JPH035678Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は内動片引き戸の排水装置に関するも
のである。

従来技術 従来実公昭58−49335号公報に記載された考案
の如く、左右いずれか一側の室外側にガラス板を
嵌め殺して嵌め殺し部を形成し、室内側にスライ
ド可能に障子を嵌め込んだ内動片引き戸が開発さ
れている。

該公報に記載された考案において雨水の排水装
置が記載されているが、該考案は窓枠の嵌め殺し
部とは反対側の下枠にのみ排水孔を穿設し、障子
に当つて下枠に落ちた雨水を排水孔から排水する
ものである。

この考案が解決すべき問題点 上記のような考案で問題となるのは、第２図で
矢印でもつて示すように障子の召し合せ框と方立
間に生じた〓間を通つて室内側に入り込んだ雨水
を排水することができないことである。

また単に排水孔のみが穿設されただけだと室外
から風によつて吹上げがあり、室内側に雨水が入
り込むことがあり、このために実開昭58−171489
号公報に記載された考案の如く水抜き弁を下枠に
設けたり、実開昭58−73894号公報に記載された
考案の如く吸水材を取付ける水抜き具を必要とす
るものである。

問題点を解決するための手段 この考案にかかる内動片引き戸の排水装置は、
窓枠の下枠は、障子の摺動する室内側レールと、
該室内側レールから室外側に離間して垂下する垂
下片と、前記室内側レールと垂下片を連結し、嵌
め殺し部の室内側適宜位置に排水孔が穿設された
連結片とで形成された下向きの溝部を有し、下枠
の室外側にガラス板の端部を収納する収納溝を有
するとともに、排水孔が穿設された室内側に延び
る延出片が形成されたアタツチメントを載置固定
し、下枠の連結片とアタツチメントの延出片との
間に吸水材を介在させ、障子と方立間の〓間から
室内側に入り込んだ雨水を排水孔から排水し、室
外側からの吹上げを吸水材によつて室内側に入り
込むのを防ぐものである。

実施例 以下図に示す一実施例に基づきこの考案を詳細
に説明する。

窓枠は上枠１、下枠２、左竪枠３、右竪枠４に
よつて方形状に枠組まれている。上下枠１，２は
引違い障子にも使用可能であつて、上枠１は長手
方向に二条の溝５，６が形成され、下枠２には二
条のレール７，８が長手方向に連続して上方に突
設されている。

下枠２の室内側レール８の室外側には離間して
下方に垂下し室外側面に気密材嵌入溝１０を有す
る垂下片９と、該垂下片９と室内側レール８を連
結する連結片１１を有している。

室内側レール８と垂下片９と連結片１１によつて
下向きの溝部２３が形成されている。

連結片１１には後に述べる嵌め殺し部Ａの室内
側適宜位置に排水孔１２が穿設されている。垂下
片９の直上には室内側面に気密材嵌入溝１０を有
する立上り片１３が形成されている。室外側レー
ル７には室内外方向に貫通する排水孔１４が穿設
されている。

第２図において左側の竪枠３の室外側には、他
方の竪枠４に向つて突出する突出壁１５と先端が
屈曲した係止片１６が長手方向に連続して形成さ
れている。右側の竪枠４の室内側には室内側面に
気密材嵌入溝１０が形成された突片１７と、当接
片１７ａが長手方向に連続して形成されている。

窓枠の左右いずれか一側、実施例では第２図で
左側室外側に嵌め殺し部Ａが形成されている。窓
枠の左右竪枠の中間の上下枠１，２間には方立１
８が掛け渡されている。方立１８の左側の竪枠３
と向き合う面には溝部１９が凹設されている。

下枠２の竪枠３と方立１８間にはアタツチメン
ト２０が載置固定されている。アタツチメント２
０には上方に開口する収納溝２１と室内側に延び
る延出片２２を有している。アタツチメント２０
は室外側レール７上に載置され、延出片２２は溝
部２３を覆うようにして延びている。延出片２２
には排水孔２２ａが穿設され、連結片１１と延出
片２２間にウール、スポンジ等の吸水材２４が介
在されている。

上枠１にも竪枠３と方立１８間に掛け渡されて
アタツチメント２５が取付けられている。

以上のように上下枠１，２、竪枠３及び方立１
８によつて方形状に枠組まれた開口部にガラス板
２６が嵌め込まれている。ガラス板２６の下端は
アタツチメント２０の溝部２１に嵌合され、上端
はアタツチメント２５と押縁２７間に嵌め込ま
れ、右端は方立１８の溝部１９内に嵌合され、左
端は突出壁１５と押縁２８間に嵌め込まれてい
る。

障子Ｂは窓枠の室内側に嵌め込まれて左右にス
ライド可能になつている。障子Ｂは上下横框２
９，２９及び左右竪框３０，３０が方形状に框組
まれガラス板３１が嵌め込まれている。

下枠２の垂下片９、立上り片１３、右側の竪枠
４の突片１７の気密材嵌入溝１０には各々合成ゴ
ム製等の気密材３２が取付けられている。

以上のような内動片引き戸において障子Ｂを閉
めた状態にて、方立１８と召し合せ框３０間に生
じた〓間から嵌め殺し部Ａの室内側に雨水が浸入
しても、下枠２の連結片１１の排水孔１２から溝
部２３へ排水される。雨水は吸水材２４を通つて
アタツチメント２０の延出片２２の排水孔２２ａ
から下枠２上に落下する。更に雨水は下枠２の室
外側レール７の排水孔１４から室外側に排水され
る。

考案の効果 この考案は以上のような構成を有し、嵌め殺し
部の室内側適宜位置に排水孔を形成したため、方
立と召し合せ框間の〓間を通つて浸入した雨水も
室外に排水することが可能である。

また下枠に垂下片、室内側レール及び排水孔が
穿設された連結片によつて下向き溝部を形成して
アタツチメントの延出片によつて覆い、連結片と
延出片間に吸水材を介在させたため、室外から風
によつて吹き上げられた雨水も吸水材によつて止
められて室内に吸き込むことがない。

吸水材を取付けるための加工、及び部品も不要
で、容易に吸水材の取付けができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の内動片引き戸の一実施例の
縦断面図、第２図はその横断面図である。 Ａ……嵌め殺し部、Ｂ……障子、１……上枠、
２……下枠、３，４……竪枠、７，８……レー
ル、９……垂下片、１１……連結片、１２……排
水孔、１４……排水孔、１８……方立、２０……
アタツチメント、２２……延出片、２２ａ……排
水孔、２３……溝部、２４……吸水材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 窓枠の室外側の左右いずれか一側にガラス板２
   ６を固定した嵌め殺し部Ａを形成し、且つ室内側
   に摺動自在に障子Ｂを取付けた内動片引き戸にお
   いて、 窓枠の下枠２は、障子Ｂの摺動する室内側レー
   ル８と、該室内側レール８から室外側に離間して
   垂下する垂下片９と、前記室内側レール８と垂下
   片９を連結し、嵌め殺し部Ａの室内側適宜位置に
   排水孔１２が穿設された連結片１１とで形成され
   た下向きの溝部２３を有し、下枠２の室外側にガ
   ラス板２６の端部を収納する収納溝２１を有する
   とともに、排水孔２２ａが穿設された室内側に延
   びる延出片２２が形成されたアタツチメント２０
   を載置固定し、下枠２の連結片１１とアタツチメ
   ント２０の延出片２２との間に吸水材２４を介在
   させたことを特徴とする内動片引き戸の排水装
   置。