JP3312028B2 - チユーインガム組成物 - Google Patents

チユーインガム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、チューインガム組成物、特にそのような組
成物用の非齲食性かつ無カロリー性の甘味剤に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
チューインガムおよび風船ガムは、通常、味覚部分お
よび咀嚼部分と呼ばれうる２つの基本的な部分よりな
る。味覚部分は、甘味および風味を与え、そして咀嚼部
分またはガムは、ガムの“咀嚼性”にとって本質的な粘
弾性を与える。更に、チューインガムは、保湿剤、可塑
剤および粘着防止剤のような他の成分を含有してもよ
い。
チューインガムは、甘味剤約25ないし85重量％および
ガム約５ないし55重量％を含有する。従って、甘味剤の
性質は極めて重要である。何故ならば、それはその甘味
を別にして、例えば口当りおよび貯蔵安定性のようなチ
ューインガムの他の性質に著しい影響を与えるような量
で存在するからである。例えば、通常使用される甘味剤
であるソルビトールおよびデキストロースは、チューイ
ンガムが貯蔵中に水を失った場合に結晶化する傾向があ
る。その結果、このチューインガムは、結晶性または粒
状組織を形成する。
近年、スクロースまたはデキストロースを75重量％ま
での量で含有する生成物は、高いカロリー数を有しかつ
齲食性であるので、健康上の配慮が次第に強調されるよ
うになり、これがチューインガムの組成に影響をおよぼ
している。その結果、無カロリーまたは非齲食性である
かあるいはこれらの望ましい属性の両方を具有する甘味
剤を使用したチューインガムの調合物が開発されてい
る。
特開昭64−51045号（特願昭62−207798号）には、３
工程よりなることを特徴とするチューインガムの製造方
法が記載されている。第１工程においては、メソ−エリ
トリトール（以下“エリトリトール”と称する）30ない
し60重量％および糖類および糖アルコール類（エリトリ
トールを除く）より選択されたサッカライドを含有する
サッカライド混合物が溶融される。この溶融混合物を第
２工程において100ないし130℃においてガムベースと混
合し、そしてこの混合物を第３工程において冷却しそし
て凝固せしめる。エリトリトールは、無カロリーでしか
も非齲食性であり、そして上記糖類または他の糖アルコ
ール類もまたこれらの性質について選択され、その例
は、パラチノース、イソマルトース、ソルビトール、マ
ルチトールおよびキシリトールである。グルコースおよ
びスクロースを使用してもよいが、これらの糖のカロリ
ー数および齲食性の数値は低いが、この場合にはその組
成物は、無カロリーまたは非齲食性であるということは
できない。
特開昭64−51045号公報によれば、チューインガム中
の糖粉末の粒子が50ミクロンを超えた場合には、チュー
インガムは口内に摩擦感を生じさせ、従って不満足なも
のとなる。従って、上記の特許公開公報による方法は、
甘味剤を所望の粒度まで粉末化するための機械的方法を
使用することなく、チューインガム用の甘味剤の微細結
晶を製造することを目的としている。
上記特許公開公報には、エリトリトールおよび糖また
は他の糖アルコールの混合物中のエリトリトールの量
は、30ないし60重量％、好ましくは30ないし50重量％の
範囲内になければならず、さもなければそのチューイン
ガム製品は、許容され得ないものとなる。エリトリトー
ルが30重量％未満であって、このチューインガムの弾性
が低すぎる場合には吸湿性が高くなりそして軟かすぎて
噛めなくなる。製造されたチューインガムが50ミクロン
より大きいエリトリトール結晶を60重量％より多い量で
含有すれば、噛んだときに摩擦感を生ずる。
エリトリトールは、126℃の融点を有し、そして固体
の状態では白色で結晶性が高くスクロースの約70％の甘
さを有する。無カロリーで非齲食性であるので、エリト
リトールは、極めて興味のある甘味剤であり、従って、
無カロリーでかつ非齲食性の甘味を付与する化合物を必
要とするチューインガム中のエリトリトールの含量を最
大限にすることが極めて望ましい目標である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、この度、一定の条件が満たされるなら
ば、エリトリトールを60重量％以上の量で含有する剤を
甘味剤として使用する満足すべき性質を有するチューイ
ンガムを調合することが可能であることを見出した。
従って、本発明は、甘味剤がエリトリトールと、液糖
あるいは他の糖アルコールとの混合物を含有し、そして
この混合物中のエリトリトールの量が60重量％以上そし
て好ましくは65ないし90重量％である、ガムおよび甘味
剤を含むチューインガム組成物である。
上記甘味剤中に使用される糖、またはエリトリトール
以外の糖アルコールは、チューインガムの製造条件下、
すなわち約40℃を超える温度において液体であり、そし
てこの温度においてまた非結晶質であるべきである。こ
の理由から、単一の糖または糖アルコールを使用する代
りに、液状シロップとして存在しそして結晶化する傾向
が極めて小さい化合物の混合物を使用することが好まし
い。適当な混合物は、デンプンがいわゆるデキストロー
ス当量すなわちDE数によって特性づけられるグルコース
オリゴマーの混合物まで加水分解された場合に得られ、
このDE数が高ければ高いほどこの混合物中のオリゴマー
の平均分子量がより低くなる。本発明においては、20な
いし50のDE値を有する加水分解物が極めて好適である。
デンプン加水分解物を水素添加し、それらの糖類の含
有分を、当量の糖アルコールに変換してもよい。そのよ
うな混合物は、それらの元の水素添加されていないデン
プン加水分解物とは異なってそれらは齲食性が極めて低
いので、本発明によるチューインガム調合物に使用する
のに一層好ましい。
本発明によるチューインガム組成物は、ガムベース５
ないし55重量％および甘味剤25ないし85重量％を含有し
うる。ガムベースは、この目的で通例使用されるガム、
例えばチクル、天然ゴム、グッタペルカ、レチカスピ、
ソルバ、グッタカイ、クラウンガム、ブタジエン−スチ
レン共重合体、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソ
プレン共重合体、ポリ酢酸ビニルおよびポリビニルアル
コールのような天然または合成の樹脂から選択されう
る。上記の２種の基礎成分に加えて、このチューインガ
ムは、また10重量％までの量の軟化剤または可塑剤、例
えば、ラノリン、プロピレングリコール、グリセリンま
たはトリアセチン;20重量％までの量の充填剤、例え
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナおよ
びタルク；粘着防止剤、例えば、マニトールおよび香味
料を含有してもよい。適当な香味料にはハッカおよび種
々の果実の香味などがある。チューインガム調合物に通
例使用される他の成分、例えば少量のサッカリンおよび
アスパルタームのような高強度の甘味料もまた本発明に
よる組成物に使用されうる。
粒状組織を有せずに甘味剤が60％以上の量でエリトリ
トールを含有するチューインガム組成物が操作温度が重
要な因子である下記の方法によって製造されうる。
ガムベースをまずそれがパン生地状で加工しうる最低
の温度、例えば、40ないし80℃、特に50ないし70℃に加
熱しそしてそれを次に捏和作用にかける。なお捏ね混ぜ
中にエリトリトールおよび糖または他の糖アルコールを
緩やかにそして徐々にガム中に導入する。有利には、液
糖または他の糖アルコールをまずガムベースに配合し、
そしてエリトリトールの結晶を別個に幾つかに分けて添
加し、その際分けた各部分の添加の間の時間間隔は、十
分な混合が確保されるようなものとする。他の成分、例
えばグリセリンおよび香味料は、同様な方法で、ただし
通常は、ガムおよび一部のエリトリトールが配合された
後か、またはエリトリトールの全部の配合後に添加され
うる。本発明者らは、製造のこれらの条件下では、特開
昭64−51045号公報に記載されたような「粒状」生成物
をもたらすことなく、50ミクロンより大きな粒度の結晶
状エリトリトールを使用することができることを見出し
た。300ミクロンという大きい粒度のものも使用でき、
そしてエリトリトールの30重量％までのものがこの値よ
り大きくてもよいが、実質的にすべてのエリトリトール
が300ミクロン以下の粒度を有することが一般に好まし
く、そして実際上粒子の少なくとも65重量％が100ない
し300ミクロンである場合に極めて満足すべき生成物が
得られる。以下の理論になんら縛られることは望まない
が、低い温度においてガムおよび甘味剤を注意深く配合
することによって、完成ガム中のエリトリトールの事後
の再結晶化が避けられるので、より大きなエリトリトー
ルの粒子を使用できるのだと思う。配合工程を容易にし
ながら、より高い配合温度が使用されるチューインガム
製造技術は、冷却すると、ガム中に存在する水の中に溶
解したエリトリトールが再結晶化するかおよび／または
存在する結晶上に沈積して結晶の大きさの望ましくない
増大をもたらすという欠点がある。本発明によるチュー
インガム組成物は、例えば甘味剤中の液糖または他の糖
アルコールに一般に付随している２ないし12重量％の水
を含有するが、チューインガムを製造する低い温度がエ
リトリトールの溶解および再結晶化を最小限にする。す
でに述べたように、配合の温度をできうる限り低く保つ
べきであるということは、ガムおよび液糖または他の糖
アルコールの両方の粘度が温度の低下に従って著しく高
くなるということに留意しながら各成分を効果的に配合
するということに等しい。
〔実施例〕
本発明によるチューインガム組成物およびその製造方
法を以下の例において例示する。
〔例〕
使用されたガムベースは、市販の合成樹脂であり、そ
して組成物の29.2重量％をなしていた。
甘味剤は、組成物の68重量％であった。甘味剤それ自
体は、エリトリトールの結晶81重量％および下記のも
の：すなわち、 DP1 2.5 重量％ 乾燥固形物 DP2 75 重量％ 乾燥固形物 ≧DP3 22.5 重量％ 乾燥固形物 水 25〜26重量％ よりなる水素化されたデンプン加水分解物19重量％より
なるものであった。
DPは、関連するオリゴマーに関し、例えばDP2はマル
チトールであり、DP1はソルビトールである。
エリトリトールの粒径は、下記のとおりであった： ＞300μｍ 6％ ＞200μｍ 23％ ＞100μｍ 55％ ＞50 μｍ 12％ ＜50 μｍ 4％ このチューインガム組成物は、またグリセリン2.0重
量％およびハッカ油0.8重量％をも含有していた。
このチューインガムは下記のように製造された： １）ガムベースを60℃に加熱しそして捏和を開始する。
２）なお捏和を続けながら、水素化されたデンプン加水
分解物を添加する。
３）エリトリトールの３分の１を添加しそして６分間捏
和する。
４）グリセリンの半分を添加しそして１分間捏和する。
５）エリトリトールの次の３分の１を添加しそして６分
間捏和する。
６）グリセリンのあとの半分を添加しそして１分間捏和
する。
７）エリトリトールの第３の部分を添加しそして６分間
捏和する。
８）チューインガムを取出しそして冷却する。
上記のようにして製造されたチューインガムは組織に
ぶつぶつのない市販の製品と同程度に良好な外観、咀嚼
性、組織および安定性を有していた。このガムの柔軟性
は、３ケ月の貯蔵後においてなお卓越していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A23G 3/30 ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】エリトリトールと、液糖あるいは液糖アル
    コールとの混合物を甘味剤として含有し、この際、前記
    液糖は20〜50のDEを有するデンプン加水分解物でありそ
    して前記液糖アルコールは20〜50のDEを有するデンプン
    加水分解物からの水素化デンプン加水分解物であり、か
    つ前記混合物中のエリトリトールの量が少なくとも60重
    量％であるチューインガム組成物。
  2. 【請求項２】混合物中のエリトリトールの量が65ないし
    90重量％である請求項１に記載のチューインガム組成
    物。
  3. 【請求項３】組成物が通常のガムベース５ないし55重量
    ％および甘味剤25ないし85重量％を含有する請求項１ま
    たは２に記載の組成物。
  4. 【請求項４】グリセリンもまた含有する請求項１ないし
    ３のうちのいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項５】通常のガムベースを80℃を超えない温度に
    加熱してガムを捏和可能になし、そして一方捏和を続け
    ながら、それに対してエリトリトール結晶を緩やかにそ
    して徐々に添加することを包含する請求項１ないし４の
    うちのいずれかに記載のチューインガムの製造方法。
  6. 【請求項６】通常のガムベースを80℃を超えない温度に
    加熱してガムを捏和可能になし、液糖またはエリトリト
    ール以外の液糖アルコールを次に添加し、そして捏和を
    続けながらエリトリトール結晶を次に緩やかにそして徐
    々に添加する、請求項１ないし４のうちのいずれかに記
    載のチューインガムの製造方法。
  7. 【請求項７】通常のカムベースを、70℃を超えない温度
    に加熱に加熱することを含む、請求項５または６に記載
    の方法。
  8. 【請求項８】エリトリトールを幾つかに分けて添加する
    請求項５〜７のうちのいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項９】ガムおよび一部または全部のエリトリトー
    ルが配合された後に、グリセリンのような他の成分もま
    た徐々に添加される請求項５ないし８のうちのいずれか
    に記載の方法。
  10. 【請求項１０】添加されたエリトリトールの少なくとも
    65重量％が100ないし300ミクロンの範囲内の粒度を有す
    る請求項５ないし９のうちのいずれかに記載の方法。
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