JPH0134602Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の側部後方に設けられるクウオ
ーターウインドの構造に関するものであり、さら
に詳しくは、このクウオーターウインドの窓枠部
の構造に関するものである。

（従来技術） 自動車のクウオーターウインドは、車体側部後
方に形成されるウインドであり、通常いわゆる２
ドア車において、後席の乗員の側方視界を良くす
るために設けられるものである。クウオーターウ
インドは、ドアウインドとは異なり、自動車の車
体に窓枠が形成され、この窓枠部にウインドガラ
スが取り付けられることになる。

このため、クウオーターウインドの窓枠部は車
体の一部としての役割を果たすこととなり、例え
ば実開昭57−84175号に開示されているようにヘ
ツドライニング（トツプシーリング）をルーフ側
端部にクリツプで取り付けるような場合に、クウ
オーターウインド窓枠部上辺にもトツプシーリン
グの端部をクリツプで止めるようになる。

一方、窓枠部にはウインドガラスを閉めた時に
車室内外を遮断して水の侵入等を防ぐ、シール部
材を取り付ける必要があり、窓枠部上辺にトツプ
シーリングの端部をクリツプで止めた場合には、
シール部材はこのクリツプを覆うように取り付け
なければならない。このようにすると、シール部
材は窓枠部上辺において、クリツプが取り付けら
れた個所ではクリツプの厚みに応じて下方に盛り
上がることになり、窓枠部上辺のシール部材下端
に凹凸を生じることになる。このような凹凸が生
じるとクウオーターウインドのシール性が低下
し、外観が損なわれるという問題がある。

（考案の目的） 本考案はこのような問題に鑑みなされたもの
で、上記凹凸が生じるのを防止し、シール性およ
び外観を損うことのない自動車のクウオーターウ
インド構造を提供することを目的とするものであ
る。

（考案の構成） 本考案のクウオーターウインド構造は、クウオ
ーターパネルとリヤフエンダの接合によりシール
部材取付フランジを形成し、このシール部材取付
フランジの上辺部下端縁に、トツプシーリング部
材の端部を固定するための取付部材を配設する切
欠部を形成し、この取付部材を切欠部に配設した
時、取付部材により切欠部をほぼ埋めるようにし
て、シール部材取付フランジにシール部材が嵌着
された時、取付部材を覆う部分でのシール部材の
下端縁に凹凸が生じないようにしたことを特徴と
するものである。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第１図は本考案のクウオーターウインド構造を
有する自動車の１例を示す正面図で、車体後部の
みを示している。車体後側部外板をなすリヤフエ
ンダ３と、車体後側部内板をなすクウオーターパ
ネル４とが合わさつて接合され、クウオーターウ
インドを有する車体後側部が形成されている。こ
のクウオーターウインドはリヤフエンダ３とクウ
オーターパネル４とが接合して形成された窓枠内
縁をなすシール部材取付フランジ上にシール部材
２が取り付けられ、このシール部材２に端部を当
接させてウインドガラス１が取り付けられてい
る。

このクウオーターウインドの上辺部（Ａで示す
部分）を、シール部材２を取り外して示したのが
第２図で、矢印Ｙ−Ｙに沿つて切断して示したの
が第３図であり、以下これらの図を併用して説明
する。

第２図に示すように、シール部材取付フランジ
５の上辺には切欠部６が形成されていて、トツプ
シーリング７の端部７ａがこの切欠部６に取付部
材であるクツプ８により取り付けられる。第３図
からわかるように、リヤフエンダ３およびクウオ
ーターパネル４の窓枠を形成する内縁は接合され
てシール部材取付フランジ５が形成されている。
このシール部材取付フランジ５の上辺部の切欠部
６を有する部分には、車内の天井を形成するトツ
プシーリング７の端部７ａがクリツプ８によつて
シール部材取付フランジ５と共に挾まれて、シー
ル部材取付フランジ５に固定保持される。そし
て、トツプシーリング７の端部７ａを挾持するク
リツプ８を含んで、シール部材取付フランジ５を
覆うようにシール部材９が、シール部材取付フラ
ンジ５に取り付けられる。このシール部材９の車
体外方部の空洞を有して変形しやすくなつた突出
部９ａを押さえるように、ウインドガラス１が取
り付けられて、クウオーターウインドが作られて
いる。

図中破線は、シール部材取付フランジ５に切欠
部６を設けない従来のクウオーターウインドの場
合を示すもので、このように、シール部材９の下
端９ａがクリツプ８を取り付けた部分では下方に
盛り上がる。このため、シール部材９の下端９ａ
がシール部材取付フランジ５の上辺に沿つて凹凸
形状となり、シール性の低下が生じやすく、外観
も損なわれる。しかし、本考案の構造では、切欠
部６にクリツプ８を取り付けてこの切欠部６をク
リツプ８で埋めるようにしているので、上記のよ
うな盛り上がりはなくすことができる。

第４図は本考案のクウオーターウインド構造の
別の実施例を示すもので、第２図に示す切欠部６
の代わりに、各クリツプの位置に、クリツプが入
り込むだけの巾を有する複数の切欠部１６ａ，１
６ｂ，１６ｃ，１６ｄを設けたものである。この
ような切欠部を設けても、第１図から第３図に示
した例と全く同じ効果を得ることができる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、クウオ
ーターウインドの周縁部をなすシール部材取付フ
ランジの上辺部の下端縁には切欠きが形成され、
この切欠き部にはトツプシーリングの端部を該切
欠き部に固定して取り付ける取付部材がこの切欠
部をほぼ埋めるように配設されているので、取付
部材が配設された上辺部を含んでシール部材取付
フランジにシール部材が嵌着された時、上辺部に
おいてもシール部材下端の凹凸が生じることがな
く、シール性を確保し、外観を損うことも防止で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクウオーターウインド構造を
有する自動車の１例を示す正面図、第２図は第１
図の自動車のクウオーターウインド上辺部（Ａ
部）を示す正面図、第３図は第１図の自動車を矢
印Ｙ−Ｙに沿つて切断して示す断面図、第４図は
本考案のクウオーターウインド構造の別の実施例
を示す正面図である。 １……ウインドガラス、２……シール部材、３
……リヤフエンダ、４……クウオーターパネル、
５……シール部材取付フランジ、６……切欠部、
７……トツプシーリング、８……クリツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体側部後方に位置するクウオーターウインド
   において、 該クウオーターウインドの全周縁部にはクウオ
   ーターパネルとリヤフエンダの接合によつて形成
   されたシール部材取付フランジが設けられてお
   り、 該シール部材取付フランジの上辺部の下端縁に
   は切欠部が形成され、該切欠部にはトツプシーリ
   ング部材の端部を該切欠部に固定し取り付ける取
   付部材が該切欠部をほぼ埋めるように配設され、 該取付部材が配設された前記上辺部を含んで前
   記シール部材取付フランジの全周に亘つてシール
   部材が嵌着されていることを特徴とする自動車の
   クウオーターウインド構造。