JPH0728669B2 - ハ−ドキヤンデ−及びその製造方法 - Google Patents

ハ−ドキヤンデ−及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハードキヤンデー及びその製造方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、食感が良好であり、保
存性に優れたハードキヤンデー及びその製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
ハードキヤンデーは、砂糖を主原料とし、これに水飴を
加えたのち、加熱溶解した状態で、煮詰め、必要に応じ
て色素、香料、有機酸等を加え、混合しそして成型した
後、冷却固化させる方法により製造される。
キヤンデーの種類はドロツプ、飴玉等多種多様である。
近年砂糖の過剰摂取に伴なって乳幼児や学童成人に至る
迄虫歯罹患率の増大等又肥満化、糖尿病の促進等医学的
幣害が指摘されている。これ等の理由から砂糖が敬遠さ
れつつあり、砂糖に代る非う蝕性糖類を原料にしたキヤ
ンデーが要求されている。
たとえば、エリスリトール含有抗虫歯組成物として、エ
リスリトールからなる虫歯予防又は低減用無糖組成物
（特公昭56−18180号公報）が知られている。
上記エリスリトール含有抗虫歯組成物としては、砂糖を
含まないチユーインガム、歯みがき、糖菓、アイスクリ
ーム、炭酸飲料、口腔洗浄液等が、特にチユーインガム
と歯みがきが好ましい旨記載されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし乍ら、キヤンデー成分中の糖類に代えて、メソ・
エリスリトールを使用した場合、キヤンデーが脆くな
り、製造工程や販売経路において、製品の崩壊を生ずる
とともに、食用時の食感が悪いと言う欠点を有する。
本発明は、メソ・エリスリトールを主剤とするハードキ
ヤンデーにおいて、製品の脆さ、あるいは食感を改善す
ることを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、メソ・エリスリトールと、糖及び
糖アルコール（メソ・エリスリトールを除く）から選ば
れた糖類とを主剤とするハードキヤンデーをその要旨と
するものである。
本発明で使用するメソ・エリスリトールは、下記の構造
を有する四炭糖の糖アルコールで分子量122、融点119
℃、白色結晶で結晶の 外観は蔗糖のグラニユー糖様で大変美しく、又水によく
溶け、非消化性、非う蝕性である。メソ・エリスリトー
ルは天然の藻類、キノコなど又食品の日本酒、ワイン、
醤油等に含まれ、甘味の強さは蔗糖よりもやや弱く、ぶ
とう糖よりやや強く、そして蔗糖の約75％〜80％の甘味
に相当する。口当りは砂糖の甘味質に近いが、後味は砂
糖の後味より甘味が残らず、又糖アルコールの特長の一
つとして加熱による着色が少なく、とりわけエリスリト
ールは着色しにくいと言う性質を有している。
本発明に使用する糖としては、シヨ糖、ブドー糖、水あ
め、果糖、異性化糖等、非う蝕性糖としてはカツプリン
グシユガー、パラチノース、イソマルトース等を挙げる
ことができる。
メソ・エリスリトール以外の糖アルコールとしては、ソ
ルビトール、マルチトール、還元直鎖オリゴ糖、キシリ
トール等が挙げられる。
メソ・エリスリトールの混合量としては、30〜80重量
％、好ましくは30〜70重量％の範囲を挙げることができ
る。メソ・エリスリトールが30％重量より少ない場合、
キヤンデーの吸湿性が強く、又メソ・エリスリトールが
80％重量より多いと出来たキヤンデーの肌理が荒く、し
かも、もろくこわれ易い。
メソ・エリスリトールと糖及び糖アルコールの混合キヤ
ンデイー製造方法としては、メソ・エリスリトールと褐
変しにくい糖の混合の場合は、これをよく混ぜ加熱溶融
する方法を採用すればよい。溶融方法としては、通常キ
ヤンデー製造で用いる煮釜に混合糖を仕込み蒸気で加熱
する方法を挙げることができる。
メソ・エリスリトールと褐変し易い糖、例えば砂糖を用
いる場合としては、５〜10重量％の水を加え、加熱しよ
く攪拌し溶融液が約160℃に達したら加熱をやめ60〜120
℃に冷却しローラー又はスタンピングマシン、又は型わ
くでキヤンデイーに成型する方法を挙げることができ
る。
メソ・エリスリトールを40〜80重量％含有するキヤンデ
ーは、メソ・エリスリトール30〜40重量％のものに比べ
微結晶が晶出しやすい。しかしメソ・エリスリトール30
〜40重量％のものも攪拌による刺激又は糖の微粉末をわ
ずかに混合すれば容易に晶出する。わずかに微結晶が晶
出したならば成型器に入れ成型すればキヤンデーとな
る。メソ・エリスリトールが40〜80重量％のものは静置
状態でも晶出し易いため、微結晶が晶出する前に成型器
に入れて静置しておいても微結晶が晶出し固化する。
本発明のキヤンデーには、必要に応じ、アスパルテー
ム、ステビオサイド、サツカリンNa、アセスルフアムＫ
等を添加し、甘味あるいは甘味の質を調整、改善するこ
とができる。
〔作用〕
メソ・エリスリトールに各種糖類又は糖アルコールを添
加して製造する本発明のキヤンデーは、微結晶の晶出が
良好なため、食感がよく、それにもかかわらずキヤンデ
ーが崩れにくい性質を有するものである。
〔実施例〕
次に実施例により本発明をさらに説明するが、本発明は
かかる実施例に限定されるものではない。
実施例１ メソ・エリスリトール700g、マルチトール300gを煮釜に
仕込み、160℃に昇温し溶融した後、110℃に冷却し厚さ
5mm、直径15mmの丸形成型品に流し込み、約５分経過後
微結晶が全体に晶出しキヤンデイーが出来た。キヤンデ
イーの評価を第１表に示す。
実施例２ メソ・エリスリトール700g、パラチノース300gを煮釜に
仕込み、150℃に昇温し溶融した後、130℃に冷却して、
これにステビオサイド5gを含む水溶液10gを加えよく攪
拌し厚さ5mm、直径15mmの丸型のキヤンデーに成型し
た。約５分経過後微結晶が全体に晶出した。出来たキヤ
ンデーの評価を第２表に示す。
実施例３ メソ・エリスリトール600g、カツプリングシユガー400g
を、煮釜に仕込み、150℃に昇温溶融後、80℃に冷却し
アスパルテーム2gを加えよく混合しスタンピングマシン
で厚さ8mm、直径20mmの丸形に成型した。約４分経過後
微結晶が全体に晶出しキヤンデイーが出来た。出来たキ
ヤンデーの評価を第３表に示す。
本発明のメソ・エリスリトール等の原料は、以下に示す
ものを使用した。
メソ・エリスリトール 日研化学株式会社製 マルチトール 東京化成工業株式会社製 パラチノース 三井製糖株式会社製 カツプリングシユガー 株式会社林原生物化学研究所製 ステビオサイド（AX−Ｐ）大日本インキ化学工業株式会
社製 アスパルテーム 味の素株式会社製 〔発明の効果〕 本発明のハードキヤンデーは、製造性もよく、風味の上
からも好ましく、食感がよく保存性も高いものである。
なお、本発明のキヤンデーには以下の副次的効果を有す
る。
非う蝕性糖類を原料にしたキヤンデー、例えばソルビト
ール、マルチトールを主体としたキヤンデーは、吸湿性
が大きいため保存中に表面がべとつき（所謂泣き状態）
キヤンデーが相互に接着する。又包装紙に付着し易す
く、又剥離し難いため特殊な防湿包材容器を使用する必
要があった。
従来からの砂糖や水あめを原料にしたキヤンデーも、ソ
ルビトールやマルチトールを原料としたキヤンデーと同
様に吸湿性が高いものである。また、ソルビトール、マ
ルチトールは、歯、特に入れ歯、義歯に付着し易い。又
カツプリングシユガーは製造の際の煮詰工程で発泡性が
強く作業性がきわめて悪い。又本発明で用いるメソ・エ
リスリトールは単品で使用する場合溶融液の粘性が低
い。又固化性がきわめて早いため、通常用いるキヤンデ
製造機のタツピングマシーン、ローラマシンは使用しに
くい。型わく成型方法の製造は一応可能であるが、メソ
・エリスリトールの結晶速度が早いため、型わくの外側
から冷却、即、結晶するので中心部がへこみしかも肌理
が荒れて、しかも食感がザラザラしてなめらかさがな
い。
メソ・エリスリトール単品のキヤンデーの大きな欠点は
そのもろさにある。易結晶性のためキヤンデーの固化状
態はこなごなのガラスが固結した様な外観であり、この
キヤンデーはわずかな衝撃で簡単にこなごなになり商品
価値を失う。
本発明は、このような従来のキヤンデーの欠点を改善し
たキヤンデーを提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】メソ・エリスリトールと、糖及び糖アルコ
    ール（メソ・エリスリトールを除く）から選ばれた糖類
    とを主剤とするハードキヤンデー。
  2. 【請求項２】メソ・エリスリトールと、糖及び糖アルコ
    ール（メソ・エリスリトールを除く）から選ばれた糖類
    とを主剤とする糖類混合物であり、かつ、メソ・エリス
    リトールを30〜80重量％の範囲で含有する該糖類混合物
    を溶融し、次いで固化することを特徴とするハードキヤ
    ンデーの製造方法。
JP62202820A 1987-08-14 1987-08-14 ハ−ドキヤンデ−及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0728669B2 (ja)

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