JP7015651B2 - ラジカル重合性重合体および該ラジカル重合性重合体を含んでなる樹脂組成物 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の目的は、下記(1)~(7)により達成される。
(1) カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位と、上記カルボキシル基または上記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体に由来する構成単位と、を有し、酸基を有するラジカル重合性重合体(但し、3級炭素含有(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位を含むものを除く)であって、
上記カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位は、マレイミド系単量体由来の構成単位と、カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体由来の構成単位と、α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体由来の構成単位とを必須構成単位として含有し、
上記マレイミド系単量体由来の構成単位は、下記一般式(1)
で表され、
上記カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位100質量%中、上記マレイミド系単量体由来の構成単位10~60質量%、上記カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体由来の構成単位21.9~50質量%、上記α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体由来の構成単位10~60質量%を必須構成単位として含有するラジカル重合性重合体と、
ラジカル重合性化合物とを含んでなる、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像可能な画像形成用感光性樹脂組成物。
(2) 上記カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位が、カルボキシル基を有するベースポリマーに由来する構成単位であり、
上記カルボキシル基または上記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体に由来する構成単位が、カルボキシル基と反応し得る官能基を有する単量体に由来する構成単位であり、
上記カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体由来の構成単位が、不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位である、(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 上記不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位が(メタ)アクリル酸由来の構成単位である、(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 上記ベースポリマーは、下記一般式(4)で表される重合体である、(1)~(3)の何れか1つに記載の樹脂組成物。
(5) 上記ラジカル重合性重合体が、下記一般式(7)で表される重合体である、(1)~(4)の何れか1つに記載の樹脂組成物。
(6) (1)~(5)のいずれか1つに記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
(7) マレイミド系単量体10~60質量%、カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体21.9~50質量%、α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体10~60質量%を必須として含有する単量体成分100質量%を反応させてベースポリマーを得る工程と、
上記ベースポリマーが有するカルボキシル基またはエポキシ基に対して、上記カルボキシル基または上記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体を反応させてラジカル重合性重合体(但し、3級炭素含有(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位を含むものを除く)を得る工程と、
上記ラジカル重合性重合体にラジカル重合性化合物を配合する工程とを含む、(1)~(5)のいずれか1つに記載の画像形成用感光性樹脂組成物の製造方法であって、
上記マレイミド系単量体は、N-フェニルマレイミド、N-(2-メチルフェニル)マレイミド、N-(4-メチルフェニル)マレイミド、N-(2,6-ジエチルフェニル)マレイミド、N-(2-クロロフェニル)マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-フェニルメチルマレイミド、N-(2,4,6-トリブロモフェニル)マレイミド、N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]マレイミド、N-オクタデセニルマレイミド、N-ドデセニルマレイミド、N-(2-メトキシフェニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミドならびにN-(1-ヒドロキシフェニル)マレイミドの、N-置換マレイミド及び無置換マレイミドからなる群から選択された少なくとも1種である、
画像形成用感光性樹脂組成物の製造方法。
本発明のラジカル重合性重合体は、カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマー(以下、単にベースポリマーという場合がある)に由来する構成単位と、上記カルボキシル基または上記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体(以下、単量体Gという場合がある)に由来する構成単位と、を有し、酸基を有するラジカル重合性重合体である。上記ベースポリマーに由来する構成単位は、マレイミド系単量体由来の構成単位(以下、単量体Aという場合がある)と、カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体(以下、単量体Bという場合がある)由来の構成単位と、α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体(以下、単量体Cという場合がある)由来の構成単位とを必須構成単位として含有する。
本発明のラジカル重合性重合体が有する、カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位は、マレイミド系単量体(単量体A)由来の構成単位と、カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体(単量体B)由来の構成単位と、α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体(単量体C)由来の構成単位とを必須構成単位として含有する。
以下にベースポリマーを重合するに際し使用する単量体について説明する。
マレイミド系単量体(単量体A)は、重合後、ベースポリマーに由来する構成単位において単量体A由来の構成単位を与える。単量体Aとしては、N-フェニルマレイミド、N-(2-メチルフェニル)マレイミド、N-(4-メチルフェニル)マレイミド、N-(2,6-ジエチルフェニル)マレイミド、N-(2-クロロフェニル)マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-フェニルメチルマレイミド、N-(2,4,6-トリブロモフェニル)マレイミド、N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]マレイミド、N-オクタデセニルマレイミド、N-ドデセニルマレイミド、N-(2-メトキシフェニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド、N-(1-ヒドロキシフェニル)マレイミド等のN-置換マレイミドや無置換マレイミドが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、耐熱性向上効果が大きく、共重合性が良好で、かつ入手し易いという点でN-フェニルマレイミド、N-(2-メチルフェニル)マレイミド、N-(2,6-ジエチルフェニル)マレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等が好ましく、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミドがより好ましく、N-フェニルマレイミドが最も好ましい。
本発明では、カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体(単量体B)を必須成分として用いる。単量体Bは、重合後、ベースポリマーに由来する構成単位に、単量体B由来の構成単位を与える。
本発明では、α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体(単量体C)を必須成分として用いる。上記単量体Cは、重合後、ベースポリマーに由来する構成単位において単量体C由来の構成単位を与える。従来より、カルボキシル基を有する重合体として(メタ)アクリル酸を共重合させたものが知られているが、アルカリ現像性の点で改善の余地があり、アルカリ現像性を向上させる手法として、水酸基を有する単量体単位を共重合させ、水酸基含有骨格中の水酸基に対して多塩基酸無水物を反応させたものや、特許文献3に記載されているように、グリシジル基含有骨格中のグリシジル基に対して(メタ)アクリル酸のような不飽和一塩基酸を反応させ、グリシジル基が開環して生成したヒドロキシル基に対して多塩基酸無水物を反応させたものが知られているが、いずれもアルカリ現像性、耐熱性の両立の点で改善の余地があった。
本発明のラジカル重合性重合体は、好ましくは、上記ベースポリマーに由来する構成単位100質量%中、上記単量体A由来の構成単位10~60質量%、上記単量体B由来の構成単位10~50質量%、上記単量体C由来の構成単位10~60質量%を必須構成単位として含有する。上記単量体A由来の構成単位と上記単量体C由来の構成単位とのモル比は、単量体A由来の構成単位:単量体C由来の構成単位=5:95~95:5であることが好ましく、より好ましくは10:90~90:10である。
本発明では、特性に悪影響を及ぼさない限りにおいて、ベースポリマーを得る際に他の共重合可能な単量体成分を使用しても良い。このような単量体成分の具体例としては、芳香族系単量体;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系単量体;n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n-ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルや対応するアルキルビニル(チオ)エーテル;無水マレイン酸等の酸無水物基含有単量体あるいはこれをアルコール類等により酸無水物基を開環変性した単量体;N-ビニルピロリドン、N-ビニルオキサゾリドン等のN-ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有単量体等が挙げられる。
上記他の単量体に由来する構成単位の含有量は、上記カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位100質量%中、合計で、好ましくは0~70質量%、より好ましくは0~55質量%である。
上記ベースポリマーの製造方法としては、上記単量体A、上記単量体B及び上記単量体Cを必須として含有する上記単量体成分を反応させてベースポリマーを得る。この場合に、該ベースポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法や塊状重合法等、従来公知の重合法の採用が可能である。中でも、重合反応中の温度制御が容易な溶液重合法が好ましい。
本発明のラジカル重合性重合体は、カルボキシル基またはエポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体(単量体G)に由来する構成単位を有する。上記単量体Gは、ベースポリマーと反応してラジカル重合性を有するラジカル重合性重合体とするため、当然にラジカル重合性基を有している。
ラジカル重合性重合体を得る工程において、カルボキシル基を有するベースポリマーに対しては、カルボキシル基と反応し得る官能基を有する単量体(単量体G1)を反応させてラジカル重合性を付与し、ラジカル重合性重合体を得る。また、エポキシ基を有するベースポリマーに対しては、エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体(単量体G2)を反応させてラジカル重合性を付与し、ラジカル重合性重合体を得る。
上記単量体Gとして単量体G2を使用する場合の使用量は、ラジカル重合性炭素-炭素二重結合導入反応を行う前の重合体(ベースポリマー)が有するエポキシ基1当量に対し0.8~1.1当量の範囲で、かつ、エポキシ基との反応により生成した水酸基への多塩基酸無水物の付加反応によって得られるラジカル重合性重合体の二重結合当量と酸価が上記好適範囲になるように決定することが好ましい。0.8以上とすることによりエポキシ基の残存量が低減できることで得られるラジカル重合性重合体の保存安定性が高まり、一方、1.1以下とすることにより未反応で残存する単量体G2の量が低減され、硬化物の特性低下を引き起こすことが抑えられる。
なお、本発明のラジカル重合性重合体のMwの好適範囲は、上記ラジカル重合性炭素-炭素二重結合導入反応前の重合体のMwの好適範囲と同様である。
本発明のラジカル重合性重合体の製造方法は、マレイミド系単量体(単量体A)、カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体(単量体B)、α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体を必須として含有する単量体(単量体C)成分を反応させてベースポリマーを得る工程と、
上記ベースポリマーが有するカルボキシル基またはエポキシ基に対して、上記カルボキシル基または上記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体(単量体G)を反応させてラジカル重合性重合体を得る工程と、
を含んでいる。
本発明のラジカル重合性重合体の製造方法では、上記単量体Bがエポキシ基を有する単量体(単量体B2)であり、上記単量体Gが上記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体(単量体G2)である場合には、さらに酸基を導入する工程を含んでいてもよい。
これらの工程の詳細は、上述の通りである。
本発明においては、ラジカル重合性重合体と公知のラジカル重合性化合物とを含有する樹脂組成物とすることで、熱や光反応を経て架橋構造を有する塗膜が得られることとなる。このようなラジカル重合性化合物には、ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性モノマーとがある。
これらは、用途や要求特性に応じて適宜選択され、1種または2種以上を混合して用いることができる。
<酸価>
各溶液約0.3gを精秤し、アセトン/水混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製)により酸価を測定した。
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC-8220GPC(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
表1に示す配合にて得た溶液をスピンコートにて銅板上に塗布し、80℃で30分乾燥させた後に室温まで冷却し、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液に浸漬して塗膜の溶解性により評価した。
上記で得たアルカリ溶解性評価用試験板に2J/cm2の光を照射した後、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液に浸漬して評価した。
光硬化性評価のときと同様に乾燥塗膜形成、光照射を行い、硬化物を得た。これを150℃で1時間加熱して試験基板とした。この試験基板を用いて、-65℃で15分、150℃で15分を1サイクルとして冷熱サイクル試験を行い、200サイクル後の外観を観察し、目視で評価した。
光硬化性評価のときと同様に乾燥塗膜形成、光照射を行い、硬化物を得た。これを150℃で1時間加熱し、さらに高温条件として230℃で1時間加熱して試験基板とした。この試験基板を用いて、セロハンテープ(ニチバン社製;品番「CT-24」)を、約20mm四方の貼着面となるよう手で貼り付け、すぐにまた手で剥がしたときの塗膜の残存状態を目視で評価した。
ラジカル重合性重合体の合成
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート106部、イソプロパノール11.8部を仕込み、窒素置換した後、85℃に昇温した。他方、滴下槽1にN-フェニルマレイミドを40部、カルビトールアセテートを164部混合したもの、滴下槽2にスチレンを8.1部、アクリル酸を21.9部、メチル-(α-アリルオキシメチル)アクリレートを30部、イソプロパノールを18.2部、重合開始剤としてパーブチルO(商品名;日本油脂社製、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート)を3部混合したものをそれぞれ仕込んだ。反応温度を85℃に保ちながら、滴下槽1、2から3時間かけて滴下を行った。滴下終了後から更に85℃で30分、反応を継続した。その後、反応温度を115℃に昇温し、1.5時間反応を継続してラジカル重合性二重結合導入反応前の重合体溶液を得た。
次いで、この重合体溶液にグリシジルメタクリレートを9.9部、カルビトールアセテートを7.4部、反応触媒としてトリフェニルホスフィンを0.7部、重合禁止剤としてアンテージW-400(川口化学工業社製)を0.2部加え、窒素と酸素との混合ガス(酸素濃度7%)をバブリングしながら115℃で反応させて本発明のラジカル重合性重合体溶液A-1を得た。
得られたラジカル重合性重合体溶液A-1について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は13600、真空下160℃にて加熱乾燥させて得られた固形分濃度は28.9%、固形分当たりの酸価は122mgKOH/gであった。
ラジカル重合性重合体の合成
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート117.8部を仕込み、窒素置換した後、100℃に昇温した。他方、滴下槽1にN-フェニルマレイミドを40部、カルビトールアセテートを160部混合したもの、滴下槽2にスチレンを5.1部、メタアクリル酸を24.9部、メチル-(α-アリルオキシメチル)アクリレートを30部、重合開始剤としてパーブチルOを3部混合したものをそれぞれ仕込んだ。反応温度を100℃に保ちながら、滴下槽1、2から3時間かけて滴下を行った。滴下終了後から更に100℃で30分、反応を継続した。その後、反応温度を115℃に昇温し、1.5時間反応を継続してラジカル重合性二重結合導入反応前の重合体溶液を得た。
得られたラジカル重合性重合体溶液A-2について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は10900、真空下160℃にて加熱乾燥させて得られた固形分濃度は26.8%、固形分当たりの酸価は125mgKOH/gであった。
ラジカル重合性重合体の合成
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート117.8部を仕込み、窒素置換した後、90℃に昇温した。他方、滴下槽1にN-フェニルマレイミドを40部、カルビトールアセテートを160部混合したもの、滴下槽2にスチレンを5.1部、メタアクリル酸を24.9部、メチル-(α-アリルオキシメチル)アクリレートを30部、重合開始剤としてパーブチルOを3部混合したものをそれぞれ仕込んだ。反応温度を90℃に保ちながら、滴下槽1、2から3時間かけて滴下を行った。滴下終了後から更に90℃で30分、反応を継続した。その後、反応温度を115℃に昇温し、1.5時間反応を継続してラジカル重合性二重結合導入反応前の重合体溶液を得た。
得られたラジカル重合性重合体溶液A-3について各種物性を測定したところ、重量平均分子量は18200、真空下160℃にて加熱乾燥させて得られた固形分濃度は26.9%、固形分当たりの酸価は122mgKOH/gであった。
比較用ラジカル重合性重合体の合成
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート78.1部、イソプロパノール19.5部を仕込み、窒素置換した後、80℃に昇温した。他方、滴下槽1にN-フェニルマレイミドを40部、カルビトールアセテートを161.9部混合したもの、滴下槽2にスチレンを18部、メタアクリル酸2-ヒドロキシエチルを20部混合したもの、滴下槽3にアクリル酸を22部、イソプロパノールを20部混合したもの、滴下槽4に重合開始剤としてルペロックス11(商品名;アルケマ吉富社製、t-ブチルパーオキシピバレートを70%含有する炭化水素溶液)を10部、イソプロパノールを20.5部混合したものをそれぞれ仕込んだ。反応温度を80℃に保ちながら、滴下槽1、2,4から3時間、滴下槽3から2.5時間かけて滴下を行った。滴下終了後から更に80℃で30分、反応を継続した。その後、反応温度を95℃に昇温し、1.5時間反応を継続してラジカル重合性二重結合導入反応前の重合体溶液を得た。
比較用ラジカル重合性重合体の合成
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、カルビトールアセテート106部、イソプロパノール11.8部を仕込み、窒素置換した後、85℃に昇温した。他方、滴下槽1にN-フェニルマレイミドを40部、カルビトールアセテートを164部混合したもの、滴下槽2にスチレンを15.1部、メタアクリル酸を24.9部、メタアクリル酸2-ヒドロキシエチルを20部、イソプロパノールを18.2部、重合開始剤としてパーブチルOを3部混合したものをそれぞれ仕込んだ。反応温度を85℃に保ちながら、滴下槽1、2から3時間かけて滴下を行った。滴下終了後から更に85℃で30分、反応を継続した。その後、反応温度を115℃に昇温し、1.5時間反応を継続してラジカル重合性二重結合導入反応前の重合体溶液を得た。
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
重合開始剤:イルガキュアー907(BASFジャパン社製光重合開始剤)
一方、比較例1、2に示すように、比較用ラジカル重合性重合体溶液B-1、B-2を用いた樹脂組成物では、密着性に劣る結果となった。
本発明のラジカル重合性重合体、ならびに、該ラジカル重合性重合体とラジカル重合性化合物とを含んでなる樹脂組成物は微細加工に必須となるアルカリ可溶性、光硬化性を有していることから、感光性樹脂組成物として活用できる。
Claims (7)
- カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位と、前記カルボキシル基または前記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体に由来する構成単位と、を有し、酸基を有するラジカル重合性重合体(但し、3級炭素含有(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位を含むものを除く)であって、
前記カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位は、マレイミド系単量体由来の構成単位と、カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体由来の構成単位と、α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体由来の構成単位とを必須構成単位として含有し、
前記マレイミド系単量体由来の構成単位は、下記一般式(1)
で表され、
前記カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位100質量%中、前記マレイミド系単量体由来の構成単位10~60質量%、前記カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体由来の構成単位21.9~50質量%、前記α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体由来の構成単位10~60質量%を必須構成単位として含有するラジカル重合性重合体と、
ラジカル重合性化合物とを含んでなる、
30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像可能な画像形成用感光性樹脂組成物。 - 前記カルボキシル基またはエポキシ基を有するベースポリマーに由来する構成単位が、カルボキシル基を有するベースポリマーに由来する構成単位であり、
前記カルボキシル基または前記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体に由来する構成単位が、カルボキシル基と反応し得る官能基を有する単量体に由来する構成単位であり、
前記カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体由来の構成単位が、不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位である、
請求項1に記載の樹脂組成物。 - 前記不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位が(メタ)アクリル酸由来の構成単位である、
請求項2に記載の樹脂組成物。 - 前記ラジカル重合性重合体が、下記一般式(7)で表される重合体である、
請求項1~4の何れか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- マレイミド系単量体10~60質量%、カルボキシル基またはエポキシ基を有する単量体21.9~50質量%、α-(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体10~60質量%を必須として含有する単量体成分100質量%を反応させてベースポリマーを得る工程と、
前記ベースポリマーが有するカルボキシル基またはエポキシ基に対して、前記カルボキシル基または前記エポキシ基と反応し得る官能基を有する単量体を反応させてラジカル重合性重合体(但し、3級炭素含有(メタ)アクリレート単量体由来の構成単位を含むものを除く)を得る工程と、
前記ラジカル重合性重合体にラジカル重合性化合物を配合する工程とを含む、請求項1~5の何れか1項に記載の画像形成用感光性樹脂組成物の製造方法であって、
前記マレイミド系単量体は、N-フェニルマレイミド、N-(2-メチルフェニル)マレイミド、N-(4-メチルフェニル)マレイミド、N-(2,6-ジエチルフェニル)マレイミド、N-(2-クロロフェニル)マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-フェニルメチルマレイミド、N-(2,4,6-トリブロモフェニル)マレイミド、N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]マレイミド、N-オクタデセニルマレイミド、N-ドデセニルマレイミド、N-(2-メトキシフェニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミドならびにN-(1-ヒドロキシフェニル)マレイミドの、N-置換マレイミド及び無置換マレイミドからなる群から選択された少なくとも1種である、
画像形成用感光性樹脂組成物の製造方法。
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