際には、有機溶剤が不要であるので、火災に対する安
全性、人体に対する安全性、環境衛生面にすぐれるとい
う利点がある。
【0015】なお、前記水系接着剤として種々のものが
あるが、これらのなかでも本発明においては特定の水系
接着剤、すなわちポリクロロプレンラテックスを主成分
とする水系接着剤が用いられているので、セメント質基
材に対する接着性にすぐれるという利点がある。
【0016】本発明に用いられる水系接着剤は、ポリク
ロロプレンラテックスを主成分としたものである。
【0017】前記ポリクロロプレンラテックスとは、2
−クロロ−1,3−ブタジエンの重合体であるポリクロ
ロプレンラテックス、2−クロロ−1,3−ブタジエン
と2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの共重合体の
ラテックスまたはこれらの混合物をいう。
【0018】前記ポリクロロプレンラテックスに含まれ
る樹脂固形分量は、あまりにも多いばあいには、機械的
な刺激に対して不安定となる傾向があるので、70重量
%以下、なかんづく60重量%以下であることが好まし
く、またあまりにも少ないばあいには、乾燥時に水を蒸
発させるために多大なエネルギーを要するようになる傾
向があるので、35重量%以上、なかんづく40重量%
以上であることが好ましい。
【0019】なお、ここでポリクロロプレンラテックス
を主成分とするとは、水系接着剤中におけるポリクロロ
プレンラテックスの含有率が50重量%以上、好ましく
は65重量%以上であることをいう。なお、本発明にお
いて、ポリクロロプレンラテックスをそのまま水系接着
剤として使用してもよいことは勿論のことである。
【0020】前記水系接着剤には、接着性の向上を図る
ために、粘着性付与剤を配合することが好ましい。
【0021】前記粘着性付与剤の代表例としては、たと
えばテルペン系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、ク
マロン樹脂、ロジン系樹脂、ロジン誘導体系樹脂、脂肪
族系炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0022】前記粘着性付与剤の配合量は、その種類に
よって異なるので一概には決定することができず、通
常、接着性などを考慮して本発明の目的が阻害されない
範囲内で適宜調整することが好ましいが、通常水系接着
剤中に5〜50重量%、なかんづく10〜35重量%含
有されるように調整することが好ましい。
【0023】また、本発明に用いられる水系接着剤に
は、所望のコーティング特性や接着に関する特性などを
付与するために、一般にラテックスに用いられている配
合剤を添加することができる。
【0024】前記配合剤の代表例としては、たとえば亜
鉛華、イオウなどの加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、
軟化剤、カーボンブラックなどの着色剤、充填剤、分散
剤、乳化剤、安定化剤、増粘剤、イソシアネート化合物
などの架橋剤などがあげられるが、本発明はかかる例示
のみに限定されるものではない。なお、これらの配合剤
のなかで水に溶解しないものについては、たとえばボー
ルミル、ホモジナイザーなどを用いて粉砕し、水分散体
としたのちに用いることができる。
【0025】前記配合剤の添加量は、かかる配合剤の種
類によって異なるので一概には決定することができず、
本発明の目的が阻害されない範囲内で適宜調整すること
が好ましい。
【0026】前記水系接着剤の塗布量は、あまりにも少
ないばあいには、接着性が充分に発現されなくなる傾向
があり、またあまりにも多いばあいには、経済性がわる
くなる傾向があるので、通常、乾燥後の目付で10〜3
00g/m2 、なかんづく10〜100g/m2 である
ことが好ましい。
【0027】前記水系接着剤を防水シートに塗布する方
法としては、一般に行なわれている、たとえばカーテン
フローコーター法、バーコーター法、ロールコーター法
などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定さ
れるものではない。
【0028】前記水系接着剤を防水シートに塗布したの
ち、形成された塗膜を乾燥させることにより、接着剤層
が形成される。かかる接着剤層は、前記したように、防
水シートの少なくとも一面、すなわち防水シートの片面
または両面に形成される。水系接着剤の塗膜を乾燥させ
る際には、乾燥時間を短縮させるために、加熱すること
が好ましいが、かかる加熱温度があまりにも高いばあい
には、水系接着剤が熱によって変性し、接着力が劣るよ
うになる傾向があるので、通常、50〜200℃程度で
あることが好ましい。なお、ここで乾燥させるとは、形
成された接着剤層に含まれた水分量を3重量%以下とす
ることをいう。
【0029】つぎに、セメント質基材にクロロプレンゴ
ムを主成分とする溶剤系接着剤を塗布したのち、防水シ
ートを接着させる。
【0030】防水シートのセメント質基材への接着は、
通常施工現場にて行なうことができる。
【0031】このように、本発明においては、防水シー
トにはあらかじめ接着剤層が形成されており、有機溶剤
を含む溶剤系接着剤は、セメント質基材のみに塗布する
だけでよいから、施工時の乾燥に要する時間は、従来の
溶剤系接着剤を用いたばあいとほとんど変わりがなく、
しかも防水シートおよびセメント質基材の双方に溶剤系
接着剤を塗布したばあいと対比して、有機溶剤量をほぼ
半減させることができるので、火災に対する安全性、人
体に対する安全性、環境衛生面の向上を図ることができ
る。
【0032】本発明に用いられる溶剤系接着剤は、前記
したように、クロロプレンゴムを主成分としたものであ
る。
【0033】前記クロロプレンゴムとは、2−クロロ−
1,3−ブタジエンの重合体であるクロロプレンゴム、
2−クロロ−1,3−ブタジエンと2,3−ジクロロ−
1,3−ブタジエンの共重合ゴムまたはこれらの混合物
をいう。
【0034】前記溶剤系接着剤に含まれるクロロプレン
ゴムの樹脂固形分量は、あまりにも多いばあいには、溶
剤系接着剤の粘度が高くなり、施工が困難となる傾向が
あるので、30重量%以下、なかんづく20重量%以下
であることが好ましく、またあまりにも少ないばあいに
は、乾燥に長時間を要し、現場での施工時間が長くなり
すぎる傾向があるので、5重量%以上、なかんづく10
重量%以上であることが好ましい。
【0035】なお、ここでクロロプレンゴムを主成分と
するとは、溶剤系接着剤中におけるクロロプレンゴムの
含有率が50重量%以上、好ましくは65重量%以上で
あることをいう。
【0036】前記溶剤系接着剤に用いうる有機溶剤の代
表例としては、たとえばトルエン、メチルエチルケト
ン、酢酸エチル、キシレンなどがあげられ、これらの有
機溶剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0037】前記溶剤系接着剤には、接着性の向上を図
るために、粘着性付与剤を配合することが好ましい。
【0038】前記粘着性付与剤の具体例としては、たと
えば水系接着剤に用いることができる前記粘着性付与剤
などがあげられる。前記粘着性付与剤の配合量は、その
種類によって異なるので一概には決定することができ
ず、通常、接着性などを考慮して本発明の目的が阻害さ
れない範囲内で適宜調整することが好ましい。
【0039】また、前記溶剤系接着剤には、所望のコー
ティング特性や接着に関する特性などを付与するため
に、一般にクロロプレン溶剤系接着剤やゴムに用いられ
ている配合剤を前記水系接着剤と同様に添加することが
できる。
【0040】前記配合剤の代表例としては、たとえばゴ
ムに用いることができる亜鉛華、イオウなどの加硫剤、
加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤、カーボンブラックな
どの着色剤、充填剤、分散剤、乳化剤、安定化剤、増粘
剤、イソシアネート化合物などの架橋剤などがあげられ
るが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではな
い。なお、これらの配合剤の中で有機溶剤に溶解しない
ものについては、たとえばボールミル、ホモジナイザー
などを用いて粉砕し、有機溶剤の分散体としたのちに用
いることができる。
【0041】前記配合剤の添加量は、かかる配合剤の種
類によって異なるので一概には決定することができず、
本発明の目的が阻害されない範囲内で適宜調整すること
が好ましい。
【0042】前記溶剤系接着剤の塗布量は、あまりにも
少ないばあいには、接着力が劣るようになる傾向があ
り、またあまりにも多いばあいには、経済性がわるくな
る傾向があるので、通常、乾燥後の目付が50〜300
g/m2 、なかんづく60〜100g/m2 となるよう
に調整することが好ましい。
【0043】前記溶剤系接着剤をセメント質基材に塗布
する方法としては、一般に行なわれている、たとえばハ
ケ、ローラーバケ、スキージーなどを用いる方法などが
あげられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるも
のではない。
【0044】前記溶剤系接着剤をセメント質基材に塗布
したのち、防水シートをその接着剤層がセメント質基材
に接するように接着させる。
【0045】防水シートをセメント質基材に接着させる
際には、溶剤系接着剤をセメント質基材に塗布して速や
かに防水シートを接着させてもよいが、初期接着強度を
より向上させるために、塗布された溶剤系接着剤が指触
によってタックを発生する程度まで乾燥させたのち、防
水シートを接着させることが好ましい。かかる乾燥は、
通常、室温下で20〜60分間程度放置することによっ
て行なうことができる。
【0046】かくして防水シートを用いてセメント質基
材の防水が行なわれるが、前記したように、本発明にお
いては、接着剤の1つとしてポリクロロプレンラテック
スを主成分とする水系接着剤が用いられているので、接
着剤に要する有機溶剤量を半減させることができるた
め、火災に対する安全性、人体に対する安全性、環境衛
生面を大幅に改善させることができる。
【0047】さらに、防水シートとセメント質基材との
接着力が大きいので、本発明の防水工法は、建築物など
の防水工事などに好適に適用することができる。
【0048】つぎに、本発明のセメント質基材の防水工
法を実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0049】実施例1 防水シートとして、エチレン−プロピレン−ジエンター
ポリマーからなる加硫ゴムシート(バンドー化学(株)
製バンドーシート、幅40mm×長さ200mm×厚さ
1.2mm)を用いた。
【0050】前記加硫ゴムシートの片面に、水系接着剤
としてポリクロロプレンラテックス(樹脂固形分量:5
0重量%)をロールコーターを用いて乾燥後の目付が2
0g/m2 となるように調整して接着剤層を形成させた
のち、90℃で10分間乾燥させた。
【0051】つぎに、セメント質基材として、スレート
板(幅40mm×長さ200mm×厚さ1.2mm)を
用いた。
【0052】前記スレート板の片面に、溶剤系接着剤と
してクロロプレンゴム接着剤(バンドー工材(株)製B
−75、樹脂固形分量:25重量%、主有機溶剤:トル
エン)をローラーバケを用いて乾燥後の目付が60g/
2 となるように調整して塗布したのち、25℃で30
分間乾燥させた。
【0053】そののち、スレート板のクロロプレンゴム
接着剤の塗布面に加硫ゴムシートの接着剤層を重ね合わ
せ、押えローラーで軽く押えて接着させた。
【0054】えられた試験片について溶剤の使用量およ
び安全性を以下の方法にしたがって調べた。
【0055】(A)溶剤の使用量 単位面積あたりの接着処理に用いた有機溶剤の量を算出
し、以下の評価基準にもとづいて評価した。
【0056】(評価基準) A:有機溶剤をまったく用いていない。 B:用いた有機溶剤の量が下記Dと比べて40%低減し
ている。 C:用いた有機溶剤の量が下記Dと比べて20%低減し
ている。 D:すべてに有機溶剤が用いられている。
【0057】(B)安全性 以下の評価基準にもとづいて評価した。
【0058】(評価基準) A:有機溶剤による人体に対する影響および火災の可能
性がまったくない。 B:有機溶剤による人体に対する影響および火災の可能
性がややある。 C:有機溶剤による人体に対する影響および火災の可能
性がある。 D:有機溶剤による人体に対する影響および火災の可能
性がかなりある。
【0059】つぎに試験片4枚を用いて加硫ゴムシート
とスレート板との接着力を以下の方法にしたがって調べ
た。その結果を表1に示す。
【0060】(イ)初期接着力 えられた試験片を1時間養生させたのち、加硫ゴムシー
トの剥離角度180°、剥離速度200mm/分、測定
温度25℃の条件下で剥離した際の力(N/25mm)
をオートグラフを用いて測定した。
【0061】(ロ)常態接着力 えられた試験片を1週間養生させたのち、前記(イ)と
同様にして測定した。
【0062】(ハ)耐水接着力 えられた試験片を80℃の水酸化カルシウム飽和水溶液
中に1週間浸漬したのち、前記(イ)と同様にして測定
した。
【0063】(ニ)耐熱接着力 えられた試験片を80℃のオーブン中に2週間放置した
のち、室温まで冷却し、ついで前記(イ)と同様にして
測定した。
【0064】実施例2 実施例1において、粘着性付与剤としてロジン誘導体を
含有量が30重量%となるようにポリクロロプレンラテ
ックスに配合した水系接着剤を用い、加硫ゴムシートの
片面に接着剤層を形成させたほかは、実施例1と同様に
して試験片を作製した。
【0065】えられた試験片を用いて溶剤の使用量、安
全性および加硫ゴムシートとスレート板との接着力を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0066】比較例1 実施例1において、加硫ゴムシートの片面に水系接着剤
のかわりに溶剤系接着剤としてクロロプレンゴム接着剤
(バンドー工材(株)製バンプライ80-N、樹脂固形分
量:25重量%、主有機溶剤:トルエン)を用いて接着
剤層を形成させたほかは、実施例1と同様にして試験片
を作製した。
【0067】えられた試験片を用いて溶剤の使用量、安
全性および加硫ゴムシートとスレート板との接着力を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0068】比較例2 実施例1において、加硫ゴムシートの片面に水系接着剤
としてアクリル樹脂エマルジョン系接着剤(住友スリー
エム(株)製ボンド7、樹脂固形分量:53重量%)を
用いて接着剤層を形成させたほかは、実施例1と同様に
して試験片を作製した。
【0069】えられた試験片を用いて溶剤の使用量、安
全性および加硫ゴムシートとスレート板との接着力を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0070】比較例3 比較例2と同様に加硫ゴムシートの片面にアクリル樹脂
エマルジョン系接着剤を用いて接着剤層を形成させ、一
方、スレート板の片面にも、溶剤系接着剤のかわりに、
同じアクリル樹脂エマルジョン系接着剤を塗布し、25
℃で90分間乾燥させて試験片を作製した。
【0071】えられた試験片を用いて溶剤の使用量、安
全性および加硫ゴムシートとスレート板との接着力を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0072】比較例4 実施例1において、溶剤系接着剤のかわりに加硫ゴムシ
ートの片面に接着剤層を形成させる際に用いたものと同
じ水系接着剤のポリクロロプレンラテックスを用い、該
ポリクロロプレンラテックスをスレート板の片面に塗布
し、25℃で90分間乾燥させたほかは、実施例1と同
様にして試験片を作製した。
【0073】えられた試験片を用いて溶剤の使用量、安
全性および加硫ゴムシートとスレート板との接着力を実
施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】表1に示された結果から、実施例1〜2で
えられた試験片は、防水シートに溶剤系接着剤が用いら
れていないので、溶剤系接着剤が用いられた従来の比較
例1でえられた試験片と対比して、溶剤の使用量および
安全性の面ですぐれたものである。また、実施例1〜2
でえられた試験片は、防水シートに水系接着剤としてポ
リクロロプレンラテックスが用いられているので、比較
例2〜3のようにアクリル樹脂エマルジョンを用いたば
あいと対比して、初期、常態、耐水および耐熱のいずれ
の接着力にもすぐれ、とくに耐水接着力がきわめてすぐ
れたものである。なお、セメント質基材に溶剤系接着剤
のかわりにポリクロロプレンラテックスを用いたばあい
には、比較例4の結果から明らかなように、とくに耐水
接着力に劣ることがわかる。
【0076】
【発明の効果】本発明の防水工法は、有機溶剤の使用量
を低減させることができるので、火災に対する安全性、
人体に対する安全性および環境衛生面にすぐれた方法で
ある。
【0077】また、本発明の防水工法によれば、防水シ
ートとセメント質基材とを強固に接着することができ、
しかも接着剤層の耐水性がすぐれたものとなるので、建
築物などの防水工事の際などに好適に適用しうるという
効果が奏される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリクロロプレンラテックスを主成分と
    する水系接着剤を塗布し、乾燥させて形成された接着剤
    層を少なくとも一面に有する防水シートを、該防水シー
    トの接着剤層がセメント質基材に接するように、該セメ
    ント質基材にクロロプレンゴムを主成分とする溶剤系接
    着剤を塗布したのちに接着することを特徴とするセメン
    ト質基材の防水工法。
  2. 【請求項2】 防水シートがエチレン−プロピレン−ジ
    エンターポリマーを主成分としたものである請求項1記
    載のセメント質基材の防水工法。
JP9186094A 1994-04-28 1994-04-28 セメント質基材の防水工法 Pending JPH07292790A (ja)

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JP9186094A JPH07292790A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 セメント質基材の防水工法

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JP9186094A JPH07292790A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 セメント質基材の防水工法

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JP9186094A Pending JPH07292790A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 セメント質基材の防水工法

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