JPH0459313B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0459313B2
JPH0459313B2 JP60257448A JP25744885A JPH0459313B2 JP H0459313 B2 JPH0459313 B2 JP H0459313B2 JP 60257448 A JP60257448 A JP 60257448A JP 25744885 A JP25744885 A JP 25744885A JP H0459313 B2 JPH0459313 B2 JP H0459313B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
methoxyphenyl
chloro
cis
dihydro
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60257448A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61122281A (ja
Inventor
Mikio Takeda
Atsuo Ooishi
Hiromichi Nakajima
Hiroshi Nagao
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tanabe Seiyaku Co Ltd filed Critical Tanabe Seiyaku Co Ltd
Publication of JPS61122281A publication Critical patent/JPS61122281A/ja
Publication of JPH0459313B2 publication Critical patent/JPH0459313B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D281/00Heterocyclic compounds containing rings of more than six members having one nitrogen atom and one sulfur atom as the only ring hetero atoms
    • C07D281/02Seven-membered rings
    • C07D281/04Seven-membered rings having the hetero atoms in positions 1 and 4
    • C07D281/08Seven-membered rings having the hetero atoms in positions 1 and 4 condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D281/10Seven-membered rings having the hetero atoms in positions 1 and 4 condensed with carbocyclic rings or ring systems condensed with one six-membered ring
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/08Vasodilators for multiple indications
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/12Antihypertensives

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen- Or Sulfur-Containing Heterocyclic Ring Compounds With Rings Of Six Or More Members (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は医薬化合物として有用な新規1,5−
ベンゾチアゼピン誘導体に関する。 (従来技術) 米国特許第3562257号には2−(4−メトキシフ
エニル)−3−ヒドロキシ(又はアセトキシ)−5
−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−7−クロロ
−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン
−4(5H)−オンの如き7−クロロ−1,5−ベ
ンゾチアゼピン誘導体を含む種々のベンゾチアゼ
ピン誘導体が冠血管拡張作用を有することが示さ
れている。 (発明の目的) 本発明の目的は新規1,5−ベンゾチアゼピン
誘導体及び該1,5−ベンゾチアゼピン誘導体の
製造に有用な新規合成中間体を提供するものであ
る。 (発明の構成及び効果) 本発明の目的化合物である1,5−ベンゾチア
ゼピン誘導体又はその塩は次の一般式で示され
る。 (但し、R1は水素原子又は低級アルカノイル、
R2及びR3は共に低級アルキル、R4及びR5は一方
が塩素原子であり、他方が水素原子を表す。) 本発明の目的化合物()又はその塩は優れた
降圧作用及び/又は脳・冠血管拡張作用を有する
有用な医薬化合物である。 とりわけ、本発明の化合物()は強力な降圧
作用と共にその作用の持続性に特徴を有する。例
えば自然発症高血圧ラツトに経口投与した場合、
本発明の目的化合物である(+)−シス−2−(4
−メトキシフエニル)−3−アセトキシ−5−〔2
−(ジメチルアミノ)エチル〕−9−クロロ−2,
3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4−
(5H)−オンは30mg/Kg投与により、該ラツトの
血圧を投与1時間後に74mmHg低下させるのみな
らず、投与4時間後においても54mmHg低下させ
ることができる。 また、麻酔犬に動脈内投与して脳血管拡張作用
を調べた場合、本発明の目的化合物である(+)
−シス−2−(4−メトキシフエニル)−3−アセ
トキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−
9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン及び(+)−シス−2
−(4−メトキシフエニル)−3−ヒドロキシ−5
−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−9−クロロ
−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン
−4(5H)−オンはパパベリンに対し約15−22倍
及び(±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)
−3−アセトキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)
エチル〕−7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,
5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オンに対し約
3倍強力な脳血管拡張作用を示す。一方、モルモ
ツト摘出心臓を用いランゲンドルフ法で冠血管拡
張作用を調べた場合、本発明の目的化合物である
(+)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−3−
アセトキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エチ
ル〕−9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5−
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オンはパパベリン
より約10倍強力な冠血管拡張作用を示す。 加えて、本発明の目的化合物()は優れた血
小板凝集抑制作用を示し、さらには副作用(例え
ば、中枢神経作用)が弱く、また同時に毒性も低
い。例えば本発明の化合物(+)−シス−2−(4
−メトキシフエニル)−3−アセトキシ−5−〔2
−(ジメチルアミノ)エチル〕−9−クロロ−2,
3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4−
(5H)−オンの急性毒性(LD50:マウス、経口投
与)は約1000mg/Kgである。 本発明の化合物としては一般式()におい
て、R1が水素原子又はアセチル、プロピオニル、
ブチリル、バレリルの如き低級アルカノイルであ
り、R2およびR3が共にメチル、エチル、プロピ
ル、ブチルの如き低級アルキルであり、R4及び
R5はいずれか一方が塩素原子であり、他方が水
素原子である化合物をあげることができ、より好
ましい化合物としては、一般式()において
R1が水素原子又はアセチルでありR2及びR3が共
にメチルであり、R4及びR5はいずれか一方が塩
素原子であり、他方が水素原子である化合物をあ
げることができる。更に好ましい化合物としては
一般式()においてR1が水素原子又はアセチ
ルでありR2及びR3が共にメチルであり、R4が水
素原子であり、R5が塩素原子である化合物をあ
げることができる。 本発明の化合物()はベンゾチアゼピン骨格
の2位及び3位に2個の不斉炭素原子を有するた
め、2種の立体異性体(即ち、シス及びトランス
異性体)もしくは4種の光学異性体〔即ち(+)
−シス、(−)−シス、(+)−トランス及び(−)
−トランス異性体〕が存在するが、本発明の目的
化合物はこれら異性体もしくはそれらの混合物の
いずれをも包含するものである。しかしながら医
薬用途に供する化合物としては、これら化合物の
うちシス異性体、とりわけ(+)−シス異性体が
好ましい。 本発明に係る目的化合物()は一般式 (但し、R1、R4及びR5は前記と同一意味を有
する。) で示される化合物又はその塩と一般式 (但し、Xはハロゲン原子を表し、R2、及び
R3は前記と同一意味を有する。) で示されるアルキルハライド又はその塩とを縮合
反応させることにより製することができる。 また、化合物()のうち一般式 (但し、R6は低級アルキルを表し、R2、R3
R4及びR5は前記と同一意味を有する。) で示される化合物は一般式 (但し、R2、R3、R4、及びR5は前記と同一意
味を有する。) で示される化合物又はその塩と一般式 R6COOH () (但し、R6は前記と同一意味を有する。) で示される脂肪酸又はその反応性誘導体とを反応
させることによつても製することができる。 原料化合物()又はその塩とアルキルハライ
ド()又はその塩との縮合反応はアルカリ試薬
の存在下又は非存在下、適当な溶媒中で実施する
ことができる。原料化合物()の塩としては、
例えばナトリウム塩、カリウム塩の如きアルカリ
金属塩が挙げられる。化合物()を遊離の形で
使用する場合、当該縮合反応はアルカリ試薬の存
在下に実施するのが好ましい。アルカリ試薬とし
ては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
の如き水酸化アルカリ金属、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウムの如き炭酸アルカリ金属、重炭酸カリ
ウム、重炭酸ナリトウムの如き重炭酸アルカリ金
属、水素化ナトリウムの如き水素化アルカリ金属
等を好適に用いることができる。アルキルハライ
ド()の塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素
酸塩の如き酸付加塩を挙げることができる。溶媒
としては、例えばアセトン、酢酸エチル、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセト
ニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、含
水アセトン、含水酢酸エチル等を用いるのが好ま
しく、該縮合反応は0〜100℃、とりわけ20〜70
℃で実施するのが好ましい。 化合物(−a)又はその塩と脂肪酸()の
反応性誘導体との反応は適当な溶媒中、脱酸剤の
存在下又は非存在下に実施することができる。化
合物(−a)の塩としては、例えば塩酸塩、臭
化水素酸塩の如き酸付加温をあげることができ
る。脂肪酸()の反応性誘導体としては、無水
酢酸、無水プロピオン酸の如き酸無水物、アセチ
ルクロリド、プロピオニルクロリド、ブチリルク
ロリド、バレリルクロリドの如き酸ハライド等を
あげることができる。脱酸剤としては、例えばピ
リジン、トリエチルアミン、N−メチルピリジ
ン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジ
ン、N−エチル−N、N−ジイソプロピルアミン
などがあげられる。溶媒としては、例えば酢酸、
クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルム
アミド、テトルヒドロフランなど用いるのが好ま
しい。当該反応において、脂肪酸()の反応性
誘導体として過剰の無水酢酸を用いる場合には、
該無水酢酸が溶媒ともなるため他の溶媒を使用す
ることは必ずしも必要でない。当該反応を実施す
るに際し、脂肪酸()の反応性誘導体として酸
無水物を用いる場合は20〜140℃で実施するのが
好ましく、反応性誘導体として酸ハライドを用い
る場合は−10〜100℃で実施するのが好ましい。 一方、脂肪酸()を遊離酸の形で用いる場
合、該化合物と化合物(−a)もしくはその塩
との縮合反応は適当な溶媒中縮合剤の存在下に実
施することができる。縮合剤としては、例えば
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,
N′−カルボニルジイミダゾール、1−メチル−
2−ハロピリジニウム、ヨード塩(例えば、1−
メチル−2−ブロモピリジニウム・ヨード塩)、
メトキシアセチレン、トリフエニルホスフイン−
四塩化炭素などが挙げられる。溶媒としては、例
えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、
クロロホルム、ベンゼン、トルエン、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどを用いるのが好まし
い。本反応は0〜50℃、とくに0〜25℃で実施す
るのが好ましい。 本発明の原料化合物()はベンゾチアゼピン
骨格の2位及び3位に2個の不斉炭素原子を有す
るため、4種の光学異性体〔即ち、(+)−シス、
(−)−シス、(+)−トランス、(−)−トランス異
性体〕が存在するが、上記反応は全てラセミ化を
伴わずに進行する。従つて、光学活性な目的化合
物()及び(−b)は化合物()及び(
−a)の光学活性体を上記反応に用いることによ
り容易に得ることができる。 本発明の原料化合物()は新規化合物であり
例えば、 (A)−a) 一般式 (但し、R4及びR5は前記と同一意味を有す
る。) で示されるチオフエノール誘導体と一般式 (但し、R7は低級アルキルを表す。) で示されるグリシツド酸エステルとを反応させる
か、或いは、 (A)−b) 一般式 (但し、R8は水素原子又は低級アルキルを表
し、R4及びR5は前記と同一意味を有する。) で示される化合物を分子閉環反応させて、一般式 (但し、R4及びR5は前記と同一意味を有す
る。) で示される化合物を製し、 (B) 要すれば、該化合物(−a)と一般式 R6COOH () (但し、R6は前記と同一意味を有する。) で示される脂肪酸又はその反応性誘導体とを反応
させて一般式 (但し、R4、R5及びR6は前記と同一意味を有
する。) で示される化合物とすることにより製することが
できる。 化合物()とグリシツド酸エステル()と
の反応は化合物()と化合物()の混合物を
溶媒(例えば、キシレン、ジフエニルエーテル、
p−クメン)中又は無溶媒で、130〜180℃に加熱
することにより実施することができる。本反応は
不活性ガス(例えばアルゴン)雰囲気下に行うの
が好ましい。本反応における生成物として化合物
(−a)と()(R8=低級アルキル)との混
合物、あるいは化合物(−a)が立体異性体
(即ち、シス及びトランス異性体)の混合物とし
て得られる場合、これら混合物は低級アルカノー
ル(例えば、エタノール)の如き溶媒に対する溶
解度差を利用することにより、或いはカラムクロ
マトグラフイーにより各々分離することができ
る。 化合物()の分子内閉環反応は化合物()
を適当な溶媒(例えば、キシレン、トルエン、ジ
フエニルエーテル、p−クメン、酢酸等)中又は
無溶媒で、110〜160℃に加熱することにより実施
することができる。また化合物()(R8=低級
アルキル)の分子内閉環反応はジメチルスルホキ
シド中、メチルスルフイニルカルボアニオン
(CH3SOCH2、ジメチルスルホキシド及び水素化
ナトリウムより調製)の存在下、0〜30℃で実施
することもできる。さらに、化合物()(R8
H)の分子内閉環反応は適当な溶媒(例えば、ク
ロロホルム、ジメチルホルムアミド、四塩化炭
素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、
酢酸エチル、ジオキサン等)中、縮合剤の存在
下、−10〜70℃で実施することもできる。縮合剤
としては、例えば、N,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド単独、あるいはN,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミドと1−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール、4−ジメチルアミノピリジン、
N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシコ
ハク酸イミド、トリクロロフエノール、p−ニト
ロフエノール、もしくは、3−ヒドロキシ−4−
オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2、3−ベンゾ
トリアミンとの混合物の組合せを用いることがで
きる。また、カルボニルジイミダゾール、エトキ
シアセチレン、1−メチル−2−ハロピリジウ
ム・ヨード塩(例えば、1−メチル−2−クロロ
ピリジウム・ヨード塩)を当該縮合剤として使用
することができる。さらに、1−メチル−2−ハ
ロピリジウムハライドはトリメチルアミン、トリ
エチルアミンの如き塩基と組合せて当該縮合剤と
して使用することができる。 またさらに、化合物(−a)は例えば、光学
活性1−(2−ナフチルスルホニル)ピロリジン
−2−カルボニルクロリドなどの光学分割剤を使
用することにより、各々の光学異性体に分割する
ことができる。例えば、化合物(−a)と(S)−
1−(2−ナフチルスルホニル)ピロリジン−2
−カルボニルクロリドとを反応させ、次いで生成
する2種のジアステレオマーを溶媒に対する溶解
度差を利用して分別結晶或いはカラムクロマトグ
ラフイーで分離し、さらに得られたジアステレオ
マーを加水分解することにより実施することがで
きる。ジアステレオマーの加水分解反応における
生成物として、光学活性な化合物(−a)と光
学活性な化合物()(R8=H)との混合物が得
られる場合、これらは溶解度差を利用することに
より、互いに分離することができる。 化合物(−a)のアシル化は、該化合物を化
合物(−a)のアシル化と同様、式:
R6COOH(但し、R6は前記と同一意味を有する。)
で示される脂肪酸もしくはその反応性誘導体と反
応させることにより実施することができる。 尚、上記反応は全てラセミ化を伴うことなく実
施することができる。 上記反応において用いる原料化合物()は、
例えば特公昭45−9383、特公昭46−8982、特公昭
49−36221、特公昭50−24954、特開昭57−
142963、特開昭57−176951或いは特開昭57−
193449に記載の方法に準拠して製することができ
る。 本発明の目的化合物()は医薬として使用す
る場合、遊離塩基としても、またその塩としても
使用することができる。塩としては、例えば塩酸
塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、過塩素酸
塩、硫酸塩、リン酸塩の如き無機酸付加塩;シユ
ウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、
メタンスルホン酸塩の如き有機酸付加塩などが挙
げられる。これら塩は、例えば化合物()を酸
で処理することにより容易に取得することができ
る。化合物()もしくはその薬理的に許容しう
る酸付加塩は経口的にも非経口的にも投与するこ
とができる。 本発明の目的化合物()もしくはその塩を医
薬として使用する場合、前記化合物()を経口
もしくは非経口投与に適した医薬賦形剤と混合し
た医薬製剤として使用することができる。このよ
うな賦形剤としては、例えばデン粉、ラクトー
ス、グルコース、リン酸カリウム、とうもろこし
デン粉、アラビアゴム、ステアリン酸、その他通
常の医薬賦形剤などを好適に使用することができ
る。医薬製剤は錠剤、丸剤、カプセル、座剤の如
き固形剤であつてもよく、また溶液、けん濁液、
乳液の如き液剤であつてもよい。更に、非経口的
に投与する場合は、この医薬製剤は注射剤として
使用することもできる。 前述した如く本発明の化合物()は優れた降
圧作用、脳もしくは冠血管拡張作用及び血小板凝
集抑制作用を有している。このため化合物()
は高血圧症;脳血管れん縮、脳梗塞、脳卒中の如
き脳疾患、狭心症、不整脈、心筋梗塞の如き心臓
疾患に対する予防、改善または治療剤として有用
である。殊に本発明化合物()は米国特許第
3562257号記載化合物、例えばその7−クロロ誘
導体((±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)
−3−アセトキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)
エチル〕−7−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,
5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オンに較べて
より一層優れた治療効果(降圧作用、脳・冠血管
拡張作用等)を奏するのみならず、より優れた作
用持続性を示し、毒性が低いため、上記7−クロ
ロ体に較べて一層優れた降圧剤および/または
脳・冠血管拡張剤となるものである。 本発明の化合物()又はその薬理的に許容し
うる塩の1日あたりの投与量は投与方法、患者の
年齢、体重、状態及び疾患の種類によつても異な
るが、通常、約0.05〜10mg/Kgが好ましく、経口
投与では約0.5〜10mg/Kg、非経口投与(例えば、
静脈内注射)では約0.05〜2mg/Kgがとりわけ好
ましい。 尚、本明細書中、低級アルキル、低級アルカノ
イルはそれぞれ、炭素数1〜4の直鎖もしくは分
枝アルキル、炭素数2〜4の直鎖もしくは分枝ア
ルカノイルを表す。 又、本明細書において、“スレオ”とはプロピ
オン酸の2位及び3位に置換している水酸基及び
2−アミノ−3又は6−クロロ−フエニルチオ
(あるいは2又は5−クロロ−6−ニトロフエニ
ルチオ)基とがスレオ型配置(即ち、フイツシヤ
ー投影図において前記2つの置換基が主鎖の反対
側に位置する)を有することを意味する。 実験例 1 (降圧作用) 水に溶解或いはけん濁した検体(投与量:30
mg/Kg)を1夜絶食させた自然発症高価圧ラツト
(1群:3匹)に経口投与した。ラツトの収縮期
血圧をプレチスモグラフ法(ザ・ジヤーナル・オ
ブ・ラボラトリー・アンド・クリニカル・メデイ
シン.,第78巻、第957頁(1971年))により測定
した。検体の降圧作用は投与後1時間目及び4時
間目に求め、下記指標に基づいて判定した。 (−):10mmHg未満の血圧低下 (+):10mmHg以上20mmHg未満の血圧低下 ():20mmHg以上40mmHg未満の血圧低下 ():40mmHg以上60mmHg未満の血圧低下 (++++):60mmHg以上の血圧低下 その結果を下記第1表に示す。
【表】 実験例 2 (脳血管拡張作用) 雄性犬(体重:10〜20Kg)をペントバルビター
ル・ナトリウム塩(静脈内投与、投与量:30mg/
Kg)で麻酔した。椎骨動脈の血流量を人工呼吸の
もとで電磁流量計を用いて測定した。検体を5%
グルコース水溶液に溶解し、該溶液を椎骨動脈内
に注射した。検体の脳血管拡張作用は用量作用曲
線から算出したパパベリンに対する効力比として
求めた。その結果を下記第2表に示す。
【表】 実験例 3 (冠血管拡張作用) モルモツト(体重:約280g)摘出心臓の冠血
流量に対する効果をランゲンドルフを用いて調べ
た。摘出心臓を線維素を除去したウサギ血液2%
を含むロツクリンガー溶液(酸素95%と二酸化炭
素5%からなる混合ガスで飽和)で潅流した。潅
流圧は40cm水柱に保つた。検体は5%グルコース
溶液で溶解し、心臓当たり0.1mlの液量で潅流液
に注入した。流出潅流液を点滴計数器を用いて測
定し、冠血流量とした。 下記第3表に示す化合物は冠血流量の増加が投
与量10μg/心臓で0.5ml/分以上であつた。一
方、パパベリンは上記実験において、冠血流量の
増加が投与量100μg/心臓で0.5ml/分以上であ
つた。
【表】 実験例 4 (血小板凝集抑制作用) エーテルで麻酔したSD−系雄性ラツトの腹部
大動脈から血液を採取した。ラツト血液9容を
3.8w/v%クエン酸・三ナトリウム塩水溶液1
容と混和し、該混合物を遠心分離により血小板け
ん濁血漿(PRP)を調製した。残存血液を更に
遠心分離して血小板除去血漿(PPP)を調製し
た。PRPの血小板数をPPPで0.8〜1×106/mm3
調整した。稀釈PRP200μと検体溶液25μ(検
体の最終濃度:100μg/ml)との混合物を37℃
で2分間撹拌後、コラーゲン溶液〔ビオキミカ・
エ・ビオフイジカ・アクタ.、第186巻、第254頁
(1969年)〕25μを加えて血小板凝集を起こさせ
た。血小板凝集能はボーンの方法〔ネイチヤー.、
第194巻、第927頁(1962年)〕により測定し、検
体の血小板凝集抑制作用を求めた。下記に示す化
合物はアセチルサリチル酸(100μg/ml)と同
等以上の血小板凝集抑制作用を示した。
【表】 実施例 1 (±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−9−クロロ−2,3−ジヒドロ
−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
2.01g、2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド
塩酸塩0.95g、粉末炭酸カリウム2.49g、アセト
ン60ml及び水0.6mlの混合物を23時間還流する。
反応終了後、不溶物をろ過し、溶媒を留去する。
残査にイソプロピルエーテルを加え結晶化する。
結晶をろ取し酢酸エチルから再結晶することによ
り、(±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エ
チル〕−9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン1.84gを得
る。収率75.4% m.p.143−144℃ 塩酸塩1水和物: m.p.228−230℃(分解、143℃から湿潤、メタ
ノールから再結晶) 実施例 2 (±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エ
チル〕−9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン塩酸塩1水
和物0.95g、無水酢酸10ml及び酢酸10mlの混合物
を110℃で6.5時間撹拌する。反応終了後、減圧下
で溶媒を留去し、残査にトルエンを加える。減圧
下で溶媒を再び留去し、残査をメタノール−エー
テル混液から再結晶することにより、(±)−シス
−2−(4−メトキシフエニル)−3−アセトキシ
−5−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−9−ク
ロロ−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼ
ピン−4(5H)−オン塩酸塩1水和物0.93gを得
る。収率89.4% m.p.185−189℃(約156℃から湿潤) 実施例 3 (±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−6−クロロ−2,3−ジヒドロ
−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
1.68g、2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド
塩酸塩0.79g、粉末炭酸カリウム2.07g、アセト
ン50ml及び水0.5mlの混合物を23時間還流する。
反応終了後、不溶物をろ過し、溶媒を減圧留去す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー
(溶媒;クロロホルム:メタノール=49:1)で
精製し、塩酸塩とした後エタノール−エーテル混
液から再結晶することにより、(±)−シス−2−
(4−メトキシフエニル)−3−ヒドロキシ−5−
〔2−(ジメチルアミノ)エテル〕−6−クロロ−
2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−
4(5H)−オン塩酸塩1.24gを得る。収率55.8% m.p.230.5−231.5℃(分解) 実施例 4 (±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エ
チル〕−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン0.67g、無
水酢酸7ml及びピリジン5滴の混合物を110℃で
4.5時間撹拌する。反応終了後、溶媒を減圧留去
し、残査にトルエンを加える。溶媒を再び減圧留
去し、残査を塩酸塩としメタノールから再結晶す
ることにより、(±)−シス−2−(4−メトキシ
フエニル)−3−アセトキシ−5−〔2−(ジメチ
ルアミノ)エチル〕−6−クロロ−2,3−ジヒ
ドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オ
ン塩酸塩0.653gを得る。収率81.6% m.p.246−246.5℃(分解) 実施例 5 光学活性シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−9−クロロ−2,3−ジヒドロ
−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
(後記参考例5−(2−a)で得られるラクタム
A)4.00g、2−(ジメチルアミノ)エチルクロ
リド塩酸塩1.80g、粉末炭酸カリウム5.7g及び
アセトン150mlの混合物を20時間還流する。反応
終了後、不溶物をろ過し、溶媒を留去する。残査
を過塩素酸塩とし、メタノールから再結晶するこ
とにより、(+)−シス−2−(4−メトキシフエ
ニル)−3−ヒドロキシ−〔2−(ジメチルアミノ)
エチル−9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン過塩素酸塩
1/4水和物4.63gを得る。収率76.0% m.p.190−192℃ 〔α〕20 D+10.2゜(C=0.334、ジメチルホルムア
ミド) 実施例 6 (+)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エ
チル〕−9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン2.84g、無
水酢酸30ml及びピリジン30滴の混合物を100℃で
4時間撹拌する。反応終了後、減圧下で溶媒を留
去し、残査にトルエンを加える。混合物から減圧
下で再び溶媒に留去する。残査を塩酸塩とし、エ
タノール−エーテル混液から再結晶することによ
り、(+)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−アセトキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エ
チル〕−9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン塩酸塩1水
和物3.02gを得る。収率85.9% m.p.140−143℃ 〔α〕20 D+13.0゜(C=0.347、メタノール) 実施例 7 光学活性シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−9−クロロ−2,3−ジヒドロ
キシ−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オ
ン(後記参考例5−(2−b)で得られるラクタ
ムB)2.00g、2−(ジメチルアミノ)エチルク
ロリド塩酸塩0.90g、粉末炭酸カリウム2.89g及
びアセトン100mlの混合物を実施例5と同様に処
理することにより、(−)−シス−2−(4−メト
キシフエニル)−3−ヒドロキシ−5−〔2−(ジ
メチルアミノ)エチル〕−9−クロロ−2,3−
ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)
−オン過塩素酸塩1/4水和物2.68gを得る。収率
87.9% m.p.190−192℃ 〔α〕20 D−10.3°(C=0.321、ジメチルホルムア
ミド) 実施例 8 (−)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エ
チル〕−9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5
−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン1.27g、無
水酢酸15ml及びピリジン15滴の混合物を実施例6
と同様に処理することにより、(−)−シス−2−
(4−メトキシフエニル)−3−アセトキシ−5−
〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−9−クロロ−
2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−
4(5H)−オン塩酸塩1水和物1.40gを得る。収
率88.9% m.p.139−142℃ 〔α〕20 D−13.0゜(C=0.348、メタノール) 実施例 9 (±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−アセトキシ−9−クロロ−2,3−ジヒドロ
−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン200
mg、2−(ジメチルアミノ)エチルクロリド塩酸
塩84mg、粉末炭酸カリウム220mg及びアセトン10
mlの混合物を20時間還流する。反応終了後、不溶
物をろ過し、溶媒を留去する。残査を塩酸塩と
し、メタノールから再結晶することにより、(±)
−シス−2−(4−メトキシフエニル)−3−アセ
トキシ−5−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−
9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン塩酸塩1水和物226mg
を得る。収率85% 得られた生成物の物性値は実施例2で得られた
生成物のそれと一致。 参考例 1 2−アミノ−3−クロロチオフエノール14.33
g及びトランス−3−(4−メトキシフエニル)
グリシツド酸メチル18.7gの混合物をアルゴンガ
ス中165℃で23時間撹拌後、エタノールを加える。
析出晶をろ取(ろ液は以後“母液”と略称す
る。)し、クロロホルム−エタノール混液から再
結晶することにより、(±)−シス−2−(4−メ
トキシフエニル)−3−ヒドロキシ−6−クロロ
−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン
−4(5H)−オン5.06gを得る。 m.p.226.5−230.5℃ 母液から溶媒を留去し、残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイー(溶媒;ベンゼン:酢酸
エチル=9:1)で精製することにより、更に上
記生成物1.21gを得る。 m.p.227−230℃ 更に、上記クロマトグラフイーにより、次の化
合物を得る。 (±)−トランス−2−(4−メトキシフエニ
ル)−3−ヒドロキシ−6−クロロ−2,3−ジ
ヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−
オン 収量1.31g m.p.210−211℃(エタノール−クロロホルム混
液から再結晶) スレオ−2−ヒドロキシ−3−(2−アミノ−
3−クロロフエニルチオ)−3−(4−メトキシフ
エニル)プロピオン酸メチル 収量 6.02g m.p.106.5−107.5℃(酢酸エチル−ヘキサン混
液から再結晶) 参考例 2 60%水素化ナトリウム1.32gのジメチルスルホ
キシド溶液をアルゴンガス中70℃で1時間撹拌す
る。冷却後スレオ−2−ヒドロキシ−3−(2−
アミノ−3−クロロフエニルチオ)−3−(4−メ
トキシフエニル)プロピオン酸メチル5.52gを加
え室温で1時間撹拌する。反応液を氷−酢酸混液
に加え析出晶をろ取、水洗、乾燥後クロロホルム
−エタノール混液から再結晶することにより、
(±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−3−
ヒドロキシ−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−
1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン2.41
gを得る。 m.p.227.5−231℃ 参考例 3 (1) 2−クロロ−6−ニトロチオフエノール
40.58g、トランス−3−(4−メトキシフエニ
ル)グリシツド酸メチル60.15g及び酢酸亜鉛
2水和物1gのトルエン溶液をアルゴンガス中
室温で3時間撹拌する。反応液から溶媒を留去
し、残査にイソプロピルエーテルを加え、析出
晶を酢酸エチル−ヘキサン混液から再結晶する
ことにより、スレオ−2−ヒドロキシ−3−
(2−クロロ−6−ニトロフエニルチオ)−3−
(4−メトキシフエニル)プロピオン酸メチル
62.37gを得る。 m.p.110−111.5℃ 一方、ろ液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フイー(溶媒;ベンゼン:酢酸エチル=20:
1)に付すことにより更に上記生成物2.93gを
得る。 m.p.109.5−111℃ (2) 本品62g、10%パラジウム−炭素7g、酢酸
500ml及びエタノール500mlを常圧下水素ガス雰
囲気中室温で11時間振とうする。不溶物をろ過
し、溶媒を留去後、酢酸エチル−ヘキサンから
再結晶してスレオ−2−ヒドロキシ−3−(2
−アミノ−6−クロロフエニルチオ)−3−(4
−メトキシフエニル)プロピオン酸メチル
51.74gを得る。 m.p.114−116℃ (3) 60%水素化ナトリウム84mgのジメチルスルホ
キシド溶液をアルゴン雰囲気下70℃で40分間撹
拌し、冷却後、上記生成物0.368gのジメチル
スルホキシド溶液を加える。室温で40分間撹拌
後、氷−酢酸混液に加え、析出晶を水洗、乾燥
し、クロロホルム−エタノールから再結晶する
ことにより、(±)−シス−2−(4−メトキシ
フエニル)−3−ヒドロキシ−9−クロロ−2,
3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4
(5H)−オン0.163gを得る。 m.p.249−252℃(分解) 参考例 4 (1) スレオ−2−ヒドロキシ−3−(2−アミノ
−6−クロロフエニルチオ)−3−(4−メトキ
シフエニル)プロピオン酸メチル18.39g、10
%水酸化ナトリウム90ml、メタノール200ml及
び水90mlを室温で4時間撹拌する。反応液を塩
酸で約PH2に調整し、一夜撹拌する。析出晶を
水洗、乾燥することにより、スレオ−2−ヒド
ロキシ−3−(2−アミノ−6−クロロフエニ
ルチオ)−3−(4−メトキシフエニル)プロピ
オン酸1/2水和物16.77gを得る。 m.p.108−110℃(エタノール−水から再結
晶) (2) 本品15.77gのキシレン溶液を、生成する水
を除去しながら、18時間還流し冷却後、析出晶
をろ取することにより、(±)−シス−2−(4
−メトキシフエニル)−3−ヒドロキシ−9−
クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾチ
アゼピン−4(5H)−オン10.44gを得る。 m.p.249−251℃(分解) 本品をジメチルホルムアミド−イソプロピルエ
ーテルから再結晶したものの融点は247−250℃
(分解)を示す。 参考例 5 (1) (±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)
−3−ヒドロキシ−9−クロロ−2,3−ジヒ
ドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−
オン22.39gのピリジン溶液を氷−水で冷却し、
(S)−1−(2−ナフチルスルホニル)ピロリジ
ン−2−カルボニルクロリド〔(S)−1−(2−
ナフチルスルホニル)ピロリジン−2−カルボ
ン酸及びシユウ酸クロリドから調製〕28.4gを
加え、室温で18時間撹拌後、水及び酢酸エチル
−クロロホルム(1:1)混液を加える。有機
層を塩酸、水、炭酸水素ナトリウム水溶液及び
水で順次洗浄、乾燥後、溶媒を留去し、残査を
シリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶媒;
ベンゼン:酢酸エチル=9:1)に付すことに
より、生成物A18.22g〔油状物、〔α〕20 D−13.2゜
(C=0.326、クロロホルム)〕及び生成物
B17.01g〔結晶、m.p.106−123℃、〔α〕20 D
22.8゜(C=0.324、クロロホルム)〕を得る。 (2−a) 前記(1)で得た生成物A17.46g、炭
酸カリウム41g、水100ml及びメタノール200ml
を室温で19時間撹拌する。析出晶を含水メタノ
ールから再結晶することにより、光学活性シス
−2−(4−メトキシフエニル)−3−ヒドロキ
シ−9−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5−
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン(以後本品
は“ラクタムA”と称する。)7.85gを得る。
収率83.4% m.p.188−189℃ 〔α〕20 D0゜(C=0.275、ジメチルホルムアミ
ド) (2−b) 前記(1)で得た生成物B12.75g、炭
酸カリウム30g、水75ml及びメタノール150ml
を室温で20時間撹拌し、以下、(2−a)と同
様に処理することにより、光学活性シス−2−
(4−メトキシフエニル)−3−ヒドロキシ−9
−クロロ−2,3−ジヒドロ−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4(5H)−オン(以後本品は“ラ
クタムB”と称する。)6.01gを得る。収率
91.3% m.p.188−189℃ 〔α〕20 D0゜(C=0.477、ジメチルホルムアミ
ド) 参考例 6 参考例5−(1)で得た生成物B2.27g、5%水酸
化ナトリウム水溶液40ml及びメタノール40mlを室
温で18時間撹拌後、水で希釈し、クロロホルム抽
出する。抽出液を水洗、乾燥後、溶媒を留去し、
残査を含水メタノールから再結晶することによ
り、ラクタムB287mgを得る。 一方、水層を塩酸でPH3−4に調整しクロロホ
ルム抽出し、抽出液を水洗、乾燥後、溶媒を留去
する。残査のベンゼン−エーテル溶液を濃塩酸で
抽出し、塩酸層を炭酸カリウムでPH4に調整し、
クロロホルム抽出する。抽出液を水洗、乾燥後、
溶媒を留去することにより、(−)−スレオ−2−
ヒドロキシ−3−(2−アミノ−6−クロロフエ
ニルチオ)−3−(4−メトキシフエニル)プロピ
オン640mgを抽状物として得る。 〔α〕20 D−158゜(C=0.520、クロロホルム) 参考例 7 (−)−スレオ−2−ヒドロキシ−3−(2−ア
ミノ−6−クロロフエニルチオ)−3−(4−メト
キシフエニル)プロピオン酸600mgのジメチルホ
ルムアミド−ジクロロメタン5ml溶液に1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール150mg及びジシクロヘ
キシルカルボジイミド550mgを加える。析出物を
ろ過し、溶媒を留去する。残査の酢酸エチル溶液
を炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄、乾
燥後、酢酸エチルを留去し、残査を含水メタノー
ルから再結晶することにより、ラクタムB414mg
を得る。収率72.6% m.p.188−189℃ 参考例 8 (±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−ヒドロキシ−9−クロロ−2,3−ジヒドロ
−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン220
mgのピリジン溶液に氷冷下で酢酸クロリド61mgを
加え室温で1時間撹拌後、溶媒を留去する。残査
の酢酸エチル溶液を塩酸、水、炭酸水素ナトリウ
ム水溶液及び水で順次洗浄、乾燥後、溶媒を留去
し、残査を酢酸エチルから再結晶することによ
り、(±)−シス−2−(4−メトキシフエニル)−
3−アセトキシ−9−クロロ−2,3−ジヒドロ
−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン206
mgを得る。収率83.4% m.p.217−219℃

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (但し、R1は水素原子又は低級アルカノイル、
    R2及びR3は共に低級アルキル、R4及びR5は一方
    が塩素原子であり、他方が水素原子を表す。) で示される1,5−ベンゾチアゼピン誘導体又は
    その塩。 2 一般式 (但し、R1は水素原子又は低級アルカノイル、
    R4及びR5は一方が塩素原子であり、他方が水素
    原子を表す。) で示される1,5−ベンゾチアゼピン誘導体又は
    その塩。
JP60257448A 1984-11-17 1985-11-15 1,5―ベンゾチアゼピン誘導体 Granted JPS61122281A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB8429102 1984-11-17
GB08429102A GB2167063A (en) 1984-11-17 1984-11-17 6 or 9-chloro-1, 5-benzothiazepine derivatives
CN85101892A CN85101892B (zh) 1984-11-17 1985-04-01 制备新型的1,5-苯并硫杂吖庚因衍生物的方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61122281A JPS61122281A (ja) 1986-06-10
JPH0459313B2 true JPH0459313B2 (ja) 1992-09-21

Family

ID=25741514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60257448A Granted JPS61122281A (ja) 1984-11-17 1985-11-15 1,5―ベンゾチアゼピン誘導体

Country Status (18)

Country Link
US (1) US4665068A (ja)
EP (1) EP0182273B1 (ja)
JP (1) JPS61122281A (ja)
KR (1) KR890003600B1 (ja)
CN (2) CN85101892B (ja)
AT (1) ATE40997T1 (ja)
AU (1) AU578755B2 (ja)
BG (2) BG44379A3 (ja)
CA (1) CA1226281A (ja)
DD (2) DD249271A5 (ja)
DE (1) DE3568428D1 (ja)
DK (1) DK171821B1 (ja)
ES (2) ES8704914A1 (ja)
GB (1) GB2167063A (ja)
HU (1) HU193834B (ja)
NO (1) NO163488C (ja)
PH (1) PH23328A (ja)
PT (1) PT81504B (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE64925T1 (de) * 1986-08-20 1991-07-15 Mcneilab Inc Benzothiazepin-vasodilatoren mit aralkylsubstitution.
IE61939B1 (en) * 1987-07-31 1994-11-30 Tanabe Seiyaku Co Naphthothiazepine derivatives and a process for preparing the same
JPS6450872A (en) * 1987-08-21 1989-02-27 Tanabe Seiyaku Co Production of 1,5-benzothiazepine derivative
JPH01128974A (ja) * 1987-11-13 1989-05-22 Tanabe Seiyaku Co Ltd 1,5−ベンゾチアゼピン誘導体の製法
FR2630107B1 (fr) * 1988-04-19 1990-06-08 Synthelabo Procede de preparation du (+) - (2s,3s) (amino-2 phenyl)thio)-3 hydroxy-2 (methoxy-4 phenyl)-3 propionate de methyle
US4902684A (en) * 1988-06-20 1990-02-20 E. R. Squibb & Sons, Inc. Benzazepine and benzothiazepine derivatives
FR2637285B1 (fr) * 1988-10-03 1991-04-12 Synthelabo Procede de preparation de derives de l'acide propionique et produits obtenus
IT1230057B (it) * 1989-04-13 1991-09-27 Zambon Spa Processo di risoluzione di intermedi utili per la preparazione di 1,5-benzotiazepine
IL94295A0 (en) * 1989-05-25 1991-03-10 Fujisawa Pharmaceutical Co Thiazepine derivatives,processes for the preparation thereof and pharmaceutical compositions containing the same
US5001236A (en) * 1989-11-22 1991-03-19 Marion Laboratories, Inc. Benzothiazepines
IT1240651B (it) * 1990-05-17 1993-12-17 Zambon Spa Processo per la risoluzione di derivati glicidici
IT1302261B1 (it) 1998-09-24 2000-09-05 Zambon Spa Processo per la risoluzione cinetica enzimatica di 3-fenilglicidatiper transesterificazione con amminoalcoli

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB287079A (en) * 1927-03-14 1929-02-07 Ass Telephone & Telegraph Co Improvements in or relating to telephone systems
US3075967A (en) * 1961-06-12 1963-01-29 Olin Mathieson Benzothiazines
US3341519A (en) * 1965-04-28 1967-09-12 Squibb & Sons Inc Novel benzoxazines, benzothiazines, benzoxazepins and benzothiazepins
US3562257A (en) * 1967-10-28 1971-02-09 Tanabe Seiyaku Co Benzothiazepine derivatives
GB1236467A (en) * 1967-10-28 1971-06-23 Tanabe Seiyaku Co Benzothiazepine derivatives
KR870000906B1 (ko) * 1982-09-16 1987-05-06 더 뱁콕 앤드 윌콕스 캄패니 과립 제조 기구용 제어장치
US4567175A (en) * 1983-06-03 1986-01-28 Tanabe Seiyaku Co., Ltd. 8-Chloro-1,5-benzothiazepine derivatives
IT1206505B (it) * 1983-07-22 1989-04-27 Schiapparelli Farma Nuovi derivati benzotiazepinonici, metodo per la loro preparazione e composizioni farmaceutiche che licontengono.
US4585768A (en) * 1984-04-10 1986-04-29 Tanabe Seiyaku Co., Ltd. 1,5-benzothiazepine derivatives and processes for preparing the same

Also Published As

Publication number Publication date
PH23328A (en) 1989-07-14
US4665068A (en) 1987-05-12
AU578755B2 (en) 1988-11-03
CN85108458B (zh) 1988-05-25
GB2167063A (en) 1986-05-21
ES548898A0 (es) 1987-04-16
CN85101892B (zh) 1988-03-02
BG44709A3 (ja) 1989-01-16
ES8707723A1 (es) 1987-08-16
HUT41804A (en) 1987-05-28
DD239202A5 (de) 1986-09-17
AU4933185A (en) 1986-05-22
DD249271A5 (de) 1987-09-02
CN85108458A (zh) 1986-07-30
CA1226281A (en) 1987-09-01
CN85101892A (zh) 1987-01-17
KR890003600B1 (ko) 1989-09-27
PT81504B (pt) 1987-11-11
DE3568428D1 (en) 1989-04-06
NO854565L (no) 1986-05-20
DK171821B1 (da) 1997-06-23
NO163488B (no) 1990-02-26
GB8429102D0 (en) 1984-12-27
PT81504A (en) 1985-12-01
DK530685A (da) 1986-05-18
ES557079A0 (es) 1987-08-16
JPS61122281A (ja) 1986-06-10
KR860004039A (ko) 1986-06-16
ATE40997T1 (de) 1989-03-15
HU193834B (en) 1987-12-28
EP0182273B1 (en) 1989-03-01
ES8704914A1 (es) 1987-04-16
EP0182273A1 (en) 1986-05-28
BG44379A3 (en) 1988-11-15
DK530685D0 (da) 1985-11-15
NO163488C (no) 1990-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900005697B1 (ko) 8-클로로-1,5-벤조티아제핀 유도체의 제조방법
KR900001163B1 (ko) 1,5-벤조티아제핀 유도체의 제조방법
JPH07503724A (ja) 血中脂質低下性ベンゾチアゼピン化合物
KR910005414B1 (ko) 1,5-벤조티아제핀 유도체의 제조방법
JPH0459313B2 (ja)
JPH0228594B2 (ja) 1*55benzochiazepinjudotai
JPS6313994B2 (ja)
KR900005680B1 (ko) 1,5-벤조티아제핀 유도체의 제조방법
KR940003290B1 (ko) 나프토티아제핀 유도체 및 이의 제조방법
JPS60231669A (ja) 1,5―ベンゾチアゼピン誘導体
JPH0421668B2 (ja)
JPH0421667B2 (ja)
JP2954962B2 (ja) 8位置換1,5―ベンゾチアゼピン誘導体
JPS6313966B2 (ja)
JPH0240372A (ja) ナフトチアゼピン誘導体
JPH0376290B2 (ja)
JPS60226867A (ja) 1,5―ベンゾチアゼピン誘導体