JP7275689B2 - 蓄冷材 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄冷材に関する。
特許文献1は、蓄熱装置及び蓄熱方法を開示している。より詳細には、特許文献1に開示された蓄熱装置では、冷却によりクラスレートハイドレートを形成する蓄熱材の過冷却をより少ないエネルギーで解除することができる。
特開2017-003182号公報
本発明の目的は、今までにないメカニズムで結晶化する新しい蓄冷材を提供することにある。
本発明による蓄冷材は、水性の蓄冷材であって、
テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよびテトラ-イソペンチルアンモニウムカチオンからなる群から選択される少なくとも1種のアンモニウムカチオン、
カルボン酸アニオン、
酸素含有アニオン、および
銀イオン、
を含有し、
ここで、
前記酸素含有アニオンは、前記カルボン酸アニオンとは異なる分子構造を有し、
前記酸素含有アニオンは、前記蓄冷材の冷却中に前記少なくとも1種のアンモニウムカチオンと組み合わされて第1ゲスト分子を形成可能であり、
前記第1ゲスト分子は、水分子を第1ホスト分子として用いて第1クラスレートハイドレート結晶を形成可能であり、
前記第1クラスレートハイドレート結晶は、摂氏0度以上摂氏30度以下の融点を有し、
前記カルボン酸アニオンは、前記蓄冷材の冷却中に前記少なくとも1種のアンモニウムカチオンと組み合わされて第2ゲスト分子を形成可能であり、
前記第2ゲスト分子は、水分子を第2ホスト分子として用いて第2クラスレートハイドレート結晶を形成可能であり、
前記第2クラスレートハイドレート結晶は、摂氏0度以上摂氏30度以下の融点を有し、
前記第2クラスレートハイドレート結晶の融点は、前記第1クラスレートハイドレート結晶の融点よりも低く、
前記酸素含有アニオンの前記カルボン酸アニオンに対するモル比は0.5未満であり、
前記第1クラスレートハイドレート結晶は、前記第2クラスレートハイドレート結晶に類似する結晶構造を有しており、
蓄冷材が、摂氏3度以上の融点を有し、かつ
蓄冷材が、8ケルビン以下の過冷却度ΔTを有する。
本発明は、今までにないメカニズムで結晶化する新しい蓄冷材を提供する。
図1は、冷却時における蓄冷材の特性を示すグラフである。 図2は、加温時における蓄冷材の特性を示すグラフである。 図3Aは、工程(a)の概略図を示す。 図3Bは、工程(a)に続く工程(b)の概略図を示す。 図3Cは、工程(b)に続く工程(c)の概略図を示す。 図3Dは、工程(c)に続く工程(d)の概略図を示す。 図4Aは、第1クラスレートハイドレート結晶88の概略図を示す。 図4Bは、第2クラスレートハイドレート結晶91の概略図を示す。
以下、本発明の本実施形態が、図面を参照しながら説明される。
図1は、冷却時における蓄冷材の特性を示すグラフである。図1において、横軸および縦軸は、それぞれ、時間および温度を指し示す。
本実施形態による蓄冷材は、冷却される。図1に含まれる区間Aを参照せよ。一般的な液体の場合とは異なり、蓄冷材の技術分野においてよく知られているように、蓄冷材の冷却により蓄冷材の温度がその融点に到達しても、蓄冷材は固化せず、過冷却状態となる。図1に含まれる区間Bを参照せよ。過冷却状態において、蓄冷材は液体である。
次いで、蓄冷材は、自発的に結晶化し始める。結晶化に伴い、蓄冷材は潜熱にほぼ等しい結晶化熱を放出する。その結果、蓄冷材の温度は上昇し始める。図1に含まれる区間Cを参照せよ。本明細書において、蓄冷材が自発的に結晶化し始める温度は、「結晶化温度」と言う。
ΔTは、蓄冷材の融点および結晶化温度の差を表す。ΔTは、「過冷却度」とも呼ばれ得る。過冷却状態における蓄冷材の結晶化により、蓄冷材はクラスハイドレート結晶となる(例えば、特許文献1を参照せよ)。ここで、クラスレートハイドレート結晶とは、水分子が水素結合によってかご状の結晶を作り、その中に水以外の物質が包み込まれてできる結晶のことを言う。特記されない限り、本明細書においては、用語「クラスレートハイドレート結晶」は、クラスレートハイドレート結晶だけでなく、セミクラスハイドレート結晶も含む。セミクラスレートハイドレート結晶とは、ゲスト分子が水分子の水素結合ネットワークに参加してできる結晶のことをいう。水分子とゲスト分子が過不足なくハイドレート結晶を形成する濃度を調和濃度という。一般的にハイドレート結晶は調和濃度付近で利用される場合が多い。ここで、クラスレートハイドレート結晶の融点は、「調和濃度の融点(調和融点)」として定義される。ゲスト分子に対する水分子の数を横軸に、クラスレートハイドレート結晶の融点を縦軸に取ると、上に凸の曲線となり、調和融点は最大値を取る。すなわち、調和融点とは、クラスレートハイドレート結晶がとり得る融点の最大値である。
結晶化の完了と共に蓄冷材の結晶化熱の放出が完了した後は、蓄冷材の温度は、周囲温度と等しくなる様に徐々に下がる。図1に含まれる区間Dを参照せよ。
結晶化温度は、蓄冷材の融点より低い。蓄冷材の融点は、蓄冷材の技術分野においてよく知られているように、示差走査熱量計(これは「DSC」とも呼ばれ得る)を用いて測定され得る。
図2は、加温時における蓄冷材の特性を示すグラフである。図2において、横軸および縦軸は、それぞれ、時間および温度を指し示す。区間Eの間、蓄冷材の温度は、結晶化温度以下の温度に維持されている。例えば、冷蔵庫のドアが閉められている間、冷蔵庫内に配置された蓄冷材の温度が結晶化温度以下に維持されるように、冷蔵庫の内部の温度は結晶化温度以下に設定されている。
次に、蓄冷材は、徐々に加温される。図2に含まれる区間Fを参照せよ。例えば、区間Eの終わり(すなわち、区間Fの始まり)で冷蔵庫のドアが開けられると(またはドアが開けられて食材が収められると)、冷蔵庫の内部の温度は、徐々に高くなる。
蓄冷材の温度が、当該蓄冷材の融点に達すると、蓄冷材の温度は、蓄冷材の融点付近に維持される。図2に含まれる区間Gを参照せよ。万一、蓄冷材がない場合には、冷蔵庫の内部の温度は、図2に含まれる区間Zに示されるように連続的に上昇する。一方、蓄冷材がある場合には、区間Gの一定期間の間、冷蔵庫の内部の温度は、蓄冷材の融点付近に維持される。このようにして、蓄冷材は蓄冷効果を発揮する。区間Gの終わりで、蓄冷材の結晶は融解して消失する。その結果、蓄冷材は液化する。
その後、液化した蓄冷材の温度は、周囲温度と等しくなるように上昇する。図2に含まれる区間Hを参照せよ。
蓄冷材は冷却され、再利用され得る。例えば、冷蔵庫のドアが閉められた後には、図1に含まれる区間Aに示されるように、再度、蓄冷材は冷却され、再利用される。
冷蔵庫のために好適に用いられる蓄冷材のためには、以下の2つの条件(I)および(II)が充足されなければならない。
・条件(I) 蓄冷材が、摂氏3度以上の融点を有すること。
・条件(II) 蓄冷材は、8ケルビン以下の小さな過冷却度ΔT(望ましくは6ケルビンK以下)を有すること。
望ましくは、蓄冷材は摂氏25度以下(すなわち、室温以下)の融点を有する。
条件(I)の理由は、冷蔵庫の内部の温度は、おおよそ摂氏3度以上(かつ、望ましくは摂氏25度以下、すなわち、望ましくは、室温以下)の温度に維持されるべきであるからである。言い換えれば、冷却器の内部の温度が摂氏0度未満に維持されるのであれば、そのような冷却器は、「冷蔵庫」ではなく、「冷凍庫」である。一方、食品保存の観点から、冷却器の内部の温度が摂氏25度を超える温度で維持されるのであれば、そのような冷却器に冷蔵庫としての実使用上の意味はほとんどないであろう。
条件(II)の理由が、以下、説明される。過冷却度ΔTの増加に伴い、結晶化温度が低くなる。したがって、過冷却状態における蓄冷材を結晶化させるために、過度の冷却が必要となる。一例として、蓄冷材として用いられる氷(すなわち、純水)の結晶化温度は、およそ摂氏マイナス12度である。すなわち、蓄冷材として用いられる氷の融点は摂氏0度であり、かつその過冷却度ΔTは12ケルビンに等しい。そのため、氷を蓄冷材として用いる場合、冷却器はその内部を摂氏マイナス12度以下(たとえば、摂氏マイナス18度)に冷却する能力を必要とする。このことは、冷却器によって消費される電力を大きくする。言うまでもないが、消費電力は小さいこと望ましい。したがって、蓄冷材の過冷却度ΔTは小さいことが求められる。本実施形態による蓄冷材は、8ケルビン以下の小さな過冷却度を有する。望ましくは、本実施形態による蓄冷材は、6ケルビン以下の小さな過冷却度を有する。
冷蔵庫だけでなく、本実施形態による蓄冷材は、保冷庫にも用いられる。保冷庫とは、内部が冷却されている建物を意味する。
混同を予防するために、本明細書において、過冷却度ΔTのためには「ケルビン」が用いられる。例えば、本発明者は、「過冷却度ΔTがnケルビン以下である」と表記する。言うまでもないが、nは実数である。「過冷却度ΔT≦5ケルビン」という説明は、蓄冷材の結晶化温度および融点の差が5ケルビン以下ということを意味する。一方、本明細書において、温度のためには、「摂氏」が用いられる。例えば、「結晶化温度は摂氏5度」(すなわち、5℃)である」と本発明者は表記する。
本実施形態による蓄冷材は、(I)テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよびテトラ-イソペンチルアンモニウムカチオンからなる群から選択される少なくとも1種のアンモニウムカチオン、(II) カルボン酸アニオン、(III) 酸素含有アニオン、および(IV) 銀イオンを含有する。本実施形態による蓄冷材は水性である。したがって、本実施形態による蓄冷材は、(V)水分子を含有する。
(I:アンモニウムカチオン)
少なくとも1種のアンモニウムカチオンは、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよびテトラ-イソペンチルアンモニウムカチオンからなる群から選択される。テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンは、化学式((CH(CH)により表される。蓄冷材の技術分野においてよく知られているように、これらのアンモニウムカチオンは、蓄冷材の主成分、すなわち蓄冷主成分として用いられる。少なくとも1種のアンモニウムカチオンおよび水分子の間のモル比は、1:20~1:40であることが望ましい。言い換えれば、少なくとも1種のアンモニウムカチオンの水分子に対するモル比率は、1/40以上1/20以下であることが望ましい。
テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンに代えてまたは加えて、化学式((CHCH(CH)CHCH)により表されるテトラ-イソペンチルアンモニウムカチオンも用いられ得る。後述される蓄冷材の製法からも明らかなように、少なくとも1種のアンモニウムカチオンは、少なくとも1種のアンモニウムカチオンのカルボン酸塩に由来し得る。
(II:カルボン酸アニオン)
各カルボン酸アニオンは、以下の化学式(II)により表される。
R-COO (II)
ここで、Rは炭化水素基である。
望ましくは、カルボン酸アニオンは、モノカルボン酸アニオンである。
望ましくは、各カルボン酸アニオンは、1以上10以下の炭素数を有する。より望ましくは、各カルボン酸アニオンは、1以上7以下の炭素数を有する。カルボン酸アニオンの炭素数は2以上であり得る。
Rは、直鎖炭化水素基であってもよい。例えば、カルボン酸アニオンは、化学式OCO(CHCHにより表される1-ペンタン酸アニオン、または化学式OCO(CHCHにより表される1-ヘプタン酸アニオンである。
あるいは、Rは分岐鎖を有する炭化水素基であってもよい。例えば、カルボン酸アニオンは、化学式OCOCH(CH)CHCHにより表される2-メチルブタン酸アニオン、または化学式OCOCH(CHCH)CHCHにより表される2-エチルブタン酸アニオンである。カルボン酸アニオンの他の例は、メチルペンタン酸アニオ
ン、エチルペンタン酸アニオン、プロピルペンタン酸アニオン、メチルヘキサン酸アニオン、エチルヘキサン酸アニオン、プロピルヘキサン酸アニオン、およびブチルヘキサン酸アニオンである。
本実施形態による蓄冷材は、2種類以上のカルボン酸アニオンを含有し得る。
カルボン酸アニオンおよび水分子の間のモル比は、1:20~1:40であることが望ましい。言い換えれば、カルボン酸アニオンの水分子に対するモル比率は、1/40以上1/20以下であることが望ましい。
後述される蓄冷材の製法からも明らかなように、カルボン酸アニオンは、少なくとも1種のアンモニウムカチオンのカルボン酸塩に由来し得る。
(III:酸素含有アニオン)
各酸素含有アニオンは、酸素原子をその分子内に含む。
・酸素含有アニオンの例は、
(I) 化学式R-SO により表されるスルホン酸アニオン、
(II) 化学式S-R-SO により表されるジスルホン酸アニオン、
(III) 化学式R-CO により表されるカルボン酸アニオン、
(IV) 化学式HN-CHR-CO により表されるアミノ酸アニオン、
(V) 化学式C-R-CO により表されるジカルボン酸アニオン、
(VI) 化学式NO 、NO 、ClO、ClO 、ClO 、ClO 、CO 2-、SO 2-、またはPO 3-により表される非金属酸アニオン、
(VII) 化学式OHにより表される水酸化物アニオン、
(VIII) 化学式CrO 2-またはWO 2-により表される金属酸アニオン、および
(IX) 化学式R-O-SO により表される有機硫酸エステル、
である。
ここで、
は、置換または非置換の直鎖または分岐の有機残基を表す。
酸素含有アニオンがカルボン酸アニオンまたはジカルボン酸アニオンである場合、各酸素含有アニオンは、「(II)カルボン酸アニオン」の項目において説明されたカルボン酸アニオンとは異なる分子構造を有する。例えば、酸素含有アニオンが、化学式CHCOOにより表される酢酸アニオンである場合、「(II)カルボン酸アニオン」の項目において説明されたカルボン酸アニオンは、酢酸アニオン以外のカルボン酸アニオンである。一例として、酸素含有アニオンが、化学式CHCOOにより表される酢酸アニオンである場合、「(II)カルボン酸アニオン」の項目において説明されたカルボン酸アニオンの例は、化学式OCOCH(CH)CHCHにより表される2-エチルブタン酸アニオンである。
酸素含有アニオンのカウンターカチオンの例は、ナトリウムイオンである。すなわち、酸素含有アニオンは、その金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩)に由来し得る。
(IV:銀イオン)
本実施形態による蓄冷材は、銀イオンを含有する。後述される蓄冷材の製法からも明らかなように、銀イオンは、カルボン酸銀に由来し得る。
(V:水分子)
本実施形態による蓄冷材は、水分子を含有する。本実施形態による蓄冷材は、水性である。言い換えれば、本実施形態による蓄冷材は、上記(I)~(IV)の項目で説明された4つの成分を含有する水溶液である。
(結晶化のメカニズム)
以下、上記(I)~(V)項目で説明された5つの成分を含有する蓄冷材の結晶化のメカニズムが説明される。
・当該メカニズムは、以下の工程(a)~工程(d)の4つの工程を具備する。
・一連の工程(a)~工程(d)は、本実施形態による蓄冷材を冷却することにより行われる。工程(a)および工程(b)は、区間Aおよび区間Bの少なくとも1つの区間において行われる。工程(c)および工程(d)は、区間Bにおいて行われる。
(工程a)
工程(a)では、本実施形態による蓄冷材が冷却される。図3Aに示されるように、工程(a)では、金属銀コア粒子80にカルボン酸銀が取り込まれた第1複合体81が形成される。よく知られているように、銀イオンに紫外線が照射されると、銀イオンは還元されて金属銀粒子に変化する。水溶液中でのブラウン運動または分子間相互作用を原因として、複数の金属銀粒子が凝集し、複数の金属銀粒子から構成された金属銀コア粒子80が形成される。本実施形態による蓄冷材は、太陽または天井灯から放出される光に含まれる紫外線にしばしば照射されるため、本実施形態による蓄冷材に含有される銀イオンの一部は、金属銀粒子に変化し、次いで金属銀コア粒子80が形成される。このように、本実施形態による蓄冷材においては、銀イオンに由来する金属銀コア粒子80が形成される。金属銀コア粒子80の電荷は中性である。
次いで、金属銀コア粒子80にカルボン酸銀が取り込まれ、第1複合体81が形成される。本実施形態による蓄冷材においては、平衡が形成されていることに留意せよ。当該平衡の例は、カルボン酸アニオン、銀イオン、およびカルボン酸銀の間での平衡である。言い換えれば、本実施形態による蓄冷材は、多くのカルボン酸アニオンおよび多くの銀イオンだけでなく、わずかなカルボン酸銀を含有する。言うまでもないが、カルボン酸銀は、銀イオンおよびカルボン酸アニオンから構成される。
図3Aに示されるように、第1複合体81は、マクロカチオン82およびカルボン酸アニオン83から構成される。マクロカチオン82は、金属銀コア粒子80のカチオンである。マクロカチオン82は、金属銀粒子に由来する銀原子だけでなく、カルボン酸銀に由来する銀イオンをも含む。そのため、マクロカチオン82の電荷は正である。マクロカチオン82の近傍に、カルボン酸銀に由来するカルボン酸アニオン83が位置している。第1複合体81の電荷は中性である。
(工程b)
次に、工程(b)では、工程(a)の後に、本実施形態による蓄冷材がさらに冷却される。工程(b)では、図3Bに示されるように、酸素含有アニオン84がマクロカチオン82に引き寄せられて、第2複合体85が形成される。上述されたように、マクロカチオン82は、金属銀粒子に由来する銀原子だけでなく、カルボン酸銀に由来する銀イオンをも含むが、当該銀原子および銀イオンは互いに区別されない。したがって、マクロカチオン82内で正の電荷が維持される限り、カルボン酸銀に由来する銀イオンが銀原子に変化し、かつ金属銀粒子に由来する銀原子の一部が銀イオンに変化する。
マクロカチオン82に、酸素含有アニオン84が静電引力(すなわち、クーロン力)により引き寄せられる。このようにして、第2複合体85が形成される。第2複合体85は
、マクロカチオン82、カルボン酸イオン83、および酸素含有アニオン84から構成される。マクロカチオン82の近傍に、第2複合体85に含まれる酸素含有アニオン84が位置している。第2複合体85の電荷は負である。
(工程c)
次に、工程(c)では、図3Cに示されるように、蓄冷材の過冷却状態において、第1温度下で、第2複合体85に含まれる酸素含有アニオン84に、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86が引き寄せられて、水分子87と共に第1クラスレートハイドレート結晶88を形成する。
第2複合体85に含まれる酸素含有アニオン84に、静電引力(すなわち、クーロン力)により、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86が引き寄せられる。過冷却状態という不安定な状況の下では、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86が酸素含有アニオン84に水溶液中で引き寄せられると、このようにして引き寄せられた少なくとも1種のアンモニウムカチオン86および酸素含有アニオン84は、水分子87と共に第1クラスレートハイドレート結晶88に変化する。言い換えれば、少なくとも1種のアンモニウムカチオン(参照符号:86)、酸素含有アニオン(参照符号:84)、および水分子(参照符号:87)から第1クラスレートハイドレート結晶88が形成される。
以下、第1クラスレートハイドレート結晶88が詳細に説明される。図4Aに示されるように、第1クラスレートハイドレート結晶88は、酸素含有アニオン84、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86、および複数の水分子(参照符号:87)から構成されている。クラスレートハイドレート結晶の技術分野においてよく知られているように、クラスレートハイドレート結晶は、ゲスト物質およびホスト物質から構成されている。ゲスト物質を取り囲むように、ホスト物質が位置している。図4Aに示されるように、第1クラスレートハイドレート結晶88は、第1ゲスト物質89および第1ホスト物質90から構成されている。
第1ゲスト物質89は、第1クラスレートハイドレート結晶88の中心に位置する。第1ゲスト物質89は、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86および酸素含有アニオン84から構成されている。第1ゲスト物質89の近傍に、第1ホスト物質90が位置している。第1ホスト物質90は、複数の水分子(参照符号:87)から形成されている。1つの第1ホスト物質90に対する複数の水分子(参照符号:87)の数の比率は、おおよそ25以上100以下である。
(工程d)
最後に、工程(d)では、図3Dに示されるように、蓄冷材の過冷却状態において、第2温度下で、第1クラスレートハイドレート結晶88を種結晶として用いて第2クラスレートハイドレート結晶91が形成される。
第1クラスレートハイドレート結晶88は、第2クラスレートハイドレート結晶91に類似する構造を有する。図4Bに示されるように、第2クラスレートハイドレート結晶91は、第2ゲスト物質92および第2ホスト物質93から構成されている。
第2ゲスト物質92は、第2クラスレートハイドレート結晶91の中心に位置する。第1ゲスト物質89と同様に、第2ゲスト物質92は、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86およびカルボン酸アニオン83から構成されている。第2ゲスト物質92の近傍に、第2ホスト物質93が位置している。第2ホスト物質93は複数の水分子(参照符号:87)から形成されている。1つの第2ホスト物質93に対する複数の水分子(参照符号:87)の数の比率は、おおよそ25以上100以下である。このように、第2クラス
レートハイドレート結晶91は、カルボン酸アニオン83、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86、および複数の水分子(参照符号:87)から構成されている。言うまでもないが、第2クラスレートハイドレート結晶91に含まれる水分子は、第1クラスレートハイドレート結晶88に含まれる水分子とは異なる。言い換えれば、第2クラスレートハイドレート結晶91に含まれる水分子は、第1クラスレートハイドレート結晶88に含まれず、かつ第1クラスレートハイドレート結晶88に含まれる水分子は、第2クラスレートハイドレート結晶91に含まれない。
過冷却状態という不安定な状況の下で、第1クラスレートハイドレート結晶88が形成されると、第1クラスレートハイドレート結晶88が種結晶として機能し、第1クラスレートハイドレート結晶88に類似する結晶構造を有する第2クラスレートハイドレート結晶91が形成される。すなわち、種結晶として機能する第1クラスレートハイドレート結晶88の近傍で、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86、カルボン酸アニオン83、および複数の水分子(参照符号:87)は、第1クラスレートハイドレート結晶88に類似する結晶構造を有する第2クラスレートハイドレート結晶91に変化する。
上記の通り、第1クラスレートハイドレート結晶88は、第2クラスレートハイドレート結晶91の形成のための種結晶として機能するため、第1クラスレートハイドレート結晶88の形成は、第2クラスレートハイドレート結晶91の形成よりも先行する必要がある。言い換えれば、第1クラスレートハイドレート結晶88は、第2クラスレートハイドレート結晶91よりも先に形成される必要がある。これらの一連の工程(a)~工程(d)は、蓄冷材を冷却することにより行われる。したがって、第1クラスレートハイドレート結晶88の融点(すなわち、凝固点)は、第2クラスレートハイドレート結晶91の融点(すなわち、凝固点)よりも高いことが必要とされる。このことは、後に詳細に説明される。
第1クラスレートハイドレート結晶88は、少量であっても、種結晶として十分に機能するため、蓄冷剤において、酸素含有アニオン(参照符号:84)のカルボン酸アニオン(参照符号:83)に対するモル比は0.5未満である。望ましくは、当該モル比は0.1未満である。より望ましくは、当該モル比は0.01未満である。過剰な量の酸素含有アニオン(参照符号:84)は、本実施形態による蓄冷材の融点を上昇させ、蓄冷材の機能を失わせる。
上述のように、本実施形態による蓄冷材の過冷却状態において、酸素含有アニオン84は、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86と組み合わされて第1ゲスト物質89を形成するために用いられる。第1ゲスト物質89は、複数の水分子(参照符号:87)を第1ホスト物質90として用いて、第1クラスレートハイドレート結晶88を形成する。
カルボン酸アニオン83は、少なくとも1種のアンモニウムカチオン86と組み合わされて第2ゲスト物質92を形成するために用いられる。第2ゲスト物質92は、複数の水分子(参照符号:87)を第2ホスト物質93として用いて、第2クラスレートハイドレート結晶91を形成する。言うまでもないが、第1クラスレートハイドレート結晶88は、複数の第1ゲスト物質(参照符号:89)を含有している。同様に、第2クラスレートハイドレート結晶91は、複数の第2ゲスト物質(参照符号:92)を含有している。
(第1温度、第2温度、クラスレートハイドレート結晶の融点)
以下、第1温度、第2温度、第1クラスレートハイドレート結晶88の融点、および第2クラスレートハイドレート結晶91の融点が説明される。
第1温度は、工程(c)において、第1クラスレートハイドレート結晶88が形成され
るときの温度である。
第1クラスレートハイドレート結晶88は、摂氏0度以上摂氏30度以下の融点を有する。従って、第1温度は摂氏0度以上摂氏30度以下である。後述される表1~表4にも記載されているように、ほぼすべてのクラスレートハイドレート結晶は摂氏30度以下の融点を有する。言い換えれば、摂氏30度を超える融点を有するクラスレートハイドレート結晶は極めて入手困難である。
摂氏0度未満の融点を有するクラスレートハイドレート結晶を利用することに意味はない。クラスレートハイドレートは摂氏0度以上の温度で生じる結晶化に特徴づけられる。すなわち、クラスレートハイドレートは摂氏0度以上の融点を有することに特徴づけられる。摂氏0度未満の融点を有するクラスレートハイドレート結晶は、そのような特徴を発揮しない。摂氏0度未満の融点を有するクラスレートハイドレート結晶が用いられることはほとんどない。むしろ、摂氏0度未満の融点を有する結晶が蓄冷材として必要とされる場合には、氷が用いられる。すなわち、結晶化された水が用いられる。
第2温度は、工程(d)において、第2クラスレートハイドレート結晶91が形成されるときの温度である。
上記と同様の理由により、第2クラスレートハイドレート結晶91もまた、摂氏0度以上摂氏30度以下の融点を有する。第2温度もまた、摂氏0度以上摂氏30度以下である。
第2クラスレートハイドレート結晶91の融点は、第1クラスレートハイドレート結晶88の融点よりも低い。言い換えれば、第1クラスレートハイドレート結晶88の融点は、第2クラスレートハイドレート結晶91の融点よりも高い。
上述されたように、一連の工程(a)~工程(d)は、本実施形態による蓄冷材を冷却することにより行われる。第1クラスレートハイドレート結晶88は、第2クラスレートハイドレート結晶91の生成のための種結晶である。したがって、第1温度(すなわち、第1クラスレートハイドレート結晶88の融点)は、第2温度(すなわち、第2クラスレートハイドレート結晶91の融点)よりも高い。言い換えれば、第2温度は、第1温度よりも低い。万一、第1温度が第2温度よりも低いと、種結晶として機能する第1クラスレートハイドレート結晶88よりも先に第2クラスレートハイドレート結晶91が形成されるため、第1クラスレートハイドレート結晶88(すなわち、種結晶)を形成することが無意味になる。
(クラスレートハイドレート結晶の融点)
上記の通り、本実施形態による蓄冷剤においては、第1クラスレートハイドレート結晶88の融点(すなわち、凝固点)は、第2クラスレートハイドレート結晶91の融点(すなわち、凝固点)よりも高い。以下の表1~表4は、主要なクラスレートハイドレート結晶の融点を示す。
以下の表1~表4に基づいて、第1クラスレートハイドレート結晶88の融点(すなわち、凝固点)が、第2クラスレートハイドレート結晶91の融点(すなわち、凝固点)よりも高くなるように、第1クラスレートハイドレート結晶88の形成のために用いられる酸素含有アニオン84および第2クラスレートハイドレート結晶91の形成のために用いられるカルボン酸アニオン83を選択することは、当業者にとって容易であろう。
上述の通り、酸素含有アニオン(参照符号:84)のカルボン酸アニオン(参照符号:
83)に対するモル比は0.5未満である。これは、本実施形態による蓄冷剤においては、カルボン酸アニオン(参照符号:83)の量が、酸素含有アニオン(参照符号:84)の量よりも多いことを意味する。したがって、先にカルボン酸アニオン(参照符号:83)が選択されることが望ましい。
第1の例として、少なくとも1種のアンモニウムカチオン(参照符号:86)およびカルボン酸アニオン(参照符号:83)として、化学式((CH(CH)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび化学式OCOCH(CHCH)CHCHにより表される2-エチルブタン酸アニオンが選択される場合、表1の32行目に示されているように、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび2-エチルブタン酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、摂氏10.0度の融点を有する。すなわち、第2クラスレートハイドレート結晶91に含まれる少なくとも1種のアンモニウムカチオン(参照符号:86)およびカルボン酸アニオン(参照符号:83)としてそれぞれテトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび2-エチルブタン酸アニオンが選択される場合、第2クラスレートハイドレート結晶91は、摂氏10.0度の融点を有する。
第1クラスレートハイドレート結晶88の融点(すなわち、凝固点)は、第2クラスレートハイドレート結晶91の融点(すなわち、凝固点)よりも高いから、第1クラスレートハイドレート結晶88として、摂氏10.0度を超える融点を有するクラスレートハイドレート結晶が表1~表4から選択される。例えば、表1の20行目に示されているように、化学式((CH(CH)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび化学式CHCOOにより表される酢酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、おおよそ摂氏14.8度の融点を有する。したがって、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび酢酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、第1クラスレートハイドレート結晶88として適切に選択される。このようにして、表1~表4から容易に、カルボン酸アニオン(参照符号:83)および酸素含有アニオン(参照符号:84)として、それぞれ、2-エチルブタン酸アニオンおよび酢酸アニオンが選択される。後述される実施例1および実施例3を参照せよ。なお、表1~表4から明らかなように、クラスレートハイドレート結晶の融点は、当該クラスレートハイドレート結晶に含有される水分子の数(すなわち、水和数)に若干、依存する。
第1の例(すなわち、カルボン酸アニオン(参照符号:83)として2-エチルブタン酸アニオンが選択される例)の変形例として、表2の53行目~54行目に示されているように、化学式((CH(CH)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび化学式WO42-により表されるタングステン酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、およそ摂氏15.0度~摂氏15.1度の融点を有する。したがって、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよびタングステン酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、第1クラスレートハイドレート結晶88として適切に選択される。このようにして、表1~表4から容易に、カルボン酸アニオン83および酸素含有アニオン84として、それぞれ、2-エチルブタン酸アニオンおよびタングステン酸アニオンがそれぞれ選択される。後述される実施例2を参照せよ。
第2の例として、カルボン酸アニオン(参照符号:83)としてn-ペンタン酸アニオンが選択される場合、表1の24行目に示されているように、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよびn-ペンタン酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、おおよそ摂氏10.6度の融点を有する。表1の20行目に示されているように、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび酢酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、おおよそ摂氏14.8度の融点を有するので、第1クラスレートハイドレート結晶88として、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび酢酸アニオンを含むクラ
スレートハイドレート結晶が適切に選択される。後述される実施例4を参照せよ。
Figure 0007275689000001
Figure 0007275689000002
Figure 0007275689000003
Figure 0007275689000004
(実施例)
以下、実施例を参照しながら、本発明がより詳細に説明される。
(実施例1)
(TBA-2-EBの合成)
以下の化学式(I)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウム-2-エチルブタン酸(以下、「TBA-2-EB」という)が、以下のように合成された。
Figure 0007275689000005
まず、以下の化学式(II)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(0.1モル、東京化成工業株式会社より入手、40%水溶液、以下、「TBA-OH」という)に、2-エチルブタン酸(化学式:HOOC-CH(CHCH)CHCH、0.1モル、東京化成工業株式会社より入手)が添加された。このようにして、水溶液が得られた。
Figure 0007275689000006
エバポレーターを用いて、得られた水溶液は減圧下で摂氏40度の温度で乾燥された。このようにして、得られた水溶液から水分が除去され、TBA-2-EBを得た。このようにして、TBA-2-EB(0.1モル)が得られた。
次に、得られたTBA-2-EB(9785マイクロモル)を、純水(361100マイクロモル)に溶解した。このようにして、TBA-2-EB水溶液(35重量%)が得られた。
(酢酸銀の購入)
化学式CHCOAgにより表される酢酸銀が、富士フィルム和光純薬から購入された。
(酢酸ナトリウムの購入)
化学式CHCONaにより表される酢酸銀が、富士フィルム和光純薬から購入された。
(蓄冷材の調製)
以下のようにして、実施例1による蓄冷材が調製された。まず、9785マイクロモルのTBA-2-EBを含有するTBA-2-EB水溶液に、酢酸銀(40マイクロモル)および酢酸ナトリウム(400マイクロモル)が添加され、混合物を得た。酢酸銀のようなカルボン酸銀は、親水性溶媒(例えば、水)および疎水性溶媒(例えば、油)の両者に不溶であるが、第4級アンモニウム塩水溶液には可溶であることに留意せよ。
添加直後、水溶液は白濁したが、数時間の後、水溶液は透明になった。水溶液には、わずかに沈殿が観察された。水溶液は24時間以上、室温で放置された。このようにして、実施例1による蓄冷材が調製された。上記から明らかなように、実施例1による蓄冷材は、以下の表5に示される組成を有する。
Figure 0007275689000007
(融点および潜熱量の測定)
示差走査熱量計を用いて、実施例1による蓄冷材の融点および潜熱量が以下のようにして測定された。まず、実施例1による蓄冷材(10ミリグラム)が、アルミニウム製の容器に投入された。次いで、容器は蓋を用いて密封された。
容器は、示差走査熱量計(パーキンエルマー社より入手、商品名:DSC-8500)に組み込まれた。容器に投入された蓄冷材は、常温から摂氏マイナス20度まで摂氏2度/分の速度で冷却された。次に、蓄冷材は、摂氏マイナス20度で5分間、静置された。蓄冷材は、結晶化してセミクラスハイドレートとなったと本発明者は考えた。最後に、蓄冷材は、摂氏マイナス20度から常温まで摂氏2度/分の速度で加温された。このようにして、結晶化された蓄冷材は融解された。
蓄冷材(すなわち、セミクラスハイドレート蓄冷材)が融解する間にDSCから出力された吸熱ピークに基づいて、実施例1による蓄冷材の融点が特定され、かつ実施例1による蓄冷材の潜熱量が計算された。その結果、実施例1による蓄冷材の融点は、摂氏10.0度であった。実施例1による蓄冷材の潜熱量は、170ジュール/グラムであった。
(過冷却度ΔTの測定)
実施例1による蓄冷材の過冷却度ΔTが以下のように測定された。まず、実施例1による蓄冷材(10g)が、60ミリリットルの容量を有するガラス瓶に投入された。次に、ガラス瓶は蓋を用いて密閉された。
ガラス瓶は、恒温槽(エスペック株式会社より入手、商品名:SU-241)に投入された。恒温槽の内部の温度は摂氏20度であった。
恒温槽の内部の温度がマイナス摂氏1度/分の速度で摂氏4度まで低下された後、恒温槽の内部の温度は摂氏4度で維持された。
恒温槽の内部の温度の摂氏4度での維持の開始から20分が経過した時に、実施例1による蓄冷材は自ら結晶化した。結晶化と共に、実施例1による蓄冷材は結晶化熱を放出した。結晶化熱の放出により、実施例1による蓄冷材の温度は上昇した。最後に、本発明者は、実施例1による蓄冷材の結晶化の終了を目視で確認した。結晶化の開始から結晶化の終了までの間の時間は、5時間であった。
上記のように、実施例1による蓄冷材は、摂氏4度の温度で自ら結晶化したため、実施例1による蓄冷材は、3ケルビンの過冷却度ΔT(=(摂氏10度の融点)-(摂氏4度の結晶化温度))を有していた。
(実施例2)
実施例2では、酢酸ナトリウムに代えて、化学式NaWOにより表されるタングステン酸ナトリウム(富士フィルム和光純薬株式会社製)が用いられたこと以外は、実施例1と同様の実験が行われた。
(実施例3)
実施例3では、酢酸ナトリウムの添加量が800マイクロモルであったこと以外は、実施例1と同様の実験が行われた。
(実施例4)
実施例4では、TBA-2-EBに代えて、テトラ-n-ブチルアンモニウム-ペンタン酸(以下、「TBA-P」という、11662マイクロモル)が用いられたこと、および水のモル数が333300マイクロモルであったこと以外は、実施例1と同様の実験が行われた。TBA-Pは、以下のように合成された。
(TBA-Pの合成)
以下の化学式(III)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウム-ペンタン酸(すなわち、TBA-P)が、以下のように合成された。
Figure 0007275689000008
まず、TBA-OH水溶液(0.1モル、東京化成工業株式会社より入手、40%水溶液)に、ペンタン酸(化学式:HOOC(CHCH、0.1モル、東京化成工業株式会社より入手)が添加された。このようにして、水溶液が得られた。
エバポレーターを用いて、得られた水溶液は減圧下で摂氏40度の温度で乾燥された。このようにして、得られた水溶液から水分が除去され、TBA-Pを得た。このようにして、TBA-P(0.1モル)が得られた。
次に、得られたTBA-P(9407マイクロモル)を、純水(376294マイクロモル)に溶解した。このようにして、TBA-P水溶液(32.3重量%)が得られた。
以下の表6~表7は、実施例1~実施例4の結果を示す。
Figure 0007275689000009
Figure 0007275689000010
(比較例1)
比較例1では、酢酸銀が用いられなかったこと以外は、実施例1と同様の実験が行われた。
(比較例2)
比較例2では、酢酸ナトリウムに代えてn-ヘプタン酸が用いられたこと以外は、実施例1と同様の実験が行われた。
化学式((CH(CH)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび化学式CHCOOにより表される酢酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、およそ摂氏14.8度の融点を有する(実施例1、および表1の20行目参照)一方で、表2の33行目に記載されているように、化学式((CH(CH)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび化学式CH(CHCOOにより表されるヘプタン酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶は、およそ摂氏2.3度という低い融点を有する。摂氏2.3度の低い融点は、化学式((CH(CH)により表されるテトラ-n-ブチルアン
モニウムカチオンおよび化学式OCOCH(CHCH)CHCHにより表される2-エチルブタン酸アニオンを含むクラスレートハイドレート結晶の融点(摂氏10.0度、表1の32行目を参照)よりも低いことに留意せよ。
(比較例3)
比較例3では、酢酸ナトリウムのモル数が400マイクロモルではなく107635マイクロモルであったこと以外は、実施例1と同様の実験が行われた。
(比較例4)
比較例4では、TBA-2-EBに代えて、テトラ-n-ブチルアンモニウム-n-オクタン酸(以下、「TBA-n-O」という、10909マイクロモル)が用いられたこと以外は、実施例1と同様の実験が行われた。
(TBA-n-Oの合成)
以下の化学式(IV)により表されるテトラ-n-ブチルアンモニウム-オクタン酸(すなわち、TBA-n-O)が、以下のように合成された。
Figure 0007275689000011
まず、TBA-OH水溶液(0.1モル、東京化成工業株式会社より入手、40%水溶液)に、オクタン酸(化学式:HOOC(CHCH、0.1モル、東京化成工業株式会社より入手)が添加された。このようにして、水溶液が得られた。
エバポレーターを用いて、得られた水溶液は減圧下で摂氏40度の温度で乾燥された。このようにして、得られた水溶液から水分が除去され、TBA-n-Oを得た。このようにして、TBA-n-O(0.1モル)が得られた。
次に、得られたTBA-n-O(11025マイクロモル)を、純水(319735マイクロモル)に溶解した。このようにして、TBA-n-O水溶液(およそ42.4重量%)が得られた。
以下の表8~表9は、比較例1~比較例4の結果を示す。
Figure 0007275689000012
Figure 0007275689000013
実施例1~実施例4を比較例1と比較すれば明らかなように、銀を含有しない組成物は蓄冷材として機能しない。
実施例1~実施例4を比較例2と比較すれば明らかなように、第1温度(すなわち、第1クラスレートハイドレート結晶の融点)が第2温度(すなわち、第2クラスレートハイドレート結晶の融点)よりも低い場合、蓄冷材は自発的に結晶化しない。
比較例3では、酢酸アニオンが過剰であるため、蓄冷材は摂氏10度を超える融点を有する。比較例3では、蓄冷材は結晶化されたが、蓄冷のために主剤として機能するTBA-2-EBの熱物性が得られなかった。
比較例4では、テトラ-n-ブチルアンモニウム-2-エチルブタン酸ではなくテトラ-n-ブチルアンモニウム-n-オクタン酸が用いられたため、蓄冷材は摂氏3度未満の融点を有する。そのため、摂氏4度では、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよび酢酸アニオンのクラスレートハイドレート結晶(すなわち、第1クラスレートハイドレート結晶)は種結晶として生成されたと思われるが、第2クラスレートハイドレート結晶(すなわち、テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンおよびn-オクタン酸イオンのクラスレートハイドレート結晶。融点が摂氏1.3度であることに留意せよ)が生成されなかった。言い換えれば、比較例4による蓄冷材は、摂氏4度の温度では結晶化しなかった。
本発明による蓄冷材は、内部温度が摂氏0度以上摂氏30度以下に維持される冷蔵庫または保冷庫に含まれ得る。
80 金属銀コア粒子
81 第1複合体
82 マクロカチオン82
83 カルボン酸アニオン
84 酸素含有アニオン
85 第2複合体
86 少なくとも1種のアンモニウムカチオン
87 水分子
88 第1クラスレートハイドレート結晶
89 第1ゲスト物質
90 第1ホスト物質
91 第2クラスレートハイドレート結晶
92 第2ゲスト物質
93 第2ホスト物質

Claims (12)

  1. 水性の蓄冷材であって、
    テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオン、
    2-エチルブタン酸アニオン
    酢酸アニオンまたはタングステン酸アニオン
    銀イオン、及び

    を含有し、
    蓄冷材が、摂氏3度以上の融点を有し、かつ
    蓄冷材が、8ケルビン以下の過冷却度ΔTを有する、
    蓄冷材。
  2. 水性の蓄冷材であって、
    テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオン、
    ペンタン酸アニオン、
    酢酸アニオン、
    銀イオン、及び

    を含有し、
    蓄冷材が、摂氏3度以上の融点を有し、かつ
    蓄冷材が、8ケルビン以下の過冷却度ΔTを有する、
    蓄冷材。
  3. 請求項1または2に記載の蓄冷材であって、
    蓄冷材が、摂氏25度以下の融点を有する、
    蓄冷材。
  4. 請求項1または2に記載の蓄冷材であって、
    前記モル比は、0.1未満である、
    蓄冷材。
  5. 請求項に記載の蓄冷材であって、
    前記モル比は、0.01未満である、
    蓄冷材。
  6. 請求項1または2に記載の蓄冷材を具備する冷蔵庫。
  7. 請求項1または2に記載の蓄冷材を具備する保冷庫。
  8. テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオン、
    2-エチルブタン酸アニオン、
    酢酸アニオンまたはタングステン酸アニオン
    銀イオン、及び

    を含有する
    蓄冷材を結晶化させる方法であって、
    (a) 前記蓄冷材を冷却して、金属銀コア粒子に酸銀が取り込まれた第1複合体を形成する工程、
    ここで、
    前記金属銀コア粒子は、複数の前記銀イオンに由来し、
    前記第1複合体は、マクロカチオンおよび前記2-エチルブタン酸アニオンから構成され、かつ
    前記マクロカチオンは、前記金属銀コア粒子と、前記酸銀に含まれる銀イオンとから構成され、
    (b) 工程(a)の後にさらに前記蓄冷材を冷却して、前記マクロカチオンに前記酸アニオンまたは前記タングステン酸アニオンを引き寄せて、第2複合体を形成する工程、
    ここで、
    前記第2複合体は、前記マクロカチオン、前記2-エチルブタン酸アニオン、および前記酸アニオンまたは前記タングステン酸アニオンから構成され、
    (c) 工程(b)の後に前記蓄冷材の冷却を続けて、前記蓄冷材の過冷却状態において、前記第2複合体に含まれる前記少なくとも1つの前記酸アニオンまたは前記タングステン酸アニオンに、前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンを引き寄せて、第1温度で第1クラスレートハイドレート結晶を形成する工程、
    ここで、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶は、前記酸アニオンまたは前記タングステン酸アニオン、前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオン、および前記水分子から構成されており、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶においては、前記酸アニオンまたは前記タングステン酸アニオンおよび前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンから第1ゲスト物質が形成されており、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶においては、前記第1ゲスト物質の周囲に前記水分子が第1ホスト物質として配置されており、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶は、摂氏0度以上摂氏30度以下の融点を有し、かつ
    第1温度は摂氏0度以上摂氏30度以下であり、
    (d) 工程(c)の後に前記蓄冷材の冷却を続けて、前記蓄冷材の過冷却状態において前記第1クラスレートハイドレート結晶を種結晶として用いて、第2温度下で第2クラスレートハイドレート結晶を形成する工程、
    ここで、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶は、前記2-エチルブタン酸アニオン、前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオン、および前記水分子から構成されており、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶においては、前記2-エチルブタン酸アニオンおよび前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンから第2ゲスト物質が形成されており、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶においては、前記第2ゲスト物質の周囲に前記水分子が第2ホストとして配置されており、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶の構造は、前記第2クラスレートハイドレート結晶の構造に類似しており、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶は、摂氏0度以上摂氏30度以下の融点を有し、
    前記第2温度は、摂氏0度以上摂氏30度以下であり、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶の融点は、前記第1クラスレートハイドレート結晶よりも低く、
    第2温度は、第1温度よりも低く、
    前記蓄冷剤において、前記酸アニオンまたは前記タングステン酸アニオンの前記2-エチルブタン酸アニオンに対するモル比は0.5未満であり、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶は、前記第2クラスレートハイドレート結晶に類似する結晶構造を有しており、
    蓄冷材は、摂氏3度以上の融点を有し、かつ
    蓄冷材の過冷却度ΔTは、8ケルビン以下である、
    方法。
  9. テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオン、
    ペンタン酸アニオン、
    酢酸アニオン、
    銀イオン、及び

    を含有する蓄冷材を結晶化させる方法であって、
    (a) 前記蓄冷材を冷却して、金属銀コア粒子に酢酸銀が取り込まれた第1複合体を形成する工程、
    ここで、
    前記金属銀コア粒子は、複数の前記銀イオンに由来し、
    前記第1複合体は、マクロカチオンおよび前記ペンタン酸アニオンから構成され、かつ
    前記マクロカチオンは、前記金属銀コア粒子と、前記酢酸銀に含まれる銀イオンとから構成され、
    (b) 工程(a)の後にさらに前記蓄冷材を冷却して、前記マクロカチオンに前記酢酸アニオンを引き寄せて、第2複合体を形成する工程、
    ここで、
    前記第2複合体は、前記マクロカチオン、前記ペンタン酸アニオン、および前記酢酸アニオンから構成され、
    (c) 工程(b)の後に前記蓄冷材の冷却を続けて、前記蓄冷材の過冷却状態において、前記第2複合体に含まれる前記少なくとも1つの前記酢酸アニオンに、前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンを引き寄せて、第1温度で第1クラスレートハイドレート結晶を形成する工程、
    ここで、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶は、前記酢酸アニオン、前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオン、および前記水分子から構成されており、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶においては、前記酢酸アニオンおよび前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンから第1ゲスト物質が形成されており、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶においては、前記第1ゲスト物質の周囲に前記水分子が第1ホスト物質として配置されており、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶は、摂氏0度以上摂氏30度以下の融点を有し、かつ
    第1温度は摂氏0度以上摂氏30度以下であり、
    (d) 工程(c)の後に前記蓄冷材の冷却を続けて、前記蓄冷材の過冷却状態において前記第1クラスレートハイドレート結晶を種結晶として用いて、第2温度下で第2クラスレートハイドレート結晶を形成する工程、
    ここで、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶は、前記ペンタン酸アニオン、前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオン、および水分子から構成されており、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶においては、前記ペンタン酸アニオンおよび前記テトラ-n-ブチルアンモニウムカチオンから第2ゲスト物質が形成されており、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶においては、前記第2ゲスト物質の周囲に前記水分子が第2ホストとして配置されており、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶の構造は、前記第2クラスレートハイドレート結晶の構造に類似しており、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶は、摂氏0度以上摂氏30度以下の融点を有し、
    前記第2温度は、摂氏0度以上摂氏30度以下であり、
    前記第2クラスレートハイドレート結晶の融点は、前記第1クラスレートハイドレート結晶よりも低く、
    第2温度は、第1温度よりも低く、
    前記蓄冷剤において、前記ペンタン酸アニオンに対するモル比は0.5未満であり、
    前記第1クラスレートハイドレート結晶は、前記第2クラスレートハイドレート結晶に類似する結晶構造を有しており、
    蓄冷材は、摂氏3度以上の融点を有し、かつ
    蓄冷材の過冷却度ΔTは、8ケルビン以下である、
    方法。
  10. 請求項8または9に記載の方法であって、
    蓄冷材が、摂氏25度以下の融点を有する、
    方法。
  11. 請求項8または9に記載の方法であって、
    前記モル比は、0.1未満である、
    方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、
    前記モル比は、0.01未満である、
    方法。
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