JP4406262B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成用として有用な感光性樹脂組成物に関するものである。
画像形成用感光性樹脂組成物は、写真法(フォトリソグラフィー)の原理を応用することによって微細加工が可能な上に、物性に優れた硬化物を与えて画像を形成できることから、電子部品関係の各種レジスト材料や印刷版等の用途に多用されている。この画像形成用感光性樹脂組成物には溶剤現像型とアルカリ現像型があるが、近年では、環境対策の点から希薄な弱アルカリ水溶液で現像できるアルカリ現像型が主流になっており、例えば、プリント配線基板製造、液晶表示板製造、あるいは印刷製版等においても、アルカリ現像型の感光性樹脂組成物が用いられている。
画像形成用感光性樹脂組成物を、例えば液状現像型ソルダーレジスト用樹脂組成物として写真法(フォトリソグラフィー)の工程に用いる場合には、先ず基板上に樹脂組成物を塗布し、続いて加熱乾燥を行って塗膜を形成させた後、この塗膜にパターン形成用フィルムを装着し、露光して、現像するという一連の工程が採用されている。このような工程において、加熱乾燥後の塗膜に粘着性が残存していると、剥離後のパターン形成用フィルムに一部のレジストが付着して正確なパターンの再現ができなくなったり、あるいはパターン形成用フィルムが剥離できない、といった問題があった。このため、塗膜形成後のタックフリー性は液状現像型レジストの重要な要求特性である。
また、露光時の光感度や露光後の現像性も重要な要求特性である。すなわち、ファインパターンを高い信頼性で再現性良く形成させるためには、現像時においては、露光により硬化した部分は現像液に浸食されてはならないし、逆に未露光部分は現像の際に速やかに除去されなければならない。
さらに、硬化部分については、その後に控える高温条件での処理工程(ソルダーレジストの場合、半田付け工程等)に絶え得る耐熱性や、耐水性、耐湿性等の長期信頼性に関わる特性が求められている。
上記各特性をある程度満足するものとして、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートに酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレートが知られている(例えば特許文献1および2)。このカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレートは、タックフリー性、光感度、現像性といった相反する特性をバランス良く満足している上に、硬化物に求められる耐熱性や耐水性等の重要特性も比較的良好である。しかしながら、技術の進歩に伴って、さらにハイレベルな特性が求められており、例えば、高い温度条件での処理に耐えることのできる画像形成用感光性樹脂が要求されるようになっている。
上記のエポキシ(メタ)アクリレートであれば、多官能のエポキシ樹脂や(メタ)アクリレートを用いて樹脂骨格に二重結合を多数導入して、架橋密度を高めることにより耐熱性を向上させることが考えられる。しかしながら、架橋密度が高くなると硬化塗膜は脆くなってしまうので、エポキシ(メタ)アクリレート系感光性樹脂では、耐熱性と脆さ低減のバランスがとりにくいという問題がある。
高耐熱性要求に応え得る感光性樹脂として、共重合体骨格にN−置換マレイミドを導入した樹脂が検討されている(特許文献3)。しかしながら、この系においても、耐熱性に重きを置き過ぎると、硬化物に脆さが発現したりアルカリ現像性が低下するということになりかねない。また、この文献に開示されている樹脂は、N−置換マレイミド系共重合体を得た後、二重結合導入反応を約24時間、さらにその後に、アルカリ現像性発現のためのカルボキシル基導入反応を約3時間行って得られており、製造に長時間を要するものであった。
特開昭61−243869号公報 特開昭63−258975号公報 特開平10−139843号公報(第5頁、第9頁等)
そこで本発明では、露光時の感度とアルカリ現像性を両立させることができ、さらに、耐熱性に優れつつも脆さの発現しない硬化物を与える画像形成用感光性樹脂を提供することを課題として掲げた。
上記課題を解決した本発明は、アルカリ現像可能な塗膜を形成し得る感光性樹脂組成物であって、N−置換マレイミド成分(A)と、ヒドロキシル基含有単量体(B)とを必須成分としてラジカル重合させて得られた重合体(I)の有するヒドロキシル基の一部または全部に対し、多塩基酸無水物(C)を反応させて得られたカルボキシル基を有する変性重合体(II)の有するカルボキシル基の少なくとも一部に対し、カルボキシル基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性単量体(D)を反応させて得られたラジカル重合性二重結合を有する変性重合体(III)が含まれていることを第1の要旨とする。
さらに、エポキシ(メタ)アクリレートが含まれていること、一分子中に2個以上のカルボキシル基と反応し得る官能基を有する化合物が含まれていることを、それぞれ第2、第3の要旨とする。
また、N−置換マレイミド成分(A)と、ヒドロキシル基含有単量体(B)とを必須成分としてラジカル重合させて得られた重合体(I)の有するヒドロキシル基の少なくとも一部に対し、多塩基酸無水物(C)を反応させることを特徴とするカルボキシル基を有する変性重合体(II)を得、上記カルボキシル基含有変性重合体(II)の有するヒドロキシル基および/またはカルボキシル基の少なくとも一部に対し、これらの基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性単量体(D)を反応させることを特徴とするラジカル重合性二重結合を有する変性重合体(III)の製造方法、を第4の要旨とする。
本発明で使用可能なN−置換マレイミド成分としては、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルメチルマレイミド、N−(2,4,6−トリブロモフェニル)マレイミド、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]マレイミド、N−オクタデセニルマレイミド、N−ドデセニルマレイミド、N−(2−メトキシフェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(1−ヒドロキシフェニル)マレイミド等を挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、耐熱性向上効果が大きく、共重合性が良好で、かつ入手し易いという点でN−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が好ましく、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドがより好ましく、N−フェニルマレイミドが最も好ましい。
(B)ヒドロキシル基含有単量体
ヒドロキシル基含有単量体は重合体中にヒドロキシル基を導入して、後の工程で多塩基酸無水物との反応によりカルボキシル基に変換してアルカリ現像性を付与するための必須単量体成分である。
従来、カルボキシル基を有する重合体としては、例えば(メタ)アクリル酸のような不飽和一塩基酸を共重合させたものや、前記した特許文献3に記載されているように、グリシジル基含有骨格中のグリシジル基に対して不飽和一塩基酸を反応させ、グリシジル基が開環して生成したヒドロキシル基に対して多塩基酸無水物を反応させた物が知られている。
しかしながら、不飽和一塩基酸を共重合させた物は、主鎖にカルボキシル基が近接しており、またグリシジル基が開環して生成したヒドロキシル基に多塩基酸無水物を反応させた物も、導入された不飽和基よりもカルボキシル基が主鎖に近いところに結合していることから、いずれもアルカリ現像性には改善の余地があった。
それに対して、本発明では、ヒドロキシル基含有単量体を共重合することにより主鎖から離間した位置にヒドロキシル基を導入し、そのヒドロキシル基に多塩基酸無水物を反応させることから、主鎖から離間した位置にカルボキシル基が導入できる。その結果、N−置換マレイミド基のような疎水性基が存在しても、良好なアルカリ現像性を発現させることができ、耐熱性との両立が可能となる。
本発明で使用可能なヒドロキシル基含有単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類、アリルアルコール、p−ヒドロキシスチレン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。この中でも、多塩基酸無水物との反応性が良好で、生成したカルボキシル基が立体障害を受けにくく効率よく現像性を発現させる点から、1級のアルコール性水酸基を有するものが好ましく、特に好ましいものは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートである。
また、上記ヒドロキシル基含有単量体にアルキレンオキサイドを付加した物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのポリカプロラクトン変性物である「プラクセルF」シリーズ(ダイセル化学工業社製)、1,18−オクタデカンジカルボン酸や1,16−(6−エチルヘキサデカン)ジカルボン酸等の長鎖二塩基酸とグリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体との反応物等の長鎖アルコール類は、硬化塗膜に可撓性を付与することができるので、このような性質が塗膜に求められる場合は特に好適に用いられる。
上記重合体(I)が100モル%の構成単位からなるものであるとき、N−置換マレイミド成分(A)は、モル比で5〜80モル%が好ましい。N−置換マレイミド成分(A)の含有量が5モル%未満では、硬化塗膜に充分な耐熱性を付与することができない。一方、含有量が80モル%を越えると、ヒドロキシル基含有単量体(B)の含有量が少なくなり、後に続く多塩基酸無水物(C)反応工程で導入されるカルボキシル基量が、アルカリ現像性を発現させるには不充分となることがある。N−置換マレイミド成分(A)のより好ましい下限は10モル%、さらに好ましい下限は15モル%である。また、より好ましい上限は60モル%、さらに好ましい上限は40モル%である。
ヒドロキシル基含有単量体(B)は、上記重合体(I)が100モル%の構成単位からなるものであるとき、モル比で20〜95モル%が好ましい。ヒドロキシル基含有単量体(B)の含有量が20モル%未満では、後に続く多塩基酸無水物(C)反応工程で導入されるカルボキシル基が少なくなり、アルカリ現像性が不充分となることがある。一方、含有量が95モル%を越えると、N−置換マレイミド成分(A)の含有量が少なくなり、充分な耐熱性が得られなかったり、ヒドロキシル基(後工程でカルボキシル基導入に用いる分も含め)の量が多すぎることとなり、硬化塗膜の耐水性が低下するおそれがある。ヒドロキシル基含有単量体(B)のより好ましい下限は30モル%、さらに好ましい下限は40モル%である。また、より好ましい上限は85モル%、さらに好ましい上限は75モル%である。
重合体(I)を得る際には、N−置換マレイミド成分(A)およびヒドロキシル基含有単量体(B)と共重合可能な他の単量体成分を併用してもよい。この共重合可能な単量体成分は、上記重合体(I)が100モル%の構成単位からなるものであるとき、モル比で75モル%以下が好ましく、より好ましい上限は60モル%、さらに好ましい上限は45モル%である。
この共重合可能な単量体成分の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系単量体;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系単量体;n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルや対応するアルキルビニル(チオ)エーテル;無水マレイン酸等の酸無水物基含有単量体あるいはこれをアルコール類、アミン類、水等により酸無水物基を開環変性した単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル系単量体等が挙げられる。
上記各成分であるN−置換マレイミド成分(A)、ヒドロキシル基含有単量体(B)、および併用してもよい単量体の重合時における仕込量は、目的とする重合体の性質、および各単量体の転化率(単量体から重合体へ転化する重合分率)を考慮して、重合体中の各成分が上記好適範囲となるよう適宜決定すればよい。
重合体(I)を得る方法は特に限定されず、溶液重合法や塊状重合法等、従来公知の重合法の採用が可能である。中でも、重合反応中の温度制御が容易な溶液重合法が好ましい。
溶液重合の際の溶媒としては、重合を阻害したり、原料単量体各成分を変質させるおそれの無い溶媒であれば特に限定されない。使用可能な溶媒の具体的としては、トルエン、キシレン等の炭化水素類;セロソルブアセテート、カルビトールアセテート、(ジ)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸(ジ)メチル、コハク酸(ジ)メチル、アジピン酸(ジ)メチル、メチルアセテート、エチルアセテート、ブチルアセテート、メチルプロピオネート等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテル、(ジ)エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
重合反応の際に使用可能な開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤が挙げられる。具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)等のアゾ系化合物;ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物等を挙げることができ、所望する反応条件に応じて適宜選択して使用すればよい。
前記開始剤の使用量は、重合反応に使用するN−置換マレイミド成分(A)に対して、0.001〜5.0質量%とするのが好ましく、より好ましくは0.01〜2.0質量%である。
重合体(I)を得る具体的手法としては特に限定されないが、溶媒中に、全ての成分を一時に仕込んで重合する方法、予め溶媒と成分の一部を仕込んだ反応容器に残りの成分を連続添加あるいは逐次添加して重合する方法等が採用可能である。
反応時の圧力についても特に限定はなく、常圧、加圧のいずれの条件下で行ってもよい。重合反応時の温度については、使用する原料モノマーの種類や組成比、使用溶媒の種類にもよるが、通常は20〜150℃の範囲で行うのが好ましく、より好ましくは30〜120℃である。
重合反応時には、重合体溶液の最終固形分濃度が10〜70質量%となるように 、溶媒と各単量体成分の量を設定することが好ましい。この最終固形分濃度が10質量%未満では、生産性が低くなるため好ましくない。一方、最終固形分濃度が70質量%を越える場合、溶液重合の場合でも重合液の粘度が上昇して重合転化率が上昇しないおそれがある。より好ましい最終固形分濃度は20〜65質量%であり、さらに好ましくは30〜60質量%である。
樹脂組成物としての特性、アルカリ現像性、硬化塗膜物性、耐熱性等を考慮すれば、重合体(I)の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定したときの値として、ポリスチレン換算値で1,000〜200,000が好ましい。Mwが1,000未満では、加熱乾燥による塗膜形成の際のタックフリー性や硬化塗膜の耐熱性が不充分となることがある。一方、Mwが200,000を越えると、アルカリ現像性が低下するおそれがある。Mwのより好ましい下限は3,000、さらに好ましい下限は5,000である。また、より好ましい上限は100,000、さらに好ましい上限は50,000である。
この範囲の分子量に調整するために、必要であれば、重合反応時に連鎖移動剤を用いてもよい。使用可能な連鎖移動剤としては、重合に使用する各単量体成分に悪影響を及ぼさないものであればよく、通常、チオール化合物が使用される。具体的には、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;チオフェノール等のアリールメルカプタン;メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸メチル等のメルカプト基含有脂肪族カルボン酸およびそのエステル等が好ましい物として挙げられる。連鎖移動剤の使用量は特に限定されず、所望の分子量を有する重合体(I)が得られるように適宜調節すればよいが、一般的には、重合に使用される単量体の総モル数に対して、0.001〜1.0(モル比)の範囲で使用される。
重合体(I)を得た後に、続いて、多塩基酸無水物(C)を重合体(I)の有するヒドロキシル基に付加反応させて変性重合体(II)を得る。この付加(変性)反応によって、カルボキシル基が導入されてアルカリ現像性を付与できることから、後述のエポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性化合物等と共に構成した樹脂組成物はアルカリ現像型の画像形成用感光性樹脂組成物として有用である。
多塩基酸無水物(C)としては、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキシドと無水イタコン酸あるいは無水マレイン酸との反応物等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸;ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族あるいは芳香族四塩基酸二無水物等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
変性時の溶媒としては特に限定されず、重合溶媒として用いることのできる溶媒として前記した溶媒がいずれも使用可能である。工業的には、溶液重合に引き続いて、反応溶液中に多塩基酸無水物(C)を添加して変性反応を行うのが簡便である。
上記変性反応には必要に応じて触媒を使用してもよい。具体的な触媒としては、トリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルフォスフィンやテトラフェニルホスホニウムブロマイド等のリン化合物、酢酸リチウム等のカルボン酸金属塩、炭酸リチウム等の無機金属塩等が挙げられる。
多塩基酸無水物(C)は、重合体(I)中のヒドロキシル基1化学当量に対して、多塩基酸無水物中の酸無水物基が0.1〜1.1モルとなるように反応させることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.9モルである。弱アルカリ水溶液でも良好なアルカリ現像性を発現させるためには、変性重合体(II)の酸価が30mgKOH/g以上であることが好ましく、より好ましい下限は50mgKOH/gである。また、好ましい上限は150mgKOH/g、より好ましい上限は120mgKOH/gである。反応温度については、好ましくは60〜150℃で、より好ましくは80〜120℃である。
本発明では、変性重合体(II)と後述のエポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性化合物等と共に構成した樹脂組成物を、アルカリ現像型の画像形成用感光性樹脂組成物として用いることができるが、変性重合体(II)が有するヒドロキシル基および/またはカルボキシル基に対して、これらの基と反応し得る官能基を有する単量体(D)を反応させて得たラジカル重合性二重結合を有する変性重合体(III)を用いることもできる。
ヒドロキシル基および/またはカルボキシル基と反応し得る官能基としては、イソシアネート基、ビニルエーテル基、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジン基、オキセタニル基等が挙げられ、単量体(D)の具体例としては、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、N−(メタ)アクリロイルアジリジン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
ヒドロキシル基と単量体(D)を反応させる場合は、多塩基酸無水物(C)との反応の前後で、あるいは同時に、任意の段階で行うことができる。ヒドロキシル基および/またはカルボキシル基と単量体(D)との反応条件は、各々の官能基について、公知の手法で触媒、反応温度を適宜選択して行えばよい。
ヒドロキシル基および/またはカルボキシル基に対する単量体(D)の使用量は、単量体(D)中のこれらと反応し得る官能基が0.9モル以下、より好ましくは0.8モル以下となるように反応させることが好ましい。
また、変性重合体(II)が有するカルボキシル基に対して単量体(D)を反応させる場合は、カルボキシル基が消費されるので、得られるラジカル重合性二重結合を有する変性重合体(III)の酸価が30mgKOH/g以上(より好ましくは50mgKOH/g以上)、150mgKOH/g以下(より好ましくは120mgKOH/g以下)となるよう、変性重合体(II)の組成や単量体(D)の使用量を調整することが好ましい。
このようにして得られたラジカル重合性二重結合を有する変性重合体(III)は、カルボキシル基とラジカル重合性二重結合の両方を有していることから、単独でもアルカリ現像型の画像形成用感光性樹脂とすることもできる。
本発明では、変性重合体(II)および/またはラジカル重合性二重結合を有する変性重合体(III)と公知のラジカル重合性化合物とを混合してアルカリ現像型の画像形成用感光性樹脂組成物として用いる。このようなラジカル重合性化合物には、ラジカル重合性樹脂とラジカル重合性モノマーとがある。ラジカル重合性樹脂としては、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等が使用できる。これらのラジカル重合性樹脂を用いる場合、本発明の感光性樹脂組成物の成分として用いられる変性重合体(II)あるいは(III)由来の耐熱性向上効果等を有効に発揮させるために、樹脂固形分(本発明の変性重合体固形分と上記ラジカル重合性樹脂固形分との総量)を100質量%としたとき、ラジカル重合性樹脂を80質量%以下で使用することが好ましい。より好ましい上限値は70質量%、さらに好ましい上限値は60質量%である。
上記ラジカル重合性樹脂の中で、特にエポキシアクリレートは、光重合性が良好で、得られる硬化物の特性改善に効果的であり、さらには変性重合体(II)や(III)とのブレンド性にも優れているので、本発明の感光性樹脂組成物の感光性樹脂成分として好適に用いることができる。エポキシアクリレートは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する公知のエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸((メタ)アクリル酸等)との反応物をそのまま用いることができる。好ましいエポキシ樹脂は、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であり、より好ましくはノボラック型エポキシ樹脂であり、さらには軟化点75℃以上のノボラック型エポキシ樹脂を用いると、加熱乾燥による塗膜形成の際のタックフリー性が良好な点で好ましい。また、エポキシアクリレートに、前記した多塩基酸無水物(C)をエポキシアクリレートの有するヒドロキシル基に付加反応させて得られるカルボキシル基含有エポキシアクリレートを用いることも可能であり、高レベルのアルカリ現像性を維持することができる。エポキシアクリレートと多塩基酸無水物(C)との反応は、前記した重合体(I)と多塩基酸無水物(C)との反応と同様の手法で行うことができる。また、重合体(I)とエポキシアクリレートの混合物に多塩基酸無水物(C)を反応させ、変性重合体(II)とカルボキシル基含有エポキシアクリレートを同時に得ることもできる。
ラジカル重合性モノマーとしては、単官能(ラジカル重合可能な二重結合が1個)モノマーと多官能モノマー(ラジカル重合可能な二重結合が2個以上)のいずれも使用可能である。ラジカル重合性モノマーは光重合に関与し、得られる硬化物の特性を改善する上に、感光性樹脂組成物の粘度を調整することもできる。ラジカル重合性モノマーを使用する場合の好ましい使用量は、樹脂固形分(本発明の変性重合体固形分とラジカル重合性樹脂固形分との総量)100質量部に対し、5〜500質量部(より好ましくは10〜100質量部)である。
ラジカル重合性モノマーの具体例としては、重合体(I)を得る際の原料であるN−置換マレイミド成分、ヒドロキシル基含有単量体、および併用してもよい共重合可能な前記した単量体(単官能モノマー)に加え、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー;(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]トリアジン等の(メタ)アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のラジカル重合性二重結合を有するビニル(チオ)エーテル化合物;トリアリルシアヌレート等、ラジカル重合可能な二重結合を2個以上有する多官能モノマーが挙げられる。これらは、感光性樹脂組成物の用途や要求特性に応じて適宜選択され、1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を基材に塗布する際の作業性等の観点から、組成物中に溶媒を配合してもよい。溶媒としては、重合体(I)を溶液重合法で得る際に使用できる溶媒がここでも使用可能であり、1種または2種以上を混合して用いることができ、塗布作業時に組成物が最適粘度となるように適当量使用するとよい。
本発明の感光性樹脂組成物は公知の熱重合開始剤を使用することにより熱硬化も可能であるが、フォトリソグラフィーにより微細加工や画像形成するには、光重合開始剤を添加して光硬化させることが好ましい。
光重合開始剤としては公知のものが使用でき、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は1種または2種以上の混合物として使用され、樹脂固形分(本発明の変性重合体固形分とラジカル重合性樹脂固形分との総量)と必要により用いることのできるラジカル重合性モノマーの合計100質量部に対し、0.5〜30質量部含まれていることが好ましい。光重合開始剤の量が0.5質量部より少ない場合には、光照射時間を増やさなければならなかったり、光照射を行っても重合が起こりにくかったりするため、適切な表面硬度が得られなくなる。なお、光重合開始剤を30質量部を越えて配合しても、多量に使用するメリットはない。
本発明の感光性樹脂組成物には、一分子中に2個以上のカルボキシル基と反応し得る官能基を有する化合物を配合してもよい。このことにより、光と熱とを併用して硬化させることで、より強固な硬化塗膜を得ることができる。画像形成に用いる場合は、光照射、アルカリ現像後に熱処理することで、硬化塗膜中のカルボキシル基を消費させつつ架橋度を上げることができ、より耐久性等の物性を向上させることができる。
このような一分子中に2個以上のカルボキシル基と反応し得る官能基を有する化合物として、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。具体的には、エポキシ化合物としてはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアルレート等が、オキサゾリン化合物としては1,3−フェニレンビスオキサゾリン等が挙げられる。好ましい使用量は、樹脂固形分(本発明の変性重合体固形分とラジカル重合性樹脂固形分との総量)と必要により用いることのできるラジカル重合性モノマーの合計100質量部に対し、5〜70質量部、より好ましい使用量は10〜50質量部である。このとき、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物等の硬化剤を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、着色用顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加してもよい。さらに、各種強化繊維を補強用繊維として用い、繊維強化複合材料とすることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を画像形成用として使用する場合には、基材に塗布し、露光して硬化塗膜を得た後、未露光部分をアルカリ水溶液に溶解させてアルカリ現像を行うが、使用可能なアルカリの具体例としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の水溶性有機アミン類が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、液状で直接基材に塗布する方法以外にも、予めポリエチレンテレフタレート等のフィルムに塗布して乾燥させたドライフィルムの形態で使用することもできる。この場合、ドライフィルムを基材に積層し、露光前または露光後にフィルムを剥離すればよい。
また、印刷製版分野で最近多用されているCTP(Computer To Plate)システム、すなわち、露光時にパターン形成用フィルムを使用せず、デジタル化されたデータによってレーザー光を直接塗膜上に走査・露光して描画する方法を採用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、露光時の感度とアルカリ現像性を両立させることができ、さらに、耐熱性に優れつつも脆さの発現しない硬化物を与える変性重合体を樹脂成分として含んでいるので、硬化物の物性を優れたものとすることができた。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ現像可能な画像形成用感光性樹脂組成物として、例えば、プリント配線基板用ソルダーレジスト、エッチングレジスト、無電解メッキレジスト、ビルドアップ法プリント配線板の絶縁層、液晶表示板製造用、印刷製版等の各種の用途に好適に使用できる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下の説明では特に断らない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。また、以下の実施例における各物性値の測定方法は次の通りである。
[重量平均分子量]
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により下記条件で測定した。試料溶液は、重合体(I)を固形分濃度が約0.5%となるようにテトラヒドロフラン(溶離液)に溶解して調製した。Mwは、標準ポリスチレン(東ソー製)を用いて作製した検量線から求めた。
・カラム:TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperHM-M、TSKgel Super2000各1本ずつ直列に連結(いずれも東ソー製)
・溶離液:テトラヒドロフラン
・溶離液流量:0.6ml/分
[転化率]
重合体(I)を得る際の各単量体成分の転化率は、LC(液体クロマトグラフィー)を用いて下記条件で求めた。試料溶液は、精秤した重合体溶液(0.5g程度)と、精秤したN,N−ジメチルホルムアミド(30mg程度;内部標準として使用)とを、下記溶離液で100mlに希釈して調製した。
・カラム:TSK−gel ODS−80Ts(25cm)(東ソー製)
・溶離液:0.05%リン酸二水素アンモニウム水溶液/アセトニトリル=50/50(質量比)
・溶離液流量:0.5ml/分
・検出波長:210nm
により算出した。
[耐熱性]
変性重合体(II)あるいは(III)の耐熱性を、熱重量分析(TGA)装置「Shimadzu DTG-50H」によって評価した。変性重合体の溶液(1g程度)をペンタン(30g程度)に加え、変性重合体を再沈殿させて回収し、10時間減圧乾燥を行って揮発成分を除去した後、熱重量分析を行った。温度プログラムは、100℃で10分間保持した後、10℃/分で昇温し、1.0%減少温度(試料の質量が1.0%減少したときの温度)と、5.0%減少温度(試料の質量が5.0%減少したときの温度)とを求めた。質量の減少は、重合体の熱分解に起因するので、これらの温度が高いほど耐熱性が高いこととなる。
[現像性]
イルガキュアー907(商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の光重合開始剤)を変性重合体(II)あるいは(III)溶液とカルボキシル基含有エポキシアクリレート(IIII)の溶液との混合物の固形分に対して5%添加して均一溶液とし、銅板上に乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布した後、80℃で30分間加熱した。その後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に浸漬し、塗膜が溶解除去されるまでの時間によって、現像性(アルカリ溶解性)を評価した。
[光硬化性]
現像性評価と同様にして得た乾燥塗膜に対し、紫外線露光装置を用いて2J/cmの露光を行った後、30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液中に90秒浸漬し、塗膜の残存度合いによって光硬化性を評価した。
[耐屈曲性]
変性重合体(II)あるいは(III)溶液とカルボキシル基含有エポキシアクリレート(IIII)の溶液との混合物の固形分に対して、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(商品名「YDPN−638P」;東都化成製;エポキシ当量177)を30%、前記イルガキュアー907を5%、硬化剤としてジシアンジアミドを2%添加して均一溶液とし、ポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥後の膜厚が100μmになるように塗布した後、80℃で30分間加熱した。次いで、紫外線露光装置を用いて2J/cmの露光を行った後、さらに、160℃で1時間加熱した。試験片を室温まで冷却し、10mmφの心棒を用いて、JIS K 5400-1990の8.1に準じて耐屈曲性の評価を行った。目視でクラックの発生の有無を評価した。
実施例1、2及び比較例1、2
実施例1
1)重合体(I−1)の合成
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管および滴下ロートを備えた容器に、溶媒としてDBE−5(商品名;デュポン社製、グルタル酸ジメチル主成分)120部を仕込み、容器内を10分間窒素ガス置換した後、撹拌しながら内温が115℃になるまで加熱した。
滴下ロートを2つ用意し、その1つに、N−フェニルマレイミド20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート45.1部および溶媒としてDBE−5を35部混合して得た溶液(A液)を仕込み、滴下ロート内を5分間窒素ガス置換した。また、他の1つに、重合開始剤として1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)[V−40]0.65部および溶媒としてDBE−5を15部混合して得た溶液(B液)を仕込み、滴下ロート内を5分間窒素ガス置換した。
容器と滴下ロートの窒素ガス置換を行った後、容器内の温度を115℃に維持して撹拌を続けながら、2つの滴下ロート内の溶液(A液とB液)を各々2時間かけて滴下して重合し、滴下終了後、115℃でさらに3時間熟成させた。
熟成終了後、各単量体の転化率を算出したところ、N−フェニルマレイミドの転化率は99.3%、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートの転化率は99.5%であった。この結果より、得られた重合体(I−1)の組成はN−フェニルマレイミド:2−ヒドロキシエチルメタアクリレート=25:75(モル比)であり、固形分が27.6%の重合体(I−1)溶液が得られた。また、得られた重合体(I−1)のMwは17000であった。
2)変性重合体(II−1)の合成
撹拌装置、温度計、還流冷却器を備えた容器に、上記重合体(I−1)溶液100部、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸14.5部、触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド0.343部を仕込み、撹拌しながら115℃で6時間反応させた。その結果、酸価が123mgKOH/g、固形分が36.4%の変性重合体(II−1)溶液が得られた。
3)変性重合体(III−1)の合成、耐熱性評価
撹拌装置、温度計、還流冷却器を備えた容器に、上記変性重合体(II−1)溶液70部、グリシジルメタクリレート4.5部、重合禁止剤として2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル0.018部を仕込み、撹拌しながら105℃で6時間反応させた。その結果、酸価が51mgKOH/g、二重結合当量が1018g/eq、固形分が40.0%の変性重合体(III−1)溶液が得られた。
この変性重合体(III−1)のTGA結果によれば、1.0%減少温度は245℃、5.0%減少温度は308℃であった。
4)カルボキシル基含有エポキシアクリレートの合成
撹拌装置、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名「YDCN−704A」;東都化成製;エポキシ当量205)410部、アクリル酸145部、前記DBE−5を299部、エステル化触媒としてベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド1.7部、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン0.5部を仕込み、120℃で15時間反応させ、反応物の酸価が1.5mgKOH/gになったことを確認した。次いで、DBE−5を76部とテトラヒドロ無水フタル酸142部を加えて、100℃で4時間反応させ、酸価77mgKOH/gのカルボキシル基含有エポキシアクリレート(IIII)を65%含むDBE−5溶液を得た。
5)感光性樹脂組成物の調製、現像性、光硬化性、耐屈曲性評価
前記変性重合体(III−1)の溶液10部と上記カルボキシル基含有エポキシアクリレート(IIII)の溶液6.2部とを混合した樹脂組成物を用いて、前記した方法で現像性、光硬化性、耐屈曲性を評価した。
現像性は良好であり、60秒の浸漬によって塗膜は溶解除去されていた。光硬化性も良好であり、露光後の塗膜は炭酸ナトリウム水溶液に90秒浸漬した後も変化が認められなかった。耐屈曲性評価でも、クラックの発生は認められなかった。
実施例2
1)重合体(I−2)の合成
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管および滴下ロートを備えた容器に、溶媒としてDBE−5を40部仕込み、容器内を10分間窒素ガス置換した後、撹拌しながら内温が115℃になるまで加熱した。
滴下ロートを2つ用意し、その1つに、N−フェニルマレイミド20部、スチレン4部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部および溶媒としてDBE−5を40部混合して得た溶液(A液)を仕込み、滴下ロート内を5分間窒素ガス置換した。また、他の1つに、重合開始剤として1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)[V−40]0.54部および溶媒としてDBE−5を20部混合して得た溶液(B液)を仕込み、滴下ロート内を5分間窒素ガス置換した。
容器と滴下ロートの窒素ガス置換を行った後、容器内の温度を115℃に維持して撹拌を続けながら、2つの滴下ロート内の溶液(A液とB液)を各々2時間かけて滴下して重合し、滴下終了後、115℃でさらに3時間熟成させた。
熟成終了後、各単量体の転化率を算出したところ、N−フェニルマレイミドの転化率は99.9%、スチレンの転化率は100%、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの転化率は100%であった。この結果より、得られた重合体(I−2)の組成はN−フェニルマレイミド:スチレン:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=30:10:60(モル比)であり、固形分が35.1%の重合体(I−2)溶液が得られた。また、得られた重合体(I−2)のMwは22000であった。
2)変性重合体(II−2)の合成、耐熱性評価
撹拌装置、温度計、還流冷却器を備えた容器に、上記重合体(I−2)溶液100部、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸14.7部、触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド0.344部を仕込み、撹拌しながら115℃で6時間反応させた。その結果、酸価が101mgKOH/g、固形分が42.7%の変性重合体(II−2)溶液が得られた。
この変性重合体(II−2)のTGA結果によれば、1.0%減少温度は220℃、5.0%減少温度は270℃であった。
3)感光性樹脂組成物の調製、現像性、光硬化性、耐屈曲性評価
前記変性重合体(II−2)の溶液9.4部と実施例1で合成したカルボキシル基含有エポキシアクリレート(IIII)の溶液6.2部とを混合した樹脂組成物を用いて、前記した方法で現像性、光硬化性、耐屈曲性を評価した。
現像性は良好であり、60秒の浸漬によって塗膜は溶解除去されていた。光硬化性も良好であり、露光後の塗膜は炭酸ナトリウム水溶液に90秒浸漬した後も変化が認められなかった。耐屈曲性評価でも、クラックの発生は認められなかった。
比較例1
1)比較用重合体(I−3)の合成
撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管および滴下ロートを備えた容器に、溶媒としてDBE−5を40部仕込み、容器内を10分間窒素ガス置換した後、撹拌しながら内温が115℃になるまで加熱した。
滴下ロートを2つ用意し、その1つに、スチレン16部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部および溶媒としてDBE−5を30部混合して得た溶液(A液)を仕込み、滴下ロート内を5分間窒素ガス置換した。また、他の1つに、重合開始剤である1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)[V−40]0.46部および溶媒としてのDBE−5を20部混合して得た溶液(B液)を仕込み、滴下ロート内を5分間窒素ガス置換した。
容器と滴下ロートの窒素ガス置換を行った後、容器内の温度を115℃に維持して撹拌を続けながら、2つの滴下ロート内の溶液(A液とB液)を各々2時間かけて滴下して重合し、滴下終了後、115℃でさらに3時間熟成させた。
熟成終了後、各単量体の転化率を算出したところ、スチレンの転化率は100%、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの転化率は100%であった。この結果より、得られた比較用重合体(I−3)の組成はスチレン:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=40:60(モル比)であり、固形分が33.8%の比較用重合体(I−3)溶液が得られた。また、得られた比較用重合体(I−3)のMwは27000であった。
2)比較用変性重合体(II−3)の合成、耐熱性評価
撹拌装置、温度計、還流冷却器を備えた容器に、上記比較用重合体(I−3)溶液100部、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸15.3部、触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド0.346部を仕込み、撹拌しながら115℃で6時間反応させた。その結果、酸価が107mgKOH/g、固形分が41.9%の比較用変性重合体(II−3)溶液が得られた。
この変性重合体(II−3)のTGA結果によれば、1.0%減少温度は176℃、5.0%減少温度は202℃であり、実施例に比べて耐熱性が低いことが確認できた。
3)感光性樹脂組成物の調製、現像性、光硬化性、耐屈曲性評価
前記比較用変性重合体(II−3)の溶液9.5部と実施例1で合成したカルボキシル基含有エポキシアクリレート(IIII)の溶液6.2部とを混合した樹脂組成物を用いて、前記した方法で現像性、光硬化性、耐屈曲性を評価した。
現像性は良好であり、60秒の浸漬によって塗膜は溶解除去されていた。光硬化性も良好であり、露光後の塗膜は炭酸ナトリウム水溶液に90秒浸漬した後も変化が認められなかった。耐屈曲性評価でも、クラックの発生は認められなかった。
比較例2
実施例1で合成したカルボキシル基含有エポキシアクリレート(IIII)溶液12.3部を用いて(変性重合体は使用せず)、前記した方法で現像性、光硬化性、耐屈曲性を評価した。
現像性は良好であり、60秒の浸漬によって塗膜は溶解除去されていた。光硬化性も良好であり、露光後の塗膜は炭酸ナトリウム水溶液に90秒浸漬した後も変化が認められなかった。しかしながら、耐屈曲性評価では、クラックが発生し、実施例に比べて耐屈曲性が劣っていることが確認できた。

Claims (4)

  1. アルカリ現像可能な塗膜を形成し得る感光性樹脂組成物であって、
    N−置換マレイミド成分(A)と、ヒドロキシル基含有単量体(B)とを必須成分としてラジカル重合させて得られた重合体(I)の有するヒドロキシル基の少なくとも一部に対し、多塩基酸無水物(C)を反応させて得られたカルボキシル基を有する変性重合体(II)の有するカルボキシル基の少なくとも一部に対し、カルボキシル基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性単量体(D)を反応させて得られたラジカル重合性二重結合を有する変性重合体(III)が含まれていることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. エポキシ(メタ)アクリレートが含まれている請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. さらに、一分子中に2個以上のカルボキシル基と反応し得る官能基を有する化合物が含まれている請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. N−置換マレイミド成分(A)と、ヒドロキシル基含有単量体(B)とを必須成分としてラジカル重合させて得られた重合体(I)の有するヒドロキシル基の少なくとも一部に対し、多塩基酸無水物(C)を反応させることを特徴とするカルボキシル基を有する変性重合体(II)を得、上記カルボキシル基含有変性重合体(II)の有するヒドロキシル基および/またはカルボキシル基の少なくとも一部に対し、これらの基と反応し得る官能基を有するラジカル重合性単量体(D)を反応させることを特徴とするラジカル重合性二重結合を有する変性重合体(III)の製造方法。
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