JP6905347B2 - 容器詰め炭酸アルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、容器詰め炭酸アルコール飲料及びその製造方法に関する。
容器詰め炭酸アルコール飲料(Ready To Drink;RTD飲料などとも呼ばれる)として、ベース酒(例えば焼酎、スピリッツ及び原料用アルコール等の蒸留酒)に、果汁、フレーバー、甘味料、及び酸味料等を添加し、風味を付した製品が知られている。
例えば、特許文献1(特開2007−117063号公報)には、糖類や果汁類を含有するアルコール飲料において、爽快感を得るために、リン酸又はその塩を5〜55w/w%含有する酸味料を配合する点が開示されている。
特開2007−117063号公報
容器詰め炭酸アルコール飲料として、食事との相性をよくするために、アルコール濃度を高め、甘さを減らした商品がある。甘さを減らすため、通常、糖類などの甘味料や、果汁類の使用量が減らされる。しかしながら、甘さを減らし、かつアルコール濃度を高めた飲料では、食事との相性は良くなるものの、アルコールの刺激臭が感じられやすくなる。また、酸味料やその塩等に由来する酸味や塩味がアルコールの苦味と混然一体化し、すっきりしない風味(以下、雑味という)が強調され、嗜好性に劣りやすくなる。
そこで、本発明の課題は、甘さが少なく、かつ、アルコール濃度が高い容器詰め炭酸アルコール飲料において、雑味が低減されたアルコール飲料を提供する点にある。
本発明の発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、甘さの少ない容器詰め炭酸アルコール飲料において、炭酸ガス圧を高めるとともに、酸味料として所定量のリン酸を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の事項を含んでいる。
〔1〕リン酸又はその塩を0.01〜1.3(g/L)含有し、炭酸ガス圧が2.5ガスボリューム以上であり、甘味値が2以下である、容器詰め炭酸アルコール飲料。
〔2〕アルコール含量が6v/v%以上である、前記〔1〕に記載の炭酸アルコール飲料。
〔3〕高甘味度甘味料を含有しない、前記〔1〕又は〔2〕に記載の容器詰め炭酸アルコール飲料。
〔4〕リン酸又はその塩の含有量が、0.05〜1.0(g/L)の範囲である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
〔5〕リン酸又はその塩の含有量が0.06〜0.3(g/L)の範囲である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
〔6〕炭酸ガス圧が3.0ガスボリューム以上である、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
〔7〕ジン由来のアルコールの含有量が、0.01〜1.5(v/v%)である、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
〔8〕α−ピネンを0.1〜200ppb含有する、前記〔1〕乃至〔7〕のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
〔9〕更に、クエン酸を含有する、前記〔1〕乃至〔8〕のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
〔10〕クエン酸の含有量が、0.3〜3.0(g/L)である、前記〔9〕に記載の炭酸アルコール飲料。
〔11〕日本酒度が10.0以上である、前記〔1〕乃〔10〕のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
〔12〕果汁含有量が5(w/v%)以下である、前記〔1〕乃至〔11〕のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
〔13〕アルコールを含有する飲料液に、リン酸又はその塩を添加する工程と、
前記飲料液のアルコール含量を6v/v%以上になるように調整する工程と、
前記飲料液の炭酸ガス圧を2.5ガスボリューム以上になるように調整する工程と、
前記飲料液の甘味値を2以下になるように調整する工程と、
前記飲料液を容器に充填する工程と、
を備える、容器詰め炭酸アルコール飲料の製造方法。
〔14〕前記リン酸又はその塩の添加量が、0.01〜1.3(g/L)の範囲である、前記〔12〕に記載の方法。
〔15〕前記アルコール含量を6v/v%以上になるように調整する工程が、ジン由来のアルコールが0.01〜1.5v/v%含まれるように、ジンを添加する工程を含んでいる、前記〔13〕又は〔14〕に記載の方法。
本発明によれば、甘さが少なく、かつ、アルコール濃度が高い容器詰め炭酸アルコール飲料において、雑味が低減したアルコール飲料が提供される。
本実施態様に係る容器詰め炭酸アルコール飲料は、リン酸又はその塩を0.01〜1.3(g/L)含有し、炭酸ガス圧が2.5ガスボリューム以上であり、甘味値が2以下である。
(甘味値)
甘味値とは、飲料の甘さの強さを示すパラメータであり、飲料中に含まれる甘味料の含有量を、甘味の観点からショ糖に換算して求めたパラメータである。具体的には、飲料に含まれる各甘味料について、その濃度(g/100ml)に、当該甘味料の「甘味度」を乗じることにより、ショ糖に換算した時の各甘味料の含有量(g/100ml)が求められる。そして、飲料に含まれる全甘味料についてのショ糖換算含有量の合計値(g/100ml)が、飲料の「甘味値」として求められる。
尚、「甘味度」とは、ショ糖と比較した時の各甘味料の甘味の強さを示すパラメータであり、本発明においては、「甘味度」として、「飲料用語事典、平成11年6月25日発行、株式会社ビバリッジジャパン社、資11」の値を採用する。尚、甘味度の値に幅がある場合には、その中央値を採用する。
例えば、代表的な甘味料の甘味度は、以下の通りである。
ブドウ糖(甘味度0.65)
果糖(甘味度1.5)
スクラロース(甘味度600)
アセスルファムカリウム(甘味度200)
アスパルテーム(甘味度200)
すなわち、本発明の飲料には、甘味料が含まれていてもよいが、その含有量は甘味値が2以下になるような量である。飲料の甘味値が2以下であることにより、飲料の後味をすっきりさせることができ、食事との相性をよくすることができる。甘味値は、好ましくは1以下、より好ましくは0.5以下、最も好ましくはゼロである。
甘味料としては、例えば、糖類及び高甘味度甘味料が挙げられる。糖類とは、単糖類及び二糖類を意味する。単糖類としては、ぶどう糖、果糖、果糖ぶどう糖液糖、及び又は異性化糖などが挙げられ、二糖類としては、蔗糖、麦芽糖、乳糖、及び異性化乳糖などが挙げられる。
また、好ましくは、本発明の飲料は、高甘味度甘味料を含有しないことが好ましい。
本発明において、高甘味度甘味料とは、ショ糖に比べて10倍以上の甘味度を有する甘味料を言う。高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、及びステビア甘味料などが挙げられる。
更に、本発明の飲料においては、高甘味度甘味料を含有しないことに加えて、糖類の含有量が好ましくは20(g/L)以下、より好ましくは10(g/L)以下、更に好ましくはゼロである。
(ベース酒)
本発明の飲料は、アルコール源であるベース酒に、水等を加えてアルコール度数を調整した飲料である。ベース酒としては、蒸留酒が好ましく用いられる。蒸留酒としては、原料用アルコール、ジン、ウィスキー、ブランデー、焼酎、スピリッツ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、原料用アルコール及びスピリッツが好ましく用いられる。
原料用アルコールとしては、好ましくは、廃糖蜜を発酵させて高度(例えばアルコール度数が90v/v%以上)に精製したものが用いられる。原料用アルコールは、安価であることから、製造コストを低減できる。また、原料用アルコールは、他のベース酒として香気成分の含有量が少ないため、すっきりとした味わいの飲料を得やすくなる。
一方、スピリッツとしては、好ましくはジンが用いられる。ジンは、大麦、ライ麦、ジャガイモ等の穀類の発酵液に、ジュニパーベリー(西洋ネズの実)等の香りを付けた無色透明の蒸留酒である。ジュニパーベリーには、特徴香成分として、α−ピネン及びテルピネオール等を含んでいる。
特に好ましくは、本発明の飲料は、ベース酒として主に原料用アルコールを使用し、更にジンを少量使用した飲料である。ジンは、好ましくは、飲料中におけるジン由来のアルコールの含有量が0.01〜1.5(v/v%)、好ましくは0.03〜1(v/v%)となるような量で使用される。また、本発明の飲料は、好ましくは、α−ピネンを0.1〜200ppb、好ましくは1〜150ppb含有する。
(アルコール度数)
本発明の飲料のアルコール度数は、6v/v%以上であることが好ましく、より好ましくは7v/v%以上、更に好ましくは8v/v%以上である。また、アルコール度数は、好ましくは15v/v%以下、より好ましくは13v/v%以下、更に好ましくは11v/v%以下である。アルコール度数を6v/v%以上とすることにより、お酒らしい飲みごたえを付与することができる。また、不快臭及び雑味を減らすことができ、更に、後味をすっきりとさせることができる。
(炭酸ガスボリューム)
本発明の飲料の炭酸ガス圧は、既述のように、2.5ガスボリューム以上である。好ましくは、炭酸ガス圧は、3.0ガスボリューム以上、より好ましくは3.3ガスボリューム以上である。また、炭酸ガス圧は、例えば、5.0ガスボリューム以下、好ましくは4.5ガスボリューム以下である。
炭酸ガス圧を2.5ガスボリューム以上とすることにより、酒らしい飲みごえ、及び後味のすっきり感を強めることができる。また、雑味及び不快臭を弱めることができる。
(酸味料)
本発明の飲料には、酸味料が含まれている。酸味料としては、既述のように、0.01〜1.3(g/L)のリン酸又はその塩が用いられる。飲料中のリン酸又はその塩の含有量は、好ましくは0.05〜1.0(g/L)、より好ましくは0.06〜0.3(g/L)である。酸味料としてリン酸又はその塩を使用することにより、酒らしい飲みごえ、及び後味のすっきり感を強めることができる。また、雑味及び不快臭を弱めることができる。リン酸の塩としては、例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウム、及びリン酸カルシウム等が挙げられる。
また、酸味料として、リン酸又はその塩以外の酸味料が加えられていてもよい。リン酸又はその塩以外の酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム(クエン酸ナトリウム)、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、及びDL−リンゴ酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
好ましくは、本発明の飲料には、酸味料として、リン酸又はその塩に加えて、クエン酸及びクエン酸ナトリウムが用いられる。この際、クエン酸の含有量は、例えば、0.3〜3.0(g/L)、好ましくは0.5〜1.65(g/L)、より好ましくは1.0〜2.0(g/L)である。クエン酸ナトリウムの含有量は、例えば、0.01〜2.0(g/L)、好ましくは0.1〜2.0(g/L)である。
また、飲料の酸度は、例えば、0.01〜5.0g/100mL、好ましくは、0.05〜1.0(g/100mL)、より好ましくは0.08〜0.5(g/100mL)である。尚、酸度は、クエン酸換算した酸度を示し、国税庁所定分析法にて定められた酸度の測定方法に基づいて算出される。
(日本酒度)
本発明の飲料は、10.0以上の日本酒度を有していることが好ましい。日本酒度は、より好ましくは、12.0以上、更に好ましくは15.0以上である。また、日本酒度は、例えば、22.0以下、好ましくは20.0以下である。
尚、日本酒度は、日本酒等の飲料の比重を表すために設けられた単位であり、下記式により求められる。
(数式1):日本酒度=1443/S−1443
上式中、Sは比重(15/4℃)である。
一般的に、甘口の飲料は比重が大きいことから日本酒度が小さくなり、辛口の飲料は逆に日本酒度が大きくなる。本発明の飲料は、日本酒度が10.0以上、すなわち、比較的辛口の飲料であることが好ましい。
(香料)
本発明の飲料には、香料が含まれていることが好ましい。香料としては、例えばレモンフレーバーが好適である。香料の含有量は、0.1〜2.0(g/L)、好ましくは0.3〜1.0(g/L)である。
(果汁)
本発明の飲料は、低果汁又は無果汁飲料であることが好ましい。好ましくは、飲料中の果汁の含有量は、5(w/v%)以下、より好ましくは3(w/v%)以下であり、最も好ましくは、本発明の飲料は無果汁である。低果汁又は無果汁飲料であることにより、飲料の後味をすっきりさせることができ、食事との相性をよくすることができる。
(製造方法)
本発明に係る飲料は、アルコールを含有する飲料液に、リン酸またはその塩を添加する工程、飲料液のアルコール含量を6v/v%以上になるように調整する工程、飲料液の炭酸ガス圧を2.5ガスボリューム以上になるように調整する工程、飲料液の甘味値を2以下になるように調整する工程、及び飲料液を容器に充填する工程、必要により加熱殺菌する工程、を有する方法によって製造することができる。
例えば、アルコール度数が所定濃度になるように、ベース酒を水により希釈する。更に、甘味値が2以下になるように、酸味料等のその他の添加物を所定量加え、均一に混合する。次いで、カーボネーションにより炭酸を添加し、ガスボリュームを調整する。容器に充填・密封する。これにより、本発明に係る飲料を得ることができる。なお、水に代えて炭酸水を用いることによって炭酸を添加してもよい。
(実施例)
以下、本発明について実施例を挙げて詳細に説明する。但し、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[試験例1]
原料用アルコール(アルコール度数95v/v%)に、表1に示される処方に従って、酸味料(無水クエン酸、リン酸無水物、無水クエン酸三ナトリウム)、及びレモンフレーバーを添加した。また、所定のガス圧になるように炭酸水を加え、例1乃至5に係るアルコール飲料を得た。各飲料のアルコール度数は9v/v%であり、甘味値は0であった。また、酸度は約0.2g/100mLであり、ガスボリュームは2.5、日本酒度は17.9であった。
得られた例1乃至5のアルコール飲料について、例1を基準として、6名の専門パネルによる官能評価を実施した。
官能評価は、酒らしい飲み応えの強さ(酒感)、後味のすっきり感の強さ、雑味の強さ、不快臭の強さのそれぞれについて、5段階(−2:弱い、−1:やや弱い、0:普通、+1:やや強い、+2:強い)で評価した。
また味の総合評価についても、5段階(−2:悪い、−1:やや悪い、0:普通、+1:やや良い、+2:良い)で評価した。
何れの評価項目についても、6名の専門パネルの平均値を結果とした。すなわち、数値が高いほど、「酒らしい飲み応え」及び「後味のすっきり感」が強く、「雑味」及び「不快臭」が強く、「味の総合評価」が高いことを示している。
結果を表2に示す。表2に示されるように、例2乃至例4の飲料において、酒らしい飲み応え、後味のすっきり感が強く感じられ、かつ雑味、不快臭が弱まって、飲料としての総合評価が高まったことが確認された。すなわち、アルコール9%、かつ、甘味値がゼロの炭酸アルコール飲料において、リン酸濃度が0.05〜1.0(g/L)の濃度でリン酸を使用した場合に、飲料としての総合評価が高まったことが確認された。一方、リン酸を1.7(g/L)含有する例5に係る飲料では、逆に、酒らしい飲み応え及び後味のすっきり感が損なわれ、かつ雑味、不快臭が強まり、総合評価が低下した。
[試験例2]
続いて、試験例1において最も総合評価が高かった例3の飲料に対して、ガスボリューム及び甘味値を変更し、例6乃至9に係る飲料を得た。甘味値については、ショ糖を添加することにより、調製した。得られた飲料の処方を表3に示す。
そして、例3及び例6乃至9の飲料について、例3の官能評価点を基準:0点とし、試験例1と同様に、官能評価を行った。
結果を表4に示す。
表4に示されるように、例6に係る飲料は、例3に係る飲料と比較して、酒らしい飲み応え、後味のすっきり感が弱まり、かつ雑味、不快臭が強まって、飲料としての総合評価が低くなった。一方、例7に係る飲料は、逆に、例3に係る飲料と比べて、酒らしい飲み応え、後味のすっきり感が強まり、かつ雑味、不快臭が弱くなって、飲料としての総合評価が高まった。すなわち、官能評価の結果、炭酸ガスボリュームが2.5以上である例3及び例7に係る飲料は、そうでない飲料と比べて良好であり、炭酸ガスボリュームが3以上である場合(例7に係る飲料)に特に良好な結果が得られた。
また、例3、例8及び例9の結果を比較すると、甘味値が2である例8の飲料は、甘味度が0である例3の飲料と比べて、酒らしい飲み応えが強く、かつ雑味、不快臭が弱く、飲料としての総合評価が同程度であった。一方、甘味値が5である例9の飲料は、例3に係る飲料と比較して、酒らしい飲み応え、及び後味のすっきり感が弱まり、かつ雑味がやや強まって、飲料としての総合評価が低くなった。すなわち、甘味値が2以下である飲料において、良好な評価結果が得られることが確認された。
[試験例3]
次に、例3の飲料に対して、アルコール濃度及びリン酸の有無を変更し、例10〜14に係る飲料を得た。得られた飲料の処方を表5に示す。
得られた例3及び例10乃至14の飲料について、試験例2と同様に、例3の官能評価点を基準:0点とした官能評価を行った。結果を表6に示す。
表6に示されるように、アルコール度数を下げるに従い、酒らしい飲み応え、後味のすっきり感が9%の場合より弱くなり、かつ雑味、不快臭が強まって、飲料としての総合評価が低くなった。また、リン酸を配合しない場合は、リン酸を配合した場合と比較して、酒らしい飲み応え、後味のすっきり感が弱く、かつ雑味、不快臭が強い傾向にあった。
また、例10、例11の日本酒度の測定値は、それぞれ12.3、8.6であった。
[試験例4]
次に、例3の処方において、添加するアルコール源(原料用アルコール)の一部をジン(100%アルコール換算でα−ピネンを14.1ppm含有)に置き換え、例15乃至17に係る飲料を得た。得られた飲料の処方を表7に示す。
得られた例3及び例15乃至17の飲料について、試験例2と同様に、例3の官能評価点を基準:0点とした官能評価を行った。結果を表8に示す
表8に示されるように、ジンをアルコール換算でそれぞれ0.3、10ml/L加えた例15及び例16の飲料(α−ピネンを4.2〜140ppb含有する飲料)は、例3の飲料と比較して、酒らしい飲み応え及び後味のすっきり感が高まり、雑味及び不快臭が弱まり、飲料としての総合評価が高くなった。一方、ジンの添加量をアルコール換算で20ml/Lにまで増やした例17の飲料(α-ピネンを280ppb含有する飲料)では、酒らしい飲み応えは高まるものの、後味のすっきり感が弱まり、かつ雑味、不快臭が強まって、飲料としての総合評価が低くなる結果となった。
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Claims (14)

  1. リン酸又はその塩を0.01〜1.3(g/L)含有し、
    炭酸ガス圧が2.5ガスボリューム以上であり、
    甘味値が2以下であり、
    ジン由来のアルコールの含有量が、0.01〜1.5(v/v%)であり、
    0.3〜3.0(g/L)のクエン酸を含有する、
    容器詰め炭酸アルコール飲料。
  2. α−ピネンを0.1〜200ppb含有する、請求項1に記載の炭酸アルコール飲料。
  3. リン酸又はその塩を0.01〜1.3(g/L)含有し、
    炭酸ガス圧が2.5ガスボリューム以上であり、
    甘味値が2以下であり、
    α−ピネンを0.1〜200ppb含有し、
    0.3〜3.0(g/L)のクエン酸を含有する、
    容器詰め炭酸アルコール飲料。
  4. 日本酒度が10.0以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載の容器詰め炭酸アルコール飲料。
  5. リン酸又はその塩を0.01〜1.3(g/L)含有し、
    炭酸ガス圧が2.5ガスボリューム以上であり、
    甘味値が2以下であり、
    ジン由来のアルコールの含有量が、0.01〜1.5(v/v%)であり、
    日本酒度が10.0以上である、
    容器詰め炭酸アルコール飲料。
  6. アルコール含量が6v/v%以上である、請求項1乃至5のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
  7. 高甘味度甘味料を含有しない、請求項1乃至6のいずれかに記載の容器詰め炭酸アルコール飲料。
  8. リン酸又はその塩の含有量が、0.05〜1.0(g/L)の範囲である、請求項1乃至のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
  9. リン酸又はその塩の含有量が0.06〜0.3(g/L)の範囲である、請求項1乃至のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
  10. 炭酸ガス圧が3.0ガスボリューム以上である、請求項1乃至のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
  11. 果汁含有量が5(w/v%)以下である、請求項1乃至10のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
  12. アルコールを含有する飲料液に、リン酸又はその塩を添加する工程と、
    前記飲料液のアルコール含量を6v/v%以上になるように調整する工程と、
    前記飲料液の炭酸ガス圧を2.5ガスボリューム以上になるように調整する工程と、
    前記飲料液の甘味値を2以下になるように調整する工程と、
    前記飲料液を容器に充填する工程と、
    前記飲料液に、0.3〜3.0(g/L)のクエン酸を含有させる工程と、を備え、
    前記アルコール含量を6v/v%以上になるように調整する工程が、ジン由来のアルコールが0.01〜1.5v/v%含まれるように、ジンを添加する工程を含んでいる、容器詰め炭酸アルコール飲料の製造方法。
  13. アルコールを含有する飲料液に、リン酸又はその塩を添加する工程と、
    前記飲料液のアルコール含量を6v/v%以上になるように調整する工程と、
    前記飲料液の炭酸ガス圧を2.5ガスボリューム以上になるように調整する工程と、
    前記飲料液の甘味値を2以下になるように調整する工程と、
    前記飲料液を容器に充填する工程と、
    前記飲料液に、0.3〜3.0(g/L)のクエン酸を含有させる工程と、
    前記飲料液に、α−ピネンを0.1〜200ppb含有させる工程と、を備える、容器詰め炭酸アルコール飲料の製造方法。
  14. 前記リン酸又はその塩の添加量が、0.01〜1.3(g/L)の範囲である、請求項12又は13に記載の方法。
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