JP2004347859A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化し、かつ未露光部が水またはアルカリ水溶液で洗浄が可能であって、紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化し、耐水性などの優れた硬化物特性を与える感光性樹脂組成物、特に印刷配線板用のソルダーレジストあるいはマーキングインキとして有用な感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】第3級水酸基含有(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有(メタ)アクリレートまたはカルボキシル基含有(メタ)アクリレートとを必須成分として含むビニル重合性モノマー混合物を重合して得られる共重合体のエポキシ基またはカルボキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入して成るプレポリマー(A)、反応性希釈剤(B)、および光重合開始剤(C)を必須成分として含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】 無し
【解決手段】第3級水酸基含有(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有(メタ)アクリレートまたはカルボキシル基含有(メタ)アクリレートとを必須成分として含むビニル重合性モノマー混合物を重合して得られる共重合体のエポキシ基またはカルボキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入して成るプレポリマー(A)、反応性希釈剤(B)、および光重合開始剤(C)を必須成分として含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
【選択図】 無し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化し、耐水性を備えた硬化物を与える感光性樹脂組成物であって、未露光部が水またはアルカリ水溶液によって洗浄可能な、印刷配線板用のソルダーレジスト、あるいはマーキングインキとして特に有用な感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗料や接着剤といった樹脂硬化システムは、省エネルギーや生産性の観点から紫外線照射など活性エネルギー線の照射によるものが広く利用されるようになってきている。例えばエレクトロニクス関連分野においては、感光性樹脂組成物を回路の保護皮膜形成材(レジストインキ)として使用している。ここで用いられるレジストインキは、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン系樹脂などに(メタ)アクリロイル基を付与させた感光性樹脂と、多官能(メタ)アクリレートなどからなる反応性希釈剤と、光重合開始剤などから構成されるものである。基板にスクリーン印刷法などで塗工されたのち、紫外線照射などの手段によって硬化させる。フォトマスクなどにより露光部を制限し、基板上の未露光部を洗浄除去すれば、所望のパターンを現像することができる。また、スクリーン印刷時に塗工機に付着した未硬化のインキは、時間の経過とともに硬化してしまうため、基板を洗浄したり、印刷を中断する度にスクリーンを洗浄してインキを除去している。
【0003】
こういった現像や洗浄の工程では有機溶剤が用いられることが多く、環境負荷や作業環境の点から、水またはアルカリ水溶液で洗浄可能なレジストインキの需要が高まっている。この要求に対して、水またはアルカリ水溶液で洗浄可能な種々の感光性樹脂組成物が開示されている(特許文献1〜3参照。)。しかし主剤を水溶化したりするなどの方法では、洗浄性に優れるものの硬化物の耐水性が十分でない場合があり、また耐水性を有するものは洗浄性が十分でないことなど、優れた洗浄性と硬化物の耐水性のバランスを両立することは従来困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特公平1−54390号公報
【特許文献2】
特開平8−44059号公報
【特許文献3】
特開平11−172176号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化し、かつ未露光部が水またはアルカリ水溶液で洗浄が可能であって、紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化し、耐水性などの優れた硬化物特性を与える感光性樹脂組成物、特に印刷配線板用のソルダーレジストあるいはマーキングインキとして有用な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートを共重合したプレポリマーに、反応性希釈剤と光重合開始剤とを組合わせた組成物が、活性エネルギー線の照射により容易に硬化して、耐水性に優れた硬化物を与え、しかも水やアルカリ水溶液での現像や洗浄が容易であることを見出した。反応性希釈剤にも第3級水酸基含有(メタ)アクリレートを選択すると、耐水性の効果はさらに向上する。
【0007】
すなわち、本発明は式(1)で示す第3級水酸基含有(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有(メタ)アクリレートまたはカルボキシル基含有(メタ)アクリレートとを必須成分として含むビニル重合性モノマー混合物を重合して得られる共重合体のエポキシ基またはカルボキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入して成るプレポリマー(A)、反応性希釈剤(B)、および光重合開始剤(C)を必須成分として含有することを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。なお本発明における(メタ)アクリレートとは、メタクリレートおよびアクリレートの両者を示す。
【0008】
【化5】
(式中、R1、R2は独立して炭素数1〜4のアルキル基、R3は繰り返し単位毎に独立してメチル基又は水素原子、R4はメチル基又は水素原子を表し、nは1〜3の整数を示す。)
【0009】
本発明においてプレポリマー(A)は、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートとエポキシ基含有(メタ)アクリレート、さらにこれらと共重合可能なビニル重合性モノマーからなるモノマー混合物を共重合して得られた共重合体のエポキシ基に(メタ)アクリロイル基を導入するか、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、さらにこれらと共重合可能なビニル重合性モノマーからなるモノマー混合物を共重合して得られた共重合体のカルボキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入することにより得られるものである。
【0010】
第3級水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート等が例示できるが、式(2)の2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。もちろん2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如き第1級、第2級の水酸基を持つものを併用しても良いが、硬化物の耐水性の効果が損なわれるおそれがあるので、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートのみを用いることがより好ましい。
【0011】
【化6】
(式中、R5はメチル基又は水素原子を表す。)
【0012】
エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
カルボキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロキシエチルコハク酸、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸などが挙げられるが、(メタ)アクリル酸が好ましい。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
その他共重合体の原料単量体として用いられる共重合可能なビニル重合性モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類等、スチレン、α―メチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、メタクロレインなどのビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド類、アクリルアミド類、ビニルピロリドン類が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
該共重合体を製造する際の第3級水酸基含有(メタ)アクリレートの使用量は、全モノマー組成に対して5〜60モル%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50モル%である。5モル%未満では十分な洗浄性が得られず、60モル%を超えると硬化物の電気特性に悪影響を及ぼすおそれがあるため好ましくない。
【0016】
エポキシ基含有(メタ)アクリレートまたはカルボキシル基含有(メタ)アクリレートの使用量は、全モノマー組成に対して5〜60モル%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50モル%である。5モル%未満では(メタ)アクリロイル基の導入量が少なくなり、感光性樹脂組成物の硬化が困難になる。60モル%を超えると、(メタ)アクリロイル基の導入量が多くなりすぎるために局所的な硬化反応が進行するため、架橋密度が低下して十分な機械物性が得られない場合がある。
【0017】
本発明においては、前記のモノマー混合物をラジカル重合法など公知の方法により共重合させ、得られた共重合体のエポキシ基またはカルボキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入することが必要である。(メタ)アクリロイル基の導入には、エポキシ基に対しては、(メタ)アクリル酸が好ましく用いられ、カルボキシル基に対しては、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
【0018】
この(メタ)アクリロイル基の導入工程は、適切な触媒の存在下で行われる。用いられる触媒としてはテトラメチルアンモニウムクロリドやテトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリドやテトラエチルアンモニウムブロミド、硫酸水素テトラメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩を好適に用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。使用量としては導入する(メタ)アクリロイル基の数に対して0.5〜5モル%の範囲で好適に用いられる。
【0019】
本発明においては、このようにして得られた(メタ)アクリロイル基を導入したプレポリマー(A)に、反応性希釈剤(B)及び光重合開始剤(C)を配合して感光性樹脂組成物を調製する。
【0020】
反応性希釈剤(B)は、前記プレポリマー(A)を効果的に硬化させ、良好な塗膜を得るために使用する。分子内にエチレン性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物が好ましく用いられる。このような反応性希釈剤としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1、3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ(メタ)アクリレート類、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類等、スチレン、α―メチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、メタクロレインなどのビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド類、アクリルアミド類、ビニルピロリドン類、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0021】
これらの反応性希釈剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、前記プレポリマー(A)に対して、通常5〜300重量%、好ましくは20〜150重量%の範囲で選ばれる。5重量%未満では光硬化性が不十分であって、硬化塗膜の耐酸性や耐熱性の向上効果が十分に発揮されないし、300重量%を超えると表面硬化が起こり、内部硬化が不十分になるため、硬化塗膜の密着性が得られないおそれがある。
【0022】
この反応性希釈剤の組成は使用目的によって適宜選択されるが、基板との密着性、水やアルカリ水溶液での洗浄性などの点から水酸基含有(メタ)アクリレートを必須成分として配合することが多い。この水酸基含有(メタ)アクリレートとして特に式(1)で示す第3級水酸基を有する(メタ)アクリレートを必須成分として選択すると、上記目的とする基板との密着性、水やアルカリ水溶液での洗浄性の他に、硬化物の耐水性が発現する。第3級水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、さらに式(2)の2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0023】
【化7】
(式中、R1、R2は独立して炭素数1〜4のアルキル基、R3は繰り返し単位毎に独立してメチル基又は水素原子、R4はメチル基又は水素原子を表し、nは1〜3の整数を示す。)
【0024】
【化8】
(式中、R5はメチル基又は水素原子を表す。)
【0025】
これは硬化物中に組み込まれた第3級水酸基の効果に基づくものであり、要求性能によりその配合量を決定すればよい。反応性希釈剤中の第3級水酸基含有(メタ)アクリレートの含有量としては、3モル%以上が好ましく、さらに好ましくは5モル%以上である。3モル%以下の場合には第3級水酸基の親水性や耐水性といった特徴が発揮され難いためである。また、95モル%以上用いた場合に硬化物が脆くなったりする傾向があるときには、ステアリル(メタ)アクリレートや2−エトキシエチル(メタ)アクリレートなどの可とう性を付与するものを選択し、これらを5モル%以上使用することが好ましい。また、硬化物の耐薬品性やさらなる表面硬度が要求される場合には多官能性モノマーを用いて架橋密度を向上させる手法が効果的である。
【0026】
光重合開始剤(C)については一般に使用されているものを用いることができ、光を吸収してラジカルを発生し、(メタ)アクリロイル基の不飽和基をラジカル重合させるものであればいずれも使用できる。具体的にはベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、2,4,6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類やキサントン類、オキシム化合物、チタノセン化合物などが挙げられる。これら光重合開始剤は、単独又は2種類以上の混合物として使用でき、さらにはN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光増感剤を加えることができる。
【0027】
光重合開始剤の配合量はプレポリマー(A)に対して、0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%の範囲で選ばれる。光重合開始剤の配合量が0.5重量%未満では十分な光硬化が進行せず、硬化塗膜の機械物性や耐薬品性などが劣る場合がある。50重量%を超えると局所的な硬化反応が進行するため、架橋密度が低下して十分な機械物性が得られない場合がある。
【0028】
本発明の感光性樹脂組成物は、プレポリマー、反応性希釈剤及び光重合開始剤を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて種々の添加成分、例えば硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ等などの無機顔料、フタロシアニン系、アゾ系などの有機顔料、消泡剤、レベリング剤などの塗料添加剤、さらには有機溶剤、フタロシアニン系やアゾ系などの有機顔料、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの熱重合禁止剤、シランカップリング剤、アセトアセトキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の密着性付与剤、界面活性剤、光吸収剤、チクソ性付与剤などのような各種添加剤類を配合することができる。
【0029】
また本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、また本発明の効果をさらに向上させる目的で、その他の感光性樹脂や熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを配合することができる。
【0030】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて有機溶剤で希釈して塗布方法に適した粘度に調整し、例えば、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布する。その後、活性エネルギー線を直接照射するか、またはパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に露光し、未露光部を水またはアルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成できる。さらに加熱硬化や、活性エネルギー線照射後の加熱硬化もしくは加熱硬化後の活性エネルギー線照射などで硬化を完結させることによりさせると、密着性、耐水性のみならず、はんだ耐熱性、PCT耐性、無電解金めっき耐性、耐屈曲性、耐折性、柔軟性、反り、電気絶縁性などの諸物性に優れた硬化物が形成される。
【0031】
上記現像時に用いるアルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
【0032】
【実施例】
以下に、製造例、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によりその範囲を限定されるものではない。
【0033】
性能評価方法
(1)洗浄性:使用したスクリーンを25℃の5重量%の炭酸ナトリウム水溶液中で5分間振とう洗浄したのち、未露光部の感光性樹脂組成物の有無を調べ、洗浄性を次の基準に従い評価した。
○:ほぼ完全に除去されている △:半分程度除去されている ×:除去されていない
(2)密着性:JIS K−5600記載のクロスカット法を行い、以下のように評価した。
○:はがれなし、△:一部はがれあり、×:完全に剥離
(3)はんだ耐熱性:JIS C−6481記載の試験法に従って、260℃のはんだ槽に10秒間フロートさせるのを1サイクルとして3サイクルを行った後の塗膜状態を調べ、はんだ耐熱性を評価した。
○:変化しない △:塗膜が一部剥離する ×:塗膜の大部分が剥離する
(4)鉛筆硬度:JIS K−5600記載の方法に従って評価した。
(5)耐水性:基板を60℃の温水に浸漬し、1時間保持した後の皮膜の様子、および6時間保持した後の皮膜の様子を以下の基準で観察した。
○:変化しない △:指で強く擦ると剥離する ×:容易に剥離する
【0034】
製造例1
還流管、攪拌機を備えた四つ口フラスコにメチルメタクリレート(MMA)25.0重量部、グリシジルメタクリレート(GMA)26.5重量部及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルエチルメタクリレート(2−HBMA)29.8重量部の混合物とイソプロピルアルコール(IPA)80.0重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部を仕込み、60℃にて窒素雰囲気下で6時間重合を行った。
【0035】
重合終了後、アクリル酸(AA)21.6重量部、ヒドロキノン(HQ)0.8重量部及びテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)1.5重量部を添加し、80℃で酸価が0になるまで反応させた。この樹脂溶液から減圧下でIPAを留去してプレポリマー1を得た。
【0036】
製造例2
還流管、攪拌機を備えた四つ口フラスコにMMA 25.0重量部、メタクリル酸(MAA)16.1重量部及び2−HBMA 29.8重量部の混合物とイソプロピルアルコール(IPA)80.0重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部を仕込み、60℃にて窒素雰囲気下で6時間重合を行った。
【0037】
重合終了後、GMA、ヒドロキノン(HQ)0.8重量部及びテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)1.5重量部を添加し、80℃で酸価が0になるまで反応させた。この樹脂溶液を減圧下で加熱、IPAを留去してプレポリマー2を得た。
【0038】
製造例3
2−HBMA 29.8重量部の代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)24.5重量部を用いた以外は、製造例1と同様にしてプレポリマー3を合成した。
【0039】
製造例4
2−HBMA 29.8重量部の代わりに、2−HEMA 24.5重量部を用いた以外は、製造例2と同様にしてプレポリマー4を合成した。
【0040】
実施例1
製造例1で得られたプレポリマー1 100重量部に、反応性希釈剤として2−HBMA 50重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート30重量部を加えて均一に溶解させ、光重合開始剤のベンジルメチルケタノール3.0重量部、フタロシアニングリーン1.5重量部、タルク20重量部を加え、3本ロールで混合分散させて、感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷法により銅張積層板に塗布し、高圧水銀灯を用いて露光して完全硬化させ、性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】
実施例2
実施例1で用いたプレポリマー1の代わりに製造例2で得られたプレポリマー2を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。
【0042】
実施例3
実施例1で反応性希釈剤として加えた2−HBMA 50重量部の代わりに、2−HEMA 50重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。
【0043】
実施例4
実施例1で反応性希釈剤として加えた2−HBMA 50重量部の代わりに、2−HEMA 20重量部、MMA 30重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。
【0044】
製造例3で得られたプレポリマー3 100重量部に、反応性希釈剤として2−HBMA 50重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート30重量部を加えて均一に溶解させようとしたが、一部ポリマーがゲル化しており完全には溶解しなかった。光重合開始剤のベンジルメチルケタノール3.0重量部、フタロシアニングリーン1.5重量部、タルク20重量部を加え、3本ロールでの混合分散を試みたが均一な液状にすることができなかったため、評価を断念した。
【0045】
比較例1
実施例1で得られたプレポリマー1の代わりに、製造例4で得られたプレポリマー4を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表2に示す。
【0046】
比較例2
実施例1で得られたプレポリマー1の代わりに、製造例4で得られたプレポリマー4を用い、実施例1で反応性希釈剤として加えた2−HBMA 50重量部の代わりに、2−HEMA 50重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表2に示す。
【0047】
比較例3
実施例1で得られたプレポリマー1の代わりに、製造例4で得られたプレポリマー4を用い、実施例1で反応性希釈剤として加えた2−HBMA 50重量部の代わりに、2−HEMA 20重量部、MMA 30重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表2に示す。
【0048】
【0049】
【0050】
以上のように、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートをプレポリマー骨格中に導入した場合、未硬化部の洗浄性が良好で、硬化物は優れた耐水性、密着性、耐熱性、表面硬度を有していることがわかる。反応性希釈剤の成分として第3級水酸基含有(メタ)アクリレートを選択した場合には、6時間後の耐水性試験に於いても耐性を示すなど、耐水性の効果が向上する。
【0051】
プレポリマー4は、第1級水酸基含有(メタ)アクリレートである2−HEMAを共重合し、骨格に導入したものであるが、これを用いた比較例では洗浄性や密着性は満足するものの、耐水性に劣る結果であった。
【0052】
また製造例3で合成したプレポリマー3は、一部架橋していることがわかった。これは(メタ)アクリロイル基導入の工程での加熱によって、プレポリマー側鎖中に組み込んだ第1級水酸基とグリシジル基が反応し、ポリマー鎖同士が自己架橋したことによるものと考えている。製造例1のプレポリマー1の合成に於いては同様の架橋反応は見られない。プレポリマー1の側鎖に組み込んだ第3級水酸基は第1級水酸基と比較してグリシジル基との反応性が小さく、自己架橋反応が進行しにくい。本発明の感光性樹脂組成物は未硬化物、硬化物の諸性能に優れる点だけでなく、安定した品質の感光性樹脂組成物の製造が可能である点でも有用である。
【0053】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物は、未硬化部の洗浄性に優れ、かつ基板に対する密着性や耐水性、耐熱性、硬度などの良好な硬化塗膜を与えるため、例えばプリント配線板用のソルダーレジストやマーキングインキなどとして好適に用いることができるが、その他インキやプラスチック塗料など各種コーティング分野、感光性接着剤、プラスチックレリーフ材料、FRP、ライニング、絶縁ワニス、絶縁シート、積層版、プリント基板、ドライフィルム、カラーフィルター、ブラックマトリックス用顔料レジスト、エッチングレジスト、メッキレジスト、半導体封止剤など、幅広い用途に使用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化し、耐水性を備えた硬化物を与える感光性樹脂組成物であって、未露光部が水またはアルカリ水溶液によって洗浄可能な、印刷配線板用のソルダーレジスト、あるいはマーキングインキとして特に有用な感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗料や接着剤といった樹脂硬化システムは、省エネルギーや生産性の観点から紫外線照射など活性エネルギー線の照射によるものが広く利用されるようになってきている。例えばエレクトロニクス関連分野においては、感光性樹脂組成物を回路の保護皮膜形成材(レジストインキ)として使用している。ここで用いられるレジストインキは、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン系樹脂などに(メタ)アクリロイル基を付与させた感光性樹脂と、多官能(メタ)アクリレートなどからなる反応性希釈剤と、光重合開始剤などから構成されるものである。基板にスクリーン印刷法などで塗工されたのち、紫外線照射などの手段によって硬化させる。フォトマスクなどにより露光部を制限し、基板上の未露光部を洗浄除去すれば、所望のパターンを現像することができる。また、スクリーン印刷時に塗工機に付着した未硬化のインキは、時間の経過とともに硬化してしまうため、基板を洗浄したり、印刷を中断する度にスクリーンを洗浄してインキを除去している。
【0003】
こういった現像や洗浄の工程では有機溶剤が用いられることが多く、環境負荷や作業環境の点から、水またはアルカリ水溶液で洗浄可能なレジストインキの需要が高まっている。この要求に対して、水またはアルカリ水溶液で洗浄可能な種々の感光性樹脂組成物が開示されている(特許文献1〜3参照。)。しかし主剤を水溶化したりするなどの方法では、洗浄性に優れるものの硬化物の耐水性が十分でない場合があり、また耐水性を有するものは洗浄性が十分でないことなど、優れた洗浄性と硬化物の耐水性のバランスを両立することは従来困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特公平1−54390号公報
【特許文献2】
特開平8−44059号公報
【特許文献3】
特開平11−172176号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化し、かつ未露光部が水またはアルカリ水溶液で洗浄が可能であって、紫外線などの活性エネルギー線の照射により硬化し、耐水性などの優れた硬化物特性を与える感光性樹脂組成物、特に印刷配線板用のソルダーレジストあるいはマーキングインキとして有用な感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートを共重合したプレポリマーに、反応性希釈剤と光重合開始剤とを組合わせた組成物が、活性エネルギー線の照射により容易に硬化して、耐水性に優れた硬化物を与え、しかも水やアルカリ水溶液での現像や洗浄が容易であることを見出した。反応性希釈剤にも第3級水酸基含有(メタ)アクリレートを選択すると、耐水性の効果はさらに向上する。
【0007】
すなわち、本発明は式(1)で示す第3級水酸基含有(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有(メタ)アクリレートまたはカルボキシル基含有(メタ)アクリレートとを必須成分として含むビニル重合性モノマー混合物を重合して得られる共重合体のエポキシ基またはカルボキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入して成るプレポリマー(A)、反応性希釈剤(B)、および光重合開始剤(C)を必須成分として含有することを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。なお本発明における(メタ)アクリレートとは、メタクリレートおよびアクリレートの両者を示す。
【0008】
【化5】
(式中、R1、R2は独立して炭素数1〜4のアルキル基、R3は繰り返し単位毎に独立してメチル基又は水素原子、R4はメチル基又は水素原子を表し、nは1〜3の整数を示す。)
【0009】
本発明においてプレポリマー(A)は、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートとエポキシ基含有(メタ)アクリレート、さらにこれらと共重合可能なビニル重合性モノマーからなるモノマー混合物を共重合して得られた共重合体のエポキシ基に(メタ)アクリロイル基を導入するか、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートとカルボキシル基含有(メタ)アクリレート、さらにこれらと共重合可能なビニル重合性モノマーからなるモノマー混合物を共重合して得られた共重合体のカルボキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入することにより得られるものである。
【0010】
第3級水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート等が例示できるが、式(2)の2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。もちろん2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの如き第1級、第2級の水酸基を持つものを併用しても良いが、硬化物の耐水性の効果が損なわれるおそれがあるので、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートのみを用いることがより好ましい。
【0011】
【化6】
(式中、R5はメチル基又は水素原子を表す。)
【0012】
エポキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
カルボキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロキシエチルコハク酸、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸などが挙げられるが、(メタ)アクリル酸が好ましい。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
その他共重合体の原料単量体として用いられる共重合可能なビニル重合性モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類等、スチレン、α―メチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、メタクロレインなどのビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド類、アクリルアミド類、ビニルピロリドン類が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
該共重合体を製造する際の第3級水酸基含有(メタ)アクリレートの使用量は、全モノマー組成に対して5〜60モル%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50モル%である。5モル%未満では十分な洗浄性が得られず、60モル%を超えると硬化物の電気特性に悪影響を及ぼすおそれがあるため好ましくない。
【0016】
エポキシ基含有(メタ)アクリレートまたはカルボキシル基含有(メタ)アクリレートの使用量は、全モノマー組成に対して5〜60モル%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50モル%である。5モル%未満では(メタ)アクリロイル基の導入量が少なくなり、感光性樹脂組成物の硬化が困難になる。60モル%を超えると、(メタ)アクリロイル基の導入量が多くなりすぎるために局所的な硬化反応が進行するため、架橋密度が低下して十分な機械物性が得られない場合がある。
【0017】
本発明においては、前記のモノマー混合物をラジカル重合法など公知の方法により共重合させ、得られた共重合体のエポキシ基またはカルボキシル基に(メタ)アクリロイル基を導入することが必要である。(メタ)アクリロイル基の導入には、エポキシ基に対しては、(メタ)アクリル酸が好ましく用いられ、カルボキシル基に対しては、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
【0018】
この(メタ)アクリロイル基の導入工程は、適切な触媒の存在下で行われる。用いられる触媒としてはテトラメチルアンモニウムクロリドやテトラメチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリドやテトラエチルアンモニウムブロミド、硫酸水素テトラメチルアンモニウムなどの4級アンモニウム塩を好適に用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。使用量としては導入する(メタ)アクリロイル基の数に対して0.5〜5モル%の範囲で好適に用いられる。
【0019】
本発明においては、このようにして得られた(メタ)アクリロイル基を導入したプレポリマー(A)に、反応性希釈剤(B)及び光重合開始剤(C)を配合して感光性樹脂組成物を調製する。
【0020】
反応性希釈剤(B)は、前記プレポリマー(A)を効果的に硬化させ、良好な塗膜を得るために使用する。分子内にエチレン性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物が好ましく用いられる。このような反応性希釈剤としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2‐エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1、3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ(メタ)アクリレート類、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類等、スチレン、α―メチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、メタクロレインなどのビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−置換マレイミド類、アクリルアミド類、ビニルピロリドン類、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0021】
これらの反応性希釈剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、前記プレポリマー(A)に対して、通常5〜300重量%、好ましくは20〜150重量%の範囲で選ばれる。5重量%未満では光硬化性が不十分であって、硬化塗膜の耐酸性や耐熱性の向上効果が十分に発揮されないし、300重量%を超えると表面硬化が起こり、内部硬化が不十分になるため、硬化塗膜の密着性が得られないおそれがある。
【0022】
この反応性希釈剤の組成は使用目的によって適宜選択されるが、基板との密着性、水やアルカリ水溶液での洗浄性などの点から水酸基含有(メタ)アクリレートを必須成分として配合することが多い。この水酸基含有(メタ)アクリレートとして特に式(1)で示す第3級水酸基を有する(メタ)アクリレートを必須成分として選択すると、上記目的とする基板との密着性、水やアルカリ水溶液での洗浄性の他に、硬化物の耐水性が発現する。第3級水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、さらに式(2)の2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0023】
【化7】
(式中、R1、R2は独立して炭素数1〜4のアルキル基、R3は繰り返し単位毎に独立してメチル基又は水素原子、R4はメチル基又は水素原子を表し、nは1〜3の整数を示す。)
【0024】
【化8】
(式中、R5はメチル基又は水素原子を表す。)
【0025】
これは硬化物中に組み込まれた第3級水酸基の効果に基づくものであり、要求性能によりその配合量を決定すればよい。反応性希釈剤中の第3級水酸基含有(メタ)アクリレートの含有量としては、3モル%以上が好ましく、さらに好ましくは5モル%以上である。3モル%以下の場合には第3級水酸基の親水性や耐水性といった特徴が発揮され難いためである。また、95モル%以上用いた場合に硬化物が脆くなったりする傾向があるときには、ステアリル(メタ)アクリレートや2−エトキシエチル(メタ)アクリレートなどの可とう性を付与するものを選択し、これらを5モル%以上使用することが好ましい。また、硬化物の耐薬品性やさらなる表面硬度が要求される場合には多官能性モノマーを用いて架橋密度を向上させる手法が効果的である。
【0026】
光重合開始剤(C)については一般に使用されているものを用いることができ、光を吸収してラジカルを発生し、(メタ)アクリロイル基の不飽和基をラジカル重合させるものであればいずれも使用できる。具体的にはベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、2,4,6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類やキサントン類、オキシム化合物、チタノセン化合物などが挙げられる。これら光重合開始剤は、単独又は2種類以上の混合物として使用でき、さらにはN,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光増感剤を加えることができる。
【0027】
光重合開始剤の配合量はプレポリマー(A)に対して、0.5〜50重量%、好ましくは1〜30重量%の範囲で選ばれる。光重合開始剤の配合量が0.5重量%未満では十分な光硬化が進行せず、硬化塗膜の機械物性や耐薬品性などが劣る場合がある。50重量%を超えると局所的な硬化反応が進行するため、架橋密度が低下して十分な機械物性が得られない場合がある。
【0028】
本発明の感光性樹脂組成物は、プレポリマー、反応性希釈剤及び光重合開始剤を必須成分として含有するものであるが、必要に応じて種々の添加成分、例えば硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ等などの無機顔料、フタロシアニン系、アゾ系などの有機顔料、消泡剤、レベリング剤などの塗料添加剤、さらには有機溶剤、フタロシアニン系やアゾ系などの有機顔料、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの熱重合禁止剤、シランカップリング剤、アセトアセトキシエチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の密着性付与剤、界面活性剤、光吸収剤、チクソ性付与剤などのような各種添加剤類を配合することができる。
【0029】
また本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、また本発明の効果をさらに向上させる目的で、その他の感光性樹脂や熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを配合することができる。
【0030】
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じて有機溶剤で希釈して塗布方法に適した粘度に調整し、例えば、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布する。その後、活性エネルギー線を直接照射するか、またはパターンを形成したフォトマスクを通して選択的に露光し、未露光部を水またはアルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成できる。さらに加熱硬化や、活性エネルギー線照射後の加熱硬化もしくは加熱硬化後の活性エネルギー線照射などで硬化を完結させることによりさせると、密着性、耐水性のみならず、はんだ耐熱性、PCT耐性、無電解金めっき耐性、耐屈曲性、耐折性、柔軟性、反り、電気絶縁性などの諸物性に優れた硬化物が形成される。
【0031】
上記現像時に用いるアルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。
【0032】
【実施例】
以下に、製造例、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によりその範囲を限定されるものではない。
【0033】
性能評価方法
(1)洗浄性:使用したスクリーンを25℃の5重量%の炭酸ナトリウム水溶液中で5分間振とう洗浄したのち、未露光部の感光性樹脂組成物の有無を調べ、洗浄性を次の基準に従い評価した。
○:ほぼ完全に除去されている △:半分程度除去されている ×:除去されていない
(2)密着性:JIS K−5600記載のクロスカット法を行い、以下のように評価した。
○:はがれなし、△:一部はがれあり、×:完全に剥離
(3)はんだ耐熱性:JIS C−6481記載の試験法に従って、260℃のはんだ槽に10秒間フロートさせるのを1サイクルとして3サイクルを行った後の塗膜状態を調べ、はんだ耐熱性を評価した。
○:変化しない △:塗膜が一部剥離する ×:塗膜の大部分が剥離する
(4)鉛筆硬度:JIS K−5600記載の方法に従って評価した。
(5)耐水性:基板を60℃の温水に浸漬し、1時間保持した後の皮膜の様子、および6時間保持した後の皮膜の様子を以下の基準で観察した。
○:変化しない △:指で強く擦ると剥離する ×:容易に剥離する
【0034】
製造例1
還流管、攪拌機を備えた四つ口フラスコにメチルメタクリレート(MMA)25.0重量部、グリシジルメタクリレート(GMA)26.5重量部及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルエチルメタクリレート(2−HBMA)29.8重量部の混合物とイソプロピルアルコール(IPA)80.0重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部を仕込み、60℃にて窒素雰囲気下で6時間重合を行った。
【0035】
重合終了後、アクリル酸(AA)21.6重量部、ヒドロキノン(HQ)0.8重量部及びテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)1.5重量部を添加し、80℃で酸価が0になるまで反応させた。この樹脂溶液から減圧下でIPAを留去してプレポリマー1を得た。
【0036】
製造例2
還流管、攪拌機を備えた四つ口フラスコにMMA 25.0重量部、メタクリル酸(MAA)16.1重量部及び2−HBMA 29.8重量部の混合物とイソプロピルアルコール(IPA)80.0重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.8重量部を仕込み、60℃にて窒素雰囲気下で6時間重合を行った。
【0037】
重合終了後、GMA、ヒドロキノン(HQ)0.8重量部及びテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)1.5重量部を添加し、80℃で酸価が0になるまで反応させた。この樹脂溶液を減圧下で加熱、IPAを留去してプレポリマー2を得た。
【0038】
製造例3
2−HBMA 29.8重量部の代わりに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)24.5重量部を用いた以外は、製造例1と同様にしてプレポリマー3を合成した。
【0039】
製造例4
2−HBMA 29.8重量部の代わりに、2−HEMA 24.5重量部を用いた以外は、製造例2と同様にしてプレポリマー4を合成した。
【0040】
実施例1
製造例1で得られたプレポリマー1 100重量部に、反応性希釈剤として2−HBMA 50重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート30重量部を加えて均一に溶解させ、光重合開始剤のベンジルメチルケタノール3.0重量部、フタロシアニングリーン1.5重量部、タルク20重量部を加え、3本ロールで混合分散させて、感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物を、スクリーン印刷法により銅張積層板に塗布し、高圧水銀灯を用いて露光して完全硬化させ、性能評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】
実施例2
実施例1で用いたプレポリマー1の代わりに製造例2で得られたプレポリマー2を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。
【0042】
実施例3
実施例1で反応性希釈剤として加えた2−HBMA 50重量部の代わりに、2−HEMA 50重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。
【0043】
実施例4
実施例1で反応性希釈剤として加えた2−HBMA 50重量部の代わりに、2−HEMA 20重量部、MMA 30重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表1に示す。
【0044】
製造例3で得られたプレポリマー3 100重量部に、反応性希釈剤として2−HBMA 50重量部とトリメチロールプロパントリアクリレート30重量部を加えて均一に溶解させようとしたが、一部ポリマーがゲル化しており完全には溶解しなかった。光重合開始剤のベンジルメチルケタノール3.0重量部、フタロシアニングリーン1.5重量部、タルク20重量部を加え、3本ロールでの混合分散を試みたが均一な液状にすることができなかったため、評価を断念した。
【0045】
比較例1
実施例1で得られたプレポリマー1の代わりに、製造例4で得られたプレポリマー4を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表2に示す。
【0046】
比較例2
実施例1で得られたプレポリマー1の代わりに、製造例4で得られたプレポリマー4を用い、実施例1で反応性希釈剤として加えた2−HBMA 50重量部の代わりに、2−HEMA 50重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表2に示す。
【0047】
比較例3
実施例1で得られたプレポリマー1の代わりに、製造例4で得られたプレポリマー4を用い、実施例1で反応性希釈剤として加えた2−HBMA 50重量部の代わりに、2−HEMA 20重量部、MMA 30重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして実施した。結果を表2に示す。
【0048】
【0049】
【0050】
以上のように、第3級水酸基含有(メタ)アクリレートをプレポリマー骨格中に導入した場合、未硬化部の洗浄性が良好で、硬化物は優れた耐水性、密着性、耐熱性、表面硬度を有していることがわかる。反応性希釈剤の成分として第3級水酸基含有(メタ)アクリレートを選択した場合には、6時間後の耐水性試験に於いても耐性を示すなど、耐水性の効果が向上する。
【0051】
プレポリマー4は、第1級水酸基含有(メタ)アクリレートである2−HEMAを共重合し、骨格に導入したものであるが、これを用いた比較例では洗浄性や密着性は満足するものの、耐水性に劣る結果であった。
【0052】
また製造例3で合成したプレポリマー3は、一部架橋していることがわかった。これは(メタ)アクリロイル基導入の工程での加熱によって、プレポリマー側鎖中に組み込んだ第1級水酸基とグリシジル基が反応し、ポリマー鎖同士が自己架橋したことによるものと考えている。製造例1のプレポリマー1の合成に於いては同様の架橋反応は見られない。プレポリマー1の側鎖に組み込んだ第3級水酸基は第1級水酸基と比較してグリシジル基との反応性が小さく、自己架橋反応が進行しにくい。本発明の感光性樹脂組成物は未硬化物、硬化物の諸性能に優れる点だけでなく、安定した品質の感光性樹脂組成物の製造が可能である点でも有用である。
【0053】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物は、未硬化部の洗浄性に優れ、かつ基板に対する密着性や耐水性、耐熱性、硬度などの良好な硬化塗膜を与えるため、例えばプリント配線板用のソルダーレジストやマーキングインキなどとして好適に用いることができるが、その他インキやプラスチック塗料など各種コーティング分野、感光性接着剤、プラスチックレリーフ材料、FRP、ライニング、絶縁ワニス、絶縁シート、積層版、プリント基板、ドライフィルム、カラーフィルター、ブラックマトリックス用顔料レジスト、エッチングレジスト、メッキレジスト、半導体封止剤など、幅広い用途に使用することができる。
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