JPH07316513A - 防水シート積層体 - Google Patents

防水シート積層体

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JPH07316513A
JPH07316513A JP6419095A JP6419095A JPH07316513A JP H07316513 A JPH07316513 A JP H07316513A JP 6419095 A JP6419095 A JP 6419095A JP 6419095 A JP6419095 A JP 6419095A JP H07316513 A JPH07316513 A JP H07316513A
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JP
Japan
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waterproof sheet
undercoat layer
sheet laminate
adhesive
tackifier
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Application number
JP6419095A
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English (en)
Inventor
Atsushi Azuma
篤 東
Nozomi Sasaki
望 佐々木
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防水シートおよび基材の双方に有機溶剤系接
着剤を塗布する必要がなく、有機溶剤系接着剤の使用量
を低減させることができ、しかも基材に強固に接着させ
ることができる防水シートを提供すること。 【構成】 樹脂シートの片面に、粘着性付与剤およびポ
リクロロプレンラテックスを含有した下塗剤を塗布し、
乾燥させて形成された下塗層を有する防水シート積層
体、ならびに樹脂シートの片面に、感熱化剤およびポリ
クロロプレンラテックスを含有した下塗剤を塗布し、乾
燥させて形成された下塗層を有する防水シート積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防水シート積層体に関
する。さらに詳しくは、セメント質基材からなる建築物
などに防水工事を施す際に好適に使用しうる防水シート
積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート建造物などのセメント質基
材の防水工法には、アスファルト防水工法、モルタル防
水工法、シート防水工法、塗膜防水工法などがあるが、
これらのなかではシート防水工法は、その施工の簡便に
より、近年いちじるしく普及している工法である。
【0003】前記シート防水工法においては、防水シー
トをセメント質基材に接合する際には、接着剤や金具な
どが用いられているが、防水性能にすぐれる点から接着
剤が多用されている。
【0004】従来、前記接着剤として、主に溶剤系ポリ
クロロプレン接着剤が用いられており、通常、該ポリク
ロロプレン接着剤は、施工現場で防水シートとセメント
質基材との双方に直接塗布することにより、使用に供さ
れている。
【0005】しかしながら、前記ポリクロロプレン接着
剤には、有機溶剤が用いられているため、施工時に有機
溶剤が揮散し、人体に対する安全衛生面、環境保護面で
好ましくない。したがって、防水シートを基材に付着さ
せる際には、できるかぎり有機溶剤の使用量を低減させ
ることが望ましい。
【0006】有機溶剤を用いない接着剤として、ゴムラ
テックスに粘着賦与樹脂が配合された水系の防水シート
用接着剤が提案されている(特開昭57−200468
号公報)。
【0007】しかしながら、前記防水シート用接着剤を
用いたばあい、防水シートと基材とを強固に接着させる
ことができず、剥離が発生しやすいという接着力の面で
問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、従来の有機溶剤系接着
剤を用いたばあいのように、防水シートおよび基材の双
方に有機溶剤系接着剤を塗布する必要がなく、有機溶剤
の使用量を低減させることができ、また従来の防水シー
トを水系の防水シート用接着剤を用いて接着させたばあ
いよりも、基材に強固に接着させることができる防水シ
ート積層体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂シート
の片面に、粘着性付与剤およびポリクロロプレンラテッ
クスを含有した下塗剤を塗布し、乾燥させて形成された
下塗層を有する防水シート積層体(以下、第1発明とい
う)、ならびに樹脂シートの片面に、感熱化剤および
ポリクロロプレンラテックスを含有した下塗剤を塗布
し、乾燥させて形成された下塗層を有する防水シート積
層体(以下、第2発明という)に関する。
【0010】
【作用および実施例】第1発明および第2発明の防水シ
ート積層体は、いずれも、前記したように、樹脂シート
の片面に、特定の組成を有する下塗剤を塗布し、乾燥さ
せて形成された下塗層を有する積層体である。
【0011】第1発明および第2発明の防水シート積層
体には、特定の組成からなる下塗層が設けられているの
で、樹脂シートを直接、たとえばセメント質基材などの
基材に水系の防水シート用接着剤を用いて接着させたと
きのように、樹脂シートが基材から容易に剥離するとい
う問題が解決される。さらに、前記下塗層は、樹脂シー
トおよび基材との接着性にすぐれるのみならず、耐水性
にもすぐれたものであるので、第1発明および第2発明
の防水シート積層体は、いずれも屋内ばかりでなく、屋
外においても幅広く好適に使用しうるものである。
【0012】第1発明および第2発明に用いられる樹脂
シートとしては、たとえばエチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー、ブチルゴム、これらの混合物などから
なる未加硫シートや加硫シート、ポリクロロプレンシー
ト、クロロスルホン化ポリエチレンシート、エチレン−
酢酸ビニル樹脂シート、塩化ビニル樹脂シートをはじ
め、これらのシートに他のシートを積層加工したシー
ト、前記シートを構成する樹脂成分からなる基布にアス
ファルトを含浸させたアスファルト含浸シートなどがあ
げられる。これらのなかでは、エチレン−プロピレン−
ジエンターポリマーを主成分としたシート、ブチルゴム
を主成分としたシート、それらのなかでもとくにエチレ
ン−プロピレン−ジエンターポリマーからなるシート
は、耐久性、引張強度などの機械的強度にすぐれている
ので好ましい。なお、ここで主成分とは、樹脂およびゴ
ム成分中におけるその成分の含有量が50重量%以上で
あることをいう。
【0013】前記樹脂シートの厚さは、とくに限定がな
く、目的、用途などに応じて適宜選定すればよい。な
お、前記樹脂シートの厚さがあまりにも大きいばあいに
は、取扱いが不便となるので、防水シートとしての用途
を考慮すれば、3mm以下、なかんづく2mm以下であ
ることが好ましい。また、前記樹脂シートの厚さがあま
りにも小さいばあいには、取扱い時や使用時などに破損
するおそれが生じる傾向があるので、0.5mm以上、
なかんづく1mm以上であることが好ましい。
【0014】第1発明に用いられる下塗剤は、粘着性付
与剤およびポリクロロプレンラテックスを含有したもの
であり、また第2発明に用いられる下塗剤は、感熱化剤
およびポリクロロプレンラテックスを含有したものであ
る。
【0015】本発明に用いられる下塗剤には、前記した
ように、ポリクロロプレンラテックスが含有されている
ので、本発明の防水シート積層体は、下地に対する接着
強度が高く、約−30〜90℃の使用温度範囲で下地と
の熱膨張率の差を容認させる粘弾性を有するが、流動性
を有さず、また施工性(貼りなおし、貼付の微調整な
ど)に要求される下地との初期タックが必要以上に大き
くないなどという、いくつものすぐれた性質を有する。
【0016】前記ポリクロロプレンラテックスとは、2
−クロロ−1,3−ブタジエンの重合体であるポリクロ
ロプレンラテックス、2−クロロ−1,3−ブタジエン
と2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエンの共重合体の
ラテックスまたはこれらの混合物をいう。
【0017】前記ポリクロロプレンラテックスに含まれ
る樹脂固形分量は、あまりにも多いばあいには、機械的
な刺激に対して不安定となる傾向があるので、70重量
%以下、なかんづく60重量%以下であることが好まし
く、またあまりにも少ないばあいには、乾燥時に水を蒸
発させるために多大なエネルギーを要するようになる傾
向があるので、35重量%以上、なかんづく40重量%
以上であることが好ましい。
【0018】下塗層におけるポリクロロプレンラテック
スの樹脂固形分の含有率は、あまりにも小さいばあいに
は、形成された下塗層の接着力が劣るようになる傾向が
あるので、35重量%以上、なかんづく40重量%以上
であることが好ましい。
【0019】第1発明においては、下塗剤に粘着性付与
剤を配合した点に大きな特徴があり、該粘着性付与剤を
含有した下塗剤を樹脂シート上に塗布し、乾燥させるこ
とによって形成された下塗層は、該樹脂シートと強固に
接着するのみならず、基材とも強固に接着し、しかもす
ぐれた耐水性を呈する。
【0020】前記粘着性付与剤の代表例としては、たと
えばガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの
ロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジンな
どのロジン誘導体、テルペン系樹脂、テルペン−フェノ
ール系樹脂、クマロン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂など
があげられる。これらのなかでは、とりわけロジンおよ
びロジン誘導体は、ポリクロロプレンラテックスとの親
和性にすぐれたものであるので、本発明において好適に
使用しうるものである。このように、ロジンおよびロジ
ン誘導体がポリクロロプレンラテックスとの親和性にす
ぐれている理由は、定かではないが、おそらくロジンお
よびロジン誘導体は、いずれもポリクロロプレンラテッ
クス中に均一に分散しやすい特性を有することに起因し
ているものと考えられる。
【0021】前記粘着性付与剤をポリクロロプレンラテ
ックスに配合する際の該粘着性付与剤の形態にはとくに
限定がなく、その形態としては、たとえばディスパージ
ョン、エマルジョンなどがあげられる。
【0022】前記粘着性付与剤の配合量は、かかる粘着
性付与剤の種類などによって異なるので一概には決定す
ることができないが、あまりにも多いばあいには、下塗
剤を塗布し、乾燥させて形成された下塗層の接着性、耐
水性などの物性に悪影響を与えるようになる傾向がある
ので、ポリクロロプレンラテックスの固形分100部
(重量部、以下同様)に対して100部以下、なかんづ
く70部以下とすることが好ましく、またあまりにも少
ないばあいには、かかる粘着性付与剤を用いたことによ
るラテックス同士の凝着の促進効果が小さくなり、形成
された下塗層の接着性がわるくなる傾向があるので、ポ
リクロロプレンラテックスの固形分100部に対して5
部以上、なかんづく10部以上とすることが好ましい。
【0023】第2発明においては、下塗剤に感熱化剤を
配合した点に大きな特徴がある。
【0024】前記感熱化剤は、加熱によってそれ自身の
曇点で脱水し、水を析出してラテックス粒子の表面に吸
着することにより、ラテックス粒子の融着を起こさせた
り、そのイオン溶解度およびそのイオンとラテックス粒
子の表面に取り囲まれた電気的二重層との相互作用によ
り、ラテックス粒子の融着を起こさせるので、結果とし
て物理的に水が排除され、ラテックス粒子同士が凝着す
ることとなる。
【0025】前記感熱化剤の代表例しては、たとえばポ
リビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、
変性シリコーン、アンモニウム塩などがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0026】なお、前記ポリビニルメチルエーテルやポ
リプロピレングリコールの重量平均分子量にはとくに限
定がない。
【0027】前記変性シリコーンの代表例としては、た
とえば官能性ポリシロキサン、アルコール変性シリコー
ン油などの変性シリコーン油、シリコーン−グリコール
共重合体などがあげられ、またかかる変性シリコーンの
重量平均分子量にはとくに限定がない。
【0028】前記アンモニウム塩の代表例としては、た
とえば酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなどがあげ
られる。なお、かかるアンモニウム塩と酸化亜鉛とを併
用したばあいには、イオン溶解度およびそのイオンとラ
テックス粒子の表面に取り囲まれた電気的二重層との相
互作用により、ラテックス同士の凝着を促進させる効果
が大きくなるので好ましい。
【0029】前記感熱化剤の配合量は、かかる感熱化剤
の種類などによって異なるので一概には決定することが
できないが、あまりにも多いばあいには、下塗剤を塗布
し、乾燥させて形成された下塗層の接着性、耐水性など
の物性に悪影響を与えるようになる傾向があるので、ポ
リクロロプレンラテックスの固形分100部に対して3
0部以下、なかんづく10部以下とすることが好まし
く、またあまりにも少ないばあいには、かかる感熱化剤
を用いたことによるラテックス同士の凝着の促進効果が
小さくなる傾向があるので、ポリクロロプレンラテック
スの固形分100部に対して0.5部以上、なかんづく
1部以上とすることが好ましい。
【0030】なお、第2発明に用いられる下塗剤には、
より一層の接着性の向上を図るために、第1発明に用い
られる下塗剤に含有される粘着性付与剤と同じものを配
合してもよい。このばあい、該粘着性付与剤の配合量
は、第1発明における粘着性付与剤の配合量と同じであ
ればよい。
【0031】第1発明および第2発明に用いられる下塗
剤には、所望のコーティング特性や接着に関する特性な
どを付与するために、一般にラテックスに用いられてい
る配合剤を添加することができる。
【0032】前記配合剤の代表例としては、たとえば亜
鉛華、イオウなどの加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、
軟化剤、カーボンブラックなどの着色剤、充填剤、分散
剤、乳化剤、安定化剤、増粘剤、イソシアネート化合物
などの架橋剤などがあげられるが、本発明はかかる例示
のみに限定されるものではない。前記配合剤のなかで
は、とくに、亜鉛華を用いたばあいには、より機械的強
度にすぐれた下塗層が形成されるので、本発明において
は、前記亜鉛華は、とくに好適に使用しうるものであ
る。
【0033】なお、これらの配合剤のなかで水に溶解し
ないものについては、たとえばボールミル、ホモジナイ
ザーなどを用いて粉砕し、水分散体としたり、界面活性
剤を用いて分散させたのちに用いることができる。
【0034】前記配合剤の添加量は、かかる配合剤の種
類によって異なるので一概には決定することができず、
本発明の目的が阻害されない範囲内で適宜調整すること
が好ましい。
【0035】前記下塗剤を樹脂シートに塗布する方法と
しては、一般に行なわれている、たとえばカーテンフロ
ーコーター法、バーコーター法、ロールコーター法など
があげられるが、本発明はかかる例示のみに限定される
ものではない。
【0036】前記下塗剤を樹脂シートに塗布したのち、
乾燥させることにより、下塗層が形成される。このばあ
い、形成される下塗層の厚さがあまりにも小さいばあい
には、接着性が劣る傾向があり、またあまりにも大きい
ばあいには、接着性が劣るとともに均一な下塗層を形成
させることが困難となる傾向がある。したがって、前記
下塗層の厚さが通常、10〜50μm、なかんづく20
〜30μm程度となるように下塗剤の塗布量を調整する
ことが好ましい。なお、ここで前記乾燥とは、形成され
た下塗層から水分をおよそ93%以上除去することをい
う。
【0037】樹脂シートの片面に塗布された下塗剤を乾
燥させる際には、その加熱温度は、通常、ポリクロロプ
レンラテックス粒子がゲル化する温度であればよいが、
あまりにも加熱温度が高いばあいには、下塗剤が熱によ
って変性し、接着力が劣るようになる傾向があるので、
通常50〜200℃程度であることが好ましい。
【0038】かくしてえられる第1発明および第2発明
の防水シート積層体は、いずれも、たとえばセメント質
基材などの基材に強固に接着させることができ、しかも
下塗層が耐熱性および耐水性にすぐれたものであるの
で、屋内外の建造物などに好適に使用しうるものであ
る。
【0039】第1発明および第2発明の防水シート積層
体を好適に適用しうる基材の代表例としては、たとえば
セメント、モルタル、コンクリートをはじめ、スレート
などのような種々の素材からなるセメント質基材などを
あげることができる。前記セメント質基材を適用したも
のの代表例としては、たとえば建造物などがあげられ
る。
【0040】本発明の防水シート積層体のセメント質基
材への接着は、通常、施工現場にて行なうことができ
る。
【0041】本発明の防水シート積層体を基材に貼着さ
せる際には、基材に接着剤を塗布し、該接着剤に含まれ
た有機溶剤を揮散除去させ、該接着剤にタックが生じて
いるあいだに防水シート積層体を貼着すればよい。
【0042】前記接着剤としては、たとえばB−75、
バンプライ80-N(バンドー工材(株)製、商品名)な
どのクロロプレンゴム接着剤などを好適に用いることが
できる。かかる接着剤の塗布量は、基材の種類によって
異なるので一概には決定することができないが、通常3
00〜500g/m2程度であればよい。
【0043】このように、本発明の防水シート積層体を
用いたばあいには、基材にのみ接着剤を使用するだけで
よく、防水シート積層体には接着剤を使用しなくてもよ
いから、実質的に接着剤の使用による有機溶剤量を半減
させることができるので、現場施工時における乾燥速度
が従来とほぼ同じでありながら、人体に対する影響、環
境上の問題を大幅に改善させることができる。
【0044】つぎに、本発明の防水シート積層体を実施
例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発明はかか
る実施例のみに限定されるものではない。
【0045】実施例1 樹脂シートとして、エチレン−プロピレン−ジエンター
ポリマーからなる加硫ゴム防水シート(バンドー化学
(株)製バンドーシート、幅40mm×長さ200mm
×厚さ1.2mm)を用いた。
【0046】ポリクロロプレンラテックス(昭和電工・
デュポン(株)製ネオプレンラテックス400、固形分
量:58重量%)100部に対して、粘着性付与剤とし
て安定化ロジンエステルディスパージョン(荒川化学工
業(株)製スーパーエステルE−720、固形分量:5
0重量%)40部、老化防止剤として2,2−メチレン
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)ディス
パージョン(固形分量:50重量%)2部および増粘剤
としてアクリル酸エステル系乳化重合樹脂エマルジョン
(大日本インキ化学工業(株)製Lacstar 94
29 A.H、固形分量:30重量%)2部を混合して
下塗剤を調製した。
【0047】前記加硫ゴム防水シートの片面に、えられ
た下塗剤をロールコーターを用いて乾燥後の下塗層の厚
さが5、10、20、30、40または45μmとなる
ように調整して塗布し、80℃に加熱して乾燥させて防
水シート積層体をえた。
【0048】つぎに、スレート板(幅40mm×長さ2
00mm×厚さ1.2mm)の片面にポリクロロプレン
系有機溶剤型接着剤を坪量300g/m2の割合で塗布
し、約30分間そのまま放置したのち、該接着剤の付着
面と、前記防水シート積層体の下塗層面とを重ね合わ
せ、押さえローラーで押さえたのち、幅が25mmとな
るように切断して試験片をえた。
【0049】えられた試験片を用いて以下の方法にした
がって常態接着力を調べた。その結果を図1に示す。
【0050】(イ)常態接着力 えられた試験片を1週間養生させたのち、防水シートの
剥離角度180°、剥離速度200mm/分、測定温度
25℃の条件下で剥離した際の力(N/25mm幅)を
オートグラフを用いて測定した。
【0051】図1に示された結果から、下塗層の厚さが
約10〜50μm、なかでも20〜30μmの範囲内
で、防水シート積層体の接着力が安定してすぐれている
ことがわかる。
【0052】つぎに、下塗層の厚さが30μmとなるよ
うに形成された試験片を用いて、(ロ)初期接着力、
(ハ)耐水接着力および(ニ)耐熱接着力を以下の方法
にしたがって調べた。その結果を常態接着力とともに表
1に示す。
【0053】(ロ)初期接着力 えられた試験片を1時間養生させたのち、前記(イ)と
同様にして測定した。
【0054】(ハ)耐水接着力 えられた試験片を80℃の水酸化カルシウム飽和水溶液
中に2週間浸漬したのち、湿潤状態で前記(イ)と同様
にして測定した。
【0055】(ニ)耐熱接着力 えられた試験片を80℃のオーブン中に2週間放置した
のち、室温まで冷却し、ついで前記(イ)と同様にして
測定した。
【0056】比較例1 実施例1において、防水シート積層体のかわりに、下塗
層が設けられていない、実施例1で用いられたものと同
じ樹脂シートを用いたほかは、実施例1と同様にして試
験片を作製した。
【0057】えられた試験片を用いて実施例1と同様に
して接着力を調べた。その結果を表1に示す。
【0058】比較例2 実施例1において、下塗剤として、粘着性付与剤が配合
されていないものを用いたほかは、実施例1と同様にし
て試験片を作製した。
【0059】えられた試験片を用いて実施例1と同様に
して接着力を調べた。その結果を表1に示す。
【0060】比較例3 実施例1において、下塗剤のかわりに溶剤系接着剤とし
てクロロプレンゴム接着剤(バンドー工材(株)製バン
プライ80-N、樹脂固形分量:25重量%、主有機溶
剤:トルエン)を用いたほかは、実施例1と同様にして
試験片を作製した。
【0061】えられた試験片の物性として、接着力を前
記と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1に示された結果から、以下のことがわ
かる。
【0064】比較例1でえられた試験片は、下塗層が設
けられていないものであり、実施例1でえられた下塗層
が設けられた試験片を対比して、いずれの接着力におい
ても劣ることがわかる。
【0065】比較例2でえられた試験片は、下塗剤に粘
着性付与剤が配合されていないものを用いて作製された
ものであり、実施例1でえられた粘着性付与剤が配合さ
れた下塗剤が用いられた試験片と対比して、いずれの接
着力においても劣ることがわかる。このことから、下塗
剤に粘着性付与剤を配合することにより、樹脂シートと
スレート板との接着力を高めることができることがわか
る。
【0066】比較例3でえられた試験片は、樹脂シート
およびスレート板の双方に従来の有機溶剤系接着剤が用
いられたものである。実施例1でえられた試験片は、樹
脂シート面に有機溶剤系接着剤が用いられていないにも
かかわらず、比較例3でえられた試験片と対比して、何
ら遜色のないすぐれた接着力を呈することがわかる。こ
のことから、実施例1でえられた試験片は、樹脂シート
には溶剤系接着剤が用いられていないので、溶剤系接着
剤が用いられた従来の比較例3でえられた試験片と対比
して、安全性の面ですぐれたものであることがわかる。
【0067】実施例2 実施例1において、下塗剤に、硬化促進剤として酸化亜
鉛ディスパージョン(ヒガシ化学(株)製ラジテック
ス、固形分量:50重量%)を、ポリクロロプレンラテ
ックス100部に対して6部の割合でさらに配合したも
のを、実施例1で用いられた下塗剤の代わりに用いたほ
かは、実施例1と同様にして試験片を作製した。
【0068】えられた試験片の接着力を実施例1と同様
にして調べたところ、初期接着力が23N/25mm
幅、常態接着力が35N/25mm幅、耐水接着力が3
0N/25mm幅、耐熱接着力が30N/25mm幅で
あった。
【0069】このことから、下塗剤に硬化促進剤を配合
することにより、初期、常態、耐水および耐熱接着力を
向上させることができることがわかる。
【0070】実施例3 下塗剤として、ポリクロロプレンラテックス(固形分
量:50重量%)100部に対して、粘着性付与剤とし
て安定化ロジンエステルディスパージョン(荒川化学工
業(株)製スーパーエステル E−710、固形分量:
50重量%)30部、老化防止剤として2,2−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)ディ
スパージョン(固形分量:50重量%)2部、感熱化剤
としてポリビニルメチルエーテル(BASF社製Lut
onal M40の水溶液、樹脂固形分量:15重量
%)3部および硬化促進剤として酸化亜鉛ディスパージ
ョン(固形分量:33重量%)5部の割合で混合したも
のを用いた。
【0071】実施例1で用いたものと同じ加硫ゴム防水
シートの片面に、前記下塗剤をロールコーターを用いて
乾燥後の下塗層の厚さが30μmとなるように調整して
下塗層を形成させたのち、80℃に加熱して乾燥を行な
い、防水シート積層体をえた。このときの下塗層の含水
率の経時変化を調べた。その結果を図2に曲線Aで示
す。
【0072】実施例4 実施例3において、ポリビニルメチルエーテルを用いな
かったほかは、実施例3と同様にして下塗剤を調製し、
ついで実施例1と同様にして下塗層を形成させたのち、
80℃に加熱して乾燥を行ない、防水シート積層体をえ
た。このときの下塗層の含水率の経時変化を調べた。そ
の結果を図2に曲線Bで示す。
【0073】図2に示された曲線A〜Bから明らかなよ
うに、実施例3でえられた防水シート積層体を作製する
際には、下塗剤に含有された水を速やかに除去すること
ができることがわかる。
【0074】つぎに、実施例3および実施例4でえられ
た下塗剤を用い、以下の方法にしたがって防水シート積
層体を作製したのち、かかる防水シート積層体の物性と
して接着力を実施例1と同様にして調べた。その結果を
表2に示す。
【0075】まず、実施例1で用いたのと同じ樹脂シー
トの片面に、実施例3または実施例4でえられた下塗剤
をロールコーターを用いて乾燥後の下塗層の厚さが30
μmとなるように調整して塗布したのち、90℃で20
分間乾燥させて防水シート積層体をえた。
【0076】他方、前記防水シート積層体と同じサイズ
のスレート板を用意し、前記スレート板の片面に、溶剤
系接着剤としてクロロプレンゴム接着剤(バンドー工材
(株)製B−75、樹脂固形分量:25重量%、主有機
溶剤:トルエン)をローラーバケを用いて乾燥後の目付
が60g/m2 となるように調整して塗布したのち、2
5℃で30分間乾燥させた。
【0077】そののち、クロロプレンゴム接着剤の塗布
面に防水シートの接着剤層を重ね合わせ、押えローラー
で軽く押えて接着させ、試験片をえた。
【0078】えられた試験片の接着力を実施例1と同様
にして調べた。その結果を表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】表2に示された結果から、実施例4でえら
れた試験片は、下塗剤に感熱化剤が配合されていないも
のを用いて作製されたものであり、実施例3でえられた
感熱化剤が配合された下塗剤が用いられた試験片と対比
して、いずれの接着力においてもやや劣ることがわか
る。
【0081】
【発明の効果】本発明の防水シート積層体は、基材に接
着させる際には、該防水シート積層体と基材の双方に有
機溶剤系接着剤を用いなくても、基材側にのみ該有機溶
剤系接着剤を用いるだけで、基材に強固に接着させるこ
とができるので、従来よりも有機溶剤系接着剤の使用量
を大幅に減少させることができるという効果を奏する。
したがって、本発明の防水シートには、有機溶剤が使用
されていないので、火災に対する安全性、人体に対する
安全性および環境衛生面にすぐれたものである。
【0082】また、本発明の防水シート積層体は、従来
の防水シートと対比して、より強固に基材に接着させる
ことができるという効果を奏する。
【0083】また、本発明の防水シート積層体は、セメ
ント質基材と強固に接着させることができ、しかも下塗
層の耐水性がすぐれたものとなるので、建築物などの防
水工事の際などに好適に適用しうるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1でえられた防水シート積層体
の下塗層の厚さと常態接着力との関係を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の実施例3および実施例4で防水シート
積層体をうる際の、下塗剤から形成された下塗層の含水
率の経時変化を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JLF E04D 5/10 D 5/14 F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂シートの片面に、粘着性付与剤およ
    びポリクロロプレンラテックスを含有した下塗剤を塗布
    し、乾燥させて形成された下塗層を有する防水シート積
    層体。
  2. 【請求項2】 粘着性付与剤がロジンまたはその誘導体
    である請求項1記載の防水シート積層体。
  3. 【請求項3】 樹脂シートの片面に、感熱化剤およびポ
    リクロロプレンラテックスを含有した下塗剤を塗布し、
    乾燥させて形成された下塗層を有する防水シート積層
    体。
  4. 【請求項4】 感熱化剤がポリビニルメチルエーテル、
    ポリプロピレングリコール、変性シリコーンまたはアン
    モニウム塩である請求項3記載の防水シート積層体。
  5. 【請求項5】 下塗層が粘着性付与剤を含有したもので
    ある請求項3記載の防水シート積層体。
  6. 【請求項6】 樹脂シートがエチレン−プロピレン−ジ
    エンターポリマーを主成分としたものである請求項1ま
    たは3記載の防水シート積層体。
  7. 【請求項7】 下塗層の厚さが10〜50μmである請
    求項1または3記載の防水シート積層体。
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