JPH04305594A - β−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド - Google Patents

β−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド

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JPH04305594A
JPH04305594A JP998691A JP998691A JPH04305594A JP H04305594 A JPH04305594 A JP H04305594A JP 998691 A JP998691 A JP 998691A JP 998691 A JP998691 A JP 998691A JP H04305594 A JPH04305594 A JP H04305594A
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nitrophenyl
amylase
maltopentaoside
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戸辺 光一郎
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牧 明道
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Daiichi Pure Chemicals Co Ltd
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SEISHIN SEIYAKU KK
Daiichi Pure Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、β−(2−クロロ−4−ニトロ
フェニル)−マルトペンタオシドに関する。
【0002】本発明のβ−(2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル)−マルトペンタオシドは、血清又は他の生物学
的体液に含まれるα−アミラーゼを測定するためのα−
アミラーゼ測定用試薬として有用である。
【0003】これまで知られているα−アミラーゼ測定
用試薬のうちオリゴ糖の配糖体としては、例えばパラニ
トロフェノールがα位に結合したオリゴ糖(特開昭53
−12831、特開昭54−51892)又はハロゲン
化フェニル基の結合したオリゴ糖(特開昭56−359
98)等が知られている。なお特開昭53−12831
号においては、フェニル基がマルトペンタオシドの還元
性末端に置換したものが示されているが、詳細な説明に
よると、フェニル基の結合状態はマルトペンタオシドの
還元性末端におけるα−結合に限られており、置換フェ
ニル基としてはパラニトロフェニル基が示されているに
すぎない。これら公知の基質を用いてα−アミラーゼを
測定すると、前者の基質では、オリゴ糖が4個以下の短
鎖の場合にはα−アミラーゼの作用が緩慢であり、オリ
ゴ糖が5個で置換フェニル基がα配位の基質及びオリゴ
糖6以上のものでは、基質分子中で2か所以上のα−グ
ルコシド結合が切断される。このことは、α−アミラー
ゼと基質との反応により生じた生成物がさらに該酵素の
基質として作用を受けることを意味し、したがって該反
応の化学量論が成立しないことになり、レイトアッセイ
法には好ましい基質といえない。また後者の基質を用い
た場合には、体液中に投与したフェノール誘導体等の治
療薬物により測定値が影響を受けやすく、またレイトア
ッセイも著しく困難となる等の欠点がある。
【0004】そこで本発明者らは、上記欠点のないアミ
ラーゼ測定に好適な基質を求めて研究した結果、オリゴ
糖が5個でしかも置換フェニル基の結合状態がβ配位の
基質のみが、α−アミラーゼによって主として1か所の
α−1,4−グルコシド結合が切断されること、さらに
pH7.0付近で安定でしかも極大の分子吸光係数を持
つ2−クロロ−4−ニトロフェニル基を利用すると、特
に優れた測定結果が得られることを見出した。
【0005】本発明は、次式
【化2】 で表わされ、融点198〜201℃、紫外部吸収スペク
トルにおいて295nm付近に吸収極大を有するβ−(
2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシ
ドである。
【0006】本発明の化合物は、下記の方法で製造でき
る。次式
【化3】 で表わされるマルトペンタオースに、次式(RCO)2
 O      ( III )(式中Rはアルキル基
を意味する)で表わされる有機酸無水物を作用させ、得
られる次式
【化4】 (式中Rは前記の意味を有する)で表わされる化合物(
ヘプタデカアシルマルトペンタオース)を、ハロゲン化
して次式
【化5】 (式中Xはハロゲンを、Rは前記の意味を有する)で表
わされる化合物(1−ハロゲノ1−デオキシヘキサデカ
アシルマルトペンタオース、別名ヘキサデカアシルマル
トペンタオシルハライド)となし、これに次式
【化6】 で表わされる2−クロロ−4−ニトロフェノールをその
有機塩の形で、又は有機塩基の存在下で作用させ、得ら
れる次式
【化7】 (式中Rは前記の意味する)で表わされるβ−(2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル)−ヘキサデカアシルマルト
ペンタオシドを脱アシル化することにより式(1)の化
合物が得られる。
【0007】特開昭56−35998号公報に示される
マルトオリゴ糖の還元性末端はアノマー性炭素であり、
従来この炭素上の置換基はα,β配位の混合物としての
み得られ、その単離精製はほとんど不可能と考えられて
いた。しかるに本発明の方法を採用することにより、2
−クロロ−4−ニトロフェニル基が還元性末端にβ−結
合したマルトペンタオシドを単離精製することが可能と
なった。
【0008】本発明の各反応を以下に説明する。 水酸基のアシル化反応:マルトペンタオース(2)のア
シル化は、公知方法、例えば反応物としての有機酸無水
物中で、好ましくは無水有機酸のアルカリ金属塩等の触
媒の存在下に加熱処理することによって実施する。 (RCO)2 Oで表わされる有機酸無水物は、例えば
無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等である。触媒
としては、無水有機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の
アルカリ金属塩、ピリジン、コリジン等が用いられる。 反応の調節又は反応後の目的物の精製を容易にするため
、反応溶液に非水溶媒例えばクロロホルム、ジクロロメ
タン等を添加することもできる。上記反応に使用される
有機酸無水物の量は、マルトペンタオースの重量の5〜
50倍、好ましくは7〜15倍であり、また触媒として
無水有機酸のアルカリ金属塩を使用する場合は、その量
はマルトペンタオースの重量の0.5〜3倍好ましくは
0.5〜1.5倍である。
【0009】反応温度は普通は約90〜140℃、好ま
しくは100〜110℃である。反応時間は反応温度に
影響されるが、好ましい反応温度条件では約2ないし4
時間である。反応混合物を常法により0〜5℃に冷却し
、析出する固形物を分別し、水洗したのち乾燥する。 得られた固体生成物(ヘプタデカアシルマルトペンタオ
ースIV)は、エタノール、メタノール等のアルコール
類、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、ジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類等の溶
媒を単独でもしくは組み合わせて使用して再結晶するこ
とができるが、該固体生成物を十分乾燥してそのまま次
の反応に使用することもできる。
【0010】末端のハロゲン化:ヘプタデカアシルマル
トペンタオース(IV)のハロゲン化は、無水ハロゲン
化水素、塩化アルミニウムと五塩化リン、又は四塩化チ
タン、塩化第二スズ等で行われるが、生成物の収率とこ
れに関連する副反応の抑制および目的物の精製の容易さ
から、例えばクロロホルム、ジクロロメタン等の低極性
非水溶媒中で、無水4ハロゲン化チタンを用いて処理す
る方法が特に好ましい。なお無水4ハロゲン化チタンと
しては、4塩化チタン、4臭化チタン、4ヨウ化チタン
等を用いることがてき、ヘプタデカアシルマルトペンタ
オースに対する無水4ハロゲン化チタンの量は、通常は
1〜20倍モルでよく、3〜8倍モルが好ましい。
【0011】このハロゲン化反応は、常圧で室温と使用
する溶媒の沸点との間で行われるが、溶媒の沸点で還流
しながら実施することが特に好ましい。反応時間は反応
温度に影響されるが、溶媒の沸点付近で反応させる場合
、通常は30分ないし1.0時間程度である。反応混合
物を常法により冷却し、これに有機溶媒例えばクロロホ
ルム、ジクロロメタン、酢酸エチル等を加え、有機溶媒
層を分取し、水、飽和重炭酸ソーダ水溶液等で数回洗浄
したのち乾燥し乾固する。
【0012】得られた固体生成物(V)は、シリカゲル
クロマトグラフィー等の常法により分離精製したのち、
エタノール、メタノール等のアルコール類、メチルエチ
ルケトン、アセトン等のケトン類、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル等のエーテル類等の溶媒を単独でもし
くは組み合わせて使用して再結晶することができるが、
乾固物のまま十分乾燥して次の反応に使用することがで
きる。
【0013】置換反応:前記の1−ハロゲンノ−1−デ
オキシヘキサデカアシルマルトペンタオース(V)のア
ノマー性ハロゲン基を、2−クロロ−4−ニトロフェノ
キシ基で置換して、β−(2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル)−ヘキサデカアシルマルトペンタオシド(VI)
を得る。本反応に使用する2−クロロ−4−ニトロフェ
ノールの量は、1〜20倍モル好ましくは1.2〜6.
0倍モルである。
【0014】2−クロロ−4−ニトロフェノールは、本
反応を促進させるために反応溶媒中で塩となって解離し
ている必要があり、このため2−クロロ−4−ニトロフ
ェノールの有機塩、例えばトリエチルアミン塩、トリブ
チルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩等が用いられる
。2種以上のこれらの塩を併用することもでき、また前
もって2−クロロ−4−ニトロフェノール塩を調製せず
に、反応溶液中に有機塩基を添加するか、又は有機塩基
を直接反応溶媒としてもよい。塩基の添加量は、反応が
終了するまで液性を中性ないしアルカリ性に保持するの
に必要な量が好ましい。
【0015】本反応は、通常は溶媒の存在下に行うこと
が好ましい。溶媒としては、本反応に関与しないもので
あれば特に限定されないがヘキサデカアシルマルトペン
タオシルハライド及び2−クロロ−4−ニトロフェノー
ル又はその塩の溶解度が大きく、かつその反応性を高め
る溶媒が好ましく、例えば下記の溶媒が用いられる。ア
ミド例えばメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等、ニトリル例えばアセトニトリル、ベンゾニトリル等
、ジメチルスルホキシド、有機塩基例えばトリアルキル
アミン、ピリジル、ルチジン等、芳香族炭化水素例えば
ベンゼン、トルエン等、ならびにこれらの2種以上の混
合液。
【0016】本反応は一般に−5〜100℃程度で進行
するが、通常は10〜50℃の反応温度が好ましい。反
応時間は、反応助剤である塩基の種類ならびに反応温度
によって異なるが、通常は5〜20時間である。反応終
了後、反応混合物を氷水中に投入して析出する固形物を
濾取するか、又は適当な有機溶媒で目的物を抽出し、乾
燥後に乾固することにより、固形物を得る。化合物VI
が固形物として得られる。これを常法により、例えばア
ルミナ、シリカゲル等を用いるカラムクロマトグラフィ
、有機溶媒を用いる結晶化法などを適宜組合わせて施す
ことにより、精製できる。
【0017】脱アシル化反応:化合物VIからのアシル
基の除去は、公知方法例えば脱水したメタノール中のア
ルカリ金属アルコキシド又は無水アンモニアのメタノー
ル溶液等の触媒の存在下で実施することができる。アル
カリ金属アルコキシドとしては、例えばナトリウムメト
キシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、
カリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等を用
いることができる。
【0018】反応終了後の目的物の精製を容易にするた
め、脱水メタノールにクロロホルム、ジクロロメタン等
の低極性非水溶媒を添加して反応することは好ましい。 添加する低極性非水溶液は、脱アシル化反応を阻害せず
、生成した2−クロロ−4−ニトロフェニル−マルトペ
ンタオシドが反応系から析出することが必要であるため
、その量は溶媒によって異なるが、使用する脱水メタノ
ールの量の0.5〜2倍が好ましい。
【0019】脱アシル化反応は、0〜30℃の温度で6
〜24時間以内で終了する。脱水メタノール単独溶媒の
反応系では、反応終了後に減圧下でメタノールを留去し
、得られる固形物を酸性のイオン交換樹脂又は無機酸を
用いて混在する塩基性物質を中和処理したのち、薄層ク
ロマトグラフィ、カラムクロマトグラフィ等により化合
物Iを精製する。低極性溶媒を添加した反応系の場合は
、目的物が反応液中から析出するので、これを濾取し、
分離精製工程にかけることができる。
【0020】以上のようにして得た当該基質を使用し、
α−アミラーゼ活性を測定する場合、次の様な利点を有
する。 (1)当該基質はオリゴ糖が5個であり、置換フェニル
基である2−クロロ−4−ニトロフェニル基の結合状態
がβ配位であるため、当該基質分子中でα−アミラーゼ
により切断されるα−1,4−グルコシド結合は、1箇
所のみであり、かつこの切断箇所はヒト体液中αアミラ
ーゼの大部分を占める膵アミラーゼおよび唾液アミラー
ゼで同一であるため、α−アミラーゼ反応を化学量論的
に検出することができる。この基質を使用してα−アミ
ラーゼを測定すると、理論値と測定値が一致し、従来法
と比べて測定系の信頼性は格段に向上する。
【0021】(2)当該基質は至適条件下で、α−アミ
ラーゼの作用により特異的かつ迅速な反応速度で加水分
解される。また比色定量される発色団2−クロロ−4−
ニトロフェノールは吸収ピークにおける分子吸光係数が
大きく極めて感度よく測定できる。
【0022】本発明のβ−(2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル)−マルトペンタオシドは、血清又は他の生物学
的体液に含まれるα−アミラーゼの測定用試薬として極
めて有用である。
【0023】
【実施例1】(A)ヘプタデカアセチルマルトペンタオ
ースの製造 マルトペンタオース20g(24mモル)、無水酢酸2
62ml及び無水酢酸ナトリウム19.8gの混合物を
103℃で4時間撹拌し、さらに氷水中に注入して一夜
撹拌したのち、粘着物を氷水中ですりつぶし、濾取する
。 得られた結晶をエタノールから再結晶し、32.6gの
ヘプタデカアセチルマルトペンタオースが得られる(2
1mモル、87.5%)。
【0024】融点:125〜130℃ 赤外線スペクトルcm−1:1740、1370、12
30、1030 薄層クロマトグラフィ(シリカゲル、展開溶媒:ベンゼ
ン/酢酸エチル=2: 3):Rf=0.47 元素分析値:C64H86O43として
【0025】(
B)ヘキサデカアセチルマルトペンタオシルクロリドの
製造 (A)で得られたヘプタデカアセチルマルトペンタオー
ス5g(3.2mモル)、クロロホルム25mlおよび
四塩化チタンの混合物を、1時間還流撹拌し、反応液に
クロロホルム300mlを加え、水100mlで3回洗
浄したのちクロロホルム層に無水硫酸ナトリウムを加え
、脱水したのち濃縮乾固する。得られた粗生成物4.8
gをシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、
ベンゼン−酢酸エチル混液(容量比4:3)で溶出した
区分をメタノールから再結晶すると、3.2gのヘキサ
デカアセチルマルトペンタオシルクロリドが得られる(
2.1mモル、65%)。
【0026】融点:175〜132℃ 赤外線吸収スペクトルcm−1:1750、1370、
1250、1040、760 薄層クロマトグラフィ(シリカゲル、展開溶媒:ベンゼ
ン/酢酸エチル=2:3):Rf=0.50元素分析値
:C62H83O41Clとして
【0027】(C)β
−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−ヘキサデカア
セチルマルトペンタオシドの製造(B)で得られた化合
物3g(2mモル)、2−クロロ−4−ニトロフェノー
ル1.8g(10mモル)を脱水ベンゼン30mlに溶
解し、トリエチルアミン2.5mlを添加し、2時間撹
拌しながら還流加熱する。次いで混合物を約100ml
の氷水中に注ぎ、200mlの酢酸エチルで抽出する。 抽出液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄し、
有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで脱水したのち、減圧
下に乾固すると3.1gの粗生成物が得られる。この生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し
、ベンゼン−酢酸エチル混液(容量比4:3)で溶出し
た分画区分をメタノールから再結晶すると、β−(2−
クロロ−4−ニトロフェニル)−ヘキサデカアセチルマ
ルトペンタオシド1.4g(0.8mモル、40%)が
得られる。
【0028】融点:123〜128℃ 紫外部吸収スペクトル:吸収極大波長〔λmax 〕=
283nm 分子吸光係数(ε)=8900(CHCl3 )赤外線
吸収スペクトルcm−1:1740、1580、152
0、1480、1360、1200、1020薄層クロ
マトグラフィ(シリカゲル、展開溶媒:ベンゼン/酢酸
エチル=2:3):Rf=0.50元素分析値:C68
H86O44NClとして
【0029】(D)β−(2
−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド
の製造方法(C)で得られた化合物1g(0.6mモル
)を脱水メタノール7ml及びジクロロメタン7mlの
混液に溶解し、室温で撹拌しながら0.5Nナトリウム
メトキサイド1.0mlを添加し、16時間反応させる
。反応終了後、析出した沈殿を濾取し、脱水メタノール
−ジクロロメタン混液(1:1)で洗浄したのち、減圧
下に乾固すると、粗β−(2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル)−マルトペンタオシド0.55gが得られる(0
.56mモル、93%)この粗生成物0.55gを水を
用いたバイオゲルP2のカラムクロマトグラフィにより
精製し、中央留分より次の理化学的性質を有するβ−(
2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシ
ドが0.41g得られる(0.42mモル、70%)。
【0030】融点:198〜201℃ 紫外部吸収スペクトル:吸収極大波長〔λmax 〕=
295nm 分子吸光係数(ε)=8100(H2 O)赤外線吸収
スペクトルcm−1:3400、2920、1580、
1520、1480、1350、1270、1020 核磁気共鳴スペクトル(250MHz)ppm8.31
(d,J,=3Hz,1H) 8.18(dd,J=3Hz,J=9Hz,1H)7.
43(d,J=9Hz,1H) 5.34〜5.57(m,9H) 3.92〜3.03(m,26H) 本物質の2−クロロ−4−ニトロフェニル基の配位がβ
位であることは、α−グルコシダーゼ及びβ−グルコシ
ダーゼの両酵素を用いて確認した。
【0031】
【実験例1】下記の試薬を用い、ヒト膵臓アミラーゼ(
以下P−アミラーゼと呼ぶ)の反応性を測定した。 試薬A(基質液):β−(2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル)−マルトペンタオシド(以下G5β−CNPと呼
ぶ)及びα−(4−ニトロフェニル)−マルトペンタオ
シド(以下G5α−PNPと呼ぶ)の各基質を0.1M
リン酸緩衝液(pH7.0)にて、それぞれ6mMとな
るように調製する。 試薬B(反応停止液):1Mリン酸及びアセトニトリル
試料:P−アミラーゼを500IU/lに調製する。 HPLC測定条件 移動相:10%アセトニトリル カラム:TSK−ゲルNH2 −60(東ソー社製)流
速:0.7ml/分 検出:UV計
【0032】測定操作:試薬A0.6mlを37℃で5
分間予備加温する。次いでP−アミラーゼ0.02ml
を加え、60分経過後に1Mリン酸0.1ml及びアセ
トリニトリル0.6mlを加え反応を停止させる。この
反応液15μlを試料としてアミラーゼの反応性をHP
LCにより測定した。残存基質量、生成するG2α−P
NP、G3α−PNP、G2β−CNP及びG3β−C
NPの量を下記表に示す。
【0033】本発明のG5β−CNP及び比較例のG5
α−PNPに対するP−アミラーゼの作用部位を比較す
ると、P−アミラーゼはG5β−CNPでは、還元末端
から2番目のグルコシド結合(G2−G3間)に対して
特異的に作用する。一方、P−アミラーゼはG5α−P
NPでは、G2−G3間への特異性が低く、これより糖
鎖の長いG3−G4間に対する反応性が高い。
【0034】
【表1】
【0035】
【実験例2】下記の試薬を用い、α−グルコシダーゼの
反応性を測定した。 試薬A:0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)にグルコ
ースオキシダーゼ50U/ml、N−エチル−N−(2
−ヒドロキシ−3−プロピル)−3,5−ジメトキシア
ニリンナトリウム(DAOS)1mM、4−アミノアン
チピリンmM、パーオキシダーゼ3U/mlを加えて調
製する。 試薬B(基質):p−ニトロフェニル−α・D・G1〜
G5又はG2〜G5各20mMを0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.0)に溶解する(G:グルコース単位)。 試薬C:0.5Mくえん酸 試料:α−グルコシダーゼ0.01〜2U/ml
【00
36】測定法:試料A1.0mlと試薬B0.5mlを
混合し、87℃で5分間予備加温する。次いで試料0.
5mlを加え、15分経過後、試薬C2.0mlを加え
て反応を停止させ、590nmにおける吸光度を測定し
、G2(マルトース)で得られた値を100%として、
各マルトオリゴ糖及びp−ニトロフェニルマルトオリゴ
等の値を算出した。
【0037】その結果を図1に示す。図1はα−グルコ
シダーゼの種々の基質に対する反応性と基質重合度との
関係を示すグラフであって、図中の実線は4−ニトロフ
ェニルマルトオリゴ糖、点線はマルトオリゴ糖を基質と
した場合である。
【0038】アミラーゼ測定基質の重要な条件の1つと
して、アミラーゼの作用部位が1カ所であること、また
もし作用部位が2カ所以上であったとしても、生成した
反応生成物のいずれに対しても共役酵素(α−グルコシ
ダーゼ)が同一の反応性を示し、完全に測定系に導ける
ことが必要である(第2回臨床化学夏期セミナープログ
ラム資料集)。本願発明の基質はアミラーゼによる反応
生成物がほとんどG2β−CNP単一であるのに対して
、比較例の基質(G5α−PNP)はそれがG2α−P
NPとG3α−PNPの混合物となる。
【0039】図1に示すようにα−グルコシダーゼによ
るG3α−PNPとG2α−PNPに対する反応性は約
4倍も異なり、G3α−PNPが多量に生成すると完全
に測定系に導くのに障害となる。
【図面の簡単な説明】
図1はα−グルコシダーゼの種々の基質に対する反応性
と基質重合度との関係を示すグラフである。
【化8】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  次式 【化1】 で表わされ、融点198〜201℃、紫外部吸収スペク
    トルにおいて295nm付近に吸収極大を有するβ−(
    2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシ
    ド。
JP998691A 1991-01-04 1991-01-04 β−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド Granted JPH04305594A (ja)

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JP998691A JPH04305594A (ja) 1991-01-04 1991-01-04 β−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−マルトペンタオシド

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