JPH0541636B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0541636B2
JPH0541636B2 JP3009986A JP998691A JPH0541636B2 JP H0541636 B2 JPH0541636 B2 JP H0541636B2 JP 3009986 A JP3009986 A JP 3009986A JP 998691 A JP998691 A JP 998691A JP H0541636 B2 JPH0541636 B2 JP H0541636B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
amylase
chloro
substrate
nitrophenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3009986A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04305594A (ja
Inventor
Koichiro Tobe
Akemichi Maki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd filed Critical Daiichi Kagaku Yakuhin Co Ltd
Priority to JP998691A priority Critical patent/JPH04305594A/ja
Publication of JPH04305594A publication Critical patent/JPH04305594A/ja
Publication of JPH0541636B2 publication Critical patent/JPH0541636B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、β−(2−クロロ−4−ニ
トロフエニル)−マルトペンタオシドに関する。
【0002】 本発明のβ−(2−クロロ−4−ニト
ロフエニル)−マルトペンタオシドは、血清又は
他の生物学的体液に含まれるα−アミラーゼを測
定するためのα−アミラーゼ測定用試薬として有
用である。
【0003】 これまで知られているα−アミラーゼ
測定用試薬のうちオリゴ糖の配糖体としては、例
えばパラニトロフエノールがα位に結合したオリ
ゴ糖(特開昭53−12831、特開昭54−51892)又は
ハロゲン化フエニル基の結合したオリゴ糖(特開
昭56−35998)等が知られている。なお特開昭53
−12831号においては、フエニル基がマルトペン
タオシドの還元性末端に置換したものが示されて
いるが、詳細な説明によると、フエニル基の結合
状態はマルトペンタオシドの還元性末端における
α−結合に限られており、置換フエニル基として
はパラニトロフエニル基が示されているにすぎな
い。これら公知の基質を用いてα−アミラーゼを
測定すると、前者の基質では、オリゴ糖が4個以
下の短鎖の場合にはα−アミラーゼの作用が緩慢
であり、オリゴ糖が5個で置換フエニル基がα配
位の基質及びオリゴ糖6以上のものでは、、基質
分子中で2か所以上のα−グルコシド結合が切断
される。このことは、α−アミラーゼと基質との
反応により生じた生成物がさらに該酵素の基質と
して作用を受けることを意味し、したがつて該反
応の化学量論が成立しないことになり、レイトア
ツセイ法には好ましい基質といえない。また後者
の基質を用いた場合には、体液中に投与したフエ
ノール誘導体等の治療薬物により測定値が影響を
受けやすく、またレイトアツセイも著しく困難と
なる等の欠点がある。
【0004】 そこで本発明者らは、上記欠点のない
アミラーゼ測定に好適な基質を求めて研究した結
果、オリゴ糖が5個でしかも置換フエニル基の結
合状態がβ配位の基質のみが、α−アミラーゼに
よつて主として1か所のα−1,4−グルコシド
結合が切断されること、さらにPH7.0付近で安定
でしかも極大の分子吸光係数を持つ2−クロロ−
4−ニトロフエニル基を利用すると、、特に優れ
た測定結果が得られることを見出した。
【0005】 本発明は、次式
【化2】
【化】 で表わされ、融点198〜201℃、紫外部吸収スペク
トルにおいて295nm付近に吸収極大を有するβ−
(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−マルトペン
タオシドである。
【0006】 本発明の化合物は、下記の方法で製造
できる。 次式
【化3】
【化】 で表わされるマルトペンタオースに、次式 (RCO)2O () (式中Rはアルキル基を意味する)で表わされ
る有機酸無水物を作用させ、得られる次式
【化4】
【化】 (式中Rは前記の意味を有する)で表わされる
化合物(ヘプタデカアシルマルトペンタオース)
を、ハロゲン化して次式
【化5】
【化】 (式中Xはハロゲンを、Rは前記の意味を有す
る)で表わされる化合物(1−ハロゲノ1−デオ
キシヘキサデカアシルマルトペンタオース、別名
ヘキサデカアシルマルトペンタオシルハライド)
となし、これに次式
【化6】
【化】 で表わされる2−クロロ−4−ニトロフエノール
をその有機塩の形で、又は有機塩基の存在下で作
用させ、得られる次式
【化7】
【化】 (式中Rは前記の意味する)で表わされるβ−
(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−ヘキサデカ
アシルマルトペンタオシドを脱アシル化すること
により式(1)の化合物が得られる。
【0007】 特開昭56−35998号公報に示されるマ
ルトオリゴ糖の還元性末端はアノマー性炭素であ
り、従来この炭素上の置換基はα,β配位の混合
物としてのみ得られ、その単離精製はほとんど不
可能と考えられていた。しかるに本発明の方法を
採用することにより、2−クロロ−4−ニトロフ
エノル基が還元性末端にβ−結合したマルトペン
タオシドを単離精製することが可能となつた。
【0008】 本発明の各反応を以下に説明する。 水酸基のアシル化反応: マルトペンタオース(2)のアシル化は、公知方
法、例えば反応物としての有機酸無水物中で、好
ましくは無水有機酸のアルカリ金属塩等の触媒の
存在下に加熱処理することによつて実施する。 (RCO)2Oで表わされる有機酸無水物は、例え
ば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等であ
る。触媒としては、無水有機酸のナトリウム塩、
カリウム塩等のアルカリ金属塩、ピリジン、コリ
ジン等が用いられる。 反応の調節又は反応後の目的物の精製を容易に
するため、反応溶液に非水溶媒例えばクロロホル
ム、ジクロロメタン等を添加することもできる。 上記反応に使用される有機酸無水物の量は、マ
ルトペンタオースの重量の5〜50倍、好ましくは
7〜15倍であり、また触媒として無水有機酸のア
ルカリ金属塩を使用する場合は、その量はマルト
ペンタオースの重量の0.5〜3倍好ましくは0.5〜
1.5倍である。
【0009】 反応温度は普通は約90〜140℃、好ま
しくは100〜110℃である。反応時間は反応温度に
影響されるが、好ましい反応温度条件では約2な
いし4時間である。反応混合物を常法により0〜
5℃に冷却し、析出する固形物を分別し、水洗し
たのち乾燥する。得られた固体生成物(ヘプタデ
カアシルマルトペンタオースIV)は、エタノー
ル、メタノール等のアルコール類、メチルエチル
ケトン、アセトン等のケトン類、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル等のエーテル類等の溶媒を
単独でもしくは組み合わせて使用して再結晶する
ことができるが、該固体生成物を十分乾燥してそ
のまま次の反応に使用することもできる。
【0010】末端のハロゲン化: ヘプタデカアシルマルトペンタオース()の
ハロゲン化は、無水ハロゲン化水素、塩化アルミ
ニウムと五塩化リン、又は四塩化チタン、塩化第
二スズ等で行われるが、生成物の収率とこれに関
連する副反応の抑制および目的物の精製の容易さ
から、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等の
低極性非水溶媒中で、無水4ハロゲン化チタンを
用いて処理する方法が特に好ましい。 なお無水4ハロゲン化チタンとしては、4塩化
チタン、4臭化チタン、4ヨウ化チタン等を用い
ることができ、ヘプタデカアシルマルトペンタオ
ースに対する無水4ハロゲン化チタンの量は、通
常は1〜20倍モルでよく、3〜8倍モルが好まし
い。
【0011】 このハロゲン化反応は、常圧で室温と
使用する溶媒の沸点との間で行われるが、溶媒の
沸点で還流しながら実施することが特に好まし
い。反応時間は反応温度に影響されるが、溶媒の
沸点付近で反応させる場合、通常は30分ないし
1.0時間程度である。 反応混合物を常法により冷却し、これに有機溶
媒例えばクロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エ
チル等を加え、有機溶媒層を分取し、水、飽和重
炭酸ソーダ水溶液等で数回洗浄したのち乾燥し乾
固する。
【0012】 得られた固体生成物()は、シリカ
ゲルクロマトグラフイー等の常法により分離精製
したのち、エタノール、メタノール等のアルコー
ル類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン
類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエ
ーテル類の溶媒を単独でもしくは組み合わせて使
用して再結晶することができるが、乾固物のまま
十分乾燥して次の反応に使用することができる。
【0013】置換反応: 前記の1−ハロゲンノ−1−デオキシヘキサデ
カアシルマルトペンタオース()のアノマー性
ハロゲン基を、2−クロロ−4−ニトロフエノキ
シ基で置換して、β−(2−クロロ−4−ニトロ
フエニル)−ヘキサデカアシルマルトペンタオシ
ド()を得る。 本反応に使用する2−クロロ−4−ニトロフエ
ノールの量は、1〜20倍モル好ましくは1.2〜6.0
倍モルである。
【0014】 2−クロロ−4−ニトロフエノール
は、本反応を促進させるために反応溶媒中で塩と
なつて解離している必要があり、このため2−ク
ロロ−4−ニトロフエノールの有機塩、例えばト
リエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、ピリジ
ン塩、ピコリン塩等が用いられる。2種以上のこ
れらの塩を併用することもでき、また前もつて2
−クロロ−4−ニトロフエノール塩を調製せず
に、反応溶液中に有機塩基を添加するか、又は有
機塩基を直接反応溶媒としてもよい。塩基の添加
量は、反応が終了するまで液性を中性ないしアル
カリ性に保持するのに必要な量が好ましい。
【0015】 本反応は、通常は溶媒の存在下に行う
ことが好ましい。溶媒としては、本反応に関与し
ないものであれば特に限定されないがヘキサデカ
アシルマルトペンタオシルハライド及び2−クロ
ロ−4−ニトロフエノール又はその塩の溶解度が
大きく、かつその反応性を高める溶媒が好まし
く、例えば下記の溶媒が用いられる。アミド例え
ばメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等、ニトリル例えばアセトニトリル、ベンゾニト
リル等、ジメチルスルホキシド、有機塩基例えば
トリアルキルアミン、ピリジン、ルチジン等、芳
香族炭化水素例えばベンゼン、トルエン等、なら
びにこれらの2種以上の混合液。
【0016】 本反応は一般に−5〜100℃程度で進
行するが、通常は10〜50℃の反応温度が好まし
い。 反応時間は、反応助剤である塩基の種類ならび
に反応温度によつて異なるが、通常は5〜20時間
である。反応終了後、反応混合物を氷水中に投入
して析出する固形物を濾取するか、又は適当な有
機溶媒で目的物を抽出し、乾燥後に乾固すること
により、固形物を得る。化合物が固形物として
得られる。 これを常法により、例えばアルミナ、シリカゲ
ル等を用いるカラムクロマトグラフイ、有機溶媒
を用いる結晶化法などを適宜組合わせて施すこと
により、精製できる。
【0017】脱アシル化反応: 化合物からのアシル基の除去は、公知方法例
えば脱水したメタノール中のアルカリ金属アルコ
キシド又は無水アンモニアのメタノール溶液等の
触媒の存在下で実施することができる。アルカリ
金属アルコキシドとしては、例えばナトリウムメ
トキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブ
トキシド等を用いることができる。
【0018】 反応終了後の目的物の精製を容易にす
るため、脱水メタノールにクロロホルム、ジクロ
ロメタン等の低極性非水溶媒を添加して反応する
ことが好ましい。添加する低極性非水溶液は、脱
アシル化反応を阻害せず、生成した2−クロロ−
4−ニトロフエニルーマルトペンタオシドが反応
系から析出することが必要であるため、その量は
溶媒によつて異なるが、使用する脱水メタノール
の量の0.5〜2倍が好ましい。
【0019】 脱アシル化反応は、0〜30℃の温度で
6〜24時間以内で終了する。脱水メタノール単独
溶媒の反応系では、反応終了後に減圧下でメタノ
ールを留去し、得られる固形物を酸性のイオン交
換樹脂又は無機酸を用いて混在する塩基性物質を
中和処理したのち、薄層クロマトグラフイ、カラ
ムクロマトグラフイ等により化合物を精製す
る。低極性溶媒を添加した反応系の場合は、目的
物が反応液中から析出するので、これを濾取し、
分離精製工程にかけることができる。
【0020】 以上のようにして得た当該基質を使用
し、α−アミラーゼ活性を測定する場合、次の様
な利点を有する。 (1) 当該基質はオリゴ糖が5個であり、置換フエ
ニル基である2−クロロ−4−ニトロフエニル基
の結合状態がβ配位であるため、当該基質分子中
でα−アミラーゼにより切断されるα−1,4−
グルコシド結合は、1箇所のみであり、かつこの
切断箇所はヒト体液中αアミラーゼの大部分を占
める膵アミラーゼおよび唾液アミラーゼで同一で
あるため、α−アミラーゼ反応を化学量論的に検
出することができる。この基質を使用してα−ア
ミラーゼを測定すると、理論値と測定値が一致
し、従来法と比べて測定系の信類性は格段に向上
する。
【0021】 (2) 当該基質は至適条件下で、α−ア
ミラーゼの作用により特異的かつ迅速な反応速度
で加水分解される。また比色定量される発色団2
−クロロ−4−ニトロフエノールは吸収ピークに
おける分子吸光係数が大きく極めて感度よく測定
できる。
【0022】 本発明のβ−(2−クロロ−4−ニト
ロフエニル)−マルトペンタオシドは、血清又は
他の生物学的体液に含まれるα−アミラーゼの測
定用試薬として極めて有用である。
【0023】
【実施例1】 (A) ヘプタデカアシルマルトペンタオースの製造 マルトペンタオース20g(24mモル)、無水酢酸
262ml及び無水酢酸ナトリウム19.8gの混合物を
103℃で4時間攪拌し、さらに氷水中に注入して
一夜攪拌したのち、粘着物を氷水中ですりよぶ
し、濾取する。得られた結晶をエタノールから再
結晶し、32.6gのヘプタデカアセチルマルトペン
タオースが得られる(21mモル、87.5%)。
【0024】 融点:125〜130℃ 赤外線スペクトルcm-1:1740、1370、1230、1030 薄層クロマトグラフイ(シリカゲル、展開溶媒:
ベンゼン/酢酸エチル=2:3):Rf=0.47 元素分析値:C64H86O43として C H 理論値(%) 49.81 5.62 測定値(%) 49.30 5.72
【0025】 (B) ヘキサデカアセチルマルトペンタ
オシルクロリドの製造 (A)で得られたヘプタデカアセチシルマルトペン
タオース5g(3.2mモル)、クロロホルム25mlおよ
び四塩化チタンの混合物を、1時間還流攪拌し、
反応液にクロロホルム300mlを加え、水100mlで3
回洗浄したのちクロロホルム層に無水硫酸ナトリ
ウムを加え、脱水したのち濃縮乾固する。得られ
た粗生成物4.8gをシリカゲルカラムクロマトグラ
フイにより精製し、ベンゼン−酢酸エチル混液
(容量比4:3)で溶出した区分をメタノールか
ら再結晶すると、3.2gのヘキサデカアシルマルト
ペンタオシルクロリドが得られる(2.1mモル、
65%)。
【0026】 融点:175〜132℃ 赤外線吸収スペクトルcm-1:1750、1370、1250、
1040、760 薄層クロマトグラフイ(シリカゲル、展開溶媒:
ベンゼン/酢酸エチル=2:3):Rf=0.50 元素分析値:C62H83O41Clとして C H 理論値(%) 49.00 5.56 測定値(%) 48.56 5.58 (C) β−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−ヘ
キサデカアセチルマルトペンタオシドの製造 (B)で得られた化合物3g(2mモル)、2−クロロ
−4−ニトロフエノール1.8g(10mモル)を脱水
ベンゼン30mlに溶解し、トリエチルアミン2.5ml
を添加し、2時間攪拌しながら還流加熱する。次
いで混合物を約100mlの氷水中に注ぎ、200mlの酢
酸エチルで抽出する。抽出液を飽和重炭酸ナトリ
ウム水溶液及び水で洗浄し、有機溶媒層を無水硫
酸ナトリウムで脱水したのち、減圧下に乾固する
と3.1gの粗生成物が得られる。この生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイにより精製し、ベ
ンゼン−酢酸エチル混液(容量比4:3)で溶出
した分画区分をメタノールから再結晶すると、β
−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−ヘキサデ
カアセチルマルトペンタオシド1.4g(0.8mモル、
40%)が得られる。
【0028】 融点:123〜128℃ 紫外部吸収スペクトル:吸収極大波長〔λnax〕=
283nm 分子吸光係数(ε)=8900(CHCl3) 赤外線吸収スペクトルcm-1:1740、1580、1520、
1480、1360、1200、1020 薄層クロマトグラフイ(シリカゲル、展開溶媒:
ベンゼン/酢酸エチル=2:3)Rf=0.50 元素分析値:C68H86O44NClとして C H 理論値(%) 49.30 5.23 測定値(%) 48.71 5.35
【0029】 (D) β−(2−クロロ−4−ニトロフ
エニル)−マルトペンタオシドの製造方法 (C)で得られた化合物1g(0.6mモル)を脱水メタ
ノール7ml及びジクロロメタン7mlの混液に溶解
し、室温で攪拌しながら0.5Nナトリウムメトキ
サイド1.0mlを添加し、16時間反応させる。反応
終了後、析出した沈殿を濾取し、脱水メタノール
ージクロロメタン混液(1:1)で洗浄したの
ち、減圧下に乾固すると、粗β−(2−クロロ−
4−ニトロフエニル)−マルトペンタオシド0.55g
が得られる(0.56mモル、93%)この粗生成物
0.55gを水を用いたバイオゲルP2のカラムクロマ
トグラフイにより精製し、中央留分より次の理化
学的性質を有するβ−(2−クロロ−4−ニトロ
フエニル)−マルトペンタオシドが0.41g得られる
(0.42mモル、70%)。
【0030】 融点:198〜201℃ 紫外部吸収スペクトル:吸収極大波長〔λnax〕=
295nm 分子吸光係数(ε)=8100(H2O) 赤外線吸収スペクトルcm-1:3400、2920、1580、
1520、1480、1350、1270、1020 核磁気共鳴スペクトル(250MHz)ppm 8.31(d,J,=3Hz,1H) 8.18(dd,J=3Hz,J=9Hz,1H) 7.43(d,J=9Hz,1H) 5.34〜5.57(m,9H) 3.92〜3.03(m,26H) 本物質の2−クロロ−4−ニトロフエニル基の
配位がβ位であることは、α−グルコシダーゼ及
びβ−グルコシダーゼの両酵素を用いて確認し
た。
【0031】
【実験例1】 下記の試薬を用い、ヒト膵臓アミラーゼ(以下
P−アミラーゼと呼ぶ)の反応性を測定した。 試薬A(基質液):β−(2−クロロ−4−ニト
ロフエニル)−マルトペンタオシド(以下G5β−
CNPと呼ぶ)及びα−(4−ニトロフエニル)−
マルトペンタオシド(以下G5α−PNPと呼ぶ)
の各基質を0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)にて、そ
れぞれ6mMとなるように調製する。 試薬B(反応停止液):1Mリン酸及びアセトニ
トリル 試料:P−アミラーゼを500IU/1に調製す
る。 HPLC測定条件 移動相:10%アセトニトリル カラム:TSK−ゲルNH2−60(東ソー社製) 流速:0.7ml/分 検出:UV計
【0032】 測定操作: 試薬A0.6mlを37℃で5分間予備加温する。次
いでP−アミラーゼ0.02mlを加え、60分経過後に
1Mリン酸0.1ml及びアセトリニトリル0.6mlを加
え反応を停止させる。この反応液15μlを試料とし
てアミラーゼの反応性をHPLCにより測定した。
残存基質量、生成するG2α−PNP、G3α−PNP、
G2β−CNP及びG3β−CNPの量を下記表に示す。
【0033】 本発明のG5β−CNP及び比較例のG5α
−PNPに対するP−アミラーゼの作用部位を比
較すると、P−アミラーゼはG5β−CNPでは、
還元末端から2番目のグルコシド結合(G2−G3
間)に対して特異的に作用する。一方、P−アミ
ラーゼはG5α−PNPでは、G2−G3間への特異性
が低く、これより糖鎖の長いG3−G4間に対する
反応性が高い。
【0034】
【表1】 ■■■ 亀の甲 [0066] ■■■
【0035】
【実施例2】 下記の試薬を用い、α−グルコシダーゼの反応
性を測定した。 試薬A:0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)にグルコ
ースオキシダーゼ50U/ml、N−エチル−N−
(2ーヒドロキシ−3−プロピル)−3,5−ジメ
トキシアニリンナトリウム(DAOS)1mM、4
−アミノアンチピリンmM、バーオキシダーゼ
3U/mlを加えて調製する。 試薬B(基質):p−ニトロフエニル−α・D・
G1〜G5又はG2〜G5各20mMを0.1Mリン酸緩衝
液(PH7.0)に溶解する。(G:グルコース単位)。 試薬C:0.5Mくえん酸 試料:α−グルコシダーゼ0.01〜2U/ml
【0036】 測定法:試料A1.0mlと試薬B0.5mlを
混合し、87℃で5分間予備加温する。次いで試料
0.5mlを加え、15分経過後、試薬C2.0mlを加えて
反応を停止させ、590nmにおける吸光度を測定
し、G2(マルトース)で得られた値を100%とし
て、各マルトオリゴ糖及びp−ニトロフエニルマ
ルトオリゴ等の値を算出した。
【0037】 その結果を図1に示す。図1はα−グ
ルコシダーゼの種々の基質に対する反応性と基質
重合度との関係を示すグラフであつて、図中の実
線は4−ニトロフエニルマルトオリゴ糖、点線は
マルトオリゴ糖を基質とした場合である。
【0038】 アミラーゼ測定基質の重要な条件の1
つとして、アミラーゼの作用部位が1カ所である
こと、またもし作用部位が2カ所以上であつたと
しても、生成した反応生成物のいずれに対しても
共役酵素(α−グルコシダーゼ)が同一の反応性
を示し、完全に測定系に導けることが必要である
(第2回臨床化学夏期セミナープログラム資料
集)。本願発明の基質はアミラーゼによる反応生
成物がほとんどG2β−CNP単一であるのに対し
て、比較例の基質(G5α−PNP)はそれがG2α−
PNPとG3α−PNPの混合物となる。
【0039】 図1に示すようにα−グルコシダーゼ
によるG3α−PNPとG2α−PNPに対する反応性
は約4倍も異なり、G3α−PNPが多量に生成す
ると完全に測定系に導くのに障害となる。
【図面の簡単な説明】
図1はα−グルコシダーゼの種々の基質に対す
る反応性と基質重合度との関係を示すグラフであ
る。
【化8】
【化】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式 【化1】 【化】 で表わされ、融点198〜201℃、紫外部吸収スペク
    トルにおいて295nm付近に吸収極大を有するβ−
    (2−クロロ−4−ニトロフエニル)−マルトペン
    タオシド。
JP998691A 1991-01-04 1991-01-04 β−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド Granted JPH04305594A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP998691A JPH04305594A (ja) 1991-01-04 1991-01-04 β−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP998691A JPH04305594A (ja) 1991-01-04 1991-01-04 β−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18582983A Division JPS6078994A (ja) 1983-10-06 1983-10-06 β−(2−クロロ−4−ニトロフエニル)−マルトペンタオシド及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04305594A JPH04305594A (ja) 1992-10-28
JPH0541636B2 true JPH0541636B2 (ja) 1993-06-24

Family

ID=11735206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP998691A Granted JPH04305594A (ja) 1991-01-04 1991-01-04 β−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04305594A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9622483B2 (en) 2014-02-19 2017-04-18 Corning Incorporated Antimicrobial glass compositions, glasses and polymeric articles incorporating the same
US11039620B2 (en) 2014-02-19 2021-06-22 Corning Incorporated Antimicrobial glass compositions, glasses and polymeric articles incorporating the same

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS602199A (ja) * 1983-06-21 1985-01-08 Toyobo Co Ltd α−アミラ−ゼ活性測定法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS602199A (ja) * 1983-06-21 1985-01-08 Toyobo Co Ltd α−アミラ−ゼ活性測定法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9622483B2 (en) 2014-02-19 2017-04-18 Corning Incorporated Antimicrobial glass compositions, glasses and polymeric articles incorporating the same
US11039620B2 (en) 2014-02-19 2021-06-22 Corning Incorporated Antimicrobial glass compositions, glasses and polymeric articles incorporating the same
US11039619B2 (en) 2014-02-19 2021-06-22 Corning Incorporated Antimicrobial glass compositions, glasses and polymeric articles incorporating the same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04305594A (ja) 1992-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH03175999A (ja) β―ガラクトシダーゼのための基質
Bridiau et al. One-pot stereoselective synthesis of β-N-aryl-glycosides by N-glycosylation of aromatic amines: application to the synthesis of tumor-associated carbohydrate antigen building blocks
JPH0541636B2 (ja)
JPH026760B2 (ja)
Tsou et al. Synthesis of Phenyl β-D-Glucopyruronoside1
Satomura et al. Synthesis of p-nitrophenyl 65-O-benzyl-α-maltopentaoside, a substrate for alpha amylases
KR880001565B1 (ko) 아미노시클리톨 유도체의 제조방법
Andersen et al. Structure of 1, 5-anhydro-D-fructose: X-ray analysis of crystalline acetylated dimeric forms
JPS6023120B2 (ja) アデノシン−3′,5′−環状リン酸アルキルトリエステルの製造法
US5254677A (en) β-galactosidase substrates for cedia
US4468385A (en) Poly-cation salts of 4-O-poly-hexaose-thio-alkylene sulfate derivatives and method of use
US4393055A (en) Hydroxyalkyl ether derivatives of rutin poly(H-)sulfate and method of use
JPH06179690A (ja) フコース誘導体、その製造方法、このものを有効成分とするα−L−フコシダーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα−L−フコシダーゼ活性の測定方法
US4407796A (en) Modulators of the complement system
JP3029925B2 (ja) マルトオリゴ糖誘導体およびその製造法
JP4197750B2 (ja) マルトオリゴ糖誘導体の製造方法
JP3070709B2 (ja) マルトオリゴ糖誘導体の製造法
JPS6323199B2 (ja)
JPH05170785A (ja) オリゴ糖誘導体の製造
JP4115066B2 (ja) 糖質アミジン誘導体
JPS63214193A (ja) 6−グルコシルマルトオリゴ糖誘導体の製法およびそれを用いるα−アミラ−ゼ活性測定法
JPH02258794A (ja) 色素を生成し得る配糖体およびその製法
JPH04368395A (ja) 2−クロロ−4−ニトロフェニル−α−D−マルトトリオシドの製造方法
Madson et al. Methyl 6-S-Methyl-6-thiohexopyranosides. Effect of the Methylthio Group at C-6 on Rates of Enzymic and Nonenzymic Hydrolysis1
JPH0220567A (ja) アゾ色素配糖体およびその製法