JP3097906U - 複合成形に用いる射出成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【技術課題】型締めを行ったままスライドコアを移動できる複合成形に用いる射出成形用金型を提供する。
【解決手段】固定側金型2には、第一キャビティAに続く第一ゲート16を形成すると共にこのゲート16に離れて二次成形用ゲート13を形成し、可動側金型5には、その分割面5aに対して斜め下向き方向へ移動自在であって、前進して前記第一キャビティAの一部と第二スプルー4を閉塞し、後退してキャビティAの一部と第二スプルー4を開く第一スライドコア6を設けると共に、上面に前記第一キャビティAに続く第二キャビティBを形成する第二スライドコア9を設ける。一次成形は、第一キャビティAで行い、次いで、前記第一スライドコア6を後退させた後、第二スライドコア9を前進させて第一キャビティAの一部に第二キャビティBを連通させて第二ゲート13から樹脂を第二キャビティB内に充填する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、射出成形用金型を用いて成形品の一部を成形した後、更にこの一次成形品に一体に続く二次成形品を成形することにより、複合的な形状の成形品を成形したり、あるいは樹脂の種類を変えた二色成形と称される成形品を成形するための金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
複合成形品の射出成形用金型としては、特許第3051901号公報に掲載されたものが公知である。この公知例に係る金型は、図15に示すように、固定側50と可動側51とからなる射出成形用金型であって、固定側50には、第一ゲート52を介して第一キャビティ53の一端に連通する第一樹脂用の第一スプル54と、第一キャビティ53の他端から外れて可動側51との境界面55に開口する第二樹脂用の第二スプル56とを設け、可動側51と固定側50との境界部57には、型開き方向と直交方向に進退可能なスライド駒58を設け、該スライド駒58は、前進時に前記第一キャビティ53の他端53a及び第二スプル56を封じて一次成形品(部)の成形を可能とし、後退時に該第一キャビティ53の他端53a及び第二スプル56を開放し、ここに型締め方向と同一方向に進退可能な第二スライド駒59を前進させて第二キャビティ60と第二ゲート61、ランナ62、第二スプル56を連通させ、二次成形品(部)を成形可能とした構成である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記金型の場合、進退可能な第一スライド駒58は、型開き方向と直交方向にスライドして進退する構造のため、次のような問題がある。
1.第一スライド駒58がスライドするタイミングは、型締めの状態時であることから、この第一スライド駒58に型締め圧がかかる。このため、第一スライド駒58を駆動する時には、一旦型締めを弛め、第二スライド駒59が上昇するときには再び型締めを行うことが必要であり、このために成形に時間がかかる。
2.第一スライド駒58は、そのスライドストローク全部において第一キャビティ53の他端53a及び第二スプル56を封じながら分割面を摺動するため、第一キャビティ53の他端53aと第二スプル56がその境界部において第一スライド駒53に接触し、カジリが発生したりしてスムーズに移動ができなくなることがあり、このために金型のメンテナンスを多く必要としたり、駆動シリンダー63を大型化するなどの必要がある。
本考案は、斯る点に鑑みて提案されるものであって、その目的は、スライドコア(駒)が受ける型締め圧の影響を軽減することによりいちいち型締め圧を緩めたりしないで済むように構成して成形時間を短縮し、且つカジリ等の発生を抑制することにより駆動シリンダーを小型化することができる複合成形に用いる射出成形用金型を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の考案においては、複合成形に用いる射出成形用金型において、固定側金型と可動側金型を型締めして複合成形用のキャビティを形成する射出成形用金型において、前記固定側金型には、前記第一キャビティに続く第一スプルーを形成すると共にこの第一スプルーに離れて第二スプルーを形成し、可動側金型には、その分割面に対して斜め下向き方向へ移動自在であって、前進して前記第一キャビティの一部と第二スプルーを閉塞し、後退して第一キャビティの一部と第二スプルーを開く第一スライドコアを設けると共に、型締め方向と同一方向へ移動自在であって、上面に前記第一キャビティに続く第二キャビティを形成すると共に前記二次スプルーに連通する第二ゲートを形成した第二スライドコアを設け、一次成形は、前記第一キャビティと第一スライドコアで行い、次いで、前記第一スライドコアを後退させた後、第二スライドコアを前進させて第一キャビティの一部に続いて第二キャビティを形成し、前記第二ゲートから樹脂を第二キャビティ内に充填することにより、第一キャビティ内の成形部の一部に二次成形部を複合させることを特徴としたことを特徴とするものである。
【0005】
更に、請求項2に記載の考案においては、請求項1に記載の考案において、固定側金型と可動側金型の分割面であって、この固定側金型又は可動側金型又はその双方に、第一スライドコアが前進又は後退する移動範囲に逃げを設けることにより、型締め圧が第一スライドコアへ直接かからないように構成したことを特徴とするものである。
【0006】
更に、請求項3に記載の考案においては、請求項1に記載の考案において、第一キャビティを形成する第一スライドコアの一部に、第一キャビティ内に突出する凸部を設けて一次成形品に凹部を形成した後、前記第一スライドコアが後退した後の空間に第二スライドコアを前進させて、第二キャビティを形成し、この第二キャビティ内に二次樹脂を充填して前記凹部へ二次樹脂を侵入させることにより、前記凹部周囲の成形部は外へ向かって広がり周囲の一次樹脂を第一キャビティ面に押し付ける。したがって、一次樹脂と第一キャビティ面は密着し二次樹脂が一次樹脂と第一キャビティ面の間に漏れることを防ぐ効果をもたらすことができる。更に、一次成形部と二次成形部の接着強度を高めるように構成したことを特徴とするものである。
【0007】
更に、請求項4に記載の考案においては、請求項1に記載の考案において、保圧は、二次樹脂充填後に第二スライドコアを前進させた状態で一次樹脂へかけることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】
請求項1に記載の複合成形に用いる射出成形用金型は、金型の分割面に対して斜め下方向へ移動する第一スライドコアと、型締め方向への移動及び型締め方向と反対方向へ移動して第二キャビティを形成する凹部を設けた第二スライドコアを備える。分割面に対する斜め下方向の角度(λ:摩擦角度)は次の式から導き出される。
tanλ=F/N=μ  (1)式より
λ=tan−1μ      (2)式
F:金型型締めによる圧力  (図1参照)
N:面直力         (図1参照)
μ:摩擦係数
λ:摩擦角度        (図1参照)
【0009】
例えば、一般的な射出成形用金型の様に、金属と金属との場合、μは0.15〜0.20(「JISにもとづく機械設計製図便覧」より 理工学社編)から、λは8.53°〜11.3°である時が、高圧型締めがかかっていても第一スライドコアをぬくことができる。また、最小の力で成形圧による第一スライドコアの下がりを防止することができる。すなわち、第一スライドコアを移動させるシリンダー等を最小にすることが可能になる。
更に、前記第一スライドコアが後退した後の空間に第二スライドコアを移動し、前記凹部が第一キャビティにつながることにより形成される第二キャビティにて二次成形を行う。
【0010】
請求項2に記載の複合成形に用いる射出成形用金型は、請求項1記載の射出成形用金型において、固定側金型と可動側金型との分割面(押し切り面)において、第一スライドコアが位置する相当の場所へ隙間を形成した。隙間の形成方法としては、固定側金型或いは可動側金型又はこの双方に窪んだ段部を設ける方法や、両方に段部を設ける方法など選択することが出来る。前記隙間の作用により第一スライドコアに直接型締め圧がかかることを防ぐことができ、第一スライドコアの移動に対する負荷が軽減できる。
【0011】
更に、請求項3に記載の複合成形に用いる射出成形用金型は、第一スライドコアにおける第一キャビティ形成構成部分へ第一キャビティ内に突出する凸部を設ける。凸部の形状としては任意だが、断面が三角形でかつ稜の角度が第一スライドコアの傾斜角度と一致することがスライドへの負荷を考えた場合望ましい。
一次成形部には前記突起による凹部が形成され、二次成形時に二次樹脂が凹部へ侵入することにより一次成形部を第二キャビティ面へ押し付ける。したがって、一次成形部が第一キャビティ面に密着するため一次成形部と第一キャビティ面の間に二次樹脂が漏れて入り込むことを防ぐことができる。
【0012】
更に、請求項4に記載の射出成形方法は、一次樹脂に対する保持圧力を第一スライドコア及び第二スライドコアが移動した後にかける方法である。
保持圧力とは、ゲートが完全にシールされるまで適正量の樹脂を第一及び第二キャビティ内に圧縮したままの状態で保持し、ウエルドやヒケなどの不具合を防止するため重要な工程である。
【0013】
従来、スライドコアを移動する場合、型締め圧を解除してからスライドコアを移動しその後再度型締めを行っている。したがって、二次樹脂の充填まで時間がかかるので事前に一次樹脂へ保持圧力をかけて固化させる必要がある。それを行わないとキャビティから樹脂が漏れたり、また、適正に樹脂がキャビティ内に行き渡らないので前記の様な不具合が生じる。
本考案では、型締め圧を解除する必要が無いので瞬時(1〜2秒)に第一スライドコアを移動することが出来る。それは、第一樹脂がキャビティに充填された時すでにスキン層が形成し始めるため、瞬時であれば、樹脂がキャビティから漏れ出すことはないからである。したがって、その後一次樹脂へ保持圧力を掛けても品質的に問題が生じない。
その結果、第一スライドコアへの負荷の一要素である保持圧力の影響を無くすることができると共に、一次樹脂への保持圧力を二次成形と同時に行えるので成形時間の短縮が図れる。
【0014】
【実施例1】
実施例1では請求項1及び請求項2の実施例を説明する。図1は実施例1による一次成形時の射出成形用金型の断面図、図2は二次成形時の射出成形用金型の断面図、第3図は可動側金型から見た段部(隙間)部分の説明図、図4は実施例1の射出成形用金型で成形した複合成形品である。
図1に基づいて実施例1の複合成形に用いる射出成形用金型について説明すると、1は射出成形装置へ取り付ける固定側金型取付板であり、固定金側型取付板1の一方へは固定側金型2を取り付けている。固定側金型2には、一次成形用の第一スプルー3と二次成形用の第二スプルー4が設けられている。また、一次成形用の第一キャビティAをなす凹部が形成されている。
【0015】
一方、固定側金型2と相対する可動側金型5へは、分割面5aに対し斜め下方向へ移動する第一スライドコア6が具備され、第一スライドコア6は第一スライドコア6を収納する第一スライドコア用ガイド7、第一スライドコア6とシリンダー8を連結するシャフト8aにより第一スライドコア用ガイド7内を進退自由に移動することができる。なお、シリンダー8は引き力が2000Nタイプのものを用いた。
さらに、分割面5a方向へ移動する第二スライドコア9が具備され、第二スライドコア9は、第二スライドコア9を収納する第二スライドコア用ガイド10、第二スライドコア9とシリンダー11を連結するシャフト11aにより第二スライドコア用ガイド10内を進退自由に移動することができる。
【0016】
さらに、第二スライドコア9には、図2に示す様に第二スライドコア9が前進した時第二スプルー4と繋がる第二ランナー12及び第二ゲート13そして第二キャビティ(B)が形成されている。
実施例1において第一スライドコア6と可動側金型5の分割面5aの角度(λ)は、作用で説明した(2)式により、9度としている。
また、可動側金型5へは、型締め時に固定側金型2の凹部により形成される第一キャビティAと第一スプルー3とを連結する第一ランナー15、第一ゲート16が形成されている。
【0017】
さらに、可動側金型5における分割面5aとしての押し切り面(固定側金型と当接する面)には、可動側金型5内部の第一スライドコア用ガイド7の位置に相当する部分へ段部を形成し、型締め時に固定側金型2との間に隙間17が出来るようにした。実施例1ではこの隙間17を1mmとした。この隙間17より、型締め圧が直接第一スライドコア6にかからない効果を生むことができる。図3は隙間17を押し切り面からみた図である。この図から分かるように、少なくても第一スライドコア用ガイド7の面より隙間17の面積は大きい事が望ましい。
以上説明した可動側金型5は、スペーサーブロック18を介して可動側取付板19に取り付けられる。
【0018】
次に、実施例1による複合成形用の射出成形用金型を用いた射出成形方法について説明する。成形する製品の形状を図4に示す。本成形品100は、一次成形部(一次樹脂)101にポリプロピレン樹脂(PP J−5066 出光石油化学株式会社)を用い、二次成形部(二次樹脂)102にエラストマー材(8201−60 AES JAPAN株式会社)を用いた複合成形品である。
先ず、固定側金型2と第一スライドコア6が前進している可動側金型5を型締めする。この時の型締め力は2.2MNである。
【0019】
その結果、図5に示す様に固定側金型2の凹部と可動側金型5と第一スライドコア6にて第一キャビティAが形成される。また、第二スプルー4は第一スライドコア6で封じている。
以上の状態で一次樹脂を外部の射出装置より、第一スプルー3、第一ランナー15、第一ゲート16を通って第一キャビティAへ充填させる(図5)。第一キャビティAが一次樹脂で充満された後樹脂の充填を止め、保圧を適宜な時間かけた後、型締め力を維持したまま、第一スライドコア6をシリンダー8により後退させる。
【0020】
次に図6に示すように、後退したことにより生じた空間へ第二スライドコア9をシリンダー11により上昇させると、固定側金型の第二スプルー4と第二ランナー12が接続されると共に第二キャビティBは一次樹脂と通じることになる。以上の状態で二次樹脂を外部の射出成形機より第二スプルー4、第二ランナー12、第二ゲート13を通って第二キャビティBへ充填する(図7)。一次樹脂と二次樹脂との接合面は二次樹脂の熱により一次成形部が溶融し、二次樹脂と融合する。二次樹脂の充填後保圧をかけ、次に冷却後金型の型締め圧を解いて射出成形用金型を開くと図4に示す一次成形部101と二次成形部102が一体となった成形品100を得ることができる。
本実施例では、第一スライドコア6を型締め圧を掛けたままで移動できたため、従来の様にスライドコアを移動する時、一時型締め圧を低下させ、移動後再度型締め圧を上昇させる時間を必要とせず、成形時間の短縮が図れた。
表1に実施例1の工程時間を示す。
【0021】
【比較例1】
比較例として従来の複合成形方法について説明する。
図15は従来の複合成形に用いる射出成形用金型の断面図である。第一スライドコア58は金型の型締め方向と直交方向へ進退可能に設置されている。
この場合、第一スライドコア58が移動する時、型締め圧が継続しているため金型が撓み、その影響により第一スライドコア58へ周囲から圧力が負荷されることになる。
その結果、第一スライドコア58が動かなくなったり、連続的に成形を繰り返しているうちに、カジリ等にて第一スライドコア58の表面が損傷しはじめついには進退出来なくなったりする現象が発生する場合がある。
【0022】
以上の理由により、第一スライドコア58への型締め圧の影響を無くするため第一スライドコア58が移動する時、一旦型締め圧を解除するかまたは軽減するなどを行う必要がある。そのため、型締め圧解除、第一スライドコア58移動、再型締め昇圧工程の時間が余分にかかった。
さらに、型締め圧を開放するため、溶融した樹脂が漏れ出さないように有る程度固化がすすむことが必要であり、その保持シール時間も一次成形時間として加味されていた。
表1に比較例1の工程時間を示す。
【表1】
Figure 0003097906
【0023】
【実施例2】
実施例2では、請求項3に対応する実施例を説明する。図8は一次成形時の第一キャビティA部拡大図、図9は第一キャビティAへ一次樹脂を充填した第一キャビティA部の拡大図、図10は2次成形時の第二キャビティ部Bの拡大図である。図11は第二キャビティBへ二次樹脂を充填した第二キャビティB部の拡大図である。
実施例2の第一スライドコア6は、図8に示す様に第一キャビティAを形成する部分に断面が三角形の凸部20を形成している。凸部20は三角形のため、この稜の角度を第一スライドコア6の傾斜角度に合わせると、逃げ角となり、第一スライドコア6を容易に引き抜くことができる。
その結果、一次樹脂を充填すると図10の様に一次成形部101の一部に凸部20に相当する凹部21が形成される。
【0024】
次に、第一スライドコア6を後退させ、第二スライドコア9を上昇させると前記凹部21を含む第二キャビティBが形成される(図10)。
前記第二キャビティBに実施例1同様、二次樹脂を充填する(図11)。二次樹脂は凹部21へも入り込み一次樹脂と二次樹脂との接合面は二次樹脂の熱により一次樹脂が溶融し、二次樹脂と融合する。また、凹部21へ入り込んだ二次樹脂により凹部21付近の一次樹脂は第二キャビティB面に押し付けられるので、一次樹脂が第一キャビティA面に密着し二次樹脂がはみ出すことを防ぐことができる(図12)。
二次樹脂の充填後保圧し冷却後金型の型締め圧を解いて射出成形用金型を開いて一体になった成形品を取り出すことができた。
図13へ一次成形部101と二次成形部102との溶着部の拡大を示す。
さらに実施例2では、1次樹脂へ第一スライドコア6の凸部20により生じる凹部21を形成したため、接合面の面積が広くなりその結果、一次成形部101と二次成形部102の接着力がより高くなる効果が得られる。
【0025】
【比較例2】
比較例1と同様の従来の射出成形用金型を用いて複合成形を行った。
その時、図14に示すように一次成形部101と第一キャビティA面に二次樹脂が入り込む樹脂漏れ30が発生した。これは、一次樹脂へ二次樹脂の樹脂圧がかかり一次樹脂と第一キャビティA面との接触部へ二次樹脂が入り込んだことによるものである。
【0026】
【実施例3】
実施例3では、請求項4に対応する実施例を説明する。実施例3の射出成形工程としては、
型締め→一次成形(保持圧力はせず)→第一スライドコア6移動→二次成形(一次樹脂へ保持圧力)→二次樹脂へ保持圧力→型開き
とした。
つまり、一次樹脂への保持圧力をかける時は、第一スライドコア6が移動した後としている。第一キャビティAへ射出された一次樹脂はキャビティ面に接触するとともにスキン層が形成されていく。したがって、第一キャビティ内の一次樹脂は表面に膜ができ、1〜2秒程度の時間で有ればキャビティの一部が開放されても膜が破れて樹脂が流れ出すことはない。この点、従来の成形方法では、スライドコアが入れ替わる時、型締め圧を開放した後再度昇圧しなければならないため5秒程度かかる。したがって、一次成形品がある程度硬化していないと変形したり樹脂が漏れ出たりする不具合が発生するため、一次樹脂充填後保圧をかけて固化する時間を必要としていた。
その結果、一次樹脂への保持圧力を二次成形と同時に行えるので、成形時間の短縮を図れた。
【0027】
【考案の効果】
本考案は以上のように第一スライドコアを分割面から斜め下方、すなわち逃げる方向に移動自在としたことにより、次の効果を奏する。
1.請求項1によると、型締め圧開放及び再昇圧の時間がいらないと共にスライドコアを移動させる駆動力を低減できる。
さらに、一次樹脂充填後まだ未硬化の内に二次樹脂を直ぐ充填できるため、一次成形部と二次成形部との融合が高まり、従来より高い接着強度が得られる。
2.請求項2によると、固定側金型と可動側金型との分割面(押し切り面)において、第一スライドコアが位置する相当の場所へ隙間を形成したことにより、第一スライドコアに直接型締め圧がかかることを防ぐことができ、第一スライドコアの移動に対する負荷が軽減できる。
3.請求項3によると、一次成形部と二次成形部との接合面に凹部を形成したため一次樹脂がキャビティ面に密着でき、二次樹脂のはみ出しを防ぐことが出来ると共に、一次成形部と二次成形部との接着力向上を得ることができる。
4.請求項4によると、高品質な複合成形品を得ることができると共に、更に成形時間の短縮を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る金型の説明図。
【図2】第一スライドコアが後退し、第二スライドコアが前進して第二キャビティを形成した状態の説明図。
【図3】可動側金型から見た段部(隙間)部分の説明図。
【図4】本考案に係る金型で成形された成形品の説明図。
【図5】第一キャビティで一次成形している状態の説明図。
【図6】第一スライドコアが後退し、第二スライドコアが前進して第二キャビティを形成した状態の説明図。
【図7】第二キャビティ内に二次樹脂を充填した状態の説明図。
【図8】第一スライドコアに凸部を形成した例の説明図。
【図9】一次成形品に凹部を形成した例の説明図。
【図10】二次成形時の説明図。
【図11】二次樹脂充填時の説明図。
【図12】樹脂漏れの説明図。
【図13】一次成形部と二次成形部の接合部の説明図。
【図14】樹脂漏れが発生した状態の説明図。
【図15】公知例の説明図。
【符号の説明】
1 固定側取付板
2 固定側金型
3 第一スプルー
4 第二スプルー
5 可動側金型
5a 分割面
6 第一スライドコア
7 第一スライド用ガイド
8 シリンダー9 第二スライドコア
10 第二スライド用ガイド
11 シリンダー
11a シャフト
12 第二ランナー
13 第二ゲート
15 第一ランナー
16 第一ゲート
17 隙間(段部)
18 スペーサブロック
19 可動側取付板
20 凸部
21 凹部
A 第一キャビティ
B 第二キャビティ

Claims (4)

  1. 固定側金型と可動側金型を型締めして複合成形用のキャビティを形成する射出成形用金型において、前記固定側金型には、前記第一キャビティに続く第一スプルーを形成すると共にこの第一スプルーに離れて第二スプルーを形成し、可動側金型には、その分割面に対して斜め下向き方向へ移動自在であって、前進して前記第一キャビティの一部と第二スプルーを閉塞し、後退して第一キャビティの一部と第二スプルーを開く第一スライドコアを設けると共に、型締め方向と同一方向へ移動自在であって、上面に前記第一キャビティに続く第二キャビティを形成すると共に前記二次スプルーに連通する第二ゲートを形成した第二スライドコアを設け、一次成形は、前記第一キャビティと第一スライドコアで行い、次いで、前記第一スライドコアを後退させた後、第二スライドコアを前進させて第一キャビティの一部に続いて第二キャビティを形成し、前記第二ゲートから樹脂を第二キャビティ内に充填することにより、第一キャビティ内の成形部の一部に二次成形部を複合させることを特徴とした複合成形に用いる射出成形用金型。
  2. 固定側金型と可動側金型の分割面であって、この固定側金型又は可動側金型又はその双方に、第一スライドコアが前進又は後退する移動範囲に逃げを設けることにより、型締め圧が第一スライドコアへ直接かからないように構成したことを特徴とする請求項1記載の複合成形に用いる射出成形用金型。
  3. 第一キャビティを形成する第一スライドコアの一部に、第一キャビティ内に突出する凸部を設けて一次成形品に凹部を形成した後、前記第一スライドコアが後退した後の空間に第二スライドコアを前進させて、第二キャビティを形成し、この第二キャビティ内に二次樹脂を充填して前記凹部へ二次樹脂を侵入させることにより、一次樹脂の樹脂漏れを防ぐと共に一次成形部と二次成形部の接着強度を高めるように構成したことを特徴とする請求項1記載の複合成形に用いる射出成形用金型。
  4. 保圧は、二次樹脂充填後に第二スライドコアを前進させた状態で一次樹脂へかけることを特徴とする請求項1記載の複合成形に用いる射出成形用金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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