JPH09191838A - 被膜ゼリー及びその製法 - Google Patents

被膜ゼリー及びその製法

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JPH09191838A
JPH09191838A JP8302914A JP30291496A JPH09191838A JP H09191838 A JPH09191838 A JP H09191838A JP 8302914 A JP8302914 A JP 8302914A JP 30291496 A JP30291496 A JP 30291496A JP H09191838 A JPH09191838 A JP H09191838A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 単糖または糖アルコールを含む糖類を加
熱溶解した糖液に、ゲル化剤を添加した後、モールドし
て形成したことを特徴とする被膜ゼリーおよびその製
法。 【効果】 本発明によれば、ゼリー菓子の持つ高温時の
溶け出しによる変形、べたつきなどの問題を糖衣掛けや
晶出工程などの複雑な工程を付加することなく防止し、
かつゼリー本来の食感を保持したゼリー菓子が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被膜ゼリー及びその
製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゼリー菓子は一般にグミキャンディーと
呼ばれ、独特の食感を有することから人気の高い食品で
ある。従来のゼリー菓子は、ショ糖、水あめなどの糖類
を加熱溶解後荒熱を取り、これに予め膨潤、溶解させて
おいたゼラチン溶液と酸味料、色素、香料などの熱に不
安定な副原料とを加え、コーン澱粉の型に流し込み、固
化、乾燥することにより製造されている。
【0003】この従来のショ糖、麦芽糖などを主成分と
するゼリー菓子は夏期などの高温の条件下では、その糖
成分が表面から溶け出すことによって、変形、手へのべ
たつきなどを起こしていた。その防止法としてゼリー菓
子表面にオブラート、食品油脂などによるコーティング
を施していたが、この方法は簡単ではあるものの、溶け
出しを完全には防止できず、ある程度の変形、べたつき
が起こっていた。また、さらに強固な防止法として表面
をショ糖などの糖衣によりコーティングする方法も知ら
れているが、表面がやわらかいゼリー上に糖衣層を施す
には、かなり複雑な工程が必要となる。
【0004】一方、健康指向が高まる今日において、糖
アルコールの一種であるエリスリトールが低カロリー甘
味料として注目されている。エリスリトールは、結晶性
に優れ、砂糖よりも吸湿しにくく、高温でも分解しない
などの優れた物性を有しており、また虫歯の原因にもな
らないことから、各種の甘味製品への利用が実用化され
ている。しかし、保存性は改良されるものの、エリスリ
トールは結晶が大きく、かつ容易に結晶化するため、ゼ
リーの柔らかな食感が失われるという問題があった。こ
の問題の解決法として特開平5−137518号にはエ
リスリトールの微結晶を含有させてなるゼリー菓子が開
示されているが、ゼリー中に微結晶が存在するため、ゼ
リー中にざらつきが生じ、ゼリー本来の食感がなく、ま
たその製造には冷却、攪拌などの晶出工程が必要になっ
てくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゼリー本来
の食感を保持し、かつゼリー菓子の持つ高温時の溶け出
しによる変形、べたつきなどの問題を、糖衣掛けなどの
複雑な工程なしに防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、単糖または糖アル
コールを含む糖液に、ゲル化剤を添加した後、モールド
して形成することにより、ゼリー菓子表面に10μm以
上の微結晶からなる被膜を形成させられること、この被
膜を持つゼリー菓子はべとつかず食することができるこ
とを見い出し、本発明を完成させるに到った。
【0007】すなわち、本発明は、単糖または糖アルコ
ールを含む糖類を加熱溶解した糖液に、ゲル化剤を添加
した後、モールドして形成したことを特徴とする被膜ゼ
リー及びその製法である。本発明はまた、エリスリトー
ルを含む糖類の加熱溶解からゲル化剤の添加までの工程
をエリスリトールの晶出をさせない条件下で行うことを
特徴とする被膜ゼリーの製法である。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の被膜ゼリーに用いる糖類
としては、ブドウ糖、果糖、キシロース、アラビノー
ス、ショ糖、水あめ、異性化糖、カップリングシュガ
ー、パラチノース、マルトース、イソマルトース、デキ
ストリンなどの糖及び還元オリゴ糖、ラクチトール、マ
ルチトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトー
ル、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコール
が例示され、これらの糖及び糖アルコールの少なくとも
1種以上が使用される。
【0009】本発明においては、単糖または糖アルコー
ルから選ばれる単一の糖成分を上記糖類全体に対して一
定量あるいは一定量以上含有させる。いずれの単糖また
は糖アルコールを用いても被膜を形成させることが可能
であるが、糖の分子量はできるだけ小さいものを、また
単一の糖成分の量はできるだけ多くすることにより、被
膜を堅固にすることができる。このような単糖として
は、ブドウ糖、果糖、キシロース、アラビノースなど
が、また、糖アルコールとしては、ソルビトール、マル
チトール、エリスリトール、キシリトールなどが好まし
く用いられる。
【0010】上記の単糖または糖アルコールから選ばれ
る単一の糖成分の糖類全体に対する含有量としては、単
糖の場合、20重量%以上、好ましくは30重量%以
上、糖アルコールがエリスリトール以外の場合、20重
量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましく
は40重量%以上とすることが例示される。
【0011】また、糖アルコールとしてエリスリトール
を用いる場合、わずかな添加量で製造されるゼリー菓子
に被膜を形成させることができ、また上記のいずれの糖
類を用いても被膜を形成させることが可能であるが、ソ
ルビトール、ブドウ糖などの低分子の糖と組み合わせる
ことによって、さらに厚く、強固な被膜を形成すること
が可能である。このように厚く、強固な被膜が形成され
ることにより、ゼリー菓子の変形がなく、吸湿しにくく
なってべたつきを防止できる。
【0012】エリスリトールの添加量としては糖類全体
の1〜30重量%、好ましくは5〜30重量%、さらに
好ましくは5〜25重量%の範囲を挙げることができ
る。エリスリトールが30重量%を超える場合にはゼリ
ー中にエリスリトールの結晶ができ、ざらついた食感に
なる。更に多い場合にはゼリー全体が結晶状になって弾
力性などのゼリー本来の物性は失われる。また、エリス
リトールが1重量%に満たない場合は、ゼリー菓子表面
の被膜が薄く、高温条件下では被膜が不安定になり、ま
た溶け出しによる変形、べたつき等が見られる。
【0013】本発明の被膜ゼリーの製法においては、単
糖または糖アルコールを含む糖類を、通常100〜16
0℃まで加熱、溶解し、その後所定の水分量になるまで
水分を蒸発させるために上記温度範囲で煮詰める。所定
の水分量は、10〜30重量%が例示される。その後、
前もって膨潤、加熱、溶解させておいたゲル化剤の溶液
及び酸味料、香料、色素などの副原料を上記の糖類加熱
溶解液に添加する。
【0014】糖アルコールとしてエリスリトールを選択
した場合、エリスリトールの加熱溶解からゲル化剤の溶
液、副原料の添加までの工程を、80℃以上、好ましく
は80〜140℃で行う。80℃未満の温度で行った場
合には、ゼリー中にエリスリトールが晶出し、ざらつい
た食感の原因となり好ましくない。また、副原料が一般
に熱不安定であるので140℃以上の温度で添加するこ
とは好ましくない。
【0015】本発明の他の態様として、ゲル化剤として
用いるゼラチン、寒天は初めから糖類といっしょに加熱
溶解してもよい。上記工程後は常法に従い、よく混合し
た後、脱泡し、モールドしてゼリーを形成する。本発明
において、モールドとは、ゲル化剤を添加したゼリー液
を澱粉等を用いた型わくで乾燥・成型することをいう。
【0016】以上の方法により製造したゼリー菓子は、
ざらついた食感がなくゼリー本来の弾力性を保持してお
り、表面に被膜を持っていることから高温の条件下でも
吸湿することなく安定である。
【0017】ゲル化剤としては、一般にゼラチンを用い
るが本発明では特にゼラチンに限定するものでなく、ペ
クチン、寒天などでも置換えは可能である。ペクチン、
寒天を用いた場合にはゼラチンゼリー特有の弾力性は失
われるものの、ゼラチンよりも熱に安定であることから
より高温で処理することができ、晶出を防止できる点が
優れている。
【0018】副原料として、一般に酸味料、色素、香料
などが添加される。例えば、酸味料としては、クエン
酸、リンゴ酸、イソクエン酸、フマル酸、乳酸などが、
色素としてはアントシアニン色素、パプリカ色素など
が、香料としてはオレンジフレーバー、レモンフレーバ
ーなどが挙げられる。
【0019】
【実施例】次に実施例によって本発明を詳細に説明する
が、その要旨を越えない限り、本発明は以下の実施例に
よってなんら限定されるものではない。
【0020】〔参考例〕実施例において製造したゼリー
菓子の評価は以下の方法により行った。 物性(破断強度)測定 製造したゼリー菓子の固さの測定としてはクリープメー
ター(山電)を用いた破断強度測定を行った。カミソリ
刃の背側(厚さ0.37mm)を用いてサンプル高さの
2倍圧縮する際の荷重を測定した。その際の波形はゼリ
ー菓子を噛み切った際の食感を表しており、最大荷重と
なったときの歪み率が大きいほどゼリーとしての弾力性
が高いことを示している。
【0021】 白色度の測定 被膜形成の指標として内部と外側の白色度を測定した。
測定はZ−1001DP(日本電色工業)を用い反射光
を測定した。 電子顕微鏡による表面状態の観察 ゼリー菓子の表面観察は走査型電子顕微鏡(日本電子)
により観察した。
【0022】 吸湿試験 試料の吸湿性は22℃、RH60%の条件下に放置した
際の重量変化を測定した。元の重量に対する増加率を%
で表した。 外観観察 目視により行った。
【0023】〔実施例1〕表1に示した固形物の重量比
を持つ、含水ブドウ糖(兼松工業)および水あめ(日本
食品化工、ハイマルトースMC−55、水あめ)からな
る糖類に水を加えたもの77重量部(以下「部」と略
す)を、加熱溶解させ、得られた糖液を沸騰させた。こ
の糖液をいったん荒熱を取った後に予めゼラチン(新田
ゼラチン、AP−250)7部を水14部により膨潤さ
せて80℃で加熱溶解させたゼラチン液、及びクエン酸
1部を水1部に溶解させたものを加える。水分含量が2
5重量%になるように調製し、脱泡した後にコーン澱粉
からなる成形わくに入れ2日間放置して、ゼリー菓子を
得た。
【0024】得られたゼリーのBrix、破断強度、外
側と内側の白色度(L値)、電子顕微鏡による観察結果
を表1に示す。また、ブドウ糖:水あめが30:70
(重量比)の場合、水あめのみの場合について得られた
ゼリー菓子表面の電子顕微鏡写真をそれぞれ図1、図2
に示す。糖類中のブドウ糖の割合が30重量%の時点で
被膜が形成されており、被膜形成能が高いことがわか
る。
【0025】
【表1】
【0026】〔実施例2〕表2に示した固形物の重量比
を持つ、ソルビトール(日研化学)、マルチトール(東
和合成化学)、および水あめ(日本食品化工、ハイマル
トースMC−55、水あめ)からなる糖類に水を加えた
もの77部を、加熱溶解させ、実施例1と同様にしてゼ
リー菓子を得た。
【0027】ゼリーのBrix、破断強度、外側と内側
の白色度(L値)、電子顕微鏡による観察結果を表2に
示す。また、ソルビトール:水あめが30:70(重量
比)の場合について得られたゼリー菓子表面の電子顕微
鏡写真を図3に示す。マルチトールでは50重量%以
上、ソルビトールでは30重量%以上で微結晶が表面に
形成されており、これによりゼリーの表面に被膜が形成
されている。
【0028】
【表2】
【0029】〔実施例3〕ソルビトール、マルチトール
単独、および表3に示した組成比の糖アルコール(アマ
ミール、PO−20、PO−40、PO−60)を含む
糖液により実施例1と同様の方法でゼリーを調製した結
果を表4に示す。また、アマミールのみの場合について
得られたゼリー菓子表面の電子顕微鏡写真を図4に示
す。単一の成分を多く含むものは被膜を形成することが
できたが、多種類の糖アルコールの混合物であるPO−
40、PO−20は被膜を形成できなかった。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】〔実施例4〕表5に示した固形物の重量比
を持つショ糖(明治製糖、グラニュー糖)、水あめ(日
本食品化工、ハイマルトースMC−55、水あめ)、エ
リスリトール(日研化学)からなる糖類に水を加えたも
の77部を、加熱溶解させ、得られた糖液を沸騰させ
た。この糖液をいったん荒熱を取った後に予めゼラチン
(新田ゼラチン、G−0092E)7部を水14部によ
り膨潤させて80℃で加熱溶解させたゼラチン液、及び
クエン酸1部を水1部に溶解させたものを加える。水分
含量が25重量%になるように調製し、脱泡した後にコ
ーン澱粉からなる成形わくに入れ2日間放置して、ゼリ
ー菓子を得た(試料1−1〜7)。
【0033】〔比較例1〜6〕比較例として、実施例4
と同様の方法で糖類を加熱溶解させ、いったん沸騰後、
70℃に冷却し、スパチェラで2分間攪拌することによ
ってエリスリトール結晶を晶出させた。以下、実施例4
と同様の方法でゼリー菓子を製造した(比較試料1〜
6)。
【0034】〔比較例7〕糖類全体に対して固形物の重
量比でショ糖40重量%、水あめ40重量%、エリスリ
トール10重量%からなる糖類の混合物70部に水を加
えたものを加熱溶解させ、いったん沸騰後に70℃まで
に冷却させた。この溶液中にエリスリトール10重量%
分を粉体のまま加えスパチェラで2分間攪拌することに
よりエリスリトール結晶を晶出させた。以下、実施例4
と同様の方法でゼリー菓子を製造した(比較試料7)。
【0035】〔比較例8〕はじめに、糖類全体に対して
ショ糖37.5重量%、水あめ37.5重量%、エリス
リトール15重量%の糖類の混合物に水を加えたものを
加熱溶解させた以外は比較例7と同様の方法でゼリー菓
子を製造した(比較試料8)。
【0036】実施例4と比較例で製造したゼリー菓子の
でき上がりの性状と吸湿試験の結果を表5に、その物性
測定の結果を図5に示す。また、試料1−3のゼリー菓
子表面の電子顕微鏡写真を図7に示す。
【0037】
【表5】
【0038】表5に示すように、今回行った条件での吸
湿試験では、いずれの試料も吸湿せず、むしろ水分を放
出する方向にあったが、エリスリトール含量が高いもの
がその放出する水分の量も多い傾向にあった。水分の放
出量はエリスリトール結晶を晶出させたものも、させな
いものもほぼ同じ重量変化を示した。
【0039】外観は実施例ではエリスリトール30重量
%まではゼリーとしての性状を保っていたが(試料1−
1〜5)、晶出工程を行った比較例ではエリスリトール
25重量%からゼリー中に結晶がみられ(比較試料
3)、30重量%ではかたい結晶状であった(比較試料
4)。
【0040】また、エリスリトールが同じ25重量%
で、晶出工程の無い試料(試料1−4)と晶出工程、結
晶種の後入れを行った試料(比較試料8)について物性
を破断試験により比較検証したところ(図5)、試料1
−4では破断時に最大荷重を示した後にすみやかに荷重
が下がる、ゼリー菓子特有の弾力性と歯切れの良さを示
しているのに対し、比較試料8では最大荷重を示した
後、荷重はすぐには下がらず、変動中は大きなギザギサ
状の波形であることから、弾力性は試料1−4と同様に
あるものの、ゼリー中に結晶のざらつきがあり歯切れの
良さが失われているものと推測される。
【0041】さらに、エリスリトールの割合が50重量
%の場合にはいずれの方法で作ったものでも試料全体が
やわらかな結晶状になっており、ゼリー本来の弾力性は
失っていた(試料1−7、比較試料6)。
【0042】〔実施例6〕アマミール(東和化成、ソル
ビトール46〜49重量%、マルチトール32〜37重
量%、3糖以上の糖アルコール11〜23重量%)とエ
リスリトールを表6に示した比率で混合した糖類を用い
た以外は実施例4と同様の方法でゼリー菓子を製造し
た。その性状を表6に、物性測定の結果を図6に示す。
【0043】エリスリトール含量が33.3重量%では
やわらかな結晶状であるのに対し、それ以下にすること
により表面に被膜を形成しつつ、ゼリー本来の弾力性を
保つことができた。
【0044】
【表6】
【0045】〔実施例7〕ソルビトールとエリスリトー
ルを表7に示した比率で混合した糖類を用いた以外は実
施例4と同様の方法でゼリー菓子を製造した。その性状
を表7に示す。エリスリトールの割合が20重量%以下
の場合にはゼリー状のものが得られたが、33.3重量
%では中は結晶状のものであった。
【0046】
【表7】
【0047】〔実施例8〕表8に示した割合で糖類を混
合した以外は、実施例4と同様の方法でゼリー菓子を製
造した。その結果を表8に示す。この場合にもエリスリ
トール含量を30重量%以下にすることにより被膜を形
成しつつゼリーとしての物性を保つことができた。さら
に、ソルビトール、ブドウ糖などの分子量の低い糖を添
加することにより被膜を厚くすることができた。
【0048】
【表8】
【0049】〔実施例9〕クエン酸三ナトリウム3.5
部を水100部に加熱溶解後、50重量%クエン酸溶液
7.5部、ペクチン(AS-confectionary、コペンハーゲ
ンペクチン)15部、グラニュー糖300部、水あめ4
00部、エリスリトール150部を加え弱火で加熱溶解
し水分含量が22重量%になるまで煮詰めた。その後5
0重量%クエン酸溶液9部を加えそのままコーン澱粉か
らなる成形わくに入れ2日間放置して、ゼリー菓子を得
た。ペクチンゼリー本来のさくさくした食感を保持し、
なおかつ表面に薄い被膜が形成されたゼリー菓子が得ら
れた。
【0050】〔実施例10〕寒天(UP−16、伊那食
品)1部を水50部で加熱し、沸騰、溶解させた後に、
グラニュー糖30部、水あめ40部、エリスリトール1
5部を加え加熱溶解させる。水分含量が25重量%にま
で煮詰めた後に、いったん荒熱を取りクエン酸0.6
部、クエン酸三ナトリウム0.4部を加え、攪拌後コー
ン澱粉からなる成形わくに入れ2日間放置してゼリー菓
子を得た。ゼリーの持つ弾力性を保持したまま、表面に
薄い被膜を形成されたゼリー菓子が得られた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ゼリー菓子の持つ高温
時の溶け出しによる変形、べたつきなどの問題を糖衣掛
けや晶出工程などの複雑な工程を付加することなく防止
し、かつゼリー本来の食感を保持したゼリー菓子が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブドウ糖:水あめが30:70(重量比)の場
合について得られたゼリー菓子表面の電子顕微鏡写真を
示す。
【図2】水あめのみの場合について得られたゼリー菓子
表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図3】ソルビトール:水あめが30:70(重量比)
の場合について得られたゼリー菓子表面の電子顕微鏡写
真を示す。
【図4】アマミールのみの場合について得られたゼリー
菓子表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図5】ゼリー菓子の物性測定の比較を示す。
【図6】ゼリー菓子の物性測定の比較を示す。
【図7】試料1─3〔ショ糖:水あめ:エリスリトール
=40:40:20(重量比)〕のゼリー菓子表面の電
子顕微鏡写真を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明の他の態様として、ゲル化剤として
用いるゼラチン、寒天は初めから糖類といっしょに加熱
溶解してもよい。上記工程後は常法に従い、よく混合し
た後、モールドしてゼリーを形成する。本発明におい
て、モールドとは、ゲル化剤を添加したゼリー液を澱粉
等を用いた型わくで乾燥・成型することをいう。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糖または糖アルコールを含む糖類を加
    熱溶解した糖液に、ゲル化剤を添加した後、モールドし
    て形成したことを特徴とする被膜ゼリー。
  2. 【請求項2】 単糖または糖アルコールを含む糖類を加
    熱溶解した糖液に、ゲル化剤を添加した後、モールドし
    て形成することを特徴とする被膜ゼリーの製法。
  3. 【請求項3】 糖アルコールが、ソルビトールまたはマ
    ルチトールである請求項1記載の被膜ゼリー。
  4. 【請求項4】 ソルビトールまたはマルチトールの含量
    が、糖類全体の20重量%以上である請求項3記載の被
    膜ゼリー。
  5. 【請求項5】 単糖の含量が、糖類全体の20重量%以
    上である請求項1記載の被膜ゼリー。
  6. 【請求項6】 糖アルコールが、エリスリトールである
    請求項2記載の被膜ゼリーの製法。
  7. 【請求項7】 糖類の加熱溶解からゲル化剤の添加まで
    の工程をエリスリトールの晶出をさせない条件下で行う
    ことを特徴とする請求項6記載の被膜ゼリーの製法。
  8. 【請求項8】 糖類の加熱溶解からゲル化剤の添加まで
    の工程を、80℃以上で行うことを特徴とする請求項6
    記載の製法。
  9. 【請求項9】 エリスリトールの含量が、糖類全体の1
    〜30重量%である請求項6記載の製法。
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