JPH07133410A - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物

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JPH07133410A
JPH07133410A JP28102193A JP28102193A JPH07133410A JP H07133410 A JPH07133410 A JP H07133410A JP 28102193 A JP28102193 A JP 28102193A JP 28102193 A JP28102193 A JP 28102193A JP H07133410 A JPH07133410 A JP H07133410A
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JP
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liquid crystal
component
crystal polyester
resin composition
temperature
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JP28102193A
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English (en)
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Motonobu Furuta
元信 古田
Takazou Yamaguchi
登造 山口
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】液晶ポリエステルの優れた耐熱性、機械的物性
を保持し、成形品のウェルド強度、耐衝撃性が改良さ
れ、かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物を提供す
る。 【構成】(A)液晶ポリエステルと(B)芳香族ポリカ
ーボネートとからなる液晶ポリエステル樹脂組成物にお
いて、成分(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返
し単位(a)が30〜80モル%、繰り返し単位(b)
が0〜10モル%、繰り返し単位(c)が10〜25モ
ル%、繰り返し単位(d)が10〜35モル%からな
り、成分(B)の芳香族ポリカーボネートが、Fe含量
が1ppm以下、Cl含量が50ppm以下であり、成
分(A)と成分(B)との組成比率が、成分(A)が2
0〜99重量%であり、成分(B)が80〜1重量%で
あることを特徴とする液晶ポリエステル樹脂組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ポリエステルと芳
香族ポリカーボネートとからなる液晶ポリエステル樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ポリエステルは、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートのような結晶
性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状態で
も絡み合いを起こさず、液晶状態を有するポリドメイン
を形成し、低剪断により分子鎖が流れ方向に著しく配向
する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモトロピック
液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な挙動のた
め、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5mm程度
の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかもこの成形
品は高強度、高剛性を示すという長所を有している。し
かし、異方性が極めて大きく、ウェルド強度が著しく低
いという欠点がある。さらに、成形加工温度が高いため
用途が限られていた。また、液晶ポリエステルは一般に
高価であることも問題であった。
【0003】液晶ポリエステルの優れた耐熱性、力学的
性質を保持し、成形品のウェルド強度が改良され、かつ
安価な液晶ポリエステル樹脂組成物は強く市場から要望
されていた。特開昭56−115357号公報には、溶
融加工可能な重合体と異方性溶融体形成性重合体とを含
む樹脂組成物が開示され、溶融加工可能な重合体に異方
性溶融体形成性重合体を加えることにより、溶融加工可
能な重合体の加工性を改良できることが記載されてい
る。例えば、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン混
合物に液晶ポリエステルを加えた例などが挙げられてい
る。また特開平2−97555号公報にハンダ耐熱性を
向上させる目的で液晶ポリエステルに各種のポリアリー
レンオキサイドを配合した樹脂組成物が記載されてい
る。しかしながら、一般に成形温度の高い液晶ポリエス
テルに、それより成形温度の低いポリフェニレンエーテ
ルなどの非晶性高分子を配合してなる組成物は、組成物
の溶融加工性は向上しても、高温での成形加工の際の配
合樹脂の熱分解のために成形品の外観不良が生じるとい
う問題があった。また、該組成物の耐熱性、機械的物
性、耐衝撃性などが不充分であるという問題点があっ
た。また、特開昭57─40551号、特開昭63−1
59467号、特開平2─102257号公報などに液
晶ポリエステルと芳香族ポリカーボネートからなる組成
物が開示されているが、それらは耐熱性や機械的性質な
どが充分なものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液晶ポリエ
ステルの優れた耐熱性、機械的物性を保持し、成形品の
ウェルド強度、耐衝撃性が改良され、かつ安価な液晶ポ
リエステル樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は次に記す発明からなる。 (1)(A)液晶ポリエステルと(B)芳香族ポリカー
ボネートとからなる液晶ポリエステル樹脂組成物におい
て、成分(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し
単位(a)が30〜80モル%、繰り返し単位(b)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c)が10〜25モル
%、繰り返し単位(d)が10〜35モル%からなり、
成分(B)の芳香族ポリカーボネートが、Fe含量が1
ppm以下、Cl含量が50ppm以下であり、成分
(A)と成分(B)との組成比率が、成分(A)が20
〜99重量%であり、成分(B)が80〜1重量%であ
ることを特徴とする液晶ポリエステル樹脂組成物。
【化2】 (式中、Arは2価の芳香族基である。) (2)成分(A)が主に連続相、成分(B)が分散相で
あることを特徴とする(1)記載の液晶ポリエステル樹
脂組成物。 (3)成分(A)の液晶ポリエステルの下記に定義され
た流動温度が265〜360℃の範囲である(1)記載
の液晶ポリエステル樹脂組成物。 流動温度:4℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重
100kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10
mmのノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800
0ポイズを示す温度。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明における成分(A)の液晶ポリエステルは、前記の
繰り返し構造単位(a)30〜80モル%、(b)0〜
10モル%、(c)10〜25モル%、(d)10〜3
5モル%からなる芳香族ポリエステルである。繰り返し
構造単位(d)は、2価の芳香族ジオールに由来するも
のであり、具体的には下記に示す繰り返し構造単位が挙
げられる。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】 これらの中では、(C1 )、(C2 )、(C3 )が好ま
しく、(C1 )が特に好ましい。
【0009】本発明における成分(A)の液晶ポリエス
テルは、流動温度(4℃/分の昇温速度で加熱された樹
脂を荷重100kgf/cm2 のもとで、内径1mm、
長さ10mmのノズルから押し出す時に、溶融粘度が4
8000ポイズを示す温度)が265〜360℃の範囲
のものが好ましく用いられる。さらに好ましくは280
〜340℃の範囲のものである。成分(A)の液晶ポリ
エステルの流動温度が360℃を超えると組成物を溶融
混練する際の設定温度を高くする必要があるため、その
際成分(B)の芳香族ポリカーボネートが分解する場合
があり好ましくない。また、成分(A)の流動温度が2
65℃未満であると組成物の耐熱性が著しく低下するた
め好ましくない。
【0010】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の成
分(B)の芳香族ポリカーボネートは、二価フェノール
とフォスゲン、ハロホルメート、炭酸エステルのような
カーボネート前駆体とを反応させて得られる一般式(V
I)で示される繰り返し構造単位を有する芳香族ポリカ
ーボネートであり、芳香族ポリカーボネート中のFe含
量が1ppm以下、Cl含量が50ppm以下、好まし
くは10ppm以下のものである。
【0011】Fe含量およびCl含量が上記のどちらか
の範囲外であると、加熱時に樹脂の分解、発泡などが生
じる場合があり好ましくない。樹脂中のFe含量、Cl
含量は原子吸光法、ケイ光X線法など通常の分析手法に
より求めることができる。
【化5】 (式中、Aは二価フェノールに由来する二価の芳香族基
である。)
【0012】ここで用いられる二価フェノールとは、単
環式、あるいは多環式芳香族化合物であり、芳香環中の
炭素に直接結合する2個の水酸基を有する。これら二価
フェノールの具体例としては、2,2─ビス(4─ヒド
ロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ヒド
ロキノン、レゾルシン、2,2─ビス(ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、2,4’─ジヒドロキシ─ジフェニル
メタン、ビス(2─ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4─ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4─ヒドロ
キシ─5─ニトロフェニル)メタン、1,1─ビス(4
─ヒドロキシフェニル)エタン、3,3─ビス(4─ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、2,2─ジヒドロキシジ
フェニル、2,6─ジヒドロキシ─ナフタレン、ビス
(4─ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’─ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、5─クロロ─2,4’─
ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4─ヒドロキ
シフェニル)ジフェニルジスルホン、4,4─ジヒドロ
キシジフェニルエーテル、4,4’─ジヒドロキシ─
3,3’─ジクロロジフェニルエーテル、4,4’─ジ
ヒドロキシ─2,5─ジエトキシジフェニルエーテル等
である。好ましくは、ビスフェノールAおよびその核置
換誘導体が挙げられる。これらの二価フェノールは単独
あるいは混合して用いられる。
【0013】本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族ポ
リカーボネートは上記の二価フェノールを原料として公
知の方法、すなわち、エステル交換法、溶液法、界面重
縮合法等により製造され、好ましくは粘度平均分子量1
5000以上、さらに好ましくは25000以上のもの
である。これらの具体的な重合方法は、例えば“ENC
YCLOPEDIA OF POLYMER SCIE
NCE AND TECHNOLOGY”第10巻(J
ohn Wiley & Sons,Inc.,196
9年)710〜764ページに示される「ポリカーボネ
ート」の項に記載されている。また、これらのポリカー
ボネートには特公昭48─25076号公報に示される
ポリカーボネート─スチレンブロック共重合体に例示さ
れるような共重合体も用いることができる。
【0014】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
いては、成分(A)および成分(B)の組成比が特定の
範囲内の値をとることによって、目的とする液晶ポリエ
ステル樹脂組成物を得ることができる。本発明における
成分(A)と成分(B)の比率は成分(A)が20〜9
9重量%、成分(B)が80〜1重量%であり、好まし
くは成分(A)が20〜80重量%、成分(B)が80
〜20重量%である。成分(A)が20重量%未満であ
ると、該組成物からなる成形品の耐熱性、機械的性質が
不充分であり、また99重量%を超えると組成物の寸法
安定性、ウェルド強度などが不充分となり、コスト的に
も利点が少なく好ましくない。
【0015】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
ける好ましい形態は、成分(A)の液晶ポリエステルが
主に連続相を形成し、成分(B)の芳香族ポリカーボネ
ートが主に分散相を形成しているので、特に該組成物の
耐熱性、機械的物性、耐薬品性および薄肉物性などが優
れたものとなる。
【0016】成分(A)の比率が99重量%をこえると
組成物のウェルド部強度が著しく低下し、価格低下の効
果も少ない。また成分(A)の比率が20重量%未満で
あると組成物中で成分(A)の大部分は連続相となら
ず、組成物の耐熱性、機械的性質、薄肉物性などが著し
く低下する。
【0017】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用い
ることができる。たとえば、溶液状態で各成分を混合
し、溶剤を蒸発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙
げられる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混
練する方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されて
いる一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練
装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好ま
しい。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定
温度は200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ま
しくは250〜350℃である。
【0018】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。例えば、芳香族ポリカーボネートを混練機の
第一投入口から投入し、第二投入口から液晶ポリエステ
ルを投入して液晶ポリエステル樹脂組成物を得ることも
できる。
【0019】混練された該樹脂組成物は、射出成形、押
出成形、その他各種の成形法によって成形されるが、予
め混練の過程を経ず、射出成形や押出成形時にドライブ
レンドして溶融加工操作中に混練して、本発明の樹脂組
成物とし、直接成形加工品を得ることもできる。
【0020】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
いては、所望により無機充填剤が用いられる。このよう
な無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チ
タン、アルミナ、石膏、ガラス繊維、炭素繊維、アルミ
ナ繊維、シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィ
スカ、チタン酸カリウム繊維等が例示される。
【0021】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物に、
必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安
定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機また
は有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表
面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良
剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加
工工程において添加することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。 (1)物性測定方法 物性測定は、得られた組成物について、日精樹脂工業
(株)製PS40E5ASE型射出成形機を用いて、成
形温度280〜350℃で、金型温度70℃〜130℃
で射出成形した成形品について行った。
【0023】ウェルド部強度、非ウェルド部強度:本発
明の組成物から図1に示す試験片を成形した。この試験
片は厚み3mm、外寸64mm、内寸38mmであっ
た。これから図1に示すウェルドラインを含む斜線部
(64×13mm)を切り出し、スパン間距離40m
m、曲げ速度2mm/分で曲げ強度を測定した。また、
同一形状の試験片から非ウェルド部(64×13mm)
を切り出し、同様にして曲げ強度を測定した。
【0024】引張強度、荷重たわみ温度(以下TDUL
ということがある。):ASTM4号引張ダンベル、T
DUL測定用試験片(127mm長×12.7mm幅×
6.4mm厚)をそれぞれ成形し、ASTM D63
8、ASTM D648に準じて引張強度、TDUL
(荷重18.6kg)をそれぞれ測定した。 アイゾット衝撃強度:試験片(6.4mm厚)について
ノッチ無しでJISK7110に従い、室温で測定し
た。
【0025】曲げ弾性率:試験片(6.4mm厚)につ
いてASTM D790に準じて、測定した。
【0026】形態:成形品の断面をミクロトームで切削
後、四塩化炭素でエッチングし、芳香族ポリカーボネー
ト部を溶出し、液晶ポリエステル部を残して、次に金蒸
着を施した上で走査型電子顕微鏡観察に供した。形態は
以下のように分類した。 A:組成物中の液晶ポリエステル部が主に連続相、組成
物中の芳香族ポリカーボネート部が分散相。 B:組成物中の芳香族ポリカーボネート部が連続相、組
成物中の液晶ポリエステル部が主に分散相。
【0027】液晶ポリエステルの流動温度:4℃/分の
昇温速度で加熱された樹脂を荷重100kgf/cm2
のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し
出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温度を
求めた。 Fe含量:芳香族ポリカーボネート中のFe含量は、樹
脂を硫酸と硝酸の混合液で分解したのち誘導結合プラズ
マ(ICP)発光分析法によって求めた。 Cl含量:芳香族ポリカーボネート中のCl含量は、樹
脂を高温のアルゴン気流中で分解したのち、微量電量滴
定法によって求めた。
【0028】(2)成分(A)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸60モル、テレフタル酸
15モル、イソフタル酸5モルおよび4,4’−ジアセ
トキシジフェニル20.2モルを櫛型撹拌翼をもつ重合
槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら昇温し3
30℃で1時間重合させた。この間に副生する酢酸を除
去しながら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を
徐々に冷却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取
出した。この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製
のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とし
た。これを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下
に280℃で3時間処理することによって、液晶ポリエ
ステルを得た。以下該液晶ポリエステルをA−1と略記
する。このポリマーは加圧下で341℃以上で光学異方
性を示し、流動温度は324℃であった。 (ii)p−アセトキシ安息香酸60モル、テレフタル
酸20モル、レゾルシノール4.2モル、および4,
4’−ジアセトキシジフェニル12.5モルをいかり型
攪拌翼を有する重合槽に仕込んだ。これにヒドロキシル
基1モルに対して1.1モルとするように無水酢酸を加
え、15分間攪拌した後、レゾルシノールおよび4,
4’−ジヒドロキシジフェニル100重量部に対して
0.5重量部のピリジンを加えた。
【0029】その後、反応系内を十分窒素置換し、反応
温度を100℃として、1時間アセチル化反応を行っ
た。こののち、生成酢酸を留去しながら1℃/分の昇温
速度で270℃まで昇温し1時間保温した後、さらに、
1℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、常圧で70
分間重合反応を行った。その後、溶融状態の反応生成物
を系外に取り出し、室温で固化させた。
【0030】これを細川ミクロン社製のバンタムミルで
粉砕し、300μm以下の粉体とした。これをさらに窒
素ガス雰囲気下に300℃で3時間処理することによっ
て、レゾルシノール構造を有する芳香族ポリエステルを
得た。以下該芳香族ポリエステルをA−2と略記する。
このポリマーは加圧下326℃で光学異方性を示し、流
動温度は305℃であった。
【0031】(3)成分(B)の芳香族ポリカーボネー
ト 芳香族ポリカーボネートは住友ダウ(株)製の商品名C
ALIBRE200−2〔MFR(300℃、1.2k
g)=2〕を使用した。該芳香族ポリカーボネート中の
Fe含量は1ppm未満、Cl含量は1ppmであっ
た。以下該芳香族ポリカーボネートをB−1と略記す
る。
【0032】実施例1〜6および比較例1〜3 表1,2の組成で、各成分を安定剤とともにヘンシェル
ミキサーで一括混合したのち、池貝鉄工(株)製二軸押
出機PCM−30型を用いて、実施例1〜6および比較
例1、3についてはシリンダー設定温度343℃、回転
数70rpmで、比較例2についてはシリンダー設定温
度280℃、回転数70rpmで溶融混練を行った。得
られた組成物の物性を表1および表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】以上から明らかなとおり、本発明の液晶ポ
リエステル樹脂組成物は耐熱性、成形加工性、、ウェル
ド強度および耐衝撃性が優れ、しかも芳香族ポリカーボ
ネートを配合していることから安価な樹脂組成物である
ことがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物
は、液晶ポリエステルの優れた耐熱性、機械的物性を保
持し、成形品のウェルド強度、耐衝撃性が改良され、か
つ安価なものである。該樹脂組成物は、このような特性
を生かして射出成形や押出成形により成形品、シート、
チューブ、フィルム、繊維、積層物、コーティング材等
に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェルド強度測定用の試験片の平面図。
【符号の説明】
1.ウェルドライン 2.ウェルドラインを含む切り出し部(斜線部) 3.ゲート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)液晶ポリエステルと(B)芳香族ポ
    リカーボネートとからなる液晶ポリエステル樹脂組成物
    において、成分(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰
    り返し単位(a)が30〜80モル%、繰り返し単位
    (b)が0〜10モル%、繰り返し単位(c)が10〜
    25モル%、繰り返し単位(d)が10〜35モル%か
    らなり、成分(B)の芳香族ポリカーボネートが、Fe
    含量が1ppm以下、Cl含量が50ppm以下であ
    り、成分(A)と成分(B)との組成比率が、成分
    (A)が20〜99重量%であり、成分(B)が80〜
    1重量%であることを特徴とする液晶ポリエステル樹脂
    組成物。 【化1】 (式中、Arは2価の芳香族基である。)
  2. 【請求項2】成分(A)が主に連続相、成分(B)が分
    散相であることを特徴とする請求項1記載の液晶ポリエ
    ステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】成分(A)の液晶ポリエステルの下記に定
    義された流動温度が265〜360℃の範囲である請求
    項1記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。流動温度:4
    ℃/分の昇温速度で加熱された樹脂を荷重100kgf
    /cm2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズル
    から押し出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示
    す温度。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009155377A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Teijin Chem Ltd ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2009155377A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Teijin Chem Ltd ポリカーボネート樹脂組成物

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