JPH0530487U - 可変容量型ベーンポンプ装置 - Google Patents

可変容量型ベーンポンプ装置

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JPH0530487U
JPH0530487U JP8692191U JP8692191U JPH0530487U JP H0530487 U JPH0530487 U JP H0530487U JP 8692191 U JP8692191 U JP 8692191U JP 8692191 U JP8692191 U JP 8692191U JP H0530487 U JPH0530487 U JP H0530487U
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vane
discharge
suction
back pressure
pump
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JP8692191U
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義治 稲熊
豪哉 加藤
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定のポンプ室が作動油循環状態にある場
合、その部分におけるベーン先端部のカムリング内周面
からの離間現象を防止する。 【構成】 サイドプレート4に設けた背圧溝を一連の吸
入吐出行程毎に、第1背圧溝47と第2背圧溝43とに
分割する。常時吐出状態にある第1吐出ポート31側に
ある第1背圧溝47を延長し、負荷圧が低いときに作動
油循環状態となる第2吸入ポート41’側にオーバラッ
プさせる。 【効果】 作動油循環時、第2吸入ポート41’側の最
初の吸入行程位置にあるベーン72の下端部(スリット
底部61)にも第1背圧溝47から高圧の吐出油が導入
されるので、ベーン72はカムリング5の内周面に十分
押付けられ、ベーン先端部の離間現象が防止される。従
って脈動現象も防止される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は可変容量型ベーンポンプに関するものであり、特に、自動車用動力舵 取装置に作動流体を供給するのに適した油圧ポンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用動力舵取装置に用いられる油圧ポンプ装置においては、低速走行時( 一般にエンジン回転速度が低い時)においても十分な操舵力補助が行えるように ポンプの吐出流量が設定されている。従って、このような油圧ポンプ装置におい ては、エンジン回転速度(エンジン回転数)の上昇に応じて、エンジン回転数に 比例した流量の作動油が吐出されることとなる。このことは、本来、操舵力補助 をほとんど必要としない高速走行時(一般にエンジン回転数が高い時)において 、作動油の流量が過剰となる。このような現象に対処するため、ポンプから吐出 される吐出油(作動油)のうちの一部を、動力舵取装置のパワーアシスト部には 送らず、油圧ポンプ側へバイパス還流させる流量制御弁(フローコントロールバ ルブ)方式が広く用いられている。
【0003】 しかしながら、この流量制御弁方式においては、油圧ポンプから吐出された高 圧の吐出油が流量制御弁に導かれ、そこからバイパス路へ放出されて、その後、 ポンプ吸入ポート側に還流されてくるものであるため、エンジンの高速回転時に おいては、エンジン回転数に応じたエネルギー消費をしていることとなる。すな わち流量制御弁によるバイパス還流方式では、高速走行時等、操舵力補助のほと んど必要とされない時にエネルギーロス(損失)を行っていることとなり、これ に伴い車両燃費の悪化をまねくという問題点がある。そこで、このような操舵力 補助を必要としない時におけるエネルギー損失を低減化するための手段として、 例えば特開昭60−256579号公報記載のような切換弁を用いた方式のもの が従来から採用されている。
【0004】 このものは、ロータ、ベーン、カムリング、サイドプレート、ハウジング等か らなるベーンポンプ装置において、スプール、スプリング等からなる切換弁が付 け加えられた構成からなるものである。このような切換弁を設けることにより、 パワーアシスト部が操舵力補助用の作動油を少量しか必要としない場合には、ベ ーンポンプの一部に作動油を循環させることによって、その部分のポンプ機能を 停止させ、エネルギーロスを少なくする一方、大量に作動油を必要とするときに は、上記停止させていたポンプ機能を復活させることによって十分なパワーアシ ストを行わせようとするものである。
【0005】 しかしながら、このタイプのものは、循環する流体が比較的高圧の吐出油であ るため、単に循環作用を行うだけではあっても、それによって消費されるエネル ギーは無視できないものである。このような問題点に対処するため、更には、作 動油循環によりポンプ機能を停止している側に存在するベーンのカムリング内周 面への押付け力を小さくして、エネルギー損失を更に少なくするため、上記循環 させる作動油を低圧の吸入作動油とする一方、上記ベーンの下端部へ導入する当 該ベーン押付け用の作動油を低圧の作動油とする方式のものが既に考案されてい る。このものは、例えば図4に示す如く、カムリング5の外周部に、吸入路(図 示せず)に連なる輪状の吸入室28を有し、この吸入室28に連なるように、か つ、カムリング5、サイドプレート3、4の円周端部に、吸入ポート41、41 ’が設けられ、またサイドプレート3、4には吐出ポート31、31’が設けら れている構成からなるものである。このような構成において、更に、上記吸入室 28には吸入側通路22が一端を開口するように設けられており、当該吸入側通 路22の他端は切換弁1のシリンダ室13に開口するように設けられている。ま た、サイドプレート4には、特定の吐出ポートである第2吐出ポート31’が設 けられており、この第2吐出ポート31’の開口部には、吐出室27’が設けら れている。また、この吐出室27’には、連通路23が上記切換弁1のシリンダ 室13に連通するように設けられており、更に、この連通路23の中間点からは 、吐出側通路24が分岐し、その先端はもう一方の吐出ポート31が開口する圧 力室27に連通するように設けられている。また、この吐出側通路24の中間部 には、チェックバルブ241が設けられており、上記圧力室27から吐出油が上 記第2吐出ポート31’側に逆流しないようになっている。
【0006】 このような構成において、更に、サイドプレート3、4に設けた背圧溝を一連 の吸入吐出行程の範囲に対応させて、第1背圧溝33と第2背圧溝43に分割し 、上記特定の吸入ポートである第2吸入ポート41’及び特定の吐出ポートであ る第2吐出ポート31’によって形成される特定のポンプ室が在る側に存在する ベーン7の、その下端部に作動油を供給する第2背圧溝43と連結する背圧導入 路45’を設け、これを上記第2吐出ポート31’に連続する吐出室27’に開 口させる構成を採ることとしている。これによって作動油が循環している側のポ ンプ室である特定のポンプ室側にあるベーン7の下端部には、特定のポンプ室を 循環する比較的低圧の循環作動油が導入されることとなる。従って、ベーン7の 先端部のカムリング5の内周面への押付力は緩やかな状態となり、このような緩 やかな接触状態を保ちつつ、ベーン7は回転運動をするので、この回転運動によ って消費されるエネルギー量は、より低減化される。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記パワーアシスト部が操舵力補助を行っていないときには、特定 のポンプ室において吸入作動油を単に循環させるだけとし、更に、当該特定のポ ンプ室側にあるベーン7の下端部(スリット底部)には比較的低圧の循環作動油 を導入することによってポンプの消費エネルギーの低減化を図る方式のものは、 従来公知の吐出油を循環させる方式のもの(特開昭60−256579号公報記 載)に較べて、エネルギー消費量のより低減化が図られている。しかしながらこ のものは、ロータ6が一回転をする間に、常時吐出状態にあるポンプ室とパワー アシスト部が操舵力補助を行なっていないときには吸入作動油を単に循環させて いる状態にあるポンプ室とを交互に繰返すという切換動作を行う構成からなるも のである。従って、ある位置においては、ベーン7は常時吐出状態にあるポンプ 室の吐出ポート31の位置から循環状態にあるポンプ室の吸入ポート41’の位 置へと切換わる切換わり状態に置かれる場合がある。このような状態においては 、各ポンプ室とベーン7との関係は例えば図5に示すような状態になる。すなわ ち、第1ポンプ室56は吐出油圧の影響により高圧の吐出圧に置かれる。これに 対して、第2ポンプ室56’は循環作動油の圧力である比較的低圧のタンク圧と なる。また、ベーン7の下端部であるスリット底部61は、循環作動油が導かれ る第2背圧溝43と連通して低圧のタンク圧となる。その結果ベーン7はベーン 7の先端部に受ける吐出圧等の作用により下向きの力Paを受け、下方に移動す る。そのため、カムリング5の内周面とベーン7の先端部とのシール性が低下す る。従って第1ポンプ室56から第2ポンプ室56’へは吐出油が逆流すること となり、ベーンポンプ装置からはポンプ稼働に伴い脈動現象等が発生することと なる。このような切換わり点におけるベーン7の離間に基づくシール性の低下等 を防止し、これらに起因する脈動現象等の防止を図った省エネルギータイプの可 変容量型ベーンポンプ装置を提供しようとするのが本考案の目的(課題)である 。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案においては、ハウジング内に収納されて回 転駆動されるロータ、当該ロータのスリット内にて摺動運動をするベーン、当該 ベーンの外側にあって上記ロータ、ベーン等とポンプ室を形成するカムリング、 上記ロータ、ベーン、カムリングの両側面にあってポンプ室形成に寄与する複数 のサイドプレート、当該サイドプレートの円周上付近にそれぞれ設けられた複数 の吐出ポート及び複数の吸入ポート等からなるベーンポンプと、上記各吐出ポー トに連なる圧力室から送出される吐出油(作動油)の吐出流量が所定値以上にな った場合、その余剰の作動油を上記吸入ポートに連なるバイパス路へバイパス還 流させる流量制御弁とからなる油圧ポンプ装置であって、上記吸入ポートに連な る吸入側通路、上記吐出ポートのうちの特定のポートに連通する連通路等の各種 通路を有し、更に、上記圧力室の圧力が低い場合に上記吸入側通路を上記連通路 と連通するように切換える切換弁を備えてなる可変容量型ベーンポンプ装置にお いて、上記サイドプレートに設けられた背圧溝を一連の吸入吐出行程毎に分割す るようにした構成を採るとともに、これら背圧溝のうち、圧力室の負荷圧が低い ときには作動油が循環状態となる特定のポンプ室を形成する側に設けた背圧溝の 吸入ポート側を縮小し、その部分に、常時ポンプ機能を発揮する側に存在する背 圧溝を延長し、上記特定の吸入ポート側にオーバラップするように配してなる第 1背圧溝を設ける構成を採ることとした。
【0009】
【作用】
上記構成を採ることにより、本考案においては、ベーンポンプが作動を開始す ると、例えば図1において、吸入路(図示せず)から吸引された作動油は、バイ パス路29を経て吸入室28へと導かれる。この吸入室28に導かれた作動油の うちの一部は第1吸入ポート41より吸引され、ポンプ室で昇圧されて第1吐出 ポート31より圧力室(図示せず)に吐出され、その後流量制御弁26によって 流量制御を受けて動力舵取装置のパワーアシスト部(図示せず)に送られる。
【0010】 ところで上記パワーアシスト部が操舵力補助(パワーアシスト)を行っていな い状態にあっては、切換弁1は吸入側通路22と連通路23とが連通状態となる ように作動し、特定の吐出ポートである第2吐出ポート31’から吐出した吐出 油は、連通路23、吸入側通路22、吸入室28に戻されて、再び第2吸入ポー ト41’に吸引される。すなわち第2吸入ポート41’と第2吐出ポート31’ とによって形成されるポンプ行程においては、吸入作動油が単に循環するだけと なる。これに対して、負荷圧が上昇して圧力室の圧力が高い状態になると、切換 弁1は切換わり、第2吸入ポート41’と第2吐出ポート31’とによって形成 される特定のポンプ行程側もポンプ機能を発揮することとなり、パワーアシスト 部に送られる作動油(吐出油)が増量されることとなる。
【0011】 これらに加えて、本考案においては、図1に示す如く、特定のポンプ行程側に あるベーン7の、その下端部であるスリット底部61には、基本的には特定のポ ンプ行程側の吐出圧力が導かれる第2背圧溝43から作動油が導入されるように なっているが、常時ポンプ機能を発揮し吐出状態にある第1吐出ポート31と、 負荷圧が低いときには作動油循環状態になる第2吸入ポート41’との間の切換 わり位置において、常時ポンプ機能を発揮している側から吐出圧力が導かれる第 1背圧溝47が延長されて、上記第2吸入ポート41’側にオーバラップしてい る構成となっているので、ベーン7が回転運動をして、第1吐出ポート31側( 71の位置)から第2吸入ポート41’側(72の位置)に移動しても当該ベー ン72の下端部(スリット底部61)は第1背圧溝47の範囲内にあり、上記ス リット底部61には高圧の吐出油が導入される。従って、この位置におけるベー ン72はカムリング5側に十分押付けられることとなり、ベーン先端部の離間現 象等は起こらず、このベーン先端部の離間現象に基づく脈動現象等も防止される こととなる。
【0012】
【実施例】
本考案にかかる実施例の構成について図1、図2、図3を基に説明する。本実 施例の構成は、図1に示す如く、ロータ、ベーン、カムリング等からなるベーン ポンプと、スプール、スプリング等からなる切換弁とで構成される可変容量型ベ ーンポンプ装置であることを基本とするものである。このような基本構成におい て、ベーンポンプは、従来から公知のものであり、ハウジング2内に収納されて 回転駆動されるロータ6、当該ロータ6のスリット内にて摺動運動をするベーン 7、当該ベーン7の外側にあって上記ロータ6、ベーン7等とポンプ室を形成す るカムリング5、上記ロータ6、ベーン7、カムリング5の側面にあってポンプ 室形成に寄与するサイドプレート3、4、当該サイドプレート3、4の各々に設 けられた複数の吐出ポート31、31’、上記サイドプレート3、4及びカムリ ング5の円周上に設けられた複数の吸入ポート41、41’等からなる油圧ポン プ装置であることを基本構成とし、これらに加えて上記吐出ポート31等に連な る圧力室を有し、当該圧力室に連なる流量制御弁26を有し、更には、上記流量 制御弁26から余剰の作動油を吸入側にバイパス還流させるためのバイパス路2 9を有し、当該バイパス路29の下流側には、上記吸入ポート41、41’に連 なる輪状の吸入室28を有する構成となっている。
【0013】 また、サイドプレート3、4に設けた背圧溝を一連の吸入吐出行程の範囲に対 応させて、第1背圧溝47と第2背圧溝43に分割するとともに、図3に示す如 く、常時吐出状態にある第1吐出ポート31と、負荷圧が低いときには循環状態 になる第2吸入ポート41’との間の切換わり位置において、上記第1背圧溝4 7を延長し、上記第2吸入ポート41’側にオーバラップさせる構成とする。す なわち、ベーン7が回転運動をし、常時吐出側の第1吐出ポート31の最終吐出 行程の位置71から、負荷圧が低いときに循環状態になる第2吸入ポート41’ の最初の吸入行程の位置72に移動しても、当該ベーン72の下端部であるスリ ット底部61の位置は上記第1背圧溝47の範囲内に含まれる構成とする。ここ に、上記オーバラップ量の具体的な値としては、図2においてA=Z−(3゜〜 13゜)、B=A+(5゜〜20゜)が最適である。但し、Zはベーンの分割角 度である。
【0014】 なお、切換弁1は、従来から用いられているもので図4に示されるように、切 換弁ハウジング12内にシリンダ室13を有し、このシリンダ室13内にスプー ル11、スプリング15を内蔵することを基本構成とし、これらに加えて、上記 スプール11の一方の頭部側には、上記圧力室27に圧力導入路25を介して連 通する切換弁圧力室14が設けられており、他方の頭部側には上記スプール11 にばね反力を与えるスプリング15が設けられている構成となっている。更に、 上記ベーンポンプと切換弁1との間には各種通路が設けられている構成となって いる。すなわち、図1に示す如く、ベーンポンプのサイドプレート4には第2吐 出ポート31’が設けられており、この第2吐出ポート31’から吐出された吐 出油(作動油)を切換弁1のシリンダ室13に導くための連通路23が設けられ ている構成となっている。この連通路23の途中からは従来のものと同様、吐出 側通路が分岐しており、これを圧力室に連結させるとともに、その中間部にはチ ェックバルブを有する構成となっている。また、カムリング5の外周部には輪状 の吸入室28が設けられており、更に、サイドプレート4及びカムリング5の円 周端付近には吸入ポート41、41’が設けられており、上記吸入室28に一端 が連なるように吸入側通路22が設けられており、この吸入側通路22の他端は 切換弁1のシリンダ室13に連結される構成となっている。
【0015】 上記構成を採る本実施例の作動状態について説明する。ベーンポンプが作動を 開始すると、例えば図1において、吸入路(図示せず)から吸引された作動油は 、バイパス路29を経て吸入室28へと導かれる。この吸入室28に導かれた作 動油のうちの一部は第1吸入ポート41より吸引され、ポンプ室で昇圧されて第 1吐出ポート31より圧力室に吐出され、その後流量制御弁26によって流量制 御を受けて動力舵取装置のパワーアシスト部(図示せず)に送られる。
【0016】 ところで上記パワーアシスト部が操舵力補助(パワーアシスト)を行っていな い状態にあっては、上記パワーアシスト部の油圧(負荷圧)は低い状態にあり、 従って上記パワーアシスト部の負荷圧が伝播される圧力室の圧力も低く切換弁1 内のスプール11は、吸入側通路22と連通路23とが連通状態となるように切 換わる。その結果、特定の吐出ポートである第2吐出ポート31’から吐出した 吐出油(作動油)は、連通路23、シリンダ室13、吸入側通路22、吸入室2 8を経由して第2吸入ポート41’に吸引される。すなわち第2吸入ポート41 ’と第2吐出ポート31’とによって形成されるポンプ室においては、吸入作動 油が単に循環するだけとなり、ポンプ作用を行っていない。その結果、ポンプ機 能発揮によって生ずるエネルギー消費量が低減化されることとなる。
【0017】 これに対して、負荷圧が上昇して圧力室の圧力が高い状態になった場合には、 切換弁1内のスプール11は、上記吸入側通路22と上記連通路23との連通状 態を遮断するように切換わる。従って、第2吐出ポート31’より吐出した作動 油は、連通路23を経て、従来のものと同様吐出側通路に流動し、ここでチェッ クバルブを開いて圧力室に流出する。すなわち第2吸入ポート41’、第2吐出 ポート31’によって形成される特定のポンプ室もポンプ機能を発揮することと なり、パワーアシスト部に送られる作動油が増量されることとなる。このように 、吸入側を連通状態にすることによってベーンポンプの機能の一部を停止させて エネルギー損失の低減化を図る方式は、循環される流体が吸入作動油という比較 的低圧の流体であるため、循環作用によって消費されるエネルギーが、吐出油を 循環させる場合に比べて小さくなり、省エネルギー化が図られることとなる。
【0018】 これらに加えて、本実施例においては、図1及び図3に示す如く、特定のポン プ室側にベーン7が存在するときの当該ベーン7の下端部であるスリット底部6 1に作動油を導くための第2背圧溝43には、負荷圧が低い場合には、基本的に は循環する吸入作動油が導入されることとなるが、本実施例においては図3に示 す如く、常時吐出状態にある第1吐出ポート31の最終吐出行程位置と、負荷圧 が低いときに作動油が循環状態となる第2吸入ポート41’の最初の吸入行程位 置との間の切換わり点において、第1背圧溝47を延長して上記第2吸入ポート 41’の最初の吸入行程位置までオーバラップさせることとしたので、上記第2 吸入ポート41’の最初の吸入行程位置におけるベーン72の下端部(スリット 底部61)には比較的高圧の吐出油が導入されることとなり、当該ベーン72は 十分にカムリング5の内周面側に押付けられ、従ってベーン7先端部の離間現象 は起こらない。すなわち、本実施例においては、特定のポンプ室が循環状態にあ る場合、その特定のポンプ室側にあるベーン7のスリット底部には基本的には比 較的低圧の循環作動油を導入することとして、上記ベーン7の先端部のカムリン グ5内周面への押付力を小さくする。これによって、ロータ6及びベーン7の回 転運動によって生ずる摩擦損失を小さくする一方、常時吐出側のポンプ室から特 定のポンプ室側にベーン7が移動する切換わり点において、上記押付力があまり にも小さ過ぎてベーン7先端部の離間現象が起こることがないように、上記切換 わり位置にあるベーン72の下端部であるスリット底部61には、第1背圧溝4 7側から高圧の吐出油が導入されるようにした。これにより当該切換わり位置に おけるベーン先端部の離間現象が防止されることとなる。
【0019】
【考案の効果】
本考案によれば、複数組の吸入ポート及び吐出ポートを有するベーンポンプで あって、動力舵取装置パワーアシスト部の負荷圧が低い状態にあるときは、特定 の吸入ポート及び吐出ポートを、単に作動油が循環するだけとしてポンプ機能を 停止させ、上記負荷圧が上昇した時には、上記停止していた部分のポンプ機能を 復活させるようにする切換弁を有する可変容量型ベーンポンプ装置において、サ イドプレートに設けられた背圧溝を一連の吸入吐出行程毎に分割するとともに、 これら背圧溝のうち、負荷圧が低いときに作動油が循環状態となる特定のポンプ 室側に設けられた背圧溝の吸入ポート側を縮小し、その部分に、常時ポンプ機能 を発揮している側に存在する背圧溝を延長して、上記特定の吸入ポート側までオ ーバラップさせることとしたので、上記特定のポンプ室がポンプ機能を停止して いる場合、当該特定のポンプ行程側の吸入ポート側にあるベーンの上記カムリン グ内周面への押付力が小さくなることがなく、これにより、この押付力によって 消費されるエネルギーロスを少なくすることができるとともに、ベーン先端部の 離間現象に基づく逆流現象を防止することができ、更に、この逆流現象に起因す る脈動現象等を防止することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかるベーンポンプ及び切換弁等の構
造を示す横断面図である。
【図2】本考案のサイドプレートに設けられた背圧溝、
吐出ポート、吸入ポート等の位置関係を示す図である。
【図3】本考案に関する第1吐出ポートと第2吸入ポー
トとの切換わり点における第1背圧溝とベーンとの関係
を示す部分断面図である。
【図4】従来例における、吸入側連通方式による切換機
能を有するベーンポンプ及び切換弁等の構造を示す縦断
面図である。
【図5】ベーンポンプにおけるロータ、ベーン、カムリ
ングの関係を示す部分横断面図である。
【符号の説明】
1 切換弁 11 スプール 12 切換弁ハウジング 13 シリンダ室 2 ハウジング 22 吸入側通路 23 連通路 26 流量制御弁 28 吸入室 29 バイパス路 31 第1吐出ポート 31’第2吐出ポート 4 サイドプレート 41 第1吸入ポート 41’ 第2吸入ポート 43 第2背圧溝 47 第1背圧溝 5 カムリング 56 ポンプ室 6 ロータ 61 スリット底部 7 ベーン 71 最終吐出行程位置ベーン 72 最初の吸入行程位置ベーン

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に収納されて回転駆動され
    るロータ、当該ロータのスリット内で摺動運動をするベ
    ーン、当該ベーンの外側にあって上記ロータ、ベーン等
    とポンプ室を形成するカムリング、上記ロータ、ベー
    ン、カムリングの両側面にあってポンプ室形成に寄与す
    る複数のサイドプレート、当該サイドプレートの円周上
    付近にそれぞれ設けられた複数の吐出ポート及び複数の
    吸入ポート等からなるベーンポンプと、上記各吐出ポー
    トに連なる圧力室から送出される吐出油の吐出流量が所
    定値を超えた場合に、その余剰の吐出油を上記吸入ポー
    トに連なるバイパス路にバイパス還流させる流量制御弁
    とからなる油圧ポンプ装置であって、上記吸入ポートに
    連なる吸入側通路、上記吐出ポートのうちの特定のポー
    トに連通する連通路等の各種通路を有し、更に、上記圧
    力室の圧力が低い場合に上記吸入側通路が上記連通路と
    連通するように切換わる切換弁を備えてなる可変容量型
    ベーンポンプ装置において、一連の吸入吐出行程毎に分
    割してなる背圧溝を上記サイドプレートに設けるととも
    に、これら背圧溝のうち、圧力室の負荷圧が低いときに
    は作動油が循環状態となる特定のポンプ室を形成する側
    に設けた第2背圧溝の吸入ポート側を縮小し、その部分
    に、常時ポンプ機能を発揮する側に存在する背圧溝を延
    長し、上記特定の吸入ポート側にオーバラップするよう
    に配してなる第1背圧溝を有することを特徴とする可変
    容量型ベーンポンプ装置。
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