JPH0628253Y2 - 電動式射出成形機の保圧制御装置 - Google Patents

電動式射出成形機の保圧制御装置

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JPH0628253Y2
JPH0628253Y2 JP3735091U JP3735091U JPH0628253Y2 JP H0628253 Y2 JPH0628253 Y2 JP H0628253Y2 JP 3735091 U JP3735091 U JP 3735091U JP 3735091 U JP3735091 U JP 3735091U JP H0628253 Y2 JPH0628253 Y2 JP H0628253Y2
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正昭 吉田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、サーボモーターを射出
スクリューの駆動源として用いる電動式射出成形機の保
圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般の射出成形機は、油圧シリンダー等
のアクチュエーターで射出スクリューを往復移動させ、
この射出スクリューを前進移動させることによって射出
スクリューの先端側の溶融樹脂を金型内に充填するよう
にしている。
【0003】このような射出成形機においては、射出ス
クリューを前進移動させて樹脂を金型内に充填したのち
に、さらにこの射出スクリューを先端側に押圧して金型
内に充填された樹脂に圧力(保圧力)を加える保圧を行
い、金型内における樹脂の固化に伴う収縮分を補うよう
にしている。
【0004】一方、前述の従来の射出成形機に対して、
射出スクリューを電動機で駆動する電動式射出成形機も
開発されている。
【0005】この種の電動式射出成形機は、サーボモー
ターの回転運動を例えばボールねじとこれに螺合するボ
ルトナット等からなる運動変換機構を介して直線運動に
変換し、この運動変換機構によって、射出スクリューを
往復移動させるようにしている。
【0006】そして、前記電動式射出成形機において
は、図1に示すような制御を行っている。
【0007】すなわち、射出工程における充填制御は、
サーボモーター1の回転角を位置検出手段としてのエン
コーダー2によって検出することにより射出スクリュー
の位置を検出し、この位置情報と別途入力される射出速
度指令信号Aとに基づき、位置制御回路M1と速度制御
回路M2とによる2つの制御回路により、射出スクリュ
ーの速度を段階的に設定するとともに、各速度制御の段
階に応じたトルクをトルク制御回路において設定し、こ
れらの設定値に基づく信号をサーボアンプ3へ出力し、
このサーボアンプ3から駆動信号を前記サーボモーター
1へ出力することによって行っている。
【0008】また、保圧制御は、、射出スクリューが所
定位置に到達した時点で前記エンコーダー2からの信号
により切り換えスイッチSW1が切り換えられて、別途
入力される保圧指令信号Bに基づき、速度制御回路M2
とトルク制御回路M3において射出スクリューの速度と
トルクとを設定し、これらの設定値に基づく信号をサー
ボアンプ3へ出力し、このサーボアンプ3から前記サー
ボモーター1へ駆動信号を出力することによって行って
おり、前記速度制御回路M2への指令値は、樹脂圧力を
検出する圧力センサー4からのフィードバック信号によ
って補正されるようになっている。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところで、保圧制御の
段階では、射出スクリューが最前進位置近傍で前進後退
させられるが、前述の保圧制御方法であると、保圧制御
中においてエンコーダー2からの位置情報が各制御回路
M1、M2に入力されないので、射出スクリューの位置
確認が不可能であることから、射出スクリューが必要以
上に前進して、その先端が加熱シリンダーと接触ないし
は衝突してしまうおそれがあり、そのための対策が要望
されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案は、前述した課題
を有効に解決し得る電動式射出成形機の保圧制御装置を
提供せんとするもので、特に、サーボモーターの回転運
動を直線運動に変換して、この直線運動によって射出ス
クリューを前進させることにより、射出スクリューの前
方に充填された溶融樹脂を金型内に射出するとともに、
この金型内に射出された樹脂に圧力を加えて保圧を行う
電動式射出成形機において、前記サーボモーターの作動
を制御するコントローラーと、前記射出スクリューの位
置を検出する位置検出手段とを備え、前記コントローラ
ーは、保圧時に前記サーボモーターの速度を制御するこ
とにより樹脂圧力を制御する速度制御回路と、前記位置
検出手段からの情報に基づき、前記サーボモーターの位
置と速度を制御する位置制御回路と、保圧時の保圧指令
信号と圧力センサーから出力される実保圧値との偏差量
に基づく速度指令値を制御する速度制御回路と、射出ス
クリューの位置が射出スクリューの最前進端の手前位置
に到達したとき、自動的にサーボモーターの制御モード
を速度制御モードから位置制御モードに切り替え、常に
射出スクリュー最前進端位置の手前位置に停止すること
を可能にするスイッチング回路が設けられていることを
特徴とする。
【0011】
【作用】本考案に係わる電動式射出成形機は、樹脂の射
出操作に続いて保圧操作に入ると、コントローラーにお
いて速度制御回路が選択されて、サーボモーターの速度
制御により保圧の制御が行われる。
【0012】そして、この保圧制御の最中においても、
位置検出手段により射出スクリューの位置が常時検出さ
れており、保圧制御の終盤に射出スクリューが最前進位
置近傍に到達すると、前記位置検出手段からの情報に基
づき、コントローラーの制御モードが位置制御回路へ切
り換えられ、この位置制御の下に、射出スクリューの速
度が制御されて、この射出スクリューが設定された停止
位置へ向けて移動停止させられる。
【0013】
【実施例】以下、本考案の一実施例について、図2およ
び図3を参照して説明すれば、図2において符号10
は、本実施例に係わる電動式射出成形機を示す。
【0014】まず、この電動式射出成形機10の概略構
成について説明すると、樹脂が溶融されつつ供給される
加熱シリンダー11と、この加熱シリンダー11に装着
され樹脂の原料を供給するホッパー12と、前記加熱シ
リンダー11内に回転自在にかつ加熱シリンダー11の
軸方向に移動自在に嵌装された射出スクリュー13(本
実施例ではスクリューを示した)と、この射出スクリュ
ー13に一体に取り付けられた従動プーリ14と、この
従動プーリ14にタイミングベルト15を介して連結さ
れた駆動プーリ16と、この駆動プーリ16に連結され
て、前記射出スクリュー13へ軸回りの回転を与える第
1サーボモーター17と、前記射出スクリュー13の後
端部に連設されたスライダー18と、このスライダー1
8に、前記射出スクリュー13と同軸状に螺着されたね
じ軸19と、このねじ軸19に、従動プーリ20、タイ
ミングベルト21、および、駆動プーリ22を介して連
結された第2サーボモーター23と、前記スライダー1
8に装着されて前記射出スクリュー13が当接させられ
たロードセル24と、このロードセル24に接続されて
その内部圧力を検出する圧力センサー25と、前記第1
サーボモーター17の回転角を検出する第1エンコーダ
ー26と、前記第2サーボモーター23の回転角を検出
する第2エンコーダー27と、前記各エンコーダー26
・27からの信号を受けるとともに、各サーボモーター
17・23へ駆動信号を出力するコントローラー28と
を備えている。
【0015】そして、前記コントローラー28は、保圧
時に前記第2サーボモーター23の速度を制御すること
により樹脂圧力を制御する速度制御回路M2と、樹脂の
射出時および保圧時の終盤において、前記第2エンコー
ダー27からの情報に基づき前記第2サーボモーター2
3の位置と速度を制御する位置制御回路M1と、前記第
2サーボモーター23のトルクを制御するトルク制御回
路M3との3つの制御回路を備えているとともに、前記
射出スクリュー13が所定位置まで前進した際に、前記
射出スクリュー13の制御モードを、速度制御回路M2
による速度制御モードから位置制御回路M1による位置
制御モードへ切り換えるスイッチSW1と、射出スクリ
ュー13が所定の位置まで前進した際に、位置制御回路
M1からの指令により前記スイッチSW1の切り替えを
行なう速度スイッチング回路29と、前記トルク制御回
路M3への制御指令値を切り替えて前記トルク制御回路
M3に入力するスイッチSW2およびこのスイッチSW
2を切り替えるトルクスイッチング回路30と、前記ト
ルク制御回路からの出力信号に基づいて、前記第2サー
ボモーター23へ駆動信号を出力するサーボアンプ31
とが設けられている。
【0016】また、このコントローラー28には、前記
第1エンコーダー26からの情報に基づき前記第1サー
ボモーター17の作動を制御する背圧制御回路(図示
略)が設けられている。
【0017】次いで、このように構成された本実施例の
作用について説明すれば以下のとおりである。
【0018】まず、射出工程における充填制御において
は、位置検出手段としての第2エンコーダー27によっ
て第2サーボモーター23の回転角が検出されて、射出
スクリュー13の位置が検出され、この位置情報と速度
設定器より別途入力される射出速度指令信号Aとに基づ
き、位置制御回路M1と速度制御回路M2とによる2つ
の制御モードにより、射出スクリュー13の位置に対応
した射出スクリュー13の速度が段階的に設定されると
ともに、各速度制御の段階に応じたトルクがトルク制御
回路M3において設定され、これらの設定値に基づいた
指令信号がサーボアンプ31へ出力され、このサーボア
ンプ31において前記各指令信号に基づいた駆動信号が
前記第2サーボモーター23へ出力される。
【0019】そして、この段階において前記トルクは第
2サーボモーター23の定格出力の300%まで許容で
きるように設定される。
【0020】これによって、射出スクリュー13の速度
が、その前進移動位置に応じて制御されて、所定のプロ
グラムに基づいた速度で溶融樹脂が金型内へ充填され
る。
【0021】このような操作の継続により、射出スクリ
ュー13が所定位置に到達して溶融樹脂の射出が完了す
るが、ここで、位置制御回路M1にたいして別途設定さ
れた充填速度ー圧力切り替え位置に達すると、この速度
スイッチング回路29の作用により、前記スイッチSW
1が切り替えられて、速度制御モードから位置制御モー
ドに移行し、電動式射出成形機10の制御が充填制御か
ら保圧制御に制御が切り替わる。
【0022】一方、前述の保圧制御において、金型内に
充填された樹脂の実圧力が、射出スクリュー13を介し
てロードセル24によって常時検出されているととも
に、圧力センサー25を経てフィードバックされ、この
フィードバック信号と保圧指令信号Bとの偏差量に基づ
いて補正された速度指令値とトルクの指令値とがサーボ
アンプ31へ出力されて、これらの指令値に基づき射出
スクリュー13が制御され、これによって、保圧が精度
よく制御される。
【0023】そして、この保圧制御は、充填制御が完了
した時点から、設定された複数の圧力を、それぞれの圧
力毎に所定時間継続することにより行われる。
【0024】このように保圧制御は、充填制御が完了し
た時点から、複数の設定圧力とそれぞれの継続時間によ
って制御されるが、このような制御が行われている間に
おいても、第2エンコーダー27によって、射出スクリ
ュー13の位置が継続して検出されており、この第2エ
ンコーダー27によって、前記射出スクリュー13が最
前進位置近傍まで前進させられたことが検出された際
に、前記位置制御回路M1から、射出スクリュー13を
強制的に減速停止させる速度指令値が速度スイッチング
回路29へ出力される。
【0025】この位置制御回路M1からの速度指令値
は、射出スクリュー13の停止を目的としており、した
がって、保圧制御時における速度指令値よりも小さいも
のであるから、速度スイッチング回路29の作動によ
り、スイッチSW1が切り換えられて、位置制御回路M
1からの速度指令値が速度制御回路M2における制御値
となされ、この指令値に基づき射出プランジャ13の速
度が制御されて、所定の減速度で減速されたのちに、所
定の位置において停止させられる(この制御を停止制御
と称する)。
【0026】さらに、このような充填制御、保圧制御、
ならびに、停止制御の過程において、通常は、トルク制
御回路M3には、第2サーボモーター23の定格トルク
の300%までのトルクを許容するトルク指令値が入力
されており、このトルク指令値に基づきサーボアンプ3
1から前記第2サーボモーター23へ駆動信号が出力さ
れる。
【0027】一方、前記速度制御回路M2からのトルク
指令値と、保圧指令信号Bによるトルク指令値とがトル
クスイッチング回路30に入力されて比較され、その比
較結果に基づきこのトルクスイッチング回路30の作動
によりスイッチSW2が切り替えられて、小さい方のト
ルク指令値がトルク制御回路M3へ選択的に入力される
ので、各制御段階においてサーボモーター23に過剰ト
ルクが発生することが防止される。
【0028】このように構成された本実施例の電動式射
出成形機の保圧制御装置によれば、保圧を第2サーボモ
ーター23の速度と圧力センサー25からの実圧力との
比較によるフィードバック制御によって行われるととも
に、射出スクリュー13が最前進位置に近づいた時点
で、この射出スクリュー13の速度制御が位置情報に基
づいて行われることにより、射出スクリュー13が所定
の位置に精度よく停止させられる。
【0029】この結果、射出スクリュー13が必要以上
に前進させられることによる、射出スクリュー13や加
熱シリンダー11の損傷が防止される。
【0030】
【考案の効果】以上説明したように、本考案に係わる電
動射出成形機における保圧制御装置は、サーボモーター
の回転運動を直線運動に変換して、この直線運動によっ
て射出スクリューを前進させることにより、射出スクリ
ューの前方に移送された溶融樹脂を金型内に射出すると
ともに、この金型内に射出された樹脂に圧力を加えて保
圧を行う電動式射出成形機において、前記サーボモータ
ーの作動を制御するコントローラーと、前記射出スクリ
ューの位置を検出する位置検出手段とを備え、前記コン
トローラーは、保圧時に前記サーボモーターの速度を制
御することにより樹脂圧力を制御する速度制御回路と、
前記位置検出手段からの情報に基づき、前記サーボモー
ターの位置と速度を制御する位置制御回路と、保圧時の
保圧指令信号と圧力センサーから出力される実保圧値と
の偏差量に基づく速度指令値を制御する速度制御回路
と、射出スクリューの位置が射出スクリューの最前進端
の手前位置に到達したとき、自動的にサーボモーターの
制御モードを速度制御モードから位置制御モードに切り
替え、常に射出スクリュー最前進端位置の手前位置に停
止することを可能にするスイッチング回路が設けられて
いることを特徴とするもので、次のような効果を奏す
る。
【0031】保圧制御中において、射出スクリューが最
前進位置に近づいた時点で、この射出スクリューの速度
制御を射出スクリューの位置情報に基づいて行うことに
より、射出スクリューを所定の位置に精度よく停止させ
ることができる。この結果、射出スクリューの必要以上
の前進動作を防止して、射出スクリューや加熱シリンダ
ーの損傷を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動射出成形機における従来の制御装置の概略
を示すブロック図。
【図2】本考案の制御装置の一実施例が適用された電動
式射出成形機の概略構成図。
【図3】本考案の一実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
10 電動式射出成形機 11 加熱シリンダー 13 射出スクリュー 18 スライダー 19 ねじ軸 23 第2サーボモーター 27 第2エンコーダー(位置検出手段) 28 コントローラー 29 速度スイッチング回路 SW1 スイッチ M1 位置制御回路 M2 速度制御回路

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボモーターの回転運動を直線運動に
    変換して、この直線運動によって射出スクリューを前進
    させることにより、射出スクリューの前方に充填された
    溶融樹脂を金型内に射出するとともに、この金型内に射
    出された樹脂に圧力を加えて保圧を行う電動式射出成形
    機において、前記サーボモーターの作動を制御するコン
    トローラーと、前記射出スクリューの位置を検出する位
    置検出手段とを備え、前記コントローラーは、保圧時に
    前記サーボモーターの速度を制御することにより樹脂圧
    力を制御する速度制御回路と、前記位置検出手段からの
    情報に基づき、前記サーボモーターの位置と速度を制御
    する位置制御回路と、保圧時の保圧指令信号と圧力セン
    サーから出力される実保圧値との偏差量に基づく速度指
    令値を制御する速度制御回路と、射出スクリューの位置
    が射出スクリューの最前進端の手前位置に到達したと
    き、自動的にサーボモーターの制御モードを速度制御モ
    ードから位置制御モードに切り替え、常に射出スクリュ
    ー最前進端位置の手前位置に停止することを可能にする
    スイッチング回路が設けられていることを特徴とする電
    動式射出成形機の保圧制御装置。
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JP7209546B2 (ja) * 2019-01-21 2023-01-20 東洋機械金属株式会社 射出成形機およびその制御方法

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