JPH07219701A - 手書き入力装置 - Google Patents

手書き入力装置

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JPH07219701A
JPH07219701A JP835094A JP835094A JPH07219701A JP H07219701 A JPH07219701 A JP H07219701A JP 835094 A JP835094 A JP 835094A JP 835094 A JP835094 A JP 835094A JP H07219701 A JPH07219701 A JP H07219701A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な手書き入力で、表示されている図形を
消去する。 【構成】 1ストロークの手書き入力の軌跡を構成する
筆跡点列H(図中、●印で示す)すべてが、表示されて
いるプリミティブ図形obj1およびobj2のうちの
いずれかの近接領域(図中、点線で示す)内にある場
合、この1ストロークの手書き入力は、消去を指示する
ものであると認識され、筆跡点列Hに対応するプリミテ
ィブ図形obj1およびobj2の部分が消去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手書きにより文字や図
形などを入力することのできる、例えば電子手帳装置
(ポータブルコンピュータ)などに用いて好適な手書き
入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ペンを用いて、手書きにより文字
や図形などを入力することのできるペン入力型のポータ
ブルコンピュータ(ペンコンピュータ)では、その図形
エディタ上において、画面上に表示されているプリミテ
ィブ図形(例えば直線や、円弧、スプライン曲線などの
軌跡が媒介変数表現可能な線図形)の消去は、所定のア
イコンをタッチ(操作)することによりペンの機能を、
消去を意味する「消しゴム」等のメタファに変更し、既
存のプリミティブ図形上をなぞることによって行われる
ようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、この場合、ペ
ンの機能の変更を宣言する必要があるため、操作の手数
が多くなり、即ち、例えば図形の入力を行っている途中
で、ある線を消したいときには、まずペンの機能を「消
しゴム」に変更する宣言を行い、消去作業を終えた後、
再びペンの機能を図形入力に変更する宣言を行わなけれ
ばならず、使用者に煩わしさを感じさせる課題があっ
た。
【0004】そこで、既存のプリミティブ図形の上に、
ペンによって所定のジェスチャを入力することにより、
そのプリミティブ図形を消去するようになされているペ
ンコンピュータがある。
【0005】このようなペンコンピュータにおいては、
ペンの機能を変更するための操作を、ペンによる筆跡の
入力という操作から独立して行う必要はないが、ペンの
入力筆跡(ペンによる手書き入力の軌跡)を、消去のジ
ェスチャと判定するための形状認識処理が必要になる。
【0006】ここで、消去という編集操作が、誤って実
行された場合、その消去されたものの再現は、通常困難
であるため、使用者の意に反して消去が行われること
は、極力避ける必要がある。
【0007】その一方、所定のジェスチャの入力により
消去を行うペンコンピュータにおいて、消去の意味で入
力した筆跡(入力筆跡)が、消去の意味に認識されず、
入力図形として取り込まれた場合には、図形の数が減少
するどころか逆に増えてしまい、使用者に不快感を与え
ることになる。
【0008】従って、所定のジェスチャの入力により消
去を指示するペンコンピュータには、正確で、且つ安定
したジェスチャの認識が要求される。
【0009】このようなジェスチャの認識のための形状
認識処理は、通常、認識すべき図形の形状の特徴を記憶
している辞書、および辞書の記憶内容と入力筆跡との照
合を行うマッチング処理で構成される。
【0010】形状認識処理において安定した認識結果を
得るためには、図形の形状について、辞書に詳細な記述
をしておく必要がある。具体的には、例えば手書きによ
り円が入力される場合、真円が入力されることは皆無で
あり、従って辞書に真円についての記述をしておくだけ
では、手書き入力された軌跡を円と認識することは困難
である。よって、例えば図36に示すような、ほぼ円と
みなせる範囲内の変形が加えらたあらゆる円を抽象的に
表現する、円についての幅広い記述を、辞書にしておく
必要がある。
【0011】しかしながら、このような詳細な記述がな
された辞書を用いてのマッチング処理は、一般に複雑
で、さらには高価な計算資源を必要とし、これにより装
置が大型化、高コスト化する課題があった。
【0012】また、所定のジェスチャの入力により消去
を指示するペンコンピュータにおいて、例えば図37に
示すようなプリミティブ図形A乃至Cからなる図形のう
ちの、プリミティブ図形Bの一部分の消去は、次のよう
に行われていた。
【0013】なお、図における○印は、図形の一部では
なく、1つのプリミティブ図形の端点を表している。
【0014】即ち、まず図37(a)に示すように、所
定のジェスチャ(例えば、ジクザク形状の線を描くジェ
スチャ)の入力して消去を指示した後、さらに例えば、
図37(b)に示すような、×印を描くようなペンの操
作(ストローク入力)を行い、プリミティブ図形Bを消
去する消去区間(範囲)を指示することにより、図37
(c)に示すように、その消去区間におけるプリミティ
ブ図形B(プリミティブ図形Bの一部分)が消去される
ようになされていた。
【0015】従って、上述した場合と同様に、操作数が
多く、使用者に煩わしさを感じさせる課題があった。
【0016】さらに、消去しようとする部分が、1つの
プリミティブ図形の一部または全部ではなく、複数のプ
リミティブ図形にかかる場合には、まず図38(a)に
示すように、その複数のプリミティブ図形をグループ化
するためのストローク入力を行い、その後、図37
(a)、図37(b)における場合と同様に、消去の指
示(図38(b))、消去区間の指示(図38(c))
を行うことにより、図38(d)に示すように、その消
去区間における図形が消去されるようになされていた。
【0017】従って、この場合、より操作数が増え、使
用者にさらに煩わしさを感じさせる課題があった。
【0018】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、簡単に消去操作を行うことのできる、小
型且つ低コストの装置を提供することができるようにす
るものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の手書き
入力装置は、手書きにより入力された図形もしくは文字
列を処理する手書き入力装置において、手書き入力を行
う入力手段としてのペン9と、図形もしくは文字列を表
示するとともに、ペン9により入力された手書き入力の
軌跡を表示する表示手段としてのディスプレイ5と、ペ
ン9により入力された手書き入力の1ストロークの軌跡
と、図形もしくは文字列との重なり具合を判定する判定
手段としてのプログラムの処理ステップS1とを備え、
プログラムの処理ステップS1により判定された重なり
具合に基づいて、図形もしくは文字列を消去することを
特徴とする。
【0020】請求項2に記載の手書き入力装置は、プロ
グラムの処理ステップS1に、手書き入力の1ストロー
クの軌跡と、ディスプレイ5に表示された図形もしくは
文字列から所定の距離の範囲でなる近接領域との重なり
を判定させることを特徴とする。
【0021】請求項3に記載の手書き入力装置は、図形
もしくは文字列の近傍に、他の図形もしくは文字列が表
示されているとき、所定の距離を小さな値に設定し、図
形もしくは文字列の近傍に、他の図形もしくは文字列が
表示されていないとき、所定の距離を大きな値に設定す
ることを特徴とする。
【0022】請求項4に記載の手書き入力装置は、プロ
グラムの処理ステップS1に、手書き入力の1ストロー
クの軌跡を構成する点列それぞれから所定の距離の範囲
でなる近接領域と、ディスプレイ5に表示された図形も
しくは文字列との重なりを判定させることを特徴とす
る。
【0023】請求項5に記載の手書き入力装置は、手書
き入力の1ストロークの軌跡を構成する各点それぞれか
らの所定の距離を、各点におけるペン9の手書き入力速
度に対応して設定することを特徴とする。
【0024】請求項6に記載の手書き入力装置は、所定
の距離を、1ストロークの軌跡を描くときのペン9の手
書き入力速度に対応して設定することを特徴とする。
【0025】請求項7に記載の手書き入力装置は、所定
の距離を、1ストロークの軌跡を描くときのペン9の手
書き入力速度の平均値に比例した値に設定することを特
徴とする。
【0026】請求項8に記載の手書き入力装置は、所定
の距離を、ディスプレイ5が表示する手書き入力の軌跡
の表示属性値に対応して設定することを特徴とする。
【0027】請求項9に記載の手書き入力装置は、ディ
スプレイ5が表示する手書き入力の軌跡の表示属性値
が、その表示幅であることを特徴とする。
【0028】請求項10に記載の手書き入力装置は、所
定の距離を、入力された値に設定することを特徴とす
る。
【0029】請求項11に記載の手書き入力装置は、プ
ログラムの処理ステップS1の判定結果に基づいて、図
形もしくは文字列を消去する前に、その消去を行うこと
を確認する確認手段としてのプログラムの処理ステップ
S111およびS112をさらに備えることを特徴とす
る。
【0030】請求項12に記載の手書き入力装置は、プ
ログラムの処理ステップS1により手書き入力の1スト
ロークの軌跡と重なると判定された図形もしくは文字列
のすべての部分を消去することを特徴とする。
【0031】請求項13に記載の手書き入力装置は、プ
ログラムの処理ステップS1により手書き入力の1スト
ロークの軌跡と重なると判定された図形もしくは文字列
のうち、軌跡を構成する点に最も近い部分を消去するこ
とを特徴とする。
【0032】請求項14に記載の手書き入力装置は、手
書きにより入力された図形もしくは文字列を処理する手
書き入力装置において、図形もしくは文字列を表示する
表示手段としてのディスプレイ5と、ディスプレイ5に
表示された図形もしくは文字列を消去する消去範囲を指
定する指定手段としてのペン9と、ペン9により指定さ
れた消去範囲を補正する補正手段としてのプログラムの
処理ステップS3と、プログラムの処理ステップS3に
より補正された消去範囲における図形もしくは文字列を
消去する消去手段としてのプログラムの処理ステップS
4とを備え、プログラムの処理ステップS3が、消去範
囲を、その境界が、図形もしくは文字列上の区切りの点
と一致するように補正することを特徴とする。
【0033】請求項15に記載の手書き入力装置は、区
切りの点が、図形もしくは文字列の端点、または図形も
しくは文字列と他の図形もしくは文字列との交点である
ことを特徴とする。
【0034】請求項16に記載の手書き入力装置は、区
切りの点が、図形もしくは文字列と、他の消去範囲の境
界との交点であることを特徴とする。
【0035】請求項17に記載の手書き入力装置は、図
形もしくは文字列が、媒介変数で表現されることを特徴
とする。
【0036】請求項18に記載の手書き入力装置は、プ
ログラムの処理ステップS1により判定された重なり具
合に基づいて、図形もしくは文字列を消去する消去範囲
を算出する算出手段としてのプログラムの処理ステップ
S2をさらに備え、プログラムの処理ステップS2によ
り算出された消去範囲における図形もしくは文字列を消
去することを特徴とする。
【0037】請求項19に記載の手書き入力装置は、図
形もしくは文字列が、媒介変数で表現され、プログラム
の処理ステップS2により算出される消去範囲が、図形
もしくは文字列のうち、プログラムの処理ステップS1
により手書き入力の軌跡と重なっていると判定された部
分を表現する媒介変数の最小値と最大値とで表されるこ
とを特徴とする。
【0038】請求項20に記載の手書き入力装置は、プ
ログラムの処理ステップS2が、消去範囲内における図
形もしくは文字列を表現する媒介変数が単調増加もしく
は単調減少しないとき、消去範囲を、媒介変数が単調増
加もしくは単調減少する範囲に分けて算出することを特
徴とする。
【0039】
【作用】本発明の手書き入力装置においては、ペン9に
より入力された手書き入力の1ストロークの軌跡と、デ
ィスプレイ5に表示された図形もしくは文字列との重な
り具合が判定され、その重なり具合に基づいて、図形も
しくは文字列が消去される。従って、簡単な操作で、消
去を行うことができる。さらに、消去を行う際に、ペン
9から入力された軌跡の形状の認識処理を行う必要がな
いので、装置を小型化、低コスト化することができる。
【0040】また、本発明の手書き入力装置において
は、ペン9によって指定された消去範囲が、その境界
が、図形もしくは文字列上の区切りの点と一致するよう
に補正される。従って、消去範囲を、多少、雑に指定し
ても、所望の範囲を消去することができる。
【0041】
【実施例】図1は、本発明の手書き入力装置を適用した
ペン入力型のポータブルコンピュータ(ペンコンピュー
タ)の一実施例の構成を示すブロック図である。ディス
プレイ5は、例えばLCDなどでなり、その前面には透
明な部材により構成された入力タブレット8が配置さ
れ、これにより入力表示画面が構成されている。
【0042】ディスプレイ5とタブレット8からなる入
力表示画面に、ペン9により適当な圧力を加えながら手
書き入力を行うと、その手書き入力の軌跡を表す筆跡デ
ータが、タブレット8より出力されるようになされてお
り、この筆跡データは、タブレットインターフェイス7
およびバスを介して、RAM3にあらかじめ確保されて
いる筆跡データ領域3aに供給されて記憶されるように
なされている。
【0043】RAM3には、筆跡データ領域3aの他、
図形データまたは消去区間データ(いずれも後述する)
をそれぞれ記憶するための図形データ領域3bまたは消
去区間データ領域3cがあらかじめ確保されており、各
領域には、それぞれの領域に対応したデータが記憶され
るようになされている。さらに、RAM3は、CPU1
の動作上必要なデータも記憶するようになされている。
【0044】ROM2には、後述するCPU1が行う処
理に対応するプログラム、即ち図形エディタその他のプ
ログラムがコード(制御コード)化されて記憶されてい
る。CPU1は、ROM2に記憶されたプログラムにし
たがって、装置を構成する各ブロックを制御する他、R
AM3に記憶されたデータの処理(加工)(例えば、筆
跡データを図形データに変換する処理など)などの所定
の処理を行う。
【0045】ディスプレイコントローラ4は、V−RA
M6に記憶されたデータを読み出し、ディスプレイ5に
供給して表示させるようになされている。なお、RAM
3に記憶された筆跡データは、バスを介してV−RAM
6に書き込まれるようになされており、これによりペン
9による手書き入力の軌跡は、入力表示画面上、即ちタ
ブレット8と一体に構成されたディスプレイ5上にエコ
ーバックされるようになされている。
【0046】ここで、RAM3に記憶される図形データ
は、CPU1が、手書き入力された軌跡、即ち筆跡デー
タを、いわば清書した図形のデータに変換処理したもの
であり、具体的には、例えば手書き入力された軌跡が、
ほぼ円形状のものであれば、それを真円にしたものの中
心点および半径が、CPU1により算出され、これと円
であるという情報(例えば、円の方程式)が図形データ
とされる。また、例えばほぼ直線(線分)状の軌跡が手
書き入力された場合には、それを直線(線分)化したも
のの両端点の位置が、CPU1により算出され、これと
直線(線分)であるという情報(例えば、直線の方程
式)が図形データとされる。従って、図形データは、そ
の軌跡が媒介変数表現可能な線図形であるプリミティブ
図形を表現する。
【0047】この図形データも、バスを介してV−RA
M6に書き込まれるようになされており、これによりペ
ン9による手書き入力の軌跡、即ち筆跡データは、清書
されてディスプレイ5に表示されることになる。
【0048】なお、清書された筆跡データ、即ちプリミ
ティブ図形の表示は、例えばエコーバックされている筆
跡データが確定されることにより、その筆跡データの軌
跡に代えて行われるようになされている。
【0049】次に、図2のフローチャートを参照して、
その動作について説明する。このペンコンピュータにお
いては、プリミティブ図形の消去が、消去部分をペン9
でなぞることにより行われるようになされている。即
ち、図形エディタによる図形消去処理の起動を、手書き
入力の軌跡と、ディスプレイ5に既に表示されているプ
リミティブ図形との位置関係により制御し、同時に図形
消去処理へ渡す図形消去区間の情報も算出するようにな
されている。
【0050】従って、まずペン9による1つの連続した
手書き入力(ストローク入力)があると、ステップS1
において、手書き入力の1ストロークの軌跡全体と、デ
ィスプレイ5に既に表示されているプリミティブ図形と
が重なっているか否かが判定される。ステップS1にお
いて、1ストロークの軌跡全体と、プリミティブ図形と
が重なっていないと判定された場合、そのストローク
が、図形の入力のためのストロークであるとされ、ステ
ップS5に進み、従来と同様の図形入力処理(例えば、
上述した手書き入力の軌跡の記憶処理や、清書処理、エ
コーバック処理など)が行われ、処理を終了する。
【0051】一方、ステップS1において、1ストロー
クの軌跡全体と、プリミティブ図形とが重なっていると
判定された場合、ステップS2に進み、1ストロークの
軌跡と重なっているプリミティブ図形の区間(範囲)
が、消去区間として算出され、ステップS3に進む。
【0052】ステップS3では、ステップS2で算出さ
れた消去区間の補正処理が行われ、ステップS4に進
み、その消去区間内のプリミティブ図形が消去され、処
理を終了する。
【0053】ステップS4またはS5は、従来における
図形消去処理または図形入力処理とそれぞれ同様の処理
なので、以下、ステップS1乃至S3それぞれの処理の
詳細について説明する。
【0054】まずステップS1の重なり判定処理の詳細
について説明するが、その前段階の準備として、その原
理について説明する。いま、図3に示すようなプリミテ
ィブ図形が、ディスプレイ5に表示されていた場合、こ
の図形から所定の距離Dの範囲内を、このプリミティブ
図形の近接領域と定義する。
【0055】そして、同図に●印で示す点(筆跡点)列
で構成される1ストロークの軌跡(筆跡)の入力があっ
た場合、筆跡点列p(i)乃至p(j)でなる筆跡区間
が、近接領域内にあるとき、この筆跡区間はプリミティ
ブ図形と重なっているものとする。
【0056】ステップS1では、1ストロークの入力筆
跡全体が、プリミティブ図形(複数のプリミティブ図形
にわたっていても良い)と重なりを持つ筆跡区間により
構成されている場合、その入力筆跡全体が、プリミティ
ブ図形と重なっていると判定され、この場合、CPU1
では、消去が指示されたと認識される。
【0057】また、1ストロークの入力筆跡全体が、プ
リミティブ図形と重なりを持つ筆跡区間により構成され
ていない場合、ステップS1では、その入力筆跡全体
が、プリミティブ図形と重なっていないと判定され、こ
の場合、CPU1では、通常の図形入力のための手書き
入力があったと認識される。
【0058】なお、近接領域を決定する所定の距離Dの
値は、例えば1mmなどの定数にあらかじめ設定してお
くようにすることができる他、図形表示属性に依存した
値としての、例えばディスプレイ5にエコーバックされ
た筆跡(軌跡)の線の幅や、プリミティブ図形を表示す
るときの線の幅、これらの定数倍などに設定するように
することができる。さらには、ペン9により手書き入力
の軌跡を描くときの速度(運筆速度)に依存させ、速く
描かれた部分ほど、大きな値に設定するようにしても良
い(いずれも詳細は、後述する)。
【0059】また、距離Dは、使用者が、例えばペン9
を操作することにより入力した値に対応して設定するよ
うにしても良い。この場合には、ステップS1の重なり
判定処理の判定基準を、使用者が決めることができるこ
ととなり、即ち使用者自身にあわせた調整が可能となる
ので、操作性(使い勝手)を向上させることができる。
【0060】図4は、例えば3つのプリミティブ図形o
bj1乃至obj3で構成される図形が、ディスプレイ
5に表示されている場合に、筆跡点列H(図中、●印で
示す部分)でなる1ストロークの手書き入力があったと
きの様子を示している。
【0061】図4においては、筆跡点列Hは、プリミテ
ィブ図形obj1およびobj2のうちのいずれかの近
接領域内にあり、従ってこの場合、CPU1では、消去
が指示されたと認識される。
【0062】なお、図4では、プリミティブ図形obj
1乃至obj3それぞれの近接領域を点線で示してあ
る。また、プリミティブ図形obj1乃至obj3それ
ぞれを表す図形データが、RAM3の図形データ領域3
bに記憶されている様子を図5に示す。即ち、図5は、
プリミティブ図形obj1が線分であるという情報、お
よびその2つの端点の座標、プリミティブ図形obj2
が円であるという情報、その中心点の座標、および半
径、並びにプリミティブ図形obj3が波線であるとい
う情報、およびそれを描くために必要なパラメータが、
図形データとして記憶されている様子を示している。
【0063】一方、プリミティブ図形obj1乃至ob
j3が表示されている場合において、例えば図6に示す
ような筆跡点列Hでなる1ストロークの手書き入力があ
ったときには、図中、Rで示す部分の筆跡区間が、プリ
ミティブ図形obj1乃至obj3のうちのいずれの近
接領域内にもないので、CPU1では、通常の手書き入
力があったと認識され、これにより図形入力処理(ステ
ップS5の処理)が行われる。
【0064】次に、図7は、以上の原理に基づいて行わ
れるステップS1の重なり判定処理の詳細を示すフロー
チャートである。まずステップS11においては、近接
領域を決定する所定の距離Dを表す関数fの引数となる
dが設定され、ステップS12に進む。なお、この引数
dは、上述したように所定の距離Dの値を定数とすると
きは、固定値に設定される。また、距離Dを、上述した
ように図形表示属性に依存した値にするときには、引数
dは、図形表示属性に対応して設定される。さらに、引
数dを、上述したようにペン9の運筆速度に依存した値
にするときには、運筆速度に対応して設定される。ま
た、距離Dを、上述したように使用者に設定させる場合
には、引数dは、使用者が、入力した値に対応して設定
される。
【0065】ステップS12では、まず筆跡データ(筆
跡点)p(j)のインデックスjに初期値としての1が
セットされ、インデックスjが、1ストロークの手書き
入力の軌跡を構成する筆跡点の数nより大きいと判定さ
れるまで、ステップS13乃至S15の処理を繰り返し
ながら、このステップS13乃至S15の処理を1回行
うごとに、インデックスjを1ずつインクリメントする
ループ制御が行われる。
【0066】即ち、ステップS12では、1ストローク
分の筆跡データp(1)乃至p(n)に関して、ステッ
プS13乃至S15の処理を行う制御がなされる。以
下、このような処理を、jを1乃至nに変えてのステッ
プS13乃至S15のループ制御という。
【0067】ステップS12のループ制御の下、ステッ
プS13では、プリミティブ図形obj#iのインデッ
クスiを1乃至N(但し、Nは、いまディスプレイ5に
表示されているプリミティブ図形の数)に変えてのステ
ップS14およびS15のループ制御が行われる。な
お、いまディスプレイに表示されている第i番目のプリ
ミティブ図形を、プリミティブ図形objiと記述する
と、objとインデックスiとの区切りがわかりにくく
なるので、このような場合、iを数字で記述するときを
除き、本明細書および図面中では、プリミティブ図形o
bj#iと記述する。
【0068】ステップS13のループ制御の下、ステッ
プS14では、関数f(i,d)により与えられる値
が、所定の距離Dとされ、即ち、プリミティブ図形ob
j#iのインデックスiと、ステップS11で設定され
たdとを引数とする関数f(i,d)にしたがって、所
定の距離Dが算出され、ステップS15に進み、プリミ
ティブ図形obj#iと筆跡点p(j)との最短距離
が、所定の距離Dより大きいか否かが判定される。即
ち、ステップS15では、例えばプリミティブ図形ob
j#iを表す図形データから得られる、プリミティブ図
形obj#iの点列それぞれと筆跡点p(j)との距離
が計算され、そのうちの最小のものが、所定の距離Dよ
り大きいか否かが判定される。
【0069】ステップS15において、プリミティブ図
形obj#iと筆跡点p(j)との最短距離が、所定の
距離Dより大きいと判定された場合、ステップS13に
戻り、インデックスiが1だけインクリメントされる。
そして、インデックスiが、プリミティブ図形の総数N
より大きいか否かが判定され、大きくないと判定された
場合は、再びステップS14およびS15の処理が繰り
返される。
【0070】また、ステップS13において、インデッ
クスiが、プリミティブ図形の総数Nより大きいと判定
された場合、即ち筆跡点p(j)が、いまディスプレイ
5に表示されているプリミティブ図形obj1乃至ob
j#Nのいずれの近接領域内にもない場合、筆跡点p
(j)を含む点列からなる1ストロークの手書き入力の
軌跡は、図形を描くための軌跡であると認識され、ステ
ップS5(図2)へ進み、図形入力処理が行われる。
【0071】一方、ステップS15において、プリミテ
ィブ図形obj#iと筆跡点p(j)との最短距離が、
所定の距離Dより大きくないと判定された場合、即ち筆
跡点p(j)が、プリミティブ図形obj#iから距離
Dの範囲である近接領域内にある場合、ステップS13
のループ制御から抜け出して、ステップS12に戻り、
インデックスjが1だけインクリメントされる。そし
て、インデックスjが、1ストロークの筆跡点の総数n
より大きいか否かが判定され、大きくないと判定された
場合は、再びステップS13乃至S15の処理が繰り返
される。即ち、ある筆跡点が、いまディスプレイ5に表
示されているいずれかのプリミティブ図形の近接領域内
にあった場合は、その次の筆跡点に関して、同様の処理
が行われる。
【0072】そして、ステップS12において、インデ
ックスjが、筆跡点の総数nより大きいと判定された場
合、即ち1ストロークの筆跡点p(1)乃至p(n)す
べてが、いまディスプレイ5に表示されているプリミテ
ィブ図形obj1乃至obj#Nのいずれの近接領域内
にある場合、筆跡点p(1)乃至p(n)でなる1スト
ロークの手書き入力は、消去を指示する入力であると認
識され、ステップS2(図2)に進む。
【0073】以上のようにして、ステップS1の重なり
判定処理では、1ストロークの入力筆跡と、いまディス
プレイ5に表示されているプリミティブ図形を表す図形
データとを比較することによって、その入力筆跡が消去
処理の起動を意味するものか否かが認識され、これによ
り入力筆跡が消去処理の起動を意味するものであると認
識された場合には、以下ステップS2乃至S4の処理が
順次行われることになる。また、入力筆跡が消去処理の
起動を意味するものでないと認識された場合、即ち入力
筆跡が図形入力のためのものであると認識された場合に
は、以下ステップS5の処理が行われることになる。
【0074】なお、入力筆跡がプリミティブ図形の近傍
(プリミティブ図形を含む周辺の領域)に描かれている
か否かを判定するのは、上述のように近接領域(所定の
距離dにより決まる領域)を定義して行う方法に限定さ
れるものではない。
【0075】次に、ステップS2の消去区間算出処理で
は、ステップS1で、消去を指示するものであると認識
された1ストロークの入力筆跡が、どのプリミティブ図
形のどの区間(部分)に重なるものであるかが算出さ
れ、これが消去区間とされる。即ち、ステップS2にお
いては、RAM3に記憶されている1ストロークの筆跡
データ(筆跡点列)と、図形データ(図形データが表す
プリミティブ図形を構成する点列)とが参照され、RA
M3に記憶させる消去区間データが作成される。
【0076】例えば、図8に示すように、3つのプリミ
ティブ図形obj1乃至obj3で構成される図形が、
ディスプレイ5に表示されている場合に、筆跡点列H
(図中、●印で示す部分)でなる1ストロークの手書き
入力があったとき、筆跡点列Hは、プリミティブ図形o
bj1およびobj2のうちのいずれかの近接領域内に
あり、従ってこの場合、CPU1では、消去が指示され
たと認識される。
【0077】そして、この場合、筆跡点列Hの筆跡区間
のうち、筆跡区間K1は、プリミティブ図形obj1上
の点(プリミティブ図形obj1を表す図形データから
得られる点)st(1)から点et(1)までの区間と
重なっている(筆跡点列Hのうち、筆跡区間K1内にあ
る点列が、点st(1)から点et(1)までの各点か
ら所定の距離Dの範囲内にある)。また、筆跡区間K2
は、プリミティブ図形obj2上の点st(2)から点
et(2)までの区間と重なっており、筆跡区間K3
は、プリミティブ図形obj1上の点st(3)から点
et(3)までの区間と重なっている。
【0078】ステップS2では、このように筆跡区間と
重なっているプリミティブ図形上の区間が求められて消
去区間とされ、この消去区間におけるプリミティブ図形
の軌跡を表す情報が、消去区間データとして算出され、
RAM3の消去区間データ領域に記憶される。
【0079】ここで、プリミティブ図形の軌跡tは、例
えばt=t(qt)のように媒介変数qt(媒介変数q
tを引数とする関数t(qt))により表すことが可能
である。そして、媒介変数qtは、例えばプリミティブ
図形の端点やある基準点からの長さ(道のり)などとし
たり、またプリミティブ図形が円などである場合には、
媒介変数qtは、例えばある基準点から、ある基準方向
への角変位などとすることができる。本実施例では、消
去区間におけるプリミティブ図形の軌跡を表す情報とし
て、この媒介変数qtを採用する。
【0080】なお、消去区間におけるプリミティブ図形
の軌跡を表す情報は、媒介変数qtに限られるものでは
ない。また、本明細書および図面中では、st(k)ま
たはet(k)は、それぞれ第k(但し、kは整数)番
目の消去区間におけるプリミティブ図形の軌跡の始点ま
たは終点を示すとともに、適宜、その始点または終点に
対応する媒介変数を示すものとする(このようにして
も、プリミティブ図形の軌跡上の点と媒介変数は1体1
に対応するから問題はない)。
【0081】次に、図9は、図8の消去区間K1乃至K
3に対応する消去区間データが算出され、RAM3に記
憶された様子を示している。図中、kは、求められた消
去区間へ与えられるインデックスであり、idは、消去
区間とされた区間を有するプリミティブ図形の識別番号
(複数のプリミティブ図形を区別するために、図形エデ
ィタが各プリミティブ図形に与えるユニークな番号)で
ある。また、st(k)とet(k)は、それぞれ第k
番目の消去区間におけるプリミティブ図形の端点、即ち
第k番目の消去区間の始点と終点を示す媒介変数値であ
る。
【0082】なお、媒介変数は、プリミティブ図形のあ
る1つの端点や基準点から順次増加(減少でもよい)し
ていくものとし、従ってプリミティブ図形のある消去区
間における始点stまたは終点etは、その消去区間に
おいてそれぞれ最小または最大の媒介変数が示す点であ
るとする。
【0083】よって、図9に示す消去区間データは、1
番目の消去区間K1が、プリミティブ図形obj1(N
o.#iは、プリミティブ図形obj#iの識別番号で
あるとする)の軌跡中の区間であって、媒介変数がst
(1)からet(1)までに対応する点列からなる区間
であることを示している。さらに、2番目の消去区間K
2は、プリミティブ図形obj2の軌跡中の区間であっ
て、媒介変数がst(2)からet(2)までに対応す
る点列からなる区間であり、また3番目の消去区間K3
は、プリミティブ図形obj1の軌跡中の区間であっ
て、媒介変数がst(3)からet(3)までに対応す
る点列からなる区間であることを示している。
【0084】ところで、消去区間を算出する場合におい
て、図10に示すように、例えば図8における消去区間
K3の付近に、プリミティブ図形obj4があり、筆跡
点列Hが、プリミティブ図形obj1の近接領域内だけ
でなく、このプリミティブ図形obj4の近接領域内に
もあるとき、即ち筆跡点列Hが、プリミティブ図形ob
j1だけでなく、プリミティブ図形obj4にも重なっ
ているとき、筆跡点列Hと重なるすべてのプリミティブ
図形(図10における場合は、プリミティブ図形obj
1とobj4の両方)を消去区間の算出対象とする方法
(以下、無差別方式という)と、筆跡点列Hそれぞれに
対し、最も近い距離にあるプリミティブ図形を消去区間
の算出対象とする方法(以下、選択方式という)が考え
られる。
【0085】図10に示したような場合、プリミティブ
図形obj1上の区間K3と、プリミティブ図形obj
4上の区間K4とを両方消去するべきか、そのいずれか
一方だけを消去するべきかは選択の余地を残すところで
あり、そこで図1に示すペンコンピュータにおいては、
隣接するプリミティブ図形をまとめて消去するか、個別
に消去するかを、即ち無差別方式によるか、また選択方
式によるかを、使用者が設定することができるようにな
されている。
【0086】なお、この設定は、例えばディスプレイ5
上に設定アイコンを表示させたり(例えば、アプリケー
ションプログラムなどの管理の下に表示させる)、ある
いはペンコンピュータに設定ボタンを設けるなどして、
この設定アイコンや設定ボタンの操作(設定アイコンに
よる場合は、ペン9により操作される)に対応して行う
ようにすることができる。
【0087】従って、ステップS2では、図11のフロ
ーチャートに示すように、まずステップS21におい
て、ペンコンピュータが、隣接するプリミティブ図形
(線図形)をまとめて消去するモードに設定されている
か否かが判定される。ステップS21において、隣接す
るプリミティブ図形をまとめて消去するモードに設定さ
れていると判定された場合、即ち設定アイコンまたは設
定ボタンが操作されることにより、ペンコンピュータが
隣接するプリミティブ図形をまとめて消去するモードに
設定されている場合、ステップS22に進み、無差別方
式による消去区間算出処理(詳細は、後述する)が行わ
れる。
【0088】また、ステップS21において、隣接する
プリミティブ図形をまとめて消去するモードに設定され
ていないと判定された場合、即ち設定アイコンまたは設
定ボタンが操作されることにより、ペンコンピュータが
隣接するプリミティブ図形をまとめて消去するモードに
設定されていない場合、ステップS23に進み、選択方
式による消去区間算出処理(詳細は、後述する)が行わ
れる。
【0089】なお、上述のモード設定は、設定アイコン
や設定ボタンの操作に対応して変更されるフラグなどを
用いて管理するようにしても良いし、またその他の任意
の方法で管理するようにするようにしても良い。
【0090】また、ステップS2の処理を、図11に示
したように、ステップS21乃至S23の処理で構成す
るのではなく、例えば装置のコストなどを考慮して、ス
テップS22およびS23のいずれか一方の処理のみで
構成するようにすることもできる。
【0091】例えば図12(a)に示すような、隣接す
るプリミティブ図形obj5およびobj6に対し、両
者に重なる(両者の近接領域の重複部分(図中、斜線を
付して示す部分)に含まれる)筆跡点列(図中、●印で
示す)からなる1ストロークの手書き入力があった場
合、ステップS22の無差別方式による消去区間算出処
理によれば、プリミティブ図形obj5とobj6の両
方を消去区間の算出対象として、図12(b)に示すよ
うな、プリミティブ図形obj5の点st(1)からe
t(1)まで、およびプリミティブ図形obj6の点s
t(2)からet(2)までの間の軌跡を消去するため
の消去区間データが作成される。
【0092】従って、この場合、密集しているプリミテ
ィブ図形を、1ストロークの手書き入力で消去すること
ができることになる。
【0093】また、例えば図13(a)に示すような、
隣接するプリミティブ図形obj5およびobj6に対
し、両者に重なる(両者の近接領域の重複部分(図中、
斜線を付して示す部分)に含まれる)筆跡点列(図中、
●印で示す)からなる1ストロークの手書き入力があっ
た場合、ステップS23の選択方式による消去区間算出
処理によれば、筆跡点列それぞれに対し、最も近い距離
にある方のプリミティブ図形を消去区間の算出対象とし
て、図13(b)に示すようなプリミティブ図形obj
5の点st(1)からet(1)まで、および点st
(3)からet(3)まで、並びにプリミティブ図形o
bj6の点st(2)からet(2)までの間の軌跡を
消去するための消去区間データが作成される。
【0094】従って、この場合、プリミティブ図形が密
集していても、消去しようとするプリミティブ図形に最
も近い位置に1ストロークの手書き入力を行うことによ
り、所望するものだけを消去することができることにな
る。
【0095】次に、図14のフローチャートを参照し
て、図11におけるステップS22の無差別方式による
消去区間算出処理の詳細について説明する。まずステッ
プS31においては、プリミティブ図形obj#iのイ
ンデックスiを1乃至N(但し、Nは、いまディスプレ
イ5に表示されているプリミティブ図形の総数)に変え
てのステップS32のループ制御が行われる。ステップ
S32では、プリミティブ図形obj#iの近接領域に
含まれる(近接領域内にある)筆跡点であって、1つの
消去区間内の筆跡点の数をカウントする変数c(i)に
初期値としての0がセットされる。
【0096】従って、ステップS31のループ制御の
下、ステップS32において、変数c(1)乃至c
(N)が初期化される。
【0097】インデックスiがプリミティブ図形の総数
Nより大きくなると、ステップS31のループ制御を抜
け出し、ステップS33に進む。ステップS33では、
筆跡データ(筆跡点)p(j)のインデックスjを1乃
至n(但し、nは、1ストロークの手書き入力の軌跡を
構成する筆跡点の数)に変えて、ステップS34以下の
ループ制御が行われる。そして、ステップS33のルー
プ制御の下、ステップS34では、インデックスiを1
乃至Nに変えてのステップS35以下のループ制御が行
われる。
【0098】ステップS35では、変数q’(i)に変
数qの値がセットされ、プリミティブ図形obj#i上
の点(プリミティブ図形obj#iを表す図形データ)
のうち、筆跡点p(j)に最も近い点が求められ、これ
が変数qにセットされる。
【0099】従って、変数q’(i)には、プリミティ
ブ図形obj#i上の点のうち、筆跡点p(j−1)に
最も近い点が記憶されることになる。なお、インデック
スjが1の場合、変数q’(i)には、ダミーの値がセ
ットされるようになされている。
【0100】ステップS35の処理後、ステップS36
に進み、筆跡点p(j)と点(変数)qとの距離、即ち
プリミティブ図形obj#i上から、筆跡点p(j)ま
での最短距離が、所定の距離Dより大きいか否かが判定
される。
【0101】ステップS36において、筆跡点p(j)
と点qとの距離が、所定の距離Dより大きくないと判定
された場合、即ち筆跡点p(j)が、プリミティブ図形
obj#iの近接領域に含まれる場合、ステップS37
に進み、変数qt’(i)に変数qtの値がセットさ
れ、点qを示す媒介変数が求められ、これが変数qtに
セットされる。
【0102】従って、変数qt’(i)には、上述した
点(変数)q’(i)に対応する媒介変数が記憶される
ことになる。なお、インデックスjが1の場合、変数
q’(i)と同様、この変数qt’(i)にも、ダミー
の値がセットされるようになされている。
【0103】以上のように、プリミティブ図形obj#
i上の点のうち、筆跡点p(i)に対して最も近い距離
にある点qと、筆跡点p(j)との距離が、所定の距離
D以下の場合には、ステップS37において、点qに対
応する媒介変数qtが求められた後、ステップS38に
進み、変数c(i)が0であるか否かが判定される。
【0104】ステップS38において、変数c(i)が
0であると判定された場合、即ちステップS35で求め
られた点qが、プリミティブ図形obj#1の、まだ算
出されていない消去区間におけるものである場合(筆跡
点p(j−1)がプリミティブ図形obj#iの近接領
域に含まれない場合)、ステップS37で求められた媒
介変数qtが示す点qが、プリミティブ図形obj#i
における消去区間の始点および終点の候補であるとさ
れ、ステップS39に進み、その始点または終点にそれ
ぞれ対応する媒介変数の候補を示す変数stまたはet
に、媒介変数qtがセットされ、ステップS40に進
む。
【0105】ステップS40では、変数c(i)が1だ
けインクリメントされ、ステップS34に戻り、ステッ
プS34のループ制御の下、再度ステップS35以下の
処理が行われる。
【0106】一方、ステップS38において、変数c
(i)が0でないと判定された場合、即ちステップS3
5で求められた点qが、プリミティブ図形obj#1
の、いま算出中の消去区間におけるものである場合、ス
テップS30に進み、変数q’(i)またはqt’
(i)が、変数q’またはqt’にそれぞれ代入される
変数変換が行われる。
【0107】なお、このステップS30の変数変換処理
の結果得られる変数q’およびqt’は、ステップS4
1の閉図形に対する特別処理で用いられる。
【0108】ステップS30の処理後、後述するステッ
プS41を介して、ステップS42に進み(但し、後述
するように、ステップS41の処理結果によっては、ス
テップS39に進むときがある)、ステップS37で求
められた媒介変数qtが、オブジェクト図形obj#i
の消去区間の始点に対応する媒介変数の候補stより小
さいか否かが判定される。
【0109】ステップS42において、媒介変数qt
が、オブジェクト図形obj#iの消去区間の始点に対
応する媒介変数の候補stより小さいと判定された場
合、ステップS43に進み、始点に対応する媒介変数の
候補stに、媒介変数qtがセットされ、ステップS4
0に進む。
【0110】また、ステップS42において、媒介変数
qtが、オブジェクト図形obj#iの消去区間の始点
に対応する媒介変数の候補stより小さくないと判定さ
れた場合、ステップS44に進み、ステップS37で求
められた媒介変数qtが、オブジェクト図形obj#i
の消去区間の終点に対応する媒介変数の候補etより大
きいか否かが判定される。
【0111】ステップS44において、媒介変数qt
が、オブジェクト図形obj#iの消去区間の終点に対
応する媒介変数の候補etより大きいと判定された場
合、ステップS45に進み、終点に対応する媒介変数の
候補etに、媒介変数qtがセットされ、ステップS4
0に進む。
【0112】また、ステップS44において、媒介変数
qtが、オブジェクト図形obj#iの消去区間の終点
に対応する媒介変数の候補etより大きくないと判定さ
れた場合、ステップS45をスキップして、ステップS
40に進む。
【0113】以上のように、ステップS42乃至S45
では、新たに見つかった、プリミティブ図形obj#i
の近接領域に含まれる筆跡点に対応して、消去区間の始
点または終点にそれぞれ対応する媒介変数の候補stま
たはetが更新される。
【0114】一方、ステップS36において、筆跡点p
(j)と点qとの距離が、所定の距離Dより大きいと判
定された場合、即ち筆跡点p(j)が、プリミティブ図
形obj#iの近接領域に含まれない場合、ステップS
46に進み、変数c(i)が0に等しいか否かが判定さ
れる。ステップS46において、変数c(i)が0に等
しいと判定された場合、即ち筆跡点p(j−1)がプリ
ミティブ図形obj#iの近接領域に含まれない場合、
ステップS34に戻り、ステップS34のループ制御の
下、再度ステップS35以下の処理が行われる。つま
り、iが1だけインクリメントされ、次のプリミティブ
図形に対して、ステップS35以下の処理が行われる。
【0115】また、ステップS46において、変数c
(i)が0に等しくないと判定された場合、ステップS
47に進み、変数c(i)が初期化され(初期値として
の0がセットされ)、ステップS48に進む。
【0116】ステップS48では、まず図9で説明した
インデックスkが1だけインクリメントされる。なお、
このインデックスkは、図14の無差別方式による消去
区間算出処理が行われる直前に、0に初期化されるよう
になされている。
【0117】さらに、ステップS48では、始点に対応
する媒介変数の候補を示す変数stに記憶されている値
が、第k番目の消去区間の始点に対応する媒介変数st
(k)とされ、終点に対応する媒介変数の候補を示す変
数etに記憶されている値が、第k番目の消去区間の終
点に対応する媒介変数et(k)とされるとともに、プ
リミティブ図形obj#iの識別番号が、変数id
(k)にセットされる。
【0118】そして、インデックスk、変数id
(k)、媒介変数st(k)、およびet(k)が、R
AM3の消去区間データ領域に転送され、例えば図12
(b)に示したように消去区間データとして記憶され
る。
【0119】その後、ステップS34に戻り、ステップ
S34のループ制御の下、再度ステップS35以下の処
理が行われる。
【0120】そして、ステップS34において、インク
リメントしたインデックスiがNより大きいと判定され
た場合、即ちいまディスプレイ5に表示されているプリ
ミティブ図形すべてに対し、ステップS35以下の処理
が行われた場合、ステップS33に戻り、そこで、イン
クリメントしたインデックスjがnより大きいと判定さ
れるまで、ステップS33のループ制御の下、ステップ
S34以下の処理が、再度行われる。
【0121】また、ステップS33において、インクリ
メントしたインデックスjがnより大きいと判定された
場合、即ち1ストロークの手書き入力の軌跡を構成する
筆跡点すべてに対し、ステップS34以下の処理が行わ
れた場合、無差別方式による消去区間算出処理を終了
し、ステップS3(図2)に進む。
【0122】以上の処理により、図12(a)に示した
ような場合において、プリミティブ図形obj5とob
j6の両方を消去区間の算出対象として、図12(b)
に示したような消去区間データが作成されることにな
る。
【0123】次に、図15のフローチャートを参照し
て、図11におけるステップS23の選択方式による消
去区間算出処理の詳細について説明する。まずステップ
S51において、図9で説明したインデックスkに初期
値としての−1がセットされ、さらに後述する変数pr
Iに初期値としての0がセットされる。
【0124】そして、ステップS52乃至S54に順次
進み、図14で説明したステップS31乃至S33それ
ぞれにおける場合と同様の処理が行われ、ステップS4
9に進む。
【0125】ステップS49では、筆跡点p(j)と、
いまディスプレイ5に表示されているプリミティブ図形
それぞれとの距離のうちの最小値を示す変数minに、
初期値として所定の距離Dがセットされ、その後、ステ
ップS55乃至S57に順次進み、図14で説明したス
テップS34乃至S36それぞれにおける場合と同様の
処理が行われる。
【0126】そして、ステップS57において、筆跡点
p(j)と点qとの距離が、所定の距離Dより大きいと
判定された場合、即ち筆跡点p(j)が、プリミティブ
図形obj#iの近接領域に含まれない場合、ステップ
S55に戻り、ステップS55のループ制御の下、再度
ステップS56以下の処理が行われる。つまり、iが1
だけインクリメントされ、次のプリミティブ図形に対し
て、ステップS56以下の処理が行われる。
【0127】一方、ステップS57において、筆跡点p
(j)と点qとの距離が、所定の距離Dより大きくない
と判定された場合、即ち筆跡点p(j)が、プリミティ
ブ図形obj#iの近接領域に含まれる場合、ステップ
S58に進み、変数minの記憶値が、筆跡点p(j)
と点qとの距離より大きいか否かが判定される。ステッ
プS58において、変数minの記憶値が、筆跡点p
(j)と点qとの距離より大きくないと判定された場
合、ステップS55に戻り、ステップS55のループ制
御の下、再度ステップS56以下の処理が行われる。
【0128】また、ステップS58において、変数mi
nの記憶値が、筆跡点p(j)と点qとの距離より大き
いと判定された場合、ステップS59に進み、図14で
説明したステップS37におけるときと同様に、変数q
t’(i)に変数qtの値がセットされ、点qを示す媒
介変数が求められ、これが変数qtにセットされる。
【0129】そして、ステップS60に進み、変数I
に、プリミティブ図形obj#iのインデックスiがセ
ットされ、さらに変数minに、筆跡点p(j)と点q
との距離がセットされ、ステップS55に戻る。
【0130】従って、ステップS55のループ制御の
下、ステップS56乃至S60の処理が繰り返し行われ
ることにより、変数minには、筆跡点p(j)と、い
まディスプレイ5に表示されているプリミティブ図形そ
れぞれとの距離のうちの最小値がセットされ、また変数
Iには、筆跡点p(j)との距離が最小であるプリミテ
ィブ図形のインデックスが記憶されることになる。
【0131】その後、ステップS55において、インク
リメントしたインデックスiがNより大きいと判定され
た場合、ステップS55のループ制御を抜け出して、ス
テップS61に進み、変数c(I)が0に等しいか否か
が判定される。ステップS61において、変数c(I)
が0に等しいと判定された場合、即ち筆跡点p(j−
1)に最も近いプリミティブ図形が、プリミティブ図形
obj#Iでなかった場合、ステップS62に進み、ま
ずインデックスkが1だけインクリメントされる。
【0132】さらに、ステップS62において、始点に
対応する媒介変数の候補を示す変数stに記憶されてい
る値が、第k番目の消去区間の始点に対応する媒介変数
st(k)とされ、終点に対応する媒介変数の候補を示
す変数etに記憶されている値が、第k番目の消去区間
の終点に対応する媒介変数et(k)とされるととも
に、プリミティブ図形obj#prIの識別番号が、変
数id(k)にセットされる。
【0133】そして、インデックスk、変数id
(k)、媒介変数st(k)、およびet(k)が、R
AM3の消去区間データ領域に転送され、例えば図13
(b)に示したように消去区間データとして記憶され
る。
【0134】ここで、変数prIには、後述するステッ
プS63において、変数Iの値がセットされるようにな
されており、従って前回のステップS60の処理により
変数Iにセットされた値(筆跡点p(j)に最も近い距
離にあるプリミティブ図形のインデックス)が記憶され
ている。
【0135】なお、ステップS62においてインクリメ
ントされたインデックスkが0である場合は、インデッ
クスk、変数id(k)、媒介変数st(k)、および
et(k)は無視され、RAM3には記憶されない。
【0136】ステップS62の処理後、ステップS63
に進み、変数c(prI)が初期化され(変数c(pr
I)に初期値としての0がセットされ)、さらに変数p
rIに変数Iの記憶値がセットされ、ステップS64に
進む。
【0137】ステップS64では、図14のステップS
39における場合と同様に、プリミティブ図形obj#
Iの消去区間の始点または終点にそれぞれ対応する媒介
変数の候補を示す変数stまたはetに、媒介変数qt
がセットされ、ステップS65に進む。
【0138】ステップS65では、変数c(I)が1だ
けインクリメントされ、ステップS54に戻り、ステッ
プS54のループ制御の下、再度ステップS55以下の
処理が行われる。
【0139】一方、ステップS61において、変数c
(I)が0でないと判定された場合、図14のステップ
S30またはS41とそれぞれ同様の処理であるステッ
プS50の変数変換処理またはステップS66の閉図形
に対する特別処理を介して、ステップS67に進む(但
し、後述するように、ステップS66の処理結果によっ
ては、ステップS62に進むときがある)。
【0140】ここで、ステップS67乃至S70は、図
14のステップS42乃至45とそれぞれ同様の処理な
ので、その説明は省略する。ステップS68またはS7
0の処理後は、ステップS65を介し、ステップS54
に戻る。
【0141】その後、ステップS54において、インク
リメントしたインデックスjがnより大きいと判定され
た場合、即ち1ストロークの手書き入力の軌跡を構成す
る筆跡点すべてに対し、ステップS55以下の処理が行
われた場合、選択方式による消去区間算出処理を終了
し、ステップS3(図2)に進む。
【0142】以上の処理により、例えば図13(a)に
示したような場合において、最も近い距離にある方のプ
リミティブ図形を消去区間の算出対象として、図13
(b)に示すような消去区間データが作成されることに
なる。
【0143】ところで、例えば図16(a)に示すよう
に、ある1つのプリミティブ図形の近接領域が重複する
場合に(以下、このようなプリミティブ図形を閉図形と
いう)、図16(b)に示すように、その重複部分(重
なり部分)を経由して、近接領域に含まれる筆跡点列H
cでなる1ストロークの手書き入力を行うと、その筆跡
区間に対応する閉図形の区間における媒介変数の最大値
または最小値は、その区間の2つの端点(始点と終点)
それぞれに対応しない。
【0144】即ち、上述したように、媒介変数は、例え
ばプリミティブ図形のある端点から順次増加していくも
のとしたので、いま図16(b)に示すように、媒介変
数が、プリミティブ図形の端点pminで最小で、そこか
らその軌跡に沿って増加し、端点pmaxで最大となると
すると、筆跡点列Hcに対応する閉図形の区間におい
て、媒介変数が最小または最大となる点それぞれは、そ
の区間の2つの端点(始点と終点)ではなく、点pmin
またはpmaxとなる。
【0145】上述した、ステップS22(図14)およ
びS23(図15)では、いずれも筆跡点列Hcに重な
るプリミティブ図形の区間(その近接領域に、筆跡点列
cが含まれるプリミティブ図形の区間)において、媒
介変数が最小または最大となる点を、そのプリミティブ
図形の消去区間の始点または終点として算出する消去区
間算出処理が行われるようになされているため、筆跡点
列に重なるプリミティブ図形の区間(部分)を表現する
媒介変数が単調増加または単調減少しない場合には、即
ち図16(b)に示したような場合には、点pminまた
はpmaxが、それぞれ消去区間の始点または終点とさ
れ、その結果、同図においてe1で示す区間が消去区間
とされることになる。
【0146】従って、この場合、閉図形の一部を消去す
るつもりでした手書き入力により、閉図形全体が消去さ
れることになる。
【0147】また、図17(a)に示すような、軌跡が
交差していることにより近接領域が重複する閉図形にお
いても同様で、図17(b)に示すように、その重複部
分を経由して、近接領域に含まれる筆跡点列Hcでなる
1ストロークの手書き入力が行われた場合には、区間e
2が消去されることになる。
【0148】このような、いわば誤った消去は、手書き
入力が、閉図形の近接領域の重複部分を経由して行われ
たことにより生じるものであるから、図14におけるス
テップS41(図15におけるステップS66も同様)
の閉図形に対する特別処理では、このような手書き入力
があったか否かを判定し、あった場合には、本来は、1
つの消去区間を重複部分で分け、これにより単調増加ま
たは単調減少する媒介変数で消去区間が表せるようにす
る処理が行われる。
【0149】即ち、閉図形に対する特別処理では、例え
ば図16(a)に示す閉図形に対し、図16(b)に示
す手書き入力があった場合には、その手書き入力に対応
する閉図形の区間が、図16(c)に示すような区間E
1およびE2に分けられ、この2つの区間が消去区間と
される。
【0150】また、例えば図17(a)に示す閉図形に
対し、図17(b)に示す手書き入力があった場合に
は、その手書き入力に対応する閉図形の区間が、図17
(c)に示すような区間E3およびE4に分けられ、こ
の2つの区間が消去区間とされる。
【0151】次に、図18のフローチャートを参照し
て、閉図形に対する特別処理の詳細について説明する。
なお、この閉図形に対する特別処理は、サブルーチン化
(モジュール化)されており、図14におけるステップ
S41および図15におけるステップS66では、いず
れも図18に示す処理が呼び出されるようになされてい
る。
【0152】閉図形に対する特別処理では、まず最初
に、ステップS71において、プリミティブ図形obj
#iが閉図形か否かが判定される。この判定は、プリミ
ティブ図形#iの近接領域について、それが重複する部
分を有するか否かを検出することにより行われる。
【0153】ステップS71において、プリミティブ図
形#iが閉図形でないと判定された場合、即ちプリミテ
ィブ図形obj#iの近接領域に重複する部分がない場
合、ステップS72に進み、この閉図形に対する特別処
理が、図14のステップS41で呼び出された(コール
された)ものか否かが判定される。この判定は、例えば
サブルーチンのコールがなされる場合には、通常、その
コールを行ったときのプログラムアドレス(ステップ)
が、RAM3にあらかじめ確保されているスタックに保
持されるので、このスタックの記憶値を参照することに
より行われる。
【0154】ステップS72において、閉図形に対する
特別処理が、図14のステップS41で呼び出されたも
のであると判定された場合、図14のステップS42へ
リターンする。
【0155】また、ステップS72において、閉図形に
対する特別処理が、図14のステップS41で呼び出さ
れたものでないと判定された場合、即ち閉図形に対する
特別処理が、図15のステップS66で呼び出されたも
のである場合、図15のステップS67にリターンす
る。
【0156】一方、ステップS71において、プリミテ
ィブ図形obj#iが閉図形であると判定された場合、
ステップS73に進み、プリミティブ図形obj#i上
の点q(プリミティブ図形obj#iの近接領域内の筆
跡点p(j)に最も近い、プリミティブ図形obj#i
の軌跡上の点)(図14、図15)と、点q’(点qと
ともに同一の消去区間内にある点であって、点qを算出
する1回前に算出された点)(図14、図15)との距
離L1が求められる。
【0157】即ち、ステップS73では、プリミティブ
図形obj#iのある消去区間において連続する点qお
よびq’の2点間の距離L1が算出される。
【0158】そして、ステップS74において、Min
(qt,qt’)が示す点から、プリミティブ図形ob
j#iの軌跡に沿って、Max(qt,qt’)が示す
点までの道のりL2が算出される。
【0159】ここで、Min(x,y)またはMax
(x,y)は、xおよびyのうちの小さい方または大き
い方をとることをそれぞれ意味する。従って、ステップ
S74では、点qまたはq’をそれぞれ示す媒介変数q
tまたはqt’のうち、小さい方が示す点(点qおよび
q’のうちの一方)から、媒介変数が増加する方向に、
プリミティブ図形obj#iの軌跡に沿って、そのうち
の大きい方が示す点(点qおよびq’のうちの他方)ま
での道のりL2が算出されることになる。即ち、ステッ
プS74においては、点qとq’との間の、プリミティ
ブ図形obj#iの軌跡の長さ(道のり)が求められる
ことになる。
【0160】道のりL2の算出後、ステップS75に進
み、道のりL2が、r倍の距離L1以上であるか否かが判
定される。但し、rは、1より大きい実数であり、ペン
コンピュータの設計者により設定される値である。な
お、このrは、使用者により変更可能とすることもでき
る。
【0161】ここで、媒介変数が連続している消去区間
における任意の点qおよびq’については、その距離L
1と道のりL2とは、ほぼ等しい値となる。
【0162】しかしながら、上述したように、手書き入
力が、閉図形の近接領域の重複部分を経由して行われた
場合、即ち例えば図16(b)に示したような場合に
は、点qまたはq’が、それぞれ点pminまたはp
max(あるいは、pmaxまたはpmin)であるときがあ
る。
【0163】この場合、点qとq’との間(点pmin
maxとの間)の道のりL2は、閉図形の軌跡に沿ったも
のであるから、図16(b)において区間e1で示す閉
図形の軌跡の長さとなり、即ち閉図形の軌跡全体の長さ
となり、点qとq’との間(点pminとpmaxとの間)の
距離L1に比較して、かなり大きな値となる。
【0164】そこで、ステップS75において、道のり
2が、r倍の距離L1以上でないと判定された場合、即
ち道のりL2と距離L1とがほぼ等しい場合、点qとq’
とは、閉図形の近接領域の重複部分を経由するものでは
ないとし、ステップS72を介して、図14のステップ
S42または図15のステップS67にリターンし、以
下、上述した通常の処理が行われる。
【0165】一方、ステップS75において、道のりL
2が、r倍の距離L1以上であると判定された場合、即ち
道のりL2が、距離L1よりかなり大きい場合、点qと
q’とは、閉図形の近接領域の重複部分を経由するもの
であるとし、以下、点qとq’との間で、消去区間を分
割する処理が行われる。
【0166】即ち、この場合、ステップS76に進み、
閉図形に対する特別処理が、図14のステップS41で
呼び出されたものか否かが判定される。ステップS76
において、閉図形に対する特別処理が、図14のステッ
プS41で呼び出されたものでないと判定された場合、
即ち閉図形に対する特別処理が、図15のステップS6
6で呼び出されたものである場合、図15のステップS
62へリターンする。
【0167】図15のステップS62では、上述したよ
うに、インデックスkが1だけインクリメントされ、さ
らに始点に対応する媒介変数の候補を示す変数stに記
憶されている値が、第k番目の消去区間の始点に対応す
る媒介変数st(k)とされ、終点に対応する媒介変数
の候補を示す変数etに記憶されている値が、第k番目
の消去区間の終点に対応する媒介変数et(k)とされ
るとともに、プリミティブ図形obj#prIの識別番
号が、変数id(k)にセットされて、これらが第k番
目の消去区間の消去区間データとされる。
【0168】従って、この場合、点q’までが1つの消
去区間とされ、点q以降は、他の消去区間とされること
になる。
【0169】即ち、例えば図16(b)に示した筆跡点
列Hcが、図中、左から右に1ストロークで手書き入力
された軌跡を構成するものであるとすると、図16
(c)に示したように、閉図形上の点q1から、点q2
およびq3を介した点q4までの消去区間は、点q1か
らq2(=pmax)までの消去区間E1と、点q3(=
m in)からq4までの消去区間E2との2つにされる
ことになる。
【0170】一方、ステップS76において、閉図形に
対する特別処理が、図14のステップS41で呼び出さ
れたものであると判定された場合、ステップS77,S
78に順次進み、図14のステップS47,S48にお
ける処理と同様の処理が行われる。
【0171】図14のステップS47,S48は、上述
した処理内容から、ある消去区間(第k番目の消去区
間)を、いわば確定する処理であるから、これと同様の
ステップS77,S78の処理により、点q’までが1
つの消去区間とされることになる。
【0172】そして、ステップS78の処理後、図14
のステップS39へリターンし、上述したように、点q
に対応する媒介変数qtが、消去区間の始点または終点
にそれぞれ対応する媒介変数の候補を示す変数stまた
はetにセットされ、これにより、以下の処理で新たな
消去区間が算出されることになる。即ち、点q以降は、
他の消去区間とされることになる。
【0173】以上のようにして、ステップS2(図2)
の消去区間算出処理がなされた後には、例えば図9で説
明したような消去区間データがRAM3に記憶されてい
ることになり、従って消去区間データのid(k)を識
別番号とするプリミティブ図形を表現する媒介変数のう
ち、st(k)乃至et(k)で示される範囲のプリミ
ティブ図形の軌跡を消去するようにすれば、1ストロー
クの手書き入力と重なるプリミティブ図形の部分を消去
することができる。
【0174】しかしながら、この場合、プリミティブ図
形の端点や、他のプリミティブ図形との交点からの(ま
たは「までの」)消去を行うときには、ステップS2で
の消去区間算出処理において、消去区間の始点または終
点が、消去しようとするプリミティブ図形の端点や交点
などと(ほとんど)一致するように、手書き入力を行う
ことが要求されることになる。そして、このような、い
わば精度の高い手書き入力を要求することは、使用者に
煩わしさを感じさせることになる。
【0175】そこで、ステップS3(図2)の消去区間
補正処理では、一定条件の下、ステップS2の消去区間
算出処理で得られた消去区間データの媒介変数st
(k),et(k)を補正し、これにより使用者が消去
の要求していると考えられるプリミティブ図形上の、い
わば区切りの良い点(区切りの点)まで(あるいは「か
ら」)を消去区間とするようになされている。
【0176】即ち、ステップS3では、例えば図8に示
した場合において、プリミティブ図形obj1およびo
bj2の交点の近傍にあるプリミティブ図形obj1に
おける消去区間K1の終点、またはプリミティブ図形o
bj2における消去区間K2の始点をそれぞれ示す媒介
変数et(1)、またはst(2)などが、その交点を
示すように補正される。
【0177】具体的には、図8のプリミティブ図形ob
j1およびobj2の交点(区間K1側の交点)付近を
拡大した図19に示すように、プリミティブ図形obj
1およびobj2の交点Qaから、プリミティブ図形o
bj1またはobj2の軌跡に沿って、道のりδLの範
囲内にある消去区間の始点および終点すべて、つまり媒
介変数et(1)または媒介変数st(2)それぞれが
示す点が検出され、その媒介変数et(1)および媒介
変数st(2)が、交点Qaを示すように補正される。
【0178】また、図8のプリミティブ図形obj1お
よびobj3の交点付近を拡大した図20に示すよう
に、プリミティブ図形obj1の端点Qb(なお、この
点Qbは、プリミティブ図形obj1の端点である他、
プリミティブ図形obj3の端点でもあり、さらにプリ
ミティブ図形obj1とobj3との交点でもある)か
ら、プリミティブ図形obj1またはobj3の軌跡に
沿って、道のりδLの範囲内にある消去区間の始点およ
び終点すべて、つまり媒介変数et(3)が示す点が検
出され、その媒介変数et(3)が、端点(交点)Qb
を示すように補正される。
【0179】さらに、いまディスプレイ5(図1)に、
例えば図21に示すような、プリミティブ図形obj7
を含む3つのプリミティブ図形からなる三角形が表示さ
れている場合に、同図に●印で示すような筆跡点列でな
る1ストロークの手書き入力があったとき、ステップS
3では、プリミティブ図形obj7を表現する媒介変数
et(4)またはst(1)それぞれが示す2点間の、
プリミティブ図形obj7の軌跡に沿っての道のりが、
δLより小さければ、媒介変数et(4)およびst
(1)のうちのいずれか一方が、他方の値に等しくなる
ように補正されるようにもなされている。
【0180】ここで、上述のδLは、固定値や、使用者
により設定可能なものとしても良いが、本実施例におい
ては、補正の対象となる媒介変数が示す点でなるプリミ
ティブ図形の軌跡長に対応して設定されるようになされ
ている。
【0181】即ち、例えば図22に示すように、プリミ
ティブ図形の軌跡長が3αより小さい場合、δLは、そ
の軌跡長に比例した値に設定されるようになされてい
る。また、プリミティブ図形の軌跡長が3αに等しい場
合、または3αより大きい場合、即ちプリミティブ図形
の軌跡長が3α以上である場合、δLは、αに設定され
るようになされている。なお、αは、例えばディスプレ
イ5の解像度や、タブレット8の分解能などに基づいて
設定するようにすることができる。
【0182】このようにδLを設定することにより、長
さの短いプリミティブ図形の一部を消去するような手書
き入力があった場合、上述した補正によって、その全体
が消去されてしまうことを防止することができる。
【0183】次に、図23のフローチャートを参照し
て、ステップS3(図2)の消去区間補正処理の詳細に
ついて説明する。消去区間補正処理では、まずステップ
S81において、RAM3に記憶されている消去区間デ
ータ(図9)のインデックスkを1乃至Kに変えてのス
テップS82以下のループ制御が行われる。但し、K
は、RAM3に記憶されている消去区間データの総数で
ある。
【0184】ステップS81のループ制御の下、ステッ
プS82において、識別番号id(k)を有するプリミ
ティブ図形上の端点および交点のうち、消去区間データ
として記憶されている媒介変数st(k)が示す点に最
も近い点Qが算出され、ステップS83に進み、媒介変
数st(k)が示す点から、識別番号id(k)を有す
るプリミティブ図形の軌跡に沿って、点Qまでの道のり
が、δLより小さいか否かが判定される。
【0185】ステップS83において、媒介変数st
(k)が示す点から、点Qまでの道のりが、δLより小
さいと判定された場合、ステップS84に進み、媒介変
数st(k)が、点Qを示すように、その値が補正さ
れ、ステップS85に進む。
【0186】また、ステップS83において、媒介変数
st(k)が示す点から、点Qまでの道のりが、δLよ
り小さくないと判定された場合、ステップS85をスキ
ップして、ステップS85に進み、識別番号id(k)
を有するプリミティブ図形上の端点および交点のうち、
消去区間データとして記憶されている媒介変数et
(k)が示す点に最も近い点Q’が算出される。
【0187】そして、ステップS86に進み、媒介変数
et(k)が示す点から、識別番号id(k)を有する
プリミティブ図形の軌跡に沿って、点Q’までの道のり
が、δLより小さいか否かが判定される。
【0188】ステップS86において、媒介変数et
(k)が示す点から、点Q’までの道のりが、δLより
小さいと判定された場合、ステップS87に進み、媒介
変数et(k)が、点Q’を示すように、その値が補正
され、ステップS88に進む。
【0189】以上、ステップS82乃至S87の処理に
より、図19および図20で説明した補正が行われる。
なお、識別番号id(k)を有するプリミティブ図形上
に交点および端点の両方がない場合には、ステップS8
2乃至S87をスキップして、ステップS88に進む。
【0190】また、ステップS86において、媒介変数
et(k)が示す点から、点Q’までの道のりが、δL
より小さくないと判定された場合、ステップS87をス
キップして、ステップS88に進み、変数k’を1乃至
Kに変えてのステップS89以下のループ制御が行われ
る。なお、変数k’は、kと同様、RAM3に記憶され
ている消去区間データのインデックスである。
【0191】ステップS88のループ制御の下、ステッ
プS89では、変数kとk’とが等しいか否かが判定さ
れる。ステップS89において、変数kとk’とが等し
いと判定された場合、ステップS88に戻り、ステップ
S88のループ制御の下、再度ステップS89以下の処
理が行われる。
【0192】また、ステップS89において、変数kと
k’とが等しくないと判定された場合、ステップS90
に進み、プリミティブ図形の識別番号id(k)とid
(k’)とが等しくないか否かが判定される。ステップ
S90において、識別番号id(k)とid(k’)と
が等しくないと判定された場合、ステップS88に戻
る。
【0193】一方、ステップS90において、識別番号
id(k)とid(k’)とが等しいと判定された場
合、ステップS91に進み、ステップS91乃至S96
において、図21で説明した補正が行われる。
【0194】即ち、ある1つのプリミティブ図形におい
て、異なる消去区間(複数の消去区間)がある場合に、
図21で説明した補正が行われる。
【0195】まずステップS91においては、ある1つ
のプリミティブ図形における第k番目の消去区間の終点
を示す媒介変数et(k)が、そのプリミティブ図形に
おける第k’番目の消去区間の始点を示す媒介変数st
(k’)より小さいか否かが判定される。ステップS9
1においては、媒介変数et(k)が、媒介変数st
(k’)より小さいと判定された場合、ステップS92
に進み、媒介変数et(k)またはst(k’)がそれ
ぞれ示す2点間の、プリミティブ図形に沿っての道のり
が、δLより小さいか否かが判定される。
【0196】ステップS92において、点et(k)と
st(k’)との間の道のりが、δLより小さいと判定
された場合、ステップS93に進み、媒介変数et
(k)の値が、媒介変数st(k’)の値に一致させら
れ、ステップS88に戻る。
【0197】従って、例えば図24(a)に示すような
位置関係の第kおよびk’番目の消去区間が存在する場
合、媒介変数et(k)またはst(k’)がそれぞれ
示す2点間の道のりが、δLより小さいときには、媒介
変数et(k)が、媒介変数st(k’)と一致するよ
うに補正されることになる。
【0198】また、ステップS92において、点et
(k)とst(k’)との間の道のりが、δLより小さ
くないと判定された場合、ステップS93をスキップし
て、ステップS88に戻る。
【0199】一方、ステップS91において、媒介変数
et(k)が、媒介変数st(k’)より小さくないと
判定された場合、ステップS94に進み、媒介変数et
(k’)が、媒介変数st(k)より小さいか否かが判
定される。ステップS94において、媒介変数et
(k’)が、媒介変数st(k)より小さくないと判定
された場合、ステップS95およびS96をスキップし
て、ステップS88に戻る。
【0200】また、ステップS94において、媒介変数
et(k’)が、媒介変数st(k)より小さいと判定
された場合、ステップS95に進み、媒介変数et
(k’)またはst(k)がそれぞれ示す2点間の、プ
リミティブ図形に沿っての道のりが、δLより小さいか
否かが判定される。
【0201】ステップS95において、点et(k’)
とst(k)との間の道のりが、δLより小さいと判定
された場合、ステップS96に進み、媒介変数st
(k)の値が、媒介変数et(k’)の値に一致させら
れ、ステップS88に戻る。
【0202】従って、例えば図24(b)に示すような
位置関係の第kおよびk’番目の消去区間が存在する場
合、媒介変数et(k’)またはst(k)がそれぞれ
示す2点間の道のりが、δLより小さいときには、媒介
変数st(k)が、媒介変数et(k’)と一致するよ
うに補正されることになる。
【0203】また、ステップS95において、点et
(k’)とst(k)との間の道のりが、δLより小さ
くないと判定された場合、ステップS96をスキップし
て、ステップS88に戻る。
【0204】そして、ステップS88において、インク
リメントした変数k’がKより大きいと判定された場
合、ステップS81に戻り、そこで、インクリメントし
た変数kがKより大きいと判定されるまで、ステップS
81のループ制御の下、ステップS82以下の処理が、
再度行われる。
【0205】また、ステップS81において、インクリ
メントした変数kがKより大きいと判定された場合、消
去区間補正処理を終了し、ステップS4(図2)に進
む。
【0206】以上の消去区間補正処理により、後段のス
テップS4では、プリミティブ図形の区切りの良い点ま
で消去が行われることになるので、即ち手書き入力が、
多少雑に行われても、使用者の意図どおりの消去が行わ
れることになるので、装置の操作性を向上させることが
できる。
【0207】ステップS3の消去区間補正処理後、ステ
ップS4(図2)に進み、RAM3の消去区間図形デー
タ領域3cに記憶されている消去区間図形データが参照
され、媒介変数が示す2点間(消去区間の始点と終点と
の間)におけるプリミティブ図形の軌跡が消去される。
【0208】即ち、これにより例えば図4に示した1ス
トロークの手書き入力があった場合には、図25に示す
消去結果が得られることになる。
【0209】以上のように、図1のペンコンピュータに
よれば、消去に際してペン9の機能を変更するための操
作を行わなくて済み、即ち1ストロークの手書き入力で
済み、図形入力作業の途中において、容易に消去を行う
ことができる。
【0210】また、図2のステップS1における消去を
指示する手書き入力か否かの判定は、複雑なマッチング
処理を必要とせず、手書き入力とプリミティブ図形と
の、いわば位置的変位を測定するだけで良いので、安価
な計算資源により装置の実現が可能となる。
【0211】即ち、従来のジェスチャーによる装置にお
ける辞書に相当するものが、図形エディタが管理するプ
リミティブ図形そのものであるから、従来のようにマッ
チング処理を行うのではなく、具体的なプリミティブ図
形の形状と手書き入力の軌跡との比較を行えば良く、従
って単純な処理で済み、装置の低コスト化を図ることが
できる。
【0212】さらに、消去を指示する手書き入力の軌跡
自体が消去する対象そのものを表現することとなるた
め、例えば複雑な形状のプリミティブ図形についての部
分的な消去も容易に行うことができる。
【0213】また、消去区間の補正を行うようにしたの
で、多少雑な手書き入力があっても、的確な消去を行う
ことができる。
【0214】さらに、複数のプリミティブ図形にわたっ
た部分を消去する場合、従来のようにグループ化などの
ための操作を行わずに済むので、使用者に煩わしさを感
じさせることを防止することができる。
【0215】以上、本発明を、ペンコンピュータに適用
した場合について説明したが、本発明は、この他、あら
ゆる手書き入力装置に適用することができる。
【0216】なお、本実施例においては、手書き入力を
ペン9によって行うようにしたが、ペン9の代わりに、
例えばマウスやジョイスティックなどを設けるようにし
ても良い。
【0217】また、以上の説明では、図形を、処理の対
象としたが、本発明は、図形の他、文字列(数字や記号
なども含む広義の文字列)にも適用可能である。但し、
この場合、文字列を構成する各文字の位置が媒介変数で
表現される。
【0218】さらに、上述した近接領域を決定する所定
の距離Dを表す関数f(i,d)の引数となるdを、固
定値とする場合には、距離Dを、例えば次のように設定
するようにすることができる。
【0219】即ち、図26(a)に示すように、プリミ
ティブ図形obj1乃至obj3があり、そのうちの、
例えばプリミティブ図形obj1の近接領域を決定する
距離Dを設定する場合、プリミティブ図形obj1か
ら、例えば固定値2dの距離の範囲内(図中、斜線で示
す部分)に、他のプリミティブ図形(この場合は、プリ
ミティブ図形obj2およびobj3)がないときに
は、距離Dを、 D=d に設定する。
【0220】また、図26(b)に示すように、プリミ
ティブ図形obj1から、例えば固定値2dの距離の範
囲内(図中、斜線で示す部分)に、他のプリミティブ図
形(この場合は、プリミティブ図形obj2またはob
j3)があるときには、距離Dを、 D=d1x/2 に設定する。但し、d1xは、プリミティブ図形obj1
と、それに最も近いプリミティブ図形obj#xとの最
短距離である。
【0221】従って、いま、プリミティブ図形obj1
と、obj2またはobj3との最短距離それぞれを
d’12またはd’13とすると、プリミティブ図形obj
1から、2dの距離の範囲内に、プリミティブ図形ob
j2およびobj3があるときには、図26(c)に示
すように、プリミティブ図形obj1の近接領域は、そ
こから、D=Min(d’12,d’13)/2の距離の範
囲内(図中、斜線で示す部分)となる。
【0222】以上から、図26に示す場合、プリミティ
ブ図形obj#iの近接領域を決定する距離Dは、式 D=f(i,d) =Min(dix/2,d) にしたがって設定されることになる。
【0223】この場合、図27(a)に示すように、ほ
ぼ並んだ複数のプリミティブ図形が、まばらに表示され
ているときは、近接領域(図中、斜線で示す部分)が大
きくなり、雑な手書き入力を行っても、プリミティブ図
形の消去を行うことができる。さらに、図27(b)に
示すように、ほぼ並んだ複数のプリミティブ図形が、密
集して表示されているときは、近接領域(図中、斜線で
示す部分)が小さくなり容易に、その近くに、新たな図
形入力(特に、平行線などの入力)を行うことができ
る。
【0224】また、本実施例では、図7で説明したよう
に、近接領域を決定する所定の距離Dを表す関数fを、
f(i,d)とし、dとともに、プリミティブ図形のイ
ンデックスiを、その引数としたが、プリミティブ図形
のインデックスiに代えて、筆跡点列p(j)のインデ
ックスjを、関数fの引数とするようにすることができ
る。即ち、距離Dを、式 D=f(j,d) にしたがって求めるようにすることができる。
【0225】この場合、図2のステップS1の重なり判
定処理は、図7に示したフローチャートではなく、図2
8に示すフローチャートにしたがって行われる。なお、
図中、ステップS101乃至S103、またはS105
は、図7のS11乃至S13、またはS15とそれぞれ
同様の処理を行う処理ステップである。図28のステッ
プS103では、関数f(j,d)により与えられる値
が、所定の距離Dとされるようになされており、従っ
て、図28に示すフローチャートにおいては、図7でス
テップS13とS15との間に設けられているステップ
S14の距離Dの算出処理に対応するステップS104
の処理が、図7のステップS12またはS13にそれぞ
れ対応するステップS102またはS103の間に設け
られているだけで、図7で説明した場合と同様の処理が
行われる。
【0226】図2のステップS1の重なり判定処理が、
図28に示すフローチャートにしたがって行われる場合
には、プリミティブ図形から所定の距離Dの範囲内が、
近接領域と定義されるのではなく、図29(a)に示す
ように、手書き入力の軌跡を構成する筆跡点列それぞれ
から所定の距離Dの範囲内(図中、斜線で示す部分)
が、近接領域c1,c2,c3,c4,c5,・・・と定義
される。
【0227】これにより、図28のフローチャートによ
れば、図29(b)に示すように、筆跡点p(j)の近
接領域cj内に、いまディスプレイ5に表示されている
プリミティブ図形のいずれかがある場合、即ち、筆跡点
p(j)とプリミティブ図形のいずれかとの最短距離
が、距離D以下である場合には、ステップS105にお
いて、その筆跡点p(j)は、プリミティブ図形に重な
っていると判定され、ステップS103およびステップ
S105でなるループを抜け出して、ステップS102
に処理が進むことになり、従って1ストロークの手書き
入力の筆跡点列すべてが、プリミティブ図形に重なって
いる場合には、CPU1では、消去が指示されたと認識
され、処理が、ステップS2(図2)の消去区間算出処
理に進むことになる。
【0228】この場合においても、図7における場合と
同様に、消去を指示する手書き入力か否かの判定は、複
雑なマッチング処理を必要とせず、プリミティブ図形の
形状と手書き入力の軌跡との比較処理、即ち単純な処理
で済み、装置の低コスト化を図ることができる。
【0229】さらに、この場合、上述した式(D=f
(j,d))により算出される距離Dは、手書き入力を
行ったときの、筆跡点p(j)におけるペン9の運筆速
度(ペン9の手書き入力速度)にしたがったものとする
ことができる。
【0230】即ち、距離Dは、例えば図30(a)に示
すように、ペン9の運筆速度に比例して、つまりペン9
の運筆速度が遅い筆跡点に対するものは小さい値に、速
い筆跡点に対するものは大きな値にすることができる。
【0231】この場合、筆跡点p(j)におけるペン9
の運筆速度Sjは、例えば式 Sj=Dis(p(j−1),p(j))/Tj-1,j で定義する。但し、Dis(p(j−1),p(j))
は、筆跡点p(j−1)とp(j)との間の距離であ
り、Tj-1,jは、筆跡点p(j−1)が入力されてか
ら、筆跡点p(j)が入力されるまでの時間である。ま
た、j=1のときは、S1は、S1=S2とする。
【0232】従って、この場合、距離Dは、例えば式 D=f(j,d) =βSj+d によって与えられることになる(図30(b))。但
し、βは、所定の比例定数である。また、図30(b)
では、Dis(p(j−1),p(j))を、pj- 1j
の上にバー(−)を付して示してある。
【0233】なお、上式の他、例えば筆跡点p(j)の
運筆速度Sjの自乗に比例する式など、他の式によって
運筆速度Sjに対応する距離Dを与えるようにしても良
い。
【0234】上式にしたがって距離Dを算出するように
した場合には、ペン9の運筆速度が遅い筆跡点の近接領
域は小さくなり、速い筆跡点の近接領域は大きくなる
(図30(a))。
【0235】そして、実施例で説明したペンコンピュー
タを使用する使用者によっては、プリミティブ図形の消
去を行う場合、プリミティブ図形が疎らに表示されてい
るときには、ペン9が手早く操作され、また密に表示さ
れているときには、ペン9が慎重に操作されることが予
想される。
【0236】従って、いわば使用者の意図を反映したペ
ン9の操作に対応して、消去処理が行われるので、装置
の操作性を向上させることができる。
【0237】また、距離Dを、プリミティブ図形obj
#iのインデックスiを引数に含む関数f(i,d)に
より算出する場合も、また筆跡点p(j)のインデック
スjを引数に含む関数f(j,d)により算出する場合
も、即ちステップS1の処理を図7のフローチャートに
したがって行う場合も、また図28のフローチャートに
したがって行う場合も、距離Dを、次のようにして、1
ストロークの手書き入力時のペン9の運筆速度に対応し
て算出するようにすることができる。
【0238】即ち、この場合、距離Dを、ペン9の運筆
速度の、例えば平均値に対応して算出するようにするこ
とができる。
【0239】具体的には、例えば図31に示すような、
筆跡点列p(1)乃至p(n)でなる1ストロークの手
書き入力があった場合、1ストロークの手書き入力時の
ペン9の平均の運筆速度vを、例えば式 v=ΣDis(p(j−1),p(j))/T にしたがって求める。但し、Σは、jを2乃至n(n
は、筆跡点の総数)に変えてサメーションをとることを
意味し、Tは、1ストロークの手書き入力にかかった時
間(筆跡点p(1)が入力されてから、筆跡点p(n)
が入力されるまでの時間)である。
【0240】そして、距離Dを、例えば式 D=γv にしたがって算出する。但し、γは、所定の比例定数で
ある。
【0241】以上から、この場合、距離Dは、式 D=f(i,d) =f(j,d) =d =γv で定義されることになる。
【0242】このようにして距離Dを算出した場合、図
32(a)に示すように、消去しようとするプリミティ
ブ図形から多少離れた位置に手書き入力を行っても、ペ
ン9を手早く操作することにより、そのプリミティブ図
形を消去することができ、また図32(b)に示すよう
に、いまあるプリミティブ図形の近くに手書き入力を行
っても、ペン9を慎重に(ゆっくり)操作することによ
り、そのプリミティブ図形を消去せずに、新たなプリミ
ティブ図形の入力を行うことができる。
【0243】なお、図31および図32は、近接領域を
プリミティブ図形から所定の距離Dの範囲内の領域と定
義したときの様子を示しているが、D=γvとする場合
は、近接領域を、筆跡点列それぞれから所定の距離Dの
範囲内の領域と考えることもできる。
【0244】さらに、ステップS1の処理を図7のフロ
ーチャートにしたがって行う場合も、また図28のフロ
ーチャートにしたがって行う場合も、例えば図33に示
すように、距離Dを、ディスプレイ5にエコーバックさ
れて表示される手書き入力の軌跡またはディスプレイ5
に表示されているプリミティブ図形の軌跡の幅Wに対応
して算出するようにすることができる。
【0245】即ち、距離Dを、例えば式 D=f(i,d) =f(j,d) =d =εW にしたがって算出するようにすることができる。但し、
εは所定の比例定数である。
【0246】この場合、軌跡の幅Wが太いほど、近接領
域は大きくなり、また使用者は、一般に、軌跡の幅Wが
太いほど、近接領域が大きい印象を受けるので、使用者
の感覚にあった操作感を提供することができる。
【0247】なお、上式の他、例えば幅Wの自乗に比例
する式など、他の式によって幅Wに対応する距離Dを与
えるようにしても良い。また、この場合、近接領域は、
プリミティブ図形から所定の距離Dの範囲内の領域と考
えることもできるし、筆跡点列それぞれから所定の距離
Dの範囲内の領域と考えることもできる。
【0248】また、本実施例では、ステップS1におい
て、1ストロークの手書き入力の軌跡全体が、プリミテ
ィブ図形と重なっていると判定された場合、ステップS
2およびS3の処理を介して、ステップS4でその重な
っている部分を消去するようにしたが、例えば図34に
示すように、消去を行って良いか否かの確認のためのメ
ッセージを表示したダイアログを、ディスプレイ5に表
示させ、そのダイアログのYESボタンが、ペン9に操
作されたときのみ、消去を行うようにすることができ
る。
【0249】これは、例えば図35に示すように、図7
のステップS12または図28のステップS102のル
ープ制御を抜け出した後に、ステップS111およびS
112の処理を追加することにより行うことができる。
【0250】この場合、ステップS111において、図
34に示すようなダイアログが、ディスプレイ5に表示
され、ステップS112に進み、使用者(ユーザ)が、
消去を認めたか否か、即ちダイアログのYESボタンお
よびNOボタンのうちのいずれが、ペン9により操作さ
れたかが判定される。
【0251】ステップS112において、ダイアログの
YESボタンが操作されたと判定された場合、ステップ
S2乃至S4に順次進み、上述したようにして消去が行
われる。
【0252】また、ステップS112において、ダイア
ログのNOボタンが操作されたと判定された場合、ステ
ップS5に進み、図形入力処理が行われる。即ち、この
場合、手書き入力は、新たな図形の入力とされる。
【0253】このように確認を行うようにした場合に
は、誤った手書き入力による消去を防止することができ
る。
【0254】さらに、図2のステップS3の消去区間補
正処理は、上述した以外の手法により算出された消去区
間を補正する場合にも適用することができる。また、こ
の消去区間補正処理は、終点と始点により与えられる、
いわば線上の消去範囲(消去区間)の他、例えば四角形
などの面積のある形で与えられるものに対しても適用可
能である。
【0255】また、本実施例では、媒介変数によりプリ
ミティブ図形を表現するようにしたが、その他の方法に
よりプリミティブ図形を表現するようにしても良い。
【0256】
【発明の効果】以上のように、本発明の手書き入力装置
によれば、入力手段により入力された手書き入力の1ス
トロークの軌跡と、表示手段に表示された図形もしくは
文字列との重なり具合に基づいて、図形もしくは文字列
が消去されるので、簡単な操作で、消去を行うことがで
きる。さらに、消去を行う際に、入力手段から入力され
た軌跡の形状の認識処理を行う必要がないので、装置を
小型化、低コスト化することができる。
【0257】また、本発明の手書き入力装置によれば、
入力手段によって指定された消去範囲が補正されるの
で、消去範囲を、多少、雑に指定しても、所望の範囲を
消去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したペンコンピュータの一実施例
の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例の動作を説明するフローチャート
である。
【図3】プリミティブ図形の近接領域を説明する図であ
る。
【図4】プリミティブ図形の近接領域に、その全体が含
まれる手書き入力があったときの様子を示す図である。
【図5】図1のRAM3の図形データ領域3bに記憶さ
れる図形データを説明する図である。
【図6】プリミティブ図形の近接領域から、その一部が
含まれない手書き入力があったときの様子を示す図であ
る。
【図7】図2のステップS1の処理の詳細を説明するフ
ローチャートである。
【図8】図2のステップS2で算出される消去区間を説
明する図である。
【図9】図1のRAM3の消去区間データ領域3cに記
憶される消去区間データを説明する図である。
【図10】2つのプリミティブ図形の近接領域どうしが
重なっている様子を示す図である。
【図11】図2のステップS2の処理の詳細を説明する
フローチャートである。
【図12】図11のステップS22の処理を説明する図
である。
【図13】図11のステップS23の処理を説明する図
である。
【図14】図11のステップS22の処理の詳細を説明
するフローチャートである。
【図15】図11のステップS23の処理の詳細を説明
するフローチャートである。
【図16】閉図形を説明する図である。
【図17】閉図形を説明する図である。
【図18】図14のステップS41および図15のステ
ップS66の閉図形に対する特別処理の詳細を説明する
フローチャートである。
【図19】図2のステップS3の処理を説明する図であ
る。
【図20】図2のステップS3の処理を説明する図であ
る。
【図21】図2のステップS3の処理を説明する図であ
る。
【図22】図19乃至図21におけるδLの算出方法を
説明する図である。
【図23】図2のステップS3の処理の詳細を説明する
フローチャートである。
【図24】図23のステップS91乃至S96の処理を
説明する図である。
【図25】図2のステップS4の消去処理結果を示す図
である。
【図26】複数のプリミティブ図形の位置関係に対応し
て、距離Dを算出する方法を説明する図である。
【図27】図26に示す方法により算出された距離Dを
用いることにより得られる処理結果を説明する図であ
る。
【図28】図2のステップS1の処理の詳細を説明する
フローチャートである。
【図29】筆跡点の近接領域を説明する図である。
【図30】手書き入力速度に対応して、筆跡点の近接領
域を決定する距離Dを算出する方法を説明する図であ
る。
【図31】手書き入力速度に対応して、プリミティブ図
形の近接領域を決定する距離Dを算出する方法を説明す
る図である。
【図32】図31に示す方法により算出された距離Dを
用いることにより得られる処理結果を説明する図であ
る。
【図33】ディスプレイ5に表示される線の幅Wに対応
して、距離Dを算出する方法を説明する図である。
【図34】消去を行って良いか否かの確認のためのメッ
セージが、ディスプレイ5に表示されている様子を示す
図である。
【図35】消去を行って良いか否かの確認のためのメッ
セージを、ディスプレイ5に表示するときに追加する処
理を説明するフローチャートである。
【図36】従来のペンコンピュータの辞書に登録されて
いる円についての記述を説明する図である。
【図37】従来のペンコンピュータにおける消去時の操
作を説明する図である。
【図38】従来のペンコンピュータにおける消去時の操
作を説明する図である。
【符号の説明】
1 CPU 2 ROM 3 RAM 3a 筆跡データ領域 3b 図形データ領域 3c 消去区間データ領域 4 ディスプレイコントローラ 5 ディスプレイ 6 V−RAM 7 タブレットインターフェイス 8 入力タブレット 9 ペン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06K 9/62 G 9289−5L

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手書きにより入力された図形もしくは文
    字列を処理する手書き入力装置において、 手書き入力を行う入力手段と、 前記図形もしくは文字列を表示するとともに、前記入力
    手段により入力された前記手書き入力の軌跡を表示する
    表示手段と、 前記入力手段により入力された前記手書き入力の1スト
    ロークの軌跡と、前記図形もしくは文字列との重なり具
    合を判定する判定手段とを備え、 前記判定手段により判定された前記重なり具合に基づい
    て、前記図形もしくは文字列を消去することを特徴とす
    る手書き入力装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、前記手書き入力の1ス
    トロークの軌跡と、前記表示手段に表示された前記図形
    もしくは文字列から所定の距離の範囲でなる近接領域と
    の重なりを判定することを特徴とする請求項1に記載の
    手書き入力装置。
  3. 【請求項3】 前記図形もしくは文字列の近傍に、他の
    図形もしくは文字列が表示されているとき、前記所定の
    距離を小さな値に設定し、前記図形もしくは文字列の近
    傍に、他の図形もしくは文字列が表示されていないと
    き、前記所定の距離を大きな値に設定することを特徴と
    する請求項2に記載の手書き入力装置。
  4. 【請求項4】 前記判定手段は、前記手書き入力の1ス
    トロークの軌跡を構成する点列それぞれから所定の距離
    の範囲でなる近接領域と、前記表示手段に表示された前
    記図形もしくは文字列との重なりを判定することを特徴
    とする請求項1に記載の手書き入力装置。
  5. 【請求項5】 前記手書き入力の1ストロークの軌跡を
    構成する各点それぞれからの所定の距離を、各点におけ
    る前記入力手段の手書き入力速度に対応して設定するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の手書き入力装置。
  6. 【請求項6】 前記所定の距離を、1ストロークの軌跡
    を描くときの前記入力手段の手書き入力速度に対応して
    設定することを特徴とする請求項2または4に記載の手
    書き入力装置。
  7. 【請求項7】 前記所定の距離を、1ストロークの軌跡
    を描くときの前記入力手段の手書き入力速度の平均値に
    比例した値に設定することを特徴とする請求項6に記載
    の手書き入力装置。
  8. 【請求項8】 前記所定の距離を、前記表示手段が表示
    する前記手書き入力の軌跡の表示属性値に対応して設定
    することを特徴とする請求項2または4に記載の手書き
    入力装置。
  9. 【請求項9】 前記表示手段が表示する前記手書き入力
    の軌跡の表示属性値は、その表示幅であることを特徴と
    する請求項8に記載の手書き入力装置。
  10. 【請求項10】 前記所定の距離を、入力された値に設
    定することを特徴とする請求項2または4に記載の手書
    き入力装置。
  11. 【請求項11】 前記判定手段の判定結果に基づいて、
    前記図形もしくは文字列を消去する前に、その消去を行
    うことを確認する確認手段をさらに備えることを特徴と
    する請求項1乃至10のいずれかに記載の手書き入力装
    置。
  12. 【請求項12】 前記判定手段により前記手書き入力の
    1ストロークの軌跡と重なると判定された前記図形もし
    くは文字列のすべての部分を消去することを特徴とする
    請求項1乃至11のいずれかに記載の手書き入力装置。
  13. 【請求項13】 前記判定手段により前記手書き入力の
    1ストロークの軌跡と重なると判定された前記図形もし
    くは文字列のうち、前記軌跡を構成する点に最も近い部
    分を消去することを特徴とする請求項1乃至11のいず
    れかに記載の手書き入力装置。
  14. 【請求項14】 手書きにより入力された図形もしくは
    文字列を処理する手書き入力装置において、 前記図形もしくは文字列を表示する表示手段と、 前記表示手段に表示された図形もしくは文字列を消去す
    る消去範囲を指定する指定手段と、 前記指定手段により指定された前記消去範囲を補正する
    補正手段と、 前記補正手段により補正された前記消去範囲における前
    記図形もしくは文字列を消去する消去手段とを備え、 前記補正手段は、前記消去範囲を、その境界が、前記図
    形もしくは文字列上の区切りの点と一致するように補正
    することを特徴とする手書き入力装置。
  15. 【請求項15】 前記区切りの点は、前記図形もしくは
    文字列の端点、または前記図形もしくは文字列と他の図
    形もしくは文字列との交点であることを特徴とする請求
    項14に記載の手書き入力装置。
  16. 【請求項16】 前記区切りの点は、前記図形もしくは
    文字列と、他の消去範囲の境界との交点であることを特
    徴とする請求項14に記載の手書き入力装置。
  17. 【請求項17】 前記図形もしくは文字列は、媒介変数
    で表現されることを特徴とする請求項1乃至16のいず
    れかに記載の手書き入力装置。
  18. 【請求項18】 前記判定手段により判定された前記重
    なり具合に基づいて、前記図形もしくは文字列を消去す
    る消去範囲を算出する算出手段をさらに備え、 前記算出手段により算出された前記消去範囲における前
    記図形もしくは文字列を消去することを特徴とする請求
    項1に記載の手書き入力装置。
  19. 【請求項19】 前記図形もしくは文字列は、媒介変数
    で表現され、 前記算出手段により算出される前記消去範囲は、前記図
    形もしくは文字列のうち、前記判定手段により前記手書
    き入力の軌跡と重なっていると判定された部分を表現す
    る媒介変数の最小値と最大値とで表されることを特徴と
    する請求項18に記載の手書き入力装置。
  20. 【請求項20】 前記算出手段は、前記消去範囲内にお
    ける前記図形もしくは文字列を表現する媒介変数が単調
    増加もしくは単調減少しないとき、前記消去範囲を、前
    記媒介変数が単調増加もしくは単調減少する範囲に分け
    て算出することを特徴とする請求項19に記載の手書き
    入力装置。
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