JPH0562005U - 高周波コイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、チップ素子の仮止めを排除して、組
立作業を簡単にし、チップ素子の構成の自由度を確保す
ることにより、生産効率を向上せしめ、且つハンダ付け
の信頼性を向上させるようにした、高周波コイルを提供
することを目的とする。 【構成】基台１１と、該基台を上下に貫通し且つ下端が
ピン状に突出している複数本の端子１２，１３と、該基
台上に取り付けられるコイル要素と、該基台上で、前記
端子に電気的に接続されるチップ素子１６と、を備えて
いる、高周波コイル１０において、端子が方形に形成さ
れ、且つ該基台の上面から突出した上部が、水平方向に
折曲せしめられ、この折曲された上部に対して一側が電
気的に接続され且つ断面が方形に形成された接続端子部
１４，１５が、他側で、チップ素子の各電極部の領域
に、互いに接触しないように延び、各接続端子部の上面
に、該チップ素子の各電極部が載置され、ハンダ付けさ
れるように、高周波コイル１０を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、基台上にコイル要素と共に、チップ素子を装着することにより、小 型化した、フィルター，ＲＦ，ＩＦ，ＯＳＣ回路等の高周波コイルとして最適な 高周波コイルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、このような高周波コイルは、例えば、図５に示すように構成されている 。即ち、図５において、高周波コイル１は、樹脂成形されたほぼ直方体状の基台 ２上に、例えば、図示しないコイルが巻回されたドラムコア，キャップコア等が 配設され、その全体が鎖線で示されたシールドケース３により覆われることによ り、構成されている。

【０００３】 該基台２の互いに対向する縁部には、それぞれ２本の端子４，５が、それぞれ 該基台２の上面から上方に突出した状態で植設され、各端子４，５の下端は、そ れぞれ該基台２の下面から下方に突出して、ピン状に形成されており、図示しな いプリント基板等に実装する場合に、該プリント基板に設けられた孔に挿通され 、且つハンダ付けされることにより、固定されると共に、電気的に接続され得る ようになっている。

【０００４】 上記基台２の上面から突出したそれぞれ対となる端子４，５のうち、一方の端 子、図示の場合、端子４の間には、図示のように、チップ素子、例えばチップコ ンデンサ６が、配設されている。このチップコンデンサ６は、例えば該端子４の 間で基台２の上面に、接着剤８を塗布することにより、仮止めされた後、該チッ プコンデンサ６の電極部と各端子４の上端付近とを互いにハンダ付けすることに より、固定されると共に、電気的に接続され得る（図７参照）。さらに、該端子 ４，５には、上記コイル要素の巻線リード端末が巻回され、半田付け等により結 線される。

【０００５】 このように構成された高周波コイル１は、プリント基板に設けられた孔に、各 端子４，５の下端を挿入し、該端子４，５をハンダ付けすることにより、上記プ リント基板上に実装され得る。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このように構成された従来の高周波コイル１においては、チッ プコンデンサ６の接着剤による仮止めが必要であり、組立作業が複雑となって、 面倒であると共に、コストが高くなってしまい、また端子４の間隔と、該端子４ の間に配設するチップコンデンサ６の大きさを正確に合わせる必要があり、構成 の自由度が制限されてしまい、異なるチップコンデンサに対しては、別の構成の 基台２を用意しなければならず、生産効率が低下してしまうと共に、端子４は、 通常断面が円形に形成されていることから、該端子４とチップコンデンサ６の電 極部との接触面積が比較的小さく、従ってハンダ付けの信頼性があまり高くない という問題があった。

【０００７】 本考案は、以上の点に鑑み、チップコンデンサ等のチップ素子の仮止めを排除 して、組立作業を簡単にすると共に、ハンダ付けすべきチップ素子の構成の自由 度を確保することにより、生産効率を向上せしめ、さらにハンダ付けの信頼性を 向上させるようにした、高周波コイルを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、本考案によれば、コイル要素が装着されるべき基台と、該基台を 上下に貫通し且つ下端がピン状に突出している複数本の端子と、該基台上に取り 付けられるコイル要素と、該基台上で、前記端子に電気的に接続されるチップ素 子と、を備えている、高周波コイルにおいて、上記端子は、その断面が方形に形 成されていて、且つ該基台の上面から突出している上部が、水平方向に折曲せし められており、この水平に折曲せしめられた各端子の上部に対して、それぞれ一 側が一体的に成形されまたは電気的に接続され且つ該端子と同様に断面が方形に 形成された接続端子部が、その他側にて、チップ素子の各電極部の領域に、互い に接触しないように延びており、各接続端子部の上面に、該チップ素子の各電極 部が載置され、ハンダ付けされることを特徴とする、高周波コイルにより、達成 される。

【０００９】

【作用】

上記構成によれば、基台の上面に突出した各端子の上部と、チップ素子の各電 極部とを連結するように、それぞれ接続端子部が備えられていることにより、各 端子の上部が、該接続端子部の一側に対して一体的に成形され、またはハンダ付 け等により電気的に接続されると共に、該接続端子部の他側の方形状の上面に、 それぞれチップ素子の各電極部が載置されるので、該チップ素子の各電極部は、 該接続端子部の平坦な表面に載ることになる。

【００１０】 従って、該電極部の該接続端子部に対する接触面積が比較的大きいことから、 該チップ素子の電極部の安定性が比較的高く、該チップ素子の仮止めが不要とな り、而もハンダ付けによって確実に固定され、電気的に接続され得ることとなり 、ハンダ付けの信頼性が向上することとなる。

【００１１】 さらに、該チップ素子の電極部が、端子に対してハンダ付けにより電気的に接 続された金属端子部の水平な表面に対して載置され且つハンダ付けされることか ら、該チップ素子の電極部の寸法に関して、自由度があり、種々の大きさのチッ プ素子が装着され得ることにより、生産効率が向上せしめられ得ることとなる。

【００１２】

【実施例】

以下、図面に示した実施例に基づいて、本考案を詳細に説明する。 図１は、本考案による高周波コイルの一実施例を示している。

【００１３】 高周波コイル１０は、樹脂成形されたほぼ直方体状の基台１１上に、例えば、 図示しないコイルが巻回されたドラムコア，キャップコア等が配設され、その全 体が同様に図示しないシールドケースにより覆われることにより、構成されてい る。

【００１４】 該基台１１の一側（図面にて手前側）で長手方向に沿って並んで、２本の端子 挿入孔１１ａが、また他側（図面にて向こう側）で同様に長手方向に沿って並ん で、２本の端子挿入孔１１ｂが、それぞれ基台１１を上下に貫通するように、穿 設されていると共に、各端子挿入孔１１ａ，１１ｂは、該基台１１の上面に設け られた長手方向に延びる溝部１１ｃ，１１ｄの底面に開口するようになっている 。

【００１５】 該基台１１の上面の中央付近には、チップ素子収容部１１ｅが形成されており 、該チップ素子収容部１１ｅは、その底面に、一直線上に整列していて、且つ互 いに壁部１１ｆにより仕切られた溝１１ｇ，１１ｈを備えていて、該溝１１ｇ， １１ｈは、それぞれ該壁部１１ｆと反対側で、上記溝部１１ｃ，１１ｄを越えて 、基台１１の側壁にて孔１１ｉから外部に開口するように成形されている。

【００１６】 各端子挿入孔１１ａ，１１ｂには、それぞれ端子１２及び１３が、圧入等によ り挿入される。ここで、各端子１２，１３は、それぞれ図示のように、断面が方 形に形成されていると共に、該基台１１の各端子挿入孔１１ａ，１１ｂ内に挿入 された後に、折曲せしめられることにより、該溝１１ｃ，１１ｄ内でほぼ水平に 位置せしめられる。

【００１７】 さらに、前記溝部１１ｇ，１１ｈ内には、それぞれ該基台１１の側面に開口し た孔１１ｉから、それぞれ端子１２，１３と同様に方形に形成された接続端子部 １４，１５が挿入され、その先端が前記壁部１１ｆに当接した状態で固定される 。このとき、該接続端子部１４，１５の後端は、該基台１１の側面と同一面にな るようになっている。その後、該端子１２は、該接続端子部１４，１５の溝部１ １ｃ，１１ｄ内に位置する一側の部分に対して、ハンダ付け等により電気的に接 続されるようになっている。

【００１８】 尚、壁部１１ｆは、該接続端子１４，１５が互いに接触しないようになってい れば、省略しても良い。

【００１９】 該接続端子部１４，１５のチップ素子収容部１１ｅの底面の端部付近に位置す る他側の部分の上面には、クリームハンダが塗布され、その後、該チップ素子収 容部１１ｅ内に、チップコンデンサ１６が挿入される。これにより、該チップコ ンデンサ１６の両端の電極部１６ａ，１６ｂは、それぞれ接続端子部１４，１５ のチップ素子収容部１１ｅ内の端部付近に位置する他側の部分の上面に載置され ることとなり、その部分に塗布してあるクリームハンダを溶融させることにより 、自動ハンダ付けが行なわれ得る（図２及び図３参照）。

【００２０】 その際、該チップコンデンサ１６は、金属端子部１４，１５の他側の部分の平 坦な表面に載置されていると共に、該チップ素子収容部１１ｅの側壁により挟持 されていることによって、安定して保持されることになる。従って、ハンダ付け の際のチップコンデンサ１６の仮止めは、不要である。

【００２１】 本考案による高周波コイル１０は以上のように構成されており、コイル１０は 、各端子１２，１３の上部が、接続端子部１４，１５の一側の部分にハンダ付け 等により電気的に接続されており、該接続端子部１４，１５の他側の部分に、チ ップコンデンサ１６の電極部１６ａ，１６ｂが載置されるので、該チップコンデ ンサ１６の電極部１６ａ，１６ｂは、該接続端子部１４，１５の方形状の平坦な 表面に載ることになり、該電極部１６ａ，１６ｂの該接続端子部１４，１５に対 する接触面積が比較的大きくなる。

【００２２】 これにより、該チップコンデンサ１６の接続端子部１４，１５に対する安定性 が比較的高くなるから、該チップコンデンサ１６の仮止めが不要となり、而もハ ンダ付けによって、確実に固定され且つ電気的に接続され得る。

【００２３】 このようにして構成された高周波コイル１０は、プリント基板に設けられた取 付孔に、各端子１２，１３の下端を挿入し、該端子１２，１３をハンダ付けする ことにより、上記プリント基板上に実装され得る。

【００２４】 図４は、上述した実施例とは、接続端子部１４，１５が、端子１２，１３と一 体に形成されており、端子挿入孔１１ａ，１１ｂ内に挿入後に、折曲せしめられ ることにより、溝１１ｇ，１１ｈ内にてほぼ水平に位置せしめられるようになっ ている点を除いては、図１の実施例と同様の構成であり、その作用も同様である 。

【００２５】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、チップコンデンサ等のチップ素子の仮止 めを排除して、組立作業を簡単にすると共に、ハンダ付けすべきチップ素子の構 成の自由度を確保することにより、生産効率を向上せしめ、さらにハンダ付けの 信頼性が高い、極めて優れた高周波コイルが提供され得ることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による高周波コイルの一実施例を示す基
台の斜視図である。

【図２】図１の高周波コイルにおける端子，接続端子部
及びチップコンデンサの位置関係を示す概略斜視図であ
る。

【図３】図１の高周波コイルの接続端子部付近の断面図
である。

【図４】本考案による高周波コイルの他の実施例におけ
る端子，接続端子部及びチップコンデンサの位置関係を
示す概略斜視図である。

【図５】従来の高周波コイルの一例を示す分解斜視図で
ある。

【図６】従来の高周波コイルにおけるチップ素子を装着
した基台を示す斜視図である。

【図７】図６の基台の概略断面図である。

【符号の説明】

１０ 高周波コイル １１ 基台 １１ａ，１１ｂ 端子挿入孔 １１ｃ，１１ｄ，１１ｇ，１１ｈ 溝部 １１ｅ チップ素子収容部 １１ｆ 壁部 １１ｉ 孔 １２，１３ 端子 １４，１５ 接続端子部 １６ チップコンデンサ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイル要素が装着されるべき基台と、該
   基台を上下に貫通し且つ下端がピン状に突出している複
   数本の端子と、該基台上に取り付けられるコイル要素
   と、該基台上で、前記端子に電気的に接続されるチップ
   素子と、を備えている、高周波コイルにおいて、 上記端子は、その断面が方形に形成されていて、且つ該
   基台の上面から突出している上部が、水平方向に折曲せ
   しめられており、この水平に折曲せしめられた各端子の
   上部に対して、それぞれ一側が一体的に成形されまたは
   電気的に接続され且つ該端子と同様に断面が方形に形成
   された接続端子部が、その他側にて、チップ素子の各電
   極部の領域に、互いに接触しないように延びており、各
   接続端子部の上面に、該チップ素子の各電極部が載置さ
   れ、ハンダ付けされることを特徴とする、高周波コイ
   ル。