JPH06328518A

JPH06328518A - 金型におけるロック装置

Info

Publication number: JPH06328518A
Application number: JP15600493A
Authority: JP
Inventors: Misao Fujikawa; 操藤川
Original assignee: Sodick Co Ltd
Current assignee: Sodick Co Ltd
Priority date: 1993-05-21
Filing date: 1993-05-21
Publication date: 1994-11-29

Abstract

(57)【要約】【目的】金型の変形による成形不良と、金型寿命の短
小化を解消し、該金型が小さくても投影面積の大きい成
形品を型締力を小さくして、型開き量を０に近付けて工
程の安定化を図る。【構成】金型の取付板１ａ一方にアクチュエータ６、
６を装着して、該アクチュエータ６の先端に固着したブ
ロック８とレバー１４とをピン９によって回動自在に枢
着し、型板２ｂまたは取付板１ｂのほぼ中央に幅広の切
欠き溝３、３を設け、該溝３に先端内側に係合部１２、
２２を有するロック板１１、２１を該型板２ｂまたは取
付板１ｂに長ピンを１０を介して取付け、該長ピン１０
はロック板１１、２１に対しては固く固定され、かつ、
該型板２ｂまたは取付板１ｂの孔に対しては回動可能に
挿通されており、他方側の型板２ａまたは取付板１ａの
ほぼ中央に幅広の切欠き溝４、４を設け、前記アクチュ
エータ６の作動によって該長ピン１０を回動させて前記
ロック板１１、２１の係合部１２、２２を前記他方側の
テーパー面１２、２２とロック係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機における金
型の疲労破壊や金型部品の破損防止にかかり、詳しく
は、小さい金型で投影面積の大きい成形品を小さな型締
力で成形できる金型のロック装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】射出成形機の主な機能は、成形機に取り
付けられた金型を開閉することと、金型内に射出された
高圧の溶融材料によって強く押し開かれないように金型
を締め付けておく型締装置と、該型締中に、金型内に形
成されたキャビティ（空所）に溶融材料を射出充填する
射出装置からなっている。

【０００３】その型締装置の最も代表的なものとして
は、油圧（直圧）式とトグル式のものがあるが、図３で
油圧式のものについて説明する。

【０００４】型締装置は、シリンダ４０から油圧作動す
るラム４２があり、シリンダ４０はその固定板４１に取
付けられている。該固定板４１は、４本のタイバー４３
によって固定側プラテン３９と連結されており、該固定
側プラテン３９及び前記固定板４１は本体（図示してい
ない）上で固定され、前記ラム４２端には可動側プラテ
ン３８と結合され、該ラム４２の動きによって該可動側
プラテン３８は前記タイバー４３を案内として移動可能
で、前記固定側プラテン３９に取付けた金型３２と該可
動側プラテン３８に取付けた金型とは、互いにパーティ
ングライン（分割面）３５で接触し、キャビティ３３を
形成する。この型締された状態で、射出ユニット４４か
ら溶融した合成樹脂の材料をスプール３４（ランナ及び
ゲートがある場合もあるが省略）を通じて前記キャビテ
ィ３３に射出し、充填される。射出完了後保圧され、成
形品を冷却して固化したとき、型開され、成形品は放出
または取り出される。

【０００５】前記型締において、シリンダ４０とラム４
２の直径によって型締力Ｃ（Ｋｇｆ／ｃｍ^２）は決定さ
れるが、型締によって分割面３５には大きな型締力Ｃが
作用している。さらに、射出ユニット４４から供給され
る様夕樹脂の射出樹脂圧力とキャビティ３３の投影面積
に比例して、大きな射出圧力Ｓ（Ｋｇｆ／ｃｍ^２）が分
割面３５にかかってくる。

【０００６】すなわち、型締が行なわれたときに、型締
力Ｃがかかるので、金型３１、３２の分割面３５には反
力が該型締力Ｃと反対方向に作用し、該分割面３５の周
囲で開きやすい。そしてまた、同じように、射出によっ
て大きな射出圧力Ｓが発生し、該射出圧力Ｓは分割面３
５の反力として表われ、射出においても該分割面３５の
外周側で開き易いとされていた。

【０００７】射出中に金型３１、３２が開くと、キャビ
ティ３３に射出充填した材料が該キャビティ３３の外周
分割面３５に漏洩して、成形品にはバリを発生すること
がある。この場合、成形品は不良品として処分される
か、手直しを必要とされる。

【０００８】そしてまた、成形中に成形品の一部分に穿
孔または部分圧縮成形するためにコア型を金型３１、３
２内に設けて、該コア型を移動できるようにした精密金
型では、前述したように反力によって金型３１、３２が
わずかに歪んで変形すると、該コア型の破損を誘起す
る。従って、金型の使用寿命を短くしてしまうこともあ
る。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】金型３１、３２の分割
面３５には、射出樹脂圧力＊投影面積＝Ｓ（Ｋｇｆ／ｃ
ｍ^２）の反力が射出時に発生し、その反力は金型３１、
３２を変形するように作用する。それは、型締装置にお
いては、ラム４２の直径を大きくすることである程度解
決することができるがゝ射出装置においては、溶融した
樹脂をその金型３１、３２の略中心から射出するため、
該金型３１、３２の変形を防止することはできなかっ
た。従って、金型３１、３２が小さくて、該キャビティ
３３の投影面積が大きい場合には、射出樹脂量が充分で
あっても、溶融樹脂の樹脂圧力によって分割面３５を引
き離すように増大して、成形品のバリ発生があるため、
生産効率も低くなり、工程の安定性に欠ける嫌いがあっ
た。

【００１０】本発明は、上記のような成形品の外観不良
を解消し、金型３１、３２の変形による金型寿命の短小
化を解決しようとするもので、金型が小さいが投影面積
の大きい成形品を型締力を小さくして、型開き量を０に
近づけて工程の安定化を図ることを目的としている。

【００１１】

【課題を課題を解決するための手段】上記目的を達成す
るための手段を、図１及び図２を用いて説明すると、固
定側プラテンと可動側プラテンを有する射出成形機であ
って、型板（２ａ、２ｂ）と取付板（１ａ、１ｂ）とを
組み合わせて一組の金型とし、一万側は前記固定側プラ
テンに、他方側は前記可動側プラテンに固定して、該可
動側プラテンの移動によって型締され、該型締によつて
前記金型は分割面（１７）で面接触するとともにキャビ
ティを形成して、該型締中に溶融樹脂を該キャビティに
射出することにより成形する金型において、該金型の取
付板（１ａ）もしくはプラテンの一方にアクチュエータ
（６、６）を装着して、該アクチュエータ（６）の先端
に固着したブロック（８）とレバー（１４）とをピン
（９）によって回動自在に枢着し、前記型板（２ｂ）ま
たは取付板（１ｂ）のほぼ中央に幅広の切欠き溝（３、
３）を設け、該溝（３）に先端内側に係合部（１２、２
２）を有するロック板（１１、２１）を該型板（２ｂ）
または取付板（１ｂ）に長ピン（１０）を介して取付
け、該長ピン（１０）はロック板（１１、２１）に対し
ては固く固着され、かつ、該型板（２ｂ）または取付板
（１ｂ）の孔に対しては回動可能に挿通されており、他
方側の型板（２ａ）または取付板（１ａ）のほぼ中央に
幅広の切欠き溝（４、４）を設け、該切欠き溝（４）の
面にはテーパー面（５、５）を前記ロック板（１１、２
１）と同一角度となるように形成し、前記レバー（１
４）に前記長ピン（１０）の一端を挿嵌して固着し、前
記アクチュエータ（６）の作動によって該長ピン（１
０）を回動させて前記ロック板（１１、２１）の係合部
（１２、２２）を前記他方側のテーパー面（１２、２
２）とロック係合させる、ことを特徴とした金型のロッ
ク装置である。

【００１２】

【作用】型締前（型閉終了後）に、上記ロック板（１
１、２１）をアクチュエータ（６、６）の作動によって
回動させて型板（２ａ，２ｂ）をロックするので、型締
のさい及び射出時の型開きは防止できる。そして、該ロ
ックは型締と同様に作用しているので、型締力はそのロ
ック装置の締付け力の分、型締圧力を低下させても従来
同様の型締作動を行なうことができる。そして、型板
（２ａ、２ｂ）を抱持するようにロックしているので、
射出時の型間き量は、０へと近づき、金型の変形を防止
することになる。

【００１３】

【実施例】本発明の一実施例を、図１及び図２で説明す
ることとする。

【００１４】説明に当たり、取付板１及び型板２で、一
方側（図１では、向かって右側）のときはａを、他方側
（図１では、向かって左側）のときはｂをそれぞれの符
号に付すものとし、共通するときはａ及びｂの符号は省
略する。また、図１は、装置を取付けた全体側面図、図
２は図１における上面図である。

【００１５】さらに、ロック板１１、２１は実質的には
同一であるが、図１に向かって上方を１０代で、下方側
では２０代の符号を付して説明するが、その区別の必要
のないときは、いずれかの符号で代表して説明すること
にする。

【００１６】金型は、取付板１に型板２を取付けること
によって完成するが、該型板２は複数枚組み合されてい
る場合もあり、金型のキャビティ（図示せず）を構成す
るうえで重要である。そして、型板２ｂには切欠き溝
３、３を設け、該切欠き溝３の側面３−１及びコーナ半
径３−２は後述するようにロック板１１、２１の取付部
１３、２３の長ピン孔１０、２０を中心にして、同一形
状、寸法とすることが望ましい。また、深さは型板２ｂ
に対して、金型としての強度を損なわない程度に深くす
ることがよい。

【００１７】型板２ａには、一面をテーパー面５とした
切欠き溝４、４を削設し、該溝幅は、前記切欠き溝３と
同じようにロック板１１、２１とほぼ同一とし、該ロッ
ク板１１、２１の先端係合部１２、２２がテーパー面
５、５と充分接触できるよう溝深さを設定している。

【００１８】ロック板１１、２１は、幅広で取付部１３
と係合部１２がコの字形に形成され、取付部１３は長ピ
ン１０を挿入する孔を中心に、前記切欠き溝３の側面３
−１及びコーナ半径３−２と一致するように削設し、ま
た、その係合部１２は前記テーパー面５と同一角度に形
成している。また、直立状とした取付部１３、係合部１
２は応力集中を避けるためにも、その直立する隅部はで
きるだけ大きな半径で補強している。そして、型板２ｂ
の一方から長ピン１０もしくは２０を挿通し、ロック板
１１、２１は長ピン１０もしくは２０とを止めボルトま
たはピンを打ち込む（図示していない）ことによって一
体に固着し、型板２ｂに挿嵌された長ピン１０、２０に
より、蝶番状に形成されて前記ロック板１１、２１を回
動可能に保持させ、前記長ピン１０及び２０の端部は型
板２ｂから突出している。該突出端部にはレバー１４、
２４がキーもしくは止めボルト（いずれも図示していな
い）によって該長ピン１０、２０に固定される。

【００１９】取付板１ｂにはブラケット７を介してシリ
ンダ６を固定している。そして、そのピストン６’の先
端にはブロック８が固着されており、該ブロック８は、
ピン９を介して前記レバー１４、２４と連結されてい
て、該ピン９はブロック８またはレバー１４、２４のい
ずれか一方と固く嵌合されるかして、レバー１４、２４
から抜け出さないように固定している。また、ロック板
１１が閉じられた位置でレバー１４、２４の長ピン１
０、２０及びピン９との孔位置関係が、取付板１ｂに対
して直角方向に向かっているように、長ピン１０、２０
とレバー１４、２４の関係を保ってキー止めあるいはボ
ルト（いずれも図示していない）で固定することがよ
い。

【００２０】以上の説明では、図１及び図２では、シリ
ンダ６を取付板１ｂに取付けるようにしたが、例えばシ
リンダ６を型板２に直接取付けることもでき、型板２や
取付板１側に取付けることが困難な場合、プラテンに取
付けることもできる。この場合、プラテンにロック板１
１、２１を夫々取付けることもでき、もちろん、取付板
１や型板２にロック板１１、２１を係合させることもで
きる。しかしながら、最も効果的にはロック板１１は型
板２ａ、２ｂを締付けるように構成することが望まし
い。そして、ロック板１１はその強度上問題のない限り
において、切欠きを設けて軽量化を図ることもできる。

【００２１】ついで、作動について図１で述べることと
する。

【００２２】型開閉のときには、ロック板２１は２０’
位置で、シリンダ６のピストン６’は後退位置で可動側
プラテンを開、閉方向へ移動させることにより行なわれ
る。その閉状態で、閉の位置にピストン６’を前進させ
角度Ａだけブロック８を前進させ、その前進によってレ
バー１４は長ピン１０を角度Ａ回転させるので、ブロッ
ク板２１’は回転して閉の位置に該ブロック板２１は回
動する。この回動後も、シリンダ６には圧力を供給して
おくと、先端係合部１２、２２は当接するテーパ面５、
５とでクサビ状に型板２ａを型板２ｂ側へと引っ張り、
分割面１７を強力に接合させる。そしてまた、取付部１
３、２３は、側面３−１と接触し、過当な荷重が長ピン
１０、２０に負荷されないように制限することとなり、
型板１ａ、１ｂはロックされる。

【００２３】ロックが完了すると型締と射出が開始さ
れ、該ロックは成形品が冷却されて固化して型開される
直前まで継続される。ロックを解除するときは、シリン
ダ６の圧力を抜き、ピストン６’を後退させることによ
り、前記レバー１４、２４を引き退げるので、前記長ピ
ン１０、２０を回転させた角度Ａだけ逆回転して、ロッ
ク板２１の位置からロック板２１’の位置へと開くこと
になる。

【００２４】このロック板１１及び２１を閉状態のと
き、キャビティ（図１、図２では図示していない）に溶
融樹脂を充填するから、型板２ａ２ｂの外周の少なくと
も相対称部分でロックさせているので、該充填時におけ
る金型の開きは生ずることがなく、バリのない成形がで
きる。従って、金型の変形を防止できるから、金型の疲
労破壊や金型内部の小さな部品を折損したりしないか
ら、安定した成形加工を継続できる。

【００２５】また、シリンダ６を成形機に用いているエ
アや油圧を使用できるので、特別な動力源を必要とする
ことなく、金型の改造によって、対応できる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、ロック板を回動す
ることによってその係合部とテーパー面とを係合させる
ようにしているので、微小な誤差があっても、係合部は
テーパー面と係合してクサビ効果を発揮して、金型の分
割面を接合させる。そして、該ロック力は型締力を補肋
する圧力を分割面に与えるので、型締力はその分小さく
ても充分型締に必要な圧力を供給する。

【００２７】さらには、射出時には前記ロック力が、型
締万向と射出方向に押圧するように分割面に作用してい
るので、射出樹脂圧力と投影面積に比例して起こる反力
に対抗するように作用し、射出時の型開きを誘起させな
いように働くので、金型の変形を抑止し、安定した成形
品を成形することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例にかかる全体側面図。

【図２】図１における上面図。

【図３】従来例における型締装置と射出装置及び金型の
関係を説明するための側面図。

【符号の説明】

１取付板２型板３切欠き溝４切欠き溝５テーパー面６アクチュエータ（シリンダ）８ブロック９ピン１０（２０）長ピン１１（２１）ロック板１２（２２）係合部１３（２３）取付部１４（２４）レバー１７分割面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】固定側プラテンと可動側プラテンを有す
る射出成形機であって、型板と取付板とを組み合わせて
一組の金型とし、一方側は前記固定側プラテンに、他方
側は前記可動側プラテンに固定して、該可動側プラテン
の移動によって型締され、該型締によって前記金型は分
割面で面接触するとともにキャビティを形成して、該型
締中に溶融樹脂を該キャビティに射出することにより成
形する金型において、該金型の取付板もしくはプラテンの一方にアクチュエー
タを装着して、該アクチュエータの先端に固看したブロ
ックとレバーとをピンによって回動自在に枢着し、前記型板または取付板のほぼ中央に幅広の切欠き溝を設
け、該溝の先端内側に係合部を有するロック板を該型板
または取付板に長ピンを介して取付け、該長ピンはロッ
ク板に対しては固く固着され、かつ、該型板または取付
板の孔に対しては回動可能に挿通されており、他方側の型板または取付板のほぼ中央に幅広の切欠き溝
を設け、該切欠き溝の面にはテーパー面を前記ロック板
と同一角度となるように形成し、前記レバーに前記長ピンの一端を挿嵌して固着し、前記
アクチュエータの作動によって該長ピンを回動させて前
記ロック板の係合部を前記他方側のテーパー面とロック
係合させる、ことを特徴とする、金型におけるロック装置。