JP4051216B2 - 成形用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、射出プレス成形法と射出成形法とを併用したプラスチック製品の成形に用いられる成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック製品の成形方法としては、射出プレス成形法および射出成形法等が広く知られている。
【0003】
射出プレス成形法は、金型をわずかに開いた状態でキャビティ内に溶融樹脂を射出すると共に、型閉装置の加圧動作により溶融樹脂をプレスし、溶融樹脂を冷却して成形品を得る方法である。この方法に用いられる射出プレス成形装置は、射出動作と共にプレス動作を実行するように構成され、射出プレス成形用金型は、一般に雄型と雌型とによって構成される。
【0004】
一方、射出成形法は、金型を閉じた状態でキャビティ内に溶融樹脂を射出し、溶融樹脂を冷却して成形品を得る方法である。この方法に用いられる射出成形装置は、型閉動作の後に射出動作を実行するように構成され、射出成形用金型は、溶融樹脂が充填されるキャビティを規定するものとして構成される。
【0005】
射出プレス成形法および射出成形法は、いずれも、金型を閉じる工程および溶融樹脂を射出する工程を有するため、制御プログラムを変更することにより、一台の装置を両方法に用いることは可能である。しかし、射出プレス成形と射出成形とを一つの成形用金型を用いて同時に実行し、射出プレス成形品と射出成形品とを同時に成形する考えは存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、射出プレス成形品と射出成形品とを同時に成形する考えは存在しなかったので、射出プレス成形品と射出成形品とを同時に成形するためには、これらの成形方法ごとに金型や成形機を準備しなければならず、設備コストが高くなるという問題があった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、射出プレス成形品と射出成形品とを同時に成形することにより設備コストを低減できる、成形用金型に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載した発明は、「固定金型(10a)と可動金型(10b)とによって複数の射出プレスキャビティ(55) (56a)(56b) および複数の射出キャビティ(57) (56c)(56d) を構成し、可動金型(10b)に連結された1又は複数の加圧手段によって射出プレス成形時の射出プレス圧および射出成形時の射出圧を保持する、成形用金型(10)であって、射出プレス成形時において複数の射出プレスキャビティ (55) (56a)(56b) )内に充填される溶融樹脂によるプレス圧Pの合力F1が可動金型 (10b) に作用する点と、1つの加圧手段による加圧力又は複数の加圧手段による加圧力の合力F0が可動金型 (10b) に作用する点G0とが一致し、かつ、射出成形時において複数の射出キャビティ (57) (56c)(56d) )内に充填される溶融樹脂の射出圧Pの合力F1が可動金型 (10b) に作用する点と、1つの加圧手段による加圧力F0又は複数の加圧手段による加圧力の合力F0が可動金型 (10b) に作用する点G0とが一致するように、射出プレスキャビティ(55)および射出キャビティ(57)を配置した、成形用金型(10)」である。
【0011】
この発明では、可動金型(10b)に作用するプレス圧の合力および射出圧の合力のいずれもが、加圧手段による加圧力と位置的にバランスする。つまり、射出プレス成形時および射出成形時のそれぞれにおいてキャビティ内の樹脂から成形用金型(10)に作用する圧力の合力と、加圧手段から成形用金型(10)に作用する加圧力とが一点においてバランスする。
【0012】
請求項2に記載した発明は、「固定金型 (10a) と可動金型 (10b) とによって1つの射出プレスキャビティ (55)(60a) および複数の射出キャビティ (57) (60b)(60c) )を構成し、可動金型 (10b) に連結された1又は複数の加圧手段によって射出プレス成形時の射出プレス圧および射出成形時の射出圧を保持する成形用金型 (10) であって、射出プレス成形時において1つの射出プレスキャビティ (55)((60a)) 内に充填される溶融樹脂によるプレス圧Pが可動金型 (10b) に作用する点と、1つの加圧手段による加圧力F0又は複数の加圧手段による加圧力の合力F0が可動金型 (10b) に作用する点G0とが一致し、かつ、射出成形時において複数の射出キャビティ (57) (60b)(60c) )内に充填される溶融樹脂の射出圧Pの合力F1が可動金型 (10b) に作用する点と、1つの加圧手段による加圧力F0又は複数の加圧手段による加圧力の合力F0が可動金型 (10b) に作用する点G0とが一致するように、射出プレスキャビティ (55) および射出キャビティ (57) を配置した成形用金型 (10) 」である。
請求項3に記載した発明は、「固定金型 (10a) と可動金型 (10b) とによって複数の射出プレスキャビティ (55) (62a)(62b) )および1つの射出キャビティ (57) (62c) )を構成し、可動金型 (10b) に連結された1又は複数の加圧手段によって射出プレス成形時の射出プレス圧および射出成形時の射出圧を保持する成形用金型 (10) であって、射出プレス成形時において複数の射出プレスキャビティ (55) (62a)(62b) )内に充填される溶融樹脂によるプレス圧Pの合力F1が可動金型 (10b) に作用する点と、1つの加圧手段による加圧力F0又は複数の加圧手段による加圧力の合力F0が可動金型 (10b) に作用する点G0とが一致し、かつ、射出成形時において1つの射出キャビティ (57) (62c) )内に充填される溶融樹脂の射出圧Pが可動金型 (10b) に作用する点と、1つの加圧手段による加圧力F0又は複数の加圧手段による加圧力の合力F0が可動金型 (10b) に作用する点G0とが一致するように、射出プレスキャビティ (55) および射出キャビティ (57) を配置した成形用金型 (10) 」である。
【0013】
これらの発明のように、射出プレスキャビティ(55)が一つで、射出キャビティ(57)が複数であってもよく、射出プレスキャビティ(55)が複数で、射出キャビティ(57)が一つであってもよい。
【0014】
請求項4に記載した発明は、請求項1から3の何れかに記載した成形用金型(10)において、「射出プレスキャビティ(55)と射出キャビティ(57)とが一体化された共用キャビティ(58)を備える」ことを特徴とするものである。
【0015】
この発明において、共用キャビティ(58)を構成する射出プレスキャビティ(55)(56a)と射出キャビティ(57)(56c)とは機能的に独立しているので、物理的に独立した他の射出プレスキャビティ(55)(56b)および射出キャビティ(57)(56c)との実質的な相違はない。
【0017】
【発明の効果】
請求項1〜4に記載した発明によれば、射出プレス成形時および射出成形時のそれぞれにおいて、キャビティ内の樹脂から成形用金型を構成する可動金型に作用する圧力の合力(射出プレスキャビティ或いは射出キャビティの何れか一方が1つの場合は可動金型に作用する圧力)と、加圧手段(油圧シリンダ等)から可動金型に作用する加圧力(加圧力が複数の場合はその合力)とが位置的にバランスする。したがって、射出プレスキャビティと射出キャビティのいずれにおいても、プレス圧および射出圧を均一に保持でき、バリなどの成形不良の発生を防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1および図2に示すこの発明の一実施例の成形用金型(10)は、射出プレス成形品と射出成形品とを同時に成形するために、図3に示すような射出成形機(12)に取り付けて用いられるものである。ここで、「射出プレス成形品」とは、射出プレスキャビティ(55)にて射出プレス成形された成形品をいい、「射出成形品」とは、射出キャビティ(57)にて射出成形された成形品をいい、「共用成形品」とは、共用キャビティ(58)(射出プレスキャビティ(55)と射出キャビティ(57)とが一体に形成されたものをいう)にて共用成形(共用キャビティ内にて射出プレスした後、更に樹脂を射出充填する成形方法をいう)された成形品をいうものとする。
【0019】
成形用金型(10)は、互いに協働して複数のキャビティ(56a)〜(56d)を構成する固定金型(10a)および可動金型(10b)を有し、各キャビティ(56a)〜(56d)の配置に本実施例の特徴がある。
【0020】
かかるキャビティ(56a)〜(56d)の配置は、射出成形機(12)から可動金型(10b)が受ける加圧力F0との関係において決定されるため、以下には、まず、射出成形機(12)の概要を説明し、その後、成形用金型(10)について詳述する。
【0021】
射出成形機(12)は、図3に示すように、固定盤(14)と基台(16)とを有し、固定盤(14)の上部には、複数(この実施例では4本)のタイバー(18)を介して型締装置(20)が連結される。また、固定盤(14)の上部には成形用金型(10)の固定金型(10a)が取り付けられ、タイバー(18)には可動ダイプレート(24)が摺動自在に取り付けられ、型締装置(20)には加圧手段としての油圧シリンダ(22)が取り付けられる。そして、可動ダイプレート(24)の固定金型(10a)と対向する面には、成形用金型(10)の可動金型(10b)が取り付けられ、型締装置(20)と対向する面には油圧シリンダ(22)を構成するピストン(26)が連結される。
【0022】
基台(16)には、射出機(28)が載置される。射出機(28)は、加熱シリンダ(30)を含み、加熱シリンダ(30)の内部には、スクリュー(32)が収納され、加熱シリンダ(30)の上部には、ホッパ(34)が取り付けられる。そして、加熱シリンダ(30)の先端に形成されたノズル(36)が、固定金型(10a)の側方部分に形成されたスプルーブッシュ(38)に接続される。
【0023】
なお、射出成形機の形式は、この実施例に限定されるものではなく、たとえば可動金型が横方向に移動する形式の射出成形機を利用しても構わない。
【0024】
成形用金型(10)は、上述したように、固定盤(14)に取り付けられた固定金型(10a)と可動ダイプレート(24)に取り付けられた可動金型(10b)とを含む。
【0025】
固定金型(10a)は、図1および図2に示すように、板状の金型本体(40)を含み、金型本体(40)の可動金型(10b)と対向する面には、可動金型(10b)に形成された型(44)(図2参照)と協働してキャビティ(56a)〜(56d)を構成する複数の型(この実施例では雌型)(46)と可動金型(10b)に形成されたガイドピン(54)に係合されるガイドピン用孔(42)(図1参照)とが形成される。そして、金型本体(40)の側面(射出機(28)と対向する面)には、スプルーブッシュ(38)(図3参照)が形成され、金型本体(40)の内部には、スプルーブッシュ(38)と各型(46)とを連通する複数のランナー(48)が形成される。さらに、各ランナー(48)には、溶融樹脂の射出開始時期と射出量とを調整するバルブゲート(50)が設けられる。
【0026】
可動金型(10b)は、図1および図2に示すように、板状の金型本体(52)を含み、金型本体(52)の固定金型(10a)と対向する面には、固定金型(10a)に形成された型(46)と協働してキャビティ(56a)〜(56d)を構成する複数の型(この実施例では雄型)(44)(図2参照)と固定金型(10a)に形成されたガイドピン用孔(42)に係合されるガイドピン(54)とが形成される。
【0027】
成形用金型(10)においては、上述したように、固定金型(10a)の型(46)と可動金型(10b)の型(44)とによってキャビティ(56a)〜(56d)が構成されるが、本実施例の成形用金型(10)では、キャビティ(56a)および(56b)が射出プレスキャビティ(55)とされ、キャビティ(56c)および(56d)が射出キャビティ(57)とされる。
【0028】
これらのキャビティ(56a)〜(56d)においては、図2に示すように、溶融樹脂の圧力P(射出圧やプレス圧)が可動金型(10b)における型(44)の内面に作用する。したがって、可動金型(10b)の全体に作用する圧力Pの合力F1が、油圧シリンダ(22)のピストン(26)による加圧力F0と位置的にバランスしていなければ、可動金型(10b)を閉じようとする加圧力F0と開こうとする合力F1とによって可動金型(10b)に対して剪断力が作用し、各キャビティ(56a)〜(56d)において溶融樹脂の圧力を均一に保持できない。
【0029】
そこで、この実施例では、射出プレスキャビティ(55)((56a)および(56b))と射出キャビティ(57)((56c)および(56d))とが、可動金型(10b)がピストン(26)から受ける加圧力F0との関係において、以下のように配置される。
【0030】
すなわち、図4に示すように、可動金型(10b)がピストン(26)から加圧力F0を受ける点をG0とし、この点G0を原点として、x−y座標系を想定する。そして、この座標系内において、射出プレスキャビティ(55)((56a)および(56b))を数1式に従って配置し、かつ、射出キャビティ(57)((56c)および(56d))を数2式に従って配置する。
【0031】
ただし、数1式および数2式における「合力作用点」とは、各キャビティ(56a)〜(56d)において合力f(圧力P×面積S:以下同じ)が作用する点をいい、この実施例では、各キャビティ(56a)〜(56d)を座標系に正投影して得られた図形(以下、「正投影図形」という)の重心と一致する。
【0032】
[数1]
Xa×P×Sa=Xb×P×Sb
Ya×P×Sa=Yb×P×Sb
Xa:原点G0からキャビティ(56a)の合力作用点Gaまでのx軸方向距離
Xb:原点G0からキャビティ(56b)の合力作用点Gbまでのx軸方向距離
Ya:原点G0からキャビティ(56a)の合力作用点Gaまでのy軸方向距離
Yb:原点G0からキャビティ(56b)の合力作用点Gbまでのy軸方向距離
Sa:キャビティ(56a)に対応する正投影図形の面積
Sb:キャビティ(56b)に対応する正投影図形の面積
P :型(46)の内面に作用する圧力(プレス圧)
[数2]
Xc×P×Sc=Xd×P×Sd
Yc×P×Sc=Yd×P×Sd
Xc:原点G0からキャビティ(56c)の合力作用点Gcまでのx軸方向距離
Xd:原点G0からキャビティ(56d)の合力作用点Gdまでのx軸方向距離
Yc:原点G0からキャビティ(56c)の合力作用点Gcまでのy軸方向距離
Yd:原点G0からキャビティ(56d)の合力作用点Gdまでのy軸方向距離
Sc:キャビティ(56c)に対応する正投影図形の面積
Sd:キャビティ(56d)に対応する正投影図形の面積
P :型(46)の内面に作用する圧力(射出圧)
数1式および数2式に従って各キャビティ(56a)〜(56d)を配置すると、可動金型(10b)の全体に作用する圧力Pの合力F1が油圧シリンダ(22)(ピストン(28))による加圧力F0と位置的にバランスする。すなわち、各キャビティ(56a)〜(56d)において合力fによって観念されるモーメント(原点G0を中心とするもの)が釣り合うこととなり、加圧力F0の作用線と合力F1の作用線とが一致する。
【0033】
したがって、可動金型(10b)には、原点G0を中心としてこれを回転させようとする力は作用せず、各キャビティ(56a)〜(56d)において射出圧およびプレス圧を均一に保持できる。
【0034】
なお、この実施例では、可動金型(10b)を開こうとする圧力Pが作用する面(以下、「加圧面」という)を型開方向に対して直交させているため、各キャビティ(56a)〜(56d)においては、正投影図形の重心と合力作用点とが一致する。しかし、加圧面が型開方向に対して傾斜している場合には、正投影図形の重心と合力作用点とは一致しなくなるおそれがあり、そのため、合力作用点の決定には注意を要する。
【0035】
以下には、図5のタイミングチャートに従って、成形用金型(10)を用いて複数の射出プレス成形品と複数の射出成形品とを同時に成形する方法について説明する。
【0036】
成形用金型(10)を射出形成機(12)に装着して射出成形機(12)の駆動スイッチをONすると、まず、成形用金型(10)の型閉動作が開始され、可動金型(10b)が閉方向へ変位される。そして、成形用金型(10)が完全に閉じられる前の所定のタイミングで射出プレス成形工程が開始される。つまり、所要量の溶融樹脂が射出プレスキャビティ(55)((56a)および(56b))内に射出され、可動金型(10b)がさらに閉方向へ変位されて溶融樹脂がプレスされる。射出プレス成形工程では、バルブゲート(50)が操作されることによって射出キャビティ(57)((56c)および(56d))への溶融樹脂の射出が禁止され、射出プレスキャビティ(55)((56a)および(56b))への射出圧は低圧に設定される。
【0037】
そして、成形用金型(10)が完全に閉鎖されると、次の射出成形工程が開始される。つまり、バルブゲート(50)が操作されることによって射出プレスキャビティ(55)((56a)および(56b))への溶融樹脂の射出が禁止され、射出キャビティ(57)((56c)および(56d))内へ溶融樹脂が射出される。この工程では、射出プレス成形工程よりも溶融樹脂の射出圧が高圧に設定される。溶融樹脂が射出キャビティ(57)((56c)および(56d))内に充填された後は、保圧のために射出が所定時間継続される。
【0038】
次の冷却工程では、成形用金型(10)を閉じた状態のままで、溶融樹脂が冷却・硬化される。溶融樹脂が完全に硬化されると、成形用金型(10)の型開動作が開始され、可動金型(10b)が開方向へ変位される。そして、成形品が型から離型される。
【0039】
この実施例によれば、一つの成形用金型(10)を用いて、射出プレス成形と射出成形とを連続的に実行できるので、射出プレス成形品と射出成形品とを成形するために、複数の成形用金型を準備する必要はない。したがって、設備コストを大幅に低減できる。
【0040】
また、射出プレス成形時および射出成形時のそれぞれにおいて、キャビティ(56a)〜(56d)内の溶融樹脂から可動金型(10b)の全体に作用する圧力Pの合力F1と、加圧手段としてのピストン(28)から可動金型(10b)に作用する加圧力F0とを位置的にバランスさせることができるので、複数のキャビティ(56a)〜(56d)のいずれにおいても、プレス圧および射出圧を均一に保持できる。したがって、バリなどの成形不良の発生を防止できる。
【0041】
また、射出プレス成形工程では、ピストン(28)による所定の加圧力で溶融樹脂を加圧し、射出成形工程では、ピストン(28)による所定の保持力で溶融樹脂の射出圧を保持し、それぞれの段階で成形品を得るようにしているので、ピストン(28)の能力を時間的に前後した2つの工程において有効に活用することができる。したがって、同じ能力の油圧シリンダ(22)(ピストン(28))を用いて射出プレス成形または射出成形のいずれか一方のみを実行する場合に比べて、一工程で成形できる成形品の総投影面積を大幅に増やすことができる。
【0042】
なお、上述の実施例では、各キャビティ(56a)〜(56d)の合力作用点Ga〜Gdをx軸方向およびy軸方向の両方向において互いにずらして配置しているが、たとえば図6に示すように、各合力作用点Ga〜Gdをx軸上(またはy軸上)に配置してもよい。
【0043】
また、上述の実施例では、一つの油圧シリンダ(22)によって可動金型(10b)の中心に加圧力F0を付与するようにしているが、たとえば、複数の油圧シリンダ(22)によって可動金型(10b)の周縁部に加圧力を付与するようにしても良い。この場合には、各油圧シリンダ(22)(ピストン(26))による加圧力の合力F0が作用する点がG0とされる。
【0044】
また、加圧手段としては、油圧シリンダ(22)に代えて、モータにより駆動されるトグル機構や、エアシリンダ等であってもよい。
【0045】
また、たとえば図6に示すように、射出プレスキャビティ(55)(56a)と射出キャビティ(57)(56c)とを共用キャビティ(58)として一体に形成してもよい。この共有キャビティ(58)においても、射出プレスキャビティ(55)(56a)と射出キャビティ(57)(56c)とは機能的に独立しているので、これらについて上述の数1式および数2式をそのまま適用できる。
【0046】
そして、上述の各実施例では、射出プレスキャビティ(55)および射出キャビティ(57)(共用キャビティ(58)を構成するものを含む)の数が複数の場合を示したが、射出プレスキャビティ(55)または射出キャビティ(57)の一方は一つであってもよい。たとえば、図7に示すように、射出プレスキャビティ(55)(60a)が一つで、射出キャビティ(57)((60b)(60c))が二つであってもよいし、図8に示すように、射出プレスキャビティ(55)((62a)(62b))が二つで、射出キャビティ(57)(62c)が一つであってもよい。
【0047】
また、たとえば、図7実施例において、射出プレスキャビティ(55)(60a)と二つの射出キャビティ(57)((60b)(60c))のうちいずれか一方を共用キャビティ(図示せず)として一体に形成してもよいし、図8実施例において、二つの射出プレスキャビティ(55)((62a)(62b))のうちいずれか一方を共用キャビティ(図示せず)として一体に形成してもよい。
【0048】
このように、射出プレスキャビティ(55)または射出キャビティ(57)の一方が一つの場合でも、上述の数1式および数2式をそのまま適用できることは言うまでもない。
【0049】
さらに、射出プレス成形工程においては、溶融樹脂を射出プレスキャビティ(55)内に射出しながらプレスする方法に代えて、溶融樹脂を射出し終わった後にプレスする方法を採用してもよい。
【0050】
なお、本発明において使用する樹脂の種類は特に限定されるものではない。
[試作品による実用性検証]
発明者等は、図6実施例の成形用金型(10)を以下の条件(a)〜(d)に従って試作したところ、目的形状の成形品を得られることを確認できた。
【0051】
(a)射出プレスキャビティ(55)(56b):
正投影図形の面積Sb=4100cm2
合力作用点Gb(x,y)=(−61,0)
(b)射出キャビティ(57)(56d):
正投影図形の面積Sd=1100cm2
合力作用点Gd(x,y)=(−843,0)
(c)共用キャビティ(58)に含まれる射出プレスキャビティ(56a):
正投影図形の面積Sa=1300cm2
合力作用点Ga(x,y)=(193,0)
(d)共用キャビティ(58)に含まれる射出キャビティ(56c):
正投影図形の面積Sc=1100cm2
合力作用点Gc(x,y)=(843,0)
(e)射出成形機:
型締め力 670ton
(f)材料:
MI(メルトフローインデックス)=20g/10min
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の成形用金型を示す斜視図である。
【図2】 図1実施例の成形用金型を示す部分断面図である。
【図3】 図1実施例の成形用金型が適用された射出成形機を示す図である。
【図4】 図1実施例における各キャビティの配置状態を示す図である。
【図5】 本発明の一実施例の成形方法を示すタイミングチャートである。
【図6】 各キャビティの他の配置状態を示す図である。
【図7】 各キャビティのさらに他の配置状態を示す図である。
【図8】 各キャビティのさらに他の配置状態を示す図である。
【符号の説明】
(10)…成形用金型 (10a)…固定金型 (10b)…可動金型
(12)…射出成形機
(14)…固定盤
(16)…基台
(18)…タイバー
(20)…型締装置
(22)…油圧シリンダ
(24)…可動ダイプレート
(26)…ピストン
(28)…射出機
(38)…スプルーブッシュ
(48)…ランナー
(50)…バルブゲート
(44),(46)…型
(56a),(56b)…射出プレスキャビティ
(56c),(56d)…射出キャビティ

Claims (4)

  1. 固定金型と可動金型とによって複数の射出プレスキャビティおよび複数の射出キャビティを構成し、前記可動金型に連結された1又は複数の加圧手段によって射出プレス成形時のプレス圧および射出成形時の射出圧を保持する成形用金型であって、
    射出プレス成形時において前記複数の射出プレスキャビティ内に充填される溶融樹脂によるプレス圧の合力が前記可動金型に作用する点と、前記1つの加圧手段による加圧力又は前記複数の加圧手段による加圧力の合力が前記可動金型に作用する点とが一致し、かつ、射出成形時において前記複数の射出キャビティ内に充填される溶融樹脂の射出圧の合力が前記可動金型に作用する点と、前記1つの加圧手段による加圧力又は前記複数の加圧手段による加圧力の合力が前記可動金型に作用する点とが一致するように、前記射出プレスキャビティおよび前記射出キャビティを配置した成形用金型。
  2. 固定金型と可動金型とによって1つの射出プレスキャビティおよび複数の射出キャビティを構成し、前記可動金型に連結された1又は複数の加圧手段によって射出プレス成形時のプレス圧および射出成形時の射出圧を保持する成形用金型であって、
    射出プレス成形時において前記1つの射出プレスキャビティ内に充填される溶融樹脂によるプレス圧が前記可動金型に作用する点と、前記1つの加圧手段による加圧力又は前記複数の加圧手段による加圧力の合力が前記可動金型に作用する点とが一致し、かつ、射出成形時において前記複数の射出キャビティ内に充填される溶融樹脂の射出圧の合力が前記可動金型に作用する点と、前記1つの加圧手段による加圧力又は前記複数の加圧手段による加圧力の合力が前記可動金型に作用する点とが一致するように、前記射出プレスキャビティおよび前記射出キャビティを配置した成形用金型。
  3. 固定金型と可動金型とによって複数の射出プレスキャビティおよび1つの射出キャビティを構成し、前記可動金型に連結された1又は複数の加圧手段によって射出プレス成形時のプレス圧および射出成形時の射出圧を保持する成形用金型であって、
    射出プレス成形時において前記複数の射出プレスキャビティ内に充填される溶融樹脂によるプレス圧の合力が前記可動金型に作用する点と、前記1つの加圧手段による加圧力又は前記複数の加圧手段による加圧力の合力が前記可動金型に作用する点とが一致し、かつ、射出成形時において前記1つの射出キャビティ内に充填される溶融樹脂の射出圧が前記可動金型に作用する点と、前記1つの加圧手段による加圧力又は前記複数の加圧手段による加圧力の合力が前記可動金型に作用する点とが一致するように、前記射出プレスキャビティおよび前記射出キャビティを配置した成形用金型。
  4. 前記射出プレスキャビティと前記射出キャビティとが一体化された共用キャビティを備える、請求項1から3の何れかに記載の成形用金型。
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