JP2885535B2 - ハードキャンディー及びその製造方法 - Google Patents
ハードキャンディー及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2885535B2 JP2885535B2 JP3090553A JP9055391A JP2885535B2 JP 2885535 B2 JP2885535 B2 JP 2885535B2 JP 3090553 A JP3090553 A JP 3090553A JP 9055391 A JP9055391 A JP 9055391A JP 2885535 B2 JP2885535 B2 JP 2885535B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- erythritol
- hard candy
- candy
- weight
- raw material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Confectionery (AREA)
Description
ードキャンディー及びその製造方法に関し、更に詳しく
は、エリスリトール含有量が80重量%を超えるハードキ
ャンディー及びその製造方法に関する。
してこれを高温で煮詰めることにより製造される甘味食
品で、ドロップ類、生あめ類、或いはセンターにクリー
ムなどを充填した形態のものなど、多くの種類があり、
その消費量も多い。しかし、近年、わが国では糖類(と
りわけ蔗糖)の過剰摂取による種々の弊害(例えば、虫
歯罹患率の増大、肥満、或いは糖尿病患者の増加など)
に対する消費者の関心が高まり、これら糖類の摂取を控
えたり、敬遠したりする傾向にある。
は蔗糖を含まない低カロリー・低う蝕性の甘味製品の開
発に多大の努力を傾注しており、その結果、今日では糖
アルコールや合成甘味料を使用して低カロリー・低う蝕
化を図った甘味食品が多数開発され、既に市販されてい
るものもある。例えば、ハードキャンディーについて主
なものを挙げれば、主原料として糖アルコールの一種で
あるソルビトールを使用したもの(特開昭50-46865号公
報、同59-63138号公報)、主原料としてマルチトールを
使用したもの(特公昭47-13699号公報、同57-48937号公
報) 、主原料にラクチトールを使用したもの(特公昭47
-42506号公報、同57-48937号公報) などが知られてい
る。
あるエリスリトールの製造方法が開発されて、エリスリ
トールが低カロリー・非う蝕性甘味料として販売された
ことから、これを種々の甘味食品へ利用することが試み
られている。例えば、キャンディーなどへの利用につい
ても特公昭56-18180号公報にエリスリトールを使用した
無糖あめの製造方法が記載されており、また、特開昭64
-47348号公報にはエリスリトールを30〜80重量%含有す
るハードキャンディーの製造方法が記載されている。
ードキャンディーのうち、主原料としてソルビトール、
マルチトール、ラクチトールなどを使用した製品は、低
う蝕性に関しては不十分ながらも一定の効果が認められ
るが、低カロリー性に関しては効果が不十分で、実質上
低カロリーとは言えないものである。また、主原料とし
てエリスリトールを使用する製品は、エリスリトールの
含有率が高くなると(特にエリスリトールの比率が80重
量%を超えた場合)製品が非常に脆くなり、製造工程や
流通、販売の過程に於いて破損などを生じ易くなるとい
う欠点がある。このため、特開昭64-47348号公報の発明
ではエリスリトールの比率を80重量%以下に抑え、これ
に他の糖アルコールなどを配合して製品の脆性の改善を
図っている。しかし、このように他の糖アルコール類の
含有率を高くすると、エリスリトールの特徴である低カ
ロリー性が損なわれるという不都合がある。
る公知のエリスリトール含有ハードキャンディーがもつ
製品の脆さ(壊れ易さ)及びカロリー低減効果の不充分
さなどを改善したエリスリトール含有ハードキャンディ
ー及びその製造方法を提供することを目的とする。
くは80重量%を超える量、更に好ましくは95重量%以上
のエリスリトール並びに残余の糖アルコール及び/また
は糖類を含むように調製した原料混合物を、加熱によ
り、その一部が結晶として残存した状態で溶融せしめる
か、又は実質上完全に溶融せしめて溶融状態とした後に
結晶種を添加して、結晶種を均一に存在せしめたエリス
リトール含有溶融液とし、この溶融液を成型器に流し込
み、成型器中で固化させることにより上記の改善された
エリスリトール含有ハードキャンディーが製造される。
スリトールは、四炭糖の糖アルコールで、水によく溶
け、また非常に結晶し易く、結晶は白色であり、グラニ
ュー糖の外観をしている。甘味の強さは蔗糖の75〜80%
であり、口当りは蔗糖の甘味に近く、非消化性、非う蝕
性である。市販の製品には、結晶性の粉末、顆粒のもの
がある。
ルコールとしては、例えばソルビトール、マルチトー
ル、ラクチトールのように従来から広く食品用に使用さ
れている糖アルコールが用いられる他、デキストリン還
元物やオリゴ糖還元物を含む還元澱粉分解物なども用い
ることができる。
低う蝕性を損なわない範囲内であれば、上記の糖アルコ
ールに代えて(または糖アルコールと共に)グルコー
ス、フルクトース、蔗糖、水飴、異性化糖などの糖類及
び/またはネオシュガー、カップリングシュガー、パラ
チノースなどのいわゆる非う蝕性糖類を使用(併用)す
ることも可能であり、また必要に応じてキャンディーの
味覚を調整するために、アスパルテーム、ステビオサイ
ド類、サッカリンNa、アセスルファムK、ソーマチン、
グリチルリチンなどの合成または天然の高甘味度甘味料
や、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸(塩)、さらには
着色料、着香料などを配合することも可能である。
製造方法について更に詳しく説明する。所要量のエリス
リトールと糖アルコール(及び/または糖類)を原料混
合物中のエリスリトールの比率が約70重量%以上、好ま
しくは80重量%を超える量、更に好ましくは95重量%以
上となるように配合し、この原料混合物に必要に応じて
少量の水を加え、 120℃以上に加熱して溶融状態にす
る。ついで、この溶融物に必要に応じて所要量の高甘味
度甘味料、着色料、着香料を加えたのち、溶融物の温度
をエリスリトールの融点以下、例えば80℃〜 130℃に保
持し、所要量の結晶種を加えてよく攪拌し、結晶種を溶
融物中に均一に分散させてから成型器に流し込み、結晶
種の存在下に、室温まで冷却して固化させ、型抜きする
ことにより、エリスリトール含有量の高い所望のハード
キャンディーを製造することができる。
煮詰め、成型などの操作は、いずれも従来よりハードキ
ャンディーの製造に用いられている方法と同じであり、
いずれも常法に従って実施すればよく、特に難しい点は
ない。
法に於いて、溶融した原料混合物中に結晶種を添加・分
散させる方法としては、一般的には溶融状態の原料混合
物中に結晶種(例えば、エリスリトール結晶)を添加し
て攪拌・混合する方法が用いられるが、場合により原料
混合物を半融解または濃縮(煮詰め)状態とし、原料混
合物自体の結晶の一部を未融解のままで結晶種として残
す方法なども用いることができる。尚、上記に於いて結
晶種としては、エリスリトールの結晶、糖アルコール類
の結晶の他、澱粉やガム類などの高分子物質の粉末など
が用いられる。結晶種のサイズその他について特に制限
はないが、結晶種の添加量については、原料糖液の 0.1
重量%以上でかつ結晶種添加後の原料糖液の流動性が失
われない範囲であるのが好ましい。
ャンディーは、低カロリー、低う蝕性である上に、製品
の透明度が高く脆さも改善されているので、製造過程や
流通・販売の過程で破損することが殆どなく、商品価値
が極めて高いものである。
本発明を以下の実施例に限定するものでないことはいう
までもない。
り、 150℃に昇温し、溶融を開始した。エリスリトール
の一部が溶融し、一部が結晶で存在する状態において、
流動性がでてきたところで均一に攪拌しながら、厚さ5
mm、直径15mmの丸形成型器に流し込み、冷却固化させ
た。約5分経過後、溶融液は固化し、半透明の氷砂糖状
のキャンディーを得た。
全に溶融した。溶融液を 130℃まで冷却し、10gの無水
ラクチトール(日研化学(株)製)を結晶種(平均サイ
ズ: 150μm)として添加し、均一に攪拌しながら、厚
さ5mm、直径15mmの丸形成型器に流し込み、冷却固化さ
せた。約5分経過後、溶融液は固化し、半透明の氷砂糖
状のキャンディーを得た。
元澱粉分解物)36g及びエリスリトール 100gを煮皿に
とり、 170℃まで濃縮し、完全融解後、 100℃まで冷却
した。そこに、 1.4gのエリスリトールの結晶種を添加
し、均一になるように十分混合し、90℃で厚さ5mm、直
径15mmの丸形成型器に流し込み、冷却固化させた。約5
分経過後、溶融液は固化し、半透明の氷砂糖状のキャン
ディーを得た。
について、公知方法によるハードキャンディー製品を対
照として品質の比較試験を行った。試験に供した対象の
ハードキャンディーのうち対照品Aは、特公昭56-18180
号公報、実施例5の方法に従い、エリスリトールを完全
に溶融したのち、型に流し込み、室温まで放冷して固化
させることにより調製したものである。また、対照品B
は、特開昭64-47348号公報、実施例1の方法に従い、原
料混合物(エリスリトール:マルチトール=7:3の粉
末)を 160℃に加熱して溶融したのち、 110℃まで冷却
してからそのまま型に流し込み、室温まで放冷して固化
させることにより調製したものである。
製したハードキャンディーの試料を木屋式硬度計により
試料が崩壊するまで力を加えて、崩壊時の圧力を測定す
ることにより行った。
12個の試料について得られた数値の平均値であり、キャ
ンディーのカロリー量は文献(Caloric Evaluation of C
arbohydrates,1990年 日本栄養食品協会発行)のデー
タに基づいて算出した。
の外観を呈し、エリスリトールを高い割合で含有するに
もかかわらず、硬質で型くずれを起こさず、非吸湿性で
あり、保存性にも優れている。
Claims (6)
- 【請求項1】 エリスリトールを含むハードキャンディ
ーにおいて、キャンディー中のエリスリトールの比率が
80重量%を超える量であり、予じめ結晶種を均一に存在
せしめたエリスリトール含有溶融液を成型固化せしめて
成るハードキャンディー。 - 【請求項2】 キャンディー中のエリスリトールの比率
が80重量%を超える量であり、残余が糖アルコール及び
/または糖類である請求項1に記載のハードキャンディ
ー。 - 【請求項3】 キャンディー中のエリスリトールの比率
が少なくとも95重量%であり、残余が糖アルコール及び
/または糖類である請求項1に記載のハードキャンディ
ー。 - 【請求項4】 エリスリトールを実質的に 100重量%含
む請求項1に記載のハードキャンディー。 - 【請求項5】 70重量%以上のエリスリトール並びに残
余の糖アルコール及び/または糖類を含む原料混合物を
加熱してその一部が結晶として残存した状態で溶融せし
めるか、又は前記原料混合物を加熱溶融せしめた後に結
晶種を添加して、結晶種を均一に存在せしめたエリスリ
トール含有溶融液を調製し、この結晶種が均一に存在す
る溶融液を成型器に流し込み、成型器中で固化せしめる
ことを特徴とする、ハードキャンディーの製造方法。 - 【請求項6】 原料混合物中のエリスリトール含量が80
重量%を超える量である請求項5に記載のハードキャン
ディーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3090553A JP2885535B2 (ja) | 1991-04-22 | 1991-04-22 | ハードキャンディー及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3090553A JP2885535B2 (ja) | 1991-04-22 | 1991-04-22 | ハードキャンディー及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04320647A JPH04320647A (ja) | 1992-11-11 |
JP2885535B2 true JP2885535B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=14001603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3090553A Expired - Lifetime JP2885535B2 (ja) | 1991-04-22 | 1991-04-22 | ハードキャンディー及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2885535B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3379207B2 (ja) * | 1994-04-08 | 2003-02-24 | 三菱化学株式会社 | 軟キャンデーの製法 |
JP4216208B2 (ja) * | 2004-02-26 | 2009-01-28 | サラヤ株式会社 | 低エネルギーキャンディ |
JP4867966B2 (ja) * | 2008-09-26 | 2012-02-01 | ユーハ味覚糖株式会社 | ノンカロリーキャンディ |
-
1991
- 1991-04-22 JP JP3090553A patent/JP2885535B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
「お菓子読本」、明治製菓株式会社、昭和52年7月25日、p.188−192 |
河田昌子著、「お菓子「こつ」の科学」、柴田書店、1987年2月1日、p.62−63 |
渡辺長男外3名編、「製菓事典」、朝倉書店、1981年10月30日、p.226−230 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04320647A (ja) | 1992-11-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0303295B1 (en) | Hard candy and process for producing the same | |
JP4119292B2 (ja) | 液状マルチトール組成物及びその製造方法並びにその使用 | |
JP3224270B2 (ja) | 低カロリーチョコレート | |
US5314701A (en) | Sugar-free "hard candy" and process for its manufacture | |
CA2068411C (en) | Hard candy containing xylitol and a process for the manufacture thereof | |
JP3693372B2 (ja) | 有粒菓子製品及びその製造方法 | |
JP4563077B2 (ja) | キャンディ及びその製造方法 | |
JPH0975005A (ja) | 糖アルコール含有結晶化ソフトキャンディー | |
JP2885535B2 (ja) | ハードキャンディー及びその製造方法 | |
CH623995A5 (en) | Process for producing hard caramels | |
JPH05137535A (ja) | 微結晶含有流動性甘味料組成物 | |
JP3343300B2 (ja) | フォンダン様糖菓の製造方法 | |
JP2855532B2 (ja) | アモルファスパラチノースの製造法および該アモルファスパラチノースによる菓子の製造法 | |
JP2000139356A (ja) | キャンディ及びその製造方法 | |
US6890582B2 (en) | Aerated and grained sugar-free boiled sweet | |
JP2564255B2 (ja) | 冷感を有する固形チョコレート | |
JP2000316479A (ja) | 硬質化した糖衣層及びその製造方法 | |
JP3905321B2 (ja) | 粉末還元水飴の製造方法とこれにより得られる粉末還元水飴 | |
JP3010857B2 (ja) | ゼリー菓子 | |
JPH07123923A (ja) | 糖アルコールを含有してなる結晶化ソフトキャンディー | |
JPH01191646A (ja) | パラチノースを含有するキャラメルの製造法 | |
Fritzsching | Isomalt in hard candy applications | |
JP2937904B2 (ja) | 被膜ゼリー及びその製法 | |
WO1998034500A1 (en) | Liquid, transparent mixture based on lactitol | |
KR100666608B1 (ko) | 캔디제조용 말티톨 시럽 조성물 및 이를 이용한 무설탕캔디의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080212 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212 Year of fee payment: 10 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212 Year of fee payment: 10 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090212 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100212 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110212 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110212 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120212 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120212 Year of fee payment: 13 |