JP3358269B2 - 液晶ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形や押出成形に
より、成形品などに利用できる液晶ポリエステル樹脂組
成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ポリエステルは、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートのような結晶
性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状態で
も絡み合いを起こさず、結晶状態を有するポリドメイン
を形成し、低剪断により分子鎖が流れ方向に著しく配向
する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモトロピック
液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な挙動のた
め、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5mm程度
の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかもこの成形
品は高強度、高剛性を示すという長所を有するが、異方
性が極めて大きく、そのためウエルド強度が低いなどの
問題点があった。また、用途によってはより一層の高耐
熱性、高強度、高剛性が要求される。
【0003】また、液晶ポリエステルは一般に高価であ
ることも問題であった。液晶ポリエステルの優れた耐熱
性、力学的性質を保持し、成形品の異方性が改良され、
かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物は強く市場から
要望されていた。液晶ポリエステルに非晶性の高分子を
配合することにより液晶ポリエステルの成形加工性、強
度を改良することを目的とした試みとして、特開昭56
−115357号公報に液晶ポリエステルにポリフェニ
レンエーテルなどの重合体を配合し液晶ポリエステルの
溶融加工性を改良した記載がみられる。また特開平2−
97555号公報にハンダ耐熱性を向上させる目的で液
晶ポリエステルに各種のポリアリーレンオキサイドを配
合した記載がみられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
成形温度の高い液晶ポリエステルに、それより成形温度
の低いポリフェニレンエーテルなどの非晶性高分子を配
合してなる組成物は、組成物の溶融加工性は向上して
も、成形加工の際に配合樹脂の熱分解のために成形品の
外観不良が生じるという問題があった。また、該組成物
の機械的物性、耐熱性などが不十分という問題点があっ
た。本発明の目的は、耐熱性、及び機械的物性、特に曲
げ弾性率、引張強度、衝撃強度に優れ、かつ安価な液晶
ポリエステル樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に至った
ものである。すなわち本発明は、次に記す発明である。 (1)(A)液晶ポリエステル、(B)芳香族ポリカー
ボネート、(C)ジアミンおよび(D)数平均繊維径が
5〜25μm、数平均繊維長が30〜1000μm、か
つ数平均繊維長/数平均繊維径が2〜150で、表面無
処理のガラス繊維を配合したものであり、成分(A)と
成分(B)の合計量に対して成分(A)が35〜99重
量%、成分(B)が65〜1重量%であり、かつ成分
(A)と成分(B)の合計量100重量部に対して、成
分(C)が0.0001〜3重量部および成分(D)が
1〜100重量部である液晶ポリエステル樹脂組成物。 (2)液晶ポリエステル、芳香族ポリカーボネートおよ
びジアミンを溶融混練して得られた樹脂組成物と、液晶
ポリエステル、芳香族ポリカーボネートおよび数平均繊
維径が5〜25μm、数平均繊維長が30〜1000μ
m、かつ数平均繊維長/数平均繊維径が2〜150で、
表面無処理のガラス繊維とを溶融混練することを特徴と
する(1)記載の液晶ポリエステル樹脂組成物の製造方
法。
【0006】以下本発明について詳細に説明する。本発
明で使用される成分(A)の液晶ポリエステルは、サー
モトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであ
り、 (1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸との組合せからなるもの、 (2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸からなるも
の、 (3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合
わせからなるもの、 (4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
に芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させたものなどが
挙げられ、400℃以下の温度て異方性溶融体を形成す
るものである。 なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールお
よび芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらの
エステル形成性誘導体が使用されることもある。該液晶
ポリエステルの繰り返し構造単位としては下記のものを
例示することができるがこれらに限定されるものではな
い。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】 芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位:
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】 芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位:
【0011】
【化5】 耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから特に好まし
い液晶ポリエステルは
【0012】
【化6】 なる繰り返し構造単位を含むものであり、具体的には繰
り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(V)のも
のである。
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】 該液晶ポリエステル(I)、(II)、(III)、
(IV)については、それぞれ、例えば特公昭47−4
7870号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭
63−3891号公報、特公昭56−18016号公報
などに記載されている。本発明の液晶ポリエステル樹脂
組成物の成分(B)の芳香族ポリカーボネートは、二価
フェノールとフォスゲン、ハロホルメート、炭酸エステ
ルのようなカーボネート前駆体とを反応させて得られる
一般式(VI)で示される繰り返し構造単位を有する芳
香族ポリカーボネートである。
【0018】
【化12】 (A:二価フェノールに由来する二価の芳香族基) ここで用いられる二価フェノールとは、単環式、あるい
は多環式芳香族化合物であり、芳香環中の炭素に直接結
合する2個の水酸基を有する。これら二価フェノールの
具体例としては、2,2─ビス(4─ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノールA)、ヒドロキノン、レ
ゾルシン、2,2─ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,4’─ジヒドロキシ─ジフェニルメタン、ビス
(2─ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4─ヒドロ
キシフェニル)メタン、ビス(4─ヒドロキシ─5─ニ
トロフェニル)メタン、1,1─ビス(4─ヒドロキシ
フェニル)エタン、3,3─ビス(4─ヒドロキシフェ
ニル)ペンタン、2,2─ジヒドロキシジフェニル、
2,6─ジヒドロキシ─ナフタレン、ビス(4─ヒドロ
キシフェニル)スルホン、2,4’─ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン、5─クロロ─2,4’─ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、ビス(4─ヒドロキシフェニル)
ジフェニルジスルホン、4,4─ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4’─ジヒドロキシ─3,3’─ジク
ロロジフェニルエーテル、4,4’─ジヒドロキシ─
2,5─ジエトキシジフェニルエーテル等である。好ま
しくは、ビスフェノールAおよびその核置換誘導体が挙
げられる。これらの二価フェノールは単独あるいは混合
して用いられる。
【0019】本発明の樹脂組成物に用いられる芳香族ポ
リカーボネートは上記の二価フェノールを原料として公
知の方法、すなわち、エステル交換法、溶液法、界面重
縮合法等により製造され、好ましくは粘度平均分子量1
5000以上、さらに好ましくは25000以上のもの
である。これらの具体的な重合方法は、例えば“ENC
YCLOPEDIA OF POLYMER SCIE
NCE AND TECHNOLOGY”第10巻(J
hon Wiley & Sons,Inc.,196
9年)710〜764ページに示される「ポリカーボネ
ート」の項に記載されている。また、これらのポリカー
ボネートには特公昭48─25076号公報に示される
ポリカーボネート─スチレンブロック共重合体に例示さ
れるような共重合体も用いることができる。本発明の液
晶ポリエステル樹脂組成物における成分(C)のジアミ
ンは、次式で示される。
【0020】
【化13】 (R1 は、炭素原子数2〜12の直鎖状、分岐状もしく
は環状のアルキレン基、またはそれにエーテル結合の酸
素を含んだもの;二価の複素環基;置換もしくは非置換
の単環式芳香族炭化水素基;または置換もしくは非置換
の多環式芳香族炭化水素基を示す。R2 、R3 は、水
素、アルキル基、シクロアルキル基、または芳香族基を
示す。
【0021】該ジアミンは、具体的には、1,2─ジア
ミノエタン、1,3─ジアミノプロパン、1,4─ジア
ミノブタン、1,6─ジアミノヘキサン、1,8─ジア
ミノオクタン、1,10─ジアミノデカン、1,12─
ジアミノドデカン、1,4─ジアミノシクロヘキサン、
ビス(メチルアミノ)ヘキサン、ビス(3─アミノプロ
ピル)エーテル、1,2─ビス(3─アミノプロポキ
シ)エタン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノ
プロピルアミン、N,N’─ジ─t─ブチルエチレンジ
アミン、ビス(2─アミノエチル)ベンゼン等が挙げら
れる。その中でも、R2 、R3 の一方もしくは両方が水
素であることが好ましい。具体的には、1,3─ジアミ
ノプロパン、1,6─ジアミノヘキサン、1,10─ジ
アミノデカン、1,12─ジアミノドデカン、メチルア
ミノプロピルアミン、ビス(3─アミノプロピル)エー
テルが挙げられる。
【0022】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の成
分(D)のガラス繊維は、数平均繊維径が5〜25μ
m、好ましくは5〜20μm、数平均繊維長が30〜1
000μm、好ましくは30〜300μmのものを用い
る。数平均繊維径または数平均繊維長が、この範囲外で
あるとガラス繊維の補強効果が小さくなり、充分な剛
性、耐熱性、加工性などが得られず好ましくない。
【0023】また、ガラス繊維の数平均繊維長/数平均
繊維径、すなわちガラス繊維の数平均繊維長と数平均繊
維径との比で示される形態比(以下、アスペクト比とい
うことがある)の数平均が、2〜150、好ましくは3
〜20であるガラス繊維を用いる。数平均アスペクト比
がこの範囲外であると、組成物の成形品外観が悪かった
り、成形加工性が不良であったりして好ましくない。
【0024】本発明における成分(D)のガラス繊維
は、表面無処理のものである。表面無処理のガラス繊維
が優れた物性をもたらす理由は明らかではないが、表面
無処理のガラス繊維は成分(A)の液晶ポリエステル中
に分散しやすく、そのため樹脂組成物の補強効果を高め
る作用があるためと考えられる。
【0025】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
いては、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成
分(D)の組成比が特定の範囲内の値をとることによっ
て、目的とする液晶ポリエステル樹脂組成物を得ること
ができる。本発明における成分(A)と成分(B)の比
率は成分(A)が35〜99重量%、成分(B)が65
〜1重量%であり、好ましくは成分(A)が45〜99
重量%、成分(B)が55〜1重量%である。成分
(A)が35重量%未満であると、該組成物からなる成
形品の耐熱性、機械的性質が不充分であり、また99重
量%を超えると組成物の寸法安定性が不充分となり、コ
スト的にも利点が少なく好ましくない。
【0026】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
いては、成分(A)と成分(B)の合計量100重量部
に対して、成分(C)のジアミンは0.0001〜3重
量部、好ましくは0.0001〜0.2重量部である。
ジアミンが0.0001重量部未満では組成物の耐熱
性、機械的物性を向上させる効果が少なく、また3重量
部を超えると組成物の耐熱性が著しく低下するため好ま
しくない。
【0027】本発明において成分(A)と成分(B)の
合計量100重量部に対し成分(D)は1〜100重量
部であり、好ましくは2〜80重量部である。成分
(D)が1重量部未満であると本発明の液晶ポリエステ
ル樹脂組成物の機械的強度、耐熱性などを向上させる効
果が少なく、コスト的にも利点が少ない。また、成分
(D)が100重量部を越えると該組成物の成形加工性
が低下し、射出成形品の外観も不良となり好ましくな
い。
【0028】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
ける好ましい形態は、成分(A)の液晶ポリエステルが
主に連続相を形成し、成分(B)の芳香族ポリカーボネ
ートが主に分散相を形成している場合である。このよう
な形態の場合、特に該組成物の耐熱性、機械的物性、耐
薬品性および薄肉物性などが優れたものとなる。
【0029】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物を製造する方法に特に制限はなく、周知の方法を用い
ることができる。たとえば、溶液状態の樹脂成分とガラ
ス繊維とを混合し、溶剤を蒸発させるか、溶剤中に樹脂
成分とガラス繊維を沈澱させる方法が挙げられる。工業
的見地からみると溶融状態で各成分を混練する方法が好
ましい。溶融混練には一般に使用されている一軸または
二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用いるこ
とができる。特に二軸の高混練機が好ましい。溶融混練
に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は200〜
360℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは250〜
340℃である。
【0030】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。
【0031】例えば、液晶ポリエステルと芳香族ポリカ
ーボネートをあらかじめ溶液ブレンド、または溶融混練
して混合物を得て、ついでこれとジアミンおよびガラス
繊維とを溶融混練して液晶ポリエステル樹脂組成物を得
ることもできる。また、芳香族ポリカーボネート、液晶
ポリエステルおよびジアミンを混練機の第一投入口から
投入し、第二投入口から液晶ポリエステルまたは芳香族
ポリカーボネートおよびガラス繊維を投入して一回の混
練で液晶ポリエステル樹脂組成物を得ることもできる。
【0032】また、液晶ポリエステル、芳香族ポリカー
ボネートおよびジアミンを溶融混練し、その混練物を液
晶ポリエステル、芳香族ポリカーボネートおよびガラス
繊維に配合して、さらに溶融混練して、液晶ポリエステ
ル樹脂組成物を得ることもできる。
【0033】混練された該樹脂組成物は、射出成形、押
出成形、その他各種の成形法によって成形されるが、予
め混練の過程を経ず、射出成形や押出成形時にドライブ
レンドして溶融加工操作中に混練して、本発明の樹脂組
成物とし、直接成形加工品を得ることもできる。
【0034】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物にお
いては、所望により無機充填剤が用いられる。このよう
な無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チ
タン、アルミナ、石膏、炭素繊維、アルミナ繊維、シリ
カアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン
酸カリウム繊維等が例示される。
【0035】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物に、
必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安
定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機また
は有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表
面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良
剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加
工工程において添加することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。 (1)成分(A)の液晶ポリエステル 成分(A)として使用した液晶ポリエステルは以下のも
のである。(i)p−アセトキシ安息香酸10.8kg
(60モル)、テレフタル酸2.49kg(15モ
ル)、イソフタル酸0.83kg(5モル)および4,
4’−ジアセトキシジフェニル5.45kg(20.2
モル)を櫛型撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰
囲気下で撹拌しながら昇温し330℃で1時間重合させ
た。この間に副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌
下で重合させた。その後、系を徐々に冷却し、200℃
で得られたポリマーを系外へ取出した。この得られたポ
リマーを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕
し、2.5mm径以下の粒子とした。これを更にロータ
リーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃で3時間処
理することによって、流動温度が324℃の粒子状の下
記の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエステルを
得た。以下該液晶ポリエステルをA−1と略記する。こ
のポリマーは加圧下で341℃で光学異方性を示した。
液晶ポリエステルA−1の繰り返し構造単位は、次の通
りである。
【0037】
【化14】
【0038】(2)成分(B)の芳香族ポリカーボネー
ト 成分(B)として使用した芳香族ポリカーボネートは以
下のものである。b−1(略称):住友ダウ(株)製
CALIBRE(登録商標)300−6〔MFR(30
0℃、1.2kg荷重)=6〕
【0039】(3)成分(C)のジアミン 成分(C)として使用したジアミンは以下のものであ
る。C−1(略称):1,12−ジアミノドデカンC−
2(略称):1,6−ジアミノヘキサン
【0040】(4)成分(D)のガラス繊維 成分(D)として使用したガラス繊維は以下のものであ
る。 D−1(略称):セントラル硝子(株)製 EFH75
−01(商品名)、数平均繊維径13μm、数平均繊維
長50μm、アスペクト比3.8、表面無処理 D−2(略称):日本板硝子(株)製 REV8(商品
名)、数平均繊維径13μm、数平均繊維長35μm、
アスペクト比2.7、アミノシラン処理 D−3(略称):日本板硝子(株)製 RES03−T
P75(商品名)、数平均繊維径10μm、数平均繊維
長3mm、アスペクト比300、シラン系カップリング
剤処理
【0041】実施例1〜3、比較例1〜4 表1の組成で各成分を安定剤とともにヘンシェルミキサ
ーで混合したのち、池貝鉄工(株)製PCM−30型二
軸押出機を用いてシリンダー設定温度342℃で組成物
を脱揮しながら混練し、日精樹脂工業(株)製PS40
E5ASE型射出成形機を用いて、成形温度342℃、
金型温度120℃で射出成形した成形品について以下の
要領で物性測定を行なった。 引張強度、荷重たわみ温度(TDUL):ASTM4号
引張ダンベル、TDUL測定用試験片(127mm長×
12.7mm幅×6.4mm厚)を成形し、それぞれA
STM D638、ASTM D648に準じて引張強
度、TDUL(荷重18.6kg)を測定した。
【0042】曲げ弾性率:試験片(6.4mm厚)につ
いてASTM D790にしたがい、測定した。 アイゾット衝撃強度:試験片(6.4mm厚)について
ノッチ無でJIS K7110にしたがい測定した。
【0043】形態:成形品の断面をミクロトームで切削
後、四塩化炭素でエッチングし、芳香族ポリカーボネー
ト部を溶出し、液晶ポリエステル部及びガラス繊維を残
して、次に金蒸着を施した上で走査型電子顕微鏡観察に
供した。形態は以下のように分類した。 A:組成物中の液晶ポリエステル部が主に連続相、組成
物中の芳香族ポリカーボネート部が分散相。 B:組成物中の芳香族ポリカーボネート部が連続相、組
成物中の液晶ポリエステル部が主に分散相。 得られた結果を表1に示す。本発明の液晶ポリエステル
樹脂組成物は耐熱性、機械的性質などが優れ、しかも安
価な樹脂組成物であることがわかる。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物
は、耐熱性、機械的物性、特に曲げ弾性率、引張強度、
衝撃強度に優れ、かつ安価なものである。該樹脂組成物
は、このような特性を生かして射出成形や押出成形によ
り成形品、シート、チューブ、フィルム、繊維、積層
物、コーティング材等に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 C08L 69/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)液晶ポリエステル、(B)芳香族ポ
    リカーボネート、(C)ジアミンおよび(D)数平均繊
    維径が5〜25μm、数平均繊維長が30〜1000μ
    m、かつ数平均繊維長/数平均繊維径が2〜150で、
    表面無処理のガラス繊維を配合したものであり、成分
    (A)と成分(B)の合計量に対して成分(A)が35
    〜99重量%、成分(B)が65〜1重量%であり、か
    つ成分(A)と成分(B)の合計量100重量部に対し
    て、成分(C)が0.0001〜3重量部および成分
    (D)が1〜100重量部である液晶ポリエステル樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】液晶ポリエステル、芳香族ポリカーボネー
    トおよびジアミンを溶融混練して得られた樹脂組成物
    と、液晶ポリエステル、芳香族ポリカーボネートおよび
    数平均繊維径が5〜25μm、数平均繊維長が30〜1
    000μm、かつ数平均繊維長/数平均繊維径が2〜1
    50で、表面無処理のガラス繊維とを溶融混練すること
    を特徴とする請求項1記載の液晶ポリエステル樹脂組成
    物の製造方法。
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