JPS5830661Y2 - Ｒｉｍ成形用モ−ルド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液状熱硬化性ポリウレタンのＲＩＭ（リアク
シコン。

インジェクション、モールディング）形成形モールドに
係り、更に詳しくはＲＩＭ製品を製造する際、製品の意
匠並びに構造から一方の形成品は下型に残し、他方の形
成品は上型に残す必要が生じる場合に際してゲートラン
ナー成形体を切断する機構を設けたＲＩＭ用成形成形モ
ールドするものである。

ＲＩＭ成形は、例えばポリオール、ポリイソシアネート
、の各液状物をそれぞれ低圧力下、高速度でモールドに
注入して高速反応により硬化させる方法であり、今日、
自動車用バンパー或いは自動車の内装品の成形等に幅広
く使用されている。

これは、ＲＩＭ成形が通常の射出成形に比べて小サイク
ルの成形ができること、好きな成形品を製造し易いこと
、そして低コストである等の特長を有するためである。

か＼るＲＩＭ成形は液状物の注入であるために１つのモ
ールドで２つ以上の異なる成形品を得ることが可能であ
り、しかも低コストになることからして今日、各方面で
その利用が進められているが、この成形において用いら
れるＲＩＭ成形モールドが、例えば、第１図に示すよう
に下型１．上型２によって構成されており、第１のキャ
ビティ３と第２のキャビティ４が下型１と上型２の境界
部にあり、そしてゲートランナー５が上記キャビティ３
，４間を貫通していると共に、上型２に第２のキャビテ
ィ４の上方に入り込み部６が設けられている場合には、
か＼るキャビティ内に液状熱硬化性ポリウレタンを注入
し硬化成形するとき、該液状物の注入、硬化後、第２図
のように型開きすると第１のキャビティ３で得られた成
形体３′は下型に残り、第２のキャビティ４で得られた
成形品４′は入り込み部６があるため上型に付着すると
い状態を現出する。

そして、これにより、ゲートランナー５に充満していた
ゲートランナー成形体５′は引き伸ばされてゲートラン
ナー５の末端部７゜７′で切断するが、そのとき、キャ
ビティ内の成形品はその影響を受けて大きく変形する。

そのため、型開き後、ゲートランナー成形体を切断して
成形品に歪を与えないようにすることが行なわれている
。

しかし、ゲートランナー成形体の切断方法は、型開き後
、手動式のカッターによりいちいち行なっているのが現
状であり、非常に手間を要しているのみならず、型温度
が高いために危険性を伴なっていた。

本考案は上述のような点に着目し、これを改善するもの
で、ゲートランナー成形体を容易に切断して成形品に歪
を与えず、かつ成形サイクルを短縮できるものであり、
その特徴とするところは、上型と下型を組合せ、少なく
とも２つのキャビティを有し、かつ該キャビティ間を貫
通せしめたゲートランナーを付設したポリウレタンフォ
ームのＲＩＭ成形用モールドにおいて、ゲートランナー
の途中に該ランナーの断面と同形状の貫通穴を有する２
枚の切断板を接触せしめた状態で配置し、一方の切断板
を一方の型、例えば上型に、他方の切断板を他方の型、
例えば下型に夫々嵌合固定し、上記切断板に設けた貫通
穴をゲートランナーに一致させ、かつ一方のキャビティ
には入り込み部を設けた構成にある。

以下、更に本考案モールドの具体的態様を添付図面に従
って詳説する。

第３図は本考案に係るＲＩＭ戒形周形用モールド例を示
す縦断面図であり、その基本構成としては前記第１図、
第２図と同様、上型２と下型１間には、第」のキャビテ
ィ３と第２のキャビティ４があり、第２のキャビティ４
には入り込み部６が存在しており、上型２に入り込んで
いる。

そして、ゲートランナー５が第１のキャビティ３と第２
のキャビティ４間を貫通している。

この場合、第１のキャビティ３と第２のキャビティ４か
ら得られる成形品が全く異なるものであり、このように
異なる２種類の成形品が得られることは前述したように
液状体を高圧、高速度で注入出来るＲＩＭ成形であるた
めである。

上記の如き構成において、本考案モールドにあっては第
４図乃至第６図にその詳細を示すようにゲートランナー
５の途中には重要な特徴をなす切断板を取付けるために
上型２と下型１に切溝８゜８′がＡ部拡大図より明らか
なように設けられている。

第１．第２の切断板９，１０は何れも長方形。

正方形状のスチール、アルミニウム等の金属性薄板であ
り、その略中央部にゲートランナー５と同形状（半円形
）の貫通穴１１を有し、第１の切断板９は上型２に、又
、第２の切断板１０は下型１に夫々ボルト１２等によっ
て固定されている。

なお、第１の切断板９．第２の切断板１０の固定は上型
２．下型１を反対にすることもある。

第１．第２の切断板９，１０の表面は接触した状態で上
、下型の切溝８，８′内に収まり液状体が切溝８，８’
及び第１．第２の切断板９，１０の間隙に流れ込まない
ようにしてその後の切断をスムーズに行なうと共に、切
断板９，１０に設けた貫通穴１１はゲートランナー５と
一致させ、液状体を流れ易くする。

本考案モールドは叙上の如き構成からなり、次にこのよ
うな構造を有するＲＩＭ成形モールドに液状熱硬化性ポ
リウレタンを注入し硬化させるに際しては、従来と同様
であるが、注入、硬化後、第７図に示すように型開きす
るために上型２を上方向（矢印で図示）へ移動させると
、ゲートランナー５及び切溝８，８′に空隙ができ、ゲ
ートランナー５及び切断板の貫通穴１１に充満している
ゲートランナー成形体は第１の切断板９と第２の切断板
１０間の剪断力により第１の切断板９の左側に位置して
いる該成形体５が持ち上げられ徐々に切断していく。

これはフオーム成形体であるため容易に切断できる。

なお、この場合、一方のキャビティには入り込み部が存
するため、前記切断作用時に成形体が安定して確保され
、切断作用が容易かつ確実となる。

かくして、特別なカッターを使用することなくしかも、
キャビティ内の成形品に何ら影響を波及することなく切
断し、各成形製品とすることができる。

以上のように、本考案のＲＩＭ成形モールドは、例えば
２つのキャビティから異なる成形品を製造し、型開き時
、一方の成形品を下型に、他方の成形品を上型に付着さ
せなければならない際、このキャビティ間を貫通するゲ
ートランナーに２枚の切断板を接触させた状態で夫々、
上、下型に固定させ、この切断板の剪断力によってゲー
トランナーに充満しているフオーム成形体を切断するこ
とにより、手動カッター等のカッター具を使用すること
なしに簡単な構造で切断でき、成形品には歪を与えるこ
とがないと共に、この切断機構によって成形サイクルが
短縮できる優れた特長を有するものである。

しかも、本考案は、上記切断に際し、一方のキャビティ
には入り込み部が設けられているため、切断時、成形体
は入り込み部で係止保持され、適切な保持状態下で切断
を容易かつ確実ならしめることができる実効を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のＲＩＭ成形用モールドに液状体を射出し
たときの縦断面図、第２図は第１図に示すモールドを型
開きした場合における縦断面図、第３図は本考案に係る
ＲＩＭ成形用モールドに液状体を射出したときの縦断面
図、第４図は第３図におけるＡ部拡大図、第５図は第４
図におけるＸ−Ｘ断面図、第６図は第４図におけるＹ−
Ｙ断面図、第７図は本考案に係るＲＩＭ成形用モールド
を型開きしたときの縦断面図である。 １・・・・・・下型、２・・・・・・上型、３・・・・
・・第１のキャビティ、４・・・・・・第２のキャビテ
ィ、５・・・・・・ゲートランナー、５・・・・・・ゲ
ートランナー成形体、６・・・・・・入り込み部、８，
８′・・・・・・切溝、９・・・・・・第１の切断板、
１０・・・・・・第２の切断板、１１・・・・・・切断
板の貫通穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上型と下型を組合せ２つのキャビティを有し、かつ該キ
   ャビティ間を貫通せしめたゲートランナーを付設したポ
   リウレタンフォームのＲＩＭ戒形周形用モールドいて、
   ゲートランナーの途中に該ランナーの断面と同形状の貫
   通穴を有する２枚の切断板を接触せしめた状態で配設し
   、一方の切断板を一方の型に、他方の切断板を他方の型
   に夫々固定すると共に、上記の切断板に設けた貫通穴を
   型閉時、ゲートランナーに一致する如くなし、かつ、一
   方のキャビティには入り込み部を設けたことを特徴とす
   るＲＩＭ成形用モールド。