JP7247322B2 - 炭酸塩の晶析方法及び、炭酸塩の精製方法 - Google Patents

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Description

この明細書は、炭酸塩の晶析方法及び、炭酸塩の精製方法に関する技術を開示するものである。
水溶液中の化合物を得る方法としては、晶析させて得ることが一般的である。たとえば、リチウムイオン二次電池廃棄物からの有価金属の回収において、炭酸塩として固体を得ようとした場合、所定の金属イオンと、炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンとを含む水溶液から、当該金属の炭酸塩を晶析させて得ることが一般的であり、具体的には、水溶液を所定の温度に加熱して濃縮し、場合によっては乾固させる。
上述した炭酸塩の晶析では、加熱濃縮により析出した炭酸塩の多くが、晶析装置の内面等に塊状で固着し、粉状のものとして得ることができないという問題がある。この問題は、特に晶析装置が大型化すると顕在化する。晶析装置の内部で固着した炭酸塩は、そこからの引き剥がし及び、その後の粉砕や洗浄等といった作業が必要になり、工数及びコストの増大を招く。
この明細書では、晶析装置の内部への炭酸塩の固着を抑制することができる炭酸塩の晶析方法及び、炭酸塩の精製方法を開示する。
この明細書で開示する炭酸塩の晶析方法は、金属イオンと炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンとを含む水溶液を、該水溶液中への種結晶の存在下で加熱し、炭酸塩を晶析させ、前記金属イオンがリチウムイオンであり、前記種結晶及び前記炭酸塩が炭酸リチウムであり、前記種結晶の平均粒径D50を、60μm~90μmの範囲内とするというものである。
また、この明細書で開示する炭酸塩の精製方法は、上記の炭酸塩の晶析方法を用いるものである。
この明細書で開示する炭酸塩の晶析方法によれば、晶析装置の内部への炭酸塩の固着を抑制することができる。
一の実施形態に係る炭酸塩の精製方法について示すフロー図である。 実施例の炭酸リチウムの精製方法について示すフロー図である。
以下に、この明細書で開示する炭酸塩の晶析方法の実施の形態について詳細に説明する。
一の実施形態に係る炭酸塩の晶析方法は、金属イオンと炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンとを含む水溶液中に、主として晶析対象と同種の炭酸塩を含有する種結晶を添加する等して存在させ、水溶液をその種結晶の存在下で加熱し、炭酸塩を晶析させるというものである。
この実施形態では、種結晶の存在により、晶析装置の内部への炭酸塩の固着が抑制され、多くの炭酸塩が粉体として析出する。その結果として、晶析装置の内部に固着した炭酸塩の引き剥がしや、その粉砕、洗浄等の作業が軽減され又は不要になるので、工数及びコストの増大を防止することができる。
(水溶液)
水溶液は、晶析対象の炭酸塩を構成する金属の金属イオンと、炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一種とを含むものであれば、特に限定されず、該水溶液として種々のものを適用することができる。
このような水溶液の具体例としては、炭酸リチウム等の炭酸塩の精製に供する水溶液等がある。炭酸リチウムの精製の具体的な手順の一例については後述する。
また、このような炭酸リチウム等の精製は、湿式処理によりリチウムイオン二次電池廃棄物から有価金属を回収するプロセス等で行われることがある。この湿式処理では、たとえば、必要に応じて焙焼、破砕及び篩別等で処理したリチウムイオン二次電池廃棄物を、硫酸もしくは塩酸その他の鉱酸などの酸で浸出させる。そして、この浸出後液に対し、中和もしくは硫化または溶媒抽出等を行い、たとえば鉄、アルミニウム、銅等を除去した後、溶液中に残るコバルト、ニッケル及びマンガンのうちの少なくとも一種を、それらの各金属に応じた条件の溶媒抽出・逆抽出等で順次に回収する。それにより、上述した粗炭酸リチウムが得られる。
水溶液に含まれる金属イオンとしては、炭酸塩を構成し得る種々のものが考えられるが、具体的には、Liのほか、Na、Mg又はCaのいずれか一種のイオンを挙げることができる。
例えば、Naの炭酸塩は、Na2CO3であり、2NaOH+CO2→Na2CO3+H2Oの反応により、生成したNa2CO3を晶析によって得ることができる。
Mgについては、MgCO3であり、マグネシウム塩水溶液に炭酸ナトリウムまたは炭酸カルシウムを加えて反応させながら、晶析させることができる。CaについてはCaCO3で、Ca2+(aq)+CO3 2-→CaCO3と塩化カルシウム等の可溶性カルシウム塩水溶液と炭酸ナトリウム等の可溶性炭酸塩水溶液を混合させることで合成でき、晶析を用いて炭酸カルシウムが得られる。
このように、Liのほか、Na、Mg又はCaのいずれか一種のイオンからなる炭酸塩については、本発明を用いて晶析させて炭酸塩の固体を得ることができる。
仮に水溶液中にLiが含まれる場合、水溶液中のLiイオンの濃度は、たとえば、3.0g/L~9.0g/L、典型的には6.0g/L~8.0g/Lであることがある。
その他、水溶液には、Clイオン及び/又はSO4イオン等が含まれる場合がある。
たとえば、上述した炭酸塩の精製では、粗炭酸リチウムを溶解させた水溶液に、炭酸ガス又は炭酸塩を添加する。
(晶析方法)
上記の水溶液から炭酸塩を晶析させるに当っては、水溶液を加熱して炭酸ガスを脱離させるとともに濃縮するが、この実施形態では、その際に水溶液に種結晶を存在させる。これにより、水溶液中の種結晶が核となって、炭酸塩の成長が促進される。その結果として、大型の晶析装置であっても、晶析装置の内部への炭酸塩の固着が抑制されて、粉状の炭酸塩が得られる。
言い換えれば、水溶液に種結晶が存在しない場合、特に大型の晶析装置を用いると、加熱濃縮により析出した炭酸塩が、甚だしくは塊状で、晶析装置の内面や内部の熱交換器、攪拌羽根等に固着する。この場合、晶析装置の内部に付着した炭酸塩を引き剥がしたり、その後に粉砕し、さらに洗浄したりする等という作業が必要になって、工数及びコストが増大する。この実施形態では、このような工数及びコストの増大を防止することができる。また、粉状の炭酸塩はハンドリングが容易であるという利点もある。
なお、種結晶は、一般には加熱前に水溶液に添加するが、加熱時に添加してもよい。遅くとも、炭酸の脱離が始まるまでに、水溶液中に種結晶が存在していればよい。
また、種結晶は一般に、晶析対象の炭酸塩と同種の炭酸塩、すなわち晶析対象の炭酸塩を構成する金属(つまり水溶液中の金属イオンと同種の金属)の炭酸塩を含むものとする。種結晶中の不純物は出来る限り含まれていないことが好ましい。
種結晶の添加量は、水溶液中の金属イオンがすべて炭酸塩として晶析したと仮定した場合の、その炭酸塩の晶析量の35質量%以上とすることが好ましい。これはすなわち、この炭酸塩の晶析量の35質量%未満とした場合は、種結晶が少ないことに起因して、種結晶の作用が十分ではなくなって、晶析装置の内部への炭酸塩の固着が予期したほどに抑制されないことが懸念されるからである。但し、種結晶の好ましい下限量は、反応系や、晶析時の攪拌の強度その他の条件により変化することがあると考えられる。一方、種結晶が多すぎると、系内のパルプ濃度上昇に伴う撹拌不足により、晶析装置内部への炭酸塩の固着が生じるおそれがある。この観点から、種結晶の添加量は、水溶液中の前記金属イオンが炭酸塩として晶析する量の40質量%~70質量%とすることがより一層好ましい。
種結晶の平均粒径D50は、好ましくは60μm~90μm、より好ましくは70μm~80μmとすることが好適である。種結晶の平均粒径D50が小さすぎると、添加時に浮き上がり、種結晶として機能しない可能性がある。一方、種結晶の平均粒径D50が大きすぎると、固着の原因となること、新たな核生成を抑制出来ないことの懸念がある。種結晶の平均粒径D50は、JIS Z8825に従うレーザー回折・散乱法により測定することができる粒度分布で、体積基準の累積分布が50%となる粒径を意味する。後述の炭酸塩の平均粒径D50についても、これと同様にして測定することができる。なお、種結晶の平均粒径D50の上述した範囲は、後述するように前回に実施した同様の晶析方法で得られた炭酸塩を種結晶として繰り返し用いることを想定した場合の粒度分布に基づくものとすることができる。この場合、種結晶の粒径は、前回の晶析時の攪拌状態等の条件により変化し得る。
そして、ここで述べる晶析により得られる粉状等の炭酸塩の平均粒径D50は、上記の種結晶の平均粒径D50に対して、好ましくは90%~110%、より好ましくは95%~105%の範囲内になる。炭酸塩の平均粒径D50がこのように比較的小さくなるのは、脱炭酸反応時に析出した炭酸塩どうしが、攪拌等により衝突することによるものと考えられる。炭酸塩の平均粒径D50が、種結晶の平均粒径に対して90%未満である場合は、炭酸塩の粒径が小さいことによって洗浄が行い難くなることが考えられ、また110%より大きい場合は、結晶中に巻き込まれる不純物量が多くなり、不純物除去を目的とした洗浄効果が薄くなる可能性がある。炭酸塩の粒径が小さいと、洗浄を容易に行うことができるので、不純物品位の低減の観点から有利である。なお、最終的な製品とする炭酸塩は、必要に応じて粉砕することがあるので、さらに異なる粒径になる場合がある。
より具体的には、晶析条件によっては、炭酸塩の平均粒径D50は、70μm~80μmの範囲内となることがある。なお、炭酸塩の90%粒径D90は、190μm~210μmの範囲内となることがある。90%粒径D90は、上述した平均粒径D50と同様にして求めた粒度分布で、体積基準の累積分布が90%となる粒径を意味する。
但し、炭酸塩の粒度分布は系によって変化することがあり、所望の粒度を得るために容器形状や攪拌の状態等を適宜設定することが望ましい。
炭酸ガスを脱離させるに際しては、水溶液を、所定の撹拌機等を用いて攪拌することができる。このときの攪拌条件は、撹拌速度は速く、剪断力の大きい翼形状とすることが好ましい。これにより、先に述べたような粒径の小さい炭酸塩を得ることができる。
なおこの際には、水溶液を50℃~90℃の温度に加熱することができる。水溶液の加熱温度が50℃未満では、炭酸が有効に脱離しないことが懸念される。一方、当該加熱温度が90℃を超えると、沸騰による不具合が生じる可能性があるので、90℃を上限とすることができる。但し、沸騰によっても問題が生じないこともあるので、装置の耐熱温度等に応じて、さらに温度を高くすることもできる。また、晶析装置の内部への炭酸塩の固着を抑制するには、温度が高いほうが好ましい。このような観点より、リチウム溶解液の加熱温度は、70℃~80℃とすることが好ましい。
これにより、体積比で3倍程度に加熱濃縮することもでき、蒸発乾固するまで加熱濃縮してもよい。
種結晶としては、たとえば、それよりも前の回に実施した同様の晶析方法で得られた炭酸塩を用いることが好適である。この場合、種結晶を別途準備することを要しないので、種結晶の準備に要する工数の削減及びコストの低減を実現することができる。
(精製方法)
上述した炭酸塩の晶析方法は、たとえば、次に述べるような炭酸塩を精製する際に用いることができる。この実施形態の炭酸塩の精製方法は、図1に例示するように、この精製方法により最終的に得られる精製炭酸塩よりも品位が低い粗炭酸塩を、炭酸ガスの供給下で純水等の液体中に溶解させて、金属イオンと炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンとを含む水溶液を得る溶解工程と、先述したように水溶液を晶析させて炭酸塩を得る晶析工程とを含むものである。なお、必要に応じて、溶解工程前に粗炭酸塩を洗浄する洗浄工程、及び/又は、晶析工程後に炭酸塩を洗浄する洗浄工程をさらに含むことができる。
溶解工程前の洗浄工程では、粗炭酸塩を、たとえば50℃~90℃の温度下で、洗浄水にてリパルプ洗浄することができる。リパルプ洗浄とは、固液分離後のケーキを所定量の水に投入後撹拌しスラリー化させ、再度固液分離操作を実施することを意味する。これにより、粗炭酸塩に含まれ得る不純物の少なくとも一部を除去することができる。洗浄操作は複数回にわたって行うことができる。
溶解工程では、たとえば、はじめに粗炭酸塩を純水等の液体でリパルプすることができる。リパルプとは、固液分離後のケーキを所定量の水に投入後撹拌しスラリー化させることを意味する。そして、その液体に炭酸ガスを吹き込んでこれを供給し、液体中に炭酸を溶解させる。これにより、たとえば炭酸塩として粗炭酸リチウムに対して行う場合は、Li2CO3+H2CO3→2LiHCO3の反応により、粗炭酸リチウムが液体中に溶解し、炭酸水素リチウム溶液としての水溶液が得られる。
炭酸塩を溶解させる際には、必要に応じて、炭酸塩を投入した液体を、撹拌機等で攪拌することができる。
反応終点は、pHにより管理することができる。具体的にはpHが、たとえば7.6~7.9、特に好ましくは7.6~7.7となった時点で、炭酸ガスの吹込みを停止することができる。
晶析工程については、先述した晶析と同様にして行うことができるので、ここでの再度の説明は省略する。
晶析工程後の洗浄工程では、先に述べた溶解工程前の洗浄工程と同様の条件及び手法で実施することができる。これにより、炭酸塩に含まれ得る付着水由来の不純物、たとえばSO4、さらにはNaを除去できる場合がある。
以上に述べたような各工程を経ることで、粗炭酸塩に比して純度が高い精製炭酸塩を得ることができる。
次に、この明細書で開示する炭酸塩の晶析方法を試験的に実施し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的としたものであり、それに限定されることを意図するものではない。
図2に示す各工程を行い、粗炭酸リチウムを精製し、精製炭酸リチウムを得た。精製前後の炭酸リチウムの不純物品位を表1に示す。ここで記載していない不純物については、精製前の段階から10質量ppm未満であった。
Figure 0007247322000001
脱炭酸(晶析)時に、表2に示すように、種結晶の添加の有無及び、種結晶の添加量が異なる条件の試験を行い、それらの条件の変更による、晶析装置内部への炭酸リチウムの固着の程度の変化を確認した。その結果を、精製炭酸Li回収量として表2に示す。
なお、ここで用いた種結晶は、粉状の炭酸リチウムであり、粗炭酸リチウムを溶解させた液体である炭酸溶解液の量(L)に対する量として、0~0.02(kg-dry/L)の範囲内で添加した。種結晶の平均粒径D50は、70~80μm、典型的には75μmとした。また加熱温度は、60~90℃の範囲とした。
Figure 0007247322000002
表2に示すところから、種結晶を添加することにより、精製炭酸Li回収量が増大することが解かり、これによって、晶析装置内部への炭酸リチウムの固着が有効に抑制されていることが推測される。
現に種結晶を添加した試験では、晶析装置の内面等への炭酸リチウムの付着が有意に減少していること、また得られた炭酸リチウムのほぼ全てが粉状であったことを目視にて確認できた。特に、加熱温度を60℃、90℃といったように50℃以上とした場合は、炭酸リチウムの固着が顕著に抑制されていた。なお、種結晶として添加した炭酸リチウムも、析出した炭酸リチウムとともに回収可能であり、ロスは生じなかった。なおここで得られた炭酸リチウムの平均粒径D50は、75μm程度であった。
一方、種結晶を添加しなかった試験では、析出した炭酸リチウムは粉状のものとしては得られず、晶析装置の内面に塊状で強固に固着しており、人力で何とか引き剥がすことができたが、その後も粉砕及び洗浄を行う必要があったことから、工数が増えてコストが嵩むこととなった。
以上では一例として炭酸リチウムの試験について述べたが、この発明は、炭酸リチウムに限定されるものではない。具体的には、Na、Mg又はCaの炭酸塩が製造され、広く用いられているため、この発明はこれらの炭酸塩にも適用が可能である。

Claims (5)

  1. 金属イオンと炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンとを含む水溶液を、該水溶液中への種結晶の存在下で加熱し、炭酸塩を晶析させ、
    前記金属イオンがリチウムイオンであり、前記種結晶及び前記炭酸塩が炭酸リチウムであり、
    前記種結晶の平均粒径D50を、60μm~90μmの範囲内とする、炭酸塩の晶析方法。
  2. 前記種結晶を、前記水溶液中の前記金属イオンが前記炭酸塩として晶析する量の35質量%以上になる量で、前記水溶液中に存在させる、請求項1に記載の炭酸塩の晶析方法。
  3. 晶析により得られた前記炭酸塩の平均粒径D50が、前記種結晶の平均粒径D50に対して90%~110%の範囲内である、請求項1又は2に記載の炭酸塩の晶析方法。
  4. 前記種結晶として、請求項1~のいずれか一項に記載の炭酸塩の晶析方法で晶析させた炭酸塩を用いる、請求項1~のいずれか一項に記載の炭酸塩の晶析方法。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の炭酸塩の晶析方法を用いる、炭酸塩の精製方法。
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