JP2971284B2 - 電動式射出装置の制御方法および制御装置 - Google Patents

電動式射出装置の制御方法および制御装置

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JP2971284B2
JP2971284B2 JP7972593A JP7972593A JP2971284B2 JP 2971284 B2 JP2971284 B2 JP 2971284B2 JP 7972593 A JP7972593 A JP 7972593A JP 7972593 A JP7972593 A JP 7972593A JP 2971284 B2 JP2971284 B2 JP 2971284B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の成形金型
に樹脂を射出する電動式射出装置の制御方法および制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機に装着されて原料樹脂
を溶融して成形金型内に射出する射出装置として、射出
スクリュに射出圧、保圧および背圧を付与する駆動源に
電動サーボモータを使用する電動式射出装置が知られて
いた。
【0003】この電動式射出装置における樹脂の可塑化
時に、設定された背圧を射出スクリュに付与するための
電動サーボモータの制御方式としては、(1)電動サー
ボモータに射出スクリュを前進させる方向への回転指令
を与えておいてトルク制限する方式や(2)トルク指令
値とトルクまたは樹脂圧力の実測値の突合せによるフィ
ードバック制御による方式が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
初回の可塑化時など、射出スクリュ前方に樹脂が無い場
合には、上記(1)および(2)のいずれの方式によっ
ても、射出スクリュの前進に対する抵抗が存在しない状
態となり、射出スクリュが前進暴走することがあった。
【0005】通常、射出装置には、射出スクリュの前進
を設定限度に規制して射出スクリュの先端部分と加熱筒
との衝突を防止するためのストッパが設置されている。
このため、上記のような射出スクリュの前進暴走はスト
ッパの作用によって停止させられるが、その停止が急激
であるために、電動サーボモータの回転運動を直進運動
に変換して射出スクリュを前後進させるボールネジ機構
等を損傷する場合があった。
【0006】本発明は、上記のような射出スクリュの前
進暴走を防止し、これを原因とするボールネジ機構等の
損傷も防止可能な電動式射出装置の制御方法および制御
装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明は以下の構成を採用した。すなわち、請求項1記
載の電動式射出装置の制御方法は、射出スクリュを前後
進駆動する電動サーボモータの回転速度および回転トル
クを制御することによって、上記射出スクリュの前方に
貯留された樹脂に射出圧を付与する射出充填工程、該射
出充填工程に引続いて上記貯留された樹脂に所定の保持
圧力を付与する保圧工程および樹脂の可塑化条件に応じ
た背圧を上記射出スクリュに付与する背圧工程の各工程
を順次行なわしめる電動式射出装置の制御方法におい
て、上記保圧工程終了時から上記背圧工程開始時まで連
続して上記電動サーボモータのトルク制限値を上記背圧
工程開始時点のトルク制限値以上とし、上記保圧工程終
了時から上記背圧工程終了時まで上記電動サーボモータ
を零速状態とすることを特徴とする。
【0008】また、請求項2記載の電動式射出装置の制
御装置は、図4に例示するように、射出スクリュと該射
出スクリュを前後進駆動する電動サーボモータとを備
え、上記射出スクリュの前方に貯留された樹脂を成形金
型内に射出充填する射出充填段階、該射出充填段階に引
続いて上記貯留された樹脂に所定の保持圧力を付与する
保圧段階および樹脂を可塑化して射出スクリュ前方に貯
留する可塑化段階を順次行う電動式射出装置に装着され
る制御装置であって、上記電動サーボモータの回転速度
に応じた回転速度検出信号を出力する回転速度検出手段
と、上記電動サーボモータの回転トルクに応じたトルク
検出信号を出力するトルク検出手段と、上記射出充填、
保圧および可塑化の各段階毎に予め設定された信号出力
パターンに従って電動サーボモータの回転速度指令信号
およびトルク指令信号を出力する指令信号出力手段と、
上記回転速度指令信号および回転速度検出信号に応じて
電流値信号を出力する電流値信号出力手段と、上記トル
ク指令信号または上記トルク指令信号とトルク検出信号
との双方に応じて決定されるトルク信号上限値の範囲内
で上記電流値信号を制限してトルク値信号として出力す
る信号制限手段と、上記トルク値信号に応じて上記電動
サーボモータへ供給する電力を制御する電力制御手段と
を設けた電動式射出装置の制御装置において、上記指令
信号出力手段は、上記保圧段階の終了時から上記可塑化
段階開始時までは、上記電動サーボモータの回転トルク
を予め設定されている上記可塑化段階開始時の電動サー
ボモータのトルク設定値以上とするトルク指令信号を出
力すると共に、上記保圧段階の終了時点から上記可塑化
段階終了まで継続して前記電動サーボモータの回転速度
を零速とする回転速度指令信号を出力する指令信号出力
手段であることを特徴とする。
【0009】
【作用】上記構成の電動式射出装置の制御方法において
は、射出スクリュの前方に貯留された樹脂に射出圧を付
与する射出充填工程、該射出充填工程に引続いて貯留さ
れた樹脂に所定の保持圧力を付与する保圧工程および樹
脂の可塑化条件に応じた背圧を上記射出スクリュに付与
する背圧工程の各工程を順次行なわしめるが、保圧工程
終了と同時に、電動サーボモータを零速状態とする。こ
のため、射出スクリュは前進することはなく、仮に射出
スクリュ前方に樹脂がない状態であっても、射出スクリ
ュの前進暴走は起こらない。なお、零速状態とは、設定
された回転トルクを越える外力が負荷されない限りは、
停止状態を維持する電動サーボモータの状態であり、固
定的に停止しているわけではない。
【0010】また、これと同時に電動サーボモータのト
ルク制限値を、予め設定されている背圧工程開始時点の
トルク制限値以上とするので、電動サーボモータの回転
トルクは該トルク制限値に保持される。このため、射出
スクリュ前方の樹脂の圧力による射出スクリュの急激な
後退を防止でき、このような射出スクリュの後退による
加熱筒内への空気の吸い込み等は生じない。
【0011】この電動サーボモータのトルク制限値は背
圧工程開始時点まで維持され、背圧工程に連続的に移行
するので、可塑化開始時における背圧の不足は生じな
い。このため、加熱筒内の樹脂によるネジ効果を原因と
する射出スクリュの後退は防止される。
【0012】さらに、電動サーボモータの零速状態は背
圧工程終了まで継続されるので、何等かの原因で射出ス
クリュの前進に対する抵抗が存在しない状態となって
も、射出スクリュが前進暴走することはない。他方、上
記構成の電動式射出装置の制御装置によれば、上記制御
方法を有効に実施でき、電動式射出装置において上述の
効果を得ることが可能となる。
【0013】
【実施例】次に、本発明を一層明らかにするために、好
適な一実施例を図面を参照して説明する。まず、周知の
電動式射出装置(図示略)に装着される制御装置10の
構成について説明する。
【0014】図1に示すように、図示しない加熱筒内に
回転可能かつ前後進可能に挿通されている射出スクリュ
12には、射出スクリュ12と一体的に回転するプーリ
14が外嵌されている。このプーリ14は、タイミング
ベルト16を介して回転用サーボモータ20と接続され
ており、回転用サーボモータ20によって射出スクリュ
12を回転駆動可能である。射出スクリュ12の後端部
12aには、ベアリングボックス22が配されており、
射出スクリュ12とベアリングボックス22とは、射出
スクリュ12の軸方向に沿って一体的に前後進可能かつ
射出スクリュ12の周方向に沿って相対回転可能に連結
されている。このベアリングボックス22には、射出ス
クリュ12と略同軸のボールネジナット24が固設され
ている。
【0015】ボールネジナット24には、ボールネジナ
ット24と整合する構造の雄ネジ部材26が螺合されて
おり、雄ネジ部材26の回転に応じてボールネジナット
24を軸方向に前後進させることができる。雄ネジ部材
26の基端部26aは、図示しないハウジングによって
回転可能かつ軸方向に移動不能に支承されている。また
雄ネジ部材26の基端部26aとハウジングとの間に
は、雄ネジ部材26に作用する軸方向の荷重を検出し
て、該荷重に応じた信号を出力可能な力センサ28が介
装されている。
【0016】さらに、雄ネジ部材26の基端部26a付
近には雄ネジ部材26と一体的に回転するプーリ30が
外嵌されている。このプーリ30は、タイミングベルト
32を介して、本発明の電動サーボモータとしての前後
進用サーボモータ34と接続されており、前後進用サー
ボモータ34によって雄ネジ部材26を回転駆動可能で
ある。この前後進用サーボモータ34には、前後進用サ
ーボモータ34の回転速度を検出して、該回転速度に応
じた信号を出力するロータリエンコーダ36が装着され
ている。
【0017】こうした構成により、前後進用サーボモー
タ34の回転力を雄ネジ部材26およびボールネジナッ
ト24を介して直進運動に変換し、射出スクリュ12を
前後進駆動可能となっている。このため、射出スクリュ
12は、回転用サーボモータ20によって回転駆動され
ると共に、前後進用サーボモータ34によって前後進駆
動されることになる。また前後進用サーボモータ34の
回転トルクは、雄ネジ部材26の軸方向荷重に対応した
ものとなるので、力センサ28で検出される該軸方向荷
重は、前後進用サーボモータ34の回転トルクに対応し
た値となる。したがって、力センサ28は、本発明にお
けるトルク検出信号を出力するトルク検出手段に該当す
るので、以下、力センサ28の出力信号をトルク検出信
号KTという。
【0018】次に、これら回転用サーボモータ20およ
び前後進用サーボモータ34の稼動を制御するために設
けられている制御部について説明する。なお、上述の力
センサ28およびロータリエンコーダ36は、制御部の
構成要素となっている。図1において左側に示すコント
ローラ40は、周知のマイクロコンピュータ(図示省
略)を内蔵しており、操作パネル42を介して入力され
る各種の指示やマイクロコンピュータに予め格納されて
いるプログラムに従っての制御処理を実行可能であると
共に、入力内容、実行内容や力センサ28をはじめとす
る計器類からのデータを表示パネル44に表示可能であ
る。
【0019】コントローラ40は、回転用サーボモータ
20の回転速度を指令するためのスクリュ回転指令信号
SR、前後進用サーボモータ34の回転トルクの上限規
制値を指令するためのトルク指令信号CT、前後進用サ
ーボモータ34の回転速度を指令するための回転速度指
令信号CSその他の信号を出力するが、以下、このコン
トローラ40から出力される各種の指令信号とその伝
達、処理に従って、制御部の構成要素について説明す
る。
【0020】コントローラ40から出力されたスクリュ
回転指令信号SRは、モータ駆動増幅器46に入力さ
れ、ここで増幅されて回転用サーボモータ20に供給さ
れる。したがって、回転用サーボモータ20はスクリュ
回転指令信号SRに応じた回転速度で稼動することにな
る。
【0021】トルク指令信号CTは2回線に分岐され、
一方は減算器48に入力される。この減算器48に入力
されたトルク指令信号CTは、力センサ28によるトル
ク検出信号KTを増幅器50にて増幅した信号で減算処
理されトルクフィードバック信号FTとして出力され
る。トルクフィードバック信号FTは、コントローラ4
0からの切換信号CCによって開閉スイッチ52が閉と
なっている際には、補償器54を経て加算器56に入力
される。この加算器56には、減算器48の上流で分岐
されたトルク指令信号CTが入力され、トルクフィード
バック信号FTとで加算処理され、トルク上限信号LTと
して出力される。このトルク上限信号LTはトルク制限
器58に入力され、トルク上限信号LTに応じてトルク
信号上限値TMAXが決定される。ただし、コントローラ
40からの切換信号CCによって開閉スイッチ52が開
となっている際には、加算器56へのトルクフィードバ
ック信号FTの入力はなされず、トルク信号上限値TMAX
は、トルク指令信号CTのみにて決定されることにな
る。
【0022】他方、コントローラ40からは回転速度指
令信号CSも出力され、開閉スイッチ60を経て減算器
62に入力される。ただし、開閉スイッチ60は開閉ス
イッチ64とで対をなしており、コントローラ40から
の可塑化信号CMが入力されると開閉スイッチ64が
閉、開閉スイッチ60は開となり、可塑化信号CMの入
力が無いときには開閉スイッチ60が閉、開閉スイッチ
64は開となるように、互いに択一的に閉(他方は開)
操作される。このため、減算器62には、開閉スイッチ
60が閉(開閉スイッチ64が開)となった際にはコン
トローラ40からの回転速度指令信号CSが入力され、
開閉スイッチ64が閉(開閉スイッチ60が開)となっ
た際には、減算器62に入力される回転速度指令信号C
Sは零となる。すなわち、コントローラ40と開閉スイ
ッチ60、64とで、本発明の指令信号出力手段を構成
することになる。
【0023】減算器62に入力された回転速度指令信号
CSは、ロータリエンコーダ36からの回転速度検出信
号KKをF/V変換器66にて変換した信号で減算処理
され、補償器68を経て電流指令信号FSとしてトルク
制限器58に入力される。トルク制限器58に入力され
た電流指令信号FSは、トルク信号上限値TMAXを越えな
い範囲で制限されたトルク値信号STとして出力され
る。ただし、F/V変換器66および補償器68では、
可塑化信号CMが入力されると比例ゲインを増大させる
ようにゲイン切換がなされ、上記のように減算器62に
入力される回転速度指令信号CSが零となっても、電流
指令信号FSはトルク信号上限値TMAXを越える信号レベ
ルとなる。
【0024】このトルク値信号STは減算器70に入力
される。減算器70は、補償器72を介して電力増幅器
74に接続されており、電力増幅器74の下流側には電
流センサ76が設置されている。この電流センサ76の
電流検出信号KIは減算器70に入力される構成となっ
ている。このため、トルク値信号STは、減算器70に
おいて電流センサ76の電流検出信号KIによって減算
処理され、さらに補償器72を経て電力指令信号CPと
して電力増幅器74へ入力されることになる。この電力
増幅器74は、該入力された電力指令信号CPに応じて
前後進用サーボモータ34へ電力を供給する。
【0025】次に、電動式射出装置の稼動時に上記制御
装置10によって実行される制御処理について、図2お
よび図3を参照して説明する。なお、電動式射出装置の
稼動に先だって、射出充填時の射出スクリュ12のスト
ロークS0、保圧時間Th、可塑化遅延タイマによる可
塑化遅延時間Tc、可塑化時の射出スクリュ12の回転
数、射出充填、保圧、背圧の各段階における信号出力パ
ターンおよびサイクル数等をコントローラ40に入力
し、記憶させるための設定処理が、オペレータによって
実施される。ここで設定される信号出力パターン中、前
後進用サーボモータ34のトルク指令信号に係るパター
ンは、図3に示す射出充填段階、保圧段階および背圧段
階の各トルク制限値T1、T2、およびT3に応じたもの
である。
【0026】各種の設定がなされた後、オペレータの操
作によって電動式射出装置の稼動が開始されると、図2
に示すフローチャートに従った制御ルーチンが実行され
る。制御ルーチンでは、まず樹脂の可塑化が実施される
(ステップ210)。このステップ210では、コント
ローラ40は、可塑化信号CMを出力して、開閉スイッ
チ60を開、開閉スイッチ64を閉とし回転速度指令信
号CSを零とすると共に、F/V変換器66および補償
器68の比例ゲインを大きくするゲイン切換をする。こ
れにより、減算器62に入力される回転速度指令信号C
Sが零となっても、電流指令信号FSはトルク信号上限値
TMAXを越える信号レベルとなる。
【0027】次に切換信号CCを出力して開閉スイッチ
52を閉とする。さらに、可塑化段階に設定されている
トルク指令信号CTを出力する。これによりトルク制限
器58におけるトルク信号上限値TMAXは、上記設定さ
れた可塑化段階の背圧に対応するトルク制限値T3とな
る。しかも、電流指令信号FSは充分に大きく、トルク
信号上限値TMAXを越える信号レベルとなっているの
で、トルク信号上限値TMAXがトルク値信号STとして出
力されることになる。このため、電力指令信号CPはト
ルク信号上限値TMAXに対応する値となり、電力指令信
号CPに応じて前後進用サーボモータ34へ供給される
電力は、トルク信号上限値TMAXすなわち可塑化段階の
背圧に対応するトルク制限値T3に応じた電力となる。
【0028】これらの結果、前後進用サーボモータ34
の回転トルクはトルク制限値T3となり、回転速度零速
状態とされる。ここでコントローラ40は、スクリュ回
転指令信号SRを出力し、射出スクリュ12を設定され
た回転速度で回転させる。これらにより、射出スクリュ
12は、供給された原料樹脂を可塑化しつつ前方へ送っ
て貯留する。樹脂の可塑化が進行し射出スクリュ12の
前方に貯留される樹脂が増加するにしたがって、射出ス
クリュ12は後退する。
【0029】この際、前後進用サーボモータ34の回転
トルクはトルク制限値T3を保持しているので、ネジ効
果による射出スクリュ12の後退は防止される。これに
より、射出スクリュ12の後退を原因とする空気の吸い
込みによるシルバーストリークは発生しない。また、前
後進用サーボモータ34が零速状態とされるので、射出
スクリュ12は前進駆動されない。このため、射出スク
リュ12の前方に樹脂がない場合でも、射出スクリュ1
2の前進暴走は発生せず、これを原因とするボールネジ
機構等の損傷は防止される。
【0030】続くステップ220では、射出スクリュ1
2の後退量S1が射出充填時の射出スクリュ12のスト
ロークS0に相当する量となったかが判定される。ここ
でS1=S0であれば次のステップ230へ進み、S1<
S0であればステップ210へ回帰する。なお、この際
S1とS0との差が設定された許容差の範囲内であればS
1=S0とみなされる。
【0031】ステップ230では、スクリュ回転指令信
号SRの出力を0として射出スクリュ12の回転を停止
する。続いて、可塑化信号CMをオフとして、開閉スイ
ッチ60を閉、開閉スイッチ64を開とすると共に、F
/V変換器66および補償器68の比例ゲインを小さく
するゲイン切換をする(ステップ240)。さらに、ト
ルク指令信号CTをトルク信号上限値TMAX=0に対応す
る信号として前後進用サーボモータ34の回転トルクを
0とし、射出スクリュ12への背圧を解消する(ステッ
プ250)。
【0032】次のステップ260では、図示しない型締
装置による成形金型の型開、型閉および型締増圧が順次
行われ、型開した際には成形された製品の取出しが行わ
れる。ただし、初回の場合は、成形金型内には製品は無
いので、現実の製品取出しはなされない。したがって、
このステップ260では、射出装置は事実上待機状態と
なっている。
【0033】ステップ270では、射出スクリュ12の
前方に貯留されている樹脂の成形金型内への射出充填が
実行される。ここでは、まずコントローラ40は切換信
号CCによって開閉スイッチ52を開とする。これによ
り、トルク信号上限値TMAXはトルク指令信号CTのみに
よって決定され、射出充填段階のトルク制限値T1に応
じたものになる。続いてコントローラ40は、射出充填
段階に設定されている回転速度指令信号CSを出力す
る。この結果、前後進用サーボモータ34は高速回転し
て射出スクリュ12を前進させ、これによって射出スク
リュ12の前方に貯留されていた樹脂を成形金型内へ射
出する。この射出充填は、次のステップ280で、射出
スクリュ12の前進量S2が設定された射出ストローク
S4となったことが判定されるまで継続される。
【0034】次のステップ290においては、保圧段階
が実行される。ここでは、まずコントローラ40は切換
信号CCによって開閉スイッチ52を閉とする。これに
より、トルク信号上限値TMAXはトルク指令信号CTとト
ルクフィードバック信号FTとに従って決定され、保圧
段階のトルク制限値T2に応じたものとなる。続いてコ
ントローラ40は、保圧段階に設定されているトルク指
令信号CTを出力し、さらに保圧段階に設定されている
回転速度指令信号CSを出力する。これにより前後進用
サーボモータ34は、設定された保持圧力に対応する回
転トルク(=トルク制限値T2)で射出スクリュ12を
駆動することになる。この保圧段階は、次のステップ3
00で、Thタイマのカウントアップによって保圧時間
Thが経過したことが判定されるまで継続され、保圧段
階を終了が判定されると、ステップ310へと進む。
【0035】ステップ310では、コントローラ40
は、可塑化信号CMを出力して、開閉スイッチ60を
開、開閉スイッチ64を閉とし回転速度指令信号CSを
零とすると共に、F/V変換器66および補償器68の
比例ゲインを大きくするゲイン切換をする。これによ
り、減算器62に入力される回転速度指令信号CSが零
となっても、電流指令信号FSはトルク信号上限値TMAX
を越える信号レベルとなる。
【0036】続いて、可塑化段階のトルク制限値T3に
対応するトルク指令信号CTを出力する(ステップ32
0)。これによりトルク制限器58におけるトルク信号
上限値TMAXは、上記設定された可塑化段階の背圧に対
応するトルク制限値T3となる。しかもステップ310
の結果、電流指令信号FSは充分に大きく、トルク信号
上限値TMAXを越える信号レベルとなっているので、ト
ルク信号上限値TMAXがトルク値信号STとして出力され
ることになる。このため、電力指令信号CPはトルク信
号上限値TMAXに対応する値となり、電力指令信号CPに
応じて前後進用サーボモータ34へ供給される電力は、
トルク信号上限値TMAXすなわち可塑化段階の背圧に対
応するトルク制限値T3に応じた電力となる。
【0037】これらステップ310およびステップ32
0の実行により、前後進用サーボモータ34の回転トル
クはトルク制限値T3となり、回転速度は零速状態とさ
れる。この状態は、次のステップ330で、可塑化遅延
タイマのカウントアップによって可塑化遅延時間Tcが
経過したことが判定されるまで継続され、可塑化遅延時
間Tcの経過が判定されると、ステップ210へと回帰
する。
【0038】保圧段階終了と同時に、前後進用サーボモ
ータ34は、背圧に対応する回転トルク(=トルク制限
値T3)で零速状態とされるので、可塑化段階開始時に
おける背圧の立ち上がりは良好なものとなる。また、背
圧の不足とならないので、ネジ効果による射出スクリュ
12の後退は防止され、射出スクリュ12の後退を原因
とする空気の吸い込みによるシルバーストリークも発生
しない。
【0039】ステップ210では新たな樹脂の可塑化段
階が実施される。ただし、上記ステップ310およびス
テップ320の結果、前後進用サーボモータ34は設定
された背圧に対応する回転トルクで零速状態とされてい
るので、改めてこの状態を創出するための処理は行われ
ず、コントローラ40は、スクリュ回転指令信号SRを出
力し、射出スクリュ12を設定された回転速度で回転さ
せるのみである。これにより、射出スクリュ12は、新
たに供給された原料樹脂を可塑化しつつ前方へ送って貯
留する。以下上述の処理を設定されたサイクル数に至る
まで繰り返し、停止する。
【0040】上記の制御ルーチンの実行によって、射出
充填、保圧および背圧の各段階におけるトルク制限値T
1、T2、T3と、前後進用サーボモータ34の実際の回
転トルクは図3に示すものとなる。図3から明かなよう
に、保圧段階終了から背圧段階の終了まで、前後進用サ
ーボモータ34のトルク不足状態は発生しない。
【0041】このように、前後進用サーボモータ34
は、可塑化段階開始時には既に背圧に対応する回転トル
クを保持しているので、ネジ効果による射出スクリュ1
2の後退は防止される。これにより、射出スクリュ12
の後退を原因とする空気の吸い込みによるシルバースト
リークは発生しない。また同様に可塑化段階開始時点で
は、前後進用サーボモータ34が零速状態とされ、これ
が可塑化段階終了まで維持されるので、可塑化段階にお
いては射出スクリュ12は前進駆動されない。このた
め、射出スクリュ12の前方に樹脂がない場合でも、射
出スクリュ12の前進暴走は発生せず、これを原因とす
るボールネジ機構等の損傷は防止される。しかも、保圧
段階終了と同時に、前後進用サーボモータ34が背圧に
対応する回転トルクで零速状態とされるので、可塑化段
階開始時における背圧の立ち上がりは良好なものとな
る。
【0042】以上本発明を具体化した一実施例について
説明したが、本発明はこのような実施例によって何等の
限定を受けるものではなく、本発明の要旨を逸脱市内範
囲で様々に実施可能である。例えば、本実施例では可塑
化信号CMにて、F/V変換器66および補償器68の
比例ゲインを増大させるようにゲイン切換を行っている
が、この部分の比例ゲインが充分ある制御系であれば、
このようなゲイン切換操作は不要である。
【0043】また、保圧段階終了に引き続いて可塑化を
行う射出サイクルとする場合には、可塑化遅延時間は0
となるので、可塑化遅延タイマは不要となり、これに関
わる制御も行われない。
【0044】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の電動式射出
装置の制御方法によれば、可塑化に際して、射出スクリ
ュの前進に対する抵抗が存在しない状態があっても、射
出スクリュの前進暴走は防止される。この前進暴走の急
激な停止を原因とするボールネジ機構等の損傷も発生し
ない。
【0045】また本発明の制御装置によれば、本発明の
制御方法を有効に実施でき、電動式射出装置において上
述のとおりの効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の電動式射出装置の制御装置の構成の
説明図である。
【図2】 実施例の電動式射出装置の制御装置によって
実行される制御ルーチンの一例を示すフローチャートで
ある。
【図3】 実施例の電動式射出装置の制御装置における
トルク制限値と前後進用サーボモータの実際のトルクと
の関係を示すグラフである。
【図4】 本発明の電動式射出装置の制御装置を例示す
るブロック図である。
【符号の説明】
10・・・制御装置、12・・・射出スクリュ、 28・・・力センサ(トルク検出手段)、 34・・・前後進用サーボモータ(電動サーボモー
タ)、 36・・・ロータリエンコーダ(回転速度検出手段)、 40・・・コントローラ(指令信号出力手段)、 58・・・トルク制限器(信号制限手段)、 60・・・開閉スイッチ(指令信号出力手段)、 62・・・減算器(電流指令信号出力手段)、 64・・・開閉スイッチ(指令信号出力手段)、 70・・・減算器(電力制御手段)、 72・・・補償器(電力制御手段)、 74・・・電力増幅器(電力制御手段)、 76・・・電流センサ(電力制御手段)。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出スクリュを前後進駆動する電動サー
    ボモータの回転速度および回転トルクを制御することに
    よって、上記射出スクリュの前方に貯留された樹脂に射
    出圧を付与する射出充填工程、該射出充填工程に引続い
    て上記貯留された樹脂に所定の保持圧力を付与する保圧
    工程および樹脂の可塑化条件に応じた背圧を上記射出ス
    クリュに付与する背圧工程の各工程を順次行なわしめる
    電動式射出装置の制御方法において、 上記保圧工程終了時から上記背圧工程開始時まで連続し
    て上記電動サーボモータのトルク制限値を上記背圧工程
    開始時点のトルク制限値以上とし、 上記保圧工程終了時から上記背圧工程終了時まで上記電
    動サーボモータを零速状態とすることを特徴とする電動
    式射出装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 射出スクリュと該射出スクリュを前後進
    駆動する電動サーボモータとを備え、上記射出スクリュ
    の前方に貯留された樹脂を成形金型内に射出充填する射
    出充填段階、該射出充填段階に引続いて上記貯留された
    樹脂に所定の保持圧力を付与する保圧段階および樹脂を
    可塑化して射出スクリュ前方に貯留する可塑化段階を順
    次行う電動式射出装置に装着される制御装置であって、 上記電動サーボモータの回転速度に応じた回転速度検出
    信号を出力する回転速度検出手段と、 上記電動サーボモータの回転トルクに応じたトルク検出
    信号を出力するトルク検出手段と、 上記射出充填、保圧および可塑化の各段階毎に予め設定
    された信号出力パターンに従って電動サーボモータの回
    転速度指令信号およびトルク指令信号を出力する指令信
    号出力手段と、 上記回転速度指令信号および回転速度検出信号に応じて
    電流指令信号を出力する電流指令信号出力手段と、 上記トルク指令信号または上記トルク指令信号とトルク
    検出信号との双方に応じて決定されるトルク信号上限値
    の範囲内で上記電流指令信号を制限してトルク値信号と
    して出力する信号制限手段と、 上記トルク値信号に応じて上記電動サーボモータへ供給
    する電力を制御する電力制御手段とを設けた電動式射出
    装置の制御装置において、 上記指令信号出力手段は、 上記保圧段階の終了時から上記可塑化段階開始時まで
    は、上記電動サーボモータの回転トルクを予め設定され
    ている上記可塑化段階開始時の電動サーボモータのトル
    ク設定値以上とするトルク指令信号を出力すると共に、 上記保圧段階の終了時点から上記可塑化段階終了まで継
    続して前記電動サーボモータの回転速度を零速とする回
    転速度指令信号を出力する指令信号出力手段であること
    を特徴とする電動式射出装置の制御装置。
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